JP4579846B2 - フロントフォーク - Google Patents

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Description

この発明は、フロントフォークに関し、特に、二輪車たる自転車の前輪側に架装されて走行中の自転車の前輪に入力される路面振動を吸収するフロントフォークの改良に関する。
近年の二輪車たる自転車にあっては、たとえば、長時間走行や長距離走行あるいはオフロード走行を有利にする上から、さらには、駐輪時や搬送時などのいわゆる取り扱い時の負担を減らす上から、可能な限りに車体重量の軽減化を図るとしている。
そして、特に、オフロード仕様の自転車にあっては、乗り心地を改善するために、後輪側にダンパやバネなどのクッションユニットを架装するだけでなく、前輪側にも路面振動を吸収するクッションユニットたるフロントフォークを架装するとしている。
ところで、フロントフォークを自転車の前輪側に架装する際に、同じ二輪車たる自動二輪車用として開発されているフロントフォークを単に小型化しただけで、自動二輪車と比較すれば車体重量が大幅に少なくなる自転車に架装する場合には、自転車における重量の軽減化には寄与しないと指摘される可能性がある。
そこで、特許文献1に開示されているように、フロントフォークにおける構成部品たるアウターチューブやインナーチューブを炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPと略称する)パイプで形成するのが好ましいことになるが、この場合には、CFRPパイプからなるアウターチューブやインナーチューブには、当然のことながら必要な機械的強度を具有することが要請される。
そして、このCFRPパイプからなるアウターチューブやインナーチューブにおける、特に、径方向の曲げや破断に対する強度を保障するについては、肉厚を厚くするのが一般的であり、このとき、肉厚を厚くしなくても良い部位については、当然のことながら、肉厚を薄くする配慮がなされる。
そして、このように肉厚を変化させる場合に、たとえば、特許文献2に開示されているように、チューブがCFRPパイプの内周に金属パイプを連設させる場合には、CFRPパイプの肉厚を必要最小限度に設定することが可能になり、結果として、CFRPパイプを厚肉にして強度を保障する場合に比較してアウターチューブやインナーチューブにおける外径の大径化を阻止し得ることになる。
特開平2005‐265130号公報(特許請求の範囲 請求項1,段落0001,同0002,図1,図2,図7) 特公平7‐106712号公報(特許請求の範囲 請求項1,明細書(2)頁中の左欄第2行から第13行,明細書(2)頁中の右欄第10行から第13行,第1図,第2図)
しかしながら、上記した特許文献2に開示の提案を具現化する場合には、チューブにおける重量の軽減化に些かの不具合があると指摘される可能性があり、また、チューブにおける径方向の曲げや破断に対する強度を保障する上で些か問題を生じると指摘される可能性がある。
すなわち、まず、上記した特許文献2に開示の提案にあっては、基材となる金属パイプの一部を残して外周部を切削し、その切削された部位にCFRPパイプを連設するとしている。
それゆえ、このCFRPパイプの内周に金属パイプを有するチューブにあっては、CFRPパイプが配在されないいわゆる残部が金属パイプのみからなるから、チューブにおける重量の軽減化が完全には達成されていないことになる。
そこで、上記した不具合を解消するために、チューブにおいて金属パイプのみからなる残部をなくすのはもちろんのことだが、さらに、金属パイプを短くする場合には、すなわち、CFRPパイプにいわゆる裏打ち状態の補強を要する部位にのみ金属パイプを臨在させる場合には、金属パイプを有する部位と有しない部位との境界部分で断面積が急激に変化することになるから、この断面積が急激に変化する部位に曲げ応力が集中することになり、その結果、チューブに曲げや破断を生じ易くする不具合を招くことになる。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、構成部品たるアウターチューブをCFRPパイプで形成するとき、補強のために金属パイプを内周に連設するとしても、いたずらな重量の増大化を招来させず、しかも、曲げや破断を生じ難くして、結果として、その汎用性の向上を期待できるフロントフォーク、すなわち、自転車の前輪側に架装するのに最適となるフロントフォークを提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるフロントフォークの構成を、基本的には、インナーチューブを出没可能に挿通させるアウターチューブが上端から下端にかけての内径を同一にする炭素繊維強化プラスチックパイプの内周に金属パイプを連設させてなる一方で、アウターチューブにおける炭素繊維強化プラスチックパイプが上端と下端の間となる中間部における一部の領域の外径を膨径して最大肉厚になる厚肉部を有すると共にこの厚肉部から下端にかけての肉厚を下端に向かうに従い徐々に減少させる下端側勾配部を有してなるフロントフォークにおいて、アウターチューブにおける金属パイプの下端部を下端に向かうに従い徐々に肉厚を減少させる勾配部とすると共に、この金属パイプの勾配部における肉厚を最小にする収斂端が炭素繊維強化プラスチックパイプの下端側勾配部における肉厚を最小にする収斂端より炭素繊維強化プラスチックパイプの厚肉部寄りに位置決められてなるとする。
それゆえ、この発明にあっては、アウターチューブ内にインナーチューブを出没可能に挿通させてなるフロントフォークにあって、アウターチューブがCFRPパイプの内周に金属パイプを連設させてなるとするから、少なくとも、アウターチューブが金属材のみからなる場合に比較して、フロントフォークにおける重量の軽減化に寄与することになり、また、アウターチューブがCFRPパイプのみからなる場合に比較して、フロントフォークにおける外径を膨径化させないことが可能になる。
そして、アウターチューブにおいてCFRPパイプが上端と下端の間となる中間部における一部の領域の外径を膨径して最大肉厚になる厚肉部を有するとするから、この厚肉部に自転車の前輪側に配在されているブラケットを連結させることで、このフロントフォークの自転車の前輪側に架装することが可能になる。
そしてまた、アウターチューブにおいてCFRPパイプが上記の厚肉部から下端にかけての肉厚を下端に向かうに従い徐々に減少させる下端側勾配部を有してなるとするから、必要以上にCFRPパイプを肉厚にしなくて済み、アウターチューブにおける外径のいたずらな膨径化を回避できることになる。
さらに、CFRPパイプの内周に連設される金属パイプにおいて、下端部を下端に向かうに従い徐々に肉厚を減少させる勾配部とすると共に、この勾配部における肉厚を最小にする収斂端がCFRPパイプの上記した下端側勾配部における肉厚を最小にする収斂端よりCFRPパイプの厚肉部寄りに位置決められてなるとするから、CFRPパイプ自体が急激に断面積を変化させないのはもちろんのこと、金属パイプのいわゆる終端がCFRPパイプとの間で急激に断面積を変化させないことになり、アウターチューブにおいて断面積の急激な変化に伴う応力の集中現象を発現させないで済むことになる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるフロントフォークは、二輪車たる自転車の前輪側に架装されて走行中の自転車の前輪に入力される路面振動を吸収する油圧緩衝器として機能する。
このとき、図示するところでは、この発明によるフロントフォークが左右で一対とされる場合の一方を構成するとし、そして、この一方とされるフロントフォークは、アウターチューブ1に対してインナーチューブ2を出没可能に挿通してなるフォーク本体の軸芯部にダンパを有してなるとする一方で、フォーク本体を伸長方向に附勢するバネ要素を、すなわち、懸架バネを有しないとしている。
そして、懸架バネは、左右で一対とされるときの他方のフロントフォークを構成するフォーク本体内に収装されてなるとするもので、このとき、この他方のフォーク本体は、ダンパを有しないこともちろんである。
ちなみに、ダンパは、図示するところでは、正立型に設定されていて、構成部品たるシリンダ体3がインナーチューブ2に下端を連結した状態でこのインナーチューブ2の軸芯部に立設され、シリンダ体3に出没可能に挿通される同じく構成部品たるロッド体4がアウターチューブ1に上端を連結した状態でこのアウターチューブ1の軸芯部に垂設されてなるとしている。
それゆえ、このダンパは、フォーク本体が伸縮作動するときに併せて伸縮作動し、このとき、たとえば、ロッド体4に連設されてシリンダ体3内に収装されたピストンが減衰部を有してなるとすることで、所望の減衰機能を発揮し得ることになる。
なお、図示するフロントフォークは、フォーク本体の軸芯部にダンパを有することを条件にしているが、このダンパ自体に特別な構成を有することが要請されるものではく、したがって、ダンパの構成については、周知の構成が任意に採用されて良い。
以上のように、左右で一対とされて自転車の前輪側に架装されるフロントフォークの一方が減衰機能を発揮し、他方がバネ作用をする設定の場合には、左右に同じ構成のフロントフォークを利用しなくて済むことになるから、自転車における軽量化に寄与するのはもちろんのこと、自転車における製品コストの低廉化に寄与することになる。
ところで、この発明によるフロントフォークは、図1乃至図3に示すように、いわゆる倒立型に設定されてなる、すなわち、アウターチューブ1が自転車におけるハンドル側に連結される車体側部材とされ、このアウターチューブ1内に出没可能に挿通されるインナーチューブ2が自転車における車輪を連結させる車輪側部材とされてなるとしている。
このように、フロントフォークが倒立型に設定される場合には、これが逆の正立型に設定される場合に比較して、フロントフォークにおけるいわゆる下半側の質量を小さくすることによるバネ下荷重の軽減が可能になり、自転車におけるハンドルの操作性を向上させる上で有利となる。
つぎに、この発明によるフロントフォークにあって、インナーチューブ2を出没可能に挿通させるアウターチューブ1は、上端から下端にかけての内径を同一にするCFRPパイプ11の内周に金属パイプ12を連設させてなるとしている。
その結果、この発明のフロントフォークにあっては、これがフロントフォークの構成部品とされるとき、軸方向部材としての機械的強度を備えるのはもちろんのことであろうが、少なくとも、アウターチューブ1が金属材のみからなる場合に比較して、フロントフォークにおける重量の軽減化に寄与することになり、また、アウターチューブ1がCFRPパイプ11のみからなる場合に比較して、フロントフォークにおける外径を膨径化させないことになる。
また、このアウターチューブ1にあっては、金属パイプ12に対して、たとえば、後述するブッシュ22(図2参照)の摺動性を保障するための加工を施すことが可能になり、少なくとも、これがCFRPパイプ11のみからなる場合に比較して、フロントフォークの構成部品とされる上で有利となる。
ところで、アウターチューブ1におけるCFRPパイプ11は、上端と下端の間となる中間部における一部の領域の外径を膨径して最大肉厚になる厚肉部11a(図1および図2参照)を有すると共に、この厚肉部11aから下端にかけての肉厚を下端に向かうに従い徐々に減少させる下端側勾配部11b(図2参照)と、図示するところでは、厚肉部11aから上端にかけての肉厚を上端に向かうに従い徐々に減少させる上端側勾配部11c(図1参照)とを有してなるとしている。
そして、アウターチューブ1における金属パイプ12は、下端部を下端に向かうに従い徐々に肉厚を減少させる勾配部12a(図2参照)とすると共に、この金属パイプ12の勾配部12aにおける肉厚を最小にする収斂端a(図2参照)がCFRPパイプ11の下端側勾配部11bにおける肉厚を最小にする収斂端b(図3参照)よりCFRPパイプ11の厚肉部11a寄りに位置決められてなるとしている。
以下に、詳述するが、まず、アウターチューブ1を形成するCFRPパイプ11が上端から下端にかけての内径を同一にするのは、その内周に金属パイプ12を一体に連設させるためからであり、したがって、CFRPパイプ11における肉厚を部分的に変化させる、すなわち、厚肉部11a,下端側勾配部11bおよび上端側勾配部11cを形成するについては、外径を変化させることによるとしている。
ちなみに、CFRPパイプ11の肉厚と金属パイプ12の肉厚を比較すると、アウターチューブ1における可能な限りの重量の軽減化を図る観点から、CFRPパイプ11の肉厚の方が金属パイプ12の肉厚より大きくなるように設定されている。
具体的には、たとえば、CFRPパイプ11における厚肉部11aで看ると、この厚肉部11aの肉厚を1とするときに、金属パイプ12の肉厚が1/2になるとしている。
ところで、CFRPパイプ11における厚肉部11aは、このCFRPパイプ11に径方向の外力が作用するときに最大の強度を発揮する部位であって、したがって、図示するところでは、その外周に、たとえば、アルミ材などの金属材からなる筒状体13を、たとえば、エポキシ樹脂からなる接着材の利用下に一体に介装させるとし、この筒状体13をアンダーラケットの連結を許容するブラケット連結部にするとしている。
ちなみに、アンダーブラケットは、自転車における車体の前側にアッパーブラケットと共に配在されるもので、このアッパーブラケットおよびアンダーブラケットは、自転車における車体の前側のステアリングシャフトに水平方向の揺動を可能にするように連繋されてなるとしている。
それゆえ、フロントフォークは、上記のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットの介在下に自転車の車体の前側に連繋されることになるから、ライダーのハンドル操作による前輪の転回が可能とされることになる。
なお、図示するフロントフォークにあっては、図1に示すように、アウターチューブ1の上端部1aにアルミ材などの金属材からなる筒状体14がエポキシ樹脂などからなる接着材の利用下に連結されてなるとし、この筒状体14の上端部14aの内側に螺着されるキャップ15でアウターチューブ1の上端を閉塞するとし、さらに、この筒状体14を上記したアッパーブラケットの連結を許容するブラケット連結部にするとしている。
そして、この筒状体14は、アウターチューブ1における上端部1aを外周側から覆うように垂設されたスカート部14bを有してなるとし、このスカート部14bによって、アウターチューブ1における上端部1aを補強すると共に、この上端部1aを形成するCFRPパイプ11の上端部11dを外部からの飛石などから保護するとしている。
ちなみに、筒状体14の上端部14aの内側に螺着されるキャップ15は、フォーク本体の軸芯部に配在されるダンパを構成するロッド体4の、すなわち、アウターチューブ1の軸芯部に垂設されるロッド体4の上端を連結させるとしている。
ところで、この発明によるフロントフォークにあって、アウターチューブ1は、前記した厚肉部11aに連続する下端側勾配部11bと上端側勾配部11cとを有してなるが、以下には、この下端側勾配部11bと上端側勾配部11cについて説明する。
ちなみに、アウターチューブ1が厚肉部11aに連続する下端側勾配部11bおよび上端側勾配部11cを有する構成を選択することで、必要以上にCFRPパイプ11を肉厚に形成しなくて済み、アウターチューブ1における外径のいたずらな膨径化を回避できることになる。
また、アウターチューブ1にあって、CFRPパイプ11における厚肉部11aには、図1および図2中に符号Lbで示す領域になるように、筒状体13が連設されるが、このとき、この筒状体13の端部が接触するCFRPパイプ11との間に、すなわち、臨界部分に急激な断面積の変化があることは好ましくないから、筒状体13の図中で上下端部となる端部が勾配部13aとされるとして、後述する下端側勾配部11bおよび上端側勾配部11cに急激な断面積の変化を招来させないで連続するように配慮している。
ところで、下端側勾配部11bは、CFRPパイプ11の外周にあって、図2および図3に示すように、厚肉部11aの下端位置から始まってアウターチューブ1の開口端部たる下端部1bに向けて長さL2となる領域が該当するとしており、この領域内で下方に向かうに従い徐々に肉厚を減少させるとしている。
そして、この長さL2の領域の下端たる収斂端bに連続してアウターチューブ1の下端部1bに到達する長さL3となる領域は、アウターチューブ1の下端部1bの外周にエポキシ樹脂などからなる接着材に利用下にシールケース16を連結させることもあって、勾配を有しない、すなわち、アウターチューブ1の軸芯線に対して傾斜しないとして、同一の肉厚を維持するとしている。
一方、上端側勾配部11cは、同じくCFRPパイプ11の外周にあって、図1に示すように、厚肉部11aの上端位置から始まってアウターチューブ1の上端部1aに向けて長さL1となる領域が該当するとしており、この領域内で上方に向かうに従い徐々に肉厚を減少させるとしている。
そして、この長さL1の領域の上端たる収斂端cに連続してアウターチューブ1の上端部1aに到達する長さLとなる領域は、アウターチューブ1の上端部1aに筒状体14を連結させることもあって、勾配を有せずして同一の肉厚を維持するとしている。
以上のように、この発明にあっては、CFRPパイプ11でフロントフォークを構成するアウターチューブ1を形成するときに、CFRPパイプ11にあって、肉厚を最大にする厚肉部11aに対して上端側および下端側の肉厚を急激に減少させないようにして断面積の急激な変化を発現しないようにしているから、このアウターチューブ1に径方向の外力が作用する場合にも、これに起因してCFRPパイプ11の一箇所あるいは複数箇所に曲げ応力が集中しなくなる。
つぎに、金属パイプ12は、下端部たる勾配部12aを除く上端から下端にかけての内周であって、この金属パイプ12における軸方向となる一部領域を他部材の摺接を許容する摺接部12bに設定している。
そして、この摺接部12bは、図1および図2中に具体的に示すところでは、Lm−Lsとなる領域であって、このときの他部材は、図示するところでは、後述するように、インナーチューブ2における上端部2aに連結の筒状体21の外周に介装されるブッシュ22とされている。
それゆえ、この金属パイプ12は、ブッシュ22の摺接を、すなわち、摺動を保障する上で、また、アウターチューブ1の軽量化に寄与する上でそれそれ有利となる材料で形成されるとし、図示するところでは、アルミ材からなるとしている。
そして、この金属パイプ12にあっては、上端をCFRPパイプ11の上端よりやや上方に突出するように位置決めるとしており、したがって、CFRPパイプ11の上端部11dが、図示するところでは、金属パイプ12上端部と前記した筒状体14の上端部14bとで囲まれた、すなわち、比較すればいわゆる磨耗などに強い金属部分に囲まれて保護される態勢に維持されるとしている。
一方、この発明によるフロントフォークあっては、インナーチューブ1がアウターチューブ2内から最突出する伸び切り時にアウターチューブ1の内周における金属パイプ12の下端がアウターチューブ1の下端部1bまで延設されずして、ブッシュ22が摺動する上記の摺接部12bの領域に位置決められてなるとしている。
すなわち、この発明におけるアウターチューブ1は、CFRPパイプ11の内周に金属パイプ12を連設させていわゆる摺動性を保障するとしているから、このいわゆる摺動性の保障が要請されない部位にあっては、CFRPパイプ11の内周を金属パイプ12で言わば被覆する必要がないと言い得ることになり、このことからすれば、金属パイプ12は、CFRPパイプ11の全長の内周に亘って連設する必要がないことになり、上記したように設定されることで、アウターチューブ1における部品コストのいたずらな高騰化を阻止できることになる。
また、金属パイプ12の下端を位置決めるのにあたり、図示するところでは、金属パイプ12の下端部が勾配部12aからなるとして、金属パイプ12の下端たる収斂端aが位置決められるCFRPパイプ11の相応部位に、すなわち、臨界位置に曲げ応力が集中する不具合の招来を回避するとしている。
特に、図示するところでは、アウターチューブ1において、上記した金属パイプ12の収斂端aを位置決めさせているCFRPパイプ11の相応部位は、その上方となる厚肉部11aを最大肉厚にしながらアウターチューブ1の下端部1b側の肉厚を徐々に減少させるようにする下端側勾配部11bからなるとしているから、このことからしても、金属パイプ12の収斂端aを位置決めさせているCFRPパイプ11の境界部分に曲げ応力が集中することを回避し得ることになる。
このことを図4に示すところと併せて説明すると、金属パイプ12の勾配部12aの下端たる収斂端aは、厚肉部12aから断面積の急激な変化を伴うことなく下方に連続するCFRPパイプ11における下端側勾配部11bの言わば中間部に位置しており、このとき、下端側勾配部11bに対して断面積の急激な変化を伴ないようにしており、下端側勾配部11bは下端側勾配部11bで下端たる収斂端bをさらに下方に位置決めるとしている(図3参照)。
それゆえ、この金属パイプ12の勾配部12aにおける収斂端aは、CFRPパイプ11における下端側勾配部11bの下端たる収斂端bより厚肉部11a寄りになり、このとき、金属パイプ12の勾配部12aにおける収斂端aがCFRPパイプ11における下端側勾配部11bの言わば中間部に位置決められていることになるから、このCFRPパイプ11に、すなわち、アウターチューブ1に径方向の外力が作用する場合にも、これに起因して少なくても、上記の収斂端aが位置決められる臨界部分に応力が集中しなくなり、いたずらな曲げや破断が生じなくなる。
そして、図示するところでは、CFRPパイプ11にあって、厚肉部11aに断面積の急激な変化を伴うことなく連続するように上端側勾配部11cが形成されてなるとするから、上記したところと同様に、アウターチューブ1に径方向の外力が作用する場合に、これに起因してア上端側勾配部11cの終端たる収斂端c(図1参照)が位置決められる部位に応力が集中しなくなり、いたずらな曲げや破断が生じなくなる。
以上のように、この発明にあっては、CFRPパイプ11でフロントフォークを構成するアウターチューブ1を形成するときに、CFRPパイプ11にあって肉厚を最大にする厚肉部11aに対して上端側および下端側の肉厚を急激に減少させないようにして断面積を急激に変化させないようにしているから、このCFRPパイプ11に径方向の外力が作用する場合にも、これに起因してCFRPパイプ11の一箇所あるいは複数箇所に曲げ応力が集中することがなく、したがって、アウターチューブ1にいたずらな曲げや破断を生じさせないことになる。
一方、上記したアウターチューブ1と共にフォーク本体を形成するインナーチューブ2は、この発明にあって、特別の材料に限定される訳ではないが、図示するところでは、フォーク本体の軽量化に寄与するように、CFRPパイプからなるとしている。
このとき、このインナーチューブ2は、図示するところでは、アウターチューブ1のように内周に金属パイプを連設させるとはしないが、このインナーチューブ2が内周に、たとえば、フリーピストンやブッシュ部材などを摺接させる設定の場合には、アウターチューブ1と同様に、CFRPパイプの内周に金属パイプを連設させてなるとしても良いことはもちろんである。
なお、このインナーチューブ2の図示しない下端部たるボトム端部には、多くの場合に金属材からなるアクスルブラケットを外装させ、このアクスルブラケットを介しての自転車における前輪の懸架の他に、このアクスルブラケットを利用しての、たとえば、ブレーキ機構の保持などを可能にするとしている。
そして、このインナーチューブ2にあっては、アウターチューブ1内に挿通される上端部2aに筒状体21を連結させてなると共に、この筒状体21の外周にブッシュ22を介装させてなるとし、さらに、前記したように、このブッシュ22がアウターチューブ1の内周に、すなわち、金属パイプ12の内周に摺接してなるとしている。
このとき、筒状体21は、図示するところでは、金属材たるアルミ材からなり、インナーチューブ2がCFRPパイプからなるとすることから、たとえば、エポキシ樹脂などからなる接着材の利用下に上端部2aの外周に連結されてなるとしている。
それゆえ、インナーチューブ2にあっては、上端部2aに連結された筒状体21に介装のブッシュ22をアウターチューブ1の内周に摺接させることで、インナーチューブ2がいわゆる傾斜した態勢でアウターチューブ1に対して出没される事態を危惧しなくて済むことになり、また、ブッシュ22がアウターチューブ1の内周に、すなわち、金属パイプ12の内周に摺接することになるから、金属パイプ12の内周にいたずらに傷付き現象などを発現させなくて済むことにもなる。
ちなみに、この筒状体21は、図示するところでは、金属材たるアルミ材からなるが、この筒状体21には、前記したダンパにおけるシリンダ体3の上端部3aをロッド体4の挿通下に閉塞する軸封部材31が連結されてなるとしている。
それゆえ、図示するダンパにあっては、シリンダ体3の上端部がインナーチューブ2の上端部2aに一体的に連結されていることになり、シリンダ体3の上端部における揺れを阻止できるのはもちろんものこと、シリンダ体3とインナーチューブ2との間をリザーバ室Rにする、すなわち、油面を境にする気室を有してダンパ内に連通するリザーバ室Rを画成することが可能になる。
前記したところは、フロントフォークが倒立型に設定されているがゆえに車体側部材となるアウターチューブ1を例にして説明したものであるが、この発明が意図するところは、凡そフォーク本体の重量の軽減化を図るときに曲げ応力の集中によるいたずらな曲がりや破断の発生を阻止するものであるから、フォーク本体が正立型に設定されてなる場合には、この発明が車体側部材たるインナーチューブ2に具現化されるとしても良いことはもちろんである。
ただ、その場合には、前記したところでアウターチューブ1に具現化されている厚肉部11aや下端側勾配部11bおよび上端側勾配部11cについては、これが形を変えて具現化される、すなわち、インナーチューブ2の内周側に具現化されることになるであろう。
この発明によるフロントフォークの上端側部を一部破断して示す縦断面図である。 図1に引き続くフロントフォークの中間部を図1と同様に示す図である。 図2に引き続くフロントフォークの下端側部を図1と同様に示す図である。 この発明によるフロントフォークを構成するアウターチューブにおけるCFRPパイプと金属パイプの端部位置の採り合いを原理的に示す線図である。
符号の説明
1 アウターチューブ
2 インナーチューブ
11 CFRPパイプ
11a 厚肉部
11b 下端側勾配部
12 金属パイプ
12a 勾配部
12b 摺接部
13,21 筒状体
22 ブッシュ
a,b 収斂端

Claims (4)

  1. インナーチューブを出没可能に挿通させるアウターチューブが上端から下端にかけての内径を同一にする炭素繊維強化プラスチックパイプの内周に金属パイプを連設させてなる一方で、アウターチューブにおける炭素繊維強化プラスチックパイプが上端と下端の間となる中間部における一部の領域の外径を膨径して最大肉厚になる厚肉部を有すると共にこの厚肉部から下端にかけての肉厚を下端に向かうに従い徐々に減少させる下端側勾配部を有してなるフロントフォークにおいて、アウターチューブにおける金属パイプの下端部を下端に向かうに従い徐々に肉厚を減少させる勾配部とすると共に、この金属パイプの勾配部における肉厚を最小にする収斂端が炭素繊維強化プラスチックパイプの下端側勾配部における肉厚を最小にする収斂端より炭素繊維強化プラスチックパイプの厚肉部寄りに位置決められてなることを特徴とするフロントフォーク。
  2. 炭素繊維強化プラスチックパイプにおける厚肉部の外周に金属材からなる筒状体を一体に介装させてアンダーブラケットの連結を許容するブラケット連結部としてなる請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 金属パイプが下端部たる勾配部を除く上端から下端にかけての内周のこの金属パイプにおける軸方向の一部領域を他部材の摺接を許容する摺接部に設定してなる請求項1に記載のフロントフォーク。
  4. インナーチューブが炭素繊維強化プラスチックパイプからなると共に、インナーチューブにおけるアウターチューブ内に挿通される上端部に金属材からなる筒状体が連結されてなり、この筒状体の外周に介装のブッシュがアウターチューブにおける金属パイプの内周に設定の摺接部に摺接する一方で、インナーチューブがアウターチューブ内から最突出する伸び切り時に金属パイプの下端部がアウターチューブにおけるインナーチューブを挿通させる開口端部たる下端部まで延設されずして上記のブッシュが摺接する摺接部に連続されてなる請求項3に記載のフロントフォーク。
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