JP2005009576A - 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置 - Google Patents

一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005009576A
JP2005009576A JP2003174277A JP2003174277A JP2005009576A JP 2005009576 A JP2005009576 A JP 2005009576A JP 2003174277 A JP2003174277 A JP 2003174277A JP 2003174277 A JP2003174277 A JP 2003174277A JP 2005009576 A JP2005009576 A JP 2005009576A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
housing
way clutch
seal ring
built
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003174277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005009576A5 (ja
Inventor
Osamu Morita
修 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2003174277A priority Critical patent/JP2005009576A/ja
Publication of JP2005009576A publication Critical patent/JP2005009576A/ja
Publication of JP2005009576A5 publication Critical patent/JP2005009576A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Pulleys (AREA)

Abstract

【課題】プーリ2が高速回転する際の抵抗の増大を抑えつつ、このプーリ2の停止若しくは低速回転時のシール性向上を図る。
【解決手段】上記プーリ2は回転軸21の周囲に、ローラクラッチ3及びサポート軸受4を介して支持されている。上記プーリ2の基端部に支持されたシールリング26を構成するシールリップ28の先端縁を、ハウジング22の先端部に設けた傾斜面29に当接させる。上記プーリ2の停止若しくは低速回転時に上記シールリップ28の先端縁は上記傾斜面29に、全周に亙り当接する。これに対して、上記プーリ2の高速回転時に上記シールリップ28の先端縁は、遠心力に基づいて上記傾斜面29から離隔する。この状態では、上記プーリ2の基端面のスリンガ作用により、このプーリ2の内径側への異物侵入を防止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、オルタネータ等の自動車用補機として利用する回転機械装置の改良に関する。より具体的には、この様な回転機械装置の回転軸と、この回転軸の端部周囲に設けるプーリとの間に一方向クラッチ及びサポート軸受を設けた構造で、これら一方向クラッチ及びサポート軸受の耐久性確保を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
オルタネータの如き補機等の回転機械装置を駆動する為のプーリ装置として従来から、一方向クラッチ内蔵型プーリを使用する事が一部で行なわれている。図7は、この一方向クラッチ内蔵型プーリの1例を示している。この一方向クラッチ内蔵型プーリは、互いに同心に配置したスリーブ1とプーリ2とを備える。そして、これらスリーブ1の外周面とプーリ2の内周面との間に、一方向クラッチであるローラクラッチ3と、1対のサポート軸受4、4とを設けている。
【0003】
上記スリーブ1は、全体を円筒状に形成しており、オルタネータの如き補機等の回転機械の回転軸に外嵌固定して、この回転軸と共に回転自在である。一方、上記プーリ2は、やはり全体を円筒状に形成しており、その外周面の幅方向に関する断面形状を波形として、ポリVベルトと呼ばれる無端ベルトの一部を掛け渡し自在としている。そして、上記スリーブ1の外周面と上記プーリ2の内周面との間に存在する円筒状空間の軸方向中間部に上記ローラクラッチ3を、同じくこの空間の軸方向両端部でこのローラクラッチ3を軸方向両側から挟む位置に上記サポート軸受4、4を、それぞれ配置している。
【0004】
このうちのローラクラッチ3は、上記プーリ2が上記スリーブ1に対して所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみ、これらプーリ2とスリーブ1との間での回転力の伝達を自在とする。この様なローラクラッチ3は、クラッチ用内輪5と、クラッチ用外輪6と、複数個のローラ7、7と、クラッチ用保持器8と、図示しないばねとから成る。このうちのクラッチ用内輪5は上記スリーブ1の中間部外周面に、上記クラッチ用外輪6は上記プーリ2の中間部内周面に、それぞれ締り嵌めで嵌合固定している。又、上記クラッチ用内輪5の中間部外周面を単なる円筒面とすると共に、上記クラッチ用外輪6の内周面をカム面9としている。即ち、このクラッチ用外輪6の内周面に、それぞれがランプ部と呼ばれる、軸方向に長い複数の凹部10、10を、円周方向に関し等間隔に形成して、このクラッチ用外輪6の内周面を上記カム面9としている。
【0005】
そして、このカム面9と上記クラッチ用内輪5の中間部外周面との間に、上記複数個のローラ7、7と、これら各ローラ7、7を転動並びに円周方向に関する若干の変位自在に支持する、上記クラッチ用保持器8とを設けている。このクラッチ用保持器8は、その外周縁部を上記カム面9の一部と係合させる事で、上記クラッチ用外輪6に対する相対回転を阻止している。又、上記クラッチ用保持器8と上記各ローラ7、7との間には、これら各ローラ7、7を円周方向に関して同方向(上記各凹部10、10が浅くなる方向)に押圧する為の、図示しないばねを設けている。
【0006】
尚、上述の様なローラクラッチ3を構成する場合、上記複数個のローラ7、7と当接する円筒面及びカム面9は、それぞれ上記スリーブ1の外周面及び前記プーリ2の内周面に直接形成する場合もある。又、上記円筒面と上記カム面9との径方向に関する配置は、上述した構造と逆にする場合もある。何れにしても、この様なローラクラッチ3の構造及び作用に就いては、従来から周知である為、これ以上の詳しい説明は省略する。
【0007】
又、前記1対のサポート軸受4、4は、上記プーリ2に加わるラジアル荷重を支承しつつ、このプーリ2と上記スリーブ1との相対回転を自在とする。この様な各サポート軸受4、4として、図示の例では、それぞれ深溝型の玉軸受を使用している。即ち、これら各サポート軸受4、4はそれぞれ、内周面に深溝型の外輪軌道11を有し、上記プーリ2の両端部に内嵌固定した外輪12と、外周面に深溝型の内輪軌道13を有し、上記スリーブ1の両端部に外嵌固定した内輪14と、これら外輪軌道11と内輪軌道13との間に転動自在に設けた複数個の玉15、15とから成る。又、上記外輪12の内周面と上記内輪14の外周面との間に存在する、上記各玉15、15を設置した空間の両端開口部は、それぞれシールリング16、16により塞いでいる。これにより、上記各玉15、15を設置した空間内に封入したグリースが外部に漏洩するのを防止すると共に、この空間内に塵芥等の異物が侵入するのを防止している。
【0008】
上述の様に構成する一方向クラッチ内蔵型プーリは、上記スリーブ1をオルタネータ等の補機の回転軸の端部に外嵌固定すると共に、上記プーリ2の外周面に無端ベルトを掛け渡す。この無端ベルトは、エンジンのクランクシャフト等の端部に固定された駆動プーリに掛け渡され、この駆動プーリの回転により駆動する。この様な状態で組み付けられる一方向クラッチ内蔵型プーリは、上記無端ベルトの走行速度が一定若しくは上昇傾向にある場合には、上記プーリ2から上記回転軸への回転力の伝達を自在とし、反対に上記無端ベルトの走行速度が低下傾向にある場合には、これらプーリ2と回転軸との相対回転を自在とする。この結果、上記クランクシャフトの回転角速度が変動した場合でも、上記無端ベルトと上記プーリ2とが擦れ合う事を防止して、鳴きと呼ばれる異音の発生や摩耗による無端ベルトの寿命低下を防止すると共に、オルタネータの発電効率が低下する事を防止できる。
【0009】
又、上記一方向クラッチ内蔵型プーリをエンジンのアイドルストップ時の補機駆動装置に利用する場合には、この一方向クラッチ内蔵型プーリをクランクシャフトや電動モータの駆動軸の端部に装着する。これにより、何れも回転機械装置の一種である、これらエンジンと電動モータとのうちの一方の装置が運転状態にあり、他方の装置が停止状態にある場合に、この一方の装置の回転軸から上記プーリ2への回転力の伝達を自在にすると共に、上記他方の装置の回転軸が回転しない様にする。
【0010】
ところで、上述の様な一方向クラッチ内蔵型プーリは、上述の様にエンジンや補機等の回転機械の回転軸に組み付けた状態で、自動車のエンジンルーム内に収納する。この様に自動車のエンジンルーム内に収納した一方向クラッチ内蔵型プーリには、このエンジンルーム内を洗浄する際に、洗浄器から噴射した高圧の水や蒸気が掛かる場合がある。この場合、これら高圧の水や蒸気が上記一方向クラッチ内蔵型プーリを構成するサポート軸受4の外端面に直接掛かると、これら水や蒸気の圧力により、このサポート軸受4の外端開口部に組み付けたシールリング16が変形する可能性がある。そして、この様にシールリング16が変形すると、このシールリング16による密閉部分に隙間が生じ、上記サポート軸受4の内部に上記水や蒸気が入り込んだり、或はこのサポート軸受4の内部から潤滑用のグリースが外部に漏洩する可能性がある。何れの場合も、このサポート軸受4の寿命を低下させる原因となる為、好ましくない。
【0011】
又、上記一方向クラッチ内蔵型プーリを構成するスリーブ1の開口部に上記高圧の水や蒸気が直接掛かると、このスリーブ1の内周面とこのスリーブ1に挿通した回転軸(更には取り付けボルト等)の外周面との間に上記水や蒸気が入り込み、これら両周面同士を錆び付かせる(固着させる)可能性がある。そして、これら両周面同士が錆び付くと、上記一方向クラッチ内蔵型プーリの修理や交換等の際に、この一方向クラッチ内蔵型プーリを上記回転軸から取り外しにくくなる為、好ましくない。
【0012】
そこで、上述の様な不都合が生じるのを防止すべく、例えば、特許文献1、特許文献2等には、一方向クラッチ内蔵型プーリを構成するプーリの先端(組み付け時にエンジンや補機に対し反対側となる端で、上記高圧の水や蒸気が直接掛かり易い側の端)開口部を、蓋板により塞ぐ構造が記載されている。図8は、上記特許文献2に記載された発明に則した構造の1例を示している。この図8に示した従来構造の場合、プーリ2の先端(図8の左端)開口部を、蓋板17により密閉している。この蓋板17は、ガラス繊維を混入したポリアミド66等の合成樹脂を射出成形する事により一体成形したもので、円板状の塞ぎ板部18と、この塞ぎ板部18の外周縁に全周に亙って形成した、円筒状の嵌合筒部19とを有する。一方向クラッチ内蔵型プーリをエンジンや補機等の回転軸の端部に結合固定した状態で、上記蓋板17は、上記プーリ2の内周面の外端寄り部分に形成した係止溝20に係合させる(内嵌する)事により、上記プーリ2aの先端開口部を塞ぐ。
【0013】
上述の様にして、上記蓋板17により上記プーリ2の先端開口部を塞げば、この先端開口部からの水や水蒸気の侵入防止を図れるが、基端(図7〜8の右端)開口部側からの侵入防止は図れない。即ち、図9に示す様に、蓋板17を装着したプーリ2を、単に回転軸21の端部でハウジング22から突出した部分に装着しただけでは、このプーリ2の基端部とこのハウジング22との間に隙間23が存在する状態となる。そして、この隙間23を通じて、上記プーリ2の内径側に異物が入り込む。
【0014】
これに対して特許文献3には、図10に示す様な構造により、プーリ2の両端開口部を塞ぐ構造が記載されている。この従来構造の第2例の場合、上記プーリ2の先端(図10の左端)開口部は、スリーブ1の先端部に外嵌した円輪状のスリンガ24で、当該部分にラビリンスシールを構成する事により塞いでいる。これに対して、上記プーリ2の基端側(図10の右端側)開口部は、このプーリ2を、回転機械装置のハウジング22に近接させ、当該部分にラビリンスシールを構成する事により塞いでいる。この構成により、上記プーリ2の回転抵抗を増大させる事なく、このプーリ2の内径側への異物侵入防止を図っている。尚、図9〜10の転がり軸受25は、上記ハウジング22に対し回転軸21を支持する為のものである。
【0015】
【特許文献1】
特許第2935450号公報
【特許文献2】
特開2000−248957号公報
【特許文献3】
特開2002−130432号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示した従来構造の場合、スリーブ1及びプーリ2が高速で回転している状態では、スリンガ24或はプーリ2の表面に沿って生じる空気の流れにより、更にはこれらスリンガ24及びプーリ2の表面に付着した異物が周囲に振り飛ばされる事により、十分なシール性能を得られる。これに対して、上記スリーブ1及びプーリ2が停止している状態では、上記空気の流れが惹起されず、上記スリンガ24及びプーリ2の表面に付着した異物が周囲に振り飛ばされる事もない為、十分なシール性能を得られない。この為、停止状態で行なう洗車作業等の際に、水や水蒸気等が上記スリーブ1の外周面と上記プーリ2の内周面との間に入り込むのを十分に防止できず、ローラクラッチ等の一方向クラッチとサポート軸受との耐久性を確保する事が難しくなる。
【0017】
停止状態でも上記水や水蒸気等の侵入を防止する為には、上記プーリ2の先端開口部を、前述の図8に示す様な蓋板17により塞ぐと共に、このプーリ2の基端部とハウジング22との間に、接触式のシールリングを設ける事が考えられる。但し、単に接触式のシールリングを設けた構造の場合、上記プーリ2の高速回転時の抵抗が大きくなり、回転機械の運転に要するトルクが大きくなる為、省エネルギの面から(自動車用補機の場合には走行性能確保の面からも)好ましくない。又、上記シールリングの耐久性を確保する事も難しく、長期間に亙って十分なシール性能を得る事が難しい。
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置は、ハウジングと、回転軸と、プーリと、サポート軸受及び一方向クラッチとを備える。
このうちの回転軸は、上記ハウジングに支持された状態で、このハウジング内に設けられた部材の動きと関連して回転する。
又、上記プーリは、上記回転軸の端部で上記ハウジング外に突出した部分の周囲に、この回転軸と同心に配置されている。
又、上記サポート軸受及び一方向クラッチは、上記回転軸の外周面とプーリの内周面との間に、動力の伝達方向に関して互いに並列に設けられている。
【0019】
特に、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置に於いては、上記プーリの軸方向両端部のうちで上記ハウジング寄りの基端部に、シールリングの基端部を支持している。
そして、このシールリングの先端縁を上記ハウジングの表面に弾性的に当接させ、上記プーリの回転に伴って上記シールリングに加わる遠心力を、このシールリングの先端縁を上記ハウジングの表面から離隔させる方向に作用させるべく、このシールリングを配置している。
【0020】
【作用】
上述の様に構成する本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置の場合、プーリの停止時乃至低速回転時には、シールリングの先端部がハウジングの表面に当接する。この為、停止状態でのシール性能を十分に確保できる。これに対して、上記プーリの高速回転時には上記シールリングの先端縁が、遠心力に基づいて上記ハウジングの表面から離隔する。この状態では、プーリの表面に沿って惹起される空気の流れによって、このプーリと上記ハウジングとの間のシールを図れる。又、上記シールリングが、このプーリの回転に対する抵抗にならなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1、3、4に(一部、図1では省略しているが、前述の図8〜9に示した構造により、請求項2にも)対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、プーリ2の基端側開口部のシール性を確保する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図8〜10に示した様な、従来から知られている一方向クラッチ内蔵型プーリと同様である。この為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0022】
上記プーリ2の軸方向両端部のうちでハウジング22寄りの基端部(図1の右端部)に、シールリング26の基端部を外嵌支持している。このシールリング26は、金属製で欠円環状の芯金27と、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製により全周に亙り連続した円環状に形成されたシールリップ28とから成る。このシールリップ28の基端部(図1の左端部)は上記芯金27に結合支持されており、その中間部乃至先端部は、上記ハウジング22に向け、先端縁に向かう程径方向外方に向かう方向に傾斜した状態で延出している。又、上記シールリップ28の先端部(図1の右端部)は中間部よりも厚肉にして、この先端部の質量を嵩ませている。
【0023】
この様な構成を有する、上記シールリング26は、上記芯金27を上記プーリ2の基端部外周面に外嵌固定すると共に、上記シールリップ28の先端縁を上記ハウジング22の表面に弾性的に当接させた状態で、このハウジング22と上記プーリ2との間に掛け渡している。そして、上記プーリ2の回転に伴って上記シールリップ28に加わる遠心力が、このシールリップ28の先端縁を上記ハウジング22の表面から離隔させる方向に作用する様にしている。この為に本例の場合には、上記ハウジング22の端部に、上記プーリ2に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、円すい凸面状の傾斜面29を形成している。そして、上記シールリップ28の先端縁を、この傾斜面29に弾性的に当接させている。
【0024】
上述の様に構成する本例の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置の場合、上記プーリ2の停止時乃至低速回転時には、上記シールリップ28の先端縁が、自身の弾性により、上記傾斜面29に全周に亙り当接する。この為、停止状態でのシール性能を十分に確保でき、停車状態で行なう洗車作業等により、水や水蒸気が掛かった場合でも、この水や水蒸気が、上記プーリ2の内径側に設けたサポート軸受4部分にまで達する事がない。又、上記ハウジング22の表面を水滴が流れ落ちる様な場合も、この水滴が上記プーリ2の内径側にまで入り込む事を確実に防止する。
【0025】
これに対して、上記プーリ2の高速回転時には上記シールリップ28の先端縁が、遠心力に基づいて上記傾斜面29から離隔する。上述した様に、このシールリップ28の先端部は厚肉にして質量を嵩ませている為、上記先端縁に加わる遠心力は比較的大きくできる。この為、上記プーリ2の高速回転時に上記先端縁を上記傾斜面29から離隔させる作用は、確実に行なわれる。そして、この先端縁がこの傾斜面29から離隔した状態では、上記プーリ2の基端面のスリンガ作用によって、このプーリ2と上記ハウジング22の先端面との間のシールを図れる。即ち、高速回転時には、上記基端面により径方向外方に向いた空気流が惹起される他、この基端面に付着した異物が径方向外方に振り飛ばされる為、この異物が上記プーリ2の内径側に入り込む事はない。又、上記シールリップ28が、上記プーリ2の回転に対する抵抗にならなくなる。
【0026】
次に、図2は、やはり請求項1、3、4に(一部、図2では省略しているが、前述の図8〜9に示した構造により、請求項2にも)対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、シールリング26aを構成する円環状の芯金27aを、プーリ2の基端部に、締り嵌めで外嵌固定している。又、上記シールリップ26aを構成するシールリップ28aの先端縁を、ハウジング22の先端部に形成した円筒面30に、全周に亙って弾性的に当接させている。その他の部分の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0027】
次に、図3は、やはり請求項1、3、4に(一部、図3では省略しているが、前述の図8〜9に示した構造により、請求項2にも)対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、シールリング26bを構成する欠円環状の芯金27bを、プーリ2の基端部から軸方向に全周に亙って延出した突条部33の外周面に、外嵌固定している。又、この突条部33とハウジング22との間に、ラビリンスシールとして機能する隙間を介在させて、このハウジング22と上記プーリ2との間のシール性の向上を図っている。その他の部分の構成及び作用は上述した第2例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0028】
次に、図4は、請求項1、3、5に(一部、図4では省略しているが、前述の図8〜9に示した構造により、請求項2にも)対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、互いに対向するプーリ2の基端面とハウジング22の先端面の互いに整合する部分に、それぞれ回転軸21(例えば図9参照)と同心の凹溝31、32を、それぞれ全周に亙って形成している。そして、上記プーリ2側に設けた回転側凹溝31の内側に、シールリング26cの基端部に設けた欠円環状の芯金27cを、内嵌固定している。そして、このシールリング26cのシールリップ28cの先端縁を、上記ハウジング22側に設けた静止側凹溝32の外周面に、全周に亙って当接させている。その他の部分の構成及び作用は、前述した第2例及び上述した第3例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0029】
次に、図5は、請求項1、3、6に(一部、図5では省略しているが、前述の図8〜9に示した構造により、請求項2にも)対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、プーリ2の基端面に、シールリング26dの基端部に設けた円環状の芯金27dを支持している。そして、このシールリング26dのシールリップ28dの先端縁を、ハウジング22の先端面に当接させている。このシールリップ28dは、先端縁に向かう程このハウジング22の先端面に向かう方向に傾斜させて、高速回転時に加わる遠心力に、上記先端縁を上記ハウジング22の先端面から離隔させる方向の分力が生じる様にしている。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1〜2例及び上述した第3例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0030】
次に、図6は、請求項1、3、4、7に(一部、図6では省略しているが、前述の図8〜9に示した構造により、請求項2にも)対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、シールリング26eが2本のシールリップ28e、28fを備えており、これら各シールリップ28e、28fの先端縁が、それぞれハウジング22の先端部に形成した傾斜面29又は円筒面30に弾性的に当接している。又、上記シールリング26eを構成する欠円環状の芯金27eを、プーリ2の基端部に外嵌固定している。本例は、この様に2本のシールリップ28e、28fを設ける事により、上記プーリ2と上記ハウジング22との間のシール性を向上させている。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1〜2例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。尚、シールリングに複数本のシールリップを設ける構造は、図1〜5に示した第1〜5例の構造にも適用できる。
【0031】
又、上述した各実施の形態では、一方向クラッチとしてロークラッチを使用した場合に就いて説明したが、本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械を構成する為の一方向クラッチは、ロークラッチに限らず、スプラグクラッチの如きカムクラッチ等、従来から知られている他の構造の一方向クラッチでも良い。
【0032】
【発明の効果】
本発明の一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置は、以上に述べた様に構成され作用する為、高速回転時の回転抵抗の増大を抑えつつ、プーリの内径側に設けた一方向クラッチ及びサポート軸受部分への異物侵入防止を確実に図れる。この為、上記一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置を設置した、各種装置の耐久性を、運転性能を維持しつつ図れる。例えば、自動車用のオルタネータに適用した場合に、燃費性能及び走行性能を確保しつつ、オルタネータの耐久性向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図9のA部に相当する拡大断面図。
【図2】同第2例を示す、図1と同様の図。
【図3】同第3例を示す、図1と同様の図。
【図4】同第4例を示す、図1と同様の図。
【図5】同第5例を示す、図1と同様の図。
【図6】同第6例を示す、図1と同様の図。
【図7】従来から知られている一方向クラッチ内蔵型プーリの第1例の断面図。
【図8】同第2例の断面図。
【図9】一方向内蔵型プーリを回転機械に装着した従来構造の第1例を示す部分断面図。
【図10】同第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 スリーブ
2 プーリ
3 ローラクラッチ
4 サポート軸受
5 クラッチ用内輪
6 クラッチ用外輪
7 ローラ
8 クラッチ用保持器
9 カム面
10 凹部
11 外輪軌道
12 外輪
13 内輪軌道
14 内輪
15 玉
16 シールリング
17 蓋板
18 塞ぎ板部
19 嵌合筒部
20 係止溝
21 回転軸
22 ハウジング
23 隙間
24 スリンガ
25 転がり軸受
26、26a、26b、26c、26d、26e シールリング
27、27a、27b、27c、27d、27e 芯金
28、28a、28b、28c、28d、28e、28f シールリップ
29 傾斜面
30 円筒面
31 回転側凹溝
32 静止側凹溝
33 突条部

Claims (7)

  1. ハウジングと、このハウジングに支持された状態で、このハウジング内に設けられた部材の動きと関連して回転する回転軸と、この回転軸の端部で上記ハウジング外に突出した部分の周囲に、この回転軸と同心に配置されたプーリと、これら回転軸の外周面とプーリの内周面との間に、動力の伝達方向に関して互いに並列に設けられたサポート軸受及び一方向クラッチとを備えた一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置に於いて、上記プーリの軸方向両端部のうちで上記ハウジング寄りの基端部に、シールリングの基端部を支持すると共に、このシールリングの先端縁を上記ハウジングの表面に弾性的に当接させ、上記プーリの回転に伴って上記シールリングに加わる遠心力を、このシールリングの先端縁を上記ハウジングの表面から離隔させる方向に作用させるべく、このシールリングを配置した事を特徴とする一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
  2. 回転軸の端部に外嵌固定自在なスリーブの外周面とプーリの内周面との間の空間のうちで軸方向に関する一部に、これらスリーブとプーリとが所定方向に相対回転する傾向となる場合にのみこれらスリーブとプーリとの間で回転力の伝達を自在とする一方向クラッチを、上記空間のうちでこの一方向クラッチに対し軸方向に外れた部分に、上記スリーブと上記プーリとの間に加わるラジアル荷重を支承しつつこれらスリーブとプーリとの相対回転を自在とするサポート軸受を、それぞれ設け、このプーリの両端開口部のうちでハウジングと反対側に位置する先端開口部の全体を蓋板により塞いでいる、請求項1に記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
  3. シールリングが、金属製で円環状の芯金と、この芯金にその基端部を結合された弾性材製で先端部を厚肉にしてこの先端部の質量を嵩ませたシールリップとから成るものであり、上記芯金がプーリの端部に支持固定されている、請求項1〜2の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
  4. ハウジングの端部に、円筒面、若しくは、プーリに向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した円すい凸面状の傾斜面を形成し、シールリングの先端縁をこの傾斜面若しくは上記円筒面に弾性的に当接させた、請求項1〜3の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
  5. 互いに対向するプーリとハウジングとの端面の互いに整合する部分に、それぞれ回転軸と同心の凹溝を全周に亙って形成し、上記プーリ側に設けた回転側凹溝の内側に基端部を支持したシールリングの先端縁を、上記ハウジング側に設けた静止側凹溝の外周面に当接させた、請求項1〜3の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
  6. プーリの端面に基端部を支持したシールリングの先端縁を、ハウジングの端面に当接させた、請求項1〜3の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
  7. シールリングが複数本のシールリップを備えており、これら各シールリップの先端縁が、それぞれハウジングの表面に弾性的に当接している、請求項1〜6の何れかに記載した一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置。
JP2003174277A 2003-06-19 2003-06-19 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置 Pending JP2005009576A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003174277A JP2005009576A (ja) 2003-06-19 2003-06-19 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003174277A JP2005009576A (ja) 2003-06-19 2003-06-19 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005009576A true JP2005009576A (ja) 2005-01-13
JP2005009576A5 JP2005009576A5 (ja) 2006-07-27

Family

ID=34097802

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003174277A Pending JP2005009576A (ja) 2003-06-19 2003-06-19 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005009576A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002613A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Nok Corp 回転変動吸収ダンパ
JP2012145216A (ja) * 2010-12-23 2012-08-02 Jtekt Corp プーリユニット
WO2013077422A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 日本精工株式会社 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置
JP2017184570A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社荏原製作所 モータ、直動型モータポンプ、および給水装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008002613A (ja) * 2006-06-23 2008-01-10 Nok Corp 回転変動吸収ダンパ
JP2012145216A (ja) * 2010-12-23 2012-08-02 Jtekt Corp プーリユニット
WO2013077422A1 (ja) * 2011-11-25 2013-05-30 日本精工株式会社 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置
CN103649595A (zh) * 2011-11-25 2014-03-19 日本精工株式会社 带单向离合器内置型皮带轮的旋转机械装置
JP5673858B2 (ja) * 2011-11-25 2015-02-18 日本精工株式会社 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置
US9261184B2 (en) 2011-11-25 2016-02-16 Nsk Ltd. Rotary machinery with a one-way clutch integrated pulley
JP2017184570A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 株式会社荏原製作所 モータ、直動型モータポンプ、および給水装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5687972A (en) Unitary oil seal assembly
JP2003021225A (ja) プーリユニット
JP2008151174A (ja) 密封装置
JP2011127702A (ja) 転がり軸受
JP2003232434A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2005009576A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ付回転機械装置
JP2004144252A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP6777466B2 (ja) プーリユニット
JP2018054024A (ja) プーリユニット用シール付き転がり軸受
JP2809199B2 (ja) ウォータポンプ用軸受シール装置
JP2013257024A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JPH10213207A (ja) ローラクラッチ内蔵型プーリ
JP2005054909A (ja) 密封形転がり軸受
JP2002139056A (ja) 回転方向性玉軸受
JPH11218095A (ja) ウォータポンプ用軸受シール装置、ウォータポンプ用軸受および自動車の水冷エンジン用ウォータポンプ
JP2003004123A (ja) プーリユニット
JP2004100917A (ja) 転がり軸受
JP2018017264A (ja) シール付き転がり軸受
JP2000337405A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP4899343B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP2006258247A (ja) プーリユニット
JP4123836B2 (ja) プーリユニットの封止構造
JP2012172790A (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置
JP3128062B2 (ja) ウォータポンプ用軸受シール装置、ウォータポンプ用軸受及び自動車の水冷エンジン用ウォータポンプ
JP3724506B2 (ja) 一方向クラッチ内蔵型プーリ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060612

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060612

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090310