JP4542462B2 - 自動二輪車のフロントフォーク - Google Patents

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Description

本発明は自動二輪車のフロントフォークに関する。
特許文献1には、自動二輪車のフロントフォークにおいて、ブレーキ作動時に空気室の圧力を上昇させてノーズダイブの防止を図るとともに、ノーズダイブ防止後の空気室の圧力上昇を抑えてクッション性を向上したものが開示されている。
即ち、特許文献1のフロントフォークでは、ブレーキ信号を得たソレノイドが鉄心棒49を上方に後退させ、鉄心棒49に固定の弁体61によって下室Bを上室Cに連通する流路59を閉止し、下室Bの圧力を上昇させてノーズダイブを防止し、下室Bの圧力が所定以上になると、補助弁体65を開放して下室Bの圧力を上室Cにブローする。これにより、下室Bの圧力は補助弁体65の開放以前よりも僅かに弱まり、結果として、フロントフォーク13の圧縮はスムーズになって、クッション性を確保できる。
尚、特許文献1には、「フロントフォーク13の最圧縮位置における作動油の油面の高さを弁基盤53の上方に取れば室Bの空気圧の増加は一層早くなる。」(3頁右上欄3〜5行)との記載がある。
特開昭60-252085
特許文献1のフロントフォークでは、ブレーキ作動後の伸張動作初期段階で、弁体61が下室Bを上室Cに連通する流路59を未だ閉止していると、弁基盤53の上方の上室Cに侵入した作動油の一部が該上室Cに取り残される結果、下室Bがその分負圧となり、円滑な伸張動作が阻害される。
また、自動二輪車のフロントフォークにあっては、ブレーキ操作に対しノーズダイブを防止する応答性を早くすることが臨まれる。
本発明の課題は、ブレーキ作動時に気体室の圧力を上昇させてノーズダイブの防止を図るとともに、ノーズダイブ防止後の気体室の圧力上昇を抑えてクッション性を向上させるフロントフォークにおいて、ブレーキ操作に対するノーズダイブ防止の応答性を早くするとともに、ブレーキ作動後の伸張動作の円滑を図ることにある。
請求項1の発明は、車体側チューブと車輪側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブと車輪側チューブの内部に、油溜室と、該油溜室の上部の気体室を設けた自動二輪車のフロントフォークにおいて、前記車体側チューブの内部の上部にカラーを設け、該カラーの内側に内側気体室を区画し、該カラーの中間部の内周にバルブシートを設け、該内側気体室を上部内側気体室と下部内側気体室に区画し、該バルブシートに、ブレーキ作動に連動して該上下の内側気体室の連通を閉じる開閉弁と、該開閉弁が閉じた状態で該下部内側気体室が所定の圧力に達したときに開弁するブロー弁を設け、該カラーの外側に該下部内側気体室と連通する外側気体室を区画し、ブレーキ操作により加圧されるブレーキ液圧が印加されてプランジャを駆動する開閉シリンダを有し、該開閉シリンダのプランジャを開閉弁の操作端に連結したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記車輪側チューブにダンパシリンダを取付け、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを設けた中空ロッドを前記車体側チューブに取付け、該中空ロッドと前記カラーの間に前記バルブシートを設け、該中空ロッド内に操作ロッドを進退自在に設け、該操作ロッドの一端に前記開閉弁を支持し、前記開閉シリンダのプランジャを該操作ロッドの他端に連結したものである。
(請求項1)
(a)ブレーキ作動すると、車体の荷重が前方に移動してフロントフォークが圧縮され、下部内側気体室の空気及び作動油はバルブシートの連通路を通って上部内側気体室へ流入しようとする。ところが、開閉弁がバルブシートの連通路を閉じ、上下の内側気体室の連通を閉じる。これにより、下部内側気体室の圧力が上昇してフロントフォークの沈み込みを抑え、ノーズダイブを防止する。
(b)フロントフォークが更に圧縮し、下部内側気体室の圧力が所定以上になると、バルブシートのブロー通路を閉じていたブロー弁が開き、下部内側気体室の空気及び作動油を上部内側気体室へブローし、下部内側気体室の圧力上昇を抑える。これにより、フロントフォークがロック状態になることが阻止され、フロントフォークはスムーズに圧縮されてクッション性が向上する。このとき、下部内側気体室の作動油は外側気体室にも侵入する。
(c)フロントフォークが伸張動作に移行すると、下部内側気体室が拡大する。このとき、開閉弁が未だ閉じている段階では、下部内側気体室が負圧になってしまい、フロントフォークの円滑な伸張動作が阻害される。ところが本発明では、外側気体室が下部内側気体室に連通しており、圧縮時に外側気体室に侵入した作動油が伸張時に下部気体室に還流することから、ブレーキ作動後の伸張動作初期段階での、下部内側気体室の負圧を回避して伸張動作の円滑を図ることができる。
(d)ブレーキ操作時にブレーキ液が印加される開閉シリンダのプランジャを開閉弁の操作端に連結したから、前述(a)の開閉弁の閉じ動作がブレーキ操作に直に応動するものとなり、ブレーキ操作に対しノーズダイブを防止する応答性を早くすることができる。
(請求項2)
(e)中空ロッド内に、開閉弁の操作ロッドを設けたから、内側気体室の容積を犠牲にすることなく、中空ロッド内のスペースを有効利用できる。また、開閉シリンダのプランジャを操作ロッドの他端に連結したから、開閉シリンダと操作ロッドを簡易に連結できる。
図1はフロントフォークを示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の中間部断面図、図4は図1の上部断面図、図5は図1の要部拡大図、図6は図5のVI−VI線に沿う矢視図、図7は図5のVII−VII線に沿う矢視図、図8は開閉シリンダを示す断面図である。
自動二輪車のフロントフォーク10は、図1〜図4に示す如く、車体側チューブ11と車輪側チューブ12を液密に摺動自在に挿入して構成される。車体側チューブ11の下端外周にはブッシュ13が、車輪側チューブ12の上端側内周にはブッシュ14が設けられている。車体側チューブ11の下端側には、後述する油溜室28を車体側チューブ11と車輪側チューブ12の間でブッシュ13、14に挟まれる環状間隙に連通する油孔11Aが設けられる。
車体側チューブ11は上端部の開口部15にキャップ16を液密に着脱自在に設け、車体側チューブ11に車体側取付部を備える。車輪側チューブ12は下端部にボトムブラケット18を一体に備え、ボトムブラケット18に車輪側取付部19を備える。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部に、ダンパ20を構成するダンパシリンダ21と中空ロッド24を収容している。即ち、フロントフォーク10は、図2に示す如く、ボトムブラケット18の内部に固定したダンパシリンダ21を車輪側チューブ12の内部に立設している。ボトムブラケット18の底部に挿着したセンターボルト22が螺着されるボトムピース51により、ダンパシリンダ21の下端内周に係着したストッパリング22Aを引き寄せ、ダンパシリンダ21を後述するオイルロックピース37のフランジ37Aの介在下でボトムブラケット18の底部に固定している。
フロントフォーク10は、図4に示す如く、キャップ16の中央部に取付スリーブ23を液密に螺着し、車体側チューブ11の内部に挿入された取付スリーブ23の下端部に中空ロッド24とロックナット23Aを螺着し、中空ロッド24を車体側チューブ11に対し固定的に支持する。中空ロッド24は、図3に示す如く、ダンパシリンダ21の上端部に設けたロッドガイド25を摺動自在に貫通してダンパシリンダ21の内部の油室27に挿入され、その挿入先端部に設けたピストンボルト24Aにピストン26を備える。ピストンボルト24Aに螺着されるナット24Bによりピストン26を固定する。ピストン26はダンパシリンダ21の内面を上下に摺動する。油室27は、ピストン26により、中空ロッド24が挿入されている側の中空ロッド側油室27Aと、中空ロッド24が挿入されていない側のピストン側油室27Bに区画される。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部で、ダンパシリンダ21の外周の空間を油溜室(油室)28とし、油溜室28の上部を気体室(空気室)29としている。図1、図4、図5において、Lは油面を示す。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11の側と車輪側チューブ12の側との間に、上下のばね受け31、32を介して、コイルスプリングからなる懸架スプリング33を介装している。ばね受け31は、車体側チューブ11に螺着したキャップ16に支持されるスプリングカラー34によりバックアップされ、ばね受け32は、ダンパシリンダ21の先端部に固定された支持部材35に設けられる。
フロントフォーク10は、懸架スプリング33のばね反力と、気体室29の気体ばねによるばね反力により、車両走行時に路面から受ける衝撃力を緩衝する。
ダンパ20は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)40と、ボトムバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50とを有する。ダンパ20は、ピストンバルブ装置40とボトムバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング33と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車輪側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
以下、フロントフォーク10の減衰機構について説明する。
(ピストンバルブ装置40)
ピストンバルブ装置40は、中空ロッド24の先端部にピストンボルト24Aを装着し、このピストンボルト24Aに螺着されるナット24B、バルブストッパ41によりピストン26、バルブストッパ42を装着している。ピストン26は、伸側バルブ44Aを備えてロッド側油室27Aとピストン側油室27Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてロッド側油室27Aとピストン側油室27Bとを連絡可能とする圧側流路45(不図示)とを備える。
また、ピストンバルブ装置40は、ボルト24Aを中空にするとともに、ボルト24Aにオリフィス路46を設け、ロッド側油室27Aとピストン側油室27Bとをボルト24Aのオリフィス路46により常時連通している。
従って、フロントフォーク10の圧縮時には、ピストン側油室27Bの油が圧側流路45を通り圧側バルブ45Aを開いてロッド側油室27Aへ導かれる。
また、フロントフォーク10の伸張時には、ダンパシリンダ21と中空ロッド24の相対速度が低速のとき、ロッド側油室27Aの油がオリフィス路46を通ってピストン側油室27Bへ導かれ、この間のオリフィス路46による絞り抵抗により伸側の減衰力を生ずる。
また、フロントフォーク10の伸張時での相対速度が中高速のとき、ロッド側油室27Aの油が伸側流路44を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油室27Bへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
(ボトムバルブ装置50)
ボトムバルブ装置50は、車輪側チューブ12に前述の如くセンターボルト22によりダンパシリンダ21、オイルロックピース37とともに装着されたボトムピース51の先端部にハウジングボルト52を装着し、このボルト52に螺着されるナット52Aにより圧側バルブ56A、バルブハウジング53、バルブストッパ54A、54Bを保持している。バルブストッパ54A、54Bは、バルブハウジング53との間に伸側バルブ57A、ばね57Bを保持する。バルブハウジング53はダンパシリンダ21の中間部に液密に密着し、ピストン側油室27Bの下方にボトムバルブ室55を区画形成する。バルブハウジング53は、圧側バルブ56Aに備えたピストン側油室27Bとボトムバルブ室55とを連絡可能とする圧側流路56と、伸側バルブ57Aを備えてピストン側油室27Bとボトムバルブ室55とを連絡可能とする伸側流路57(不図示)とを備える。ボトムバルブ室55はダンパシリンダ21の壁面に設けた油路58により、ダンパシリンダ21の外部に設けてある油溜室28に連絡可能とされている。
また、ボトムバルブ装置50は、ボルト52を中空とするとともに、ボルト52にオリフィス路59を設け、ピストン側油室27Bとボトムバルブ室55とをボルト52の中空路とオリフィス路59により常時連通している。
従って、フロントフォーク10の圧縮時でダンパシリンダ21と中空ロッド24の相対速度が低速のときには、ダンパシリンダ21に進入した中空ロッド24の進入容積分の油が、ピストン側油室27Bからオリフィス路59、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の油路58を通って油溜室28へ排出され、この間のオリフィス路59による絞り抵抗により圧側の減衰力を生ずる。また、フロントフォーク10の圧縮時で、ダンパシリンダ21と中空ロッド24の相対速度が中高速のときには、ダンパシリンダ21に進入した中空ロッド24の進入容積分の油が、ピストン側油室27Bから圧側流路56、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の油路58を通って油溜室28に排出される。このとき、ピストン側油室27Bから圧側流路56を通る油が圧側バルブ56Aを撓み変形させてボトムバルブ室55に導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
フロントフォーク10の伸張時には、ダンパシリンダ21から退出する中空ロッド24の退出容積分の油が、油溜室28からボトムバルブ室55、伸側流路57を通ってピストン側油室27Bに還流される。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ボトムバルブ装置50において、ボトムピース51のオリフィス路59或いはバルブハウジング53の圧側バルブ56Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰力を生じない。
(伸張時)
フロントフォーク10の伸張時には、ピストンバルブ装置40において、ピストン26のオリフィス路46或いは伸側バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ボトムバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、車体側チューブ11の下端部に設けたオイルロックカラー36のチェック弁36Aが、車輪側チューブ12の底部に立設したオイルロックピース37の外周に嵌合し、車輪側チューブ12とオイルロックピース37の間にオイルロック油室を区画し、最圧縮ストロークを規制する。
また、フロントフォーク10の最伸張時には、ダンパシリンダ21の上端側外周部に係止したばね受け38によってバックアップ支持したリバウンドスプリング39をオイルロックカラー36の上端ワッシャによって圧縮し、最伸張ストロークを規制する。
しかるに、フロントフォーク10は以下の如くのノーズダイブ防止構造を備える。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11の内部の上部にカラー60(分割体60A、60Bからなる)を設け、図4、図5に示す如く、カラー60の内側に内側気体室61を区画し、カラー60の中間部(分割体60Aと分割体60Bに挟まれる間)の内周にバルブシート70を設け、内側気体室61を、バルブシート70よりキャップ16寄りの上部内側気体室61Aと、バルブシート70よりロッドガイド25寄りの下部内側気体室61Bに区画する。また、フロントフォーク10は、カラー60の外側に外側気体室62を区画し、内側気体室61と外側気体室62を分割体60Bに設けた連絡孔63により連通する。内側気体室61(上部内側気体室61A、下部内側気体室61B)と外側気体室62は気体室29を形成する。カラー60(分割体60A、60B)はスプリングカラー34を構成する。
バルブシート70は、図6、図7に示す如く、上下の内側気体室61A、61Bを連通する連通路71、ブロー通路72を備え、それらの連通路71、ブロー通路72をそれぞれ開閉する開閉弁80、ブロー弁90を備える。開閉弁80は、自動二輪車のブレーキ作動に連動して連通路71を閉じる。ブロー弁90は、開閉弁80が閉じた状態で、下部内側気体室61Bが所定の圧力に達したときにブロー通路72を開く。
バルブシート70は、中空ロッド24とカラー60(分割体60A、60B)の間の環状空間に設けられ、中空ロッド24に嵌合する内周環状溝にOリング73を備え、分割体60Aの下端部と分割体60Bの上端部の間に外周フランジ70Aを挟持され、分割体60Aに嵌合する外周環状溝にOリング74を備える。
開閉弁80は、ブレーキ操作に応動する開閉シリンダ100により機械的に開閉される。本実施例では、中空ロッド24内に操作ロッド81を進退自在に挿入し、操作ロッド81の挿入端に連結した連結ピン82を中空ロッド24に設けた軸方向に沿う長孔24Aを通して中空ロッド24の直径方向の内外に貫通し、連結ピン82の両端部を中空ロッド24の外周に嵌合してある開閉弁80の下端溝に係着する。取付スリーブ23から突出する操作ロッド81の外部突出端には、開閉シリンダ100が連結される。開閉弁80は、バルブシート70の下面との間に介装した圧縮ばね83により開き位置に設定され、開閉シリンダ100に連結されている操作ロッド81の上動により圧縮ばね83に抗し、中空ロッド24の外周に摺動ガイドされてスムーズに上動し、連通路71を閉じる。開閉弁80の連通路71を閉じるシート面には、ゴム等がコーティングされ、連通路71とのシール性を向上する。
ブロー弁90は、中空ロッド24の外周にストッパリング91により係止したばね受け92にバックアップされた圧縮ばね93により閉じ位置に設定され、下部内側気体室61Bの所定の圧力により圧縮ばね93に抗し、中空ロッド24の外周に摺動ガイドされてスムーズに上動し、ブロー通路72を開く。ブロー弁90のブロー通路72を閉じるシート面には、ゴム等がコーティングされ、ブロー通路72とのシール性を向上する。
以下、開閉シリンダ100について説明する(図8)。
開閉シリンダ100は、ブレーキ操作により加圧されるブレーキ液圧が印加されて駆動されるプランジャ101を内蔵し、このプランジャ101を開閉弁80の操作ロッド81に連結して構成される。
具体的には、開閉シリンダ100は、プランジャ101の大径部101Aが挿入される大径孔100Aと、プランジャ101の小径部101Bが挿通される小径孔100Bを有し、大径部101Aと小径部101Bの外周のそれぞれにOリング102A、102Bを設け、大径孔100Aと小径部101Bの間の環状間隙を液圧室103とする。開閉シリンダ100の基端部にはばね押え104が螺着され、プランジャ101の大径部101Aの背面とばね押え104の間にはそれらのばね収容孔に装填されるコイルスプリング105が介装される。コイルスプリング105は、プランジャ101が液圧室103の容積を最小にする前進端に向けて該プランジャ101を付勢する。プランジャ101は、前進端で、背面外周に張り出し状に設けてあるストッパ106を開閉シリンダ100の基端側段差面に衝合する。
更に、開閉シリンダ100は、液圧室103に連通する管継手107を螺着されて備え、この管継手107にブレーキ液供給管108を接続される。ブレーキ液供給管108は、ブレーキ操作装置のマスタシリンダから延在され、ブレーキ操作により加圧されるマスタシリンダ内のブレーキ液の液圧を液圧室103に伝える。
このとき、開閉シリンダ100の小径孔100Bに挿通されているプランジャ101の小径部101Bの挿通端が、開閉弁80の操作ロッド81の外部突出端に接続具109(ボルト109A、109B)により固定的に接続される。同時に、開閉シリンダ100の先端部が操作ロッド81まわりの取付スリーブ23にボルト110により固定される。
従って、開閉シリンダ100にあっては、運転者がブレーキ操作装置を操作してマスタシリンダ内のブレーキ液の液圧を昇圧すると同時に、このブレーキ液圧がブレーキ液供給管108を介して液圧室103に印加され、プランジャ101をコイルスプリング105に抗して後退させる。これにより、プランジャ101に接続されている操作ロッド81が前述の如くに上動され、開閉弁80により連通路71を閉じる。ブレーキ操作が解除されたときには、開閉シリンダ100の液圧室103に印加されていたブレーキ液圧が消失し、プランジャ101はコイルスプリング105により前進端に復帰せしめられ、操作ロッド81は下動し、開閉弁80により連通路71を開く。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ブレーキ作動すると、車体の荷重が前方に移動してフロントフォーク10が圧縮され、下部内側気体室61Bの空気及び作動油はバルブシート70の連通路71を通って上部内側気体室61Aへ流入しようとする。ところが、開閉弁80がバルブシート70の連通路71を閉じ、上下の内側気体室61A、61Bの連通を閉じる。これにより、下部内側気体室61Bの圧力が上昇してフロントフォーク10の沈み込みを抑え、ノーズダイブを防止する。
(b)フロントフォーク10が更に圧縮し、下部内側気体室61Bの圧力が所定以上になると、バルブシート70のブロー通路72を閉じていたブロー弁90が開き、下部内側気体室61Bの空気及び作動油を上部内側気体室61Aへブローし、下部内側気体室61Bの圧力上昇を抑える。これにより、フロントフォーク10がロック状態になることが阻止され、フロントフォーク10はスムーズに圧縮されてクッション性が向上する。このとき、下部内側気体室61Bの作動油は外側気体室62にも侵入する。
(c)フロントフォーク10が伸張動作に移行すると、下部内側気体室61Bが拡大する。このとき、開閉弁80が未だ閉じている段階では、下部内側気体室61Bが負圧になってしまい、フロントフォーク10の円滑な伸張動作が阻害される。ところが本発明では、外側気体室62が下部内側気体室61Bに連通しており、圧縮時に外側気体室62に侵入した作動油が伸張時に下部気体室に還流することから、ブレーキ作動後の伸張動作初期段階での、下部内側気体室61Bの負圧を回避して伸張動作の円滑を図ることができる。
(d)ブレーキ操作時にブレーキ液が印加される開閉シリンダ100のプランジャ101を開閉弁80の操作端に連結したから、前述(a)の開閉弁80の閉じ動作がブレーキ操作に直に応動するものとなり、ブレーキ操作に対しノーズダイブを防止する応答性を早くすることができる。
(e)中空ロッド24内に、開閉弁80の操作ロッド81を設けたから、内側気体室61の容積を犠牲にすることなく、中空ロッド24内のスペースを有効利用できる。また、開閉シリンダ100のプランジャ101を操作ロッド81の他端に連結したから、開閉シリンダ100と操作ロッド81を簡易に連結できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォークを示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の中間部断面図である。 図4は図1の上部断面図である。 図5は図1の要部拡大図である。 図6は図5のVI−VI線に沿う矢視図である。 図7は図5のVII−VII線に沿う矢視図である。 図8は開閉シリンダを示す断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク
11 車体側チューブ
12 車輪側チューブ
21 ダンパシリンダ
24 中空ロッド
26 ピストン
28 油溜室(油室)
29 気体室
60 カラー
61 内側気体室
61A 上部内側気体室
61B 下部内側気体室
62 外側気体室
70 バルブシート
71 連通路
72 ブロー通路
80 開閉弁
81 操作ロッド
90 ブロー弁
100 開閉シリンダ
101 プランジャ

Claims (2)

  1. 車体側チューブと車輪側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブと車輪側チューブの内部に、油溜室と、該油溜室の上部の気体室を設けた自動二輪車のフロントフォークにおいて、
    前記車体側チューブの内部の上部にカラーを設け、該カラーの内側に内側気体室を区画し、
    該カラーの中間部の内周にバルブシートを設け、該内側気体室を上部内側気体室と下部内側気体室に区画し、
    該バルブシートに、ブレーキ作動に連動して該上下の内側気体室の連通を閉じる開閉弁と、該開閉弁が閉じた状態で該下部内側気体室が所定の圧力に達したときに開弁するブロー弁を設け、
    該カラーの外側に該下部内側気体室と連通する外側気体室を区画し、
    ブレーキ操作により加圧されるブレーキ液圧が印加されてプランジャを駆動する開閉シリンダを有し、該開閉シリンダのプランジャを開閉弁の操作端に連結したことを特徴とする自動二輪車のフロントフォーク。
  2. 前記車輪側チューブにダンパシリンダを取付け、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを設けた中空ロッドを前記車体側チューブに取付け、
    該中空ロッドと前記カラーの間に前記バルブシートを設け、
    該中空ロッド内に操作ロッドを進退自在に設け、該操作ロッドの一端に前記開閉弁を支持し、前記開閉シリンダのプランジャを該操作ロッドの他端に連結した請求項1に記載の自動二輪車のフロントフォーク。
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