JP2005281952A - ナイロン繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナイロン繊維からなる繊維構造物に対して各種機能性の向上・付与を図る。
【解決手段】下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が付与されている繊維構造物と該繊維構造物の製造方法。
[X:塩素、フッ素または臭素,Y:スルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基で、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基の水素原子はアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換可能。]
【選択図】なし
【解決手段】下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が付与されている繊維構造物と該繊維構造物の製造方法。
[X:塩素、フッ素または臭素,Y:スルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基で、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基の水素原子はアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換可能。]
【選択図】なし
Description
本発明は、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物をナイロン繊維に付与することによってナイロン素材の疎水性を向上させるものであり、さらに詳しくは、一般衣料における水系防汚性などの着用快適性や、生活資材や産業資材における疎水性に優れた、ナイロン繊維構造物に関するものである。
ナイロン繊維(以下、単に「ナイロン」と記載することがある)は、風合いや吸湿性の点で、他の合成繊維に比べて非常に優れた素材である。それは、ナイロンが他の合成繊維と比較して、内部に親水性の−NH2 基を多く有し、公定水分率が高いためである。しかし、逆に、水を含むと膨潤し、乾燥すると収縮することから他の合成繊維と比較して形態安定性が悪いという問題がある。
従来から、傘をはじめスポーツウェア、更には魚網分野に至るまで、ナイロン素材は広い用途に使用されている。その一方で、上記のナイロン特有の特徴によって、例えば、衣料用途では、水や雨などが衣服内には染み込まないという特性が強く要請されてきた。
したがって、該要求に対応して開発された、シリコーン系やフッ素系の撥水剤で加工した製品が提案されている(特許文献1)。
しかし、これらのいずれについても、使用者からは十分に満足したとの評価は得られていないのが実状である。最も指摘される項目は、着用耐久性の低さであり、特に生地表面の汚れに対して撥水度の低下が著しく、かつ摩耗においても撥水度の低下が避けられないという点であった。
特に、専ら、ナイロン繊維構造物の撥水性向上の要求に対し、加工剤の構成や塗布量のアップがなされてきたが、樹脂による繊維表面への加工のため耐久性は低く、期待値まで向上し得ない技術レベルであった。また、樹脂による繊維表面への加工のため、風合いの硬化、コストアップ、チョークマークの発生等、品位を損なうという問題に加えて、撥水効果をアップすればするほど静電気の発生度合いが強くなり、ゴミ、浮遊物の付着、汚れ、着用不快感が発生するという問題や、更には有害な薬剤や樹脂の使用に起因する安全性の問題や、製造過程で発生する排水(生物化学的酸素要求量。以下「BOD」という)負荷が高くなるという問題があった。
また、本発明においては、後に説明するように、ジハロゲノトリアジン化合物を用いてナイロン繊維を処理することをベースにしているが、そのようなジハロゲノトリアジン化合物を用いた有機天然繊維製品の改質加工技術として、羊毛、絹、皮革、木綿、麻、再生繊維等の有機天然繊維材料にジハロゲノトリアジン化合物を用いて2段階の熱処理加工を施して、それにより形態安定加工を行うという加工手法が提案されている(特許文献2)。
しかし、この特許文献2に記載の従来技術では、特別、ナイロンに対しての加工でもなく、本発明とは、目的、構成、効果のいずれにおいても相違するものである。
特開平6−57641号公報
特許第3415576号公報(特許請求の範囲)
本発明は、ナイロン繊維からなる繊維構造物において、撥水性向上、品位向上、省エネルギー化による製造コスト低減ならびに排水(BOD)負荷低減による環境負荷軽減を図るものである。
すなわち、本発明の目的は、ナイロン繊維からなる繊維構造物の疎水性をはじめとする各種の機能性の向上・付与をせしめることに加えて、新しく水系防汚性の機能性を付与し、着用快適性、並びに生活資材、産業資材への活用など広い用途開拓をすることであり、その目的に沿ったナイロン繊維構造物を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るナイロン繊維構造物は、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体(以下、「DHTA」と記載することがある)が付与されていることを特徴とするものである。
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素及び臭素からなる群より選ばれるハロゲン基であり、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基の水素原子はアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
本発明において、DHTAとしては、2,6−ジクロロ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が好ましく使用される。
本発明にかかるナイロン繊維構造物の製造方法としては、「乾熱連続法」と「浴中吸尽法」の2つの方法があり、前記一般式(1)で表されるDHTAを用いてナイロン繊維構造物を反応させる条件は、ジクロルトリアジン系反応性染料の場合とよく似た条件で加工することができる。それによって薬剤使用量の削減と省エネルギーならびに排水の削減を達成し、経済性および環境適応性を著しく改善することができる。
乾熱連続法においては、本発明方法は、DHTAの水溶液をナイロン繊維構造物に含浸させた後、該繊維構造物を30〜60℃で熱処理する第1段階と、その後の60〜180℃の乾熱の中で実質的に乾燥するまで熱処理する第2段階とを含む処理工程を有することを特徴とするものである。
また、かかる本発明方法において、撥水性向上剤として、DHTAの水溶液に水溶性または水分散性(以下、「水系」と記載する)フルオロアルキルアクリレートを併用することが好ましく、助剤として、水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体および水系ウレタンから選ばれた少なくとも1種を併用することが好ましい。
一方、浴中吸尽法においては、本発明方法は、ナイロン繊維からなる繊維構造物を一般ナイロン染色条件にて染色した後、DHTAを純度100%換算で繊維構造物の重量比1.0%以上、5.0%以下、浴比1:30以下になるように調整した浴液にて、浴液温度20〜40℃、15分間以上の処理をし、次に浴液温度を徐々に昇温させていき、さらに60〜75℃の範囲で15分間以上処理する第1段階と、60〜190℃の乾熱の中で熱処理する第2段階とを含む処理工程を有することを特徴とするものである。
「浴液温度20〜40℃、15分間以上で処理し、次に、浴液温度を徐々に昇温させていき、さらに60〜75℃の範囲で15分間以上処理する」の「徐々に」とは、浴液温度20〜40℃、15分間以上の処理をした後、60〜75℃の範囲で15分間以上処理する際の処理温度に至らせるまでを、徐々に昇温させるという意味であり、60〜75℃の範囲での15分間以上の処理時の処理温度まで徐々に昇温させながら行うという意味ではない。また、「徐々に」とは、急激かつ不均一な反応を防止することにより、ナイロンに対してDHTAを2次元的な架橋構造で被膜化できる昇温速度であることを意味し、具体的には昇温速度が2℃/分以下であることが好ましい。
かかる本発明方法において、第1段階においては、帯電防止性付与を目的として、DHTAの浴液に帯電防止性の高分子化合物であるポリエチレングリコール類、第4級アンモニウム塩型スチレン重合体、第4級アンモニウム塩型アミノアルキル(メタ)アクリレ−ト重合体および第4級アンモニウム塩型ジアリルアミン重合体から選ばれた少なくとも1種を混合することが好ましい。また、反応をより均一化かつ時間短縮をする目的で、酢酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少なくとも1種を添加してpHを4〜6の範囲にすることが好ましい。
第2段階においては、撥水性向上を目的として、120℃以下で乾燥した後、水溶性パーフルオロアクリレートならびに助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体水系ウレタンおよびブロック型イソシアネ−トから選ばれた少なくとも1種の調合液をマングルにて均一にパディング、130℃以下で乾燥した後、140〜190℃の乾熱の中で熱処理することが好ましい。
第2段階においては、撥水性向上を目的として、120℃以下で乾燥した後、水溶性パーフルオロアクリレートならびに助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体水系ウレタンおよびブロック型イソシアネ−トから選ばれた少なくとも1種の調合液をマングルにて均一にパディング、130℃以下で乾燥した後、140〜190℃の乾熱の中で熱処理することが好ましい。
上述した乾熱連続法および浴中吸尽法の双方において、水系フルオロアルキルアクリレート、水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体および水系ウレタンを使用する場合は、それらの分子中に、水酸基や、カルボキシル基、スルホン基などの親水性置換基を有していることが好ましい。
これらの化合物は、繊維と結合したハロゲノトリアジン環と反応してトリアジン環を介してナイロン繊維からなる繊維構造物と共有結合によって結びつくか、あるいは更に繊維と結合したもう1つのハロゲノトリアジン環とも反応することによって、長さの異なる架橋・編目構造を形成し、疎水性、水系防汚性等の機能性を付与することができると考えられる。もちろん、反応機構論からDHTAと助剤類が事前に反応する場合や、等モル反応に限らず、例えば、1:2、1:3あるいは2:1モル比反応等、多数の組み合わせからなる反応中間体を形成した上で繊維と反応する場合も考えられる。
これらの化合物は、繊維と結合したハロゲノトリアジン環と反応してトリアジン環を介してナイロン繊維からなる繊維構造物と共有結合によって結びつくか、あるいは更に繊維と結合したもう1つのハロゲノトリアジン環とも反応することによって、長さの異なる架橋・編目構造を形成し、疎水性、水系防汚性等の機能性を付与することができると考えられる。もちろん、反応機構論からDHTAと助剤類が事前に反応する場合や、等モル反応に限らず、例えば、1:2、1:3あるいは2:1モル比反応等、多数の組み合わせからなる反応中間体を形成した上で繊維と反応する場合も考えられる。
本発明の製造方法によって得られるナイロン繊維構造物は、本発明方法の処理を施していない加工品と比べて、疎水性、水系防汚性が向上し、さらに濡れない布帛を達成し、乾燥プロセスを設けなくても着用可能な素材を提供できる。かつ、上記の諸特性が耐久性においても非常に優れているものである。
さらに、本発明方法の特徴は、ホルマリン等の有害な薬剤を使用することなく安全で環境適合性に優れた安価な加工薬剤であること、樹脂加工による莫大なエネルギーを使用することなく二酸化炭素や窒素酸化物の削減にも寄与し、熱による作業環境の悪化を防ぐことができる点であり、これらのことから、新規設備を設置することなく、遊休設備を活用できるなど優れた経済性のもとで、従来は制約が多かった衣料分野のみならず産業資材の各種分野で、ナイロン繊維からなる繊維構造物の用途を、広く拡大できるものである。
具体的には、雨衣、帽子、サーフパンツ、水着類、防寒衣類、スキー・スノーボード衣類、カジュアル衣類、トレッキング衣類、ユニホーム類、傘、介護用エプロン、介護用シーツ類、オムツ類、生理用品、調理師衣類、カバン、靴、手袋、シャワーカーテン、テント、各種シート等の水・雨・水系液体から防御する用途、テーブルクロス、カーテン等の水系汚れ防止用途、魚網類、フィールドウェア、アスレチックウェア、セールクロス、ビニールハウスの屋根等の軽さが求められる用途、オイルフェンス、ライフジャケット、救命胴衣等の浮かせる用途、靴下、ショーツ、ガードル、スリップ、ブラジャー、パンティーストッキング、ボディースーツ、その他のランジェリー・ファンディーション等の下着用途などに使用することができるものとなる。
このように、本発明のナイロン繊維からなる繊維構造物の製造方法は、技術的価値・実用的価値が高く、なおかつ、近年の健康問題や地球規模クラスの環境問題にも対応できるものであり、産業界に大いに貢献できるものである。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明のナイロン繊維構造物は、耐久性に優れた、疎水性や水系防汚性をはじめとする機能性付与を実現するに当たり、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体(DHTA)が付与されているものである。
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素及び臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基、およびチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
前記一般式(1)で表される繊維材料の改質薬剤をより具体的に説明すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化シアヌルを主原料として用い、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、スルホン基、スルホン酸基等の親水性官能基を有するアニリン類、フェノール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、ナフトール類、アミノ酸類、トリアジン類等の単体あるいは混合物を塩化シアヌル1モルに対して1モルを酸結合剤を共存させた中性ないし弱アルカリ性で縮合させるか、あるいは塩化シアヌルを重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化マグネシウム等を用いてアルカリ性で加水分解させることによって得られる。これらの化合物は純粋である必要はなく、前記2種以上の混合物と塩化シアヌルを反応させたものであってもよいし、純粋に作られたものを後から混合して多成分系として使用することが好ましい場合もある。
これらの化合物は、ハロゲノトリアジンと反応する官能基を有し、かつ親水性官能基を有する親水性化合物である必要がある。つまりは本発明で用いられる前記一般式(1)で表される加工薬剤が、全体として親水牲となればよい。
本発明において、ハロゲノトリアジンとこれら親水性化合物とを反応生成するDHTAとしては、薬剤コスト、薬剤反応性および生産加工性に優れる点で、2,6−ジクロロ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が特に好ましく使用できるものである。
具体的には、次のような化合物の単体あるいは混合物を例として挙げることができる。
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−ウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルホフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンMg塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−(3−オキシフェニルオキシ)−S−トリアジン及び4,4−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルフォニックアシッドNa塩。
具体的には、次のような化合物の単体あるいは混合物を例として挙げることができる。
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−ウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルホフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンMg塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−(3−オキシフェニルオキシ)−S−トリアジン及び4,4−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2’−ジスルフォニックアシッドNa塩。
本発明でいうDHTAは、上記具体例に制約されるものではなく、親水性置換基を有する化合物であることと、活性ハロゲン原子またはそれに類する反応性基を2個以上有することがポイントである。
本発明で用いられるDHTAは、ドイツ公開特許第2357252号公報、あるいはアメリカ特許第5601971号明細書等に記載があるように公知の合成法に準じて合成することができるが、その概要は次の通りである。
すなわち、例えば、塩化シアヌル1.00モルを5℃以下の氷水の中へ仕込み、次いで例えばm-スルファニル酸1.02モルと炭酸ソーダ約1モルをよく撹拌しながら徐々に仕込む。m-スルファニル酸と炭酸ソーダの仕込みはpH7±1で約3時間を要して5〜10℃で仕込み、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、塩化シアヌルがほぼ消滅すれば、更に1時間保湿撹拌して反応を完結させる。この間pHは6〜8に維持し、HPLCによって組成を分析し、モノスルフアニル体が90%以上となれば反応を終了する。反応後微量の不溶物を濾過して除き、最終的にはpHを7に調整する。このようにして2.6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンNa塩水溶液が高収率で得られる。この化合物は冷蔵庫内で5℃以下保管すれば約1ヶ月間は安定である。
本発明において、「ナイロン繊維構造物」とは、少なくともナイロン繊維を構成要素として含む繊維構造物のことを示し、ナイロン繊維100%の単品でもよく、あるいは、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、他の繊維との混用品であってもよい。ナイロン繊維としては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ならびにそれらを成分とするコポリアミドなどからなるナイロン繊維を使用できるが、汎用性、生産性ならびに物性などの各観点から、ナイロン6繊維ならびにナイロン6成分を含むコポリアミド繊維が特に好ましく使用される。また、混用する場合は、他の繊維としては、絹、ウール、木綿、麻等の天然繊維、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、テンセル等の再生繊維、酢酸セルロース等の半合成繊維、ならびにポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン等の合成繊維を使用できるが、分子構造中にカルボキシル基やアミノ基、アルコール性水酸基を有する、上記した天然繊維、再生繊維ならびに半合成繊維などが好ましく使用される。
これらの繊維構造物は、綿や、糸の段階、織編み物にした後、不織布あるいは工程途中の半製品の段階などで加工することも可能である。
本発明におけるナイロン繊維構造物を製造する方法としては、大別すると前述したように「乾熱連続法」と「浴中吸尽法」の2種類がある。
乾熱連続法とは、DHTAの水溶液をナイロン繊維構造物に含浸させた後、該繊維構造物を30〜60℃で熱処理する第1段階と、その後の60〜180℃の乾熱の中で実質的に乾燥するまで熱処理する第2段階とを含む処理工程を有するものである。ここで、「含浸」とは、繊維構造物にDHTA水溶液を含ませることをいう。含浸させる手段は、浸漬、スプレー、シャワーなどの各種方法を使用することができる。また、「実質的に乾燥するまで」とは、ほぼ絶乾状態にまで乾燥することを示す。
該第1段階の反応において、30〜60℃下で、ナイロンのアミノ末端基に対して、DHTAの一方のハロゲン部位を反応させることにより、ナイロンにトリアジン環を結合させることができる。その後、第2段階の反応として、60〜190℃の乾熱条件下で熱処理を行うことにより、ナイロンのアミノ末端基や、併用する他の機能加工剤の反応性官能基に対して、DHTAの残されたハロゲン部位を反応させることにより、網目構造(2次元)的に架橋させることができ、この架橋構造により、各種機能性に対する耐久性付与を実現することができる。
第1段階の熱処理を30℃未満の温度で行う場合には、第1段階の反応が進行せずに第2段階の熱処理により急激に反応が進行するため、ナイロンに対して、DHTAの2次元的な架橋構造で被膜化することができないので好ましくない。また、60℃よりも高い温度で行う場合には、第1段階の熱処理により急激に反応が進行するため、ナイロンに対してDHTAを2次元的な架橋構造で被膜化することができない。また、第2段階の熱処理を180℃よりも高い温度で行う場合には、2次元的な架橋構造は実現できるが、急速な反応により被膜は不均一なものとなり、さらには繊維構造物の粗硬化や変色等の品位問題が発生しやすい。
また、乾熱連続法においては、第1段階と第2段階とが、第1段階、第2段階の順序で製造工程・処理工程中に含まれていればよく、これ以外の加工が、該第1段階および/または第2段階の前後、あるいは半ばに含まれていてもよい。
一方、浴中吸尽法とは、ナイロン繊維構造物を一般ナイロン染色条件にて染色した後、DHTAを純度100%換算で繊維構造物の重量比1.0%以上、5.0%以下、浴比1:30以下になるように調整した浴液すなわち浴中にて、浴液温度20〜40℃、15分間以上処理し、次に浴液温度を徐々に昇温させて60〜75℃の範囲で15分間以上処理する第1段階と、60〜190℃の乾熱の中で実質的に乾燥するまで熱処理する第2段階とを含む処理工程を有するものである。
第1段階の反応において、20〜75℃下で、ナイロンのアミノ末端基に対して、DHTAの一方のハロゲン部位を反応させることにより、ナイロンにトリアジン環を結合させることができる。その後、第2段階の反応として、60〜190℃の乾熱条件下で熱処理を行うことにより、ナイロンのアミノ末端基や、併用する他の機能加工剤の反応性官能基に対して、DHTAの残されたハロゲン部位を反応させることにより、網目構造(2次元)的に架橋させることができ、この架橋構造により、各種機能性に対する耐久性付与を実現することができる。
第1段階の反応において、20〜75℃下で、ナイロンのアミノ末端基に対して、DHTAの一方のハロゲン部位を反応させることにより、ナイロンにトリアジン環を結合させることができる。その後、第2段階の反応として、60〜190℃の乾熱条件下で熱処理を行うことにより、ナイロンのアミノ末端基や、併用する他の機能加工剤の反応性官能基に対して、DHTAの残されたハロゲン部位を反応させることにより、網目構造(2次元)的に架橋させることができ、この架橋構造により、各種機能性に対する耐久性付与を実現することができる。
第1段階の熱処理を20℃未満の温度で行う場合には、第1段階の反応が進行せずに第2段階の熱処理により急激に反応が進行するため、ナイロンに対して、DHTAの2次元的な架橋構造で被膜化することができないので好ましくない。また、75℃よりも高い温度で行う場合には、第1段階の熱処理により急激に反応が進行するため、ナイロンに対してDHTAを2次元的な架橋構造で被膜化することができない。また、第2段階の熱処理を190℃よりも高い温度で行う場合には、2次元的な架橋構造は実現できるが、急速な反応により被膜は不均一なものとなり、さらには繊維構造物の粗硬化や変色等の品位問題が発生しやすい。
また、浴中吸尽法においては、第1段階と第2段階とが、第1段階、第2段階の順序で製造工程・処理工程中に含まれていればよく、これ以外の加工が、該第1段階および/または第2段階の前後、あるいは半ばに含まれていてもよい。
本発明において、DHTAはナイロン繊維に対する疎水化剤(撥水剤)として機能するだけでなく、架橋剤としても機能するため、他の機能加工剤として、DHTAと反応する官能基をそなえた撥水剤や抗菌剤などを併用することも好ましい。例えば、DHTAを反応させる際に、水系フルオロアルキルアクリレートや、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体、水系ウレタンを併用することにより、逐次にあるいは同時にトリアジン環を介して結合させる加工法によって、架橋・編目結合の形成を促進させるとともに、疎水性を初めとする機能性を改善向上、水系防汚性付与による着用快適性と生活資材、産業資材に優れたナイロン繊維構造物を得ることができる。
本発明でいうフルオロアルキルアクリレートとしては、ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す)を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を含むものである。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種をいう。「(メタ)アクリルアミド」等の表記についても同様である。Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、Rf基が(メタ)アクリル酸エステルのアルコール残基部分に存在する化合物をいう。
Rf基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基である。Rf基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。またRf基は直鎖構造または分岐構造であり、直鎖構造が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分がRf基の末端部分に存在し、かつ炭素数が1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。Rf基は、フッ素原子以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。フッ素原子以外のハロゲン原子としては塩素原子が好ましい。
Rf基の末端部分の構造としては、−CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2H、−CFH2、−CF2Cl等が挙げられ、−CF2CF3が好ましい。また、Rf基中の炭素−炭素結合間には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよい。
Rf基中のフッ素原子数は、[(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基と同一炭素数の対応するアルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましい。さらにRf基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基、すなわち、パーフルオロアルキル基(以下、RF基と記す。)、またはRF基を末端部分に有する基が好ましい。
RF基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。炭素数が2未満の場合には撥水性が低下する傾向にある。炭素数が20超の場合には共重合体が常温で固体となり、昇華性も大きくなり、取扱いが困難になる傾向がある。
Rf基の具体例を以下に挙げる。なお、以下の例においては、同一分子式を有する構造の異なる基である構造異性の基を含む。
C4F9−(F(CF2)4−、(CF3)2CFCF2−、(CF3)3C−等)、C5F11−(F(CF2)5−、(CF3)3CCF2−等)、C6F13−(F(CF2)6−等)、C7F15−、C8H17−、C9F19−、C10F21−、Cl(CF2)s−(sは2〜16の整数)、H(CF2)t−(tは1〜16の整数)、(CF3)2CF(CF2)y−(yは1〜14の整数)等。
Rf基の具体例を以下に挙げる。なお、以下の例においては、同一分子式を有する構造の異なる基である構造異性の基を含む。
C4F9−(F(CF2)4−、(CF3)2CFCF2−、(CF3)3C−等)、C5F11−(F(CF2)5−、(CF3)3CCF2−等)、C6F13−(F(CF2)6−等)、C7F15−、C8H17−、C9F19−、C10F21−、Cl(CF2)s−(sは2〜16の整数)、H(CF2)t−(tは1〜16の整数)、(CF3)2CF(CF2)y−(yは1〜14の整数)等。
Rf基が、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子、またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された基である場合の具体例を、以下に挙げる。
F(CF2)5OCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)rCF(CF3)CF2CF2−、F(CF(CF3)CF2O)zCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)uCF2CF2−、F(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−、F(CF2CF2O)wCF2CF2−(rは1〜6の整数、zは1〜5の整数、uは2〜6の整数、vは1〜6の整数、wは1〜9の整数)等。
F(CF2)5OCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)rCF(CF3)CF2CF2−、F(CF(CF3)CF2O)zCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)uCF2CF2−、F(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−、F(CF2CF2O)wCF2CF2−(rは1〜6の整数、zは1〜5の整数、uは2〜6の整数、vは1〜6の整数、wは1〜9の整数)等。
Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。ただし、式1においてRfはRf基、Qは2価の有機基、R1は水素原子またはメチル基を示す。
Rf−Q−OCOCR1=CH2・・・式(2)
Rf−Q−OCOCR1=CH2・・・式(2)
式(2)におけるRf基としては、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含まないRf基が好ましく、特にRF基が好ましい。とりわけ−(CF2)F(ただし、nは2〜20の整数。)で表される基が好ましく、nが5〜17の整数である基が好ましく、特にnが7〜13の整数である基が好ましい。
式(2)におけるQとしては、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pOCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−、−(CH2)pNHCONH(CH2)q−、−(CH2)pCH(OH)−(CH2)q−等が好ましい。ただし、R2は水素原子またはアルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。これらのうち、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−であり、かつ、qが2以上の整数であってかつp+qが2〜6である場合が好ましい。特に、p+qが2〜6である場合の−(CH2)p+q−、すなわち、ジメチレン基〜ヘキサメチレン基が好ましい。Qと結合するRfの炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
式(2)におけるQとしては、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pOCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−、−(CH2)pNHCONH(CH2)q−、−(CH2)pCH(OH)−(CH2)q−等が好ましい。ただし、R2は水素原子またはアルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。これらのうち、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−であり、かつ、qが2以上の整数であってかつp+qが2〜6である場合が好ましい。特に、p+qが2〜6である場合の−(CH2)p+q−、すなわち、ジメチレン基〜ヘキサメチレン基が好ましい。Qと結合するRfの炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、下記の化合物が挙げられる。ただし、R1は水素原子またはメチル基を示す。
F(CF2)5CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)6CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)8CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)10CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)10CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)12CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8(CH2)4OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)− OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2− OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2− OCOCR1=CH2、 F(CF2)9CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)9CONHCH2CH2OCOCR1=CH2。
F(CF2)5CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)6CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)8CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)10CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)10CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)12CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8(CH2)4OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)− OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2− OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2− OCOCR1=CH2、 F(CF2)9CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)9CONHCH2CH2OCOCR1=CH2。
本発明でいうフルオロアルキルアクリレートは、Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含んでもよい。Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含む場合には、炭素数の異なるRf基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。また、本発明でいうフルオロアルキルアクリレートは、Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位以外の重合単位を含んでもよい。他の重合単位としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロプレン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン等のスチレン類、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アリルグリシジルエーテル等のアリルエーテル類、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル類、酢酸アリル等のカルボン酸アリル類、エチルビニルケトン等のビニルアルキルケトン類がある。
また、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜26の直鎖または分岐のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、ブロックされたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート、第4アンモニウム塩の基を有する(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類がある。
また、トリアリルシアヌレート、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等がある。
本発明において、フルオロアルキルアクリレートを使用する場合は、下記の化合物、すなわち、ブロックされたイソシアネート基を1個以上有し、かつ重合性炭素−炭素不飽和結合を有しない化合物であり、イソシアネート基をブロック化剤でブロックした構造の化合物、を併用することが好ましい。そして、ポリイソシアネートと分子内に活性水素原子を2個以上有する化合物とを反応させた化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックした構造が好ましい。
ポリイソシアネートとしては、以下のポリイソシアネートが好ましく挙げられる。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、トリ
メチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロパンジイソシアネ−ト、1,2−ブタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類または脂環族イソシアネート類、およびそれらのイソシアヌレート変性体、プレポリマー変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体等。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、トリ
メチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロパンジイソシアネ−ト、1,2−ブタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類または脂環族イソシアネート類、およびそれらのイソシアヌレート変性体、プレポリマー変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体等。
分子内に活性水素原子を2個以上有する化合物としては、多価アルコールまたは多価アミンが好ましい。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール類、ペンタンジオール類、ヘキサンジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、キシリレングリコール等、またはこれらアルコール類の変性体等が挙げられる。多価アミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、3,3’−イミノビスプロピルアミン[H2NCH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2]等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、多価アルコールは、ポリエステルポリオールであってもよい。該ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多価カルボン酸または多価カルボン酸の誘導体との反応により得られ、エステル結合を有する。エステル結合を形成するための多価カルボン酸またはその誘導体としては、フタル酸、アジピン酸、フマル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、脂肪族ジカルボン酸、またはそれぞれの酸の誘導体等が好ましい。
イソシアネート基のブロック化剤としては、アルキルケトオキシム類、フェノール類、アルコール類、β−ジケトン類、ラクタム類が好ましい。特に、メチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、アセチルアセトン、マロン酸ジエチル、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、マレイン酸イミド等が好ましい。とりわけ、メチルエチルケトオキシム等のジアルキルケトオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタム類等の解離温度120〜180℃の化合物が好ましい。
上記ブロックされたイソシアネートとしては、メイカネートMF、BP−11、NBP−75、NBP−231(以上、明成化学工業社製)、WB−730、WB−920、XWB−72−Z56(以上、武田薬品工業社製)、BI−8(日本ポリウレタン社製)等の市販の化合物を用いてもよい。
これらの化合物は、繊維と結合したクロルトリアジン環と反応してトリアジン環を介してナイロン繊維構造物と共有結合することによって、あるいは更にもう1つの繊維と結合したモノクロルトリアジン環とも反応することによって、架橋・網目結合の形成を促進し、耐久性のある防水性、疎水性、並びに水系防汚性等を付与することができる。
上記薬剤を用いて繊維を加工する方法は、乾熱連続法にてDHTAを付与する場合、パッド・ドライキュア法を用いるのがよい。加工条件の概要を説明すると、加工薬剤を目的に応じて、0.5〜10%(純分o.w.s)使用し、無水炭酸ソーダ、重炭酸ソーダあるいは苛性ソーダを1〜30%(純分o.w.s)用いてアルカリ浴に調合する。あるいは、酢酸、氷酢酸、リンゴ酸、クエン酸を0.1〜5%(純分o.w.s)にて酸性浴に調合する。混合する際の薬液温度は、30℃以上になるとDHTAの凝集が著しく生地に均一付着をさせることが困難になるため、30℃未満が好ましい。
調液温度に注意しながら混合した浴液に、ナイロン繊維構造物を含浸し、パディングによって絞り率20〜300%で薬剤水溶液を付与した繊維構造物を、一次処理温度30〜60℃で加熱処理時間数分から60分間程度の第1段階の処理に供し、さらに、二次処理温度60〜190℃で二次加熱処理時間20秒から20分間の処理条件を採用して実質的に該素材が乾燥するまでの第2段階の熱処理に供して、加工処理すればよい。一次反応終了時点で、あるいは最初から、水系パーフルオロアクリレート、水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体、または水系ウレタンの水溶液にパディングして、架橋・網目構造の形成を促進すると同時に機能性を付与するのでもよい。また、加工薬剤あるいは助剤のパディング回数は混合液をあるいはそれぞれ単独に、1回に留まらず数回パッドドライを繰り返すと良い結果を生む場合がある。
一方、浴中吸尽法にてDHTAを付与する場合は、第1段階の熱処理において、30〜75℃下で、ナイロンのアミノ末端基に対して、DHTAの一方のハロゲン部位を反応させることによりナイロンにトリアジン環を結合させた後、第2段階の熱処理として、120℃以下で乾燥、水系パーフルオロアクリレート等を含む前記薬剤をマングルにて均一にパディング、130℃以下で乾燥した後、140〜190℃で熱処理するのがよい。第2段階の熱処理を通じて、ナイロンのアミノ末端基や、併用する他の機能加工剤の反応性官能基に対して、DHTAの残されたハロゲン部位を反応させることにより、網目構造(2次元)的に架橋させることができ、この架橋構造により、各種機能性に対する耐久性付与を実現することができる。なお、加工薬剤あるいは助剤のパディング回数は混合液をあるいはそれぞれ単独に、1回に留まらず数回パッドドライを繰り返すと良い結果を生む場合がある。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
<試験方法>
(1) 疎水性試験
摩耗撥水:JIS L 1092 はっ水度試験(スプレー試験)に準ずる。
摩耗前処理:ART形ピリング試験機、摩擦布は湿潤状態の綿金巾、荷重1.96N、摩耗回数50回
雨試験 :JIS L 1092 雨試験(シャワー試験)A法に準ずる。ただし、水温12℃、降雨量600mm/時間、降雨時間30分間。
(2)防汚性試験
アッシュテスト:下記方法に準ずる。
A.直径18cmの試験片、15cm×15cmの摩擦布(ウール100%およびタバコ(「MILD SEVEN」日本たばこ産業株式会社製)の灰を70±2℃で1時間予備乾燥した後、ポリ袋に試験片と摩擦布を入れ、20±2℃、40±2%RHの雰囲気にて開封後、24時間以上放置する。
B.摩擦布を四つ折り16枚重ねにし、試験片の測定面を約4.9N荷重で円を描くように2〜3回/秒の速度で15回摩擦する。
C.摩擦後、直ちに試験片の摩擦面を、タバコの灰1.5gを広げたタテ10cm×ヨコ10cm、深さ1cmの容器に1cmの距離まで近づけ、5秒間静止する。
D.タバコの灰の付着程度を目視判定する。
(3)汚れ除去試験 :下記方法に準ずる。
A.試験片を10cm×10cmに切り、表面を上にしてガラス板上に置き、醤油(「キッコーマンしょうゆ」キッコーマン株式会社製)を試験片の中央部分に0.1ml滴下する。その上に、更に5cm×5cmのガラス板を置き、更に1.96N荷重で1分間放置する。
B.荷重、5cm×5cmのガラス板を取り除き、試験片を濾紙の上に移し、醤油付着部分にティッシュぺーパーを被せ、その上から宛名印刷用ローラーでローラーがけをし、濾紙やティッシュペーパーに汚れが付かなくなるまで繰り返す。
C.汚染用グレースケールで級判定する。
D.汚染後の試験片を24時間放置した後、自動反転渦巻き式電気洗濯機(東芝VH−1150型と同性能のもの)の洗濯槽に、40℃±2℃のお湯を25l入れ、下記洗剤と共に汚染した試験片と追加布を合わせた1.25kgを入れ、強条件で5分間洗濯、2分すすぎ洗いした後、風乾する。
E.洗濯後の試験片について、汚染用グレースケールで級判定する。
(4)撥油性試験 : AATCC 118 Oil Repellency:Hydrocarbon Resistance に準ずる。
(5)形態安定性試験
JIS L 1909に準じ、洗濯処理はJIS L 0217 105法に準ずる。
(6)綿黄変性試験
スガ測色試験機SM−7−CH(スガ試験機株式会社製)を用いてYI値を測定する。
(7)洗濯処理
水洗濯 :JIS L 0217 105法に準ずる。
石油ドライ洗濯:商業ドライクリーニングに準ずる。
(8)光照射処理
JIS L 0842 5級照射に準ずる。
(1) 疎水性試験
摩耗撥水:JIS L 1092 はっ水度試験(スプレー試験)に準ずる。
摩耗前処理:ART形ピリング試験機、摩擦布は湿潤状態の綿金巾、荷重1.96N、摩耗回数50回
雨試験 :JIS L 1092 雨試験(シャワー試験)A法に準ずる。ただし、水温12℃、降雨量600mm/時間、降雨時間30分間。
(2)防汚性試験
アッシュテスト:下記方法に準ずる。
A.直径18cmの試験片、15cm×15cmの摩擦布(ウール100%およびタバコ(「MILD SEVEN」日本たばこ産業株式会社製)の灰を70±2℃で1時間予備乾燥した後、ポリ袋に試験片と摩擦布を入れ、20±2℃、40±2%RHの雰囲気にて開封後、24時間以上放置する。
B.摩擦布を四つ折り16枚重ねにし、試験片の測定面を約4.9N荷重で円を描くように2〜3回/秒の速度で15回摩擦する。
C.摩擦後、直ちに試験片の摩擦面を、タバコの灰1.5gを広げたタテ10cm×ヨコ10cm、深さ1cmの容器に1cmの距離まで近づけ、5秒間静止する。
D.タバコの灰の付着程度を目視判定する。
(3)汚れ除去試験 :下記方法に準ずる。
A.試験片を10cm×10cmに切り、表面を上にしてガラス板上に置き、醤油(「キッコーマンしょうゆ」キッコーマン株式会社製)を試験片の中央部分に0.1ml滴下する。その上に、更に5cm×5cmのガラス板を置き、更に1.96N荷重で1分間放置する。
B.荷重、5cm×5cmのガラス板を取り除き、試験片を濾紙の上に移し、醤油付着部分にティッシュぺーパーを被せ、その上から宛名印刷用ローラーでローラーがけをし、濾紙やティッシュペーパーに汚れが付かなくなるまで繰り返す。
C.汚染用グレースケールで級判定する。
D.汚染後の試験片を24時間放置した後、自動反転渦巻き式電気洗濯機(東芝VH−1150型と同性能のもの)の洗濯槽に、40℃±2℃のお湯を25l入れ、下記洗剤と共に汚染した試験片と追加布を合わせた1.25kgを入れ、強条件で5分間洗濯、2分すすぎ洗いした後、風乾する。
E.洗濯後の試験片について、汚染用グレースケールで級判定する。
(4)撥油性試験 : AATCC 118 Oil Repellency:Hydrocarbon Resistance に準ずる。
(5)形態安定性試験
JIS L 1909に準じ、洗濯処理はJIS L 0217 105法に準ずる。
(6)綿黄変性試験
スガ測色試験機SM−7−CH(スガ試験機株式会社製)を用いてYI値を測定する。
(7)洗濯処理
水洗濯 :JIS L 0217 105法に準ずる。
石油ドライ洗濯:商業ドライクリーニングに準ずる。
(8)光照射処理
JIS L 0842 5級照射に準ずる。
<乾熱連続法>
実施例1
水72kg、2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液26kg、酢酸(48%濃度)200gに助剤としてパーフルオロアルキレート600gを室温でよく混合した加工液に、78デシテックス−68フィラメントのナイロンからなる210本タフタの供試布を浸漬し、マングルで均一に絞った後、60℃に昇温したドライゾーンの中で5分間加熱する。その後130℃まで昇温された温風乾燥機内で5分間乾燥し、その後、テンターにて175℃の乾熱で30秒間セットされる。得られた布帛について疎水性試験した結果を表1に示す。
実施例1
水72kg、2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液26kg、酢酸(48%濃度)200gに助剤としてパーフルオロアルキレート600gを室温でよく混合した加工液に、78デシテックス−68フィラメントのナイロンからなる210本タフタの供試布を浸漬し、マングルで均一に絞った後、60℃に昇温したドライゾーンの中で5分間加熱する。その後130℃まで昇温された温風乾燥機内で5分間乾燥し、その後、テンターにて175℃の乾熱で30秒間セットされる。得られた布帛について疎水性試験した結果を表1に示す。
比較例1
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを使用しない以外は、実施例1と同様に処理した。
得られた布帛について疎水性試験した結果を表1に示す。本発明品の疎水性は優れたものである一方、比較品の疎水性は満足できるものではなかった。
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを使用しない以外は、実施例1と同様に処理した。
得られた布帛について疎水性試験した結果を表1に示す。本発明品の疎水性は優れたものである一方、比較品の疎水性は満足できるものではなかった。
実施例2
水252kg、2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液18kg、リンゴ酸400g、シリコーンソフナー2kgを室温でよく混合した加工液を第一次浴槽内に仕込み、実施例1で用いた供試布をオープンソーパー型装置で加工した。このオープンソーパー型装置にて60℃の第一次の乾燥処理を3分間実施。その後、130℃に設定されたシリンダーにて毎分20mの速度にて乾燥を3分間実施、連続的に水洗シリンダー乾燥を実施した。さらに160℃のテンターで30秒間熱処理をした。
水252kg、2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液18kg、リンゴ酸400g、シリコーンソフナー2kgを室温でよく混合した加工液を第一次浴槽内に仕込み、実施例1で用いた供試布をオープンソーパー型装置で加工した。このオープンソーパー型装置にて60℃の第一次の乾燥処理を3分間実施。その後、130℃に設定されたシリンダーにて毎分20mの速度にて乾燥を3分間実施、連続的に水洗シリンダー乾燥を実施した。さらに160℃のテンターで30秒間熱処理をした。
比較例2
2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを使用しない以外は、実施例2と同様に処理した。
得られた布帛について防汚性試験した結果を表2に示す。本発明品の防汚性は優れたものである一方、比較品の防汚性は満足できるものではなかった。
2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを使用しない以外は、実施例2と同様に処理した。
得られた布帛について防汚性試験した結果を表2に示す。本発明品の防汚性は優れたものである一方、比較品の防汚性は満足できるものではなかった。
実施例3
実施例1で使用した供試布400m(重量48kg)に対して、第1段階処理として、2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液9.6kg、酢酸(48%濃度)450gおよび助剤としてポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド剤4.5kgを水885Lに調合し、浴液温度30℃、布速400m/分で20分間処理後、浴液温度を徐々に昇温(2℃/分)して65℃の定温で20分間処理後、50℃まで冷却、排液水洗した後、テンターにて120℃乾燥を実施した。次いで第2段階処理のパディング浴液(水系パーフルオロアルキレート7kg、水系メラミン尿素誘導体樹脂300g、有機アミン系触媒300g、ブロックイソシアネート500gおよび浸透剤イソプロピルアルコール500gを混合して水を加え、合計100リットルのパディング浴液)に浸漬、マングルにて絞り率32%で含浸させた後、テンターにて130℃乾燥を実施した。続いてテンターで170℃、30秒間乾熱処理して一連の加工を完了した。
実施例1で使用した供試布400m(重量48kg)に対して、第1段階処理として、2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液9.6kg、酢酸(48%濃度)450gおよび助剤としてポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド剤4.5kgを水885Lに調合し、浴液温度30℃、布速400m/分で20分間処理後、浴液温度を徐々に昇温(2℃/分)して65℃の定温で20分間処理後、50℃まで冷却、排液水洗した後、テンターにて120℃乾燥を実施した。次いで第2段階処理のパディング浴液(水系パーフルオロアルキレート7kg、水系メラミン尿素誘導体樹脂300g、有機アミン系触媒300g、ブロックイソシアネート500gおよび浸透剤イソプロピルアルコール500gを混合して水を加え、合計100リットルのパディング浴液)に浸漬、マングルにて絞り率32%で含浸させた後、テンターにて130℃乾燥を実施した。続いてテンターで170℃、30秒間乾熱処理して一連の加工を完了した。
比較例3
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを使用しない以外は、実施例3と同様に処理した。
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを使用しない以外は、実施例3と同様に処理した。
得られた布帛について疎水性試験および防汚性試験した結果を表3に示す。本発明品の性能は優れたものである一方、比較品の性能は満足できるものではなかった。本発明品の疎水性は良好且つ商業石油ドライ処理により性能低下しないものである。従来の撥水素材は、石油ドライ溶液中に混合されたチャージソープの吸着残留により見掛けの撥水性能は低下するが、本発明品は、チャージソープの吸着が抑えられるため優れた撥水性が維持される。
実施例4
78デシテックス−68フィラメントのナイロン糸65%、70S綿糸35%の交織ツイル500m(重量74kg)の供試布をジッガー染色機にて処理するに際し、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.7kg(5%owf)、重炭酸ソーダ2.3kg、ソーダ灰0.9kgおよび芒硝22kgを水温30℃以下に保ちながら溶解攪拌して、水を加えて450l、pH9のジッガー染色浴液に調液した。続いて、浴槽温度を30℃にキープし、ジッガー布速50m/分で5回往復、100分間処理、ジッガーの運転を止めて浴槽温度を70℃にした後、再運転4往復、80分処理、排液後水を張り水温60℃にて1往復20分湯洗いした。その後、水洗しながらジッガーから巻き上げてシリンダー乾燥機で乾燥して第1段階反応を終了した。続いて、実施例3と同様に第2段階処理を実施した。
78デシテックス−68フィラメントのナイロン糸65%、70S綿糸35%の交織ツイル500m(重量74kg)の供試布をジッガー染色機にて処理するに際し、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.7kg(5%owf)、重炭酸ソーダ2.3kg、ソーダ灰0.9kgおよび芒硝22kgを水温30℃以下に保ちながら溶解攪拌して、水を加えて450l、pH9のジッガー染色浴液に調液した。続いて、浴槽温度を30℃にキープし、ジッガー布速50m/分で5回往復、100分間処理、ジッガーの運転を止めて浴槽温度を70℃にした後、再運転4往復、80分処理、排液後水を張り水温60℃にて1往復20分湯洗いした。その後、水洗しながらジッガーから巻き上げてシリンダー乾燥機で乾燥して第1段階反応を終了した。続いて、実施例3と同様に第2段階処理を実施した。
比較例4
実施例4で使用した供試布を、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩を使用した以外は実施例4と同様に処理した。
実施例4で使用した供試布を、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩を使用した以外は実施例4と同様に処理した。
得られた布帛について疎水性試験、形態安定性試験および綿黄変性試験した結果を表4に示す。本発明品の性能は優れたものである一方、比較品の性能は満足できるものではなかった。また、本発明品はアルカリ側での吸尽処理によっても得られることが確認された。
Claims (15)
- 下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が付与されていることを特徴とするナイロン繊維構造物。
- 前記2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が、2,6−ジクロロ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体であることを特徴とする請求項1記載のナイロン繊維構造物。
- 2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体の水溶液をナイロン繊維からなる繊維構造物に含浸させた後、該繊維構造物を30〜60℃で熱処理する第1段階と、その後の60〜190℃の乾熱の中で実質的に乾燥するまで熱処理する第2段階とを含む処理工程を有することを特徴とするナイロン繊維構造物の製造方法。
- 該水溶液中に水系フルオロアルキルアクリレートを含有させることを特徴とする請求項3記載のナイロン繊維構造物の製造方法。
- 該水溶液中に水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体および水系ウレタンから選ばれた少なくとも1種を含有させることを特徴とする請求項3または4記載のナイロン繊維構造物の製造方法。
- ナイロン繊維構造物を一般ナイロン染色条件にて染色した後、2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体を純度100%換算で繊維構造物の重量比1.0%以上、5.0%以下、浴比1:30以下になるように調整した浴液にて、浴液温度20〜40℃、15分間以上処理し、次に浴液温度を徐々に昇温させて60〜75℃の範囲で15分間以上処理する第1段階と、60〜190℃の乾熱の中で実質的に乾燥するまで熱処理する第2段階とを含む処理工程を有することを特徴とするナイロン繊維構造物の製造方法。
- 前記第1段階における浴液にポリエチレングリコール類、第4級アンモニウム塩型スチレン重合体、第4級アンモニウム塩型アミノアルキル(メタ)アクリレート重合体および第4級アンモニウム塩型ジアリルアミン重合体から選ばれた少なくとも1種を含有させ、かつ、酢酸、リンゴ酸およびクエン酸から選ばれた少なくとも1種を添加してpHを4〜6の範囲にすることを特徴とする請求項6記載のナイロン繊維構造物の製造方法。
- 前記第2段階において、120℃以下で乾燥、水系パーフルオロアクリレートの調合液をマングルにて均一にパディング、130℃以下で乾燥した後、140〜190℃の乾熱の中で熱処理することを特徴とする請求項6または7記載のナイロン繊維構造物の製造方法。
- 該第2段階における調合液に水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体水系ウレタンおよびブロック型イソシアネ−トから選ばれた少なくとも1種を含有させることを特徴とする請求項8記載のナイロン繊維構造物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン繊維構造物を用いてなることを特徴とする防寒衣、スキーウェア、ライフジャケット等のアウター衣類。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン繊維構造物を用いてなることを特徴とする靴下、ショーツ、ブラジャー等の下着類。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン繊維構造物を用いてなることを特徴とする水着類。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン繊維構造物を用いてなることを特徴とする傘、鞄、靴等の雑貨類。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン繊維構造物を用いてなることを特徴とするシャワーカーテン地、テント地、セールクロス地等のシート類。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン繊維構造物を用いてなることを特徴とする漁網、オイルフェンス等の資材類。
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JP2004230332A JP2005281952A (ja) | 2004-03-05 | 2004-08-06 | ナイロン繊維構造物およびその製造方法 |
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WO2007083596A1 (ja) | 2006-01-18 | 2007-07-26 | Toray Industries, Inc. | 繊維構造物 |
CN102154823A (zh) * | 2011-03-01 | 2011-08-17 | 上海优益基医药技术有限公司 | 一种抗菌、防臭和杀菌纤维结构物的加工方法 |
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2004
- 2004-08-06 JP JP2004230332A patent/JP2005281952A/ja active Pending
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