JP2008069502A - ポリエステル系繊維材料の改質加工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来、ポリエステル系繊維材料に風合や肌触りを初めとする着用快適性、皮膚保護性等を改善する方法には、繊維自体を改変したり、不溶化剤と共に蛋白質類を用いて繊維に付与する方法等が知られているが、洗濯耐久性が悪かったり、加工効果が不充分、経済性不充分等の問題があった。
【解決手段】本発明者は上記諸問題を解決し、肌に優しいポリエステル系繊維材料の改質加工法の実用化研究を進めた結果、先ずアミノフェニル系化合物をポリエステル系繊維材料に熱処理吸収させ、第2次処理として、該ポリエステル系繊維材料にポリハロゲノピリミジン系化合物と動植物蛋白質類を酸結合剤の共存下、熱処理加工する事によって、風合、帯電性、着用快適性、皮膚保護性、洗濯耐久性、経済性等に優れたポリエステル系繊維材料を提供出来る事を見出した。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
本発明はアミノフェニル系化合物をポリエステル系繊維材料のアミノ化剤として用い、そのあとポリハロゲノピリミジン系化合物と動植物蛋白質類を併用して、架橋反応によってポリエステル系繊維材料に動植物蛋白質類を結合させて改質加工する事を特徴とする、ポリエステル系繊維材料の改質加工法である。
更に詳しくは本発明は、ポリエステル系繊維材料に保湿性、着用快適性、風合良好性などの機能性を付与するに当って、第1次処理としてアミノフェニル系化合物を吸収させてポリエステル繊維にアミノ基を導入し、第2次処理としてポリハロゲノピリミジンと動植物蛋白質類及び第1次処理の済んだ繊維材料を水中に加え、必要に応じて乳化剤或いは分散剤を共存させて、アルカリ性で加熱反応処理することによってポリエステル系繊維材料を改質加工する事を特徴とするポリエステル系繊維材料の改質加工法である。
近年、生活の質の向上と環境・安全・健康問題への関心の高まりに伴って、形状記憶繊維、難燃・防炎繊維、紫外線遮蔽繊維、防虫・防ダニ繊維、抗菌繊維、消臭繊維、高質感・高風合繊維、皮膚障害予防繊維等の機能性繊維が次々と開発されており、繊維業界の注目を集めている。一方、中国に席捲されつつある日本の繊維産業が生き残り、中国と共生する為には、繊維に付加価値をつけた機能性繊維の開発が不可欠と考えられ、そのような観点からも機能性繊維の開発と実用化は日本の繊維業界にとって極めて重要な課題となっている。
ポリエステル系繊維の長所は、▲1▼形態安定性が優れており、皺になりにくく、腰があり、プリーツ保持性もよい。▲2▼吸湿性が低く、速乾性があり、ウォッシュアンドウェア性に優れている。▲3▼耐熱性や強度が高く、耐磨耗性も優れている。
一方、欠点は長所の裏返しであり、▲1▼疎水性のため染色性が悪く、イオン性染料では染める事ができない。▲2▼ピリングが発生しやすい。▲3▼吸湿性、吸汗性が低く、静電気が発生しやすいなど着用快適性が低い等を挙げる事ができる。
ポリエステル系繊維の欠点は、上記した通り保湿性が低い事が原因となって着用快適性が悪い点にあるが、それらの欠点を改善する試みは数多くなされている。
その試みは原糸製造の段階で改質する方法と、紡糸或いは紡績された糸や、その織物を後加工する方法に大別される。例えば、
1.吸水型中空ポリエステル繊維:特公昭61−60188号公報、特開平7−26466号公報などに記載された方法で、有機スルフォン酸金属塩を添加配合したポリエステル繊維をアルカリ減量処理する事により、中空部を形成させ、繊維表面から中空部まで貫通した微細孔を形成させた繊維で、水は毛管移動により中空部に吸収される。
2.ポリマー改質と後加工を組み合わせた方法:ポリアルキレングリコールの共重合によってガラス転移点が低下したポリエステル繊維にアクリル酸やメタクリル酸をグラフト重合させる方法がある。
3.繊維表面から中空部まで貫通した微細孔を有するポリエステル繊維に親水性化合物を付与する方法:特開平10−77577号公報、特許第2969581号公報、特許第2969582号公報などに記載された方法で、親水性化合物としてコラーゲンや吸水性ポリマーのゲルを付与したり、セリシンの様な水溶性天然蛋白質を架橋剤と共に処理して架橋不溶化した親水性化合物を中空部に付与する方法である。
4.異形断面形状のポリエステル繊維に親水性化合物を付与する方法:特開平6−17372号公報、特開平9−158048号公報などに記載がある様に、凹部を有する断面形状を持つマルチフィラメント糸に脱アセチル化キチンとセリシン等の複合物を付与する方法である。
5.架橋薬剤と親水性化合物を併用して処理する後加工法:例えば特開平11−247067号公報等に記載がある方法で、キトサン誘導体とグリシジルエーテル基を有するポリエチレングリコール誘導体溶液で熱処理する事によって親水化加工を施す方法がある。
これらの改質方法はそれぞれ一長一短があり、まだまだ改善の余地が多い。
例えば親水性化合物を架橋剤と共に付与する方法や中空部に蛋白質を付与する方法は、洗濯耐久性に限界があり、洗濯を繰返す毎に効果が減退していく。
また、プラズマ法の様に設備投資の割りに効果が不充分であったり、複雑多岐な工程を経て製造される繊維はコストアップとなり経済性が問題となる。
更にべとつき感や風合、着用快適性、抗ピリング性の向上等、品質改良効果の点でも改善の余地が残っている。
発明が解決しようとする課題
前記した様に、ポリエステル繊維の親水性や風合を改善する方法が多くの公知文献に記載されているが、加工効果や効果の耐久性に問題を抱えており、複雑多岐な工程を経て製造される繊維はコストアップとなり経済性が問題となる等の問題点に着目して、我々は経済性に優れ、風合や着用快適性などの機能性付与効果も大きく、繰り返し洗濯に対する耐久性にも優れた実用的価値の高い加工方法の実用化研究を行った。
課題を解決するための手段
本発明者等は経済性、加工製品の風合・着用快適性、抗ピリング性、耐洗濯性、加工効果等、品質に優れた肌に優しい機能性繊維の加工法に関する開発研究を推進した結果、ポリエステル系繊維材料に、第1次処理としてアミノフェニル系化合物を吸収させてアミノ基を導入し、第2次処理としてポリハロゲノピリミジン、特にポリクロロピリミジンからなるピリミジン系化合物を架橋剤として用い、水中に動植物蛋白質とアルカリ剤並びに1次処理の済んだ繊維材料を加え、必要に応じて乳化剤或いは分散剤を共存させて、アルカリ性で加熱反応処理することによってポリエステル系繊維材料に効果的に動植物蛋白質を結合させるポリエステル系繊維材料の新規な改質加工法を見出した。
本発明は第1次処理としてアミノフェニル系化合物を吸収させてアミノ基を導入したあと、第2次処理としてポリハロゲノピリミジン、特にポリクロロピリミジンからなるピリミジン系化合物を架橋剤として用い、動植物蛋白質を共存して反応させる事によって強固にポリエステル系繊維材料に動植物蛋白質を結合させ、着用快適性を効果的・持続的に改善する事を主たる目的とするポリエステル系繊維材料の新規な改質加工法である。
その目的を達成する為に、第1次処理としてアミノフェニル系化合物を水中に分散、乳化或いは懸濁させて、100〜150℃の温度に加熱して吸収させてポリエステル繊維にアミノ基を導入し、第2次処理としてポリハロゲノピリミジンと動植物蛋白質類及び第1次処理の済んだ繊維材料を水中に加え、必要に応じて乳化剤或いは分散剤を共存させて、アルカリ性で70〜110℃に加熱反応処理し、必要に応じて酸性処理したあと、洗浄、ソーピングすることによって、ポリエステル系繊維材料に架橋反応によって動植物蛋白質を強固に結合させる改質加工法である。
なお、アミノフェニル系化合物をポリエステルに吸収させる際に、分散染料で染色する際に用いられる公知のキャリアー類を添加すると効果的である場合がある。
本発明の実施形態をより詳しく具体的に説明する。
例えば、加工設備としてチーズ染色機を用い、浴比1:10〜1:30の水の中に、1〜10%owfのアミノフェニル系化合物を加え、消泡剤と分散剤を所定量加えて、100〜150℃で、0.2〜2時間加熱循環する。
次いで100℃以下に冷却して排水し、ソーピング、水洗して1次処理を完了する。
次いで同じ設備で浴比1:10〜1:30の水の中に、1〜10%owfのポリハロゲノピリミジン系化合物を適量の乳化剤と共によく攪拌・乳化させ、1〜3%owfの脱気剤及び均染剤を加え、更にぼう硝を濃度で5〜15%と炭酸ソーダ1〜10%owfとを加えて溶解する。更に1〜10%owfの動植物蛋白質類及び第1次処理の済んだ繊維材料を加えて70〜110℃に昇温、0.2〜2時間加熱循環する。次いで中温まで冷却し、酢酸を少量加えて弱酸性としたあと、再び昇温し100〜150℃で0.2〜2時間加熱循環する。
次いで100℃以下に冷却して排水し、ソーピング、水洗して乾燥すればよい。
本発明で使用可能なアミノフェニル系化合物の具体例を挙げると、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンツアニリド、3,3’−ジアミノベンツアニリド、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(4−アミノ−2,3−ジクロロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)サルファイド、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノ−4’−クロロベンゾフェノン、4−アミノ−4’−クロロジフェニルエーテル、4−アミノ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチルベン、4−アミノジフェニルエーテル、4−アミノジフェニルメタン、3−アミノ−N−エチルカルバゾール、2−アミノ−フルオレン、4−アミノ−4’−メトキシスチルベン、4−アミノ−4’−メチルジフェニルエーテル、4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフォン、2−アミノフェニルフェニルサルファイド、アンスラニリックアシッド4−ニトロフェニルエステル、アゾイックジアゾコンポネント24からなる群から選ばれた1種以上のアミノフェニル系化合物を例示する事ができる。
これらのアミノフェニル系化合物はアミノ基を有するベンゼン環がS、N、O、C等の原子又は疎水性原子団によってベンゼン環2個以上が連結されているか、或いはベンゼン環2個以上が直結されたアミノ基含有化合物であればよいのであり、上記の例に制約されるものではない。
本発明で使用可能なポリハロゲノピリミジン系化合物は特許第3364896号公報、特許第2825581号公報等に記載された方法に準じて合成できる。ポリハロゲノピリミジン系化合物の具体例をあげると次のような化合物をあげる事が出来るが、要は反応性ハロゲン原子を2個以上有するポリハロゲノピリミジン系化合物であれば良いのであって、これらの具体例に制約されるものではない。
例えば、2,4,6−トリクロロピリミジン、4,5,6−トリクロロピリミジン、2,6−ジクロロピリミジン、4,6−ジクロロピリミジン、2,4−ジクロロピリミジン、5−シアノ−2,4,6−トリクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2,4−ジクロロ−5−メトキシピリミジン、6−メチル−2,4−ジクロロピリミジン、4,6−ジクロロ−2−メチルチオピリミジン、2−エトキシ−4,6−ジクロロピリミジン及びジフルオロモノクロロピリミジン等のポリハロゲノピリミジン系化合物を具体例として挙げる事ができる。
本発明で使用されるアルカリ剤とは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩、燐酸塩、珪酸塩、水酸化物等で、例えば炭酸ソーダ、炭酸カリ、重炭酸ソーダ、重炭酸カリ、炭酸リチウム、第3燐酸ソーダ、第2燐酸ソーダ、珪酸ソーダ、苛性ソーダ、カセイカリ、水酸化マグネシューム等の単独或いは混合物である。
本発明で必要に応じて使用される乳化剤或いは分散剤の具体例としては次の様な公知の化合物が使用可能である。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、グリセリン脂肪酸エステル系、ショ糖脂肪酸エステル系、サポニン系、レシチン系、ナフタリンスルフォン酸のホルマリン縮合物、シェファー酸のホルマリン縮合物、リグニンスルフォン酸等を具体例として挙げる事ができる。
本発明の加工対象繊維材料とは、ポリエチレンテレフタレート及び/又はテレフタル酸とアルキレングリコールの縮合重合によって得られるポリアルキレンテレフタレート繊維、脂肪族ジカルボン酸とグリコールを縮合させた脂肪族ポリエステル及び/又はポリグリコール酸や乳酸を縮合させた生分解性ポリエステルからなる群から選ばれた1種以上のポリエステル系繊維材料、或いは他の合成繊維又は/及び天然繊維材料との混紡、交織繊維であってもよいポリエステル系繊維含有繊維材料である。
本発明方法によって加工・改質されたポリエステル系繊維材料は、風合良好性、着用快適性、帯電性に優れた機能性繊維となり、皮膚に優しい暖かみのある風合いが付与され、繰り返し洗濯耐久性にも優れた機能性繊維が得られる。
以下実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、部及び%は重量部及び重量%を意味する。
実施例1
容量12Lのチーズ染色機に水12Lを仕込み、ポリエチレンテレフタレートのチーズ巻きの糸(70d)1kgをセットする。
次いで液を循環しながら、ALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1g/L、ニッカサンソルト7000(日華化学社製、分散剤)4g/L、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン50gを加えて130℃に昇温し、30分間液を循環する。次いで90℃に下げ、排水する。熱水12Lを加えて70℃で10分間湯洗してから水洗を2回繰返す。
次いで、そのまま水12Lを加え、水を循環しながらALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1%owf、ALBEGAL BF(CIBA社製、均染剤)1.5%owf、TDS−80(第一工業製薬社製、乳化剤)4%owf、2,4,6−トリクロロピリミジン3.5%owf、コラーゲンペプチドSVP(旭陽化学工業社製)5%owf、無水ぼう硝100g/L、最後に炭酸ソーダを35%owf仕込んで溶解する。
1〜2℃/分で90℃に昇温し、90℃で30分間保温する。次いで、60℃まで冷却して酢酸を4%owf加えて、再び昇温し、130℃で30分間液を循環する。冷却して排水し、70℃の熱湯で洗浄、更に常法によりソーピングしたあと水洗し乾燥する。
このようにして改質加工したポリエステル繊維の糸を編み機で編みたてて、編地を作り下記の通り試験した。
(1)帯電性試験(摩擦帯電圧測定法 JIS−L−1094):
温度、湿度:20℃、40%RH
摩擦布 :綿、ナイロン
Figure 2008069502
(2)衣服内湿度:
<測定条件>安静状態10分→運動状態(5km/hで歩行)20分→安静状態1 5分
<測定部位>大腿部後面
<測定環境>23.5±2℃、55±2%RH
<被験者>20台女子 1名
測定結果:運動の後半で、未加工品は、47〜50%RHに達したが、実施例−1 加工品は、42〜43%RHであった。
上記試験結果から明らかなように、本発明加工品は帯電性、衣服内湿度共に著しく改善されている事が確認された。
(3)着用快適性試験:
モニターによって上記2種類の製品について▲1▼肌触り感、▲2▼なめらかさ、▲3▼しなやかさ、▲4▼さらっとした感じ、▲5▼蒸れ感、について洗濯を20回繰返したあとの着用官能試験を行った結果、本発明加工品がいずれにおいても最も優れていた。
実施例2
容量12Lのチーズ染色機に水12Lを仕込み、ポリエチレンテレフタレート74%とポリウレタン26%からなる交織生地1kgをバスケットにセットする。
次いで液を循環しながら、ALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1g/L、ニッカサンソルト7000(日華化学社製、分散剤)4g/L、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン50gを加えて130℃に昇温し、30分間液を循環する。次いで90℃に下げ、排水する。熱水12Lを加えて70℃で10分間湯洗してから水洗を2回繰返す。
次いで、そのまま水12Lを加え、水を循環しながらALBEGAL FFA(CIBA社製、脱気剤)1%owf、ALBEGAL BF(CIBA社製、均染剤)1.5%owf、TDS−80(第一工業製薬社製、乳化剤)4%owf、2,4,6−トリクロロピリミジン3.5%owf、セリシンパウダー5%owf、無水ぼう硝100g/L、最後に炭酸ソーダを3.5%owf仕込んで溶解する。
1〜2℃/分で90℃に昇温し、90℃で30分間保温する。次いで、60℃まで冷却して酢酸を4%owf加えて、再び昇温し、130℃で30分間液を循環する。冷却して排水し、70℃の熱湯で洗浄、更に常法によりソーピングしたあと水洗し乾燥する。
このようにして改質加工したポリエステル・ポリウレタン交織生地を用いて、下記の通り試験した。
皮膚角質水分量測定:
<測定条件>20±2℃、55±5%RHの環境下で20分間安静状態を保った後 に行う
<測定部位>腕上下部
<測定環境>20±2℃、55±5%RH
<被験者>A.25歳 女性
B.28歳 女性 計2名
Figure 2008069502
いずれの場合も本発明加工品の方が皮膚の保湿性が大きく、皮膚保護作用が大きい事を示している。
実施例3
実施例−1における4,4’−ジアミノジフェニルスルフォンの代わりに4,4’−ジアミノベンツアニリドを用いる以外は全て同じ条件でポリエステル繊維材料を加工した結果、着用快適性は実施例−1と同様な効果を示した。
発明の効果
本発明によればポリエステル系繊維材料に動植物蛋白質類を強固に結合させることが可能で、その結果、着用快適性、皮膚保護性、風合、並びに洗濯耐久性の優れたポリエステル系繊維材料を得る事ができる。

Claims (9)

  1. 第1工程としてアミノフェニル系化合物をポリエステル系繊維材料に熱処理吸収させ、第2工程として、該ポリエステル系繊維材料にポリハロゲノピリミジン系化合物と動植物蛋白質類とを酸結合剤の共存下、熱処理加工する事を特徴とするポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  2. 第1工程としてアミノフェニル系化合物をポリエステル系繊維材料に熱処理吸収させ、第2工程として、該ポリエステル系繊維材料にポリハロゲノピリミジン系化合物と動植物蛋白質類とを酸結合剤の共存下、熱処理加工する事によって改質加工されたポリエステル系繊維材料。
  3. アミノフェニル系化合物として、アミノ基を有するベンゼン環がS、N、O、C等の原子或いは原子団によって連結されているか、或いは直結されたベンゼン環2個又は2個以上が連結されたアミノ基含有フェニル化合物である請求項1及び2記載のポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  4. アミノフェニル系化合物例として、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンツアニリド、3,3’−ジアミノベンツアニリド、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(4−アミノ−2,3−ジクロロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)サルファイド、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、3−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、2−アミノ−4’−クロロベンゾフェノン、4−アミノ−4’−クロロジフェニルエーテル、4−アミノ−4’−(N,N−ジメチルアミノ)スチルベン、4−アミノジフェニルエーテル、4−アミノジフェニルメタン、3−アミノ−N−エチルカルバゾール、2−アミノ−フルオレン、4−アミノ−4’−メトキシスチルベン、4−アミノ−4’−メチルジフェニルエーテル、4−アミノ−3−ニトロベンゾフェノン、2−アミノフェニルフェニルスルフォン、2−アミノフェニルフェニルサルファイド、アンスラニリックアシッド4−ニトロフェニルエステル、アゾイックジアゾコンポネント24からなる群から選ばれた1種以上のアミノフェニル系化合物である請求項1から3に記載のポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  5. ポリハロゲノピリミジン系化合物として、2,4,6−トリクロロピリミジン、4,5,6−トリクロロピリミジン、2,6−ジクロロピリミジン、4,6−ジクロロピリミジン、2,4−ジクロロピリミジン、5−シアノ−2,4,6−トリクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2,4−ジクロロ−5−メトキシピリミジン、6−メチル−2,4−ジクロロピリミジン、4,6−ジクロロ−2−メチルチオピリミジン、2−エトキシ−4,6−ジクロロピリミジン及びジフルオロモノクロロピリミジンからなる群から選ばれた1種以上のポリハロゲノピリミジン系化合物である請求項1から4に記載のポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  6. 動植物蛋白質として、セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、ゼラチン、大豆蛋白及びそれらの加水分解生成物の単独或いは混合物を用いる事を特徴とする請求項1から5に記載のポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  7. 請求項1から6におけるポリエステル系繊維材料の改質加工条件として、第1工程で水中にアミノフェニル系化合物を必要に応じて乳化剤或いは分散剤と共に乳化・分散させて熱処理する事によってアミノフェニル系化合物を繊維に吸収させた後、第2工程としてポリハロゲノピリミジン系化合物と動植物蛋白質とを必要に応じて乳化剤或いは分散剤と共に乳化・分散或いは溶解させ、酸結合剤共存下、アルカリ性で加熱処理し、次いで必要に応じて酸処理することを特徴とするポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  8. 請求項1及び2における酸結合剤として、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩、燐酸塩、珪酸塩、水酸化物等のアルカリ剤を使用する事を特徴とするポリエステル系繊維材料の改質加工法。
  9. 請求項1から8における改質加工対象繊維材料として、ポリエチレンテレフタレート及び/又はテレフタル酸とアルキレングリコールの縮合重合によって得られるポリアルキレンテレフタレート繊維、脂肪族ジカルボン酸とグリコールを縮合させた脂肪族ポリエステル及び/又はポリグリコール酸や乳酸を縮合させた生分解性ポリエステルからなる群から選ばれた1種以上のポリエステル系繊維材料、或いは他の合成繊維又は/及び天然繊維材料との混紡、交織繊維であってもよいポリエステル系繊維含有繊維材料の改質加工法。
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