JP5935569B2 - 車両用バッテリユニット取付構造 - Google Patents

車両用バッテリユニット取付構造 Download PDF

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Description

本発明はバッテリユニットを含む車両用バッテリユニット取付構造に関し、より詳細には、バッテリユニットを車両のフロアパネル上に取り付ける車両用バッテリユニット取付構造に関する。
モーターにより走行する電気自動車、ハイブリッドカー(プラグインハイブリッドカーを含む)が普及している。電気自動車、ハイブリッドカーでは、モーターを動かす動力源として電気を使用するため、リチウムイオンバッテリユニットなどの駆動用バッテリユニットを搭載する。一般に、駆動用バッテリユニットは車室内に搭載される。
特許文献1には、駆動用バッテリユニットをフロントシート下方のフロアパネル上に取り付ける構造について記載されている。特許文献2には、車室内に搭載される駆動用バッテリユニットのケーシングに空調用のダクトを直結することなく、効率的な駆動用バッテリユニットの温調を可能にする構造について記載されている。
特開2003−170748号公報 特開2009−252688号公報
上記特許文献1、2の技術のように駆動用バッテリユニットを車室内に搭載する場合、効率的な駆動用バッテリユニットの温調を可能にするため、これの周りに空調用のダクトの吹出口を配置することが好ましい。
しかし近年の自動車は、徹底的な低コスト化、低重量化、省スペース化が図られていて、駆動用バッテリユニットや空調用のダクトの配置に関してもこれらを実現する構成が望まれる。また駆動用バッテリユニットを車両のフロアパネル上に取り付ける場合、フロアパネルは決して肉厚な部材ではないため、これを同時に補強することができるような構成が望まれる。
本発明は上記課題に鑑み、低コスト化、低重量化、省スペース化を実現するような態様で車両のフロアパネル上に駆動用バッテリユニットおよび空調用のダクトを取付可能であって、かつ、フロアパネルの補強を行うこともできる車両用バッテリユニット取付構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、バッテリユニットを含む車両用バッテリユニット取付構造において、車両床面を形成するフロアパネルと、フロアパネルの下面に車両前後方向に延びて接合されているサイドメンバと、フロアパネルの上面のうちサイドメンバ上の領域に取り付けられているブラケットとをさらに含み、ブラケットは、フロアパネルの上面に重ねられる接合面であって、接合面、フロアパネルおよびサイドメンバを含む3枚で接合されている接合面と、接合面のそれぞれの車両幅方向端部から上方へと延びる2つの縦壁面と、2つの縦壁面の上端からそれぞれブラケットの中心部から遠ざかる向きへと延びバッテリユニットを支持している2つの支持面とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、ブラケットはその断面がいわゆるハット型形状(矩形波形状)を逆向きにした逆ハット型形状となるようにフロアパネルに接合される。従来の典型例ではブラケットはその断面がハット型形状となるようにフロアパネルに接合されていたが、このように接合する場合には、ブラケット自体も、ブラケットがフロアパネルに占めるスペースも、大きくなってしまう。これに対し本構成ではブラケットを逆ハット型形状にすることで、ブラケットの寸法を小さく抑えることができ、低コスト化、低重量化、省スペース化を実現することができる。また、ブラケットの接合面はフロアパネルおよびサイドメンバと3枚で接合されているため、フロアパネルを補強する効果を奏する。これにより、フロアパネルに損傷や亀裂が生じることを防止できる。
上記ブラケットは、その車両幅方向の長さをバッテリユニットの車両幅方向の長さ以下にしてよい。本発明の逆ハット型形状のブラケットによれば、ブラケットの車両幅方向の長さは、2つの支持面の外側端部間の寸法である。これがバッテリユニットの車両幅方向の長さ以下になるため、接合面はさらに小さくすることが可能である。これにより、例えばハット型形状のブラケットと比較して、本発明ではブラケットの形状が小さめに設定されるため、低コスト化、低重量化、省スペース化を実現することができる。
当該車両用バッテリユニット取付構造は、フロアパネルの上面または下面に車両幅方向に延びて接合されているクロスメンバをさらに含み、ブラケットの接合面は、接合面、フロアパネルおよびクロスメンバを含む3枚でも接合されているとよい。これにより、フロアパネルをさらに補強することができ、フロアパネルに損傷や亀裂が生じることを防止できる。
上記フロアパネルおよびブラケットの接合面はそれぞれ下方に突き出たビード形状部を備え、それぞれのビード形状部同士が接合されているとよい。フロアパネルとブラケットの接合面とが2枚で接合される箇所を、それぞれに形成した剛性の高いビード形状部とすることで、これらに損傷や亀裂が生じることを防止できる。なお、ビード形状部が下方に突き出ることで形成された空間に、ケーブル類を配線することも可能である。
当該車両用バッテリユニット取付構造は、空調用のダクトをさらに含み、ダクトは、2つの支持面に支持されているバッテリユニットの下側であって2つの縦壁面の内側に取り付けられているとよい。このように、ブラケットの断面が逆ハット型形状となるようにブラケットをフロアパネルに接合しても、断面がハット型形状の場合と遜色なく空調用のダクトを配置することができる。
本発明によれば、低コスト化、低重量化、省スペース化を実現するような態様で車両のフロアパネル上に駆動用バッテリユニットおよび空調用のダクトを取付可能であって、かつ、フロアパネルの補強を行うこともできる車両用バッテリユニット取付構造を提供することができる。
本発明の車両用バッテリユニット取付構造の実施形態である車両のフロアパネルの上面図である。 図1の助手席側にシートを取り付けた図である。 図1に示す範囲Zの拡大図である。 図3に示す部位からバッテリユニットを除いた図である。 図4に示すブラケットの斜視図である。 図3(a)のA−A断面図である。 図4に示す部位からフロアパネルを除いた図である。 図7に示す部位を下方から見た図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
なお図中、「車両前側」を矢印Fwd、「車両左側」を矢印Lhで表すものとする。
図1は、本発明の車両用バッテリユニット取付構造の実施形態である車両100のフロアパネル104の上面図である。図1に示すように、車両100では、バッテリユニット102が車両床面を形成するフロアパネル104上に取り付けられる。バッテリユニット102は、モーターを動かすための駆動用バッテリユニットすなわちリチウムイオンバッテリユニットである。フロアパネル104は、車両幅方向略中央にて上方に凸となるトンネル部106を備える。フロアパネル104は、例えばトンネル部106の左右を別々のパネルで形成してよい。
車両左側のサイドシル108とトンネル部106との間のフロアパネル104上面には、車両幅方向に延びるフロアパネルアッパクロスメンバ112が接合される。車両右側のサイドシル110とトンネル部106との間のフロアパネル104上面には、車両幅方向に延びるフロアパネルアッパクロスメンバ114が接合される。なお、フロアパネルアッパクロスメンバ112、114のトンネル部側(内側)の端部は、トンネル部106の下面形状に沿って配置されるトンネルクロスメンバによって繋がれる。かかるフロアパネルアッパクロスメンバ112、114およびトンネルクロスメンバは、図示するフロアパネル104の車両前後方向略中央に配置される。
フロアパネルアッパクロスメンバ112上には、フロントアウトサイドブラケット116およびフロントインサイドブラケット120が接合される。フロントアウトサイドブラケット116は車両幅方向外側に接合され、フロントインサイドブラケット120は車両幅方向内側に接合される。また後述するフロアパネルロアクロスメンバ124上には、リアアウトサイドブラケット126が車両幅方向外側に接合される。なお、車両右側についても同様に、フロントアウトサイドブラケット118、フロントインサイドブラケット122、リアアウトサイドブラケット128が接合される。
図2は、図1の助手席側にシート130を取り付けた図である。図2に示すように、上述したフロントアウトサイドブラケット116、フロントインサイドブラケット120、リアアウトサイドブラケット126によって、助手席側にシート130が取り付けられる。すなわち、これらのブラケットはシート取付用のブラケットである。助手席側のシート130の下方(車両前後方向においてフロントアウトサイドブラケット116とリアアウトサイドブラケット126の間)にバッテリユニット102が取り付けられる。
図3は、図1に示す範囲Zの拡大図である。図3(a)がその範囲Zの拡大図であって、図3(b)が図3(a)に示す部位を斜めから見た図である。図3(a)(b)に示すように、バッテリユニット102は本実施形態の特徴であるブラケット132によって支持される。
図4は、図3に示す部位からバッテリユニット102を除いた図である。図4(a)が図3(a)に示す部位からバッテリユニット102を除いた図であって、図4(b)が図3(b)に示す部位からバッテリユニット102を除いた図である。図4(a)(b)に示すように、本実施形態では、効率的なバッテリユニット102の温調を可能にするため、バッテリユニット102の下側には空調用のダクト134の吹出口136が配置される。
図5は、図4に示すブラケット132の斜視図である。ブラケット132は、図5に示すクロスハッチを付した箇所がフロアパネル104に接合される。詳細については後述するが、接合箇所138a、138b、138c、138d、138e、138f、138gはフロアパネル104およびサイドメンバ144(図7参照)と3枚で接合され、接合箇所140aはフロアパネル104およびフロアパネルロアクロスメンバ124と3枚で接合され、接合箇所142a、142bはフロアパネル104と2枚で接合される。
図6は、図3(a)のA−A断面図である。図6(a)がそのA−A断面図であり、図6(b)が比較例にかかる構造の図6(a)に対応する断面図である。
図6(a)に示すように、ブラケット132は、フロアパネル104の上面に重ねられて接合される接合面146、接合面146の車両幅方向端部から上方へと延びる2つの縦壁面148、150、および2つの縦壁面148、150の上端からそれぞれブラケット132の中心部から遠ざかる向きへと延びる2つの支持面152、154を備える。すなわち、ブラケット132はフロアパネル104に接合された状態でハット型形状を逆向きにした逆ハット型形状の断面を有する。バッテリユニット102は、2つの支持面152、154によって支持される。
図6(a)に示すブラケット132を、図6(b)に示す比較例と比較する。図6(b)に示す比較例では、ブラケット232はフロアパネル204に接合された状態でハット型形状の断面を有する。ブラケット232は上面232aでバッテリユニット102を支持し、ブラケット232の内側に空調用のダクト134が配置される。しかし、このような構造では、ブラケット232の形状が大きくなってしまう。
一方、図6(a)に示すブラケット132によれば、ブラケット132の形状をなるべく小さく抑える。すなわち最小化することができる。具体的には、ブラケット132の車両幅方向への長さをバッテリユニット102のケーシングの車両幅方向への長さ以下に抑えることができる。これにより、低コスト化、低重量化、省スペース化を実現することができる。すなわち、他部品の配置や居住性等にも悪影響を与えずバッテリユニット102を車室内に取り付けることができる。
また図6(a)に示すブラケット132によれば、空調用のダクト134の取付作業性の向上を図ることができる。これは、図6(b)に示す比較例ではブラケット232の上面232aの下側にダクト134を挿入しなければならかったのに対し、図6(a)に示すブラケット132では2つの縦壁面148、150の内側にダクト134が取り付けられるので上方から容易に取付作業を行うことができるからである。
なお、本実施形態では、ダクト134はフロアパネル104上に敷かれたカーペット156の上に取り付けられる。ダクト134の取付に際しては、ダクト取付具をブラケット132のダクト固定孔158(図4等参照)にクリップ等で固定する。
さらに図6(a)に示すブラケット132によれば、フロアパネル104の補強を行うこともできる。以下、かかる補強について説明する。
図7は、図4に示す部位からフロアパネル104を除いた図である。図8は、図7に示す部位を下方から見た図である。図7、図8に示すように、フロアパネル104下面には、車両前後方向に延びるサイドメンバ144(フロアサイドリアメンバ)が接合される。サイドメンバ144は、フロアパネル104下面に接合された状態でハット型形状を逆向きにした逆ハット型形状の断面を有する(図6参照)。サイドメンバ144の車両前側にはダッシュロアメンバ160が連結される。本実施形態では、かかるサイドメンバ144をまたぐ位置、すなわちフロアパネル104上面のうちのサイドメンバ144上にブラケット132が取り付けられる。
サイドシル108とサイドメンバ144との間のフロアパネル104下面には、車両幅方向に延びるフロアパネルロアクロスメンバ124が接合される。フロアパネルロアクロスメンバ124はフロアパネルアッパクロスメンバ112の車両後側に位置し、これらの間にブラケット132およびバッテリユニット102が配置される。なお、フロアパネルロアクロスメンバ124には、リアアウトサイドブラケット126がフロアパネル104と共に接合される。
ブラケット132の接合面146の接合箇所138a、138b、138c、138dは、フロアパネル104およびサイドメンバ144の車両右側のフランジ144aと3枚で接合される。ブラケット132の接合面146の接合箇所138e、138f、138gは、フロアパネル104およびサイドメンバ144の車両左側のフランジ144bと3枚で接合される。また、接合箇所140aはフロアパネル104およびフロアパネルロアクロスメンバ124と3枚で接合される。
例えば、車両100では、フロアパネル104の厚みは0.65mm、サイドメンバ144の厚みは0.80mm、ブラケット132の厚みは1.00mm、フロアパネルロアクロスメンバ124の厚みは1.40mmに設定されるように、フロアパネル104は決して肉厚でない。しかし、上記のようにブラケット132をサイドメンバ144及びフロアパネルロアクロスメンバ124に接合することで、バッテリユニット102等の荷重がサイドメンバ144及びフロアパネルロアクロスメンバ124にも受け持たれるため、フロアパネル104に荷重が集中してかかるのを回避することができ、フロアパネル104に亀裂が生じるおそれを排除することができる。
さらに図6に示すように、フロアパネル104およびブラケット132の接合面146は、それぞれ、サイドメンバ144に沿って下方に突き出たビード形状部104a、132aを備える。ブラケット132の接合面146の接合箇所142a、142bはかかるビード形状部132aに設定されていて、フロアパネル104のビード形状部104aと2枚で接合される。それぞれに形成した剛性の高いビード形状部104a、132aを接合することで、これらに損傷や亀裂が生じることを防止できる。なお、ビード形状部104a、132aが下方に突き出ることで形成された空間に、ケーブル類を配線することも可能である。
なお図5に示すように、本実施形態では、ブラケット132のビード形状部132aに孔164、166が形成されている。これにより、重量軽減すなわちブラケット132の軽量化を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記では、モーターを動かすための駆動用バッテリユニットを車室内に取り付ける場合について説明したが、補機バッテリや他の部品を車室内に取り付ける場合にも本発明を適用することができる。
本発明は、バッテリユニットを含む車両用バッテリユニット取付構造、より詳細には、バッテリユニットを車両のフロアパネル上に取り付ける車両用バッテリユニット取付構造に利用することができる。
100…車両、102…バッテリユニット、104…フロアパネル、104a…ビード形状部、106…トンネル部、108、110…サイドシル、112、114…フロアパネルアッパクロスメンバ、116、118…フロントアウトサイドブラケット、120、122…フロントインサイドブラケット、124…フロアパネルロアクロスメンバ、126、128…リアアウトサイドブラケット、130…シート、132…ブラケット、132a…ビード形状部、134…ダクト、136…吹出口、138a、138b、138c、138d、138e、138f、138g…接合箇所、140a…接合箇所、142a、142b…接合箇所、144…サイドメンバ、144a、144b…フランジ、146…接合面、148、150…縦壁面、152、154…支持面、156…カーペット、158…ダクト固定孔、160…ダッシュロアメンバ、164、166…孔、232…ブラケット、232a…上面

Claims (5)

  1. バッテリユニットを含む車両用バッテリユニット取付構造において、
    車両床面を形成するフロアパネルと、
    前記フロアパネルの下面に車両前後方向に延びて接合されているサイドメンバと、
    前記フロアパネルの上面のうち前記サイドメンバ上の領域に取り付けられているブラケットとをさらに含み、
    前記ブラケットは、
    前記フロアパネルの上面に重ねられる接合面であって、該接合面、該フロアパネルおよび前記サイドメンバを含む3枚で接合されている接合面と、
    前記接合面のそれぞれの車両幅方向端部から上方へと延びる2つの縦壁面と、
    前記2つの縦壁面の上端からそれぞれ前記ブラケットの中心部から遠ざかる向きへと延び前記バッテリユニットを支持している2つの支持面とを備えることを特徴とする車両用バッテリユニット取付構造。
  2. 前記ブラケットは、その車両幅方向の長さが前記バッテリユニットの車両幅方向の長さ以下であることを特徴とする請求項1に記載の車両用バッテリユニット取付構造。
  3. 前記フロアパネルの上面または下面に車両幅方向に延びて接合されているクロスメンバをさらに含み、
    前記ブラケットの接合面は、該接合面、前記フロアパネルおよび前記クロスメンバを含む3枚でも接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用バッテリユニット取付構造。
  4. 前記フロアパネルおよび前記ブラケットの接合面はそれぞれ下方に突き出たビード形状部を備え、それぞれのビード形状部同士が接合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用バッテリユニット取付構造。
  5. 空調用のダクトをさらに含み、
    前記ダクトは、前記2つの支持面に支持されているバッテリユニットの下側であって前記2つの縦壁面の内側に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用バッテリユニット取付構造。
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