JP4123836B2 - プーリユニットの封止構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方向クラッチを備えたプーリユニットにおいて、このプーリユニットを例えば自動車用エンジンの伝動対象装置としての補機(一例として特にオルタネータ)へエンジンからの動力を伝達する状態に取付けるためのプーリユニットの封止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に自動車エンジンに付設される各種の補機は、自動車エンジンのクランクシャフトによりベルトを介して駆動される構造となっている。ここで補機のうち、例えばオルタネータの場合、クランクシャフトの回転数が低下すると発電能力も低下することになる。
【0003】
そこで、オルタネータに付設するプーリユニットに一方向クラッチを内蔵させることで、クランクシャフトの回転数が低下した場合には、オルタネータのロータの回転数を慣性力により継続させて発電効率を維持するようにした技術が周知である。
【0004】
そして、プーリユニットは、オルタネータに対して近接する状態で、かつ、オルタネータの入力軸にプーリが連動連結する嵌合状態で、取り付けられていた。
【0005】
この場合、プーリユニットにおけるオルタネータとは反対側の外部に臨む自由端での軸体部やプーリに対する封止は、専用のシール部や防水用カバーを設けることによって、塵埃や泥水等がプーリユニット内に入らないよう十分規制できるものとなっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プーリユニットとオルタネータとの軸心方向での対向面箇所においては、互いを軸心方向で近接させることで、対向面間の隙間を狭くしているものの、その内側における入力軸近くでのシールは、シール部を設けるだけであったため、そのプーリユニットとオルタネータとの対向面箇所の隙間を通して塵埃や泥水等がプーリユニットまたはオルタネータに浸入するおそれが高いものとなっていた。
【0007】
特に、エンジン等の洗浄時に水が侵入するおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、プーリユニットと補機との対向箇所における防水や防塵の信頼性の向上を図ることのできるプーリユニットの封止構造の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプーリユニットの封止構造は、請求項1に示すように、プーリユニットと補機を、互いに近接する対向状態で設けたプーリユニットの封止構造であって、前記プーリユニットのプーリと前記補機のハウジングの側面との間において微小隙間でラビリンスシールが形成され、前記プーリユニットは、前記補機のハウジングに軸受支持した入力軸に連結する軸体部が設けられ、この軸体部の端面は、前記補機のハウジング内の前記入力軸を支持するとともにシールを有する玉軸受の内輪端面に当接し、前記軸体部に対して、一方向クラッチおよびその側方の転がり軸受を介して前記プーリが相対回転可能に設けられるとともに、径方向で対向する前記補機の前記ハウジングと前記軸体部との間に形成される環状の隙間空間部に、前記軸体部における前記補機側の端面近傍に固定されるシールドリングを設け、該シールドリングの外周面と、前記ハウジングの内周面との対向面間に、前記ハウジングに対する内外方向でラビリンス経路長を備える微小隙間のラビリンスシール部を形成してあり、このラビリンスシール部の一端側には前記ハウジング内の前記玉軸受のシールが配置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項1に係る構成によれば、プーリユニットと補機とのその対向箇所でかつ軸体部周りに形成される隙間空間部にシールドリングを設けることによって、ラビリンスとしての機能を発揮する微小隙間が軸体部外周面もしくはハウジング内周面との間に形成されるようにしているから、外部からの泥水や塵埃などの補機ハウジング内への侵入を十分抑制できるものとなっている。よって、プーリユニットと補機とを互いに近接する状態で対向させている箇所における封止性能が高められることになる。
【0011】
本発明に係るプーリユニットの封止構造は、請求項2に示すように、請求項1に記載のプーリユニットの封止構造において、前記シールドリングは、前記隙間空間部において、前記入力軸の前記ハウジングに対する軸受装置寄りに偏らせて配置していることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2に係る構成によれば、シールドリングを、隙間空間部において、入力軸のハウジングに対する軸受寄りに偏らせて配置していることによって、軸心方向での全幅にわたりシールドリングを設けるものと比較して、小型のシールドリングを設けることができるとともに、シール対象である補機のハウジングに近いところでシールすることでそのハウジングに対するシール性を安価に高めることができる。
【0013】
本発明に係るプーリユニットの封止構造は、請求項3に示すように、請求項1に記載のプーリユニットの封止構造において、前記シールドリングは、前記隙間空間部において、前記プーリユニットと前記補機との間の軸心方向のほぼ全体にわたって前記微小隙間を形成するように構成していることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3に係る構成によれば、隙間空間部においては、プーリユニットに対しても、補機に対してもそのシール性が高いものとなり、封止性能の信頼性が高められることになる。
【0015】
本発明のプーリユニットの封止構造は、請求項4に示すように、請求項2に記載のプーリユニットの封止構造において、前記シールドリングとは別の第2シールドリングを、外周面が前記プーリの内周面と対向するように前記軸体部に固定して設け、前記第2シールドリングの外周面と前記プーリの内周面との間は、前記プーリユニットに対する軸方向でラビリンス経路長を備える微小隙間を形成してあることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項4に係る構成によれば、複数のシールドリングを隙間空間部に分散配置することによって、プーリユニットに対しても、また補機に対してもその互いの対向箇所における封止性能が高められることになる。
【0017】
本発明のプーリユニットの封止構造は、請求項5に示すように、請求項1に記載のプーリユニットの封止構造において、前記シールドリングが、小筒部と、この小筒部の軸方向一端から径方向外向きに立ち上がる環状板部と、この環状板部の外周に一体に連接されて前記小筒部に対して所定の隙間を介して同心状に配置される大筒部とを有する形状であり、前記小筒部が、プーリユニットの軸体部の外周面に対して所定のしめしろを持つ状態で外嵌装着されており、前記大筒部が、前記ハウジングにおいて入力軸が挿通される孔の外側開口側の内周面との間で前記ラビリンス経路長を有する微小隙間を形成していることを特徴とする。この場合、大筒部とハウジングとの間の微小隙間が、非接触でありながらある程度の密封作用を発揮するので、外部の泥水や塵埃などが補機ハウジングの内部へ入ることを十分抑制できるものとなる。しかも、シールドリングの形状が、例えば一枚の金属板をプレス加工などで屈曲して製作することが可能であると言えるから、製作コストを低減するうえで有利となる。
【0018】
本発明のプーリユニットの封止構造は、請求項6に示すように、請求項5に記載のプーリユニットの封止構造において、前記プーリの内周部で前記補機のハウジング寄りの位置に、前記プーリまたは軸体部の一方に対して固定されて、前記他方に対して接触される接触タイプのシールリングが設けられており、前記シールドリングの環状板部が、前記入力軸支持用の軸受寄りに配置されており、前記シールドリングの大筒部が、前記接触タイプのシールリングに対して非接触でありながら密封作用を発揮する微小隙間を介して対向されていることを特徴とする。この場合、シールリングでプーリユニットを密封したうえで、シールドリングで外部の水分が前記シールリングに対してかかりにくいようにしているから、プーリユニット内部の密封性が高められる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。本発明の実施の形態に係るプーリユニット1は、エンジンの補機に付設されるものであって、この補機と称されるものには、例えばオルタネータ2、エアコンディショナ用コンプレッサ、ウォータポンプ、冷却ファンなどがある。そして、以下において、特にオルタネータ2を具体例として説明する。
【0028】
まず、図1に基づいて本発明の実施の形態に係るプーリユニット1を説明すると、これは、エンジンの駆動部とオルタネータ2の発電用回転軸(入力軸に相当する)3とを連結する部分に配置されるもので、このプーリユニット1は、ハウジング4から側方に突出した発電用回転軸3の突出部に外嵌する中空の軸体部(以下、ロータ軸という)5を有している。
【0029】
また、このロータ軸5に対し、公知の一方向クラッチ6およびその両側方、すなわちオルタネータ2側に配置した玉軸受7、すなわち深溝玉軸受およびこの玉軸受7の反対側に配置したころ軸受8(いずれも転がり軸受の一例)を介して、エンジンからの動力が伝達される動力伝達用ベルト(Vリブドベルト)9を巻回するプーリ10を有している。
【0030】
そして、一方向クラッチ6により、プーリ10とロータ軸5とは互いに相対回転可能に構成されている。
【0031】
なお、プーリ10の外周面には、ベルト9内周面の凹凸が嵌合する波状の溝が形成されている。
【0032】
一方向クラッチ6は、プーリ10とロータ軸5とが対向する環状空間11の軸心方向中央位置に配置され、転動体としてのころ12の内輪軌道はロータ軸5の外周面に、外輪軌道はプーリ10の内周面にそれぞれ一体形成されている。
【0033】
また、一方向クラッチ6は、合成樹脂製の環状のころ保持器13、ころ12を、図示しない楔状空間の狭い側(ロック側)へ付勢する機能を有する楕円形のコイルばね14を有している。
【0034】
ころ軸受け8は、ころ8aの内輪軌道をロータ軸5の外周面に、外輪軌道をプーリ10の内周面にそれぞれ一体形成され、保持器15にて保持されている。
【0035】
玉軸受7は玉16の内輪軌道をロータ軸5の外周面に、外輪軌道をプーリ10の内周面にそれぞれ一体形成し、保持器17にて保持されている。
【0036】
そして、ころ軸受8および玉軸受7のそれぞれの軸心方向26外側に、環状空間11をシールするシールリング18が装着され、これらシールリング18は、環状芯金19とその外側に被着した弾性体20からなり、この弾性体20のラジアル方向一端側がプーリ10の内径面に固着され、他端側がシールリップ21とされてロータ軸5の外周面に接触した構成となっている。なお、ころ軸受8側のシールリング18の外側には、当該シールリング18を外部から隠蔽するための環状板30が配設されている。この環状板30は、ロータ軸5の外周に外嵌固定されるとともに、プーリ10の内周面に対して微小隙間を介して対向されている。この微小隙間は、非接触でありながらある程度の密封作用を発揮するラビリンスシール部になっている。
【0037】
ロータ軸5の中心孔22の自由端側に、ロータ軸5を回転させるための工具(例えば六角レンチ)が嵌合する操作溝23が形成され、また中心孔22の途中に、発電用回転軸3の途中に形成した雄ねじ部24が螺合する雌ねじ部25が形成されている。
【0038】
次に、本発明に係る構成について説明する。
【0039】
プーリユニット1は、軸心方向でオルタネータ2に近接させているので、プーリユニット1のプーリ10のオルタネータ2側の端面は、オルタネータ2のハウジング4の外周面に対してかなり接近したものとなっている。
【0040】
したがって、プーリ10のその端面とハウジング4の外周面との間の隙間50は比較的狭いものとなっており、ある程度径方向で経路長を有していることからラビリンスとしての機能を備えている。
【0041】
そして、ハウジング4における発電用回転軸3を回転自在に支持する玉軸受40の内輪42端面にロータ軸5の端面を当接する状態に、ハウジング4に形成された貫通孔51に対して、ロータ軸5を入り込ませている。
【0042】
なお、ハウジング4の玉軸受40は、ハウジング4に嵌着する外輪部材41、発電用回転軸3に嵌着する内輪部材42、転動体としての玉43、その保持器44、両側のシールリング45から構成される。
【0043】
ロータ軸5の外周面27と、貫通孔51の内周面との間には、隙間空間部Sが環状に形成されることになり、前記隙間50を介してこの隙間空間部Sは外部に通じるものとなっている。
【0044】
そしてこの隙間空間部Sにおける玉軸受40寄り部分を埋めるように、金属製もしくは弾性ゴム製のシールドリング52を、ロータ軸5外周の端部に外嵌している。
【0045】
このシールドリング52の外周面と貫通孔51との間に、ラビリンス経路長を備える微小隙間が形成されている。このラビリンス経路長を備える微小隙間とは、非接触でありながらある程度の密封作用を発揮するもののことであり、いわゆるラビリンスシール部Lとなる。
【0046】
したがって、このラビリンスシール部Lが設けられることで、隙間50を通して外部から隙間空間部Sまで水もしくは塵埃等の異物が侵入してきても、玉軸受40までそれら異物が侵入しないよう阻止されることになる。
【0047】
(別の実施の形態)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すものも含むものである。なお、上記実施の形態と同様の構造についてはその説明を省略するとともに、同一の符号を付す。
【0048】
(1)図2に示すように、隙間空間部Sに軸心方向でのほぼ全範囲にわたって金属製もしくは弾性ゴム性のシールドリング53を、ロータ軸5外周に外嵌して、このシールドリング53外周面と貫通孔51内周面との間の微小隙間にてラビリンスシール部Lを構成している。
【0049】
この場合、隙間空間部Sが軸心方向でのほぼ全範囲にわたってシールドリング53によって埋められた状態となるから、ラビリンスシール部Lによって、玉軸受40に対する異物の侵入が一層阻止されることになる。
【0050】
(2)図3に示すように、隙間空間部Sの軸心方向での玉軸受40寄り箇所と、プーリ10側箇所とに、それぞれ振り分けてシールドリング54,55を、ロータ軸5外周に外嵌して、シールドリング54外周面と貫通孔51内周面との間の微小隙間にてラビリンスシール部L1を構成し、シールドリング55外周面とプーリ10内周面との間の微小隙間にてラビリンスシール部L2を構成している。
【0051】
この場合、ラビリンスシール部L1によって、玉軸受40に対する異物の侵入の阻止が図れるとともに、ラビリンスシール部L2によって、プーリユニット1における玉軸受7や一方向クラッチ6等への隙間空間部S側からの異物の侵入を阻止できる。
【0052】
上述の実施の形態では、シールドリング54をロータ軸5に設け、ラビリンスシール部L2の微小隙間をハウジング4とシールドリング54との間に設けたものを示したが、シールドリング54をハウジング4側に設けて、ラビリンスシール部L2の微小隙間をロータ軸5とシールドリング54との対向面間に形成するようにしても良い。
【0053】
(3)参考例として、図4に示すように、上記各実施の形態とは異なりオルタネータ2側におけるロータ軸5の端面とプーリ10の端面とをほぼ面一状に構成し、そのロータ軸5端面と玉軸受40との間で、かつ発電用回転軸3の外周面との間に囲まれるように隙間空間部Sを形成し、この隙間形成部Sのほぼ全体を埋めるように構成したシールドリング56を発電用回転軸3に外嵌して、シールドリング56外周面と貫通孔51内周面との間の微小隙間にてラビリンスシール部Lを構成している。
【0054】
この場合、ラビリンスシール部Lによって、玉軸受40に対する異物の侵入の阻止が図れるとともに、プーリユニット1における玉軸受7や一方向クラッチ6等への隙間空間部S側からの異物の侵入を阻止できる。
【0055】
なお、図4に示すように、隙間空間部Sがロータ軸5端面と玉軸受40との間で、かつ発電用回転軸3の外周面との間に囲まれるように形成されたものにおいて、シールドリング56を、隙間空間部Sにおいて、(a)発電用回転軸3のハウジング4に対する玉軸受40寄りに偏らせて配置すること、(b)シールドリング56を、隙間空間部Sにおいて、プーリユニット1とオルタネータ2との間の軸心方向のほぼ全体にわたって微小隙間を形成するように構成すること、(c)シールドリング56とは別の第2シールドリングを軸体部およびプーリの一方に固定して設けることは、参考例である。
【0056】
なお、シールドリング56をハウジング4に固定して、隙間空間部をプーリユニット1と補機2のハウジング4との間で、かつ入力軸3周りに備えるものの場合でもよい。また、シールドリング56を、隙間空間部における軸心方向でのプーリユニット1寄り箇所と、ハウジング4の入力軸3に対する軸受40寄り箇所との複数箇所に振り分けて設けても良い。
【0057】
上記各実施の形態では、一方向クラッチ6の両側に設けられる転がり軸受7,8の外輪および内輪をそれぞれプーリ10およびロータ軸5が一体に兼用する構造を示したが、その転がり軸受7,8の外輪および内輪をそれぞれプーリ10およびロータ軸5とは別体のものに構成しても良い。
【0058】
(4)図5にハブユニット1の他の実施形態を示す。ここでのハブユニット1の基本構成は、上述した各実施形態と同じであるが、シールドリング57を変えている。
【0059】
ここでのシールドリング57は、図6に示すように、小筒部57aと、この小筒部57aの軸方向一端から径方向外向きに立ち上がる環状板部57bと、この環状板部57bの外周に一体に連接されて小筒部57aに対して所定の隙間を介して同心状に配置される大筒部57cとを有している。
【0060】
このようなシールドリング57は、一枚の金属板をプレス加工して製作することができるが、その他、切削加工により製作することもできる。なお、シールドリング57を金属板のプレス加工とする場合には、基材となる金属板をステンレス鋼などの耐腐食性に優れたものとすることができるが、耐腐食性をもたない金属材に対して耐腐食性に優れた膜をコーティングしたり、表面処理を施したりしたものとしてもよい。
【0061】
そして、上記小筒部57aは、ロータ軸5に対して所定のしめしろを持つ状態で外嵌装着されている。このロータ軸5において、小筒部57aが嵌合装着される領域は、玉軸受7の軌道面となる領域よりも小径に設定されている。上記環状板部57bは、発電用回転軸3の支持用の玉軸受40に装着してあるシールリング45の外側面に対して微小隙間を介して対向されている。また、大筒部57cは、ハウジング4において発電用回転軸3が挿通される貫通孔51の外側開口側の内周面、つまりハウジング4において径方向内向きのフランジ4aの内周面に対して微小隙間を介して対向されており、この大筒部57cの先端は、ハブユニット1の玉軸受7寄りに設けてあるシールリング18の外側面に対して微小隙間を介して対向されている。これらすべての微小隙間は、非接触でありながらある程度の密封作用を発揮するラビリンスシール部になっている。
【0062】
このようなシールドリング57を用いれば、プーリユニット1の玉軸受7と、発電用回転軸3を支持するための玉軸受40とを同時に密封することができる。仮に、外部の水が、プーリ10とハウジング4との間の微小隙間を通じて、シールドリング57の内部の環状空間58にまで入ったとしても、シールリング18のラジアルリップ21a,21bが小筒部57aよりも外径側に段違いに配置されている関係より、前記環状空間58に入った水分を前記シールリング18のラジアルリップ21a,21bから遠ざけることができるので、当該ラジアルリップ21a,21bによる密封性を確保できるようになる。しかも、環状空間58に入った水分は、当該環状空間58の下半分の領域においてシールドリング57の大筒部57cの先端とシールリング18との間の微小隙間から外部に排出されることになる。
【0063】
なお、図5に示すハブユニット1では、図1から図4に示す環状板30の替わりに、環状芯金に弾性体からなるラジアルリップを被着した構成のシールリング31を用いている。このシールリング31は、ロータ軸5の先端側外周に装着されて、そのラジアルリップがプーリ10の先端側の内周面に設けられる周溝の段壁面に対して接触されるようになっている。
【0064】
(5)上記図5および図6に示したシールドリング57について、図7および図8に示すように、大筒部57cの軸方向他端に径方向外向きに立ち上がるフランジ57dを設けることができる。さらに、玉軸受7寄りに設けてあるシールリング18について、環状芯金19の内周に設けてある2つのラジアルリップ21a,21bの他に、環状芯金19の外側面にアキシアルリップ21cを設けている。このアキシアルリップ21cは、その付け根から先端へ向けて漸次拡径された形状になっている。
【0065】
そして、シールドリング57のフランジ57dをシールリング18の外側面に対して微小隙間を介して対向させているとともに、シールリング18のアキシアルリップ21cをシールドリング57において大筒部57cとフランジ57dとの連接部分に対して微小隙間を介して対向させている。これらの微小隙間は、非接触でありながらある程度の密封作用を発揮するラビリンスシール部になっている。
【0066】
このようなシールドリング57を用いていれば、仮に外部の水が、プーリ10とハウジング4との間の微小隙間に入ったとしても、この水がシールドリング57の内部の環状空間58に対して入りにくくなるとともに、大筒部57cとハウジング4のフランジ4a内周面との間の微小隙間に対して入りにくくなる。これにより、プーリユニット1の玉軸受7や発電用回転軸3を支持するための玉軸受40の密封性を上記(4)の構成よりもさらに高めることができる。しかも、仮に、シールドリング57の内部の環状空間58に対して水などが入ったとしても、この水は前記微小隙間のうち、下半分の領域から外部に排出される。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、プーリユニットと補機とのその対向箇所でかつ入力軸もしくは軸体部周りに形成される隙間空間部にラビリンスシール部が設けられることによって、その隙間空間部は狭くなるので、外部からの水や塵埃などのプーリユニットや補機ハウジング内への侵入を十分抑制できるものとなっている。よって、プーリユニットと補機とを互いに近接する状態で対向させている箇所における封止性能が高められることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のプーリユニット等を示す展開断面図
【図2】本発明に係る別の実施の形態(1)におけるプーリユニット等の上半部を示す断面図
【図3】本発明に係る別の実施の形態(2)におけるプーリユニット等の上半部を示す断面図
【図4】参考例の実施の形態(3)におけるプーリユニット等の上半部を示す断面図
【図5】本発明に係る別の実施の形態(4)におけるプーリユニット等の上半部を示す断面図
【図6】図5のシールドリング付近を示す拡大図
【図7】本発明に係る別の実施の形態(5)におけるプーリユニット等の上半部を示す断面図
【図8】図7のシールドリング付近を示す拡大図
【符号の説明】
1プーリユニット
2オルタネータ
3発電用回転軸(入力軸)
4ハウジング
5ロータ軸(軸体部)
6一方向クラッチ
7玉軸受(転がり軸受)
8ころ軸受(転がり軸受)
10プーリ
52〜57シールドリング
Lラビリンスシール部
S隙間空間部

Claims (6)

  1. プーリユニットと補機を、互いに近接する対向状態で設けたプーリユニットの封止構造であって、
    前記プーリユニットのプーリと前記補機のハウジングの側面との間において微小隙間でラビリンスシールが形成され、
    前記プーリユニットは、前記補機のハウジングに軸受支持した入力軸に連結する軸体部が設けられ、この軸体部の端面は、前記補機のハウジング内の前記入力軸を支持するとともにシールを有する玉軸受の内輪端面に当接し、前記軸体部に対して、一方向クラッチおよびその側方の転がり軸受を介して前記プーリが相対回転可能に設けられるとともに、径方向で対向する前記補機の前記ハウジングと前記軸体部との間に形成される環状の隙間空間部に、前記軸体部における前記補機側の端面近傍に固定されるシールドリングを設け、該シールドリングの外周面と、前記ハウジングの内周面との対向面間に、前記ハウジングに対する内外方向でラビリンス経路長を備える微小隙間のラビリンスシール部を形成してあり、このラビリンスシール部の一端側には前記ハウジング内の前記玉軸受のシールが配置されていることを特徴とするプーリユニットの封止構造。
  2. 請求項1に記載のプーリユニットの封止構造において、
    前記シールドリングは、前記隙間空間部において、前記入力軸の前記ハウジングに対する軸受寄りに偏らせて配置していることを特徴とするプーリユニットの封止構造。
  3. 請求項1に記載のプーリユニットの封止構造において、
    前記シールドリングは、前記隙間空間部において、前記プーリユニットと前記補機との間の軸心方向のほぼ全体にわたって前記微小隙間を形成するように構成していることを特徴とするプーリユニットの封止構造。
  4. 請求項2に記載のプーリユニットの封止構造において、前記シールドリングとは別の第2シールドリングを、外周面が前記プーリの内周面と対向するように前記軸体部に固定して設け、前記第2シールドリングの外周面と前記プーリの内周面との間は、前記プーリユニットに対する軸方向でラビリンス経路長を備える微小隙間を形成してあることを特徴とするプーリユニットの封止構造。
  5. 請求項1に記載のプーリユニットの封止構造において、前記シールドリングが小筒部と、この小筒部の軸方向一端から径方向外向きに立ち上がる環状板部と、この環状板部の外周に一体に連接されて前記小筒部に対して所定の隙間を介して同心状に配置される大筒部とを有する形状であり、前記小筒部が、プーリユニットの軸体部の外周面に対して所定のしめしろを持つ状態で外嵌装着されており、前記大筒部が、前記ハウジングにおいて入力軸が挿通される孔の外側開口側の内周面との間で前記ラビリンス経路長を有する微小隙間を形成していることを特徴とするプーリユニットの封止構造。
  6. 請求項5に記載のプーリユニットの封止構造において、
    前記プーリの内周部で前記補機のハウジング寄りの位置に、前記プーリまたは軸体部の一方に対して固定されて、前記他方に対して接触される接触タイプのシールリングが設けられており、前記シールドリングの環状板部が、前記入力軸支持用の軸受寄りに配置されており、前記シールドリングの大筒部が、前記接触タイプのシールリングに対して非接触でありながら密封作用を発揮する微小隙間を介して対向されていることを特徴とするプーリユニットの封止構造。
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