JP6224487B2 - 撥水性布帛およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非フッ素系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛およびその製造方法に関する。
布帛に撥水性を付与するのに、古くからフッ素系撥水剤が広く知られている。フッ素系撥水剤は、一般にパーフルオロアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体の(共)重合体であり、優れた撥水性を発揮するが、生体への蓄積性、難分解性であるための環境汚染等の問題点がクローズアップされてきた。そのため、昨今は非フッ素系撥水剤を用いた撥水性布帛への要求が高まってきている。
このような状況をふまえ、シリコーン系化学品を活用したケースとして、ケイ素原子に結合した水素原子を有するH−シリコーンと呼称されているオルガノポリシロキサンと有機酸金属塩とを併用し、布帛に耐久性のある撥水性を付与する方法が最も慣用されているが、最近では、布帛をアミノ基含有オルガノアルコキシシランまたはそれらの加水分解物、およびカルボキシル基等含有オルガノポリシロキサンで処理する方法(例えば、特許文献1参照)、シリコーンマクロモノマーとフッ素元素を含まない(メタ)アクリレートモノマーとの共重合体を布帛に付与する方法(例えば、特許文献2参照)、アミノシリコーンにイソシアネート化合物を併用して布帛に付与する方法(例えば、特許文献3参照)等の提案がある。
一方、シリコーン系化学品以外の非フッ素系撥水剤では、パラフインやワックスのような炭化水素化合物、脂肪酸金属塩、長鎖アルキル尿素を活用する撥水剤(例えば、非特許文献1参照)、エステル部分の炭素数12以上の(メタ)アクリル酸エステルを80%以上共重合させた特定分子量の非フッ素系ポリマーを布帛に付与する方法(例えば、特許文献4参照)などが挙げられる。
しかしながら、これらは、フッ素系撥水剤による撥水布帛と比較して、撥水性の洗濯耐久性が劣るという問題があった。その理由は、撥水剤が揉みや洗濯により脱落することが主因である。また、不快な静電気が発生し易く、あるいは不快な魚腐敗臭の発生、処理布帛の黄変といった不具合も発生し易かった。
特公昭61−9432号公報 特開平7−97770号公報 特開2004−59609号公報 特開2006−328624号公報
「超撥水加工、加工剤の全容と透湿防水素材の新動向」(株)大阪ケミカルマーケテイングセンター発行、1996年
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、非フッ素系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)と、炭素数16以上の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)と、制電剤(c)とを含む撥水剤を布帛に付与し熱処理すると、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)が200〜500nmの粒径で互いに密接しながら微分散しており、さらに水素基含有オルガノポリシロキサン(a)に含まれる水素基と重合体(b)に含まれる水酸基とが脱水素縮合反応をおこすことにより強靭な撥水膜が形成され、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「有機繊維で構成される布帛にシリコーン系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、JIS L 0217 103に従う洗濯20回(HL−20)後におけるJIS L 1092(スプレー法)に規定する撥水度が3級以上であり、かつJIS L 1094 5.2に従う摩擦帯電圧が1000V未満であり、撥水性布帛において、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)と、炭素数16以上の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)とからなる撥水膜が形成されてなり、かつ撥水性布帛が非フッ素系撥水加工布であることを特徴とする撥水性布帛。」が提供される。
また、本発明によれば、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)と、炭素数16以上の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)と、制電剤(c)とを含む撥水剤を、有機繊維で構成される布帛に付与する、前記の撥水性布帛の製造方法が提供される。
その際、前記重合体(b)が、炭素数16以上の炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリレートを含む重合体であることが好ましい。また、前記重合体(b)が、メチロール基または水酸基を有することが好ましい。また、前記制電剤(c)が塩酸グアニジンであることが好ましい。また、前記撥水剤が、さらにトリアジン環含有化合物を含むことが好ましい。また、前記撥水剤が、さらにイソシアネート化合物を含むことが好ましい。また、前記水素基含有オルガノポリシロキサン(a)として200〜500nmの粒径を有するものを用いることが好ましい。
本発明によれば、非フッ素系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛およびその製造方法が得られる。
実施例1で調整した配合液をアルミ箔上に滴下、130℃熱風循環乾燥機で3分間乾燥し、さらに170℃熱風循環乾燥機で1分間熱セットしたのちに無蒸着の状態で走査型電子顕微鏡で観察したものである。 比較例2で調整した配合液をアルミ箔上に滴下、130℃熱風循環乾燥機で3分間乾燥し、さらに170℃熱風循環乾燥機で1分間熱セットしたのちに無蒸着の状態で走査型電子顕微鏡で観察したものである。 比較例4で調整した配合液をアルミ箔上に滴下、130℃熱風循環乾燥機で3分間乾燥し、さらに170℃熱風循環乾燥機で1分間熱セットしたのちに無蒸着の状態で走査型電子顕微鏡で観察したものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本願発明の撥水性布帛は、有機繊維で構成される布帛にシリコーン系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、JIS L 0217 103に従う洗濯20回(HL−20)後におけるJIS L 1092(スプレー法)に規定する撥水度が3級以上(好ましくは4級以上)であり、かつJIS L 1094 5.2に従う摩擦帯電圧が1000V未満(好ましくは5〜500V)であることを特徴とする撥水性布帛である。
ここで、前記有機繊維としてはポリエステル繊維、ナイロン繊維、木綿やウールなどの天然繊維など特に限定されないが、ポリエステル繊維であることが好ましい。
前記ポリエステル繊維はジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、グリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸であってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
前記ポリエステル繊維の形状としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、吸水性を向上させるため長繊維であることが好ましい。さらには、通常の仮撚捲縮加工が施された仮撚捲縮加工糸や2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸であってもよい。
その際、マルチフィラメントの単繊維繊度、総繊度、単糸数は、単繊維繊度0.1〜10.0dtex、総繊度20〜300dtex(より好ましくは20〜60dtex)、単糸数10〜200本(より好ましくは110〜200本)の範囲であることが好ましい。特に、優れた撥水性を得る上で単糸繊維繊度が2.0dtex以下(より好ましくは0.0001〜0.5dtex)であることが特に好ましい。
また、前記ポリエステル繊維において、単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の円形断面のほかに三角、扁平、特開2004−52167号公報に記載のくびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形などの異型断面形状であってもよい。
また、前記の布帛において、布帛の組織としては、例えば、よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示され、織物組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。なお、これらの織物や編物は常法により製造することができる。
かかる撥水性布帛は、例えば、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)と、炭素数16以上の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)と、制電剤(c)とを含む撥水剤を、有機繊維で構成される布帛に付与することにより製造することができる。
ここで、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)は、ケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、その水分散体が好ましい。その分子構造は特に限定されず、直鎖状、一部が分岐した鎖状、分岐状、環状などが例示される。例えば、特開2002−114972号公報に示されたものや、市販品では、POLON MWS、POLON MK−206(共に信越化学製)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、炭素数16以上(好ましくは16〜25)の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)としては、炭素数16以上の炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリレートを含む重合体が好ましく、オクタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレートのような長鎖脂肪族アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類、長鎖脂肪酸のビニールエステル類等のエチレン性不飽和単量体のコポリマーが挙げられる。また、長鎖アルキル重合体(b)への官能基導入は、前記エチレン性不飽和単量体に、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリル等の官能基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合させるのが好ましい。
さらに付け加えるなら、長鎖アルキル重合体(b)が、水酸基、メチロール基のいずれか一種以上の官能基を有し、官能基価(weight per function equivalent:g solid/eq.)が1000〜10000gが好ましく、より好ましくは3000〜7000gである。
また、長鎖アルキル重合体(b)は、適当なアニオン性、カチオン性、あるいは非イオン性界面活性剤とイオン交換水を用いて予めエチレン性不飽和単量体の乳化液を作製し、その乳化液をラジカル開始剤を用いて乳化重合する方法が好ましい。ラジカル開始剤としては過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ化合物が好ましく用いられる。
また、前記制電剤(c)としては特に限定されないが、前記オルガノポリシロキサン、および脂肪族炭化水素重合体を凝集させず、安定に分散状態を維持することで撥水性と制電性を確保できるため塩酸グアニジンが好ましい。
さらには、前記撥水剤には、架橋剤が含まれていることが好ましく、かかる架橋剤として、リアジン環含有化合物としてはメラミンホルムアルデヒド付加物が好適であり、市販品ではベッカミン M−3、PM−N(共にDIC製)、ユニカレジン 380−K(ユニオン化成製)が挙げられる。また、イソシアネート化合物としては脂肪族あるいは脂環族イソシアネート系の水分散タイプポリイソシアネート化合物が好適である。
前記撥水剤においてそれぞれの組成比率(全て重量%)を述べる。水素基含有オルガノポリシロキサン(a)の固形分に対する長鎖アルキル重合体(b)の固形分比率は50〜200重量%の範囲が好ましく、より好ましくは100〜150重量%の範囲である。非フッ素系撥水剤(A)の固形分に対する制電剤(c)の固形分比率は10〜100%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜60重量%の範囲である。また、非フッ素系撥水剤(A)の固形分に対する架橋剤の固型分比率は10〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは20〜30重量%の範囲である。
前記撥水剤の布帛への付与は、所定濃度に希釈した配合液を布帛に含浸し、マングルロール等で余分な配合液を搾取し、熱風循環乾燥機で100〜130℃で乾燥後、150〜180℃で熱キュアする通常の繊維加工方法が採用できる。
さらには、通常の染色加工、減量加工、起毛加工、カレンダー加工、エンボス加工、蓄熱加工、吸汗加工、マイナスイオン加工などを適宜施してもよい。
かかる方法により、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)が200〜500nmの粒径で互いに密接しながら微分散しなおかつ水素基含有オルガノポリシロキサン(a)に含まれる水素基と重合体(b)に含まれる水酸基とが脱水素縮合反応をおこすことにより強靭な撥水膜が形成され、その結果、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛が得られる。
前記布帛は、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛であるので、シャツ、ユニフォーム、食品工場用白衣ユニフォーム、オフィスユニフォーム、化粧品販売員用ユニフォーム、アパレル衣料、スポーツ衣料、紳士衣料、婦人衣料、学生服などの衣料や、カーテン、枕カバー、カーシートなどとして好適に使用される。
以下、本発明を合成例、実施例、比較例を用いて説明するが、本発明は、この合成例、実施例、比較例に限定されるものではない。実施例、比較例中の試験、物性、分析は下記の方法で行った。
(1)撥水性
撥水性をJIS L 1092 5.2撥水度試験(スプレー試験)に基づき測定した。判定は以下のように行った。
撥水度5 表面に湿潤や水滴がないもの
撥水度4 表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの
撥水度3 表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの
撥水度2 表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの
撥水度1 表面全体に湿潤を示すもの
(2)摩擦耐電圧
摩擦帯電圧をJIS L 0194 5.2摩擦帯電圧測定法に基づき測定した。試料布は20℃、湿度40%R.H.環境下、24時間調湿し、JIS L 0803に規定の綿白布を摩擦布に用いて測定した。
(3)洗濯
洗濯をJIS L 0217 103に基づき実施し、乾燥はつり干し自然乾燥とした。表1および表2に示すL−20は前記洗濯20回を指す。
(4)引裂強さ
JIS L 1096 8.15.5(D法)ペンジュラム法に基づき測定した。
[撥水剤]
[合成例1]
オクタデシルメタクリレート 204g、60%N−メチロールアクリルアミド 3.5g、ドデシルメルカプタン 1g、合計208.5gのエチレン性不飽和単量体混合物を35〜40℃に温めておく。
1Lガラスビーカーに、上記エチレン性不飽和単量体混合物 208.5g、25%ヘキサデシルトリメチルアンモニウム 24g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB:12〜13) 10g、を40℃に加温し、その中へイオン交換水142.5g入れて、ホモジナイザーで乳化し、エチレン性不飽和単量体混合物の乳化液 385g調製した。
次いで、1.5Lガラスセパラブル四つ口合成用フラスコにイオン交換水436g入れ、窒素ガスブローしながら78℃の昇温し、前記エチレン性不飽和単量体混合物の乳化液77gを添加した。続いて、5% 2.2−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩水溶液を20g添加し重合開始させてから、前記エチレン性不飽和単量体混合物の乳化液308gと、5% 2.2−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩水溶液 20gを78℃で、90分間要して並行滴下した。重合完了後、イオン交換水で固型分20%に調整し、メチロール基を官能基とするオクタデシルメタアクリレート(炭素数18)/N−メチロールアクリルアミド共重合体エマルジョン約1000gを得た。
[合成例2]
合成例1に記載の60%N−メチロールアクリルアミド 3.5gを、β―ヒドロキシエチルメタアクリレート 2.1gに置き換えて、以下、合成例1と同様の操作で、水酸基を官能基とするオクタデシルメタアクリレート(炭素数18)/β―ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体エマルジョン約1000gを得た。
[合成例3]
合成例1に記載のオクタデシルメタアクリレート 204gを、トリデシルメタアクリレート 204gに置き換えて、以下、合成例1と同様の操作で、メチロール基を官能基とするトリデシルメタアクリレート(炭素数16)/N−メチロールアクリルアミド共重合体エマルジョン約1000gを得た。
POLON MWS 信越化学(株)製 水素基含有シリコーンオイルエマルジョン
POLON MK−206 信越化学(株)製 水素基含有シリコーンオイルエマルジョン
シリコラン CH 京浜化成(株)製 特殊反応性ポリシロキサン
ペトロックス P200 明成化学(株)製 高分子ワックスエマルジョン
NUVA N2114L クラリアント社製 フッ素系撥水剤
[補助剤]
ベッカミン M−3 DIC(株)製 メラミンホルムアルデヒド付加物
バーノック NDW−5000 DIC(株)製 水分散性イソシアネート化合物
キャタリスト 376 DIC(株)製 メラミン架橋剤用触媒
キャタリスト CHB 京浜化成(株)製 金属塩系触媒
塩酸グアニジン キシダ化学(製) 試薬一級
ナイスポール FE−26 日華化学(株)製 静電気防止剤水溶液
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレートフイラメントタフタ(目付け63g/m、経糸:ポリエチレンテレフタレートフイラメント総繊度56dtex/72fil、緯糸:ポリエチレンテレフタレートフイラメント総繊度56dtex/72fil、経糸密度:140本/2.54cm、緯糸密度:140本/2.54cm)の試料布(幅:28cm、長さ:80cm)を、表1実施例に示す配合割合の撥水剤配合液500gに浸漬後、マングルロールでウエットピックアップ60%に絞り、130℃熱風循環乾燥機で3分間乾燥し、更に170℃熱風循環乾燥機で1分間熱セットした。本実施例で得られた試料布を後述の評価方法で評価した結果を表1に示した。
[実施例2〜6、比較例1〜8]
実施例1に記載の撥水剤配合液を表1実施例の実施例2〜6に示す配合割合の撥水剤配合液に、および表2比較例1〜8に示す配合割合の撥水剤配合液に置き換え、他は実施例1と同様に操作した。其々の評価結果も同様にして其々の表に記載した。
また実施例1で調整した配合液をアルミ箔上に滴下、130℃熱風循環乾燥機で3分間乾燥し、さらに170℃熱風循環乾燥機で1分間熱セットしたのちに無蒸着の状態で走査型電子顕微鏡で観察したものが図1、比較例2、比較例4の配合液を同様に処理したものが図2、図3である。比較例2ではオルガノポリシロキサンは不均一に点在しているのに対し、実施例1においては200〜500nmの粒径で互いに密接しながら微分散していることが認められる。
本発明によれば、非フッ素系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、優れた洗濯耐久性と制電性とを有する撥水性布帛およびその製造方法が提供され、かかる布帛は環境と健康に配慮した快適な加工品であり、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. 有機繊維で構成される布帛にシリコーン系撥水剤が付着してなる撥水性布帛であって、JIS L 0217 103に従う洗濯20回(HL−20)後におけるJIS L 1092(スプレー法)に規定する撥水度が3級以上であり、かつJIS L 1094 5.2に従う摩擦帯電圧が1000V未満であり、撥水性布帛において、水素基含有オルガノポリシロキサン(a)と、炭素数16以上の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)とからなる撥水膜が形成されてなり、かつ撥水性布帛が非フッ素系撥水加工布であることを特徴とする撥水性布帛。
  2. 水素基含有オルガノポリシロキサン(a)と、炭素数16以上の脂肪族炭化水素基を側鎖とする重合体(b)と、制電剤(c)とを含む撥水剤を、有機繊維で構成される布帛に付与する、請求項1に記載の撥水性布帛の製造方法。
  3. 前記重合体(b)が、炭素数16以上の炭化水素基を側鎖に有する(メタ)アクリレートを含む重合体である、請求項2に記載の撥水性布帛の製造方法。
  4. 前記重合体(b)が、メチロール基または水酸基を有する、請求項2または請求項3に記載の撥水性布帛の製造方法。
  5. 前記制電剤(c)が塩酸グアニジンである、請求項2〜4のいずれかに記載の撥水性布帛の製造方法。
  6. 前記撥水剤が、さらにトリアジン環含有化合物を含む、請求項2〜5のいずれかに記載の撥水性布帛の製造方法。
  7. 前記撥水剤が、さらにイソシアネート化合物を含む、請求項2〜6のいずれかに記載の撥水性布帛の製造方法。
  8. 前記水素基含有オルガノポリシロキサン(a)として200〜500nmの粒径を有するものを用いる、請求項2〜7のいずれかに記載の撥水性布帛の製造方法。
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