JP2006183688A - 自動二輪車等のフロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 ブレーキ操作時のノーズダイブを防止するとともにノーズダイブ防止後のクッション性や伸張時の反発を緩和することができるフロントフォークを安価に提供すること。
【解決手段】 自動二輪車等のフロントフォーク10において、車体側チューブ11の上端部を閉じるキャップ16に中空ロッド24を取付け、中空ロッド24を車体側チューブ11内に垂設し、中空ロッド24の下部外周に、車体側チューブ11内の気体室29を上下の気体室29A、29Bに区画する隔壁部材60を設け、下部気体室29Bを上部気体室29Aに連通する通路70を中空ロッド24に設け、該通路70に、下部気体室29Bが所定の圧力に達したときに開弁するブロー弁80を設け、更に、隔壁部材60に、下部気体室29Bから上部気体室29Aへの流れを阻止し、その反対の流れを許容するチェック弁90を設けたもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は自動二輪車等のフロントフォークに関する。
特許文献1には、自動二輪車のフロントフォークにおいて、ブレーキ作動時に空気室の圧力を上昇させてノーズダイブの防止を図るとともに、ノーズダイブ防止後の空気室の圧力上昇を抑えてクッション性を向上したものが開示されている。
即ち、特許文献1のフロントフォークでは、ブレーキ信号を得たソレノイドが鉄心棒49を上方に後退させ、鉄心棒49に固定の弁体61によって下室Bを上室Cに連通する流路59を閉止し、下室Bの圧力を上昇させてノーズダイブを防止し、下室Bの圧力が所定以上になると、補助弁体65を開放して下室Bの圧力を上室Cにブローする。これにより、下室Bの圧力は補助弁体65の開放以前よりも僅かに弱まり、結果として、フロントフォーク13の圧縮はスムーズになって、フロントフォークの圧縮時に下室Bに過大な空気圧が発生することを防止し、ノーズダイブ防止後のクッション性や、伸張時の反発速度を緩和できる。
特開昭60-252085
特許文献1のフロントフォークでは、通常走行時に上下の2つの気体室B、Cを使い、ブレーキ操作時に2つの気体室B、Cの連通を遮断してノーズダイブを抑制するようにしている。その結果、2室B、Cの連通を遮断するための開閉弁が必要となり、コストアップを招く。
本発明の課題は、ブレーキ操作時のノーズダイブを防止するとともにノーズダイブ防止後のクッション性や伸張時の反発を緩和することができるフロントフォークを安価に提供することにある。
請求項1の発明は、車体側チューブと車輪側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブと車輪側チューブの内部に、油室と、該油室の上部の気体室を設けた自動二輪車等のフロントフォークにおいて、前記車体側チューブの上端部を閉じるキャップに中空ロッドを取付け、該中空ロッドを該車体側チューブ内に垂設し、該中空ロッドの下部外周に、該車体側チューブ内の気体室を上部気体室と下部気体室に区画する隔壁部材を設け、該下部気体室を該上部気体室に連通する通路を該中空ロッドに設け、該通路に、該下部気体室が所定の圧力に達したときに開弁するブロー弁を設け、更に、該隔壁部材に、該下部気体室から該上部気体室への流れを阻止し、その反対の流れを許容するチェック弁を設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記上部気体室と前記下部気体室との間に、該上部気体室と該下部気体室を連通するオリフィスを設けたものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記チェック弁が下端面に切欠部を形成した環状のチェック弁からなり、該環状のチェック弁を前記隔壁部材の前記中空ロッドまわりに設けた環状溝の内周との間に隙間を設けて上下移動自在に設け、前記オリフィスが、該環状のチェック弁の内周と該中空ロッドとの間の環状の摺接隙間からなるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記中空ロッドが前記車輪側チューブ内に設けたダンパシリンダ内の油室を摺動するピストンロッドであるようにしたものである。
(請求項1)
(a)ブレーキ操作時にノーズダイブを抑制し、下部気体室が一定の圧力以上になるとブロー弁が開いて上下の気体室を連通してエア反力の急激な上昇を防止する。その結果、ブレーキ操作時及びノーズダイブ防止直後における乗り心地や操安性を向上することができる。
(b)ブレーキ操作に連動して作動する開閉弁を使用することなく、ブレーキ操作時及びノーズダイブ防止直後における乗り心地や操安性を向上することができる。
(c)下部気体室から上部気体室への流れを阻止し反対の流れを許容するチェック弁を隔壁部材に設けたので、ブレーキ作動後の伸張動作初期段階での、下部気体室の負圧を解消して伸張動作の円滑を図ることができる。
(請求項2)
(d)上部気体室と下部気体室との間に、上部気体室と下部気体室を連通するオリフィスを設けたので、フロントフォークの圧縮速度が大きいほどオリフィスからの逃げ量が少なくなり、圧縮速度に依存したノーズダイブ特性を得ることができる。
(請求項3)
(e)オリフィスが、環状のチェック弁の内周と中空ロッドとの間の環状の摺接隙間からなるので、オリフィスとしての格別な構成を必要とせず、コストアップを招くことがない。
(請求項4)
(f)中空ロッドが車輪側チューブ内に設けたダンパシリンダ内の油室を摺動するピストンロッドであり、このピストンロッド内に下部気体室と上部気体室を連通する通路を設けたので、下部気体室と上部気体室を連通する通路としての格別な構成を必要とせず、コストアップを招くことがない。
図1はフロントフォークを示す全体断面図、図2は図1の下部断面図、図3は図1の中間部断面図、図4は図1の上部断面図、図5は図1の要部拡大図、図6はフロントフォークの気体ばね特性を示す線図である。
自動二輪車のフロントフォーク10は、図1〜図4に示す如く、車体側チューブ11と車輪側チューブ12を液密に摺動自在に挿入して構成される。車体側チューブ11の下端外周にはブッシュ13が、車輪側チューブ12の上端側内周にはブッシュ14が設けられている。車体側チューブ11の下端側には、後述する油溜室28を車体側チューブ11と車輪側チューブ12の間でブッシュ13、14に挟まれる環状間隙に連通する油孔11Aが設けられる。
車体側チューブ11は上端部の開口部15を閉じるキャップ16を該開口部15に液密に着脱自在に設け、車体側チューブ11に車体側取付部を備える。車輪側チューブ12は下端部にボトムブラケット18を一体に備え、ボトムブラケット18に車輪側取付部19を備える。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部に、ダンパ20を構成するダンパシリンダ21と中空ロッド24を収容している。即ち、フロントフォーク10は、図2に示す如く、ボトムブラケット18の内部に固定したダンパシリンダ21を車輪側チューブ12の内部に立設している。ボトムブラケット18の底部に挿着したセンターボルト22が螺着されるボトムピース51により、ダンパシリンダ21の下端内周に係着したストッパリング22Aを引き寄せ、ダンパシリンダ21を後述するオイルロックピース37のフランジ37Aの介在下でボトムブラケット18の底部に固定している。
フロントフォーク10は、図4に示す如く、車体側チューブ11の内部に臨むキャップ16の下端の中央突起部16Aに中空ロッド24を螺着し、中空ロッド24を車体側チューブ11内に垂設するとともに、該中空ロッド24に螺着されるロックナット23を中央突起部16Aの端面に衝合し、中空ロッド24を車体側チューブ11に固定的に支持する。中空ロッド24は、図3に示す如く、ダンパシリンダ21の上端部に設けたロッドガイド25を摺動自在に貫通してダンパシリンダ21の内部の油室27に挿入され、その挿入先端部に設けたピストンボルト24Aにピストン26を備える。ピストンボルト24Aに螺着されるナット24Bによりピストン26を固定する。ピストン26はダンパシリンダ21の内面を上下に摺動する。油室27は、ピストン26により、中空ロッド24が挿入されている側の中空ロッド側油室27Aと、中空ロッド24が挿入されていない側のピストン側油室27Bに区画される。即ち、中空ロッド24は、車体側チューブ11内に設けたダンパシリンダ21内の油室27を摺動するピストンロッドである。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部で、ダンパシリンダ21の外周の空間を油溜室(油室)28とし、油溜室28の上部を気体室(空気室)29としている。図1、図4において、Lは油面を示す。
フロントフォーク10は、車体側チューブ11の側と車輪側チューブ12の側との間に、上下のばね受け31、32を介して、コイルスプリングからなる懸架スプリング33を介装している。ばね受け31は、車体側チューブ11に螺着したキャップ16に支持される円筒状スプリングカラー34によりバックアップされ、ばね受け32は、ダンパシリンダ21の先端部に固定された支持部材35に設けられる。
フロントフォーク10は、懸架スプリング33のばね反力と、気体室29の気体ばねによるばね反力により、車両走行時に路面から受ける衝撃力を緩衝する。
ダンパ20は、ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)40と、ボトムバルブ装置(圧側減衰力発生装置)50とを有する。ダンパ20は、ピストンバルブ装置40とボトムバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング33と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車輪側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
以下、フロントフォーク10の減衰機構について説明する。
(ピストンバルブ装置40)
ピストンバルブ装置40は、中空ロッド24の先端部にピストンボルト24Aを装着し、このピストンボルト24Aに螺着されるナット24B、バルブストッパ41によりピストン26、バルブストッパ42を装着している。ピストン26は、伸側バルブ44Aを備えてロッド側油室27Aとピストン側油室27Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてロッド側油室27Aとピストン側油室27Bとを連絡可能とする圧側流路45(不図示)とを備える。
また、ピストンバルブ装置40は、ボルト24Aを中空にするとともに、ボルト24Aにオリフィス路46を設け、ロッド側油室27Aとピストン側油室27Bとをボルト24Aのオリフィス路46により常時連通している。
従って、フロントフォーク10の圧縮時には、ピストン側油室27Bの油が圧側流路45を通り圧側バルブ45Aを開いてロッド側油室27Aへ導かれる。
また、フロントフォーク10の伸張時には、ダンパシリンダ21と中空ロッド24の相対速度が低速のとき、ロッド側油室27Aの油がオリフィス路46を通ってピストン側油室27Bへ導かれ、この間のオリフィス路46による絞り抵抗により伸側の減衰力を生ずる。
また、フロントフォーク10の伸張時での相対速度が中高速のとき、ロッド側油室27Aの油が伸側流路44を通り伸側バルブ44Aを撓み変形させてピストン側油室27Bへ導かれ、伸側の減衰力を生ずる。
(ボトムバルブ装置50)
ボトムバルブ装置50は、車輪側チューブ12に前述の如くセンターボルト22によりダンパシリンダ21、オイルロックピース37とともに装着されたボトムピース51の先端部にハウジングボルト52を装着し、このボルト52に螺着されるナット52Aにより圧側バルブ56A、バルブハウジング53、バルブストッパ54A、54Bを保持している。バルブストッパ54A、54Bは、バルブハウジング53との間に伸側バルブ57A、ばね57Bを保持する。バルブハウジング53はダンパシリンダ21の中間部に液密に密着し、ピストン側油室27Bの下方にボトムバルブ室55を区画形成する。バルブハウジング53は、圧側バルブ56Aに備えたピストン側油室27Bとボトムバルブ室55とを連絡可能とする圧側流路56と、伸側バルブ57Aを備えてピストン側油室27Bとボトムバルブ室55とを連絡可能とする伸側流路57(不図示)とを備える。ボトムバルブ室55はダンパシリンダ21の壁面に設けた油路58により、ダンパシリンダ21の外部に設けてある油溜室28に連絡可能とされている。
また、ボトムバルブ装置50は、ボルト52を中空とするとともに、ボルト52にオリフィス路59を設け、ピストン側油室27Bとボトムバルブ室55とをボルト52の中空路とオリフィス路59により常時連通している。
従って、フロントフォーク10の圧縮時でダンパシリンダ21と中空ロッド24の相対速度が低速のときには、ダンパシリンダ21に進入した中空ロッド24の進入容積分の油が、ピストン側油室27Bからオリフィス路59、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の油路58を通って油溜室28へ排出され、この間のオリフィス路59による絞り抵抗により圧側の減衰力を生ずる。また、フロントフォーク10の圧縮時で、ダンパシリンダ21と中空ロッド24の相対速度が中高速のときには、ダンパシリンダ21に進入した中空ロッド24の進入容積分の油が、ピストン側油室27Bから圧側流路56、ボトムバルブ室55、ダンパシリンダ21の壁面の油路58を通って油溜室28に排出される。このとき、ピストン側油室27Bから圧側流路56を通る油が圧側バルブ56Aを撓み変形させてボトムバルブ室55に導かれ、圧側の減衰力を生ずる。
フロントフォーク10の伸張時には、ダンパシリンダ21から退出する中空ロッド24の退出容積分の油が、油溜室28からボトムバルブ室55、伸側流路57を通ってピストン側油室27Bに還流される。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ボトムバルブ装置50において、ボトムピース51のオリフィス路59或いはバルブハウジング53の圧側バルブ56Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40では殆ど減衰力を生じない。
(伸張時)
フロントフォーク10の伸張時には、ピストンバルブ装置40において、ピストン26のオリフィス路46或いは伸側バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ボトムバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、車体側チューブ11の下端部に設けたオイルロックカラー36のチェック弁36Aが、車輪側チューブ12の底部に立設したオイルロックピース37の外周に嵌合し、車輪側チューブ12とオイルロックピース37の間にオイルロック油室を区画し、最圧縮ストロークを規制する。
また、フロントフォーク10の最伸張時には、ダンパシリンダ21の上端側外周部に係止したばね受け38によってバックアップ支持したリバウンドスプリング39をオイルロックカラー36の上端ワッシャによって圧縮し、最伸張ストロークを規制する。
しかるに、フロントフォーク10は以下の如くのノーズダイブ防止構造を備える。
フロントフォーク10は、図1、図4、図5に示す如く、中空ロッド24の下部外周に、車体側チューブ11内の気体室29を上部気体室29Aと下部気体室29Bに区画する隔壁部材60を設ける。隔壁部材60は、前述のスプリングカラー34を分割した上下の円筒状分割カラー34A、34Bの間に挟持されて配置される。そして、上分割カラー34Aは、上端部をキャップ16の下端外周に、下端部を隔壁部材60の上端外周に嵌合し、中空ロッド24の周囲に、上下をキャップ16と隔壁部材60で区画される上部気体室29Aを形成する。尚、隔壁部材60は、上下の分割体60A、60Bに分割され、上分割体60Aは上分割カラー34Aに支持され、下分割体60Bは下分割カラー34Bに支持される。
フロントフォーク10は、下部気体室29Bを上部気体室29Aに連通する通路70を、中空ロッド24、本実施例では中空ロッド24と該中空ロッド24に一体結合されているキャップ16に設ける。通路70は、中空ロッド24の下部気体室29Bに臨む部分に穿設した通路71と、中空ロッド24の中空通路72と、キャップ16の中空通路73と、キャップ16に穿設されて上部気体室29Aに臨む通路74を順に連続して構成される。
フロントフォーク10は、中空ロッド24に設けた通路70に、下部気体室29Bが所定の圧力に達したときに開弁するブロー弁80を設ける。フロントフォーク10は、キャップ16の中空通路73を上側の大径通路73Aと下側の小径通路73Bの上下2段にし、上部気体室29Aに直に連通する通路74を大径通路73Aに開口する。キャップ16の大径通路73Aを封止するカバー81をキャップ16に螺着し、カバー81にバックアップされるばね82により弾発支持されるブロー弁80を大径通路73Aに上下動可能に摺接させ、ブロー弁80を大径通路73Aと小径通路73Bの段差面が形成する弁シート83に着座させる。下部気体室29Bの圧力が通路70の通路71、中空通路72、小径通路73Bを介してブロー弁80に作用し、この圧力が所定の圧力に高圧化したとき、ブロー弁80が弁シート83から上方に離隔変位して開弁することにより、上記小径通路73Bを大径通路73A、通路74を介して上部気体室29Aに連通する。下部気体室29Bの圧力が所定の圧力に達していないときには、ブロー弁80は弁シート83に着座して閉弁し、下部気体室29Bを上部気体室29Aに非連通とする。
フロントフォーク10は、隔壁部材60に、下部気体室29Bから上部気体室29Aへの流れを阻止し、その反対の流れを許容するチェック弁90を設ける。チェック弁90は、下端面に切欠部90Bを形成した環状のチェック弁体90Aからなり、このチェック弁体90Aを隔壁部材60(上分割体60A)の中空ロッド24まわりに設けた環状溝61の内周との間に隙間62を設けて、該環状溝61内に上下摺動自在に設ける。
フロントフォーク10は、上部気体室29Aと下部気体室29Bとの間に、上部気体室29Aと下部気体室29Bを連通するオリフィス91を設ける。オリフィス91は、チェック弁90の環状のチェック弁体90Aの内周と、中空ロッド24の外周との間の環状の摺接隙間からなる。
従って、フロントフォーク10のノーズダイブ防止構造は以下の如く動作する。
(1)フロントフォーク10がブレーキ操作されない通常走行時には、ブロー弁80が閉弁し続けているものの、フロントフォーク10の圧縮速度(沈み込み速度)は低速であり、下部気体室29B(中空ロッド24の中空通路72、キャップ16の小径通路73Bの容積を含む)の空気はオリフィス91を介して上部気体室29Aに逃げる。気体ばねの空気圧力Pは、図6に示す如く、最伸張位置Aからブレーキ作動位置Bまで小さい変化率で次第に増大する。
(2)ブレーキ作動すると、車体の荷重が前方に移動してフロントフォーク10が高速で圧縮され、下部気体室29Bから上部気体室29Aへのオリフィス91を通る空気の逃げ量が圧縮速度に比例して少なくなる。このとき、ブロー弁80は依然として閉弁し続けており、下部気体室29Bの圧力が一層増大する。これにより、下部気体室29Bの気体ばねによるばね反力がフロントフォーク10の沈み込みを抑え、ノーズダイブを防止する。気体ばねの空気圧力Pは、図6に示す如く、ブレーキ作動位置Bからブロー位置Cまで大きな変化率で増大する。
(3)フロントフォーク10が更に圧縮し、下部気体室29Bの圧力が所定以上になると、ブロー弁80が開弁し、下部気体室29Bの空気を通路70経由で上部気体室29Aへブローし、下部気体室29Bの圧力上昇を抑える。これにより、フロントフォーク10がロック状態になることが回避され、フロントフォーク10はスムースに圧縮されてクッション性が向上する。気体ばねの空気圧力Pは、図6に示す如く、ブロー位置Cから最圧縮位置Dまで、上述(1)よりは大きく、上述(2)よりは小さい変化率で増大する。
(4)フロントフォーク10が伸張動作に移行すると、下部気体室29Bが拡大して負圧化するため、上部気体室29Aの空気がチェック弁90を介して下部気体室29Bに返り、ブレーキ作動後の伸張動作初期段階での、下部気体室29Bの負圧を解消して伸張動作の円滑を図る。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ブレーキ操作時にノーズダイブを抑制し、下部気体室29Bが一定の圧力以上になるとブロー弁80が開いて上下の気体室29A、29Bを連通してエア反力の急激な上昇を防止する。その結果、ブレーキ操作時及びノーズダイブ防止直後における乗り心地や操安性を向上することができる。
(b)ブレーキ操作に連動して作動する開閉弁を使用することなく、ブレーキ操作時及びノーズダイブ防止直後における乗り心地や操安性を向上することができる。
(c)下部気体室29Bから上部気体室29Aへの流れを阻止し反対の流れを許容するチェック弁90を隔壁部材60に設けたので、ブレーキ作動後の伸張動作初期段階での、下部気体室29Bの負圧を解消して伸張動作の円滑を図ることができる。
(d)上部気体室29Aと下部気体室29Bとの間に、上部気体室29Aと下部気体室29Bを連通するオリフィス91を設けたので、フロントフォークの圧縮速度が大きいほどオリフィス91からの逃げ量が少なくなり、圧縮速度に依存したノーズダイブ特性を得ることができる。
(e)オリフィス91が、環状のチェック弁90の内周と中空ロッド24との間の環状の摺接隙間からなるので、オリフィス91としての格別な構成を必要とせず、コストアップを招くことがない。
(f)中空ロッド24が車輪側チューブ12内に設けたダンパシリンダ21内の油室27を摺動するピストンロッドであり、このピストンロッド内に下部気体室29Bと上部気体室29Aを連通する通路70を設けたので、下部気体室29Bと上部気体室29Aを連通する通路70としての格別な構成を必要とせず、コストアップを招くことがない。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォークを示す全体断面図である。 図2は図1の下部断面図である。 図3は図1の中間部断面図である。 図4は図1の上部断面図である。 図5は図1の要部拡大図である。 図6はフロントフォークの気体ばね特性を示す線図である。
符号の説明
10 フロントフォーク
11 車体側チューブ
12 車輪側チューブ
16 キャップ
21 ダンパシリンダ
24 中空ロッド
26 ピストン
27 油室
28 油溜室(油室)
29 気体室
29A 上部気体室
29B 下部気体室
60 隔壁部材
61 環状溝
70 通路
80 ブロー弁
90 チェック弁
90A チェック弁体
90B 切欠部
91 オリフィス

Claims (4)

  1. 車体側チューブと車輪側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブと車輪側チューブの内部に、油室と、該油室の上部の気体室を設けた自動二輪車等のフロントフォークにおいて、
    前記車体側チューブの上端部を閉じるキャップに中空ロッドを取付け、該中空ロッドを該車体側チューブ内に垂設し、
    該中空ロッドの下部外周に、該車体側チューブ内の気体室を上部気体室と下部気体室に区画する隔壁部材を設け、
    該下部気体室を該上部気体室に連通する通路を該中空ロッドに設け、該通路に、該下部気体室が所定の圧力に達したときに開弁するブロー弁を設け、
    更に、該隔壁部材に、該下部気体室から該上部気体室への流れを阻止し、その反対の流れを許容するチェック弁を設けたことを特徴とする自動二輪車等のフロントフォーク。
  2. 前記上部気体室と前記下部気体室との間に、該上部気体室と該下部気体室を連通するオリフィスを設けた請求項1に記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
  3. 前記チェック弁が下端面に切欠部を形成した環状のチェック弁からなり、該環状のチェック弁を前記隔壁部材の前記中空ロッドまわりに設けた環状溝の内周との間に隙間を設けて上下移動自在に設け、
    前記オリフィスが、該環状のチェック弁の内周と該中空ロッドとの間の環状の摺接隙間からなるものである請求項2に記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
  4. 前記中空ロッドが前記車輪側チューブ内に設けたダンパシリンダ内の油室を摺動するピストンロッドである請求項1〜3のいずれかに記載の自動二輪車等のフロントフォーク。
JP2004374950A 2004-12-24 2004-12-24 自動二輪車等のフロントフォーク Withdrawn JP2006183688A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008032059A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Showa Corp フロントフォーク
JP2015161397A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 株式会社ショーワ 正立型フロントフォークとこれを備える車輪懸架装置

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