JP2000291782A - オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 - Google Patents

オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置

Info

Publication number
JP2000291782A
JP2000291782A JP11099611A JP9961199A JP2000291782A JP 2000291782 A JP2000291782 A JP 2000291782A JP 11099611 A JP11099611 A JP 11099611A JP 9961199 A JP9961199 A JP 9961199A JP 2000291782 A JP2000291782 A JP 2000291782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
way clutch
sleeve
clutch
alternator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11099611A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Okuma
健夫 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP11099611A priority Critical patent/JP2000291782A/ja
Publication of JP2000291782A publication Critical patent/JP2000291782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pulleys (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成樹脂製のクラッチ用保持器17の軸方向
両端面と、合成樹脂製の軸受用保持器19、19の軸方
向端面とが滑り接触するのを防止する事により、これら
各保持器17、19が熱変形するのを防止する。 【解決手段】 上記クラッチ用保持器17の軸方向両端
面と上記各軸受用保持器19、19の端面との間に、そ
れぞれ金属製のスぺーサ31、31を設ける。使用時に
は、上記各保持器17、19の軸方向端面と上記各スぺ
ーサ31、31の側面とを滑り接触させる。合成樹脂同
士を滑り接触させる場合よりも合成樹脂と金属とを滑り
接触させる場合の方が、溶融限界のPV値を大きくでき
る事に基づき、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のオルタネータ用一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置は、自動車用の発電機であ
るオルタネータの回転軸の端部に固定し、エンジンのク
ランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間に無
端ベルトを掛け渡す事により、上記オルタネータを駆動
する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動用エンジンを駆動源とし
て、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造
が、例えば特開平7−139550号公報に記載されて
いる。図4は、この公報に記載されたオルタネータ1を
示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の
転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。こ
の回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設け
ている。又、この回転軸3の一端部(図4の右端部)で
上記ハウジング2外に突出した部分には、プーリ7を固
定している。エンジンへの組み付け状態では、このプー
リ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャ
フトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とする。
【0003】上記プーリ7として従来一般的には、単に
上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。こ
れに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは
上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動
力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向
にある場合には、プーリと回転軸との相対回転を自在と
する、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
が各種提案され、一部で使用されている。例えば、特開
昭56−101353号公報、特開平7−317807
号公報、同8−61443号公報、同8−226462
号公報、特公平7−72585号公報、フランス特許公
報FR2726059A1等に、上述の様な機能を有す
るオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記
載されている。
【0004】図5は、このうち特開平8−226462
号公報に記載されているオルタネータ用一方向クラッチ
内蔵型プーリ装置を示している。このオルタネータ用一
方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、オルタネータ1(図
4)の回転軸3に外嵌固定自在なスリーブ8を有する。
そして、このスリーブ8の周囲にプーリ7aを、このス
リーブ8と同心に配置している。そして、これらスリー
ブ8の外周面とプーリ7aの内周面との間に、1対のサ
ポート軸受9、9と一方向クラッチ10とを設けてい
る。このうちのサポート軸受9、9は、上記プーリ7a
に加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ8と
プーリ7aとの相対回転を自在とする。又、上記一方向
クラッチ10は、上記プーリ7aが上記スリーブ8に対
して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、こ
のプーリ7aからスリーブ8への回転力の伝達を自在と
する。
【0005】上記一方向クラッチ10を構成し、上記ス
リーブ8に外嵌固定した内輪11の中間部外周面には、
ランプ部と呼ばれる複数の凹部12、12を、円周方向
に亙って等間隔に形成し、上記中間部外周面をカム面1
3としている。又、上記内輪11の両端部外周面は、上
記各サポート軸受9、9の為の内輪軌道14、14とし
ている。これに対して、上記一方向クラッチ10を構成
し、上記プーリ7aに内嵌固定した外輪15の内周面
は、ほぼ全長に亙り単なる円筒面としている。又、これ
ら内輪11及び外輪15と共に上記一方向クラッチ10
を構成する、それぞれがロック部材である複数個のロー
ラ16、16は、合成樹脂製のクラッチ用保持器17
に、転動及び円周方向に亙る若干の変位自在に支持して
いる。そして、このクラッチ用保持器17に設けた柱部
と上記各ローラ16、16との間にばねを設けて、これ
ら各ローラ16、16を、円周方向に関して同方向に弾
性的に押圧している。一方、上記各サポート軸受9、9
を構成する複数個のころ18、18は、それぞれ上記内
輪11の両端部外周面に形成した内輪軌道14、14と
上記外輪15の両端部内周面との間に、それぞれが合成
樹脂製の軸受用保持器19、19により転動自在に保持
した状態で設けている。
【0006】上述の様なオルネータ用一方向クラッチ内
蔵型プーリ装置を使用する理由は、次の通りである。例
えば、前記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであっ
た場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャ
フトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記
クランクシャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡
した図示しない無端ベルトの走行速度も細かく変動する
事になる。一方、この無端ベルトによりプーリ7aを介
して回転駆動されるオルタネータ1の回転軸3は、この
回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロータ5及び整
流子6(図4)等の慣性質量に基づき、それ程急激には
変動しない。従って、上記プーリ7aを回転軸3に対し
単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度
の変動に伴い、上記無端ベルトとプーリ7aとが両方向
に擦れ合う傾向となる。この結果、このプーリ7aと擦
れ合う無端ベルトに、繰り返し異なる方向の応力が作用
して、この無端ベルトとプーリ7aとの間に滑りが発生
し易くなったり、或はこの無端ベルトの寿命が短くなっ
たりする原因となる。
【0007】又、上述の様なプーリ7aの外周面と無端
ベルトの内周面との摩擦に基づく無端ベルトの寿命低下
は、走行時に加減速を繰り返す事によっても生じる。即
ち、加速時には無端ベルト側からプーリ7a側に駆動力
が伝達されるのに対し、減速時には上述の様に慣性に基
づいて回転し続けようとするプーリ7aに、上記無端ベ
ルトから制動力が作用する。この制動力と上記駆動力と
は、上記無端ベルトの内周面に対して逆方向の摩擦力と
して作用するので、やはり上記無端ベルトの寿命低下の
原因となる。特に、トラックの様に排気ブレーキを備え
た車両の場合には、アクセルオフ時に於けるクランクシ
ャフトの回転低下の減速度が著しく、上記制動力に基づ
いて上記無端ベルトの内周面に加わる摩擦力が大きくな
る結果、上記寿命低下が著しい。
【0008】そこで、上述の様なプーリ7aとして、上
記オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使
用する事により、上記無端ベルトの走行速度が一定若し
くは上昇傾向にある場合には、上記プーリ7aから回転
軸3への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベル
トの走行速度が低下傾向にある場合には、これらプーリ
7aと回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記
無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、上記
プーリ7aの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よ
りも遅くして、上記無端ベルトとプーリ7aとの当接部
が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、プーリ7
aと無端ベルトとの擦れ合い部に作用する応力の方向を
一定にし、この無端ベルトとプーリ7aとの間に滑りが
発生したり、或はこの無端ベルトの寿命が低下する事を
防止する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した様
な従来のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装
置の場合には、以下に示す様な改良すべき点がある。即
ち、上記従来構造の場合、一方向クラッチ10を構成す
るクラッチ用保持器17と、1対のサポート軸受9、9
を構成する軸受用保持器19、19とを、軸方向に亙り
互いに隣接して設けている。この為、スリーブ8とプー
リ7aとを相対回転させるオーバラン時に、上記各サポ
ート軸受9、9にスキュー(これら各サポート軸受9、
9を構成する複数のころ18、18の自転軸が、これら
各ころ18、18の正規の自転軸に対して傾く現象)が
発生し、上記複数のころ18、18及び上記各軸受用保
持器19、19が上記クラッチ用保持器17に向け変位
した場合には、上記各軸受用保持器19、19の軸方向
一端面と上記クラッチ用保持器17の両端面とが滑り接
触する。この場合、これら各保持器17、19はそれぞ
れ合成樹脂により造られている為、これら各保持器1
7、19の端縁同士の滑り接触部には、大きな摩擦熱が
発生する。
【0010】即ち、合成樹脂同士が滑り接触する場合に
於いて、滑り接触部の圧力Pと摩擦速度Vとを増大して
いくと、この滑り接触部で発生する摩擦熱により滑り接
触面が溶融し、上記合成樹脂が急激に変形する。上記滑
り接触面の溶融限界点を表す曲線を数式で表すと、PV
N =Kとなる。ここで、N及びKは定数で、実験例によ
るとNはほぼ1となる。合成樹脂同士が滑り接触する場
合は、合成樹脂と鋼とが滑り接触する場合に比べて溶融
限界のPV値が遥かに小さくなる。この為、条件によっ
ては、それぞれが合成樹脂製である、上記各保持器1
7、19の端縁が熱の為に溶融して、滑り接触面から急
激に熱変形する可能性がある。これら各保持器17、1
9が熱変形した場合には、オルタネータ用一方向クラッ
チ内蔵型プーリ装置の耐久性を確保する事が難しくなる
為、好ましくない。この場合、上記サポート軸受9、9
にスキューが発生しない様に、これら各サポート軸受
9、9を構成する内輪、外輪両軌道面の傾斜を抑えた
り、上記各ころ18、18にクラウニングを施さない様
にする事も考えられるが、この様な手段を採用した場合
でも、僅かなスキューの発生は避けられない為、他の解
決手段の提供が望まれる。本発明のオルタネータ用一方
向クラッチ内蔵型プーリ装置は、この様な事情に鑑みて
発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のオルタネータ用
一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、前述した従来から
知られているオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プー
リ装置と同様に、オルタネータの回転軸に外嵌固定自在
なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同
心に配置したプーリと、これらスリーブの外周面の軸方
向中間部とプーリの内周面の軸方向中間部との間に設
け、このプーリが上記スリーブに対し所定方向に相対回
転する傾向となる場合にのみプーリとスリーブとの間で
の回転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、この一
方向クラッチを軸方向両側から挟む状態で、上記スリー
ブの外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリ
に加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプ
ーリとの相対回転を自在とするサポート軸受とを備え
る。又、上記一方向クラッチは、複数個のロック部材と
これら各ロック部材を保持する合成樹脂製のクラッチ用
保持器とを備えたものであり、上記各サポート軸受は、
それぞれ複数個のころと、これら各ころを保持する合成
樹脂製の軸受用保持器とを備えたものである。特に、本
発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
に於いては、上記一方向クラッチの軸方向両端部と上記
各サポート軸受の軸方向一端部との間に、それぞれ金属
製のスぺーサを設ける事により、上記クラッチ用保持器
の軸方向端面と上記各軸受用保持器の軸方向端面とが直
接擦れ合うのを防止している。
【0012】
【作用】上述の様に構成する本発明の場合、一方向クラ
ッチの軸方向両端部と1対のサポート軸受の軸方向一端
部との間に、それぞれ金属製のスぺーサを設ける事によ
り、それぞれが合成樹脂製である、クラッチ用保持器の
軸方向端面と各軸受用保持器の軸方向端面とが直接擦れ
合うのを防止している。即ち、本発明の場合、スリーブ
とプーリとを相対回転させるオーバラン時に各サポート
軸受にスキューが発生し、これら各サポート軸受を構成
する複数のころ及び軸受用保持器が一方向クラッチに向
け変位した場合には、これら各軸受用保持器の一端面
(後述する実施の形態の第1〜2例の場合)若しくは複
数のころの一端面(後述する実施の形態の第3例の場
合)が、上記スぺーサの軸方向片面と滑り接触する。一
方、クラッチ用保持器の両端面も、上記各スぺーサの軸
方向他面と滑り接触(後述する実施の形態の第1例の場
合)若しくは単に当接(後述する実施の形態の第2〜3
例の場合)する。従って、本発明の場合には、それぞれ
が合成樹脂製である、クラッチ用保持器と各軸受用保持
器とが滑り接触する事はない。又、合成樹脂同士を滑り
接触させる場合よりも、合成樹脂と金属とを滑り接触さ
せる場合の方が、溶融限界のPV値を大きくできる。こ
の為、この滑り接触部で発生した摩擦熱により上記合成
樹脂製の各保持器が熱変形する事を防止でき、オルタネ
ータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の耐久性を十分
に確保できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。スリーブ8aの外周面とプーリ7b
の内周面との間には、それぞれがラジアルころ軸受であ
る1対のサポート軸受9a、9aと、1個の一方向クラ
ッチ10aとを設けている。このうちの一方向クラッチ
10aを構成する為、上記スリーブ8aの中間部外周面
に一方向クラッチ用内輪20を、締まり嵌めにより外嵌
固定している。この一方向クラッチ用内輪20は、軸受
鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼の
板材により全体を円筒状に形成し、外周面はカム面13
aとしている。又、上記各サポート軸受9a、9aを構
成する為、上記スリーブ8aの両端部外周面には、それ
ぞれ内輪21、21を、締まり嵌めにより外嵌固定して
いる。やはり、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM
415等の浸炭鋼の板材により造った、これら各内輪2
1、21は、それぞれ円筒部22の一端縁に外向フラン
ジ状の内輪側鍔部23を形成する事により、断面L字形
で全体を円筒状に形成している。
【0014】この様な各内輪21、21は、上記内輪側
鍔部23を互いに反対側に位置させた状態で上記スリー
ブ8aに外嵌し、それぞれの他端縁を上記一方向クラッ
チ用内輪20の軸方向両端縁に突き当てている。本例の
場合、上記各内輪21、21のうちの円筒部22、22
の外径を、上記一方向クラッチ用内輪20の外周面に形
成した複数の凹部12aの底部に関する内接円の直径よ
りも大きくしている。そして、上記一方向クラッチ10
aを構成するクラッチ用保持器17の内周面に形成して
上記各凹部12aと係合した各突片24、24の軸方向
片面を、上記各内輪21、21の端縁に対向させて、上
記クラッチ用保持器17が軸方向にずれ動く事を防止し
ている。
【0015】一方、上記プーリ7bには外輪25を、締
まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪25は、上
記一方向クラッチ10aの外輪としてだけでなく、前記
各サポート軸受9a、9aの外輪としても機能するもの
で、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM41
5等の浸炭鋼の板材にプレス加工を施す等により、全体
を円筒状に形成している。この様な外輪25の軸方向両
端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側鍔部26a、
26bを形成している。尚、これら両外輪側鍔部26
a、26bのうち、一方(図1の左方)の外輪側鍔部2
6aは、他の構成各部材と組み合わせる以前に形成する
為、上記外輪25の本体部分と同様の厚さ寸法を有す
る。これに対して、他方(図1の右方)の外輪側鍔部2
6bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形成する
為、薄肉にしている。
【0016】そして、上記一方向クラッチ10aは、上
記外輪25の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪
20の外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪
25の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪20の
外周面との間に、合成樹脂(例えば、ガラス繊維を20
〜30%混入したポリアミド46等)により籠型円筒状
に形成したクラッチ用保持器17と、それぞれが複数ず
つのローラ16(ロック部材)及び図示しないばねとを
設けている。又、クラッチ用保持器17は、前述した様
に、その内周面に形成した前記各突片24、24を上記
一方向クラッチ用内輪20のカム面13aを構成する凹
部12aに係合させて、この一方向クラッチ用内輪20
に対する相対回転を阻止している。
【0017】又、上記各サポート軸受9a、9aは、前
記各内輪21、21と上記外輪25の軸方向両端部寄り
部分とを含んで構成している。即ち、上記各内輪21、
21の外周面と上記外輪25の軸方向両端部寄り部分の
内周面との間に、それぞれ合成樹脂(例えば、ガラス繊
維を20〜30%混入したポリアミド46等)により籠
型円筒状に形成された軸受用保持器19、19と、この
軸受用保持器19、19により転動自在に保持された複
数のころ18、18とを配置して、ラジアルころ軸受を
構成している。
【0018】又、前記各外輪側鍔部26a、26bの外
側面と前記各内輪側鍔部23、23の内側面との間に
は、それぞれフローティングワッシャ27、27を、こ
れら各外輪側鍔部26a、26bと内輪側鍔部23、2
3とに対する相対回転を自在に装着している。上記各フ
ローティングワッシャ27、27は、銅等の自己潤滑性
を有する金属、タフトライド処理した金属、或は含油メ
タル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂
等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円輪状に形成して
いる。この様なフローティングワッシャ27、27は、
上記各外輪側鍔部26a、26bと内輪側鍔部23、2
3との間に、緩く挟持している。又、このフローティン
グワッシャ27、27は、上記各内輪21、21の外周
面、又は前記プーリ7bの内周面により案内(ラジアル
方向の変位を防止)している。
【0019】又、上記外輪25の軸方向端部内周面と上
記各内輪21、21の外周面との間の隙間は、それぞれ
シールリング28、28により塞いでいる。これら各シ
ールリング28、28は、それぞれ芯金29と弾性材3
0とにより構成しており、上記外輪25の両端部内周面
に、上記弾性材30の外径を弾性的に縮めた状態で、内
嵌支持している。そして、各弾性材30、30にそれぞ
れ複数本ずつ設けたシールリップの先端縁を、上記内輪
21、21の中間部外周面、並びに上記各外輪側鍔部2
6a、26bの内側面に摺接若しくは当接させている。
【0020】又、前記クラッチ用保持器17の軸方向両
端面と上記各軸受用保持器19、19の軸方向一端面
(図1の中央側端面)との間には、それぞれスぺーサ3
1、31を、これらクラッチ用保持器17と軸受用保持
器19、19とに対する相対回転を自在に装着してい
る。上記各スぺーサ31、31は、それぞれSPCC等
の鋼板にプレスによる打ち抜き加工を施す等により、円
輪状に形成している。この様なスぺーサ31、31は、
上記クラッチ用保持器17の軸方向両端面と上記各軸受
用保持器19、19の軸方向一端面との間に、緩く挟持
している。又、このスぺーサ31、31は、前記一方向
クラッチ用内輪20の外周面、又は上記外輪25の内周
面により案内(ラジアル方向の変位を防止)している。
【0021】上述の様に構成する本例の場合、クラッチ
用保持器17の軸方向両端面と各軸受用保持器19、1
9の軸方向一端面との間に、それぞれ金属製のスぺーサ
31、31を設けている。この為、スリーブ8aとプー
リ7bとを相対回転させるオーバラン時にも、上記クラ
ッチ用保持器17の軸方向両端面と上記各軸受用保持器
19、19の軸方向一端面とが滑り接触する事はない。
即ち、オーバラン時に各サポート軸受9a、9aにスキ
ューが発生し、これら各サポート軸受9a、9aを構成
する複数のころ18、18と軸受用保持器19、19と
が一方向クラッチ10aに向け変位した場合には、これ
ら各軸受用保持器19、19の軸方向一端面が上記各ス
ぺーサ31、31の軸方向片面と滑り接触する。同じく
上記クラッチ用保持器17の軸方向両端面も、上記各ス
ぺーサ31、31の軸方向他面と滑り接触する。
【0022】この様に本例の場合には、それぞれが合成
樹脂製である、クラッチ用保持器17と各軸受用保持器
19、19とを滑り接触させる事なく、これら各合成樹
脂製の保持器17、19と金属製のスぺーサ31、31
とを滑り接触させている。合成樹脂同士を滑り接触させ
る場合よりも、合成樹脂と金属とを滑り接触させる場合
の方が、溶融限界のPV値が大きくなる。この為、この
滑り接触部で発生する摩擦熱により上記合成樹脂製の各
保持器17、19が熱変形する事を防止できる。
【0023】次に、図2は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合、金属製の1対のスぺーサ
31、31は、それぞれの内周縁部分を、一方向クラッ
チ用内輪20の軸方向両端縁と1対の内輪21、21の
軸方向他端縁との間で挟持している。これにより、上記
各スぺーサ31、31の軸方向に亙る位置決めを図ると
共に、これら各スぺーサ31、31が上記各内輪20、
21に対して相対回転する事を阻止している。この様に
構成する本例の場合、クラッチ用保持器17の軸方向両
端面は、オーバラン時にも上記各スぺーサ31、31の
軸方向他面と滑り接触する事なく、単に当接するのみで
ある。その他の構成及び作用は、上述した第1例の場合
と同様である。
【0024】次に、図3は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合、金属製の1対のスぺーサ
31、31の外径寸法を各軸受用保持器19、19の内
径寸法よりも小さくして、これら各スぺーサ31、31
を、それぞれ上記各軸受用保持器19、19の一端部内
径側部分に配置している。これにより、オーバラン時に
1対のサポート軸受9a、9aにスキューが発生し、複
数のころ18、18及び上記各軸受用保持器19、19
が一方向クラッチ10aに向け変位した場合に、上記各
ころ18、18の端面を上記各スぺーサの軸方向片面に
滑り接触させる様にしている。
【0025】一方、クラッチ用保持器17aの軸方向両
端面で、上記各軸受用保持器19、19の軸方向一端面
と対向する外径側部分には、軸方向中央側に凹入する段
部32、32を形成している。これにより、上記クラッ
チ用保持器17aの軸方向両端面と上記各軸受用保持器
19、19の軸方向一端面とが干渉(滑り接触)するの
を防止している。この様な本例の場合には、上記クラッ
チ用保持器17aの軸方向両端面の内径側部分に形成さ
れた1対の突出部33、33の先端縁を、それぞれ上記
各スぺーサ31、31の軸方向他面に近接若しくは当接
させる事により、このクラッチ用保持器17aが軸方向
にずれ動くのを防止している。尚、上記各突出部33、
33の外周面が上記各軸受用保持器19、19の一端部
内周面と干渉する事を防止すべく、これら各突出部33
の外径寸法は、上記各軸受用保持器19、19の内径寸
法よりも小さく(好ましくは上記各スぺーサ31、31
の外径寸法よりも小さく)する。
【0026】上述の様に構成する本例の場合も、オーバ
ラン時に上記クラッチ用保持器17aと上記各軸受用保
持器19、19とが滑り接触する事はない。この為、こ
れら各保持器17a、19が熱変形する事を防止して、
オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の耐久
性を十分に確保できる。
【0027】尚、上述した各例では、一方向クラッチと
して複数のロック部材がローラ16、16である、ロー
ラクラッチを採用した場合に就いて述べたが、本発明は
これに限るものではない。例えば、複数のロック部材と
してスプラグを使用する、スプラグ型一方向クラッチを
採用する場合でも本発明を適用できる。
【0028】
【発明の効果】本発明のオルタネータ用一方向クラッチ
内蔵型プーリ装置は、以上に述べた通り構成され作用す
るので、それぞれが合成樹脂製である、クラッチ用保持
器と軸受用保持器との熱変形を防止して、オルタネータ
用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の耐久性を十分に確
保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面
図。
【図2】同第2例を示す半部断面図。
【図3】同第3例を示す半部断面図。
【図4】従来から知られているオルタネータの1例を示
す断面図。
【図5】従来構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 ハウジング 3 回転軸 4 転がり軸受 5 ロータ 6 整流子 7、7a、7b プーリ 8、8a スリーブ 9、9a サポート軸受 10、10a 一方向クラッチ 11 内輪 12、12a 凹部 13、13a カム面 14 内輪軌道 15 外輪 16 ローラ 17、17a クラッチ用保持器 18 ころ 19 軸受用保持器 20 一方向クラッチ用内輪 21 内輪 22 円筒部 23 内輪側鍔部 24 突片 25 外輪 26a、26b 外輪側鍔部 27 フローティングワッシャ 28 シールリング 29 芯金 30 弾性材 31 スペーサ 32 段部 33 突出部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルタネータの回転軸に外嵌固定自在な
    スリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心
    に配置したプーリと、これらスリーブの外周面の軸方向
    中間部とプーリの内周面の軸方向中間部との間に設け、
    このプーリが上記スリーブに対し所定方向に相対回転す
    る傾向となる場合にのみプーリとスリーブとの間での回
    転力の伝達を自在とする一方向クラッチと、この一方向
    クラッチを軸方向両側から挟む状態で、上記スリーブの
    外周面とプーリの内周面との間に設け、このプーリに加
    わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリ
    との相対回転を自在とするサポート軸受とを備え、上記
    一方向クラッチは、複数個のロック部材とこれら各ロッ
    ク部材を保持する合成樹脂製のクラッチ用保持器とを備
    えたものであり、上記各サポート軸受は、それぞれ複数
    個のころと、これら各ころを保持する合成樹脂製の軸受
    用保持器とを備えたものであるオルタネータ用一方向ク
    ラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、上記一方向クラッチ
    の軸方向両端部と上記各サポート軸受の軸方向一端部と
    の間に、それぞれ金属製のスぺーサを設ける事により、
    上記クラッチ用保持器の軸方向端面と上記各軸受用保持
    器の軸方向端面とが直接擦れ合うのを防止した事を特徴
    とするオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装
    置。
JP11099611A 1999-04-07 1999-04-07 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置 Pending JP2000291782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11099611A JP2000291782A (ja) 1999-04-07 1999-04-07 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11099611A JP2000291782A (ja) 1999-04-07 1999-04-07 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000291782A true JP2000291782A (ja) 2000-10-20

Family

ID=14251903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11099611A Pending JP2000291782A (ja) 1999-04-07 1999-04-07 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000291782A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002101256A1 (en) * 2000-03-28 2002-12-19 Nsk Ltd. One-way clutch built-in type rotation transmission device
US7108113B2 (en) 2000-03-28 2006-09-19 Nsk Ltd. One-way clutch built-in type rotation transmission device
DE102007003405A1 (de) * 2007-01-23 2008-07-24 Schaeffler Kg Freilaufriemenscheibe
WO2009021938A1 (de) * 2007-08-14 2009-02-19 Schaeffler Kg Freilaufriemenscheibe

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002101256A1 (en) * 2000-03-28 2002-12-19 Nsk Ltd. One-way clutch built-in type rotation transmission device
US7108113B2 (en) 2000-03-28 2006-09-19 Nsk Ltd. One-way clutch built-in type rotation transmission device
DE102007003405A1 (de) * 2007-01-23 2008-07-24 Schaeffler Kg Freilaufriemenscheibe
WO2009021938A1 (de) * 2007-08-14 2009-02-19 Schaeffler Kg Freilaufriemenscheibe

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6464057B2 (en) Pulley with a built-in one-way clutch
JPWO2003067128A1 (ja) エンジン始動用ローラクラッチ内蔵型回転伝達装置
JP2000297860A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000240461A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置とオルタネータ駆動用無端ベルトの鳴き防止方法
WO2002002967A1 (fr) Dispositif de poulie integre pour embrayage a roue libre
JP3652207B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置
JP2002130433A (ja) 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置
JP2000291782A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2001349413A (ja) ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JPH10213207A (ja) ローラクラッチ内蔵型プーリ
JP2000337405A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2010185547A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000283267A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP4269415B2 (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000234667A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2001165201A (ja) 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置
JPH1163170A (ja) オルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000310314A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその組立方法
JP2000240687A (ja) ローラクラッチ及びオルタネータ用ローラクラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000227151A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2000227151A5 (ja)
JP2000320651A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置及びその製造方法
JP2001041314A (ja) オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JPH11148549A (ja) ローラクラッチ内蔵型プーリ
JP2001099272A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置