JP2005297754A - 車両用側方部品の支持構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 エンジンルームのスペース効率を低下させることなく、フューズボックス等の側方部品の取付強度を高める車両用側方部品の支持構造を提供する。
【解決手段】 車両のエンジンルーム内の下部に車両前後方向に沿ってサイドメンバ１を延設し、該サイドメンバ１の上面にトレイ５を設け、該トレイ５上に、固定ロッド２１及び上面固定ブラケット２３からなる支持部材を介してバッテリ７を支持し、該バッテリ７の側方に取付ブラケット９を介してフューズボックス１１を取り付ける車両用側方部品の支持構造において、前記取付ブラケットの下端部をトレイ５に固定する一方、上端部３７を前記上面固定ブラケット２３に取り付けたことを特徴としている。
【選択図】 図２

Description

本発明は、車両用側方部品の支持構造に関し、更に詳しくは、車両のエンジンルーム内に搭載されるバッテリ及びフューズボックスの支持構造に関する。

自動車のエンジンルーム内には、例えばバッテリ、フューズボックス、ＡＢＳアクチュエータ、及び電子コントロールユニット等が配設されている。このうち、バッテリ及びフューズボックスは、共にフロントサイドメンバの上面に載置されている。

具体的には、フロントサイドメンバにトレイを介してバッテリを搭載する一方、該バッテリの側方に取付ブラケットを設け、該取付ブラケットにフューズボックスを取り付けている（例えば、特許文献１参照）。
特開平２００２−２９３３６公報

しかしながら、前記従来例では、取付ブラケットの下部のみがトレイに接合されている片持ち固定構造になっているため、取付ブラケットの強度が低下し、フューズボックスの支持剛性が低くなるおそれがある。この取付ブラケットの剛性を向上させるためには、取付ブラケットの板厚を厚くする必要があり、重量が増大するという問題がある。

また、取付ブラケットとバッテリとの間に、連結ロッドが配置されているため、エンジンルームのスペース効率を低下させるおそれがある。

そこで、本発明は、エンジンルームのスペース効率を低下させることなく、フューズボックス等の側方部品の取付強度を高める車両用側方部品の支持構造を提供することを目的としている。

前記目的を達成するために、本発明に係る車両用側方部品の支持構造は、車両のエンジンルーム内の下部に車両前後方向に沿ってサイドメンバを延設し、該サイドメンバの上面にトレイを設け、該トレイ上に支持部材を介して方形重量物を支持し、該方形重量物の側方に取付ブラケットを介して側方部品を取り付ける車両用側方部品の支持構造において、前記取付ブラケットの下端部をトレイに固定する一方、上端部を前記支持部材に取り付けたことを特徴としている。

本発明に係る車両用側方部品の支持構造によれば、取付ブラケットは、方形重量物と支持部材を介して支持されるため、側方部品の取付強度を効率的に向上させることができる。特に、従来は、取付ブラケットの下端部のみ固定され、上端部は支持されていなかったが、本発明では、上端部も支持部材に取り付けられているため、取付ブラケットの強度が向上するとともに、側方部品の取付強度も高めることができる。

以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。

図１は本発明の実施形態による支持構造を採用したバッテリ及びフューズボックスを示す斜視図、図２は図１のバッテリ及びフューズボックスを搭載した車体前部を車両前方から見た正面図である。

車両のエンジンルーム内には、左右両側に前後方向に沿ってサイドメンバ１が延設されている。このサイドメンバ１は、図２に示すように、矩形状の閉断面構造に形成されており、その車幅方向内側には、支持体３が固定されている。この支持体３の上面３ａは、前記サイドメンバ１の上面１ａと同一高さに設定されている。そして、これらのサイドメンバ１及び支持体３の上面１ａ，３ａには、後述するトレイ５、取付ブラケット９、及び支持部材を介して、方形重量物であるバッテリ７と、側方部品であるフューズボックス１１が配設されている。

前記トレイ５は、外形が略矩形状に形成され、車幅方向外側における車両前後方向の端部には、ボルト用挿通孔１３を有する突設部１５が設けられている。また、車両前後方向の中央部には、上方に延びる舌片１７が設けられており、該舌片１７には、係止孔が穿設されている。

また、トレイ５の上には、方形重量物であるバッテリ７が載置され、該バッテリ７の上面７ａ及び側面７ｂが、支持部材１９及び取付ブラケット９によって巻回するように支持されている。

この支持部材１９は、バッテリ７の車幅方向外側の側方に配設された固定ロッド２１と、バッテリ７の上部に設けられた上面固定ブラケット２３とから構成されている。固定ロッド２１は、下端部が側方に屈曲した係止部２５に形成され、上端部が上面固定ブラケット２３の端部にナット２６を介して固定されている。また、上面固定ブラケット２３は、図２に示すように、側面視略Ｚ字状に屈曲変形しており、バッテリ７の上面７ａに当接及び支持する当接部２９と、該当接部２９の端部から上方に延びる縦壁部３１と、該縦壁部３１の上端から車幅方向内側に延び、取付ブラケット９の上端に結合される支持部３３とから形成されている。

さらに、取付ブラケット９の下端部は、車幅方向外側に屈曲して延び、トレイ５の下面に溶接によって接合され、上端部３７は、車幅方向内側に屈曲して延び、前記上面固定ブラケット２３の支持部３３にボルト２７を介して締結されている。また、取付ブラケット９の上部及び下部には、車幅方向内側に向けて取付軸３９が突設され、該取付軸３９には雄ねじが形成されている。

さらに、取付ブラケット９の側部には、フューズボックス１１が取り付けられている。このフューズボックス１１は、上端部と下端部に取付片４１が設けられており、上側の取付片４１には２つの取付孔４３，４３が穿設され、下側の取付片４１には１つの取付孔４３が穿設されている。これらの取付孔４３は、前記取付ブラケット９の取付軸３９に対応した部位に配置されている。そして、取付ブラケット９の取付軸３９に、フューズボックス１１の取付片４１の取付孔４３を挿通させてボルト締結することにより、フューズボックス１１はバッテリ７の側方に取り付けられる。

また、図２に示すように、取付ブラケット９の上端部３７からバッテリ７の上面７ａまでの長さをＬとし、上面固定ブラケット２３の当接部２９から支持部３３までの高さの差をＨとすると、取付ブラケット９の上端部３７を上面固定ブラケット２３の支持部３３にボルト締結する前の状態においては、長さＬよりも高さの差Ｈを大きくなるように設定している。従って、取付ブラケット９の上端部３７を上面固定ブラケット２３の支持部３３にボルト締結すると、上面固定ブラケット２３でバッテリ７の上面７ａを下方に押圧した状態で、バッテリ７を支持することができる。

また、図３は上面固定ブラケットと取付ブラケットの変形例を示す正面図である。

この図３に示すように、上面固定ブラケット１２３は略平面状に延びた一枚の板状部材であり、この上面固定ブラケット１２３の車幅方向内側の端部には支持部１３３が形成されている。また、この変形例においては、取付ブラケット１０９の上下方向の長さが、図１，２の取付ブラケット９よりも短く形成されているため、図３に示すように、取付ブラケット１０９の上端部１３７と支持部１３３とは、上下方向に所定の間隔を隔てて配置されている。そして、軸部が長く形成されたボルト１４１とナット１４３を介して、取付ブラケット１０９の上端部１３７は上面固定ブラケット１２３の支持部１３３に締結されている。

さらに、図４は上面固定ブラケットと取付ブラケットの別の変形例を示す正面図である。

この図４に示すように、上面固定ブラケット２２３は、図１，２の上面固定ブラケット２３を上下逆に配置したように、当接部２２９の端部から下方に向けて縦壁部２３１が延び、該縦壁部２３１の下端から車幅方向内側に屈曲して延びている。この図４においても、取付ブラケット２０９の上端部２３７が上面固定ブラケット２２３の支持部２３３にボルト締結されている。

なお、前述した図３，４においても、取付ブラケット１０９，２０９の上端部を上面固定ブラケット１２３，２２３の支持部１３３，２３３に締結したときに、上面固定ブラケット１２３，２２３の当接部２２９がバッテリ７の上面７ａを押圧するように構成されている。

具体的には、図３においては、ボルト１４１を締結すると、取付ブラケット１０９の上端部１３７と上面固定ブラケット１２３の支持部１３３との距離が徐々に小さくなっていくため、ボルト１４１の締結力を適宜調整すれば、上面固定ブラケット１２３によるバッテリ７への押圧力も変えることができる。

また、図４においては、図１，２の場合と同様に、取付ブラケット２０９の上端部２３７を上面固定ブラケット２２３の支持部２３３にボルト締結する前の状態においては、上面固定ブラケット２２３の当接部２２９から支持部２３３までの高さの差を、取付ブラケット２０９の上端部２３７からバッテリ７の上面７ａまでの長さよりも小さくなるように設定している。従って、取付ブラケット２０９の上端部２３７を上面固定ブラケット２２３の支持部２３３にボルト締結すると、上面固定ブラケット２２３でバッテリ７の上面７ａを下方に押圧した状態で、バッテリ７を支持することができる。

以下に、本発明の実施形態による作用効果について説明する。

図１，２に示すように、前記支持部材１９を、トレイ５の下端部に設けた舌片１７から上下方向に延びる固定ロッド２１と、該固定ロッド２１の上端部に結合されて、バッテリ７の上面７ａを支持する上面固定ブラケット２３とから構成し、前記取付ブラケット９の上端部３７を、上面固定ブラケット２３の端部に取り付けているため、取付ブラケット９の支持剛性が向上すると共に、この取付ブラケット９に取り付けられているフューズボックス１１の取付強度を高めることができる。

また、従来例においては、フューズボックス１１とバッテリ７との間に、固定ロッド及び取付ブラケットを配置していたが、本実施形態によれば、取付ブラケット９のみとなり、固定ロッドを廃止することができる。よって、エンジンルーム内のスペース効率を向上させることができる。

また、前記上面固定ブラケット２３でバッテリ７の上面７ａを下方に押圧した状態で、前記バッテリ７を支持するように構成しているため、バッテリ７を強固に支持できると共に、取付ブラケット９の支持剛性を高めることにより、フューズボックス１１の取付強度を向上させることができる。

さらに、前記取付ブラケット９を上面固定ブラケット２３の支持部３３に支持する前において、取付ブラケット９の上端部３７からバッテリ７の上面７ａまでの長さが、上面固定ブラケット２３の当接部２９から支持部３３までの高さの差よりも小さくなるように構成し、この状態で、前記取付ブラケット９の上端部３７を上面固定ブラケット２３の支持部３３に支持しているため、確実に上面固定ブラケット２３でバッテリ７の上面７ａを下方に押圧することができ、ひいては、フューズボックス１１の取付強度を向上させることができる。

本発明の実施形態による支持構造を採用したバッテリ及びフューズボックスを示す斜視図である。 図１のバッテリ及びフューズボックスを搭載した車体前部を車両前方から見た正面図である。 上面固定ブラケットと取付ブラケットの変形例を示す正面図である。 上面固定ブラケットと取付ブラケットの別の変形例を示す正面図である。

符号の説明

１…サイドメンバ
５…トレイ
７…バッテリ（方形重量物）
７ａ…上面
９…取付ブラケット
１１…フューズボックス（側方部品）
１９…支持部材
２１…固定ロッド（支持部材）
２３，１２３，２２３…上面固定ブラケット（支持部材）
２９，２２９…当接部
３３，１３３，２３３…支持部
３７，１３７，２３７…上端部
１０９，２０９…取付ブラケット

Claims (4)

1. 車両のエンジンルーム内の下部に車両前後方向に沿ってサイドメンバを延設し、該サイドメンバの上面にトレイを設け、該トレイ上に支持部材を介して方形重量物を支持し、該方形重量物の側方に取付ブラケットを介して側方部品を取り付ける車両用側方部品の支持構造において、
   前記取付ブラケットの下端部をトレイに固定する一方、上端部を前記支持部材に取り付けたことを特徴とする車両用側方部品の支持構造。
2. 前記支持部材を、トレイの下端部から上下方向に延びる固定ロッドと、該固定ロッドの上端部に結合されて、方形重量物の上面を支持する上面固定ブラケットとから構成し、前記取付ブラケットの上端部を、上面固定ブラケットの端部に取り付けたことを特徴とする請求項１に記載の車両用側方部品の支持構造。
3. 前記上面固定ブラケットで方形重量物の上面を下方に押圧した状態で、前記方形重量物を支持するように構成したことを特徴とする請求項２に記載の車両用側方部品の支持構造。
4. 前記上面固定ブラケットを側面視略Ｚ字状に屈曲させることにより、上面固定ブラケットを、前記方形重量物の上面に当接する当接部と、取付ブラケットの上端部に支持される支持部とから構成し、
   前記取付ブラケットを上面固定ブラケットの支持部に支持する前において、取付ブラケットの上端から方形重量物の上面までの長さが、上面固定ブラケットの当接部から支持部までの高さの差よりも小さくなるように構成し、
   この状態で、前記取付ブラケットの上端部を上面固定ブラケットの支持部に支持したことを特徴とする請求項３に記載の車両用側方部品の支持構造。

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