JP2005291492A - 一方向クラッチ - Google Patents

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良広 出村
Makoto Yasui
誠 安井
Masao Komuro
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Abstract

【課題】係合時の面圧が小さい耐久性に優れた一方向クラッチを提供することである。
【解決手段】内輪5の外周に円筒面6を設け、外輪7の内周には上記円筒面6との間でくさび状空間9を形成する円筒面8を設ける。内輪5にリング状のくさび部材10を回転自在に設け、そのくさび部材10の内側円筒面11と外側円筒面12の曲率中心を半径方向に位置をずらせる。内輪5とくさび部材10の相互間に、くさび部材10をくさび状空間9の狭小部に噛み込む方向に向けて付勢する弾性部材13を設け、内輪5の一方向への回転時にくさび部材10の内外の円筒面11、12を内輪円筒面6および外輪円筒面8にくさび係合させて外輪7にトルクを伝達する。
【選択図】図1

Description

この発明は、入力部材の一方向のトルクのみを出力部材に伝達する一方向クラッチに関するものである。
一方向クラッチは、自動車や電動工具等に使用されるトルク容量の大きいものから、コピー機、パソコンなどの事務機、カメラ等に使用されるトルク容量の小さいものまで広い範囲にわたって使用されている。
トルク容量の大きい一方向クラッチ、およびトルク容量の小さい一方向クラッチのいずれの一方向クラッチも一般的に、特許文献1に記載されているように、外輪と内輪間に係合子と、その係合子を保持する保持器とを組込み、上記係合子が外輪と内輪の対向面に係合する方向に係合子を弾性部材で付勢して、外輪と内輪の相対的な一方向への回転によって係合子を外輪と内輪の対向面に係合させるようにしている。ここで係合子として、ローラやスプラグが採用されている。
また、一方向クラッチとして、特許文献2に記載されているように、軸の外側に筒体を設け、軸の外周には上記筒体に形成された円筒形内面との間でくさび形空間を形成する複数のカム面を形成し、各カム面と円筒形内面間にくさび状の摩擦部材を組込み、その摩擦部材を弾性部材によりくさび形空間の狭小部に向けて付勢し、軸と筒体の相対回転により上記摩擦部材の内外の弧状面の全体を円筒形内面およびカム面に接触させるようにしたものも従来から知られている。
特許第2904660号公報 特開平5−332409号公報
ところで、係合子の噛み込み力を結合力とする一方向クラッチにおいては、係合子の係合状態で、その係合子と外輪および内輪は曲面で接触する線接触であるため、面圧が高く、伝達トルクが大きくなると、係合子と外輪および内輪の接触面に圧痕が生じたり、剥離や割れが発生し、耐久性に問題が生じる。
その問題解決には、係合子の数を増し、あるいはサイズを大きくすることが有効であるが、一方向クラッチ自体が大型化するため、限られたサイズ内ではそれらの適用は制限されることが多い。また、サイズが許容できたとしても、重量が増大し、コストも高くなるため、それによる制約も受けることが多くなる。
一方、特許文献2に記載された一方向クラッチにおいては、摩擦部材の内外の弧状面を筒体の円筒形内面および軸のカム面に全面接触させるため、面圧が低く、耐久性に優れているが、係合時に、摩擦部材の内外の弧状面と円筒形内面およびカム面の接触面で滑りが生じてロックし得ない場合がある。また、軸の外周に形成されたカム面の形状寸法測定が複雑となり、通常、三次元測定器での測定となってしまうため、品質管理が困難であるという問題がある。
この発明の課題は、係合時の面圧が小さい耐久性に優れた小型軽量の品質管理の容易なコストの安い一方向クラッチを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、円筒面を外周に有する内輪と、その内輪の外周円筒面の曲率中心に対して偏心位置に曲率中心をもち、内輪円筒面との間でくさび状空間を形成する円筒面が内周に形成された外輪と、前記内輪円筒面に対向する円筒面および外輪円筒面に対向する円筒面を内外に有し、その内側円筒面と外側円筒面の曲率中心が半径方向に位置ずれして幅寸法が周方向に向けて変化するくさび部材と、そのくさび部材の内外の円筒面が内輪円筒面および外輪円筒面にくさび係合する方向にくさび部材を付勢する弾性部材とから成る構成を採用したのである。
上記の構成から成る一方向クラッチにおいて、外輪に対して内輪を相対回転させると、その両輪の対向面間に形成されたくさび状空間の狭小部は内輪の回転方向に変動するため、上記内輪がくさび部材の狭小部から広幅部に向けて回転すると、くさび部材の内外の円筒面が内輪の外周円筒面および外輪の内周円筒面にくさび係合し、内輪のトルクが外輪に伝達される。
内輪が上記とは反対方向に回転すると、くさび部材の内外の円筒面と内輪の外周円筒面および外輪の内周円筒面のくさび係合が解除されて内輪が空転する。
この発明に係る一方向クラッチにおいて、くさび状空間の形成に際しては、内輪の回転中心に対する偏心位置に内輪の外周円筒面の曲率中心を位置させ、外輪の内周円筒面の曲率中心を内輪の回転中心に一致させるようにしてもよい。この場合、内輪の外径をくさび部材の内径より小径としてもよい。また、内輪の回転中心に内輪の外周円筒面の曲率中心を一致させ、外輪の内周円筒面の曲率中心を内輪の回転中心に対して偏心させるようにしてもよい。
さらに、くさび状空間の形成に際して、内輪の外周対向位置にその内輪の回転中心に対する偏心位置に曲率中心をもつ円筒面を形成し、外輪の内周に前記内輪の回転中心に曲率中心をもつ円筒面を形成して、その外輪の内周円筒面と内輪の各円筒面間にくさび状空間を形成するようにしてもよい。この場合、くさび状空間のそれぞれに円弧状のくさび部材を組込むようにする。
この発明に係る一方向クラッチにおいては、内輪、外輪およびくさび部材をプレス成形品とすることによって一方向クラッチのコストの低減を図ることができる。
また、内輪、外輪およびくさび部材を焼結材料や合成樹脂の成形品とすることによって、一方向クラッチの軽量化とコストの低減を図ることができると共に、空転時に自己潤滑することができるため、焼付き防止に効果を挙げることができる。
なお、くさび部材の周りの空間をグリース溜りとし、そのグリース溜りにグリースを充填して空転時に、くさび部材の内外の円筒面と内輪円筒面および外輪円筒面の接触部を潤滑するようにしてもよい。
この発明においては、空転開始時の空転方向入力トルクの低減化を図るため、内輪が固定される入力軸と外輪の対向面間に転がり軸受を組込み、あるいは入力軸と外輪を支持するハウジングの対向面間に転がり軸受を組込むようにしている。
この場合、転がり軸受として、深溝玉軸受やニードル軸受を採用することができる。
以上のように、この発明においては、くさび部材の内外の円筒面を内輪円筒面および外輪円筒面にくさび係合させるようにしたので、係合時の面圧を低く抑えることができ、耐久性に優れた一方向クラッチを得ることができる。
また、くさび部材と内・外輪の係合面は単一の円筒面であるため、品質測定、管理が容易であり、コストの低減を図ることができる。
さらに、係合面の面圧を低くできるので、内輪、外輪およびくさび部材の薄肉化が可能となり、これらの各部品をプレス成形品や焼結材料あるいは合成樹脂の成形品とすることができ、小型軽量のコストの安い一方向クラッチを得ることができる。
また、この発明においては、内輪が固定される入力軸と外輪の対向面間、又は入力軸と外輪を支持するハウジングの対向面間に転がり軸受を組込んだことにより、入力軸をすべり軸受で支持する場合に比較して入力軸の回転抵抗が小さく、一方向クラッチを係合状態から空転状態に切り換える際に入力軸に負荷する空転方向入力トルクの低減化を図ることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図5はこの発明に係る一方向クラッチの第1の実施形態を示す。図示のように、入力軸1はハウジングHの内周に取付けた軸受2によって回転自在に支持され、その入力軸1の軸端部には、入力軸1の軸心を中心とする円筒状の案内面3が形成されている。
また、入力軸1の軸端面には、回転中心O1 に対する偏心位置に偏心軸4が設けられ、その偏心軸4の外周に内輪5が圧入されている。図1に示すO2 は偏心軸4の中心を示し、e1 は入力軸1の回転中心O1 に対する偏心軸4の偏心量を示している。
内輪5の外周には円筒面6が形成され、その円筒面6の中心は偏心軸4の中心O2 と一致している。
内輪5の外側に設けられた外輪7はハウジングHに圧入されている。この外輪7の内周には円筒面8が形成され、その円筒面8が入力軸1の案内面3に嵌合されて回転自在に支持されている。このため、外輪7は入力軸1と同軸上の配置とされ、その配置によって外輪7の円筒面8と内輪5の円筒面6間に、各円筒面間6、8の中心O1 、O2 を結ぶ直線上に狭小部と広幅部とが配置される環状のくさび状空間9が形成される。
内輪5の外側にはリング状のくさび部材10が嵌合されている。くさび部材10は内外に円筒面11、12を有し、内側円筒面11は内輪5の円筒面6によって回転自在に支持されている。
図3に示すように、くさび部材10外側円筒面12の中心O3 は、内側円筒面11の中心O4 に対して距離e2 だけ偏心している。このため、くさび部材10の半径方向の幅寸法は周方向に向けて変化して、幅寸法が最も大きい広幅部10aと幅寸法が最も小さい狭小部10bとは対向の配置とされ、上記広幅部10aは、前記くさび状空間9の広幅部より小さく、狭小部より大きくなっている。
図1および図2に示すように、内輪5とくさび部材10の相互間には弾性部材13が組込まれている。弾性部材13はC形ばねから成り、その一端部は内輪5に係止され、他端部はくさび部材10に係止されている。この弾性部材13はくさび部材10がくさび状空間9の狭小部に噛み込む方向に向けてくさび部材10を付勢しており、その付勢によってくさび部材10の内外の円筒面11、12の一部が内輪円筒面6および外輪円筒面8と接触している。図4に示すP1 、P2 は接触点を示し、その接触点を結ぶ直線と各接触点P1 、P2 を通る法線とでなす角度θ1 、θ2 は、くさび係合する角度(通常、1〜5deg)になるように設定されている。
図2に示すように、偏心軸4の先端部には外輪7の開口端を覆うカバー14が嵌合され、そのカバー14を抜け止めする止め輪15が偏心軸4に取付けられている。
第1の実施形態で示す一方向クラッチは上記の構造から成り、図1は入力軸1の停止状態を示す。その停止状態において、くさび部材10は弾性部材13によって図1の矢印で示す方向に向けて付勢され、内外の円筒面11、12の一部が内輪円筒面6および外輪円筒面8の一部と接触している。
上記のような停止状態から入力軸1を図4の矢印で示す方向に回転させると、内輪5が入力軸1の中心O1 周りに偏心回転し、内輪円筒面6とくさび部材10の内側円筒面11の接触点P1 および外輪円筒面8とくさび部材10の外側円筒面12の接触点P2 に法線力F1 、F2 を加えながらくさび部材10を入力軸1の回転方向に回転させようとする。
このとき、くさび部材10には弾性部材13によってくさび状空間9の狭小部にくさび係合する方向に向けて付勢され、その弾性部材13がくさび部材10を回転させる方向と、内輪5がくさび部材10を回転させる方向は逆向きであるため、くさび部材10は入力軸1の回転方向に微小に回転したのち直ちに内輪円筒面6および外輪円筒面8にくさび係合する。その状態から入力軸1が回転を続けると、くさび部材10の内外の円筒面11、12と内輪円筒面6および外輪円筒面8の接触点P1 、P2 部における面圧が上がり、くさび部材10は弾性変形を伴ないながら若干自転し、内輪円筒面6と外輪円筒面8に噛み込んで、入力軸1の回転を外輪7に伝達する。
一方、入力軸1が図5の矢印で示す方向に回転すると、内輪5の偏心回転によってくさび部材10の外側円筒面12と外輪円筒面8の接触点P2 にはくさび状空間9の広幅部が臨むようになるため、くさび部材10のくさび係合は解除され、くさび部材10は弾性部材13の付勢力により外輪円筒面8上を滑り、入力軸1が空転する。
第1の実施形態における一方向クラッチにおいては、入力軸1が図4の矢印で示す方向に回転すると、くさび部材10の内外の円筒面11、12が内輪円筒面6および外輪円筒面8に直ちに係合し、その係合が面係合であるため、面圧を低く抑えることができ、耐久性に優れた一方向クラッチを得ることができる。
図6は、この発明に係る一方向クラッチの第2の実施形態を示す。この実施形態においては、内輪5の外径をくさび部材10の内径より小径として、内輪5の円筒面6とくさび部材10の内側円筒面11間に三日月形の空間16を設けている点、および内輪5とくさび部材10の相互間に設けた弾性部材13を引張りコイルばねとしている点で第1の実施形態で示す一方向クラッチと相違している。
このため、第1の実施形態で示す一方向クラッチと同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態で示すように、内輪5の外径をくさび部材10の内径より小径として内輪円筒面6とくさび部材10の内側円筒面11間に三日月形の空間16を形成することによって、くさび部材10の自転を促進し、内輪円筒面6および外輪円筒面8間に対するくさび部材10の噛み込みの容易化を図ることができる。
図7は、この発明に係る一方向クラッチの第3の実施形態を示す。この実施形態で示す一方向クラッチにおいては、出力軸1’の回転中心上に内輪5を配置し、外輪7の内周に設けた円筒面8の中心O3 を出力軸1’の回転中心O1 に対して距離e3 だけ偏心させた点、外輪7とくさび部材10の相互間に設けた引張りコイルばねからなる弾性部材13によりくさび部材10を内輪円筒面6と外輪円筒面8間にくさび係合する方向に付勢している点および外輪7を入力、内輪5を出力としている点で第1の実施形態で示す一方向クラッチと相違している。
第3の実施形態で示す一方向クラッチにおいて、外輪7を図7の矢印方向に回転させると、くさび部材10が内輪円筒面6と外輪円筒面8にくさび係合して外輪7の回転が内輪5と出力軸1’に伝達される。また、矢印で示す方向と反対方向に外輪7を回転させると、くさび部材10のくさび係合が解除されて外輪7が空転する。
この第3の実施形態においても、係合時にくさび部材10を内輪円筒面6および外輪円筒面8に直ちに係合させることができると共に、その係合が面係合であるため、面圧が低く、耐久性に優れた一方向クラッチを得ることができる。
図8は、この発明に係る一方向クラッチの第4の実施形態を示す。この実施形態における一方向クラッチにおいては、入力軸1の回転中心O1 上に内輪5を取付け、その内輪5の外周対向位置に入力軸1の回転中心O1 に対して偏心位置に曲率中心O4 をもつ一対の円筒面6’を形成して、各円筒面6’と外輪7の内周の円筒面8間に、一対の円筒面6’の曲率中心を結ぶ直線上で狭小部となり、その狭小部から円周方向に向けて幅寸法が次第に広くなるくさび状空間9’を形成している。
また、内輪5の一対の円筒面6’と外輪7の内周の円筒面8間に形成された前記くさび状空間9’内に円弧状のくさび部材10’を組込み、各くさび部材10’の内周に内輪円筒面6’に接触案内される内側円筒面11’と、外周に外側円筒面12’とを形成し、外側円筒面12’の曲率中心を内側円筒面11’の曲率中心に対して偏心させて、くさび部材10’の幅寸法を一端から他端に向けて次第に狭小とし、その狭小部が前記くさび状空間9’の狭小部に配置されるようにくさび部材10’を組み込んでいる。
さらに、各くさび部材10’と内輪5の相互間に、くさび部材10’がくさび状空間9’の狭小部に押し込まれる方向にくさび部材10’を付勢する弾性部材13’を設けている。
他は、第1の実施形態で示す一方向クラッチと同一であるため、同一部分に同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施形態における一方向クラッチにおいて、入力軸1に取付けられた内輪5が図8の矢印で示す方向に回転すると、各くさび部材10’が内輪円筒面6’および外輪円筒面8にくさび係合して内輪5の回転が外輪7に伝達される。また、内輪5を逆方向に回転させると、各くさび部材10’のくさび係合が解除されて、内輪5が空転する。
第4の実施形態における一方向クラッチにおいては、第1の実施形態で示す一方向クラッチと同様に係合時の面圧を低く抑えることができるため、耐久性に優れていると共に、一対のくさび部材10’が対称の配置であるため、回転バランスが良好であり、高速回転に適した一方向クラッチを得ることができる。
ここで、第1の実施形態乃至第4の実施形態で示す各一方向クラッチにおいて、内輪5、外輪7およびくさび部材10、10’は鉄系金属であってもよく、自己潤滑性のある焼結材料や合成樹脂であってもよい。また、内輪5、外輪7、くさび部材10、10’のうちの少なくとも一つを焼結材料や合成樹脂で形成し、他を鉄系材料で形成してもよい。
くさび部材10、10’は内輪円筒面6、6’と外輪円筒面8と同じ側に中心をもつ曲率で接触するため、薄肉厚にしても面圧の余裕ができ、くさび部材10、10’、内輪5、外輪7が旋削等の機械加工は勿論のこと、プレス成形でも係合面に剪断面が得られ、プレス成形品とすることができる。
また、伝達トルクの大きい用途に対しては、内輪5、外輪7およびくさび部材10、10’のそれぞれを金属材料で形成して熱処理あるいはメッキ処理して硬度を高めるようにする。熱処理として、ずぶ焼き、浸炭焼入れ、浸炭窒化処理を採用することができる。
ここで、内輪5、外輪7およびくさび部材10、10’を鉄系金属で形成する場合は、くさび部材10、10’の周りの空間をグリース溜りとし、そのグリース溜りにグリースを封入して、くさび部材10、10’と内輪5および外輪7の接触部を潤滑するようにする。
第1の実施形態乃至第4の実施形態における一方向クラッチにおいては、入力軸1に形成された案内面3に外輪7を嵌合して回転自在に支持する構成であるため、くさび部材10が内輪5の外周の円筒面6および外輪7の内周の円筒面8に噛み込む一方向クラッチの係合状態で、案内面3と外輪7の内周円筒面8はくさび部材10から外輪7に負荷される法線力の反力が作用して強く接触することになる。
このため、一方向クラッチを係合状態から係合解除して空転させる場合、入力軸1の案内面3と外輪7の内周円筒面8の接触部に作用するすべり抵抗を超える空転方向入力トルクを入力軸1に負荷する必要が生じ、上記入力軸1に比較的大きな空転方向入力トルクを負荷する必要が生じる。
上記空転方向入力トルクの低減化を図るため、図9に示す第5の実施形態では、入力軸1に設けた案内面3と外輪7との間に深溝玉軸受20を組込んで入力軸1と外輪7との接触を転がり接触としている。
上記のように、入力軸1と外輪7との接触を転がり接触とすることによって空転方向入力トルクの低減化を図ることができる。
図10は、この発明に係る一方向クラッチの第6の実施形態を示す。この第6の実施形態では、入力軸1の軸端部と外輪7との間にニードル軸受21を組込んで入力軸1と外輪7の接触を転がり接触としている。
図10に示すように、ニードル軸受21を採用することにより、このニードル軸受21は図9に示す深溝玉軸受20に比較してラジアル荷重の負荷容量が大きいため、一方向クラッチの定格トルクを向上させることができる。
図9および図10では、入力軸1と外輪7との間に深溝玉軸受20やニードル軸受21から成る転がり軸受を組込むようにしたが、図11に示す第7の実施形態のように、入力軸1とハウジングHとの間に深溝玉軸受22を組込むようにしてもよく、あるいは、図12に示す第8の実施形態で示すように、入力軸1とハウジングHとの間にニードル軸受23を組込むようにしてもよい。この場合、入力軸1と外輪7との間に隙間を形成して、入力軸1と外輪7とを非接触の状態とする。
図11および図12に示す一方向クラッチにおいても、空転方向入力トルクの低減化を図ることができる。
この発明に係る一方向クラッチの第1の実施形態を示す縦断正面図 図1の縦断側面図 図1の内輪と係合部材とを示す正面図 図1に示す一方向クラッチのトルク伝達状態を示す縦断正面図 図1に示す一方向クラッチの空転状態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第2の実施形態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第3の実施形態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第4の実施形態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第5の実施形態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第6の実施形態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第7の実施形態を示す縦断正面図 この発明に係る一方向クラッチの第8の実施形態を示す縦断正面図
符号の説明
5 内輪
6、6’ 円筒面
7 外輪
8 円筒面
9、9’ くさび状空間
10、10’ くさび部材
11、11’ 内側円筒面
12、12’ 外側円筒面
13、13’ 弾性部材
H ハウジング
20 深溝玉軸受
21 ニードル軸受
22 深溝玉軸受
23 ニードル軸受

Claims (14)

  1. 円筒面を外周に有する内輪と、その内輪の外周円筒面の曲率中心に対して偏心位置に曲率中心をもち、内輪円筒面との間でくさび状空間を形成する円筒面が内周に形成された外輪と、前記内輪円筒面に対向する円筒面および外輪円筒面に対向する円筒面を内外に有し、その内側円筒面と外側円筒面の曲率中心が半径方向に位置ずれして幅寸法が周方向に向けて変化するくさび部材と、そのくさび部材の内外の円筒面が内輪円筒面および外輪円筒面にくさび係合する方向にくさび部材を付勢する弾性部材とから成る一方向クラッチ。
  2. 前記内輪の回転中心に対する偏心位置に内輪の外周円筒面の曲率中心を位置させ、外輪の内周円筒面の曲率中心を内輪の回転中心に一致させた請求項1に記載の一方向クラッチ。
  3. 前記内輪の外径をくさび部材の内径より小径とした請求項1又は2に記載の一方向クラッチ。
  4. 前記内輪の回転中心に内輪の外周円筒面の曲率中心を一致させ、外輪の内周円筒面の曲率中心を内輪の回転中心に対して偏心させた請求項1に記載の一方向クラッチ。
  5. 前記くさび部材がリング状とされた請求項1乃至4のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  6. 内輪の外周対向位置に、その内輪の回転中心に対する偏心位置に曲率中心をもつ2つの円筒面を形成し、内輪の外側に設けられた外輪の内周に内輪の回転中心に曲率中心をもつ円筒面を形成して、その外輪の内周円筒面と内輪の各円筒面間にくさび状空間を形成し、各くさび状空間内に円弧状のくさび部材を組込んだ請求項1に記載の一方向クラッチ。
  7. 前記内輪、外輪およびくさび部材の少なくとも1つを金属のプレス加工品とした請求項1乃至6のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  8. 前記内輪、外輪およびくさび部材の少なくとも1つを焼結材料の成形品とした請求項1乃至6のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  9. 前記内輪、外輪およびくさび部材の少なくとも1つを合成樹脂の成形品とした請求項1乃至6のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  10. 前記弾性部材が、板ばね、圧縮コイルばね、引張りコイルばね、C形ばね、ねじりコイルばねの一種から成る請求項1乃至9のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  11. 前記くさび部材の周りの空間をグリース溜りとした請求項1乃至10のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  12. 前記内輪を入力軸の軸端部に固定し、その入力軸と外輪の対向面間に転がり軸受を組込んだ請求項1乃至11のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  13. 前記内輪を入力軸の軸端部に固定し、その入力軸と外輪を支持するハウジングの対向面間に転がり軸受を組込んだ請求項1乃至11のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  14. 前記転がり軸受が、深溝玉軸受とニードル軸受の一種から成る請求項12又は13に記載の転がり軸受。
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