JP2004144252A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一方向クラッチがオーバラン状態となり、プーリと回転軸との相対回転を許容する為の玉軸受11の外輪16が高速回転する際に、この玉軸受11の回転抵抗を低く抑える。
【解決手段】玉19を設置した軸受空間21の両端開口のうち、一方向クラッチ側の内端開口を、非接触型のシールドリング39により塞ぐ。これに対して、外端開口を、接触型のシールリング38により塞ぐ。このシールリング38の内周縁部に設けたシールリップ40は、芯金22の内周縁よりも上記玉19側に大きく突出している。この為このシールリップ40の先端縁は、上記外輪16の高速回転時に作用する遠心力に基づいて、内輪18の外周面に形成した傾斜段部26から離隔する。この為、上記シールリング38の存在に基づく摺動抵抗がなくなって、上記課題を解決できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、例えば、車両(自動車)の走行を停止した状態でエンジンもアイドリングさせずに自動的に停止させる、所謂アイドリングストップ車で、上記エンジンを始動させる為のスタータモータの駆動軸の端部に装着した状態で使用する。そして、エンジンの始動時にはこの駆動軸から上記エンジンのクランクシャフトへの動力伝達を行ない、上記エンジンの始動後には、このエンジンにより上記駆動軸が回転駆動されない様に機能する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギ並びに二酸化炭素の排出抑制を目的として、車両が停止した状態でエンジンもアイドリングさせずに自動的に停止させる、アイドリングストップを行なう事が考えられ、一部ではこの様なアイドリングストップ機能を備えたアイドリングストップ車が実際に使用されている。この様なアイドリングストップ車の場合、車両が停止すると、車速センサが検出した、車速ゼロの信号に基づいてエンジンを自動的に(イグニッションスイッチを操作する事なく)停止させる。これに対して、車両を再発進させる場合には、クラッチペダルの動きを検知するクラッチセンサ(手動変速車の場合)或はアクセルペダル若しくはブレーキペダルの動きを検知するアクセルセンサ(自動変速車の場合)からの信号に基づき、上記車両用エンジンを自動的に(やはりイグニッションスイッチを操作する事なく)再起動させる。この様なアイドリングストップ車によれば、エンジンのアイドリングストップを行なう分、省エネルギ並びに二酸化炭素の排出抑制を図れる。
【0003】
この様なアイドリングストップ車の場合、一般的な自動車の場合に比べてエンジンの始動を迅速に行なわせる必要がある。従って、一般的に使用されている様に、始動時にのみ、スタータモータの駆動軸に固定したピニオンと、フライホイールに固設した大歯車とを噛合させる構造を採用する事は難しい。この様な事情に鑑みて、図11に示す様に、エンジン1のクランクシャフト2の端部に固定した従動プーリ3と、スタータモータ4の回転駆動軸5の端部に固定した駆動プーリ装置6との間に無端ベルト7を掛け渡す構造が、各種提案されている。エンジンの始動装置にこの様な構造を採用する場合には、上記駆動プーリ装置6として一方向クラッチ内蔵型のものを使用して、上記回転駆動軸5から上記無端ベルト7に動力を伝達するが、この無端ベルト7から回転駆動軸5へは動力を伝達しない様にする。
【0004】
上述の様な構造を有するエンジンの始動装置の場合、エンジン始動時には、上記スタータモータ4への通電によって上記駆動プーリ装置6を回転駆動し、上記無端ベルト7、上記従動プーリ3を介して、上記クランクシャフト2を回転駆動する。この際、上記駆動プーリ装置6に内蔵した一方向クラッチは繋がれ(ロック状態となり)、上記回転駆動軸5から上記無端ベルト7に動力を伝達する。この結果、上記エンジンが始動した後には、上記一方向クラッチの接続が断たれ(オーバラン状態となり)、上記クランクシャフト2の回転に伴う上記無端ベルト7の走行に拘らず、上記スタータモータ4の回転駆動軸5が回転する事はなくなる。従って、このスタータモータ4が上記エンジン1の運転に対する抵抗になったり、或はこのスタータモータ4の耐久性が損なわれる事はない。
【0005】
この様なエンジンの始動装置に駆動プーリ装置6として組み込む、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置としては、例えば特許文献1、特許文献2に記載された様な構造のものが、従来から知られている。図12は、これら各特許文献に記載される等により従来から知られている、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置8の1例を示している。この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置8は、上記無端ベルト7(図11)をその外周面に掛け渡す為のプーリ素子9と、上記回転駆動軸5(図11)の先端部に固定する為のスリーブ10とを、互いに同心に配置している。
【0006】
そして、このスリーブ10の外周面と上記プーリ素子9の内周面との間に、それぞれがサポート軸受である、深溝型の玉軸受11、11と、一方向クラッチであるローラクラッチ12とを設けている。これら玉軸受11、11及びローラクラッチ12を設ける為に、上記プーリ素子9の内周面は単なる円筒面とし、上記スリーブ10の外周面は、軸方向中間部の大径部13と両端部の小径部14、14とを段差部で連続させた段付の円筒面としている。
【0007】
そして、上記スリーブ10の外周面とプーリ素子9の内周面との間に存在する環状空間の軸方向中間部に上記ローラクラッチ12を、同じくこの環状空間の軸方向両端寄り部分でこのローラクラッチ12を軸方向両側から挟む位置に上記各玉軸受11、11を、それぞれ配置している。このうちの玉軸受11、11は、上記プーリ素子9と上記スリーブ10とを互いに同心に配置すると共に、これら両部材9、10の相対回転を自在とする役目を有する。図示の例では、上記両玉軸受11、11を上記ローラクラッチ12の両側に設置する事により、ラジアル荷重を負荷するスパンを長くして、剛性を高くすると共に耐久性の確保を図っている。
【0008】
上記各玉軸受11、11は、図13に詳示する様に、内周面に深溝型の外輪軌道15を有する外輪16と、外周面に深溝型の内輪軌道17を有する内輪18と、上記外輪軌道15と内輪軌道17との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた、それぞれが転動体である玉19、19とから成る。そして、上記外輪16を上記プーリ素子9の両端寄り部内周面に、上記内輪18を上記スリーブ10の外周面両端部に設けた上記各小径部14、14に、それぞれ締り嵌めにより嵌合固定している。又、この状態で上記各内輪18の軸方向片面を、それぞれ上記大径部13と上記各小径部14、14とを連続させる段差面に当接させている。
【0009】
又、上記各外輪16の両端部内周面と上記各内輪18の両端部外周面との間に、それぞれシールリング20a、20bを設ける事により、上記各玉19、19を設置した軸受空間21の両端開口部を塞いでいる。そして、この軸受空間21内にグリース等の潤滑剤を封入して、上記外輪軌道15及び内輪軌道17と上記各玉19、19の転動面との転がり接触部の潤滑を図っている。上記各シールリング20a、20bは、金属板製の芯金22により、ゴムの如きエラストマー等の弾性材23を補強したもので、全体を円輪状としている。この様な各シールリング20a、20bは、それぞれの弾性材23の外周縁部で上記芯金22の外周縁よりも径方向外方に突出した部分を、上記外輪16の内周面両端部に形成した係止溝24、24に係止する事で、この外輪16に装着している。この状態で、上記弾性材23の内周縁部で上記芯金22の内周縁よりも径方向内方に突出した部分に形成したシールリップ25の先端縁を、上記内輪18の外周面に形成した傾斜段部26に、全周に亙って当接(摺接)させている。尚、図示の例では、上記軸受空間21の両端開口部を、何れも接触式のシールリング20a、20bにより塞いでいる。これに対して上記軸受空間21の外側(前記ローラクラッチ12と逆側)開口部のみをシールリングにより塞ぎ、内側(このローラクラッチ12側)にはシールリングを設けない構造も、特許文献3に記載されている様に、従来から知られている。
【0010】
又、上記ローラクラッチ12は、前記プーリ素子9が前記スリーブ10に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これらプーリ素子9とスリーブ10との間での回転力の伝達を自在とする。この様なローラクラッチ12を構成する為、上記スリーブ10の大径部13にクラッチ用内輪27を、締まり嵌めにより外嵌固定している。このクラッチ用内輪27は、浸炭鋼等の鋼板にプレス加工等の塑性加工を施して全体を円筒状に形成しており、内外両周面は、それぞれ単なる円筒面としている。
【0011】
これに対して、上記プーリ素子9の内周面中間部に締まり嵌めにより内嵌固定したクラッチ用外輪28の内周面は、カム面29としている。即ち、このクラッチ用外輪28の内周面に、図14に示す様に、ランプ部と呼ばれる複数の凹部30、30を、円周方向に関して等間隔に形成する事により、上記内周面を上記カム面29としている。この様なクラッチ用外輪28は、やはり浸炭鋼等の鋼板にプレス加工等の塑性加工を施して、全体を円筒状に形成している。
【0012】
又、上記クラッチ用内輪27及び上記クラッチ用外輪28と共に上記ローラクラッチ12を構成する複数個のローラ31、31は、これらクラッチ用内輪27の外周面とクラッチ用外輪28の内周面との間に、円周方向に亙って等間隔に配置している。この為に、上記クラッチ用外輪28にクラッチ用保持器32を、このクラッチ用外輪28に対する回転を不能として外嵌している。上記各ローラ31、31は、上記クラッチ用保持器32に、転動及び円周方向に関する若干の変位自在に支持している。このクラッチ用保持器32は、合成樹脂により全体を籠型円筒状に形成しており、それぞれが円環状である1対のリム部33、33と、これら両リム部33、33同士を連結する複数の柱部34、34とを備える。
【0013】
そして、上記各リム部33、33の内側面と各柱部34、34の円周方向側面とにより四周を囲まれた部分を、それぞれ上記各ローラ31、31を転動並びに円周方向に亙る若干の変位自在に保持する為の、ポケット35、35としている。そして、上記各リム部33、33の外周面複数個所に形成した係合凸部を上記クラッチ用外輪28の内周面に形成した凹部30、30に係合させて、上記クラッチ用保持器32を上記クラッチ用外輪28に、このクラッチ用外輪28に対する相対回転を不能に装着している。又、上記クラッチ用外輪28の軸方向両端部に形成した内向鍔部36a、36bで上記クラッチ用保持器32を軸方向両側から挟持する事により、このクラッチ用保持器32が上記クラッチ用外輪28に対し軸方向に変位しない様にしている。
【0014】
又、この様なクラッチ用保持器32を構成する柱部34、34の円周方向片側面には、それぞれ図14に示す様に、ばね37、37を装着している。これら各柱部34、34毎に設けたばね37、37は、上記各ポケット35、35内に保持した上記各ローラ31、31を、前記カム面29と前記クラッチ用内輪27の外周面(円筒面)との間に形成される略円筒状の空間のうち、直径方向の幅が狭くなった部分に向け、上記クラッチ用保持器32の円周方向に関して同方向(図14の反時計方向)に、弾性的に押圧している。尚、図14には、上記ばね37、37を圧縮コイルばねの如く描いているが、これら各ばね37、37として実際の場合には、ばね鋼板を大略「ム」字形に折り曲げて成る板ばねを使用する場合が多い。更には、クラッチ用保持器32と一体の合成樹脂ばねを使用する事もできる。この様なローラクラッチ12に関しても、内部に封入したグリースにより潤滑している。
【0015】
上述の様に構成するローラクラッチ12の使用状態では、前記プーリ素子9と前記スリーブ10とが所定方向に相対回転する傾向となった場合、即ち、プーリ素子9に対してスリーブ10が、上記ばね37、37が上記各ローラ31、31を押圧している方向(図14の左方=反時計方向)に相対回転する傾向になった場合に、上記各ローラ31、31が前記略円筒状の空間のうちで直径方向の幅の狭い部分に食い込む。そして、上記スリーブ10と上記プーリ素子9との相対回転が不能(ロック状態)となる。一方、これらプーリ素子9とスリーブ10とが上記所定方向とは反対方向、即ち、このプーリ素子9に対してこのスリーブ10が、上記ばね37、37が上記各ローラ31、31を押圧しているのと反対方向(図14の時計方向)に相対回転する傾向になった場合には、上記各ローラ31、31が上記各ばね37、37の弾力に抗して上記略円筒状の隙間の直径方向の幅の広い部分に退避し、上記プーリ素子9と上記スリーブ10との相対回転が自在(オーバラン状態)となる。
【0016】
上述の様に構成する本例の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置8を、図11に示したアイドリングストップ車用のエンジン始動装置の駆動プーリ装置6として使用した場合の作用は、次の通りである。先ず、エンジンを始動する際には、前記スタータモータ4に通電し、前記回転駆動軸5の先端部に外嵌固定した上記スリーブ10並びにこのスリーブ10に外嵌固定した前記クラッチ用内輪27を、図14の反時計方向に回転させる。この為、上記各ローラ31、31が、上記クラッチ用内輪27の外周面と前記クラッチ用外輪28の内周面との間の略円筒状の空間のうちで直径方向の幅が狭くなった部分に向け、図14の反時計方向に変位する。この結果、上記各ローラ31、31の転動面が、上記クラッチ用内輪27の外周面と上記クラッチ用外輪28の内周面とにくさび状に食い込み、前記ローラクラッチ12がロック状態となって、上記クラッチ用内輪27からクラッチ用外輪28に対し動力が伝達される。この状態で、前記プーリ素子9と無端ベルト7と従動プーリ3とを介して、エンジン1のクランクシャフト2(図11参照)が回転駆動され、このエンジン1が始動される。
【0017】
エンジン1の始動後には上記スタータモータ4への通電が停止され、上記回転駆動軸5が停止する。この状態では上記プーリ素子9が上記エンジン1のクランクシャフト2により、上記従動プーリ3及び上記無端ベルト7を介して回転駆動され、上記クラッチ用外輪28は、図14の反時計方向に回転し続ける。この結果、上記ローラクラッチ12がオーバラン状態となり、上記プーリ素子9の回転が上記スリーブ10にまでは伝わらなくなる。従って、上記エンジン1が運転される際に、上記スタータモータ4がこのエンジン1の回転に対する負荷とはならない。
【0018】
この様にローラクラッチ12がオーバラン状態となる場合に、前記各ローラ31、31は、クラッチ用保持器32の柱部34、34とばね37、37とに押され、上記プーリ素子9に内嵌固定した上記クラッチ用外輪28と共に回転する。但し、このクラッチ用外輪28の回転速度が、エンジン1の始動に必要とされる回転速度(例えば、ガソリンエンジン車の場合で、400〜500min−1 に、ベルト伝達機構による変速比を掛け合せた速度)以下の場合には、上記各ローラ31、31に働く遠心力は、上記各ばね37、37を圧縮する程の値とはならない。又、エンジンの始動時に上記各ローラ31、31には、前記クラッチ用内輪27の外周面から、上記各ばね37、37の弾力と同方向の力が加わる。従って、エンジンの始動時に上記各ローラ31、31は、上記クラッチ用内輪27の外周面と上記クラッチ用外輪28の内周面との間の空間のうちの幅の狭い部分に向け確実に変位し、上記ローラクラッチ12が確実にロック状態となる。
【0019】
これに対して、上記エンジン1が始動し、上記クラッチ用外輪28の回転速度が、エンジン1のアイドリングに見合う回転速度(例えば、ガソリンエンジン車の場合で、700〜800min−1 に、ベルト伝達機構による変速比を掛け合せた速度)以上となった場合には、上記ローラクラッチ12の接続が断たれる(オーバラン状態となる)だけでなく、このローラクラッチ12を構成する上記各ローラ31の転動面と、上記クラッチ用内輪27の外周面とが離隔する。
【0020】
即ち、上記エンジン1の回転時には、上記各ローラ31、31に遠心力が働き、これら各ローラ31、31が前記各凹部30、30の底面に押し付けられる。これら各凹部30、30の底面は傾斜しているので、上記各ローラ31、31は、上記各ばね37、37を押圧する(これら各ばね37、37を圧縮する)方向に変位する傾向になる。又、エンジン1の始動後、前記スタータモータ4への通電を停止した状態では、上記クラッチ用内輪27も停止するので、上記各ローラ31、31を図14の反時計方向に変位させようとする力は、上記各ばね37、37の弾力のみとなる。
【0021】
この状態では 上記回転力の上昇に伴って上記遠心力が増大し、この分力の大きさが上記各ばね37、37の弾力よりも大きくなると、上記各ローラ31、31がこれら各ばね37、37を圧縮しつつ、上記各凹部30、30の深い部分に向け移動する。この結果、上述の様に、上記各ローラ31、31の転動面と、上記クラッチ用内輪27の外周面とが離隔する。この状態では、上記エンジン1の高速回転に拘らず、上記ローラクラッチ12の内部で発生する摩擦熱が僅少に抑えられ、前述した通り、このローラクラッチ12及び隣接する玉軸受11、11の耐久性向上を図れる。勿論、このローラクラッチ12自体に関しても、異常摩耗、焼き付き等の損傷を防止できる。
【0022】
【特許文献1】
特開平11−63170号公報
【特許文献2】
特公平7−72585号公報
【特許文献3】
特開2002−122217号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な従来構造の場合、サポート軸受である各玉軸受11、11の軸受空間21の両端開口部を、何れもシールリング20a、20bにより塞いでいる。そして、これら各シールリング20a、20bの内周縁部に設けたシールリップ25は、内輪18の外周面中間部に形成した傾斜段部26に当接若しくは摺接したままである。即ち、上記シールリップ25は、芯金22よりもこの傾斜段部26側に少しだけオフセットした状態で設けられており、その先端縁をこの傾斜段部26に弾性的に押し付けている。
【0024】
この為に従来構造の場合には、外輪16が停止若しくは低速回転している場合は勿論、この外輪16が高速回転している場合でも、上記シールリップ25の先端縁は上記傾斜段部26に押し付けられたままとなる。即ち、上記外輪16の高速回転時には、上記シールリップ25に遠心力が働くが、この遠心力は、このシールリップ25の先端縁を上記傾斜段部26に押し付ける方向に作用する。この結果、これらシールリップ25の先端縁と傾斜段部26との摺接部に働く摩擦力に基づき、上記外輪16を内嵌固定したプーリ素子9の回転抵抗が大きくなる。このプーリ素子9の回転抵抗は、始動後のエンジンが回転する事に対する抵抗となる為、このエンジンを搭載した車両の、燃費性能、加速性能を中心とする性能向上を図る面からは好ましくない。
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、前述した従来から知られている一方向クラッチ内蔵型プーリ装置と同様に、プーリと、1対のサポート軸受と、一方向クラッチとを備える。そして、このプーリと、このプーリの中心部に挿入されて使用時にこの所定方向にのみ回転する回転軸との間で、この所定方向の動力のみを伝達する為に使用する。
このうちのプーリは、外周面に無端ベルトを掛け渡し自在としたもので、円環状で使用時に所定方向にのみ回転する。
又、上記各サポート軸受は、上記回転軸の外周面と上記プーリの内周面との間の環状空間内に、軸方向に関して互いに間隔をあけて配置されている。
又、上記一方向クラッチは、上記環状空間内でこれら1対のサポート軸受同士の間に設けられている。そしてこの一方向クラッチは、上記プーリ及び上記回転軸が同速で上記所定方向に回転する際に繋がれて、これらプーリと回転軸との間で動力を伝達するが、このプーリが上記所定方向に、この回転軸よりも高速で回転する場合に空転して、このプーリからこの回転軸への動力の伝達を行なわないものである。
又、上記各サポート軸受は、上記プーリに内嵌固定される軸受用外輪と、上記回転軸に対し固定の部分に外嵌固定される軸受用内輪と、これら軸受用外輪の内周面に形成された外輪軌道と軸受用内輪の外周面に形成された内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、これら各転動体を設置した軸受空間の両端開口のうち、少なくとも上記一方向クラッチと反対側開口を塞ぐ為、その外周縁を上記軸受用外輪に係止したシールリングとを備えたものである。
【0026】
特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いては、上記シールリングは、円輪状の芯金により弾性材を補強したものである。そして、この弾性材の内径寄り部分はこの芯金の内周縁よりも径方向内方に突出して、少なくとも上記軸受用外輪の静止時及び低速回転時に、上記軸受用内輪の一部表面に全周に亙って当接若しくは摺接する。これに対して、上記内径寄り部分は、少なくとも上記軸受用外輪の高速回転時に上記軸受用内輪の表面から離隔するものである。
【0027】
【作用】
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、少なくとも高速回転時には、サポート軸受に設けたシールリングの摺動抵抗がなくなる。この為、回転軸の周囲でプーリ素子を空転させる為に要するトルクが小さくなり、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を組み込んだ車両のエンジンの負担を軽減して、この車両の、燃費性能、加速性能を中心とする性能向上を図れる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、請求項1、2、3、8に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、プーリ素子9の両端部内周面とスリーブ10の両端部外周面との間に設ける、それぞれがサポート軸受である1対の玉軸受11、11のシール装置の構造を工夫する事により、少なくとも上記プーリ素子9が高速回転(例えば2000min−1 以上、或は4000min−1 以上で回転)する際に、このプーリ素子9の回転抵抗を低減する点にある。その他の部分の構成及び作用は、前述の図12〜14に示した従来構造と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略し、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0029】
上記各玉軸受11、11を構成する外輪16の内周面と内輪18の外周面との間に存在して玉19、19を設けた軸受空間21の両端開口部のうち、外端側(ローラクラッチ12と反対側で図2の右側)の開口を接触式のシールリング38により、内端側(ローラクラッチ12側で図2の左側)の開口を非接触式のシールドリング39により、それぞれ塞いでいる。このうちのシールドリング39は、金属板を円輪状に形成したもので、その外周縁部を上記外輪16の内周面内端寄り部分に形成した係止溝24に係止している。この状態で上記シールドリング39の内周縁は、上記内輪18の外周面内端寄り部分に近接対向して、当該部分にラビリンスシールを設けている。従って、上記シールドリング39は、上記プーリ素子9の回転速度に関係なく、このプーリ素子9の回転に対する抵抗にはならない。尚、上記各玉軸受11、11とローラクラッチ12とを同種のグリースにより潤滑する場合には、上記シールドリング39は省略しても良い。
【0030】
一方、上記シールリング38は、円輪状の芯金22により弾性材23を補強する事で、全体を円輪状に形成している。そして、この弾性材23の外周縁部で上記芯金22の外周縁よりも径方向外方に突出した部分を、上記外輪16の内周面外端寄り部分に形成した係止溝24に係止している。この状態で、上記弾性材23の内周縁部に形成したシールリップ40の先端縁を、前記内輪18の外周面に形成した傾斜段部26に、全周に亙って弾性的に当接させている。この傾斜段部26は、上記内輪18の外周面中間部に形成されたもので、この内輪18の端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜している。
【0031】
又、上記弾性材23の内周寄り部分は、断面L字形に形成しており、上記シールリップ40は、この弾性材23の内周縁部に、上記芯金22の内周縁よりも前記各玉19、19側に延出する状態で形成されている。更に、上記シールリップ40の先端部分には、このシールリップ40の中間部よりも肉厚のウェイト部41を設けて、このシールリップ40の先端部の質量を多くしている。そして、上記外輪16の静止時若しくは低速回転(例えば2000min−1 未満、或は1000min−1 未満)時に、このウェイト部41の先端縁を、上記弾性材23の弾性に基づいて、上記傾斜段部26に全周に亙って当接若しくは摺接させている。
【0032】
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を前述の図11に示した様なアイドリングストップ車用のエンジン始動装置に組み込んだ場合、エンジン始動後に前記プーリ素子9の回転抵抗を低く抑える事ができる。即ち、エンジン始動後に、このプーリ素子9がエンジン1により無端ベルト7(図11参照)を介して高速回転させられると、上記プーリ素子9に内嵌固定した外輪16に支持したシールリング38の内周縁部に設けた上記シールリップ40が、遠心力により径方向外方に変位する傾向になる。
【0033】
本例の場合、上記シールリップ40が円筒状に形成されており、且つ、その先端縁部にウェイト部41を設けている為、上記シールリップ40が、その基端部を中心として、図2の時計方向に弾性変形する。この為、上記プーリ素子9が高速回転する際には、上記シールリップ40の先端縁が前記傾斜段部26から離れて、前記各玉軸受11、11の軸受空間21の外端開口部に設けたシールリング38の摺動抵抗がなくなる。又、この軸受空間21の内端開口部に設けたシールドリング39に関しては、元々摺動抵抗はない為、回転駆動軸5(図11参照)に固定したスリーブ10の周囲で上記プーリ素子9を空転させる為に要するトルクが小さくなる。この結果、本例の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を組み込んだ車両のエンジンの負担を軽減して、この車両の、燃費性能、加速性能を中心とする性能向上を図れる。
【0034】
又、摺動抵抗がなくなる事に伴って、上記シールリップ40の摩耗防止も図れるだけでなく、摩擦熱の発生を抑えて、上記軸受空間21内のグリースの劣化防止を図れる。尚、上記外輪16が高速回転する際には、このシールリップ40の先端縁と上記傾斜段部26との間部分に隙間が生じる為、この間部分のシール性自体は低下する。但し、上記外輪16の高速回転時には、上記シールリング38の外側面に沿う空気の流れが惹起され、この流れがエアカーテンの如く作用するので、上記隙間を通じて上記軸受空間21内に異物が入り込む事はない。又、上記グリースは、上記軸受空間21の外径寄り部分に移動するので、このグリースが上記隙間を通じて外部に漏洩する事もない。
【0035】
次に、図3は、やはり請求項1、2、3、8に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、シールリング38aを構成するシールリップ40の先端部に設けたウェイト部41aを、上述した第1例の場合よりも大きくしている。そして、このウェイト部41aを、内輪18の外周面に形成した傾斜段部26と、この傾斜段部26よりもこの内輪18の端面寄りに存在する円筒面部42とに、外輪16の静止時若しくは低速回転時に、当接若しくは摺接させている。その他の部分の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0036】
次に、図4は、請求項1、2、8に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、シールリング38bを構成する弾性材23の内周縁部に1対のシールリップ40、40aを、何れも芯金22の内周縁部よりも玉19側に延出する状態で形成している。そして、外径寄り部分のシールリップ40の先端縁を内輪18の外周面に形成した傾斜段部26に、内径寄り部分のシールリップ40aの先端縁を同じく円筒面部42に、外輪16の静止時若しくは低速回転時に、それぞれ当接若しくは摺接させている。この様な本例の場合、上記外輪16の高速回転時には、上記外径寄り部分のシールリップ40の先端縁が上記傾斜段部26から、内径寄り部分のシールリップ40aの先端縁が上記円筒面部42から、それぞれ遠心力に基づく弾性変形によって離隔する。本例の場合、上記各シールリップ40、40aの先端縁同士の干渉を防止する為、これら各シールリップ40、40aの先端縁には、特にウェイト部は設けていない。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0037】
次に、図5は、請求項1、4、5、8に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、シールリング38cを構成する弾性材23の内周縁部で芯金22の内周縁よりも径方向内方に突出した延出部43の内周縁部にシールリップ40bを、この延出部43よりも玉19側に、少しだけ延出させた状態で形成している。そして、上記シールリップ40bの先端縁を、内輪18の外周面に形成した傾斜段部26に、外輪16の静止時及び低速回転時に、全周に亙って当接若しくは摺接させている。この部分の構成は、前述の図13に示した従来構造の場合とほぼ同様である。
【0038】
特に、本例の場合には、第二の延出部44を、上記延出部43の内周縁部から上記シールリップ40bと反対側に延出させている。上記第二の延出部44の軸方向寸法はこのシールリップ40bの軸方向寸法よりも大きく、又、この第二の延出部44の先端部分には、この第二の延出部44の中間部よりも幅広のウェイト部41bを設けている。
【0039】
この様な本例の場合、上記外輪16の静止時及び低速回転時には上記シールリップ40bの先端縁が、上記傾斜段部26に、全周に亙って当接若しくは摺接する。これに対して、上記外輪16の高速回転時には、上記シールリップ40bに比べて軸方向寸法が大きく、その先端縁部の上記ウェイト部41bを設けた上記第二の延出部44が径方向外方に変位する傾向になる。そして、上記延出部43が、その基端部(図5の上端部)を支点として、図5で反時計方向に弾性変形する傾向になる。この結果、上記シールリップ40bの先端縁が上記傾斜段部26から離隔して、外輪16の回転抵抗が低減する。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0040】
次に、図6は、請求項1、6、7、8に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、シールリング38dを構成する弾性材23の内周縁部に設けたシールリップ40cが、芯金22の内周縁よりも玉19側に延出して、このシールリップ40cの先端縁が、内輪18の外周面中間部に形成された傾斜段部26に、外輪16の静止時及び低速回転時に、全周に亙って当接若しくは摺接している。又、上記弾性材23の内周縁部で上記芯金22の内周縁よりも径方向内方に突出した延出部43aの内周縁部に、上記玉19と反対側に延出する状態で設けた第二のシールリップ45の先端縁が、上記内輪18の外周面で端面寄りに存在する円筒面部42に、上記外輪16の静止時及び低速回転時に、全周に亙って当接若しくは摺接している。
【0041】
この様な本例の場合、外輪16の高速回転時には、上記シールリップ40cの先端縁が上記傾斜段部26から、上記第二のシールリップ45の先端縁が上記円筒面部42から、それぞれ遠心力に基づく弾性変形によって離隔する。本例の場合、上記各シールリップ40c、45の先端縁には、特にウェイト部は設けていないが。設ける事は自由である。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0042】
次に、図7は、請求項1、2、3、7、8に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、シールリング38aに対して玉19と反対側である軸受空間21の外端(図7の右端)開口部に、非接触式のシールドリング46を設けている。本例の場合にはシールドリング46の内周縁部を内輪18の外端部外周面に外嵌固定し、このシールドリング46の外周縁を、外輪16の内周面外端部に近接対向させて、当該部分にラビリンスシールを設けている。この様な本例の場合、上記外輪16の高速回転時にシールリップ40の先端縁と上記内輪18の外周面との間に隙間が生じても、この隙間が直接外部空間に露出する事はない。この為、上記外輪16の高速回転時に上記軸受空間21内への異物進入防止をより確実に図れる。その他の構成及び作用は、前述の図3に示した第2例の場合と同様である。
【0043】
次に、図8は、やはり請求項1、2、3、7、8に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例の場合には、非接触式のシールドリング46aの外周縁部を外輪16の外端部(図8の右端部)内周面に内嵌固定し、このシールドリング46aの内周縁部を、内輪18の外周面外端部に形成した小径段部47に進入させると共に、上記シールドリング46aの内周縁部と上記内輪18の表面とを近接対向させて、当該部分にラビリンスシールを設けている。この様な本例の場合も、上記外輪16の高速回転時にシールリップ40の先端縁と上記内輪18の外周面との間に隙間が生じても、この隙間が直接外部空間に露出する事はない。又、上記シールドリング46aは、スリンガとして機能し、その表面に付着した異物を周囲に振り飛ばす。この為、上記外輪16の高速回転時に上記軸受空間21内への異物進入防止をより確実に図れる。その他の構成及び作用は、上述の図7に示した第6例の場合と同様である。
【0044】
次に、図9は、請求項1、2、6、7、8に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例の場合には、非接触式のシールドリング46の内周縁部に形成した円筒部49を内輪18の円筒面部42に外嵌固定している。そして、シールリング38eの内周縁部に形成した3本のシールリップ40、45、48のうち、第二のシールリップ45を上記円筒部49の外周面に、第三のシールリップ48を上記シールドリング46を構成する円輪部50の内側面に、それぞれ全周に亙って摺接させている。又、上記シールリップ40の先端縁は、上記内輪18の外周面に形成した傾斜段部26に、全周に亙って摺接させている。上記各シールリップ40、45、48の先端縁は、外輪16の高速回転時には径方向外方に変位して、上記傾斜段部26、上記円筒部49の外周面、或は上記円輪部50の内側面から離隔する。尚、上記第二のシールリップ45を省略する事もできる。
【0045】
次に、図10は、請求項1、2、7、8に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例の場合には、シールリング38fを構成する芯金22aにシールドリングとしての役目も持たせている。この為に本例の場合には、この芯金22aの内周縁部を径方向内方に延出して内輪18の一部に近接対向させ、当該部分にラビリンスシールを構成している。この様な本例の場合には、部品点数を増大させずにコスト上昇を抑えつつ、シール性向上を図る事ができる。その他の部分の構造及び作用は、前述の図4に示した第3例の場合と同様である。
【0046】尚、上述の説明は、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置をアイドリングストップ車用のエンジン始動装置に組み込んで使用した場合に就いて説明したが、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の用途は、上記エンジン始動装置に限定するものではない。オーバラン時に於けるプーリの回転速度がロック時に於けるプーリの回転速度よりも早く、しかもオーバラン状態での運転時間が長くなる用途に本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事は有効である。この様な用途としては、例えばアイドリングストップ車に組み込む、コンプレッサ等の補機駆動装置が考えられる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するが、一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成する一方向クラッチの空転時に於ける回転抵抗を低減できるので、この一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を搭載した車両の、燃費性能、加速性能を中心とする性能向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】サポート軸受のみを取り出して示す部分断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。
【図4】同第3例を示す、図2と同様の図。
【図5】同第4例を示す、図2と同様の図。
【図6】同第5例を示す、図2と同様の図。
【図7】同第6例を示す、図2と同様の図。
【図8】同第7例を示す、図2と同様の図。
【図9】同第8例を示す、図2と同様の図。
【図10】同第9例を示す、図2と同様の図。
【図11】本発明の対象となる一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を組み込む、アイドリングストップ車用エンジン始動装置を示す略正面図。
【図12】一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の従来構造の1例を示す断面図。
【図13】従来構造のサポート軸受のみを取り出して示す部分断面図。
【図14】ローラクラッチを取り出して示す、図12のA−A断面図。
【符号の説明】
1  エンジン
2  クランクシャフト
3  従動プーリ
4  スタータモータ
5  回転駆動軸
6  駆動プーリ装置
7  無端ベルト
8  一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
9  プーリ素子
10  スリーブ
11  玉軸受
12  ローラクラッチ
13  大径部
14  小径部
15  外輪軌道
16  外輪
17  内輪軌道
18  内輪
19  玉
20a、20b シールリング
21  軸受空間
22、22a 芯金
23  弾性材
24  係止溝
25  シールリップ
26  傾斜段部
27  クラッチ用内輪
28  クラッチ用外輪
29  カム面
30  凹部
31  ローラ
32  クラッチ用保持器
33  リム部
34  柱部
35  ポケット
36a、36b 内向鍔部
37  ばね
38、38a、38b、38c、38d、38e、38f シールリング
39  シールドリップ
40、40a、40b、40c シールリップ
41、41a、41b ウェイト部
42  円筒面部
43、43a 延出部
44  第二の延出部
45  第二のシールリップ
46、46a シールドリング
47  小径段部
48  第三のシールリップ
49  円筒部
50  円輪部

Claims (8)

  1. 外周面に無端ベルトを掛け渡し自在とした、円環状で使用時に所定方向にのみ回転するプーリと、このプーリの中心部に挿入されて使用時にこの所定方向にのみ回転する回転軸との間で、この所定方向の動力のみを伝達する為、この回転軸の外周面と上記プーリの内周面との間の環状空間内に、軸方向に関して互いに間隔をあけて配置された1対のサポート軸受と、この環状空間内でこれら1対のサポート軸受同士の間に設けられた一方向クラッチとを備え、この一方向クラッチは、上記プーリ及び上記回転軸が同速で上記所定方向に回転する際に繋がれてこれらプーリと回転軸との間で動力を伝達するが、このプーリが上記所定方向に、この回転軸よりも高速で回転する場合に空転して、このプーリからこの回転軸への動力の伝達を行なわないものであり、上記各サポート軸受は、上記プーリに内嵌固定される軸受用外輪と、上記回転軸に対し固定の部分に外嵌固定される軸受用内輪と、これら軸受用外輪の内周面に形成された外輪軌道と軸受用内輪の外周面に形成された内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、これら各転動体を設置した軸受空間の両端開口のうち、少なくとも上記一方向クラッチと反対側開口を塞ぐ為、その外周縁を上記軸受用外輪に係止したシールリングとを備えたものである一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、このシールリングは、円輪状の芯金により弾性材を補強したものであって、この弾性材の内径寄り部分はこの芯金の内周縁よりも径方向内方に突出して、少なくとも上記軸受用外輪の静止時及び低速回転時に、上記軸受用内輪の一部表面に全周に亙って当接若しくは摺接するのに対して、少なくとも上記軸受用外輪の高速回転時に上記軸受用内輪の表面から離隔するものである事を特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  2. 軸受用外輪の軸方向に関して、シールリングを構成する弾性材の内周縁部に設けた少なくとも1本のシールリップが、このシールリングを構成する芯金の内周縁よりも転動体側に延出しており、このシールリップの先端縁が、軸受用内輪の外周面中間部に形成された、この軸受用内輪の端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜段部若しくはこの傾斜段部よりも上記軸受用内輪の端面寄りに存在する円筒面部に、少なくとも上記軸受用外輪の静止時及び低速回転時に、全周に亙って当接若しくは摺接している、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  3. シールリップの先端部分に、このシールリップの中間部よりも肉厚のウェイト部を設けている、請求項2に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  4. 軸受用外輪の軸方向に関して、シールリングを構成する弾性材の内周縁部で、このシールリングを構成する芯金の内周縁よりも径方向内方に突出した延出部の内周縁部に設けたシールリップが、この延出部よりも転動体側に延出しており、このシールリップの先端縁が、軸受用内輪の外周面中間部に形成された、この軸受用内輪の端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜段部に、少なくとも上記軸受用外輪の静止時及び低速回転時に、全周に亙って当接若しくは摺接しており、上記延出部の内周縁部から上記シールリップと反対側に第二の延出部が延出しており、この第二の延出部の軸方向寸法が上記シールリップの軸方向寸法よりも大きい、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  5. 第二の延出部の先端部分に、この第二の延出部の中間部よりも肉厚のウェイト部を設けている、請求項4に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  6. 軸受用外輪の軸方向に関して、シールリングを構成する弾性材の内周縁部に設けたシールリップが、このシールリングを構成する芯金の内周縁よりも転動体側に延出しており、上記シールリップの先端縁が、軸受用内輪の外周面中間部に形成された、この軸受用内輪の端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜段部に、少なくとも上記軸受用外輪の静止時及び低速回転時に、全周に亙って当接若しくは摺接しており、上記弾性材の内周縁部で上記芯金の内周縁よりも径方向内方に突出した延出部の内周縁部に設けた第二のシールリップが、この延出部よりも転動体と反対側に延出しており、この第二のシールリップの先端縁が、上記傾斜段部よりも上記軸受用内輪の端面寄りに存在する円筒面部に、少なくとも上記軸受用外輪の静止時及び低速回転時に、全周に亙って、直接又はこの円筒面部に外嵌固定された他の部材を介して当接若しくは摺接しており、この第二のシールリップの先端縁が、少なくとも上記軸受用外輪の高速回転時に上記円筒面部から離隔するものである、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  7. シールリングに対して転動体と反対側である軸受空間の開口端部に、非接触式のシールドリングを設けた、請求項1〜6の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
  8. 軸受空間の両端開口のうち一方向クラッチ側の開口を、非接触式のシールドリングにより塞いだ、請求項1〜7の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
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