JP2011007297A - 油圧緩衝器の減衰力調整装置 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰力調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ブレーキ液圧の入力による調整ロッドのリフトを調整可能にし、ブレーキ操作時の減衰力を適正化し、操縦安定性を良好にすること。
【解決手段】 油圧緩衝器10の減衰力調整装置40において、取付部材15における調整ロッド43の周囲に回転操作可能に支持されるリフトアジャスタ60を有し、調整ロッド43の外周に螺合させたアジャストナット70に、リフトアジャスタ60を相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合し、リフトアジャスタ60の回転操作により調整ロッド43に対して螺動するアジャストナット70の端面70Aが、中空ロッド12の側に設けたストッパ面12Aに対してなすリフト間隔Lを調整することにより、ブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔L分だけ移動する調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41に対してなす位置を調整可能にするもの。
【選択図】 図5

Description

本発明は油圧緩衝器の減衰力調整装置に関する。
油圧緩衝器の減衰力調整装置として、特許文献1に記載の如く、取付部材に固定した中空ロッドを緩衝器内に挿入し、この中空ロッドに支持したピストンにより緩衝器内に油室を区画し、中空ロッドにピストンの両側の油室を連通可能にするバイパス流路を形成し、中空ロッド内に調整ロッドを軸方向に進退自在に設け、該調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置の調整により、該バイパス流路の開口面積を調整可能にし、結果として伸側減衰力を調整可能にするものがある。
ところで、自動二輪車等のモトクロス走行において、下り坂でブレーキを掛けると、前輪側の緩衝器が縮み、後輪側の緩衝器が伸び過ぎて、車両が前転しそうな状態になるおそれがある。このような後輪側の緩衝器の伸び切り時に、後輪側の緩衝器の伸側減衰力を直ちに一時的に高くすることができれば、後輪側の緩衝器の伸び過ぎを抑えて車両の前転を回避できる。
そこで、従来の油圧緩衝器の減衰力調整装置において、調整ロッドの基端部に、ブレーキ液圧を受けるプランジャを設け、プランジャの受圧端面に作用するブレーキ液圧の入力により調整ロッドを一定リフトだけ進退させるものがある。ライダーのブレーキ操作によりブレーキ液圧が上昇すると、調整ロッドの先端部がこのブレーキ液圧によりバイパス流路に押し込まれ、該バイパス流路の開口面積を直ちに絞り、結果として伸側減衰力を直ちに高くする。
特開2000-205325
従来技術では、ブレーキ液圧の入力による調整ロッドのリフト(移動量)が予め定めた大きさに固定化されている。このため、予め定めた調整ロッドのリフトが大きいときには、ブレーキ操作時に、調整ロッドの先端部がバイパス流路に対して押し込まれる量が大きく、伸側減衰力が過大になり、操縦安定性を損なってもこの伸側減衰力を微調整できない。
本発明の課題は、ブレーキ液圧の入力による調整ロッドのリフトを調整可能にし、ブレーキ操作時の減衰力を適正化し、操縦安定性を良好にすることにある。
請求項1の発明は、取付部材に固定した中空ロッドを緩衝器内に挿入し、この中空ロッドに支持したピストンにより緩衝器内に油室を区画し、中空ロッドにピストンの両側の油室を連通可能にするバイパス流路を形成し、中空ロッド内に調整ロッドを相対回転することなく軸方向に進退自在に設け、該調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置の調整により、該バイパス流路の開口面積を調整可能にし、調整ロッドの基端部に、ブレーキ液圧を受けるプランジャを設け、プランジャの受圧端面に作用するブレーキ液圧の入力により調整ロッドを一定リフトだけ進退させる油圧緩衝器の減衰力調整装置において、取付部材における調整ロッドの周囲に回転操作可能に支持されるリフトアジャスタを有し、調整ロッドの外周に螺合させたアジャストナットに、リフトアジャスタを相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合し、リフトアジャスタの回転操作により調整ロッドに対して螺動するアジャストナットの端面が、中空ロッドの側に設けたストッパ面に対してなすリフト間隔を調整することにより、ブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔分だけ移動する調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にするようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記リフトアジャスタがアジャストナットの外周に異形嵌合するようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記取付部材における調整ロッドの周囲に回転操作可能に支持される基準アジャスタを有し、調整ロッドの外周に螺合させたプランジャに、基準アジャスタを相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合し、基準アジャスタの回転操作により、プランジャを調整ロッドに対して螺動し、調整ロッドの先端部がプランジャの受圧端面に対する長さを調整することにより、該調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にするようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記基準アジャスタがプランジャの外周に異形嵌合するようにしたものである。
(請求項1)
(a)リフトアジャスタの回転操作により調整ロッドに対して螺動するアジャストナットの端面が、中空ロッドの側に設けたストッパ面に対してなすリフト間隔を調整することにより、ブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔分だけ移動する調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にした。これにより、予め定められる調整ロッドのリフトを調整し、調整ロッドの先端部がブレーキ操作時にバイパス流路に対して押し込まれる位置(ブレーキ押込位置)を調整でき、ブレーキ操作時の減衰力を適正化し、操縦安定性を良好にできる。
(請求項2)
(b)リフトアジャスタがアジャストナットの外周に異形嵌合することにより、アジャストナットに、リフトアジャスタを相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合させることができる。
(請求項3)
(c)基準アジャスタの回転操作により、プランジャを調整ロッドに対して螺動し、調整ロッドの先端部がプランジャの受圧端面に対する長さを調整することにより、該調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にする。即ち、基準アジャスタを車両の走行前に手動操作し、調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置(基準絞り位置)をセットすることにより、ブレーキ操作によらない通常運転時の基準減衰力を定めることができる。
(請求項4)
(d)基準アジャスタがプランジャの外周に異形嵌合することにより、プランジャに、基準アジャスタを相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合させることができる。
図1は油圧緩衝器を示す断面図である。 図2は図1のシリンダ側を示す断面図である。 図3は図1の中空ロッド側を示す断面図である。 図4は図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図5は減衰力調整装置を示す断面図である。
油圧緩衝器10は、図1〜図4に示す如く、シリンダ11に中空ピストンロッド12を挿入し、シリンダ11とピストンロッド12の外側部に懸架スプリング13を介装している。
シリンダ11は車体側取付部材14を備え、ピストンロッド12に車軸側取付部材15を備える。シリンダ11の外周部にはばね受調整用液圧ジャッキ16とばね受17が装備され、車軸側取付部材15にはばね受18が固定されており、ばね受17とばね受18の間に懸架スプリング13を介装し、液圧ジャッキ16によるばね受17の変位により懸架スプリング13の設定長さを調整可能にしている。懸架スプリング13の弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
シリンダ11はピストンロッド12が貫通するロッドガイド21を備える。ロッドガイド21はシリンダ11に液密に挿着されるとともに、オイルシール23、ブッシュ24、ダストシール25を備える内径部にピストンロッド12を液密に摺動自在にしている。尚、シリンダ11は、ロッドガイド21の外側に圧側バンパ26を備え、最圧縮時に、ピストンロッド12が備えるバンパストッパ27にこの圧側バンパ26を衝合して最圧縮ストロークを規制する。また、シリンダ11は、ロッドガイド21の内側にリバウンドスプリング28を備えている。
油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)30と、ベースバルブ装置(圧側減衰力発生装置)90とを有している。油圧緩衝器10は、ピストンバルブ装置30とベースバルブ装置90が発生する減衰力により、懸架スプリング13による衝撃力の吸収に伴なうシリンダ11とピストンロッド12の伸縮振動を抑制する。
(ピストンバルブ装置30)(図1〜図5)
ピストンバルブ装置30は、シリンダ11に挿入されたピストンロッド12の端部にバルブストッパ31、圧側バルブ32、ピストン33、伸側バルブ34、バルブストッパ35を装填し、これらを袋ナット36で固定してある。
ピストン33は、シリンダ11の内周を液密に摺接し、シリンダ11の内部をピストンロッド12が収容されないピストン側油室37Aと、ピストンロッド12が収容されるロッド側室37Bとに区画する。ピストン33は、圧側バルブ32を備えてピストン側油室37Aとロッド側油室37Bとを連通可能にする圧側流路38と、伸側バルブ34を備えてピストン側油室37Aとロッド側油室37Bとを連通可能にする伸側流路39(不図示)とを備える。
ピストンバルブ装置30は、減衰力調整装置40を有する。
減衰力調整装置40は、ピストンロッド12にピストン側油室37Aとロッド側油室37Bを連通可能にするバイパス流路41を形成し、このバイパス流路41を、ピストンロッド12の中空部に挿着した縦管41Aと、縦管41Aの上端開口をロッド側油室37Bに連通するようにピストンロッド12の径方向に穿設した横孔41Bと、縦管41Aの下端開口をピストン側油室37Aに連通するように袋ナット36に穿設した斜孔41Cにより形成する。袋ナット36の斜孔41Cは、袋ナット36のバルブストッパ35に臨む面に開口し、袋ナット36とバルブストッパ35の間には斜孔41Cを開閉するチェック弁42が挟圧されている。チェック弁42は油圧緩衝器10の伸側行程におけるバイパス流路41からピストン側油室37Aへの油の流れのみを許容し、その逆流を阻止する。尚、袋ナット36はシリンダ11の内周を液密に摺動し、ピストン側油室37Aをピストン33側と反ピストン33側とに区切ることのないようにする貫通孔36Aを備える。
減衰力調整装置40は、ピストンロッド12の中空部に調整ロッド43を液密に挿入し、先端のニードル弁43Aによりバイパス流路41の縦管41Aの上端開口の開口面積を調整する。調整ロッド43はピストンロッド12の中空部に異形嵌合して相対回転することなく、軸方向に進退自在に設けられ、調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41の縦管41Aに対してなす位置(軸方向間隙)の調整により、バイパス流路41の縦管41Aの開口面積を調整する。
このとき、減衰力調整装置40は、調整ロッド43の基端部に螺着して固定的に設けたプランジャ44をピストンロッド12の中空部から車軸側取付部材15に設けてあるブレーキ液圧室45に挿入してある。車両のブレーキ操作部に接続されるブレーキ液圧供給管46がブレーキ液圧室45に連通し、これによって生ずるブレーキ液圧室45のブレーキ液圧がプランジャ44のブレーキ液圧室45に臨む受圧端面44Aに作用することになる。47はエア抜きバルブである。調整ロッド43は、横孔41Bから作用するロッド側油室37Bの油圧によりプランジャ44の側に加圧される状態で、ブレーキ液圧室45を占めるブレーキ液圧によるバックアップにより規定される所定位置に設定され、結果としてニードル弁43Aを縦管41Aに対する基準絞り位置(ニードル弁43Aは縦管41Aの開口に対して一定の軸方向間隙を形成する)に設定する。
従って、減衰力調整装置40は、車両の通常運転時に、油圧緩衝器10の伸側行程で、ロッド側油室37Bからバイパス流路41を通ってピストン側油室37Aに移動する油の流れに対し、基準絞り位置に設定されたニードル弁43Aによる一定の絞り抵抗を付与し、これにより発生する伸側減衰力(基準減衰力)を定める。
また、減衰力調整装置40は、車両がブレーキ操作されると、昇圧されたブレーキ液圧が直ちにブレーキ液圧供給管46からブレーキ液圧室45に入力される。このブレーキ液圧をプランジャ44の受圧端面44Aに受けた調整ロッド43は、ニードル弁43Aが上述の基準絞り位置において縦管41Aとの間に設定されている軸方向間隙の範囲内でバイパス流路41内に押し込まれ、ニードル弁43Aが縦管41Aに対する絞りを上述の基準絞り位置におけるよりも強く(狭く)する。これにより、ニードル弁43Aによる絞り抵抗を高くし、伸側減衰力を直ちに一時的に高くして車両の前転を回避する。
しかるに、減衰力調整装置40は、(A)調整ロッド43のニードル弁43Aに設定される基準絞り位置の調整手段、(B)調整ロッド43のニードル弁43Aがブレーキ液圧の昇圧により基準絞り位置から押し込まれるブレーキ押込位置の調整手段について説明する(図5)。
(A)調整ロッド43のニードル弁43Aに設定される基準絞り位置の調整手段
車軸側取付部材15における調整ロッド43及びプランジャ44の周囲に、基準アジャスタ50を回転操作可能に支持する。基準アジャスタ50は、厚肉環状体からなり、後述するリフトアジャスタ60と積層される状態で、車軸側取付部材15に設けたアジャスタ窓15Aに装填され、それらの外周の一部(操作ダイアル部50A、60A)をアジャスタ窓15Aから外界に臨ませる。
尚、基準アジャスタ50はリフトアジャスタ60に接する一面の周方向複数位置にボール装填孔81Aを凹設され、リフトアジャスタ60はその両面に貫通するボール装填孔82Aを同じく周方向複数位置に穿設される。車軸側取付部材15に内蔵させた加圧スプリング80により加圧されるボール82の球面の一部がリフトアジャスタ60のボール装填孔82Aにおける基準アジャスタ50に対する反対向きの開口に着座するとともに、基準アジャスタ50のボール装填孔81Aに装填したボール81の球面の一部がリフトアジャスタ60のボール装填孔82Aにおける基準アジャスタ50側の開口に着座する。これにより、基準アジャスタ50とリフトアジャスタ60はそれらの回転操作方向に沿う複数の角度位置のそれぞれに停留される。
調整ロッド43の外周に螺着させてあるプランジャ44に、基準アジャスタ50を相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合する。本実施例では、基準アジャスタ50の内周がプランジャ44の外周に異形嵌合する。
操作者による基準アジャスタ50の回転操作により、プランジャ44を調整ロッド43に対して螺動し、調整ロッド43のニードル弁43Aがプランジャ44の受圧端面44Aに対する長さH(図1)を調整することにより、調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41の縦管41Aに対してなす位置、換言すれば前述の基準絞り位置を適宜調整可能にするものである。これにより、通常運転時に、油圧緩衝器10の伸側行程で、ロッド側油室37Bからバイパス流路41を通ってピストン側油室37Aに移動する油の流れに対してニードル弁43Aにより所望の絞り抵抗を付与し、所定の伸側減衰力(基準減衰力)を得ることができる。
尚、調整ロッド43には、基準アジャスタ50が異形嵌合するプランジャ44が螺合するとともに、リフトアジャスタ60が異形嵌合する後述のアジャストナット70も螺合しているから、操作者は上述(A)における基準アジャスタ50の回転操作時に、基準アジャスタ50とリフトアジャスタ60の両操作ダイアル部50A、60Aをその手指で併せつまんで同期回転させる。
(B)調整ロッド43のニードル弁43Aがブレーキ液圧の昇圧により基準絞り位置から押し込まれるブレーキ押込位置の調整手段
車軸側取付部材15における調整ロッド43及びプランジャ44の周囲に、リフトアジャスタ60を前述の如くに回転操作可能に支持する。リフトアジャスタ60は、薄肉環状体61の内縁に筒状部62を設け、薄肉環状体61に前述のボール装填孔82Aを穿設してある。
調整ロッド43の外周にアジャストナット70を螺合させ、このアジャストナット70の外周にリフトアジャスタ60の筒状部62を相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合する。本実施例では、リフトアジャスタ60の筒状部62の内周がアジャストナット70の外周に異形嵌合する。リフトアジャスタ60の筒状部62の内周はプランジャ44の外周には空転する。アジャストナット70は、調整ロッド43のおねじ部にプランジャ44と隣接して螺合する。アジャストナット70のプランジャ44に対する反対側の端面70Aは、ピストンロッド12の上端内周部を段差加工して設けたストッパ面12Aに一定のリフト間隔L(図5)を介して相対する。アジャストナット70は、調整ロッド43のおねじ部上をプランジャ44に対する反対側にリフト間隔L分だけ移動したとき、その端面70Aをピストンロッド12のストッパ面12Aに衝接させる。
操作者によるリフトアジャスタ60の回転操作により、調整ロッド43に対して移動するアジャストナット70の端面70Aが、ピストンロッド12のストッパ面12Aに対してなすリフト間隔Lを調整することにより、ブレーキ液圧室45へのブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔L分だけ移動する調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41の縦管41Aの上端開口に対してなす位置、換言すれば前述のブレーキ押込位置を適宜調整可能にするものである。これにより、ブレーキ操作時に、昇圧されたブレーキ液圧が直ちにブレーキ液圧室45に入力されると、このブレーキ液圧をプランジャ44の受圧端面44Aに受けた調整ロッド43は、調整ロッド43上のアジャストナット70の端面70Aがピストンロッド12のストッパ面12Aに衝接するブレーキ押込位置までバイパス流路41内に押し込まれ、ニードル弁43Aによる絞り抵抗を高くし、一時的に高い伸側減衰力(前転防止減衰力)を得ることができる。そして、この前転防止減衰力は、リフトアジャスタ60により設定されるアジャストナット70の端面70Aがピストンロッド12のストッパ面12Aに対してなす前述のリフト間隔Lにより調整される。
尚、操作者は、上述(B)におけるリフトアジャスタ60の回転操作時に、基準アジャスタ50の操作ダイアル部50Aを一方の手指でつまんで回り止めし、他方の手指でリフトアジャスタ60の操作ダイアル部60Aだけをつまんで回転させる。
(ベースバルブ装置90)(図1)
ベースバルブ装置90は、シリンダ11にリザーバ91を一体化し、このリザーバ91の内部をダイヤフラム型(フリーピストン型でも可)の隔壁部材により、油室とガス室とに区画している。
そして、ベースバルブ装置90にあっては、油圧緩衝器10の圧縮時に、シリンダ11に進入したピストンロッド12の進入容積分の油が、ピストン側油室37Aからリザーバ91の油室に排出されるに際し、主としてシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が低速のときにはこの油をニードル弁付バイパス流路に通して圧側の減衰力を得ることができ、主としてシリンダ11とピストンロッド12の相対速度が中高速のときには、この油により圧側バルブを撓み変形させて圧側の減衰力を得ることができる。また、油圧緩衝器10の伸長時には、シリンダ11から退出するピストンロッド12の退出容積分の油が、リザーバ91の油室から伸側バルブを通ってピストン側油室37Aに供給される。
従って、油圧緩衝器10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
油圧緩衝器10の圧縮時には、(a)ベースバルブ装置90において、ニードル弁付バイパス流路、或いは圧側バルブを通る油により圧側減衰力を生ずるとともに、(b)ピストンバルブ装置30において、ピストン33の圧側流路38に設けられる圧側バルブ32を通る油により圧側減衰力を生ずる。
(伸長時)
油圧緩衝器10の伸長時には、ピストンバルブ装置30において、調整ロッド43のニードル弁43Aにより開度調整されるピストンロッド12のバイパス流路41、或いはピストン33の伸側流路39に設けられる伸側バルブ34を通る油により伸側減衰力を生ずる。
これらの圧側と伸側の減衰力により、油圧緩衝器10の伸縮振動が抑制される。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)リフトアジャスタ60の回転操作により調整ロッド43に対して螺動するアジャストナット70の端面が、ピストンロッド12の側に設けたストッパ面12Aに対してなすリフト間隔Lを調整することにより、ブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔L分だけ移動する調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41に対してなす位置を調整可能にした。これにより、予め定められる調整ロッド43のリフトを調整し、調整ロッド43のニードル弁43Aがブレーキ操作時にバイパス流路41に対して押し込まれる位置(ブレーキ押込位置)を調整でき、ブレーキ操作時の減衰力を適正化し、操縦安定性を良好にできる。
(b)リフトアジャスタ60がアジャストナット70の外周に異形嵌合することにより、アジャストナット70に、リフトアジャスタ60を相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合させることができる。
(c)基準アジャスタ50の回転操作により、プランジャ44を調整ロッド43に対して螺動し、調整ロッド43のニードル弁43Aがプランジャ44の受圧端面44Aに対する長さHを調整することにより、該調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41に対してなす位置を調整可能にする。即ち、基準アジャスタ50を車両の走行前に手動操作し、調整ロッド43のニードル弁43Aがバイパス流路41に対してなす位置(基準絞り位置)をセットすることにより、ブレーキ操作によらない通常運転時の基準減衰力を定めることができる。
(d)基準アジャスタ50がプランジャ44の外周に異形嵌合することにより、プランジャ44に、基準アジャスタ50を相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の減衰力調整装置は、リフトアジャスタだけを備え、基準アジャスタを備えないものであっても良い。
本発明は、リフトアジャスタの回転操作により調整ロッドに対して螺動するアジャストナットの端面が、中空ロッドの側に設けたストッパ面に対してなすリフト間隔を調整することにより、ブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔分だけ移動する調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にした。これにより、ブレーキ液圧の入力による調整ロッドのリフトを調整可能にし、ブレーキ操作時の減衰力を適正化し、操縦安定性を良好にすることができる。
10 油圧緩衝器
12 ピストンロッド(中空ロッド)
12A ストッパ面
15 車軸側取付部材(取付部材)
33 ピストン
37A、37B 油室
40 減衰力調整装置
41 バイパス流路
43 調整ロッド
43A ニードル弁(先端部)
44 プランジャ
44A 受圧端面
50 基準アジャスタ
60 リフトアジャスタ
70 アジャストナット
70A 端面
H 長さ
L リフト間隔

Claims (4)

  1. 取付部材に固定した中空ロッドを緩衝器内に挿入し、この中空ロッドに支持したピストンにより緩衝器内に油室を区画し、
    中空ロッドにピストンの両側の油室を連通可能にするバイパス流路を形成し、
    中空ロッド内に調整ロッドを相対回転することなく軸方向に進退自在に設け、該調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置の調整により、該バイパス流路の開口面積を調整可能にし、
    調整ロッドの基端部に、ブレーキ液圧を受けるプランジャを設け、プランジャの受圧端面に作用するブレーキ液圧の入力により調整ロッドを一定リフトだけ進退させる油圧緩衝器の減衰力調整装置において、
    取付部材における調整ロッドの周囲に回転操作可能に支持されるリフトアジャスタを有し、
    調整ロッドの外周に螺合させたアジャストナットに、リフトアジャスタを相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合し、
    リフトアジャスタの回転操作により調整ロッドに対して螺動するアジャストナットの端面が、中空ロッドの側に設けたストッパ面に対してなすリフト間隔を調整することにより、ブレーキ液圧の入力により上記リフト間隔分だけ移動する調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にすることを特徴とする油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  2. 前記リフトアジャスタがアジャストナットの外周に異形嵌合する請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  3. 前記取付部材における調整ロッドの周囲に回転操作可能に支持される基準アジャスタを有し、
    調整ロッドの外周に螺合させたプランジャに、基準アジャスタを相対回転することなく軸方向に相対移動可能に係合し、
    基準アジャスタの回転操作により、プランジャを調整ロッドに対して螺動し、調整ロッドの先端部がプランジャの受圧端面に対する長さを調整することにより、該調整ロッドの先端部がバイパス流路に対してなす位置を調整可能にする請求項1又は2に記載の油圧緩衝器の減衰力調整装置。
  4. 前記基準アジャスタがプランジャの外周に異形嵌合する請求項3に記載の油圧緩衝器の減衰力調整装置。
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