JP2000227151A5 - - Google Patents

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JP2000227151A5
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Description

【書類名】 明細書
【発明の名称】 オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オルタネータの回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した従動プーリと、これらスリーブの外周面の軸方向中間部と従動プーリの内周面の軸方向中間部との間に設け、この従動プーリが上記スリーブに対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみこれら従動プーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする機能を有する一方向クラッチと、上記スリーブの外周面と上記従動プーリの内周面との間に設け、この従動プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブと従動プーリとの相対回転を自在とするサポート軸受とを備えたオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いて、上記一方向クラッチは、複数個のローラとこれら各ローラを保持する保持器とを備え、これら各ローラと一方向クラッチ用内輪の外周面に設けた複数のランプ部との係合に基づいて上記機能を発揮させるローラクラッチであり、上記一方向クラッチの保持器は、この保持器の内周面から径方向内方に突出する状態で形成した突片と上記各ランプ部との係合に基づき、上記一方向クラッチ用内輪に対する上記保持器の相対回転を阻止すると共に、上記突片の内接円の直径を上記サポート軸受を構成する内輪の外径よりも小さくしている事を特徴とするオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、自動車用の発電機であるオルタネータの回転軸の端部に固定し、エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡す事により、上記オルタネータを駆動する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の駆動用エンジンを駆動源として、自動車に必要な発電を行なうオルタネータの構造が、例えば特開平7−139550号公報に記載されている。図5は、この公報に記載されたオルタネータ1を示している。ハウジング2の内側に回転軸3を、1対の転がり軸受4、4により、回転自在に支持している。この回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とを設けている。又、この回転軸3の一端部(図5の右端部)で上記ハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7を固定している。エンジンへの組み付け状態では、この従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャフトにより、上記回転軸3を回転駆動自在とする。
【0003】
上記従動プーリ7として従来一般的には、単に上記回転軸3に固定しただけのものを使用していた。これに対して近年、無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、無端ベルトから回転軸への動力の伝達を自在とし、無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、従動プーリと回転軸との相対回転を自在とする、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が各種提案され、一部で使用されている。例えば、特開昭56−101353号公報、特開平7−317807号公報、同8−61443号公報、特公平7−72585号公報、フランス特許公報FR2726059A1等に、上述の様な機能を有するオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が記載されている。又、一部ではこの様なオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置が、実際に使用されている。
【0004】
図6は、このうち特開平8−61443号公報に記載されているオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を示している。このオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、上記回転軸3に外嵌固定自在なスリーブ8を有する。そして、このスリーブ8の周囲に従動プーリ7aを、このスリーブ8と同心に配置している。そして、これらスリーブ8の外周面と従動プーリ7aの内周面との間に、1対のサポート軸受9、9と一方向クラッチ10とを設けている。このうちのサポート軸受9、9は、上記従動プーリ7aに加わるラジアル荷重を支承しつつ、上記スリーブ8と従動プーリ7aとの相対回転を自在とする。又、上記一方向クラッチ10は、上記従動プーリ7aが上記スリーブ8に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、この従動プーリ7aからスリーブ8への回転力の伝達を自在とする。
【0005】
この様なオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する理由は、次の通りである。例えば、上記駆動用エンジンがディーゼルエンジンであった場合、アイドリング時等、低回転時にはクランクシャフトの回転角速度の変動が大きくなる。この結果、上記クランクシャフトの端部に固定した駆動プーリに掛け渡した無端ベルト11の走行速度も細かく変動する事になる。一方、この無端ベルト11により従動プーリ7aを介して回転駆動されるオルタネータ1(図5)の回転軸3は、この回転軸3並びにこの回転軸3に固定したロータ5及び整流子6(図5)等の慣性質量に基づき、それ程急激には変動しない。従って、上記従動プーリ7aを回転軸3に対し単に固定した場合には、クランクシャフトの回転角速度の変動に伴い、上記無端ベルト11と従動プーリ7aとが両方向に擦れ合う傾向となる。この結果、この従動プーリ7aと擦れ合う無端ベルト11に、繰り返し異なる方向の応力が作用して、この無端ベルト11と従動プーリ7aとの間に滑りが発生し易くなったり、或はこの無端ベルト11の寿命が短くなったりする原因となる。
【0006】
又、上述の様な従動プーリ7aの外周面と無端ベルト11の内周面との摩擦に基づく無端ベルト11の寿命低下は、走行時に加減速を繰り返す事によっても生じる。即ち、加速時には無端ベルト11側から従動プーリ7a側に駆動力が伝達されるのに対し、減速時には上述の様に慣性に基づいて回転し続けようとする従動プーリ7aに、上記無端ベルト11から制動力が作用する。この制動力と上記駆動力とは、上記無端ベルト11の内周面に対して逆方向の摩擦力として作用するので、やはり上記無端ベルト11の寿命低下の原因となる。特に、トラックの様に排気ブレーキを備えた車両の場合には、アクセルオフ時に於けるクランクシャフトの回転低下の減速度が著しく、上記制動力に基づいて上記無端ベルト11の内周面に加わる摩擦力が大きくなる結果、上記寿命低下が著しい。
【0007】
そこで、上述の様な従動プーリ7aとして、上記オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を使用する事により、上記無端ベルト11の走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記従動プーリ7aから回転軸3への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルト11の走行速度が低下傾向にある場合には、これら従動プーリ7aと回転軸3との相対回転を自在とする。即ち、上記無端ベルト11の走行速度が低下傾向にある場合には、上記従動プーリ7aの回転角速度を上記回転軸3の回転角速度よりも遅くして、上記無端ベルト11と従動プーリ7aとの当接部が強く擦れ合う事を防止する。この様にして、従動プーリ7aと無端ベルト11との擦れ合い部に作用する応力の方向を一定にし、この無端ベルト11と従動プーリ7aとの間に滑りが発生したり、或はこの無端ベルト11の寿命が低下する事を防止する。
【0008】
上述した様なオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を構成する場合、一方向クラッチとしては、何れも従来から周知である、複数個のロック部材としてスプラグを使用するスプラグ型の一方向クラッチ、或は複数個のロック部材としてローラを使用するローラクラッチを使用する。何れの一方向クラッチの場合でも、ロック部材を保持する為の保持器が必要である。そして、この様な一方向クラッチをオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に組み込んだ状態では、上記保持器が軸方向にずれ動くのを防止する必要がある。
この為従来から、特開平7−317807号公報に記載されている様に、一方向クラッチを内蔵したプーリと保持器との間に係合部を設け、この保持器の軸方向移動を防止する事が考えられていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
保持器の軸方向移動を防止する為、プーリと保持器との間に係合部を設ける作業は面倒で、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置のコストを高くする原因となる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、プーリや保持器に余分な加工を施す事なく一方向クラッチを構成する保持器が軸方向に変位する事を防止できる、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置を実現すべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、従来から知られているオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置と同様に、オルタネータの回転軸に外嵌固定自在なスリーブと、このスリーブの周囲にこのスリーブと同心に配置した従動プーリと、これらスリーブの外周面の軸方向中間部と従動プーリの内周面の軸方向中間部との間に設け、この従動プーリが上記スリーブに対し所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これら従動プーリとスリーブとの間での回転力の伝達を自在とする機能を有する一方向クラッチと、上記スリーブの外周面と上記従動プーリの内周面との間に設け、この従動プーリに加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブと従動プーリとの相対回転を自在とするサポート軸受とを備える。
【0011】
特に、本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置に於いては、上記一方向クラッチは、複数個のローラとこれら各ローラを保持する保持器とを備えたものであり、これら各ローラと一方向クラッチ用内輪の外周面に設けた複数のランプ部との係合に基づいて上記機能を発揮させるローラクラッチである。又、上記一方向クラッチの保持器は、この保持器の内周面から径方向内方に突出する状態で形成した突片と上記各ランプ部との係合に基づき、上記一方向クラッチ用内輪に対する上記保持器の相対回転を阻止すると共に、上記突片の内接円の直径を上記サポート軸受を構成する内輪の外径よりも小さくしている。
【0012】
【作用】
上述の様に構成する本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、サポート軸受を構成する内輪により、一方向クラッチを構成する保持器が軸方向に変位する事を阻止する。従って、この一方向クラッチを構成する、硬質金属製の軌道輪に、面倒な加工を施す必要がなくなり、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置のコスト低減を図れる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に関する参考例の第1例を示している。スリーブ8は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータの回転軸3(図5〜6参照)の端部に外嵌固定して、この回転軸3と共に回転自在である。この為に図示の例では、上記スリーブ8の中間部内周面に雌スプライン部12を形成し、この雌スプライン部12と上記回転軸3の端部外周面に形成した雄スプライン部(図示省略)とを係合自在としている。尚、上記回転軸3とスリーブ8との相対回転を防止する為の構造は、スプラインに代えて、ねじ、或は非円筒面同士の嵌合、キー係合等としても良い。
【0014】
上述の様なスリーブ8の周囲には従動プーリ7bを、このスリーブ8と同心に配置している。この従動プーリ7bは、その内側に次述するサポート軸受9a、9a及びスプラグ式の一方向クラッチ10aを装着する。又、上記従動プーリ7bの外周面は、幅方向に亙る断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。
【0015】
前述の様に構成するスリーブ8の外周面と上述の様に構成する従動プーリ7bの内周面との間には、1対のサポート軸受9a、9aと、1個の一方向クラッチ10aとを設けている。このうちのサポート軸受9a、9aは、上記従動プーリ7bに加わるラジアル荷重を支承しつつ上記スリーブ8と従動プーリ7bとの相対回転を自在とする。図示の例では、上記各サポート軸受9a、9aとして、深溝型の玉軸受を使用している。即ち、これら各サポート軸受9a、9aは、それぞれ内周面に深溝型の外輪軌道13、13を有する外輪14、14と、それぞれの外周面に深溝型の内輪軌道15、15を有する内輪16、16と、上記外輪軌道13、13と内輪軌道15、15との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた転動体(玉)17、17とから成る。この様な各サポート軸受9a、9aは、それぞれの外輪14、14を上記従動プーリ7bの内周面両端部に締り嵌めにより内嵌固定し、それぞれの内輪16、16を上記スリーブ8の外周面両端部に締り嵌めにより外嵌固定する事により、上記スリーブ8の外周面両端部と従動プーリ7bの内周面両端部との間に設けている。
【0016】
又、上記一方向クラッチ10aは、上記従動プーリ7bがスリーブ8に対して所定方向に回転する傾向となる場合にのみ、従動プーリ7bとスリーブ8との間での回転力の伝達を自在とする。この様な一方向クラッチ10aを構成する為、上記スリーブ8の中間部外周面に一方向クラッチ用内輪18を、締まり嵌めにより外嵌固定している。この一方向クラッチ用内輪18は、軸受鋼等の硬質金属により全体を円筒状に形成しており、内外両周面は、それぞれ円筒面としている。又、上記従動プーリ7bの中間部内周面には一方向クラッチ用外輪19を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この一方向クラッチ用外輪19は、やはり軸受鋼等の硬質金属により、全体を円筒状に形成しており、内外両周面は、それぞれ円筒面としている。そして、上記一方向クラッチ用内輪18の外周面と上記一方向クラッチ用外輪19の内周面との間に、それぞれがロック部材である、複数個の非円形のスプラグ20を、保持器21により保持した状態で設けている。本参考例の場合、この保持器21は、鋼板等の金属板にプレス加工等の塑性加工を施して成る。
【0017】
この保持器21と各スプラグ20との間にはばね等の弾性材を設け、この弾性材によりこれら各スプラグ20を、上記一方向クラッチ用内輪18の外周面と上記一方向クラッチ用外輪19の内周面とに押し付ける方向の弾性を付与している。上記各スプラグ20は、上記一方向クラッチ用内輪18と上記一方向クラッチ用外輪19とが所定方向に相対回転する場合には、これら一方向クラッチ用内輪18の外周面と一方向クラッチ用外輪19の内周面との間で突っ張り、これら一方向クラッチ用内輪18と一方向クラッチ用外輪19との間で回転力の伝達を行なわせる。これに対して、上記一方向クラッチ用内輪18と上記一方向クラッチ用外輪19とが逆方向に相対回転する場合に上記各スプラグ20は、これら一方向クラッチ用内輪18の外周面と一方向クラッチ用外輪19の内周面とに対して滑り、これら一方向クラッチ用内輪18と一方向クラッチ用外輪19との間で回転力の伝達を行なわせない。尚、この様なスプラグ型の一方向クラッチ10aの構造及び作用は、従来から周知であるので、詳しい説明は省略する。尚、上記各スプラグ20の形状は、伝達すべきトルクの大きさ等に応じて各種の形状を採用できる。
【0018】
更に、本参考例のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記一方向クラッチ用内輪18の外径D18を、前記各サポート軸受9a、9aを構成する内輪16、16の外径D16よりも小さく(D18<D16)している。従って、上記一方向クラッチ用内輪18の外周面は、上記各サポート軸受9a、9aを構成する内輪16、16の外周面よりも、直径方向内方に凹入している。そして、上記一方向クラッチ10aを構成する保持器21の内径R21を、上記一方向クラッチ用内輪18の外径D18よりも大きく、前記各サポート軸受9a、9aを構成する内輪16、16の外径D16よりも小さく(D18<R21<D16)している。従って、上記保持器21の軸方向両側面の内径寄り端部は、それぞれ上記各内輪16、16の軸方向端面に対向している。従って、上記保持器21は、上記各内輪16、16により軸方向(図1の左右方向)に亙る変位を阻止されている。この為、上記保持器21に保持された上記各スプラグ20が、上記一方向クラッチ用内輪18の外周面と一方向クラッチ用外輪19の内周面とから外れる事はない。
【0019】
上述の様に構成する本参考例のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記一方向クラッチ10aの働きにより、無端ベルトを掛け渡した前記従動プーリ7bの回転速度が、オルタネータの回転軸に固定したスリーブ8の回転速度以上の場合にのみ、上記従動プーリ7bからこの回転軸にトルクを伝達する。逆に言えば、上記従動プーリ7bの回転速度が上記スリーブ8の回転速度未満の場合には、これら従動プーリ7bとスリーブ8との接続を断ち、上記無端ベルトに無理な力が加わる事を防止する。特に、本参考例のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の場合には、上記各サポート軸受9a、9aを構成する内輪16、16により、一方向クラッチ10aを構成する保持器21が軸方向に変位する事を阻止している。従って、この一方向クラッチ10aを構成する、それぞれが軸受鋼等の硬質金属製の一方向クラッチ用内輪18や一方向クラッチ用外輪19に、面倒な加工を施す必要がなくなり、オルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置のコスト低減を図れる。
【0020】
又、図示の例では、上記保持器21の外径D21を、上記各サポート軸受9a、9aを構成する外輪14、14の内径R14よりも小さく(D21<R14)している。従って、上記保持器21の軸方向片側面の内径寄り端部が、何れかのサポート軸受9aを構成する内輪16の端面に突き当たった場合でも、上記保持器21の軸方向片側面の外径寄り端部が上記何れかのサポート軸受9aを構成する外輪14の端面に接触する事はない。従って、上記保持器21が、相対回転する外輪14と内輪16とに掛け渡される様に擦れ合って、当該サポート軸受9aの回転抵抗を増大させる事はない。
【0021】
尚、本参考例の変形例として、上記保持器21の外径及び内径を図示の例よりも大きくし、この保持器21の軸方向両側面外径寄り端部と、上記各サポート軸受9a、9aを構成する外輪14、14の軸方向端面との係合により、上記保持器21の軸方向変位を防止する事もできる。更には、上記保持器21は、必ずしも全周に亙って上記各サポート軸受9a、9aを構成する外輪14、14或は内輪16、16の軸方向端面と係合させる必要はない。円周方向の一部を直径方向に突出させ、この突出した部分を、上記外輪14、14或は内輪16、16の軸方向端面と係合させても良い。
【0022】
何れにしても、本参考例のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置の様に、一方向クラッチ10aを構成する保持器21の軸方向に亙る変位を、上記外輪14、14或は内輪16、16の軸方向端面との係合に基づいて阻止する様に構成すれば、これら外輪14、14或は内輪16、16を嵌合固定する嵌合面である、前記従動プーリ7bの内周面或は前記スリーブ8の外周面を、軸方向全長に亙りほぼ同一径寸法(内径或は外径)にできて、これら従動プーリ7b或はスリーブ8の加工作業が容易で、コスト低減を図れる。尚、図示の例では、これら従動プーリ7bの内周面及びスリーブ8の外周面の双方を、軸方向全長に亙りほぼ同一径寸法を有する円筒面としている。但し、上記各サポート軸受9a、9aに要求される基本動定格荷重の大きさ、上記一方向クラッチ10aに要求されるトルク容量の値によっては、上記両周面を軸方向全長に亙りほぼ同一径寸法を有する円筒面にできない場合がある。この様な場合には、何れか一方の周面のみをこの様な円筒面とし、当該周面に嵌合固定した軌道輪(外輪14、14或は内輪16、16)により、上記保持器21の軸方向に亙る変位を阻止する様に構成する。
【0023】
次に、図2は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合には、一方向クラッチ10bとして、ローラクラッチを使用している。従って、本例の場合には、この一方向クラッチ10bを構成する一方向クラッチ用内輪18aの外周面に、ランプ部と呼ばれる複数の凹部24を、円周方向に亙って等間隔に形成し、この外周面にカム面22を形成している。これに対して、一方向クラッチ用外輪19aの内周面は、単なる円筒面としている。又、これら一方向クラッチ用内輪18a及び一方向クラッチ用外輪19aと共に上記一方向クラッチ10bを構成する、それぞれがロック部材である複数個のローラ23は、合成樹脂製の保持器21aに、転動及び円周方向に亙る若干の変位自在に支持している。そして、この保持器21aに設けた柱部と上記各ローラ23との間に、ばね等の弾性材を設けて、これら各ローラ23を、円周方向に関して同方向に弾性的に押圧している。尚、ローラクラッチの構造及び作用も、スプラグ型の一方向クラッチと同様、従来から周知であるから、詳しい図示並びに説明は省略する。
【0024】
又、本例の場合には、上記保持器21aの内周面の軸方向両端部で上記各凹部24に整合する部分に突片25、25を形成し、この突片25、25を、これら各凹部24内に進入させて、上記一方向クラッチ用内輪18aに対する上記保持器21aの回転防止を図っている。これら各突片25、25の最大内接円の直径D25は、1対のサポート軸受9a、9aを構成する内輪16、16の外径D16よりも小さく(D25<D16)している。従って、本例の場合には、上記各突片25、25の軸方向片側面と上記各内輪16、16の軸方向端面との係合により、上記保持器21aの軸方向に亙る変位を防止している。この為、本例の場合には、この保持器21aに保持した上記各ローラ23が、上記一方向クラッチ用外輪19aの内周面や上記一方向クラッチ用内輪18aの外周面に形成したカム面22から外れる事はない。
【0025】
尚、図示の例では、上記保持器21aの軸方向両端部が、上記各サポート軸受9a、9aを構成する外輪14、14の内周面と内輪16、16の外周面との間の空間内に入り込んでいる。この様に構成する理由は、上記保持器21aの軸方向両端部に設けたリム部26、26の断面積を確保し、この保持器21aの剛性を確保する為である。又、本例の場合には、上記各突片25、25を上記各凹部24に、締り嵌めで係合させる事も可能であるが、この場合でも、上記各突片25、25の最大内接円の直径D25を上記各内輪16、16の外径D16よりも小さくして、上記各突片25、25と上記各凹部24との係合が緩んだ場合でも、上記保持器21aの軸方向変位を防止する必要がある。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
【0026】
次に、図3は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合も、一方向クラッチ10cとしてローラクラッチを使用している。特に、本参考例の場合には、この一方向クラッチ10cを構成する一方向クラッチ用内輪18bの軸方向寸法を、同じくこの一方向クラッチ10cを構成する一方向クラッチ用外輪19aの軸方向寸法よりも短くしている。そして、上記一方向クラッチ用内輪18bの軸方向一端面(図3の右端面)と、一方(図3の右方)のサポート軸受9aを構成する内輪16の軸方向端面との間に隙間27を、全周に亙って介在させている。一方、上記一方向クラッチ10cを構成する保持器21bの内周面の軸方向一端部には、内向フランジ状の係合鍔部28を、全周に亙り連続して、或は間欠的に形成している。そして、この係合鍔部28を上記隙間27に、緩く挿入若しくは圧入している。この様な本参考例の場合には、これら係合鍔部28と隙間27との係合に基づき、上記保持器21bの軸方向に亙る変位を防止して、この保持器21bに保持した各ローラ23が、上記一方向クラッチ用外輪19aの内周面や上記一方向クラッチ用内輪18bの外周面に形成したカム面22から外れる事を防止する。
【0027】
尚、図示の参考例では、上記一方向クラッチ10cを構成する一方向クラッチ用内輪18bの軸方向一端面と一方のサポート軸受9aを構成する内輪16の軸方向端面との間に隙間27を設けているが、上記一方向クラッチ10cを構成する一方向クラッチ用内輪18bの一端部に小径部を設け、この小径部の端面を上記一方のサポート軸受9aを構成する内輪16の軸方向端面に突き当てる事もできる。この様な場合に上記係合鍔部28は、上記小径部の外径側に挿入する。その他の構成及び作用は、上述した本発明の実施の形態の1例の場合と同様であるから、同等部分に関する説明は省略する。
【0028】
次に、図4は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合には、スリーブ8の外周面と従動プーリ7bの内周面との間に、それぞれがラジアルころ軸受である1対のサポート軸受9b、9bと、ローラクラッチである1個の一方向クラッチ10dとを設けている。このうちの一方向クラッチ10dを構成する為、上記スリーブ8の中間部外周面に一方向クラッチ用内輪18cを、締まり嵌めにより外嵌固定している。この一方向クラッチ用内輪18cは、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼の板材により全体を円筒状に形成し、外周面はカム面22aとしている。又、上記各サポート軸受9b、9bを構成する為、上記スリーブ8の両端部外周面には、それぞれ内輪16a、16aを、締まり嵌めにより外嵌固定している。やはり、軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼の板材により造った、これら各内輪16a、16aは、それぞれ円筒部38の一端縁に外向フランジ状の内輪側鍔部29を形成する事により、断面L字形で全体を円筒状に形成している。
【0029】
この様な各内輪16a、16aは、上記内輪側鍔部29を互いに反対側に位置させた状態で上記スリーブ8に外嵌し、それぞれの先端縁を上記一方向クラッチ用内輪18cの軸方向両端縁に突き当てている。本参考例の場合、上記各内輪16a、16aのうちの円筒部の外径D16a を、上記一方向クラッチ用内輪18cの外周面に形成した複数の凹部24の底部に関する内接円の直径D24よりも大きく(D16a >D24)している。そして、上記一方向クラッチ10dを構成する保持器21cの内周面に形成して上記各凹部24と係合した各突片25a、25aの軸方向片面を、上記各内輪16a、16aの端縁に対向させて、上記保持器21cが軸方向にずれ動く事を防止している。
【0030】
一方、上記従動プーリ7bの中間部には外輪30を、締まり嵌めにより内嵌固定している。この外輪30は、上記一方向クラッチ10dの外輪としてだけでなく、前記各サポート軸受9b、9bの外輪としても機能するもので、やはり軸受鋼等の硬質金属製の板材又はSCM415等の浸炭鋼の板材にプレス加工を施す等により、全体を円筒状に形成している。この様な外輪30の軸方向両端縁に、それぞれ内向フランジ状の外輪側鍔部31a、31bを形成している。尚、これら両外輪側鍔部31a、31bのうち、一方(図4の左方)の外輪側鍔部31aは、他の構成各部材と組み合わせる以前に形成する為、上記外輪30の本体部分と同様の厚さ寸法を有する。これに対して、他方(図4の右方)の外輪側鍔部31bは、他の構成各部材と組み合わせた後に形成する為、薄肉にしている。
【0031】
そして、前記一方向クラッチ10dは、上記外輪30の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪18cの外周面とを含んで構成している。即ち、上記外輪30の中間部内周面と上記一方向クラッチ用内輪18cの外周面との間に、合成樹脂により籠型円筒状に形成した保持器21cと、それぞれが複数ずつのローラ23及び図示しないばねとを設けている。又、保持器21cは、上述した様に、その内周面に形成した上記各突片25a、25aを上記一方向クラッチ用内輪18cのカム面22aを構成する凹部24に係合させて、この一方向クラッチ用内輪18cに対する相対回転を阻止している。
【0032】
又、上記各サポート軸受9b、9bは、前記各内輪16a、16aと上記外輪30の軸方向両端部寄り部分とを含んで構成している。即ち、上記各内輪16a、16aの外周面と上記外輪30の軸方向両端部寄り部分の内周面との間に、それぞれ合成樹脂により籠型円筒状に形成された保持器32、32と、この保持器32、32により転動自在に保持された複数のころ33、33とを配置して、ラジアルころ軸受を構成している。
【0033】
又、前記各外輪側鍔部31a、31bの外側面と前記各内輪側鍔部29、29の内側面との間には、それぞれフローティングワッシャ34、34を、これら各外輪側鍔部31a、31bと内輪側鍔部29、29とに対する相対回転を自在に装着している。上記各フローティングワッシャ34、34は、銅等の自己潤滑性を有する金属、タフトライド処理した金属、或は含油メタル等の潤滑油を含浸させた金属材、若しくはポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ四弗化エチレン樹脂等の摩擦係数の低い合成樹脂により、円輪状に形成している。この様なフローティングワッシャ34、34は、上記各外輪側鍔部31a、31bと内輪側鍔部29、29との間に、緩く挟持している。又、このフローティングワッシャ34、34は、上記各内輪16a、16aの外周面、又は前記従動プーリ7bの内周面により案内(ラジアル方向の変位を防止)する。
【0034】
又、上記外輪30の軸方向端部内周面と上記各内輪16a、16aの外周面との間の隙間は、それぞれシールリング35、35により塞いでいる。これら各シールリング35、35は、それぞれ芯金36と弾性材37とにより構成しており、上記外輪30の両端部内周面に、上記弾性材37の外径を弾性的に縮めた状態で、内嵌支持している。そして、各弾性材37、37にそれぞれ複数本ずつ設けたシールリップの先端縁を、上記内輪16a、16aの中間部外周面、並びに上記各外輪側鍔部31a、31bの内側面に摺接若しくは当接させている。尚、上記各シールリング35、35の芯金36の片側面で、前記各サポート軸受9b、9bを構成する保持器32の端面に対向する部分は、上記弾性材37により覆われない様にして、仮にこの保持器32の端面と上記芯金36の片側面とが摺接した場合でも、摺動抵抗を低く抑えられる様にしている。この様に構成する本例の構造の場合も、特に面倒な加工や余分な部品を要する事なく、前記一方向クラッチ10dを構成する保持器21cが軸方向にずれる事を防止して、ロック部材である各ローラ23が、一方向クラッチ用内輪18cの外周面に形成したカム面22aから外れる事を防止できる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のオルタネータ用一方向クラッチ内蔵型プーリ装置は、以上に述べた通り構成され作用するので、信頼性の高い構造を、特にコストを高くする事なく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に関する参考例の第1例を示す半部断面図。
【図2】
本発明の実施の形態の第1例を示す半部断面図。
【図3】
本発明に関する参考例の第2例を示す半部断面図。
【図4】
同第3例を示す半部断面図。
【図5】
従来から知られているオルタネータの1例を示す断面図。
【図6】
従来構造の1例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 オルタネータ
2 ハウジング
3 回転軸
4 転がり軸受
5 ロータ
6 整流子
7、7a、7b 従動プーリ
8 スリーブ
9、9a、9b サポート軸受
10、10a、10b、10c、10d 一方向クラッチ
11 無端ベルト
12 雌スプライン部
13 外輪軌道
14 外輪
15 内輪軌道
16、16a 内輪
17 転動体
18、18a、18b、18c 一方向クラッチ用内輪
19、19a 一方向クラッチ用外輪
20 スプラグ
21、21a、21b、21c 保持器
22、22a カム面
23 ローラ
24 凹部
25、25a 突片
26 リム部
27 隙間
28 係合鍔部
29 内輪側鍔部
30 外輪
31a、31b 外輪側鍔部
32 保持器
33 ころ
34 フローティングワッシャ
35 シールリング
36 芯金
37 弾性材
38 円筒部
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