JP2005048821A - 一方向クラッチ付きプーリユニット - Google Patents

一方向クラッチ付きプーリユニット Download PDF

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Hajime Watanabe
肇 渡邉
Hideki Fujiwara
英樹 藤原
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

【課題】従来必要であった熱処理の後加工をなくすことができる一方向クラッチ付きプーリユニットを提供する。
【解決手段】軸3とプーリ4との間に少なくとも1つの軸受6,7が設けられており、一方向クラッチ5の外輪と軸受6,7の外輪とが一体化されるとともに、一方向クラッチ5の内輪と軸受6,7の内輪とが一体化されている。雌ねじ部3aおよびシール溝8a,9a,10aが熱変形しないように、一方向クラッチ5の両輪の両端部を除いた部分および軸受6,7の軌道部に高周波焼入が施されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、内燃機関の始動時および内燃機関による補機駆動時の回転力をベルトによって伝達するベルト伝動システムにおいて、ベルト駆動スタータに使用される一方向クラッチ付きプーリユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間に、内輪、外輪、両輪間に配された噛み込み部材および噛み込み部材を噛み込み方向へ付勢する付勢部材を備えた一方向クラッチが設けられている一方向クラッチ付きプーリユニットは、例えば、特許文献1に記載されているように、従来より知られている。同文献のものにおいては、内輪の外周面に多角形状のカム面が設けられており、その内輪外周面は浸炭処理により硬化されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−208100号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の一方向クラッチ付きプーリユニットにおける浸炭処理は、カム面の肉厚がバラバラであることから選択された処理方法であるが、この浸炭によって焼入の必要ない箇所が熱処理変形を起こすことになり、後加工が必要となるという問題があった。また、軸とプーリとの間に少なくとも1つの軸受が設けられて、一方向クラッチの外輪と軸受の外輪とが一体化されるとともに、一方向クラッチの内輪と軸受の内輪とが一体化されたものでは、これを浸炭処理すると、軸受部分に設けられたシール溝やねじ部が熱処理変形を起こすため、その部分の研磨加工が必要となるという問題があった。
【0005】
この発明の目的は、従来必要であった熱処理の後加工をなくすことができる一方向クラッチ付きプーリユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットは、軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間に、内輪、外輪、両輪間に配された噛み込み部材および噛み込み部材を噛み込み方向へ付勢する付勢部材を備えた一方向クラッチが設けられている一方向クラッチ付きプーリユニットであって、一方向クラッチの両輪の両端部を除いた部分に高周波焼入が施されていることを特徴とするものである。
【0007】
一方向クラッチは、内輪としての中空軸の外周面に設けられたカム面と、カム面と外輪としてのプーリの内周面とによって形成された楔状空間内に配置され、軸とプーリとが一の方向に相対回転することにより軸とプーリとの間に噛み込み、他の方向に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころと、ころを噛み込み方向(楔状空間の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルばねとを備えた構成(内輪カム式)とされることがあり、また、外輪としてのプーリの内周面に設けられたカム面と、カム面と内輪としての軸の外周面とによって形成された楔状空間内に配置され、軸とプーリとが一の方向に相対回転することにより軸とプーリとの間に噛み込み、他の方向に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころと、ころを噛み込み方向(楔状空間の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルばねとを備えた構成(外輪カム式)とされることがある。
【0008】
この発明の一方向クラッチ付きプーリユニットによると、一方向クラッチの両輪の両端部を除いた部分に高周波焼入が施されているので、硬さが必要な部分、すなわち、ころなどの噛み込み部材が接触する部分だけが硬化されるとともに、保持器に設けられた鍔部が嵌め入れられる端部溝などの熱処理によって変形してはいけない箇所は、その適正形状を保持することができ、従来必要であった熱処理後の加工をなくすことができる。
【0009】
軸とプーリとの間に少なくとも1つの軸受が設けられており、一方向クラッチの外輪と軸受の外輪とが一体化されるとともに、一方向クラッチの内輪と軸受の内輪とが一体化され、軸受の軌道部に高周波焼入が施されていることが好ましい。
【0010】
このようにすると、一方向クラッチの外輪と軸受の外輪とが一体化され、一方向クラッチの内輪と軸受の内輪とが一体化されることによって、部品点数を減少できるとともに、一方向クラッチの寸法の確保が容易となり、この際、これらの外輪および内輪を浸炭処理すると、シール溝やねじ部が熱処理変形が起きるという問題があるが、軸受の軌道部に高周波焼入が施されていることにより、シール溝やねじ部などの熱処理によって変形してはいけない箇所は、その適正形状を保持することができ、従来必要であった軸受部分の熱処理後の加工もなくすことができる。
【0011】
高周波焼入が施された部分の硬さがロックウェル硬度58〜62であり、有効硬化層深さが0.5〜1.5mmであることが好ましい。
【0012】
このようにすると、硬さを必要とするところだけが硬化され、加工コストと製品品質とを最適条件でバランスさせることができる。
【0013】
この発明の一方向クラッチ付きプーリユニットにおいて、プーリと一方向クラッチの外輪とが一体、すなわち、一方向クラッチの外輪、転がり軸受の外輪およびプーリが1つの部材とされていることが好ましい。このようにすると、プーリの外径を抑えながら、一方向クラッチの噛み込み部材(スプラグ、ころ)のP.C.Dを大きくすることができ、この結果、噛み込み部材に働く遠心力が大きくなり、空転時における噛み込み部材と軸との非接触状態を確保することができる。
【0014】
一方向クラッチは、軸とプーリの軸方向中間部との間に設けられており、軸とプーリとの間に、ころ軸受および玉軸受が一方向クラッチを挟んで設けられていることが好ましい。このようにすると、プーリの高速回転が可能となり、このユニットを自動車エンジンのベルト駆動スタータとして好適に使用することができる。
【0015】
また、軸は中空軸であり、プーリは、ベルトが掛け渡されるベルト掛け渡し部を有し、ベルト掛け渡し部におけるプーリ外周の最内径部と噛み込み開始位置における噛み込み部材の中心部との径方向距離T1が、噛み込み開始位置における噛み込み部材の中心部と中空軸内周の最小内径部との径方向距離T2よりも小さくされていることが好ましい。このようにすると、プーリの外径を抑えながら、噛み込み部材のP.C.Dを大きくすることができ、噛み込み部材に働く遠心力をより一層大きくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットを示している。この一方向クラッチ付きプーリユニット(1)は、エンジンの駆動部とスタータモータの回転軸とを連結する部分に配置されるもので、スタータモータの回転軸(2)に嵌められた中空軸(3)とこれと同心に配置されたプーリ(4)との間に、一方向クラッチ(5)が設けられている。プーリ(4)の外周には、Vリブドベルト(B)が掛け渡されるベルト掛け渡し部(4a)が設けられている。
【0018】
一方向クラッチ(5)は、中空軸(3)とプーリ(4)の軸方向中間部との間に設けられており、中空軸(3)とプーリ(4)の各端部寄り部分との間には、ころ軸受(6)および玉軸受(7)が一方向クラッチ(5)を挟んで設けられている。そして、プーリ(4)と一方向クラッチ(5)の外輪と軸受(6)(7)の外輪とが一体とされるとともに、中空軸(3)と一方向クラッチ(5)の内輪と軸受(6)(7)の内輪とが一体とされ、部品点数の減少が図られている。
【0019】
ころ軸受(6)および玉軸受(7)のさらに軸方向外側には、シール部材(8)(9)がそれぞれ配置されており、プーリユニットの自由端側(図の左端側)には、プーリユニット内部に泥水等の侵入を防止するために、さらに別のシール部材(10)が配置されている。
【0020】
一方向クラッチ(5)は、図2に示すように、プーリ(4)の内周面に設けられたカム面(11)と、カム面(11)と中空軸(3)の外周面とによって形成された楔状空間(12)内に配置され、中空軸(3)とプーリ(4)とが一の方向(ロック方向)に相対回転することにより中空軸(3)とプーリ(4)との間に噛み込み、他の方向(フリー方向)に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころ(13)と、ころ(13)を噛み込み方向(楔状空間(12)の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルばね(14)と、ころ(13)を楔状空間(12)内に位置させる保持器(15)とを備えている。
【0021】
カム面(11)は、軸心を挟んで対向する平行2面(11a)(11b)(11c)(11d)が周方向に複数組(この実施形態では4組)設けられることによって構成されている。平行2面(11a)(11b)(11c)(11d)の各面は、ころ(13)の中心および軸心を通る法線(19)に対して直角ではなく、直角よりも若干小さい鋭角とされている。こうして、プーリ(4)にカム面(11)が設けられることにより、プーリ(4)には、一方向クラッチ(5)の外輪としての機能が付与され、プーリ(4)と一方向クラッチ(5)の外輪との一体化が果たされている。これにより、プーリ(4)の外径を抑えながら、ころ(13)のP.C.Dを大きくすることができ、ころ(13)に働く遠心力が大きいものとなっている。
【0022】
平行2面(11a)(11b)(11c)(11d)の楔状空間(12)の広い側の端部には、横断面が円弧状で遠心力を受けたころ(13)を停止させる保持用凹面部(16)が設けられている。凹面部(16)は、ころ(13)の外周面の半径とほぼ同じ半径の円弧状とされている。
【0023】
コイルばね(14)は、横断面内に中心軸を有し、長径の方向が一方向クラッチ(5)の軸方向に一致させられた楕円形のものとされている。そして、その短径の長さしたがってばねのころに当接している部分の径方向寸法は、ころ(13)の直径よりも小さくなされている。
【0024】
保持器(15)は、合成樹脂製で、カム面(11)にほぼ沿った外周形状と中空軸(3)外周面に沿った内周形状を有しており、カム面(11)内に圧入されている。保持器(15)と中空軸(3)の外周との間には若干の間隙が設けられている。保持器(15)には、コイルばね(14)を位置決めするばね受け凹所(17)が設けられている。ばね受け凹所(17)には、グリスが封入されている。
【0025】
ばね受け凹所(17)は、カム面(11)のころ保持用凹面部(16)に連なってプーリ(4)の内周に設けられたばね位置決め面(18)とによってコイルばね(14)の中心軸方向を一定に保っている。コイルばね(14)の中心軸は、コイルばね(14)に遠心力が作用した際にころ(13)に対する付勢力を減少させる方向に変形させられるように、中空軸(3)の外周面の接線方向に対して傾斜させられている。プーリ(4)のばね位置決め面(18)は、カム面(11)と同様に、一方向クラッチ(5)の軸心を挟んで対向して平行に形成された2面が周方向に4組設けられることによって構成されている。
【0026】
ばね受け凹所(17)は、コイルばね(14)がばね軸方向へ移動することを阻止するばね端部位置決め面(17a)と、コイルばね(14)がばね軸に直交する内向きに移動することを阻止するばね内側位置決め面(17b)とを有しており、プーリ(4)のばね位置決め面(18)は、コイルばね(14)がばね軸に直交する外向きに移動することを阻止するばね外側位置決め面となっている。これらのばね位置決め面(17a)(17b)(18)によって、コイルばね(14)の中心軸は、ころ(13)の中心軸と直交し、カム面(11)の平行2面(11a)(11b)(11c)(11d)と平行に保たれている。
【0027】
ばね受け凹所(17)のばね内側位置決め面(17b)に連なって、ころ保持用傾斜面(17c)が設けられている。この傾斜面(17c)の他端は、中空軸(3)の外周面に対してわずかに間隙を有するようになされている。プーリ(4)のころ保持面であるころ保持用凹面部(16)と保持器(15)のころ保持面であるころ保持用傾斜面(17c)とによって、噛み込み解除方向に移動したころ(13)を受け止めて保持する横断面略ハの字状のころ保持部が形成されている。
【0028】
図2は、ころ(13)およびコイルばね(14)に遠心力が働いていない状態を示しており、この状態で中空軸(3)が反時計方向に回転させられると、ころ(13)が中空軸(3)とプーリ(4)との間に噛み込み、中空軸(3)とプーリ(4)とは、一体となって回転する。そして、プーリ(4)が高速回転となり、中空軸(3)の回転が停止させられると、ころ(13)に働く遠心力の方向(符号(19)で示す線の外向きの方向)ところ(13)が平行2面(11a)(11b)(11c)(11d)と接触している点における法線方向とがずれていることにより、ころ(13)には平行2面(11a)(11b)(11c)(11d)に沿った方向の力が掛かり、これにより、ころ(13)は、楔状空間(12)の広い側に移動する。
【0029】
この状態では、プーリ(3)のころ保持面である凹面部(16)がころ(13)の外周面の半径とほぼ同じ半径の横断面円弧状の凹面とされているので、円筒面を有するころ(13)の外周部分がこの凹面部(16)にちょうど収まり、また、径方向内側からは、保持器(15)のころ保持面である傾斜面(17c)があてがわれるので、ころ(13)が傾くようなことはなく、中空軸(3)外周ところ(13)との間隙が確保され、中空軸(3)ところ(13)との非接触状態が達成される。
【0030】
図1に示すように、プーリ(4)の内径は段付状とされており、プーリ(4)が有しているころ軸受(6)の外輪、一方向クラッチ(5)の外輪および玉軸受(7)の外輪の各機能に対応する寸法に関して、ころ軸受(6)の外輪軌道部内径をD1、一方向クラッチ(5)の外輪の最小内径(この実施形態では、外輪カム面(11)の平行2面間距離)をD2、玉軸受(7)の外輪軌道肩部内径をD3として、D1>D2≧D3とされている。
【0031】
中空軸(3)の外径に関しては、溝を除いて一定とされており、ころ軸受(6)の内輪軌道部外径=一方向クラッチ(5)の内輪外径=玉軸受(7)の外輪軌道肩部外径となっている。これにより、内輪の外径が抑えられ、一方向クラッチの寸法の確保が容易なものとなっている。
【0032】
また、ベルト掛け渡し部(4a)におけるプーリ外周の最内径部と噛み込み開始位置におけるころ(13)の中心部との径方向距離T1が、噛み込み開始位置におけるころ(13)の中心部と中空軸(3)内周の最小内径部との径方向距離T2よりも小さくされている。すなわち、プーリ(3)および中空軸(3)の実質的な厚みを比較すると、プーリ(3)の厚みが薄くなされている。これにより、プーリ(4)の外径を抑えながら、ころ(13)のP.C.Dを大きくすることができ、ころ(13)に働く遠心力がより大きくなっている。
【0033】
中空軸(3)の外径には、玉軸受(7)の軌道面(7a)および各シール部材(8)(9)(10)の内径部が嵌め入れられるシール溝(8a)(9a)(10a)が設けられている。また、中空軸(3)の内径には、スタータモータの回転軸(2)端部に設けられた雄ねじ部にねじ合わされる雌ねじ部(3a)と、中空軸(3)を回転させて回転軸(2)端部にねじ合わせる際に使用される六角レンチが嵌め合わされる六角係合溝(3b)とが設けられている。
【0034】
この一方向クラッチ付きプーリユニットは、次のように動作する。
【0035】
まず、始動時においては、スタータモータの回転軸(2)と一体の中空軸(3)が反時計回りに回転させられる。これにより、一方向クラッチ(5)の楔状空間(12)の狭い側にころ(13)が噛み込まれ、駆動力が伝達されて、中空軸(3)とプーリ(4)とが一体となって回転する。プーリ(4)はベルトを介してクランクシャフトに接続されており、プーリ(4)の回転によってエンジンが始動する。エンジンが始動すると、スタータが停止し、プーリ(4)は反時計方向の回転を続ける。これにより、ころ(13)の噛み込みが解除され、プーリ(4)だけが回転する状態が継続される。特にエンジンの高速回転時、ころ(13)は、ころ(13)とほぼ同じ曲率の凹面部(16)によって位置決めされ、中空軸(3)と非接触状態となる。また、コイルばね(14)は、プーリ(4)の所定回転速度以上による遠心力によって縮む方向の力を受け、ころ(13)を噛み込み方向に付勢する弾性力が減少させられ、ころ(13)と中空軸(3)との間の非接触状態が確保される。遠心力が作用したときのころ(13)の移動方向とコイルばね(14)の中心軸方向とが一致していることから、ころ(13)が移動する際にコイルばね(14)がずれて、プーリ(4)が停止した際のコイルばね(14)の付勢力方向が変化することはなく、ころ(13)をうまく噛み込み側へ移動させることができないという問題が起こることはない。こうして、始動時においては、ころ(噛み込み部材)(13)およびコイルばね(付勢部材)(14)が外輪すなわちプーリ(4)と一体となって回転し、その後、プーリ(4)が所定回転速度以上になると、プーリ(4)だけが回転することになり、エンジンの駆動に寄与しない部分が回転することに伴うエネルギロスを抑えることができる。
【0036】
このプーリユニット(1)を組み立てる際には、玉軸受(7)の玉および保持器、一方向クラッチ(5)のコイルばね(14)およびころ(13)、ころ軸受(6)のころおよび保持器の順に、プーリ(4)と中空軸(3)との間に挿入すればよい。上述したように、ころ軸受(6)の外輪軌道部内径(D1)>一方向クラッチ(5)の外輪カム面(11)の平行2面間距離(一方向クラッチの外輪の最小内径)(D2)≧玉軸受(7)の外輪軌道肩部内径(D3)であるので、各挿入作業時において径方向外側に作業用のスペースが確保され、組立て作業を容易に行うことができる。
【0037】
中空軸(3)すなわち一方向クラッチの内輪は、次のようにして製造される。
【0038】
まず、素材として、例えば鋼材S55Cが選定される。ついで、冷間鍛造によって、外径および内径が加工される。外径は、円筒面とされ、内径には、雌ねじ部(3a)および六角係合溝(3b)が形成される。ついで、旋削によって、素材の外径に、玉軸受(7)の軌道面(7a)とシール部材(8)(9)(10)用のシール溝(8a)(9a)(10a)とが形成される。ついで、加熱されないように、一方向クラッチ(5)のころ接触部および転がり軸受(6)(7)の軌道部のみが高周波焼入される。この際、六角係合溝(3b)にも高周波焼入を施すことが好ましい。高周波焼入は、高周波焼入が施された部分の硬さがロックウェル硬度58〜62、有効硬化層深さが0.5〜1.5mmとなるように施される。これにより、必要部分だけが硬化されて硬さ不足が解消されて、中空軸(3)の摩耗が少なくなって、耐久性が向上するとともに、雌ねじ部(3a)およびシール溝(8a)(9a)(10a)が熱変形しないので、その調整のための後加工を省略することができる。また、高周波焼入が施された部分の硬さをロックウェル硬度58〜62、有効硬化層深さを0.5〜1.5mmとすることにより、加工コストと製品品質とを最適条件でバランスさせることができる。
【0039】
外輪すなわちプーリ(4)についても、ころ接触部および軸受(6)(7)の軌道部のみを高周波焼入することにより、上記中空軸(3)と同様の効果を得ることができる。
【0040】
なお、中空軸(3)およびプーリ(4)の素材としては、S55Cのほかに、たとえばJIS SUJ2など、ロックウェル硬度58〜62を高周波焼入にて満足する鋼が用いられる。
【0041】
上記において、ころ(13)を付勢する手段として、コイルばねを示したが、コイルばねに代えて板ばね等を用いることも可能である。また、上記においては、外輪の内周面に平面のカム面が形成された外輪カム式について説明したが、所要部のみに高周波焼入を施す技術は、外輪の内周面にR形状のカム面が形成された外輪カム式、および、内輪カム式の一方向クラッチ、すなわち、内輪としての中空軸の外周面に設けられたカム面と、カム面と外輪としてのプーリの内周面とによって形成された楔状空間内に配置され、軸とプーリとが一の方向に相対回転することにより軸とプーリとの間に噛み込み、他の方向に相対回転したとき噛み込みを解除する複数の噛み込み部材としてのころと、ころを噛み込み方向(楔状空間の狭い側)に付勢する付勢部材としてのコイルばねとを備えているものに対しても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明による一方向クラッチ付きプーリユニットの第1実施形態を示す縦断面図である。
【図2】図2は、同横断面図である。
【符号の説明】
(3) 中空軸
(4) プーリ
(5) 一方向クラッチ
(6) ころ軸受
(7) 玉軸受
(13) ころ(噛み込み部材)

Claims (3)

  1. 軸とこれの周囲に同心状に配されたプーリとの間に、内輪、外輪、両輪間に配された噛み込み部材および噛み込み部材を噛み込み方向へ付勢する付勢部材を備えた一方向クラッチが設けられている一方向クラッチ付きプーリユニットであって、一方向クラッチの両輪の両端部を除いた部分に高周波焼入が施されていることを特徴とする一方向クラッチ付きプーリユニット。
  2. 軸とプーリとの間に少なくとも1つの軸受が設けられており、一方向クラッチの外輪と軸受の外輪とが一体化されるとともに、一方向クラッチの内輪と軸受の内輪とが一体化され、軸受の軌道部に高周波焼入が施されている請求項1の一方向クラッチ付きプーリユニット。
  3. 高周波焼入が施された部分の硬さがロックウェル硬度58〜62であり、有効硬化層深さが0.5〜1.5mmである請求項1または2の一方向クラッチ付きプーリユニット。
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US6987330B2 (en) * 2003-04-16 2006-01-17 Ford Global Technologies, Llc Method and system for controlling a belt-driven integrated starter generator
JP2007046687A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Ntn Corp 一方向クラッチの内方部材及びその製造方法とその内方部材を備えたクラッチ内蔵プーリ
JP2015190573A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 Ntn株式会社 クラッチユニット

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