JP2009133381A - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 油圧緩衝器において、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を向上すること。
【解決手段】 フリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢する加圧スプリング66を有してなるフロントフォーク10において、シリンダチューブ16にピストンロッド20が進入する圧縮行程の初期段階だけ、フリーピストン61をサブピストン52の反対側に向けて付勢する反加圧スプリング70を設けてなるもの。
【選択図】 図3

Description

本発明は油圧緩衝器に関する。
油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設けてなるものがある。
この油圧緩衝器は、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有している。フリーピストンは、サブタンク室を加圧し、この加圧作用をサブピストンの圧側減衰バルブを介してシリンダチューブ内に波及させ、ピストンロッドがシリンダチューブに進入する圧縮行程で、圧側減衰バルブの減衰力特性の安定を図るものである。
特許2870678
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、ピストンロッドが伸切端から反転する圧縮行程の初期段階から、加圧スプリングがフリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢し、この加圧作用をサブピストンの圧側減衰バルブに及ぼしている。従って、ピストンロッドが伸切端から反転する圧縮行程の初期段階で、シリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用するロッド反力が大きく、伸切端から圧縮行程への反転の応答性が悪い。
本発明の課題は、油圧緩衝器において、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を向上することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設け、フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなる油圧緩衝器において、シリンダチューブにピストンロッドが進入する圧縮行程の初期段階だけ、フリーピストンをサブピストンの反対側に向けて付勢する反加圧スプリングを設けてなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記圧縮行程の初期段階で、フリーピストンは、加圧スプリングと反加圧スプリングの付勢力の合力により、サブピストンの反対側に向けて付勢されるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記反加圧スプリングのフリーピストンを付勢する力の反力を、サブピストンに設けた圧側減衰バルブに、該圧側減衰バルブの閉じ方向力として及ぼすようにしたものである。
(請求項1)
(a)油圧緩衝器は、ピストンロッドが伸切端から反転する圧縮行程の初期段階で、フリーピストンは、加圧スプリングと反加圧スプリングの付勢力の合力により付勢される。従って、加圧スプリングがフリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する力は、反加圧スプリングがフリーピストンをサブピストンの反対側に向けて付勢する力により減じられ、加圧スプリングがサブピストンの圧側減衰力に及ぼす加圧作用を減ずる。これにより、圧縮行程の初期段階で、シリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用するロッド反力も減じられ、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を向上できる(油圧緩衝器の乗心地性の確保)。
(請求項2)
(b)上述(a)の圧縮行程の初期段階で、フリーピストンは、加圧スプリングと反加圧スプリングの付勢力の合力により、サブピストンの反対側に向けて付勢され、サブタンク室を負圧化する。これにより、圧縮行程の初期段階で、シリンダチューブに進入しようとするピストンロッドに作用するロッド反力は負の値をとるものになり、ピストンロッドはシリンダチューブに引き込まれる如くに進入し、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を一層向上できる(油圧緩衝器の乗心地性の確保)。
(請求項3)
(c)上述(a)、(b)において、反加圧スプリングのフリーピストンを付勢する力の反力を、サブピストンに設けた圧側減衰バルブに、該圧側減衰バルブの閉じ方向力として及ぼすようにした。従って、上述(a)、(b)の圧縮行程の初期段階で、反加圧スプリングがフリーピストンを付勢する力の反力分だけ、圧側減衰バルブの開弁圧力を高くしてその減衰力を強化できる(油圧緩衝器のタフネス性の確保)。
尚、油圧緩衝器において、圧縮行程の初期段階経過後の領域では、反加圧スプリングはフリーピストンを付勢せず、その反力が圧側減衰バルブに及ぶことがない。従って、圧側減衰バルブは、所望の乗心地を得るに必要とされるばね特性をもつ加圧スプリングによってのみ付勢され、一定の乗心地性が確保される。
図1は実施例1の油圧緩衝器を示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の上部断面図、図4はサブバルブ装置を示す断面図、図5は図4の要部を拡大して示す断面図、図6はフリーピストンに作用するばね力を示す線図、図7は実施例2のサブバルブ装置を示す断面図、図8は図7の要部を拡大して示す断面図である。
(実施例1)(図1〜図6)
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図3に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にはダンパ14のダンパシリンダ16(上シリンダチューブ16A)の上端部がOリングを介して螺着され、ダンパシリンダ16の上部開口端はフォークボルト15により閉塞される。フォークボルト15は、Oリングを介して上シリンダチューブ16Aの内周に挿入されて螺着される。
車軸側チューブ12の下端部内周にはオイルロックカラー17がOリングを介して液密に嵌装され、このオイルロックカラー17をボトムボルト18で車軸ブラケット19にOリングを介して液密に固定してある。また、ボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をダンパシリンダ16に挿入してある。ピストンロッド20は、ダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してダンパシリンダ16の内部に挿入されている。シール部材21Bは、ダンパシリンダ16の後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がダンパシリンダ16の外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックカラー22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。尚、シリンダチューブ16A、16Bはパイプナット16Cで接続ロックされる。
懸架スプリング13は、オイルロックカラー17の基端部外周面に装着したスプリング受け24と、ダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)に外装して軸方向に係止した孔開きスプリングカラー25(多数の連通孔25Aを備える)の先端部に固定したスプリング受け26との間に介装されている。また、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側には油室31と気体室32とが設けられ、油室31と気体室32とは自由界面を介して接触し、気体室32に閉じ込められている気体が気体ばねを構成する。これらの懸架スプリング13と気体ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ14は、メインバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、サブバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、メインバルブ装置40とサブバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(メインバルブ装置40)
メインバルブ装置40は、ピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。メインピストン42は、ダンパシリンダ16の内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該ダンパシリンダ16の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側減衰バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側減衰バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、メインバルブ装置40は、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。
(サブバルブ装置50)
サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの上端部に螺着されている前述のフォークボルト15にガイドパイプ51(支持軸)を螺着し、ガイドパイプ51の先端部にピストンホルダ51Aを螺着し、このピストンホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。サブピストン52はダンパシリンダ16の内部でメインピストン42に相対配置され、上シリンダチューブ16Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側減衰バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側減衰バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55(不図示)とを備える。また、ピストンホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
フォークボルト15に螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパイプ51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト15は頭部端面の中央部にアジャスタ59とそのホルダ59Aを埋込み保持している。
また、サブバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部であって、上シリンダチューブ16Aとガイドパイプ51の間の環状空間にてフリーピストン61を移動可能に設ける。フリーピストン61の外周環状溝には、ピストンリング61Aが装填され、フリーピストン61はピストンリング61Aを介して上シリンダチューブ16Aの内周を液密に摺動する。フリーピストン61の内周凹部には、オイルシール62が装填され、フリーピストン61はオイルシール62を介してガイドパイプ51の外周を液密に摺動する。フリーピストン61は、サブピストン52の側でピストン側油室43Aに連通しているサブタンク室53と、フォークボルト15の側の体積補償室63とを区画する。体積補償室63は、上シリンダチューブ16Aの上端側に設けた連通孔64で気体室32と連通している。フォークボルト15は、フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部から気体室32、体積補償室63に侵入した空気を排出するための排気プラグ65を頭部端面の側部に着脱可能に螺着している。尚、加圧スプリング66が、この最大伸長時に僅かな初期荷重を有するように、フリーピストン61とフォークボルト15との間に介装される。加圧スプリング66は、圧縮コイルばねからなり、フリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢する。
ダンパシリンダ16内にピストンロッド20が進入する圧縮時に、この加圧スプリング66が収縮し、このときのスプリング66のばね荷重分だけ、ダンパシリンダ16内の油室が加圧され、伸長時におけるダンパシリンダ内油室のキャビテーションの発生を防止する。
尚、サブバルブ装置50は、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油室31の油をロッドガイド部21のシール部材21Bからダンパシリンダ16の内部に持ち込む。これにより、ダンパシリンダ16の内部の油室43A、43B、53の作動油が徐々に増加し、フリーピストン61がその増加により上方へ移動し、作動油が一定量以上になってフリーピストン61の外周のピストンリング61Aが上シリンダチューブ16Aの内周の環状溝67(連通路)に到達したときに、ダンパシリンダ16の余剰油をサブタンク室53から環状溝67、体積補償室63、連通孔64、気体室32経由でダンパシリンダ16の外の油室31に排出するブロー機能を有する。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、サブバルブ装置50において、サブピストン52のニードル58A或いは圧側減衰バルブ54Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、メインバルブ装置40において、メインピストン42の圧側減衰バルブ45Aを流れる油により、必要に応じた設定の圧側減衰力を生じる。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、メインバルブ装置40において、メインピストン42のニードル47A或いは伸側減衰バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、サブバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、ダンパシリンダ16の下シリンダチューブ16Bの下端部のオイルロックカラー22が、車軸側チューブ12の下端部に設けてあるオイルロックカラー17に嵌合し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つきを防止する。
また、フロントフォーク10の最伸長時には、ピストンロッド20に設けているピストンホルダ41の下端面が、ダンパシリンダ16の開口部に設けてあるロッドガイド21に支持されているリバウンドスプリング23に衝合し、伸切りの緩衝作用を果たす。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を向上するため、図3〜図5に示す如く、反加圧スプリング70を設けている。反加圧スプリング70は、圧縮コイルばねからなり、ダンパシリンダ16にピストンロッド20が進入する圧縮行程の初期段階だけ、フリーピストン61をサブピストン52の反対側(ガイドパイプ51に沿うフォークボルト15の側)に向けて付勢する。図5において、ガイドパイプ51に螺着したピストンホルダ51Aには、圧側減衰バルブ54Aのバルブストッパ54B、圧側減衰バルブ54A、サブピストン52、伸側減衰バルブ55A、伸側減衰バルブ55Aのためのバルブストッパ55Bが順に挿入され、これらをナット51Bで固定しており、バルブストッパ54Bの上面とフリーピストン61の下面の間に反加圧スプリング70が介装される。バルブストッパ54Bは反加圧スプリング70の下端内周を保持する環状支持部54Cと、環状支持部54Cの上端に設けられて反加圧スプリング70を抜け止めする環状突部54Dを備える。
従って、フロントフォーク10にあっては、圧縮行程の初期段階で、フリーピストン61が、加圧スプリング66と反加圧スプリング70の付勢力の合力により付勢される。フロントフォーク10の最大伸長時(伸切端)において、加圧スプリング66がフリーピストン61に及ぼす下向き付勢力をfaとし、反加圧スプリング70がフリーピストン61に及ぼす上向き付勢力をfbとするとき、fa>fbであれば、加圧スプリング66と反加圧スプリング70の付勢力の合力はフリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢し、サブタンク室53を僅かに加圧する。fa<fbであれば、加圧スプリング66と反加圧スプリング70の付勢力の合力はフリーピストン61をサブピストン52の反対側に向けて付勢し、サブタンク室53を負圧化する。図6は、フロントフォーク10の圧縮行程(Cst)の各ストロークで、フリーピストン61に作用するばね力fを示し、圧側初期段階では反加圧スプリング70の付勢力が加圧スプリング66の付勢力を上回ってf<0となること、その後の領域では反加圧スプリング70の付勢力の作用がなくなり、加圧スプリング66だけの付勢力によりf>0となることを示す。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)フロントフォーク10は、ピストンロッド20が伸切端から反転する圧縮行程の初期段階で、フリーピストン61は、加圧スプリング66と反加圧スプリング70の付勢力の合力により付勢される。従って、加圧スプリング66がフリーピストン61をサブピストン52の側に向けて付勢する力は、反加圧スプリング70がフリーピストン61をサブピストン52の反対側に向けて付勢する力により減じられ、加圧スプリング66がサブピストン52の圧側減衰力に及ぼす加圧作用を減ずる。これにより、圧縮行程の初期段階で、ダンパシリンダ16に進入しようとするピストンロッド20に作用するロッド反力も減じられ、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を向上できる(フロントフォーク10の乗心地性の確保)。
(b)上述(a)の圧縮行程の初期段階で、フリーピストン61は、加圧スプリング66と反加圧スプリング70の付勢力の合力により、サブピストン52の反対側に向けて付勢され、サブタンク室53を負圧化する。これにより、圧縮行程の初期段階で、ダンパシリンダ16に進入しようとするピストンロッド20に作用するロッド反力は負の値をとるものになり、ピストンロッド20はダンパシリンダ16に引き込まれる如くに進入し、伸切端から圧縮行程への反転の応答性を一層向上できる(フロントフォーク10の乗心地性の確保)。
(実施例2)(図7、図8)
実施例2のフロントフォーク10が実施例1のフロントフォーク10と異なる点は、図7、図8に示す如く、反加圧スプリング70のフリーピストン61を付勢する力の反力を、サブピストン52に設けた圧側減衰バルブ54Aに、該圧側減衰バルブ54Aの閉じ方向力として及ぼすようにしたものである。
図8において、圧側減衰バルブ54Aのためのバルブストッパ54Bの外周に、バルブ押え80を上下にスライド可能に設けた。バルブ押え80は、内周がバルブストッパ54Bの外周にスライドガイドされ、外周が反加圧スプリング70の下端内周を保持する環状支持部83と、バルブ押え80の内外を連通する複数の連通孔81と、反加圧スプリング70の下端が着座するばね着座部82と、環状支持部83の上端に設けられて反加圧スプリング70を抜け止めする環状突部84と、圧側減衰バルブ54Aの適宜の外径位置を押圧する環状押え部85を備える。バルブ押え80は、環状支持部83の下端突部83Aと、バルブストッパ54Bの外周の上端突部83Bとの衝合により抜け止めされる。
従って、フロントフォーク10にあっては、圧縮行程の初期段階だけ、反加圧スプリング70がフリーピストン61を付勢する力の反力により押圧されるバルブ押え80を介して、圧側減衰バルブ54Aに閉じ方向力を加えることになる。
本実施例のフロントフォーク10によれば、実施例1の加圧スプリング66と反加圧スプリング70がそれぞれ寄与する前述(a)、(b)の圧縮行程の初期段階で、反加圧スプリング70がフリーピストン61を付勢する力の反力分だけ、圧側減衰バルブ54Aの開弁圧力を高くしてその減衰力を強化できる(フロントフォーク10のタフネス性の確保)。
尚、フロントフォーク10において、圧縮行程の初期段階経過後の領域では、反加圧スプリング70はフリーピストン61を付勢せず、その反力が圧側減衰バルブ54Aに及ぶことがない。従って、圧側減衰バルブ54Aは、所望の乗心地を得るに必要とされるばね特性をもつ加圧スプリング66によってのみ付勢され、一定の乗心地性が確保される。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は実施例1の油圧緩衝器を示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の上部断面図である。 図4はサブバルブ装置を示す断面図である。 図5は図4の要部を拡大して示す断面図である。 図6はフリーピストンに作用するばね力を示す線図である。 図7は実施例2のサブバルブ装置を示す断面図である。 図8は図7の要部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
16 ダンパシリンダ
16A、16B シリンダチューブ
20 ピストンロッド
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
44 伸側流路
44A 伸側減衰バルブ
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 圧側流路
54A 圧側減衰バルブ
61 フリーピストン
64 連通孔(連通路)
66 加圧スプリング
67 環状溝(連通路)
70 反加圧スプリング
80 バルブ押え

Claims (3)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したシリンダチューブに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりシリンダチューブの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりシリンダチューブの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、
    シリンダチューブの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対するフリーピストンを移動自在に設け、フリーピストンが所定位置まで移動したときに、フリーピストンとサブピストンの間のサブタンク室を、シリンダチューブの外部に連通する連通路を設け、
    フリーピストンをサブピストンの側に向けて付勢する加圧スプリングを有してなる油圧緩衝器において、
    シリンダチューブにピストンロッドが進入する圧縮行程の初期段階だけ、フリーピストンをサブピストンの反対側に向けて付勢する反加圧スプリングを設けてなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 前記圧縮行程の初期段階で、フリーピストンは、加圧スプリングと反加圧スプリングの付勢力の合力により、サブピストンの反対側に向けて付勢される請求項1に記載の油圧緩衝器。
  3. 前記反加圧スプリングのフリーピストンを付勢する力の反力を、サブピストンに設けた圧側減衰バルブに、該圧側減衰バルブの閉じ方向力として及ぼす請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5620596B1 (ja) * 2014-02-19 2014-11-05 千博産業株式会社 構造物の制振装置
US9540807B2 (en) 2014-02-19 2017-01-10 Chihiro Sangyo Co., Ltd. Structure vibration control device

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