JP2005172089A - クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性、耐焼付き性、耐衝撃性に優れたローラクラッチのローラを有するクラッチ内蔵型プーリ装置を提供する。
【解決手段】回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数のローラを備えたクラッチ内蔵型プーリ装置10において、ローラ23の表面に、セラミック系被膜材やダイヤモンドライクカーボン薄膜材によるコーティング或いは浸硫窒化による表面硬化処理が施される。
【選択図】図1

Description

本発明は、クラッチ内蔵型プーリ装置に関する。
近年、車両停止時にエンジンをアイドリングさせずに自動的に停止させるアイドリングストップ機能を有する自動車が使用されている。この様なアイドリングストップ車では、オルタネータやスタータ等とエンジンとの間に、クラッチ内蔵型プーリ装置が組み込まれている。これにより、アイドリングストップ時にエンジンが停止した場合でも、エアコンディショナ用コンプレッサ等の補機が継続的に運転され、また、走行を再開する際のエンジンの始動が迅速に行なわれる。
例えば、オルタネータに組み込まれるクラッチ内蔵型プーリ装置では、クランク軸に固定された駆動プーリに懸架された駆動ベルトが掛け渡される従動プーリと、オルタネータの回転軸に固定されるスリーブとが設けられ、従動プーリとスリーブとの間にローラクラッチ及び一対の転がり軸受が配置されている。
そして、従動プーリの回転角速度が回転軸の回転角速度より速い場合には、ローラクラッチのローラのくさび作用によって、従動プーリとスリーブとが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力が回転軸に伝達される。一方、従動プーリの回転角速度が回転軸の回転角速度より遅い場合には、従動プーリとスリーブとの相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
近年、オルタネータは高性能・高出力化に伴って高速回転が要求されており、過大な変動荷重が駆動ベルトから従動プーリを介してローラクラッチのローラや転がり軸受にかかる。そして、従動プーリにかかる荷重が大きいと、ローラクラッチや転がり軸受に偏心が生じてしまい、摩耗や焼付きを引き起こす可能性がある。
具体的に、図7に示されたローラクラッチでは、従動プーリにかかる荷重Pが大きいと、クラッチ外輪101とクラッチ内輪102との間に偏心が生じ、クラッチ外輪101の中心OORとクラッチ内輪102の中心OIRは偏心量eだけ位置ズレしてしまう。
このため、一部のローラ103は無負荷となる一方、負荷領域のローラ103には偏荷重(局部的な過大荷重)が作用する。そして、偏荷重を受けたローラ103とクラッチ内外輪101,102の軌道面には大きなすべり摩擦による摩耗や焼付きが生じる可能性がある。また、負荷領域と無負荷領域との間をローラ103が通過すると、ローラ103のスキューが生じてしまい、ローラ103の端面等に摩擦による摩耗や異音が生じる可能性がある。
さらに、ローラクラッチでは、エンジンの回転変動によりオーバーラン状態とロック状態が繰り返され、ロック状態に移行する際にローラ103に衝撃荷重が作用する。特に、高速状態で使用されるオルタネータ等のエンジン用補機の回転伝達部にローラクラッチが組み込まれた場合には、高速状態での回転変動により大きな衝撃荷重がローラ103に作用する。このため、ローラ103とクラッチ外内輪101,102の軌道面間の大きなすべり摩擦と共に、ローラ103に作用する衝撃荷重によって、接触、摩擦の度合いが大きくなり、クラッチ外内輪101,102の軌道面の摩耗、焼付きやローラの表面きず、摩耗、割れ、焼付きが発生する可能性がある。
このようなローラクラッチが用いられている自動車等の安全稼動のために、ローラクラッチや転がり軸受の摩耗、焼付き等の上記課題に対して、ローラクラッチや転がり軸受の寸法最適設計、回転の伝達形態の工夫、グリース漏洩や水侵入の防止、樹脂材料の適用等が考案されている。
従来、ローラクラッチの摩耗防止対策として、ローラの表面に窒化処理を施すものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。 また、ローラクラッチのローラ全体の材質をセラミックとし、ローラを通常の鋼と比べて軽量化することによって、耐焼付き性、耐摩耗性を向上したものが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−206572号公報(第4−6頁、図1) 特開平11−118026号公報(第3−6頁、図1)
ところで、特許文献2に開示されている従来のクラッチ内蔵型プーリ装置では、ローラの転動面が焼付いたり、摩耗するという不具合が生じ難くなるが、一方で、セラミックは靭性が乏しいため、衝撃荷重が加わったときにこのローラが破損する可能性がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性、耐焼付き性、耐衝撃性に優れたローラクラッチのローラを有するクラッチ内蔵型プーリ装置を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数の係合子とを備え、前記内径側部材と前記外径側部材の一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記内径側部材と前記外径側部材との間で前記各係合子を介して回転力の伝達を自在とする一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
前記係合子の表面に、セラミック系被膜材をコーティングする表面硬化処理が施されたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
(2) 回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数の係合子とを備え、前記内径側部材と前記外径側部材の一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記内径側部材と前記外径側部材との間で前記各係合子を介して回転力の伝達を自在とする一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
前記係合子の表面に、ダイヤモンドライクカーボン薄膜材をコーティングする表面硬化処理が施されたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
(3) 回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数の係合子とを備え、前記内径側部材と前記外径側部材の一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記内径側部材と前記外径側部材との間で前記各係合子を介して回転力の伝達を自在とする一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
前記係合子の表面に、浸硫窒化による表面硬化処理が施されたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
(4) 前記一方向クラッチは、ローラを前記係合子とするローラクラッチであって、前記表面硬化処理は、前記ローラの軸端部のエッジ近傍のみ、あるいは前記ローラの軸端部のエッジのみとしたことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
本発明のクラッチ内蔵型プーリ装置によれば、係合子の表面に、セラミック系被膜材やダイヤモンドライクカーボン薄膜材によるコーティング或いは浸硫窒化による表面硬化処理が施されているので、係合子の表面の耐摩耗性、耐焼付き性、耐衝撃性を向上することができ、変動荷重やスキューが原因となる摩耗や異音の発生を低減することができる。これにより、一方向クラッチの過熱や焼付きが防止され、クラッチ内蔵型プーリ装置全体の耐久性が向上する。
また、係合子をローラとしたローラクラッチにおいて、ローラの表面処理箇所を限定することで、ローラのコストを削減することができる。
以下、本発明の各実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態であるプーリ装置の縦断面図であり、図2は図1におけるローラクラッチの断面図である。また、図3は、ローラクラッチのローラの表面処理状態を示す図である。
例えば、オルタネータ等に組み込まれるクラッチ内蔵型プーリ装置10では、図1に示されるように、オルタネータの回転軸11に螺合して固定されるスリーブ12と、スリーブ12の径方向外側にスリーブ12と同芯に配設され、外周面にベルト溝13aが形成されたプーリ13とを備えている。ベルト溝13aには、エンジンのクランク軸に固定された駆動プーリ(図示せず)に懸架された駆動ベルト(図示せず)が掛け渡されている。
また、スリーブ12の軸方向中央部における外周面とプーリ13の内周面との間には、ローラクラッチ14が配置されており、スリーブ12の軸方向両端部における外周面とプーリ13の内周面との間には、ローラクラッチ14を狭持するように一対の転がり軸受15が配置されている。
転がり軸受15としては、深溝玉軸受が使用されており、プーリ13に加わるラジアル荷重を支承しつつ、スリーブ12とプーリ13とを相対回転可能に支持する。各転がり軸受15は、内周面に外輪軌道を有する外輪16と、外周面に内輪軌道を有する内輪17と、外輪軌道と内輪軌道間に転動自在に設けた転動体である複数の玉18と、各玉18を保持する保持器19とを有する。また、外輪16の両端部内周面と内輪17の両端部外周面との間に、シールリング20、20が設けられており、各転がり軸受15の軸受空間の両端開口部を塞いでいる。
図1及び図2に示されるように、ローラクラッチ14は、スリーブ12の外周面に圧入固定され、回転軸11と共に回転する本発明の内径側部材であるクラッチ内輪21と、プーリ13の内周面に圧入固定されると共に、クラッチ内輪21の周囲にクラッチ内輪21と同芯に配置された本発明の外径側部材である筒状のクラッチ外輪22と、クラッチ内輪21の外周面とクラッチ外輪22の内周面との間に回動自在に設けられた本発明の係合子である複数のローラ23とを備える。また、ローラクラッチ14は、各ローラ23を個別に収容する複数のポケットを有するクラッチ保持器24と、各ローラ23をロック方向に弾性的に押圧するばね25とを有している。なお、クラッチ外輪22の内周面には、複数のカム面22aが円周方向に所定の間隔で形成されたおり、ローラ23はクラッチ内輪21の外周面と各カム面22aとから形成される環状空間に回動自在に保持されている。
そして、プーリ13の回転角速度が回転軸11の回転角速度より速い場合、即ち、クラッチ外輪22がクラッチ内輪21に対して所定の方向に相対回転する傾向となる場合には、ローラ23がくさび作用によってクラッチ内輪21の外周面とカム面22aとの間の環状空間に噛み込まれて、クラッチ外輪22とクラッチ内輪21との間で各ローラ23を介して回転力が伝達自在となる。これにより、プーリ13とスリーブ12とが相対回転不能(ロック状態)となり、エンジンの回転力が回転軸11に伝達される。一方、プーリ13の回転角速度が回転軸11の回転角速度より遅い場合には、ローラ23の噛み込みが解除されて、プーリ13とスリーブ12との相対回転が自在(オーバーラン状態)となる。
ここで、ローラ23は鋼により構成されており、図3の横線に示されるように、ローラ23の表面全体には表面硬化処理が施されている。 表面硬化処理としては、例えば、TiN、TiCN、TiAlN、TiC、CrNや多層コート被膜であるTiC/TiN、TiC/TiCN/Al2O3、TiC/Al2O3/TiN、TiC/TiCN/TiC/Al2O3等のセラミック系被膜材やDLC(ダイヤモンドライクカーボン薄膜材)のコーティング等が挙げられる。また、これらのコーティングの他に、浸硫窒化による表面処理がローラ23の表面全体に施されてもよい。
これらの表面硬化処理によって、表面の硬度が上がると共に、耐摩耗性や摺動特性が向上される。例えば、TiN、TiAlN、TiC、TiC/TiCN/Al2O3、TiC/TiCN/TiC/Al2O3等やDLCのコーティングは耐摩耗性の向上に、TiCN、CrN等のコーティングや浸硫窒化処理は摺動特性の向上に結びつくことが知られている。
セラミックコーティングの一つであるTiN、TiAlN、TiCNまたはこれらの合金を基盤とした多層コート被膜等のTi合金系のコーティング膜は、高い硬度、低摩擦及び強い密着性を有しており、総合的な性質としてローラ23の摺動面に適している。この中で、TiNやTiC/TiNの多層コート膜は、焼付きや剥離の防止とともに耐摩耗、耐食性向上において、TiAlNは耐熱性において優れている。また、TiC/TiCN/Al2O3、TiC/Al2O3/TiN、TiC/TiCN/TiC/Al2O3等の多層コート膜は、耐摩擦性向上や凝着防止において優れている。
性能値の具体例を挙げると、硬度においては、TiN膜が2000〜2400(HV)、TiAlN膜が2300〜2800(HV)、TiCN膜が3000〜3500(HV)である。また、摩擦係数としては、TiN膜が0.4〜0.45、TiCN膜が0.12〜0.15であり、耐熱性においては、TiN膜が400〜500℃、TiAlN膜が600〜700℃である。 このように、各性能値はTi合金の種類によって異なることから、要求されるクラッチの仕様に応じて合金の種類を選定することができる。また、CrNのセラミックコーティング膜は摺動特性とともに、耐熱性や耐食性にも優れている。
また、DLCコーティング膜は、耐摩耗性においてTi合金より優れており、通常のローラクラッチ稼動時の面圧状態においても、摺動面の摩擦係数を低く、また、高耐摩耗性を保持することができるとともに、コーティング処理の温度が通常200℃以下と、Ti合金等のコーティング処理温度より低い。
このため、通常、ローラクラッチに使用されるマルテンサイト系ステンレス鋼や高速度鋼が焼入れ焼戻しによって得られた硬さ等の特性が、コーティング処理時の熱的影響によって変わらないといった長所を持つ。これによって、設計に準じたローラクラッチの形状や、それに応じたクラッチ性能特性が維持される。また、マルテンサイトステンレス鋼や高速度鋼のような高合金鋼にも適用可能であることもクラッチ部材への適用における長所として挙げられる。最近では、密着性の向上したDLCも開発されており、高速、高荷重域での回転部摺動部への適用が実用化しつつある。
浸硫処理は、硫化鉄被膜、或いは硫化鉄を含んだ層を表面に形成するもので、摩擦特性に優れている。通常のクラッチ稼動温度(200℃以下)では、表面溶着の抑制剤として働き、さらに、かなりの高温になると軟化或いは融解して、潤滑剤として働くというようにも考えられている。また、浸硫による表面硬化処理は、窒化や浸炭焼入れに伴って行われていることが多い。
ただし、上記処理のうち、Ti合金系のコーティング及び浸硫処理は、通常、それぞれ、300〜500℃の高温域において行われるので、ローラクラッチに通常用いられている低合金鋼に適用した場合、コーティング時の熱的影響に基づく軟化とそれに伴う寸法変化が発生する可能性がある。このため、上記の処理温度が高く、使用条件において寸法精度やローラの硬度が要求される場合は、何らかの対策をとることが望ましい。対策としては、例えば、ローラの材料として、高合金高速度鋼や工具鋼を用いて、ローラの材料が500℃以上の二次硬化により軟化を予め防止すること等が挙げられる。
従って、本実施形態によれば、ローラクラッチ14のローラ23の表面に、セラミック系被膜材やダイヤモンドライクカーボン薄膜材によるコーティング或いは浸硫窒化による表面硬化処理を施したので、ローラクラッチの表面の耐摩耗性、耐焼付き性、耐衝撃性を向上することができ、変動荷重やスキューが原因となる摩耗や異音の発生を低減できる。即ち、ローラ23とクラッチ内外輪21,22との間のすべり摩擦を小さくしてローラ23の摩耗を低減することができ、ローラクラッチ14の過熱、焼付きを防止することができると共に、ローラ23がクラッチ内外輪21,22やクラッチ保持器24と接触する際における異音を低減することができる。また、これによって、クラッチ内蔵型プーリ装置全体の耐久性を向上することができる。
なお、ローラ23の表面に加えて、クラッチ内輪21の外周面及びクラッチ外輪22の内周面及びクラッチ保持器24の接触面へのコーティングの実施は、表面処理コストがかかるという製造上のデメリットはあるが、摩耗、焼付きに対する対策として有効であり、特に、カム面22a等の衝撃荷重を受ける箇所に表面処理を行なうことにより、ローラの表面のみのコーティングに対してより良好な効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るクラッチ内蔵型プーリ装置について、図4〜図6を参照して説明する。なお、本実施形態は、ローラクラッチのローラに表面処理を施す箇所を選定したもので、ローラ以外の構成は図1及び図2に示したクラッチ内蔵型プーリ装置と同一であり、説明を省略或いは簡潔化する。
図4に示されたローラクラッチのローラ23では、ローラ23の軸端部23aのエッジ23bのみに表面硬化処理が施されている。
ローラ23の軸端部23aのエッジ23bは、負荷領域と無負荷領域との間をローラ23が通過するときに発生するローラ23のスキュー時にクラッチ内外輪21,22の軌道面やクラッチ保持器24の接触面との間で、摩擦、摩耗を生じ易く、ローラクラッチ14の軌道面全体の摩耗、焼付きの起点となりかねない。このため、ローラ23の軸端部23aのエッジ23bへの表面硬化処理は、特にスキューの発生が危惧される場合の対策として有効である。
従って、本実施形態では、ローラ23の軸端部23aのエッジ23bのみに表面硬化処理を施したので、スキューによる軸端部23aの摩耗、焼付きを防止することができるとともに、表面硬化処理のための材料コストを低減することができる。
また、図5に示された第2実施形態の第1の変形例として、ローラ23の軸端部23aのエッジ23b近傍のみ、即ち、ローラ23の両軸端部23aにおける外周面と端面全体に表面硬化処理が施されている。このように表面硬化処理を施した場合でも、同様の効果が得られる。
さらに、図6に示された第2実施形態の第2の変形例として、ローラ23の軸端部23aのエッジ23bと軸方向中心部23cの外周面に表面硬化処理が施されている。このように表面硬化処理を施した場合では、上記効果に加え、ローラクラッチ14特有の変動、衝撃荷重による表面摩耗を防止することができる。
なお、本実施形態の表面硬化処理の方法としては、第1実施形態で挙げられたものと同様のものが適用される。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
本実施形態においては、カム面はクラッチ外輪の内周面に形成されたが、クラッチ内輪の外周面に形成されてもよい。また、本実施形態では、クラッチ内輪を内径側部材とし、クラッチ外輪を外径側部材としたが、クラッチ内輪はスリーブと一体化されてもよく、クラッチ外輪はプーリと一体化されてもよい。この場合には、内径側部材はスリーブによって構成され、また、外径側部材はプーリによって構成される。
さらに、本実施形態の一方向クラッチでは、ローラクラッチを用いたが、カムクラッチやスプラグクラッチに採用することもできる。
また、一方向クラッチの軸方向両側に配置された転がり軸受は、深溝玉軸受以外の形式の転がり軸受であってもよい。
本実施形態では、クラッチ内蔵型プーリ装置はオルタネータの回転軸と従動プーリ間に装着されたが、スタータのプーリと回転軸間に装着されてもよく、この場合には、内径側部材が外径側部材に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、内径側部材と外径側部材との間で回転力の伝達が自在となる。
本発明の第1実施形態におけるクラッチ内蔵型プーリ装置の縦断面図である。 図1におけるローラクラッチの断面図である。 図1におけるローラクラッチのローラの表面処理状態を示す図である。 本発明の第2実施形態におけるローラクラッチのローラの表面処理を示す図である。 本発明の第2実施形態の第1変形例におけるローラクラッチのローラの表面処理状態を示す図である。 本発明の第2実施形態の第2変形例におけるローラクラッチのローラの表面処理状態を示す図である。 (a)は、クラッチ内外輪が偏心した状態を示し、(b)は、クラッチ内外輪の偏心によりローラがスキューした状態を示す図である。
符号の説明
10 プーリ装置
11 回転軸
12 スリーブ
13 プーリ
13a ベルト溝
14 ローラクラッチ(一方向クラッチ)
15 転がり軸受
16 外輪
17 内輪
18 転動体
21 クラッチ内輪(内径側部材)
22 クラッチ外輪(外径側部材)
23 ローラ(係合子)
24 クラッチ保持器
25 ばね

Claims (4)

  1. 回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数の係合子とを備え、前記内径側部材と前記外径側部材の一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記内径側部材と前記外径側部材との間で前記各係合子を介して回転力の伝達を自在とする一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
    前記係合子の表面に、セラミック系被膜材をコーティングする表面硬化処理が施されたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
  2. 回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数の係合子とを備え、前記内径側部材と前記外径側部材の一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記内径側部材と前記外径側部材との間で前記各係合子を介して回転力の伝達を自在とする一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
    前記係合子の表面に、ダイヤモンドライクカーボン薄膜材をコーティングする表面硬化処理が施されたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
  3. 回転軸と共に回転可能な内径側部材と、該内径側部材の周囲に該内径側部材と同芯に配置された筒状の外径側部材と、前記内径側部材の外周面と前記外径側部材の内周面との間に設けられた複数の係合子とを備え、前記内径側部材と前記外径側部材の一方が他方に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、前記内径側部材と前記外径側部材との間で前記各係合子を介して回転力の伝達を自在とする一方向クラッチが組み込まれたクラッチ内蔵型プーリ装置であって、
    前記係合子の表面に、浸硫窒化による表面硬化処理が施されたことを特徴とするクラッチ内蔵型プーリ装置。
  4. 前記一方向クラッチは、ローラを前記係合子とするローラクラッチであって、前記表面硬化処理は、前記ローラの軸端部のエッジ近傍のみ、あるいは前記ローラの軸端部のエッジのみとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクラッチ内蔵型プーリ装置。
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