JP2000230632A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

一方向クラッチ内蔵型プーリ装置

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JP2000230632A
JP2000230632A JP11032421A JP3242199A JP2000230632A JP 2000230632 A JP2000230632 A JP 2000230632A JP 11032421 A JP11032421 A JP 11032421A JP 3242199 A JP3242199 A JP 3242199A JP 2000230632 A JP2000230632 A JP 2000230632A
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JP
Japan
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pulley
way clutch
rotary shaft
peripheral surface
sleeve
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JP11032421A
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English (en)
Inventor
Hideo Ouchi
英男 大内
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Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プーリ7bに掛け渡す無端ベルトの張力を大
きくし、このプーリ7bに加わるラジアル荷重が大きい
場合でも、サポート軸受9a、9aの転がり疲れ寿命を
確保する。同時に、プーリ7bとスリーブ8との相対回
転時にも、擦れ合い部分に作用する摩擦力を低減し、摩
耗防止による耐久性向上を図る。 【解決手段】 サポート軸受9a、9aとして、負荷容
量が大きいころ軸受を使用する。内輪側鍔部17、17
と外輪側鍔部19a、19bとを対向させる事により、
プーリ7bとスリーブ8とのスラスト方向に亙るずれ止
めを図る。内輪側鍔部17、17と外輪側鍔部19a、
19bとの互いに対向する面に、ポリ四弗化エチレン樹
脂製の皮膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置は、自動車用の発電機であるオルタネータ
の回転軸の端部に固定し、エンジンのクランクシャフト
の端部に固定した駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け
渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動用エンジンを駆動源とし
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図5は、この公報に記載されたオルタネータ1を
示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の
転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。こ
の回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設け
ている。又、この回転軸3の一端部(図5の右端部)で
上記ハウジング2外に突出した部分には、プーリ7を固
定している。エンジンへの組み付け状態では、このプー
リ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャ
フトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とする。
【0003】上記プーリ7として従来一般的には、単に
上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。こ
れに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは
上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動
力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向
にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在と
する、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案さ
れ、一部で使用されている。例えば、特開昭56−10
1353号公報、特開平7−317807号公報、同8
−61443号公報、特公平7−72585号公報、フ
ランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様
な機能を有する一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載
されている。又、一部ではこの様な一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置が、実際に使用されている。
【0004】図6は、このうち特開平8−61443号
公報に記載されている一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
を示している。この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
は、上記回転軸3に外嵌固定自在なスリーブ8を有す
る。そして、このスリーブ8の周囲にプーリ7aを、こ
のスリーブ8と同心に配置している。そして、これらス
リーブ8の外周面とプーリ7aの内周面との間に、1対
のサポート軸受9、9と一方向クラッチ10とを設けて
いる。このうちのサポート軸受9、9は、上記プーリ7
aに加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ8
とプーリ7aとの相対回転を自在とする。又、上記一方
向クラッチ10は、上記プーリ7aが上記スリーブ8に
対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、
このプーリ7aからスリーブ8への回転力の伝達を自在
とする。
【0005】この様なオルネータ用一方向クラッチ内蔵
型プーリ装置を使用する理由は、次の通りである。例え
ば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった
場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフ
トの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記ク
ランクシャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡し
た無端ベルト11の走行速度も細かく変動する事にな
る。一方、この無端ベルト11によりプーリ7aを介し
て回転駆動されるオルタネータ1(図5)の回転軸3
は、この回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロータ
5及び整流子6(図5)等の慣性質量に基づき、それ程
急激には変動しない。従って、上記プーリ7aを回転軸
3に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回
転角速度の変動に伴い、上記無端ベルト11とプーリ7
aとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、このプ
ーリ7aと擦れ合う無端ベルト11に、繰り返し異なる
方向の応力が作用して、この無端ベルト11とプーリ7
aとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベ
ルト11の寿命が短くなったりする原因となる。
【0006】又、上述の様なプーリ7aの外周面と無端
ベルト11の内周面との摩擦に基づく無端ベルト11の
寿命低下は、走行時に加減速を繰り返す事によっても生
じる。即ち、加速時には無端ベルト11側からプーリ7
a側に駆動力が伝達されるのに対し、減速時には上述の
様に慣性に基づいて回転し続けようとするプーリ7a
に、上記無端ベルト11から制動力が作用する。この制
動力と上記駆動力とは、上記無端ベルト11の内周面に
対して逆方向の摩擦力として作用するので、やはり上記
無端ベルト11の寿命低下の原因となる。特に、トラッ
クの様に排気ブレーキを備えた車両の場合には、アクセ
ルオフ時に於けるクランクシャフトの回転低下の減速度
が著しく、上記制動力に基づいて上記無端ベルト11の
内周面に加わる摩擦力が大きくなる結果、上記寿命低下
が著しい。
【0007】そこで、上述の様なプーリ7aとして、上
記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事によ
り、上記無端ベルト11の走行速度が一定若しくは上昇
傾向にある場合には、上記プーリ7aから回転軸3への
回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルト11の
走行速度が低下傾向にある場合には、これらプーリ7a
と回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端
ベルト11の走行速度が低下傾向にある場合には、上記
プーリ7aの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よ
りも遅くして、上記無端ベルト11とプーリ7aとの当
接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、プー
リ7aと無端ベルト11との擦れ合い部に作用する応力
の方向を一定にし、この無端ベルト11とプーリ7aと
の間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルト11の寿
命が低下する事を防止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方向クラッチ内蔵型
プーリ装置の使用時にプーリ7aとスリーブ8とは相対
回転する。特に、オルタネータ1の回転軸3を駆動する
為の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記
プーリ7aとスリーブ8との相対回転速度は、数百r.p.
m.から、著しい場合には数千r.p.m.に達する場合もあ
る。従って、長期間に亙る使用に拘らず、十分な耐久性
を確保する為には、構成各部の摩耗防止を十分に考慮す
る必要がある。
【0009】前述の図6に示す様に、上記プーリ7aと
スリーブ8との間に設けるサポート軸受9、9として、
ラジアル荷重だけでなくスラスト荷重も支承自在な深溝
型の玉軸受を使用すれば、上記プーリ7aと共に回転す
る部材と、スリーブ8と共に回転する部材とが、スラス
ト方向に亙る変位に基づいて強く擦れ合う事を防止でき
る。これに対して、近年、オルタネータ1を駆動する為
の無端ベルト11の張力を大きく(強く)する傾向があ
り、上記プーリ7から上記各サポート軸受9、9に加わ
るラジアル荷重が大きくなる傾向になっている。
【0010】この様な大きなラジアル荷重に拘らず、サ
ポート軸受の転がり疲れ寿命を確保する為には、このサ
ポート軸受として、ラジアル負荷容量が大きい円筒ころ
軸受を使用する必要がある。ところが、円筒ころ軸受
は、ラジアル負荷容量が大きく、大きなラジアル荷重を
受ける用途でも十分な転がり疲れ寿命を確保できる反
面、スラスト荷重を受ける機能は殆ど持たない。この
為、図6に示した構造で、そのままサポート軸受を円筒
ころ軸受に変えた場合には、プーリ7aと共に回転する
部材とスリーブ8と共に回転する部材との摩擦に基づ
き、当該部材の摩耗が著しくなり、十分な耐久性を確保
できなくなる。本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一方向クラッチ
内蔵型プーリ装置は、従来から知られている一方向クラ
ッチ内蔵型プーリ装置と同様に、回転軸と、この回転軸
の周囲にこの回転軸と同心に配置したプーリと、これら
回転軸の外周面の軸方向中間部とプーリの内周面の軸方
向中間部との間に設け、このプーリが上記回転軸に対し
所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみプーリと
回転軸との間での回転力の伝達を自在とする一方向クラ
ッチと、この一方向クラッチを軸方向両側から挟む状態
で、上記回転軸の外周面とプーリの内周面との間に設
け、このプーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれ
ら回転軸とプーリとの相対回転を自在とする1対のサポ
ート軸受と、上記回転軸とプーリとのうちの少なくとも
一方の部材の周面に、他方の部材に向け突出する状態で
支持され、この他方の部材若しくはこの他方の部材に支
持された部材と摺接する鍔状部とを備える。
【0012】特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プー
リ装置に於いては、上記各サポート軸受は円筒ころ軸受
である。又、上記他方の部材若しくはこの他方の部材に
支持された部材の側面と上記鍔状部の側面とで、上記回
転軸とプーリとの相対回転時に互いに対向しつつ相対変
位する側面同士の間に、ポリ四弗化エチレン樹脂(PT
FE)製の皮膜を介在させている。
【0013】
【作用】上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内
蔵型プーリ装置の場合には、1対のサポート軸受とし
て、大きなラジアル負荷容量を有するころ軸受を使用す
るので、プーリに掛け渡す無端ベルトの張力を大きくし
ても、十分な転がり疲れ寿命を確保できる。又、回転軸
とプーリとのスラスト方向に亙る変位に基づき、これら
回転軸と共に回転する部分とプーリと共に回転する部分
とが擦れ合った場合でも、ポリ四弗化エチレン樹脂製の
皮膜の存在により、擦れ合い部に作用する摩擦を低く抑
える事ができる。この為、長期間に亙る使用に拘らず、
擦れ合い部の摩耗を低く抑える事ができる。又、擦れ合
い部で発生する摩擦熱を抑えて、一方向クラッチやサポ
ート軸受の潤滑の為、内部に封入したグリースが劣化す
る事を防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。スリーブ8は、全体を円筒状に形成
しており、オルタネータの回転軸3(図5〜6参照)の
端部に外嵌固定して、この回転軸3と共に回転自在であ
る。この為に図示の例では、上記スリーブ8の中間部内
周面に雌スプライン部12を形成し、この雌スプライン
部12と上記回転軸3の端部外周面に形成した雄スプラ
イン部(図示省略)とを係合自在としている。尚、上記
回転軸3とスリーブ8との相対回転を防止する為の構造
は、スプラインに代えて、ねじ、或は非円筒面同士の嵌
合、キー係合等としても良い。
【0015】上述の様なスリーブ8の周囲にはプーリ7
bを、このスリーブ8と同心に配置している。そして、
これらスリーブ8の外周面とプーリ7bの内周面との間
に、それぞれがラジアルころ軸受である1対のサポート
軸受9a、9aと、ローラクラッチである1個の一方向
クラッチ10aとを設けている。このうちの一方向クラ
ッチ10aを構成する為、上記スリーブ8の中間部外周
面に一方向クラッチ用内輪13を、締まり嵌めにより外
嵌固定している。この一方向クラッチ用内輪13は、軸
受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼
の板材により全体を円筒状に形成し、外周面はカム面1
4としている。
【0016】又、上記各サポート軸受9a、9aを構成
する為、上記スリーブ8の両端部外周面には、それぞれ
内輪15、15を、締まり嵌めにより外嵌固定してい
る。やはり、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM4
15等の浸炭鋼の板材により造った、これら各内輪1
5、15は、それぞれ円筒部16の一端縁に外向フラン
ジ状の内輪側鍔部17を形成する事により、断面L字形
で全体を円筒状に形成している。又、上記各内輪15、
15に設けた内輪側鍔部17の内側面(円筒部16側の
側面)には、ポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜を、全周
に亙って被覆している。この様な皮膜は、上記各内輪1
5、15を所定の形状に形成して熱処理硬化させた後、
上記内輪側鍔部17の内側面にポリ四弗化エチレン樹脂
をコーティングする事により形成する。この様な各内輪
15、15は、上記内輪側鍔部17を互いに反対側に位
置させた状態で上記スリーブ8に外嵌し、それぞれの先
端縁を上記一方向クラッチ用内輪13の軸方向両端縁に
突き当てている。又、上記プーリ7bの外周面は、幅方
向に亙る断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれ
る無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。
【0017】一方、上記プーリ7bの中間部には外輪1
8を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪1
8は、上記一方向クラッチ10aの外輪としてだけでな
く、前記各サポート軸受9a、9aの外輪としても機能
するもので、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材又はS
CM415等の浸炭鋼の板材にプレス加工を施す等によ
り、全体を円筒状に形成している。この様な外輪18の
軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側鍔部
19a、19bを形成している。尚、これら両外輪側鍔
部19a、19bのうち、一方(図1の左方)の外輪側
鍔部19aは、他の構成各部材と組み合わせる以前に形
成する為、上記外輪18の本体部分と同様の厚さ寸法を
有する。これに対して、他方(図1の右方)の外輪側鍔
部19bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形成す
る為、薄肉にしている。
【0018】そして、上記一方向クラッチ10aは、上
記外輪18の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪
13の外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪
18の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪13の
外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した
保持器20と、それぞれが複数ずつのローラ21及び図
示しないばねとを設けている。又、保持器20は、その
内周面に形成した各突片22、22を上記一方向クラッ
チ用内輪13のカム面14を構成する凹部23に係合さ
せて、この一方向クラッチ用内輪13に対する相対回転
を阻止している。この状態で上記各ばねは、上記各ロー
ラ21を円周方向に関して同方向に押圧している。
【0019】この様な一方向クラッチ10aを構成す
る、上記各ローラ21は、上記一方向クラッチ用内輪1
3と上記外輪18とが所定方向に相対回転する場合に
は、これら一方向クラッチ用内輪13の外周面と外輪1
8の内周面との間の隙間のうち、直径方向に亙る幅が狭
くなった部分に食い込み、これら一方向クラッチ用内輪
13と外輪18との間で回転力の伝達を行なわせる。こ
れに対して、上記一方向クラッチ用内輪13と上記外輪
18とが逆方向に相対回転する場合に上記各ローラ21
は、上記隙間のうちの幅が広くなった部分に移動して当
該部分で転動自在となり、これら一方向クラッチ用内輪
13と外輪18との間で回転力の伝達を行なわせない。
尚、この様なローラクラッチ10aの構成及び作用は、
従来から広く知られており、本発明の要旨でもない為、
詳しい説明は省略する。
【0020】又、上記各サポート軸受9a、9aは、前
記各内輪15、15と上記外輪18の軸方向両端部寄り
部分とを含んで構成している。即ち、上記各内輪15、
15の外周面と上記外輪18の軸方向両端部寄り部分の
内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円筒状に
形成された保持器24、24と、この保持器24、24
により転動自在に保持された複数のころ25、25とを
配置して、ラジアル円筒ころ軸受を構成している。更
に、図示の例では、上記各保持器24、24と前記各外
輪側鍔部19a、19bとの間にシールリング26、2
6を設けて、上記一方向クラッチ10a及び上記各サポ
ート軸受9a、9aを設けた内部空間27と外部空間と
を遮断している。従って、この内部空間27内に異物が
入り込んだり、或はこの内部空間27に封入したグリー
スが漏洩したりする事はない。
【0021】上述の様に構成する本発明の一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置の場合には、上記1対のサポート軸
受9a、9aとして、大きなラジアル負荷容量を有する
円筒ころ軸受を使用するので、プーリ7bに掛け渡す無
端ベルト11(図6)の張力を大きくしても、十分な転
がり疲れ寿命を確保できる。又、回転軸3(図5、6)
に外嵌したスリーブ8と、上記無端ベルト11を掛け渡
したプーリ7bとの間に加わるスラスト方向の力によ
り、このプーリ7bと上記スリーブ8とが軸方向にずれ
る傾向になった場合でも、何れかの内輪側鍔部17の内
側面と何れかの外輪側鍔部19a(19b)の外側面と
が当接し(擦れ合い)、上記プーリ7bと上記スリーブ
8とが、軸方向に亙り過度にずれる事を防止する。
【0022】この状態では、回転軸3と共に回転する部
分である上記外輪側鍔部19a(19b)の外側面と、
プーリ7bと共に回転する部分である上記内輪側鍔部1
7の内側面とが擦れ合う。但し、本発明の場合には、こ
の様に各鍔部19a(19b)、17の側面同士が擦れ
合った場合でも、このうちの内輪側鍔部17の内側面に
設けたポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜の存在により、
擦れ合い部に作用する摩擦を低く抑える事ができる。こ
の為、長期間に亙る使用に拘らず、擦れ合い部を構成す
る、上記各鍔部19a(19b)、17の側面の摩耗を
低く抑える事ができる。又、擦れ合い部で発生する摩擦
熱を抑えて、前記一方向クラッチ10aや上記各サポー
ト軸受9a、9aの潤滑の為、前記内部空間27内に封
入したグリースが劣化する事を防止できる。尚、摩擦低
減の為の皮膜は、内輪側鍔部17、17の内側面に代え
て、上記各外輪側鍔部19a、19bの外側面に設けた
り、或は両方の面に設けても良い。
【0023】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、外輪18の両端部に
形成した各外輪側鍔部19a、19bの外側面と、各内
輪15、15に形成した内輪側鍔部17、17の内側面
との間に、それぞれフローティングワッシャ28、28
を、これら各外輪側鍔部19a、19bと内輪側鍔部1
7、17とに対する相対回転を自在に装着している。上
記各フローティングワッシャ28、28は、SK5等の
ばね鋼を焼き入れ硬化したもので、全体を円輪状に形成
すると共に、両側面及び内外両周縁(表面全体)に、ポ
リ四弗化エチレン樹脂製の皮膜を形成している。この様
なフローティングワッシャ28、28は、上記各外輪側
鍔部19a、19bと内輪側鍔部17、17との間に、
緩く挟持している。又、このフローティングワッシャ2
8、28は、上記各内輪15、15の外周面、又はプー
リ7bの内周面により案内(ラジアル方向の変位を防
止)する。尚、前述の図1に示した実施の形態の第1例
の場合には、各内輪側鍔部17、17の内側面或は各外
輪側鍔部19a、19bの外側面にポリ四弗化エチレン
樹脂製の皮膜を形成する際に、内輪15、15或は外輪
18のうちでサポート軸受9a、9aの軌道面となる部
分にポリ四弗化エチレン樹脂が付着しない様に考慮する
必要がある。これに対して本例の構造の場合には、上記
各フローティングワッシャ28、28の全面にポリ四弗
化エチレン樹脂製の皮膜を形成する事ができるので、皮
膜形成の為の処理が容易である。
【0024】上述の様に構成する本例の場合には、上記
各フローティングワッシャ28、28が、上記各外輪側
鍔部19a、19bと内輪側鍔部17、17とに対して
相対回転する。この結果、プーリ7bとスリーブ8との
相対回転時に擦れ合う部分の摩擦速度を、上述した第1
例の場合に比べて凡そ半分に(理想的な状態では丁度半
分に)できる。この為、擦れ合い部分の摩耗量に大きな
影響を及ぼす、接触面圧Pと滑り速度Vとの積であるP
V値を半分にして、この摩耗量の低減効果を一層大きく
できる。その他の構成及び作用は、上述した第1例と同
様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複す
る説明を省略する。
【0025】次に、図3は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、1対のサポート軸受
9a、9aを構成する内輪15a、15aを、内輪側鍔
部17(図1、2)を持たない、単なる円筒状に構成し
ている。一方、スリーブ8の両端部外周面で上記各内輪
15a、15aから露出した部分に係止溝29、29
を、それぞれ全周に亙って形成している。そして、これ
ら各係止溝29、29に、C型止め輪と呼ばれる、欠円
環状の係止リング30、30を係止している。本例の場
合には、これら各係止リング30、30が、請求項に記
載した鍔状部に相当する。この為に本例の場合には、こ
れら各係止リング30、30の側面のうち、少なくとも
外輪側鍔部19a、19bの外側面と対向する内側面に
(実際には組み付け作業性等を考慮して全面に)、ポリ
四弗化エチレン樹脂製の皮膜を形成している。
【0026】この様な本例の場合、プーリ7bとスリー
ブ8とがスラスト方向に変位する傾向になった場合に
は、何れかの係止リング30の内側面と何れかの外輪側
鍔部19a(19b)の外側面とが当接し(擦れ合
い)、上記プーリ7bと上記スリーブ8とが、軸方向に
亙り過度にずれる事を防止する。この状態では、このう
ちの係止リング30の内側面に設けたポリ四弗化エチレ
ン樹脂製の皮膜の存在により、擦れ合い部に作用する摩
擦を低く抑える事ができる。
【0027】尚、図示の例の場合には、フローティング
ワッシャを設けずに、上記各係止リング30、30の内
側面と上記各外輪側鍔部19a、19bの外側面とを直
接対向させる構造を示している。これに対して、これら
各係止リング30、30の内側面と各外輪側鍔部19
a、19bの外側面との間に、前述の第2例の様なフロ
ーティングワッシャ28、28(図2)を設けても良
い。この場合には、フローティングワッシャ28、28
の両側面にポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜を形成すれ
ば、上記各係止リング30、30には皮膜を形成する必
要はない。
【0028】又、本例の変形例として、プーリ7bの軸
方向寸法を図示の例よりも大きくすると共に、このプー
リ7bの両端部内周面に形成した係止溝に、欠円環状の
係止リングを装着する事もできる。この場合には、サポ
ート軸受9a、9aに、前述の第1〜2例に使用した様
な内輪側鍔部17、17を有する内輪15、15(図1
〜2)を使用し、これら各内輪側鍔部17、17の外側
面と上記各係止リングの内側面とを対向させる。その他
の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である
から、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を
省略する。
【0029】次に、図4は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の場合には、一方向クラッチ用内
輪13、並びにサポート軸受9a、9a用の内輪15、
15a(図1〜3)を省略している。代わりに、一方向
クラッチ10aを構成する為のカム面14をスリーブ8
aの軸方向中間部外周面に、上記各サポート軸受9a、
9aを構成する為の内輪軌道31、31を上記スリーブ
8aの軸方向両端部外周面に、それぞれ直接形成してい
る。この為に本例の場合には、上記スリーブ8aを、S
50〜55Cの様な炭素鋼製の素材に鍛造加工を施す事
により構成し、上記カム面14及び内輪軌道31、31
を形成した外周面を、高周波焼き入れ等の熱処理により
硬化させている。尚、上記カム面14を鍛造加工により
形成可能にすべく、このカム面14を構成する、ランプ
部と呼ばれる凹部の溝底の内接円の直径は、上記各内輪
軌道31、31の直径よりも僅かに大きくしている。
又、上記カム面14は、熱処理硬化後に特に後加工を施
してはいないが、上記各内輪軌道31、31の表面は、
熱処理硬化後に研削加工を施して、表面を平滑にしてい
る。
【0030】又、プーリ7bの軸方向両端部で、外輪1
8の軸方向両端部よりも突出した部分の内周面に形成し
た係止溝29a、29aに、それぞれ欠円環状の係止リ
ング30a、30aの外周縁部を係止している。そし
て、これら両係止リング30a、30aの内側面と、上
記外輪18の両端部に形成した外輪側鍔部19a、19
bの外側面並びに上記スリーブ8aの両端面に形成した
段部32、32との間に、それぞれフローティングワッ
シャ28、28を設けている。このフローティングワッ
シャ28、28の両側面並びに内外両周縁部には、それ
ぞれポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜を形成している。
【0031】この様な本例の場合、プーリ7bとスリー
ブ8aとがスラスト方向に変位する傾向になった場合に
は、何れかの係止リング30aの内側面と何れかの外輪
側鍔部19a(19b)の外側面と何れかの段部32と
が、何れかのフローティングワッシャ28の両側面に当
接し(擦れ合い)、上記プーリ7bと上記スリーブ8a
とが、軸方向に亙り過度にずれる事を防止する。この状
態では、上記フローティングワッシャ28の両側面に設
けたポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜の存在により、擦
れ合い部に作用する摩擦を低く抑える事ができる。尚、
ポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜を形成する面は、互い
に擦れ合う面のうちの何れか一方であれば良く、例え
ば、上記フローティングワッシャ28に形成しない代わ
りに、上記係止リング30aの内側面、外輪側鍔部19
a、19bの外側面、段部32、32に、上記皮膜を形
成する事もできる。その他の構成及び作用は、前述した
第2例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号
を付して、重複する説明を省略する。
【0032】尚、以上に述べた実施の形態の各例の場合
には、何れも軸方向両端に、鍔部、係止リング、或はフ
ローティングワッシャを設けた構造に就いて示したが、
本発明はこの様な構造に限定されるものではない。例え
ば、一方の部材の周面に装着した係止リングを、他方の
部材の一部或はこの他方の部材に装着した係止リングに
より軸方向両側から挟む構造にすれば、軸方向の一端側
にのみ装着した係止リングにより、上記一方の部材と他
方の部材とが軸方向に亙り過度にずれる事を防止でき
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置は、以上に述べた通り構成され作用するので、無端ベ
ルトの張力を大きくした用途に使用した場合でも、サポ
ート軸受の転がり疲れ寿命の確保と擦れ合い部分の摩耗
防止とを両立させて、十分な耐久性確保を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面
図。
【図2】同第2例を示す半部断面図。
【図3】同第3例を示す半部断面図。
【図4】同第4例を示す半部断面図。
【図5】従来から知られているオルタネータの1例を示
す断面図。
【図6】従来構造の1例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 ハウジング 3 回転軸 4 転がり軸受 5 ロータ 6 整流子 7、7a、7b プーリ 8、8a スリーブ 9、9a サポート軸受 10、10a 一方向クラッチ 11 無端ベルト 12 雌スプライン部 13 一方向クラッチ用内輪 14 カム面 15、15a 内輪 16 円筒部 17 内輪側鍔部 18 外輪 19a、19b 外輪側鍔部 20 保持器 21 ローラ 22 突片 23 凹部 24 保持器 25 ころ 26 シールリング 27 内部空間 28 フローティングワッシャ 29、29a 係止溝 30、30a 係止リング 31 内輪軌道 32 段部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、この回転軸の周囲にこの回転
    軸と同心に配置したプーリと、これら回転軸の外周面の
    軸方向中間部とプーリの内周面の軸方向中間部との間に
    設け、このプーリが上記回転軸に対し所定方向に相対回
    転する傾向となる場合にのみプーリと回転軸との間での
    回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、この一方
    向クラッチを軸方向両側から挟む状態で、上記回転軸の
    外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加
    わるラジアル荷重を支承しつつこれら回転軸とプーリと
    の相対回転を自在とする1対のサポート軸受と、上記回
    転軸とプーリとのうちの少なくとも一方の部材の周面
    に、他方の部材に向け突出する状態で支持され、この他
    方の部材若しくはこの他方の部材に支持された部材と摺
    接する鍔状部とを備えた一方向クラッチ内蔵型プーリ装
    置に於いて、上記各サポート軸受は円筒ころ軸受であ
    り、上記他方の部材若しくはこの他方の部材に支持され
    た部材の側面と上記鍔状部の側面とで、上記回転軸とプ
    ーリとの相対回転時に互いに対向しつつ相対変位する側
    面同士の間に、ポリ四弗化エチレン樹脂製の皮膜を介在
    させた事を特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装
    置。
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