JP2005088708A - 車両の油圧緩衝装置 - Google Patents

車両の油圧緩衝装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 車輪の左右に設けた油圧緩衝器に圧側減衰力と伸側減衰力を分担させた油圧緩衝装置において、圧側減衰力を圧縮位置に依存させること。
【解決手段】 一方の油圧緩衝器100に圧側減衰力発生手段101を設け、他方の油圧緩衝器200に伸側減衰力発生手段201を設けた油圧緩衝装置1であって、一方の油圧緩衝器100は、ピストンロッド側油室27Aと油溜室28を常時連通するピストンロッド24の体積補償用の油路50を備え、ピストン26の圧縮時の移動によりピストン側油室27Bを油溜室28に対して非導通にする油孔51、52をダンパシリンダ21に設けたもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動二輪車等の車輪の左右の一方の側に、実質的に圧側減衰力のみを発生する油圧緩衝器を配置し、他方の側に、実質的に伸側減衰力のみを発生する油圧緩衝器を配置し、左右1組の油圧緩衝器で1つの油圧緩衝装置を構成するユニット式の油圧緩衝装置に関する。
特許文献1の油圧緩衝装置は、実質的に圧縮行程の減衰力のみを発生する圧縮脚5と、実質的に戻り行程(伸張行程)の減衰力のみを発生する戻り脚6からなる伸縮フォーク構造体3である。
圧縮脚5では、特許文献1の図4、図5に示すように、ピストンロッド10の先端に固定されたピストン12に、非常に硬い第1シム・スタック36と、非常に弱い第2シム・スタック37を設けている。そして、圧縮行程の減衰力は、第1シム・スタック36によって発生し、伸張時には、逆止弁として機能する第2シム・スタック37が容易に開いて実質的に戻り(伸張)行程の減衰力を発生しないようにしている。
戻り脚6では、特許文献1の図6、図7に示すように、ピストンロッド10の先端に固定されたピストン12に、弱い第4シム・スタック37′と、硬い第3シム・スタック36′を設けている。そして、伸張行程の減衰力は、第3シム・スタック36′によって発生し、圧縮時には、逆止弁として機能する第4シム・スタック37′が容易に開いて実質的に圧縮行程の減衰力を発生しないようにしている。
このように、圧縮行程と伸張行程の減衰力の発生を、左右の脚に分担させ、圧側脚のピストンに圧側減衰バルブを設け、戻り脚のピストンに伸側減衰バルブを設けることにより、バルブの重複を避け、部品点数の削減を図ることができる。
また、特許文献1の油圧緩衝装置では、特許文献1の図2に示す如く、ピストンロッド10の外周に設けたストッパラバーを、最圧縮時に、内管13の上端部に設けたブッシング19に衝合させることにより、最圧縮時の緩衝機構を構成している。
特開2001-165221 [0035]、[0042]
本発明の課題は、車輪の左右に設けた油圧緩衝器に圧側減衰力と伸側減衰力を分担させた油圧緩衝装置において、圧側減衰力を圧縮位置に依存させることにある。
本発明の他の課題は、最圧縮時の緩衝機構を簡易化することにある。
請求項1の発明は、車輪の左右に油圧緩衝器を設けた車両の油圧緩衝装置において、一方の油圧緩衝器に実質的に圧側減衰力のみを発生する圧側減衰力発生手段を設け、他方の油圧緩衝器に実質的に伸側減衰力のみを発生する伸側減衰力発生手段を設け、圧側減衰力と伸側減衰力の発生を左右の油圧緩衝器に分担させるようにし、前記一方の油圧緩衝器は、摺動自在に嵌合する車体側チューブと車輪側チューブと、ダンパシリンダと、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを先端部に取付けたピストンロッドからなり、該ダンパシリンダを車輪側チューブ内に取付け、該ピストンロッドを車体側チューブ内に取付けたダンパと、前記ダンパシリンダ内に前記ピストンにて区画されるピストンロッド側油室とピストン側油室と、前記ダンパシリンダの外周に設けた油溜室と、前記ピストンに設けた圧側減衰力発生手段と、前記ピストンロッド側油室と前記油溜室を常時連通する前記ピストンロッドの体積補償用の油路とを備え、前記ピストンの圧縮時の移動により前記ピストン側油室を前記油溜室に対して非導通にする油孔を前記ダンパシリンダに設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記油孔を前記ダンパシリンダの軸方向に沿って複数個設けたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記油孔を前記ピストンの圧縮時の移動端寄りに設けたものである。
(請求項1)
「ピストンロッド側油室と油溜室を常時連通するピストンロッドの体積補償用の油路を備えるとともに、ピストンの圧縮時の移動によりピストン側油室を油溜室に対して非導通にする油孔をダンパシリンダに設けた」から、下記a、bの作用効果を奏する。
a 一方の油圧緩衝器(圧側油圧緩衝器)において、ダンパシリンダの側壁に油孔を設けるだけの簡易な構成により、部品点数を増すことなく、ピストンが圧縮時の移動により油孔を閉塞〜通過してピストン側油室を油溜室に対して非導通にした以後の圧側減衰力を増大させることができ、圧側減衰力を圧縮位置に依存させることができる。
この一方の油圧緩衝器では、ピストンが圧縮時の移動によりダンパシリンダの側壁の油孔を通過し、この油孔が伸張開始時のピストンロッド側油室を油溜室に連通するものになるが、伸張時には、他方の油圧緩衝器(伸側油圧緩衝器)が伸側減衰力を発生するから、不都合を生じない。
b 一方の油圧緩衝器において、ピストンに圧側減衰力発生手段を設けたから、ピストンが油孔を未だ閉塞せずピストン側油室を油溜室に導通している圧縮ストロークでは、ピストン側油室の油が油孔から油溜室に流出し、ピストンロッド側油室が負圧になるおそれがある。ところが、油溜室の作動油が、該油溜室を常時ピストンロッド側油室に連通している油路から、ピストンロッド側油室に補給されてピストンロッド側油室が負圧になることを回避する。
ピストンロッド側油室と油溜室を常時連通する上述の油路は、伸張時にダンパシリンダから退出するピストンロッドの体積分の作動油を油溜室からピストンロッド側油室に補給する働きもなす。
(請求項2)
c ダンパシリンダの軸方向に沿って複数個の油孔を設けたから、ピストンの圧縮ストロークで、各油孔の位置に依存して、圧側減衰力を漸次増大させることができる。
(請求項3)
d 油孔をピストンの圧縮時の移動端寄りに設けた。ピストンが圧縮ストロークでその油孔を通過した最圧縮時には、ピストン側油室が油溜室に対し非導通となり、ピストン側油室の油はピストンの圧側減衰力発生手段だけを通過するものとなって圧側減衰力が増大する。圧側減衰力発生手段の設定により、最圧縮時の緩衝をなすことができる。ストッパラバーやオイルロックピースを用いない簡易な構成により最圧縮時の緩衝機構を構成することができ、コスト低減できる。
図1は油圧緩衝装置を示す全体図、図2は左右一方の油圧緩衝器を示す断面図、図3は図2の要部拡大図、図4は油圧緩衝器の圧縮初期状態を示す断面図、図5は油圧緩衝器の圧縮中間状態を示す断面図、図6は油圧緩衝器の最圧縮状態を示す断面図、図7は左右他方の油圧緩衝器を示す断面図、図8は図7の要部拡大図、図9は左右一方の油圧緩衝器の圧側減衰力特性を示す線図である。
車両の油圧緩衝装置1は、図1に示す如く、車両の左右両側に設けられる左右の油圧緩衝器100、200からなる。この油圧緩衝装置1は、2輪車等のフロントフォークのように、左右の油圧緩衝器の車輪側チューブが共通の車軸の両側に取付けられるもの、又は2輪車等の後輪側油圧緩衝装置のように、左右の油圧緩衝器が共通のスイングアームに取付けられて構成されるものであり、独立懸架式の油圧緩衝装置を除くものである。
左右いずれか一方の油圧緩衝器100は図2〜図6に示す如く構成され、左右の他方の油圧緩衝器200は図7、図8に示す如くに構成される。油圧緩衝装置1は、一方の油圧緩衝器100に実質的に圧側減衰力のみを発生する圧側減衰力発生手段101を設け、他方の油圧緩衝器200に実質的に伸側減衰力のみを発生する伸側減衰力発生手段201を設け、圧側減衰力と伸側減衰力の発生を左右の油圧緩衝器100、200のそれぞれに分担させる。
(油圧緩衝器100)(図2〜図6)
油圧緩衝器100は、図2に示す如く、車体側チューブ11と車輪側チューブ12を液密に摺動自在に嵌合して構成される。車体側チューブ11の下端内周にはブッシュ13が、車体側チューブ11の上端側内周にはブッシュ14が設けられている。車輪側チューブ12には、後述する油溜室28を車体側チューブ11と車輪側チューブ12の間でブッシュ13、14に挟まれる環状間隙に連通する油孔12Aが設けられる。
車体側チューブ11は上端部の開口部15にキャップ16を液密に着脱自在に設け、車体側チューブ11に車体側取付部を備える。車輪側チューブ12は下端部にボトムブラケット18を一体に備え、ボトムブラケット18に車輪側取付部19を備える。
油圧緩衝器100は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の内部に、ダンパ20を構成するダンパシリンダ21とピストンロッド24を収容している。即ち、油圧緩衝器100は、ボトムブラケット18の内部に固定したダンパシリンダ21を車輪側チューブ12の内部に立設している。ボトムブラケット18の底部に挿着したセンターボルト22により、ダンパシリンダ21の下端内周に係着したストッパリング22Aを引き寄せ、ダンパシリンダ21をボトムカラー22Bの介在下でボトムブラケット18の底部に固定している。
フロントフォーク10は、キャップ16の中央部にスリーブ23を螺着して一体固定化し、車体側チューブ11の内部に挿入されたスリーブ23の下端部に中空ピストンロッド24とロックナット23Aを螺着し、ピストンロッド24を車体側チューブ11に対し固定的に支持する。ピストンロッド24は、ダンパシリンダ21の上端部に設けたロッドガイド25を摺動自在に貫通してダンパシリンダ21の内部の油室27に挿入され、その挿入先端部に設けたピストンボルト24Aにピストン26を備える。ピストンボルト24Aに螺着されるナット24Bによりピストン26を固定する。ピストン26はダンパシリンダ21の内面を上下に摺動する。油室27は、ピストン26により、ピストンロッド24が挿入されている側のピストンロッド側油室27Aと、ピストンロッド24が挿入されていない側のピストン側油室27Bに区画される。
油圧緩衝器100は、車体側チューブ11と車輪側チューブ12の間で、ダンパシリンダ21の外周の空間を油溜室28とし、油溜室28の上部を気体室(空気室)29としている。
油圧緩衝器100は、キャップ16とスリーブ23の間の環状スペースに挿入されるばね荷重アジャスタ30をスリーブ23の外周に螺着し、ばね荷重アジャスタ30の下端面に突き当てたピン30Aに支持されて昇降する複数の部材の結合からなるスプリングカラー31を有し、スプリングカラー31によりバックアップされる上スプリングシート32と、ダンパシリンダ21の上端部のロッドガイド25に固定した下スプリングシート33との間に懸架スプリング34を介装している。
油圧緩衝器100は、懸架スプリング34のばね反力と、空気室29の空気ばねによるばね反力により、車両走行時に路面から受ける衝撃力を緩衝する。
油圧緩衝器100は、懸架スプリング34と、空気室29の空気ばねの伸縮振動を制振するため、前述した圧側減衰力発生手段101を有している。
圧側減衰力発生手段101は、図3に示す如く、ダンパシリンダ21の内面を摺接するピストン26に、ピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能にする圧側油路41と伸側流路42を有し、圧側油路41を圧側減衰バルブ43により開閉可能とし、伸側流路42をチェックバルブ44により開閉可能とする。圧側減衰バルブ43は、ピストンロッド24により係止されたバルブストッパ43Aによってバックアップ支持される。チェックバルブ44は、ナット24Bにより固定されたばね受け44Aに保持されたバルブスプリング44Bによりバックアップ支持され、圧縮時に閉じ、伸張時に開く。
また、圧側減衰力発生手段101は、ピストンロッド24(ピストンボルト24A)の内部に、ピストン26をバイパスしてピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能とするバイパス流路46を有し、バイパス流路46をニードルバルブ47Aにより開閉可能とする。このとき、キャップ16に設けたスリーブ23の中央に減衰力アジャスタ47を螺着し、減衰力アジャスタ47に支持されたロッド47Bをピストンロッド24の中空部に挿通し、その挿通端に上述のニードルバルブ47Aを備える。
油圧緩衝器100の圧側減衰力発生手段101に設けたニードルバルブ47Aは圧側減衰力調整装置として働く。
圧側減衰力発生手段101は、ダンパシリンダ21の上端側の側壁に、ピストンロッド側油室27Aと油溜室28とを常時連通する、ピストンロッド24の体積補償用の孔状油路50を設けている。
また、圧側減衰力発生手段101は、ダンパシリンダ21の油路50より下端側の側壁に、ダンパシリンダ21の軸方向に沿う複数個(本実施例では2個)の油孔51、52を設けている。油孔51、52は、ピストン26が最伸長端側にあるときにはピストン側油室27Bを油溜室28に連通し、ピストン26の圧縮ストロークによりそれらの油孔51、52を順に閉塞〜通過してピストン側油室27Bを油溜室28に対して非導通にする。油孔52はピストン26の圧縮時の移動端(最圧縮ストローク)寄りに設けられ、最圧縮ストロークに到達する直前のピストン26により閉塞〜通過せしめられる。
従って、油圧緩衝器100は以下の如くに動作する。
(圧縮工程)
油圧緩衝器100の圧縮時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に圧縮され、懸架スプリング34が圧縮される。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21に進入し、ピストン側油室27Bの油が、低速時にはピストン26のバイパス油路46を通ってピストンロッド側油室27Aに流れ、この間のニードルバルブ47Aの絞り抵抗により圧側減衰力を得る。また、中高速時には、ピストン側油室27Bの油がピストン26の圧側油路41の圧側減衰バルブ43を通ってピストンロッド側油室27Aに流れ、この間の圧側減衰バルブ43のたわみ抵抗により圧側減衰力を得る。懸架スプリング34のばね力が圧縮時の衝撃を緩衝し、圧側減衰力が懸架スプリング34の圧縮速度をコントロールする。
油圧緩衝器100の圧縮時には、ダンパシリンダ21へのピストンロッド24の進入体積分の油が、ピストンロッド側油室27Aからダンパシリンダ21の油路50を通って油溜室28に排出される。
ここで、油圧緩衝器100の圧縮時の圧側減衰力Fは、ダンパシリンダ21に設けた油孔51、52の存在により、下記(1)〜(3)の如くにピストン26の圧縮ストローク位置Psに依存する(図9)。
(1)ピストン26が図4の位置(油路50と油孔51の間)(図9の範囲A)にあるとき。
ピストン側油室27Bの一部の作動油は、油孔51、52から外側の油溜室28に流れるとともに、他の作動油は、ニードルバルブ47A及び圧側減衰バルブ43を経て上部のピストンロッド側油室27Aに流れ、更に、最上部の常時連通する油路50を介して外側の油溜室28に流れる。
(2)ピストン26が図5の位置(油孔51と油孔52の間)(図9の範囲B)にあるとき。
ピストン側油室27Bの作動油は、油孔52から外側の油溜室28に流れるとともに、他の作動油は、ニードルバルブ47A及び圧側減衰バルブ43を経て上部のピストンロッド側油室27Aに流れ、更に、油路50と油孔51を介して外側の油溜室28に流れる。ピストン側油室27Bの作動油は、ピストン26が油孔51を通過した分、油溜室28への流出路が減り、圧側減衰力が増大する。
(3)ピストン26が図6の位置(油孔52の下)(図9の範囲C)にあるとき。
ピストン側油室27Bの作動油の油溜室28への流出孔たる油孔51、52がなくなり、ピストン側油室27Bから油溜室28への流出路はニードルバルブ47A及び圧側減衰バルブ43のみとなり、更に、圧側減衰力が増大する。ピストン26に設けた圧側減衰力発生手段101(ピストン26の圧側油路41、圧側減衰バルブ43)を適宜の大きさに設定することにより、最圧縮時の緩衝をなすことができる。
(伸張行程)
油圧緩衝器100の伸張時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に伸張し、懸架スプリング34が伸びる。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21から退出し、ピストンロッド側油室27Aの油が、ピストン26の伸側油路42のチェックバルブ44を押し開いてピストン側油室27Bに流れる。
尚、油圧緩衝器100の最伸張時には、ダンパシリンダ21の上端側内周部に係止したばね受け38によってバックアップ支持したリバウンドスプリング39をピストンボルト24Aの上端フランジによって圧縮し、最伸張ストロークを規制する。
油圧緩衝器100の伸張時には、ダンパシリンダ21からのピストンロッド24の退出体積分の油が、油溜室28からダンパシリンダ21の油路50を通ってピストンロッド側油室27Aに補給される。
(油圧緩衝器200)(図7、図8)
油圧緩衝器200が油圧緩衝器100と異なる点は、図7に示す如く、油圧緩衝器100における圧側減衰力発生手段101を伸側減衰力発生手段201に変えたことのみにある。
即ち、油圧緩衝器200は、懸架スプリング34と空気室29の空気ばねの伸縮振動を制振するため、前述した伸側減衰力発生手段201を有している。
伸側減衰力発生手段201は、図8に示す如く、ピストンロッド24のピストンボルト24Aに備えるピストン26を、油圧緩衝器101の圧側減衰力発生手段101におけると反転した。即ち、伸側減衰力発生手段201は、ダンパシリンダ21の内面を摺接するピストン26に、ピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能にする伸側油路61と圧側油路62を有し、伸側油路61を伸側減衰バルブ63により開閉可能とし、圧側油路62をチックバルブ64により開閉可能とする。伸側減衰バルブ63は、ナット24Bにより固定されたバルブストッパ63Aによりバックアップ支持される。チェックバルブ64は、ピストンロッド24により係止されたばね受け64Aに保持されたバルブスプリング64Bによりバックアップ支持され、伸張時に閉じ、圧縮時に開く。
また、伸側減衰力発生手段201は、圧側減衰力発生手段101と同様に、ピストンロッド24(ピストンボルト24A)の内部にピストン26をバイパスしてピストンロッド側油室27Aとピストン側油室27Bを連通可能とするバイパス油路46を有し、バイパス油路46をニードルバルブ47Aにより開閉可能とする。このとき、キャップ16に設けたスリーブ23の中央に減衰力アジャスタ47を螺着し、減衰力アジャスタ47をピストンロッド24の中空部に挿通し、その挿通端に上述のニードルバルブ47Aを備える。
油圧緩衝器200の伸側減衰力発生手段201に設けたニードルバルブ47Aは伸側減衰力調整装置として働く。
伸側減衰力発生手段201は、ダンパシリンダ21の下端側の側壁に、ピストン側油室27Bと油溜室28とを連通する、ピストンロッド24の体積補償用の孔状油路70を設けている。
従って、油圧緩衝器200は以下の如くに動作する。
(圧縮工程)
油圧緩衝器200の圧縮時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に圧縮され、懸架スプリング34が圧縮される。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21に進入し、ピストン側油室27Bの油が、ピストン26の圧側油路62のチェックバルブ64を押し開いてピストンロッド側油室27Aに流れる。
油圧緩衝器200の圧縮時には、ダンパシリンダ21へのピストンロッド24の進入体積分の油が、ピストンロッド側油室27Bからダンパシリンダ21の油路70を通って油溜室28に排出される。
(伸張工程)
油圧緩衝器200の伸張時には、車体側チューブ11と車輪側チューブ12が相対的に伸張し、懸架スプリング34が伸びる。また、ピストンロッド24がダンパシリンダ21から退出し、ピストンロッド側油室27Aの油が、低速時にはピストン26のバイパス油路46を通ってピストン側油室27Bに流れ、この間のニードルバルブ47Aの絞り抵抗により伸側減衰力を得る。また、中高速時には、ピストンロッド側油室27Aの油がピストン26の伸側油路61の伸側減衰バルブ63を通ってピストン側油室27Bに流れ、この間の伸側減衰バルブ63のたわみ抵抗により伸側減衰力を得る。伸側減衰力が懸架スプリング34の共振を防止する。
尚、油圧緩衝器200の最伸張時には、ダンパシリンダ21の上端側内周部に係止したばね受け38によってバックアップ支持したリバウンドスプリング39をピストンボルト24Aの上端フランジによって圧縮し、最伸張ストロークを規制する。
油圧緩衝器200の伸張時には、ダンパシリンダ21からのピストンロッド24の退出体積分の油が、油溜室28からダンパシリンダ21の油路70を通ってピストン側油室27Aに補給される。
従って、油圧緩衝装置1にあっては、圧縮工程では油圧緩衝器100の圧側減衰力発生手段101が発生する圧側減衰力により、伸張工程では油圧緩衝器200の伸側減衰力発生手段201が発生する伸側減衰力により、懸架スプリング34の伸縮振動を制振する。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
a 一方の油圧緩衝器100(圧側油圧緩衝器)において、ダンパシリンダ21の側壁に油孔51、52を設けるだけの簡易な構成により、部品点数を増すことなく、ピストン26が圧縮時の移動により油孔51、52を閉塞〜通過してピストン側油室27Bを油溜室28に対して非導通にした以後の圧側減衰力を増大させることができ、圧側減衰力を圧縮位置に依存させることができる。
この一方の油圧緩衝器100では、ピストン26が圧縮時の移動によりダンパシリンダ21の側壁の油孔51、52を通過し、この油孔51、52が伸張開始時のピストンロッド側油室27Aを油溜室28に連通するものになるが、伸張時には、他方の油圧緩衝器200(伸側油圧緩衝器)が伸側減衰力を発生するから、不都合を生じない。
b 一方の油圧緩衝器100において、ピストン26に圧側減衰力発生手段101を設けたから、ピストン26が油孔51、52を未だ閉塞せずピストン側油室27Bを油溜室28に導通している圧縮ストロークでは、ピストン側油室27Bの油が油孔51、52から油溜室28に流出し、ピストンロッド側油室27Aが負圧になるおそれがある。ところが、油溜室28の作動油が、該油溜室28を常時ピストンロッド側油室27Aに連通している油路50から、ピストンロッド側油室27Aに補給されてピストンロッド側油室27Aが負圧になることを回避する。
ピストンロッド側油室27Aと油溜室28を常時連通する上述の油路50は、伸張時にダンパシリンダ21から退出するピストンロッド24の体積分の作動油を油溜室28からピストンロッド側油室27Aに補給する働きもなす。
c ダンパシリンダ21の軸方向に沿って複数個の油孔51、52を設けたから、ピストン26の圧縮ストロークで、各油孔51、52の位置に依存して、圧側減衰力を漸次増大させることができる。
d 油孔52をピストン26の圧縮時の移動端寄りに設けた。ピストン26が圧縮ストロークでその油孔52を通過した最圧縮時には、ピストン側油室27Bが油溜室28に対し非導通となり、ピストン側油室27Bの油はピストン26の圧側減衰力発生手段101だけを通過するものとなって圧側減衰力が増大する。圧側減衰力発生手段101の設定により、最圧縮時の緩衝をなすことができる。ストッパラバーやオイルロックピースを用いない簡易な構成により最圧縮時の緩衝機構を構成することができ、コスト低減できる。
以上、本発明の実施例を図面により記述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1は油圧緩衝装置を示す全体図である。 図2は左右一方の油圧緩衝器を示す断面図である。 図3は図2の要部拡大図である。 図4は油圧緩衝器の圧縮初期状態を示す断面図である。 図5は油圧緩衝器の圧縮中間状態を示す断面図である。 図6は油圧緩衝器の最圧縮状態を示す断面図である。 図7は左右他方の油圧緩衝器を示す断面図である。 図8は図7の要部拡大図である。 図9は左右一方の油圧緩衝器の圧側減衰力特性を示す線図である。
符号の説明
1 油圧緩衝装置
11 車体側チューブ
12 車輪側チューブ
20 ダンパ
21 ダンパシリンダ
24 ピストンロッド
26 ピストン
27A ピストンロッド側油室
27B ピストン側油室
28 油溜室
41 圧側油路
42 伸側油路
43 圧側減衰バルブ
44 チェックバルブ
46 バイパス油路
47A ニードルバルブ(減衰力調整バルブ)
50 油路
51、52 油孔
61 伸側油路
62 圧側油路
63 伸側減衰バルブ
64 チェックバルブ
70 油路
100 一方の油圧緩衝器
101 圧側減衰力発生手段
200 他方の油圧緩衝器
201 伸側減衰力発生手段

Claims (3)

  1. 車輪の左右に油圧緩衝器を設けた車両の油圧緩衝装置において、
    一方の油圧緩衝器に実質的に圧側減衰力のみを発生する圧側減衰力発生手段を設け、他方の油圧緩衝器に実質的に伸側減衰力のみを発生する伸側減衰力発生手段を設け、圧側減衰力と伸側減衰力の発生を左右の油圧緩衝器に分担させるようにし、
    前記一方の油圧緩衝器は、
    摺動自在に嵌合する車体側チューブと車輪側チューブと、
    ダンパシリンダと、該ダンパシリンダ内を摺動するピストンを先端部に取付けたピストンロッドからなり、該ダンパシリンダを車輪側チューブ内に取付け、該ピストンロッドを車体側チューブ内に取付けたダンパと、
    前記ダンパシリンダ内に前記ピストンにて区画されるピストンロッド側油室とピストン側油室と、
    前記ダンパシリンダの外周に設けた油溜室と、
    前記ピストンに設けた圧側減衰力発生手段と、
    前記ピストンロッド側油室と前記油溜室を常時連通する前記ピストンロッドの体積補償用の油路とを備え、
    前記ピストンの圧縮時の移動により前記ピストン側油室を前記油溜室に対して非導通にする油孔を前記ダンパシリンダに設けたことを特徴とする車両の油圧緩衝装置。
  2. 前記油孔を前記ダンパシリンダの軸方向に沿って複数個設けた請求項1に記載の車両の油圧緩衝装置。
  3. 前記油孔を前記ピストンの圧縮時の移動端寄りに設けた請求項1又は2に記載の車両の油圧緩衝装置。
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