JP2004100917A - 転がり軸受 - Google Patents

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Minoru Tawara
田原 稔
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/72Sealings
    • F16C33/76Sealings of ball or roller bearings
    • F16C33/78Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members
    • F16C33/784Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race
    • F16C33/7859Sealings of ball or roller bearings with a diaphragm, disc, or ring, with or without resilient members mounted to a groove in the inner surface of the outer race and extending toward the inner race with a further sealing element
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls

Abstract

【課題】良好なシール性能を安定して発揮できる転がり軸受を提供すること。
【解決手段】内輪20の外周面両端にスリンガ41を外嵌固定し、外輪10の内周面両端にシール30の外周縁を係止し、シール30の一部をなす弾性材34によりシールリップ36A、36Bを形成し、シールリップ36Aをスリンガ41の円輪部42の内側面45に摺接させ、シールリップ36Bを内輪20の外周面両端の肩部26に摺接させ、シール30の一部をなす弾性材34によりスリンガ41の円輪部42の外周縁44に近接対向する段部37を形成して転がり軸受1を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オルタネータをはじめとする自動車用補機等の回転軸を支持する転がり軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のオルタネータ(交流発電機)の回転軸、自動車の変速機から駆動輪へ回転力を伝達するプロペラシャフト、等速ジョイント軸等の各種自動車用補機等の回転軸は、一般に転がり軸受によって支持されている。
ところで、自動車が道路等を走行すると、走行に伴って自動車の車輪が泥水等を跳ね上げ、跳ね上がった泥水等が前記転がり軸受にかかってしまう。転がり軸受にかかった泥水等が転がり軸受の内部に進入すると、錆が転がり軸受に発生する原因となったり、転がり軸受の回転不良が引き起こされたりする。かかる問題を解決するために、オルタネータ等をボディー内に収納することが行われているが、自動車の車種毎に様々なスペース上の制約等があるため、充分な解決策となっていない。
【0003】
そこで、泥水等の異物の進入による不具合を防止するために、従来、各種自動車用補機等の回転軸を支持する転がり軸受には、図3に示すような密封型の転がり軸受101が広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。この転がり軸受101は、外輪110、内輪120、一対のシール130、保持器170及び転動体180とからなる。外輪110はその内周面に外輪軌道112を有し、内輪120はその外周面に内輪軌道122を有する。また、外輪軌道112と内輪軌道122との間に保持器170に転動自在に保持された転動体180を備えている。そして、転動体180の転動によって、外輪110と内輪120とは相対回転が自在になっている。
【0004】
また、外輪110の内周面両端には係止溝114をなす溝を全周に亙って形成してあり、シール130は心金132と弾性材134とから形成されており、この弾性材134の外周縁を係止溝114に係止してシール130は外輪110に支持固定されている。そして、弾性材134の内周縁がシールリップ136をなし、シールリップ136の先端縁を内輪120の外周面両端に形成した凹溝124内に進入させると共に、凹溝124の一部表面に全周に亙って摺接させている。
【0005】
そして、転がり軸受101を使用するときは、シール130、外輪110の内周面及び内輪120の外周面に囲まれ、保持器170と転動体180が存在する空間160内に潤滑剤を充填し、外輪軌道112、内輪軌道122及び転動体180の転動面の間の潤滑を図っている。また、シール134が空間160を外部から遮断し、外部から空間160内へ泥水等が進入することを防止している。
【0006】
しかし、かかる転がり軸受101を自動車用補機の回転軸支持部に組み込んだ場合、自動車の車輪が跳ね上げた泥水等がシールリップ136と凹溝124の表面との摺接部分に直接かかり、空間160内へ泥水等が進入する可能性がある。このため、シール130が空間160内へ泥水等の進入を防止する効果は限定されてしまう。
【0007】
そこで、図4に示すように、泥水等の異物の進入防止効果を向上させた転がり軸受201がある(例えば、特許文献2を参照)。この転がり軸受201は、外輪210、内輪220、一対のシール230、一対のスリンガ240、保持器270及び転動体280とから構成されている。転がり軸受101と同様に、外輪210は外輪軌道212を有し、内輪220は内輪軌道221を有し、外輪軌道212と内輪軌道221との間に保持器270に保持された転動体280を備えている。
【0008】
スリンガ240は耐食性を有する金属板を折り曲げることにより断面L字形で全体を円環状としており、円輪部242及びこの円輪部242の内周縁に形成された円筒部246を有し、この円輪部242をシール230よりも軸方向外側に位置させた状態で円筒部246を内輪220に固定してある。また、スリンガ240の円筒部246を内輪220に固定するために、内輪220の外周面両端には円筒面部222を形成してあり、円筒部246を円筒面部222に締り嵌めして固定している。
【0009】
そして、シール230は心金232と弾性材234とから形成されており、この弾性材234の内周縁がシールリップ236Bを形成し、シールリップ236Bの先端縁をスリンガ240の円筒部246の外周面248に全周に亙って連続して摺接させている。さらに、シール230の外側面239上の径方向中間においても、弾性材234が周方向に連続して内輪220と同心に突出してなるシールリップ236Aを設け、シールリップ236Aの先端縁をスリンガ240の円輪部242の内側面245に全周に亙って摺接させている。そして、シールリップ236Aが第1のシールリップをなし、シールリップ236Bが第2のシールリップをなす。また、スリンガ240の円輪部242の外周縁244とシール230との間は近接してラビリンス隙間262が形成されている。さらに、シール230、外輪210の内周面及び内輪220の外周面に囲まれて空間260が形成されている。
【0010】
かかる構成の転がり軸受201にあっては、シールリップ236Aとシールリップ236Bはスリンガ240によって覆われて軸受201の外部へは露出しておらず、自動車の車輪が跳ね上げた泥水等がシールリップ236Aとシールリップ236Bの各摺接部分に直接かかることは防止されている。また、使用中の転がり軸受201においては、スリンガ240が内輪220とともに回転しており、スリンガ240にかかった泥水等は遠心力で振り飛ばされ、スリンガ240の内側まで進入することは防止されている。したがって、シールリップ236Aの先端縁とスリンガ240の円輪部242の内側面245との摺接部分及びシールリップ236Bの先端とスリンガ240の円筒部246の外周面248との摺接部分に到達する泥水等の量は僅かに抑えられ、空間260へ泥水等の異物が進入することは長期間に亙り防止される。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−18260号公報(第2頁、図4)
【特許文献2】
特開2000−18260号公報(第3〜4頁、図2)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来からの泥水等の異物の進入防止効果を向上させた転がり軸受201にあっても、転がり軸受201を有する自動車が停車しているとき、洗車等で水滴が外輪210やシール230の外側面に付着し、この水滴が外輪210の表面やシール230の外側面239を伝ってラビリンス隙間262に達し、さらに、スリンガ240の円輪部242の内側面245とシール230の外側面239との間の空間264まで進入する可能性があり、必ずしも充分なシール性を発揮できない可能性がある。特に、自動車のエンジンルームに設置されたオルタネータはボディーに覆われてはいるものの、エンジンルームを高圧水噴射により洗浄する際に、洗浄水がオルタネータにまで達することがあり、このオルタネータが有する転がり軸受201内に水が進入し、転がり軸受201に回転不具合や錆を発生させる可能性がある。
【0013】
また、スリンガ240の円輪部242の径方向の幅が大きいため、この円輪部242の外周縁244近辺の剛性や位置決め精度の確保が難しい。これらの剛性や位置決め精度が不足すると、円輪部242の外周縁244がシール230を構成する弾性材234と擦れ合う可能性があり、弾性材234の早期破損の原因となる。
【0014】
このようなスリンガ240の円輪部242の外周縁244とシール230の弾性材234との擦れ合いを防止する方法として、円輪部242の外周縁244とシール230の外側面239との距離を大きく取ることが考えられる。この距離を大きくすることで、円輪部242の外周縁244がシール230の外側面239側へ多少ずれたりしても、円輪部242の外周縁244とシール230の外側面239とが接触することは防がれ、弾性材234の損傷を防止できる。
【0015】
しかし、円輪部242の外周縁244とシール230の外側面239との距離を大きくすることはラビリンス隙間262を大きくすることであり、ラビリンス隙間262に異物が進入しやすくなってしまい、転がり軸受201のシール性の確保が充分ではなくなってしまう。
本発明は、上記した従来の技術の問題点を除くためになされたものであり、その目的とするところは、外輪、内輪及びシールに囲まれて転動体が存在する空間内へ泥水等の異物が進入することを防止すると共に、ラビリンス隙間を充分に狭くでき、良好なシール性能を安定して発揮できる転がり軸受を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明は、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられて保持器に保持された転動体と、外周縁を前記外輪の内周面端の全周に亙って係止した円輪状のシールと、円輪部及びこの円輪部の内周縁に形成された円筒部を有し、この円輪部を前記シールよりも軸方向外側に位置させた状態で前記円筒部を前記内輪に固定したスリンガとからなり、前記シールの軸方向外側面上に周方向に連続して突出する輪状の第1のシールリップを形成し、前記第1シールリップの先端縁を前記スリンガの円輪部の内側面に全周に亙って摺接させ、前記シールの内周縁を第2のシールリップとして前記スリンガの円筒部の外周面と前記内輪の内周面端とのうち少なくとも一方に、全周に亙って摺接させてなる転がり軸受において、前記シールの軸方向外側面上の前記第1のシールリップよりも外径側に、周方向に連続して突出する輪状の段部を設け、前記スリンガの円輪部の外周縁を前記段部の径方向内側に位置させ、前記スリンガの円輪部の外周縁と前記段部とを近接対向させた転がり軸受である。
【0017】
請求項1の発明によると、転がり軸受のシールの外側面上に段部が形成してあり、スリンガの円輪部の外周縁を段部の径方向内側に位置させるとともに、スリンガの円輪部の外周縁と段部とを近接対向させているので、外輪の表面やシールの外側面を流下する水滴や泥水等はこの段部にあたり、スリンガの円輪部とシールとの間のラビリンス隙間に進入することが防止されている。さらに、ラビリンス隙間に水滴等が直接かかっても、第1のシールリップとスリンガの円輪部との摺接部分、第2のシールリップとスリンガの円筒部若しくは内輪との摺接部分が、水滴等の進入を防止している。すなわち、段部、第1のシールリップ及び第2のシールリップがそれぞれ形成されていることにより、転がり軸受のシール性能が良好なものとなっている。
【0018】
また、段部によってシール性能が向上しているので、スリンガの円輪部の径方向の幅を小さくすることが可能であり、スリンガの円輪部の外周縁近辺の剛性や位置決め精度の確保が容易になる。したがって、円輪部の外周縁とシールとが擦れ合うことは容易に防止され、転がり軸受のシール性能が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照して本実施の形態の構成を説明する。
図1に示すように、外輪10、内輪20、一対のシール30、一対のスリンガ41、保持器70及び転動体80とから構成されている転がり軸受1がある。外輪10は内周面に外輪軌道12を有し、内輪20は外周面に内輪軌道22を有し、外輪軌道12と内輪軌道22との間で転動体80が保持器70に転動自在に保持されている。また、外輪10の内周面両端には係止溝14をなす溝が形成されている。さらに、内輪20の外周面両側には周方向に連続する円筒面部24が形成され、内輪20の外周面と円筒面部24との間にはやはり周方向に連続する面である肩部26が形成されている。
【0020】
また、シール30は金属製の心金32とゴムのごときエラストマー等の弾性材34とから形成されて円輪状をなしている。心金32は円輪状をなし、この心金32の軸方向外側の面を弾性材34が覆っている。そして、外輪10の係止溝14に、シール30の弾性材34の外周縁を全周に亙って弾性的に係止してあり、シール30は外輪10の内周面に支持されている。
【0021】
さらに、シール30の外側面39上であって径方向中間に、軸方向外側に突出しておよそ四角形の断面が周方向に連続する輪状の段部37を弾性材34により1条形成してある。そして、この段部37の内周面38は円筒面をなし、径方向内側に面している。
また、シール30の外側面39上の径方向中間であって、段部37よりも径方向内側寄りの位置に、軸方向外側に突出しておよそ三角形の断面が周方向に連続する輪状の1条の凸条を、弾性材34によりシールリップ36Aとして形成してある。このシールリップ36Aが第1のシールリップをなす。そして、シールリップ36Aの先端が、後述するスリンガ41の円輪部42の内側面45に周方向に連続して押し付けられて摺接している。
【0022】
また、シール30の弾性材34の内周縁はシールリップ36Bとして全周に亙って内輪20の外周面端にある肩部26に押し付けられて摺接している。このシールリップ36Bが第2のシールリップをなす。
また、スリンガ41はステンレス鋼板や亜鉛メッキ鋼板等の耐食性を有する金属板を折り曲げることにより断面L字形で全体を円環状としており、円輪部42及びこの円輪部42の内周縁から突出して形成された円筒部46を有する。そして、この円輪部42をシール30よりも軸方向外側に位置させた状態で、円筒部46の先端を軸方向内側に向け、円筒部46を内輪20の円筒面部24に圧入し締り嵌めして固定してある。
【0023】
また、スリンガ41の円輪部42の外周縁44は、段部37の内周面38の径方向内側に位置しており、外周縁44と内周面38とは近接対向し、外周縁44と内周面38との間にラビリンス隙間62が形成されている。
また、シール30、外輪10の内周面及び内輪20の外周面に囲まれた空間60には潤滑材であるグリースが充填されている。
【0024】
なお、外輪10、内輪20、転動体80、保持器70、シール30及びスリンガ41がそれぞれ組み付けられた状態で、段部37の先端がスリンガ41の円輪部42に対して軸方向外側へ突出する量δを0.05〜2mm程度とすることが好ましい。
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について説明する。
【0025】
転がり軸受1が図示しない自動車の自動車用補機等の回転軸を支持しているとき、この回転軸の回転すると、転動体80が転動して、内輪20とスリンガ41は回転軸とともに回転する。前記自動車が走行中に車輪が跳ね上げる泥水等の異物が転がり軸受1のスリンガ41にかかっても、回転するスリンガ41の遠心力によって、スリンガ41に付着した泥水等の異物は転がり軸受1から振り飛ばされてしまう。同様にして、内輪20にかかった泥水等の異物も転がり軸受1から振り飛ばされてしまう。また、外輪10の表面や外部に露出しているシール30の外側面39の部分に泥水等の異物がかかっても、この泥水等の異物は段部37によって遮られてラビリンス隙間62まで達することは防止されている。
【0026】
また、前記自動車が停車しており、転がり軸受1に支持される自動車用補機等の回転軸が回転していないときは、転がり軸受1の内輪20とスリンガ41も回転していない。かかる状態で、この自動車を洗浄する高圧水が転がり軸受1にかかることがある。この場合、外部に露出しているシール30の外側面39の部分に降りかかった水は段部37によって遮られ、ラビリンス隙間62まで達することは防止されている。また、内輪20とスリンガ41に降りかかった水の大半はそのまま流れ落ち、僅かな水がラビリンス隙間62に達する。しかし、シールリップ36Aは円輪部42の内側面45と摺接しており、シールリップ36Bは内輪20の肩部26と摺接しているので、ラビリンス隙間62に達した水がこれらの摺接部分を越えて空間60へ進入することは防止されている。
【0027】
したがって、転がり軸受1はその空間60へ泥水等の異物が進入することを段部37、シールリップ36Aと円輪部42の内側面45との摺接部分、シールリップ36Bと内輪20の肩部26との摺接部分によって防止しており、高度のシール性が確保されている。
また、段部37の内周面38の直径を小さくすることによって、スリンガ41の円輪部42の径方向の幅を小さくすることが可能である。円輪部42の径方向の幅を小さくしても、転がり軸受1の高度のシール性は、段部37、シールリップ36Aと円輪部42の内側面45との摺接部分、シールリップ36Bと内輪20の肩部26との摺接部分によって確保されている。円輪部42の径方向の幅を小さくすることによって、円輪部42の外周縁44近辺の剛性を確保することが容易となるとともに、円輪部42の外周縁44の位置決め精度を確保することができる。すなわち、円輪部42の外周縁44とシール30の外側面39とが接触しないようにし、弾性材34の損傷を防止でき、転がり軸受1の高度のシール性を確保できる。
【0028】
したがって、転がり軸受1により各種自動車用補機等の回転軸を支持することで、自動車の車種や各種自動車用補機等の設置場所の制約等に関係なく転がり軸受1に泥水等の異物が進入することを防止できる。
なお、本実施の形態において、シール30は第1のシールリップとして1条のシールリップ36Aを備えることとしたが、図2の変形例に示すように、シールリップ36Aと段部37との間にさらにシールリップ36Cを形成し、シールリップ36Aとシールリップ36Cとによって第1のシールリップを形成することも可能である。
【0029】
すなわち、シールリップ36Aよりも径方向内側のシール30の外側面39上に、軸方向外側に突出しておよそ三角形の断面が周方向に連続する輪状の1条の凸条を弾性材34によって形成し、これをシールリップ36Cとする。そして、シールリップ36Aと同様に、シールリップ36Cの先端がスリンガ41の円輪部42の内側面45に周方向に連続して押し付けられて摺接している。シールリップ36A、シールリップ36B及びシールリップ36Cを設けることにより、転がり軸受1のシール性能をより高めることが可能となる。
【0030】
また、本実施の形態において、第2のシールリップであるシールリップ36Bは、内輪20の肩部26と摺接しているとしたが、転がり軸受201の第2のシールリップであるシールリップ236Bと同様に、シールリップ36Bの先端がスリンガ41の円筒部46の外周面48と全周に亙って摺接する構成とすることも可能である。
【0031】
さらに、本実施の形態において、シール30は周方向に連続する1条の段部37を備えることとしたが、2条又はそれ以上の数の段部37をシール30の外側面39上に径方向に同心に並べて弾性材34により形成することも可能である。径方向外側から転がり軸受1に降りかかる泥水等の異物は、複数の段部37によって遮られてラビリンス隙間62へ達しにくくなる。
【0032】
また、本実施の形態において、円筒部46を円筒面部24に圧入し締り嵌めして固定しているとしたが、円筒面部24にローレット加工を施して締り嵌めの強度を確保することが可能である。さらに、円筒部46を円筒面部24に固定する構造は締り嵌めに限定されるものではなく、接着、溶接、ねじ止め等の他の構造を採用することが可能であることは勿論である。
【0033】
また、シール30の心金32の材質は金属製に限定されるものではなく、弾性材34の材質はゴムのごときエラストマーに限定されるものではなく、スリンガ41の材質はステンレス鋼板や亜鉛メッキ鋼板等の耐食性を有する金属板に限定されるものではないことは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、上記のような転がり軸受であるので、外輪、内輪及びシールに囲まれて転動体が存在する空間内へ泥水等の異物が進入することを防止すると共に、ラビリンス隙間を充分に狭くでき、良好なシール性能を安定して発揮できる転がり軸受を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施の形態に係る転がり軸受の軸方向の部分断面図である。
【図2】本発明の本実施の形態の変形例に係る転がり軸受の軸方向の部分断面図である。
【図3】従来ある転がり軸受の軸方向の部分断面図である。
【図4】従来あるシール性能を向上させた転がり軸受の軸方向の部分断面図である。
【符号の説明】
1、101、201 転がり軸受
10、110、210 外輪
12、112、212 外輪軌道
14、114 係止溝
20、120、220 内輪
22、122、221 内輪軌道
124 凹溝
24、222 円筒面部
26 肩部
30、130、230 シール
32、132、232 心金
34、134、234 弾性材
36A、36B、36C、136、236A、236B シールリップ
37 段部
38 段部内周面
39、239 シール外側面
41、240 スリンガ
42、242 円輪部
44、244 円輪部外周縁
45、245 円輪部内側面
46、246 円筒部
48、248 円筒部外周面
60、160、260 シール、外輪内周面及び内輪外周面に囲まれた空間
62、262 ラビリンス隙間
70、170、270 保持器
80、180、280 転動体
264 スリンガの円輪部の内側面とシールの外側面との間の空間
δ 段部先端がスリンガの円輪部に対して軸方向外側へ突出する量

Claims (1)

  1. 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に内輪軌道を有する内輪と、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられて保持器に保持された転動体と、外周縁を前記外輪の内周面端の全周に亙って係止した円輪状のシールと、円輪部及びこの円輪部の内周縁に形成された円筒部を有し、この円輪部を前記シールよりも軸方向外側に位置させた状態で前記円筒部を前記内輪に固定したスリンガとからなり、前記シールの軸方向外側面上に周方向に連続して突出する輪状の第1のシールリップを形成し、前記第1シールリップの先端縁を前記スリンガの円輪部の内側面に全周に亙って摺接させ、前記シールの内周縁を第2のシールリップとして前記スリンガの円筒部の外周面と前記内輪の内周面端とのうち少なくとも一方に、全周に亙って摺接させてなる転がり軸受において、前記シールの軸方向外側面上の前記第1のシールリップよりも外径側に、周方向に連続して突出する輪状の段部を設け、前記スリンガの円輪部の外周縁を前記段部の径方向内側に位置させ、前記スリンガの円輪部の外周縁と前記段部とを近接対向させたことを特徴とする転がり軸受。
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