JP5926565B2 - 加工方法 - Google Patents

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本発明は、撥水性を損なうことなく加工時にロールにガムアップしにくい撥水加工剤、および該撥水加工剤を用いた加工方法および該加工方法により得られた加工製品に関する。
従来、布帛、紙、フィルムなどに撥水性を付与するため撥水加工剤を付与する加工が行われている。かかる加工の一般的なプロセスは、1.フッ素系撥水剤と、架橋剤、静電気防止剤、消泡剤等の補助薬剤とを混合する撥水加工剤の調製、2.前記撥水加工剤の被処理物への含浸・マングルロール絞り工程による余分な撥水加工剤の搾取・回収、3.被処理物の乾燥・熱処理である。このプロセスにおいて、撥水加工剤はマングルロール絞りで過酷なシェアを受けることにより、凝集したり、マングルロール上でガムアップしたり、場合によっては、これら凝集物やガム状物が被処理物に付着し加工ムラが発生することもあった。
他方、フッ素系撥水剤として炭素数8以上のパーフルオロアルカン酸や炭素数8以上のパーフルオロアルケン酸などを含むもの(以下、PFOA系撥水剤と称する)。が従来、慣用されてきたが、近年では、安全性や環境負荷に配慮して、炭素数8未満のフッ素系撥水剤(以下、非PFOA系撥水剤と称する。)が志向されるようになってきている。
しかしながら、非PFOA系撥水剤は撥水性維持の観点から、乳化分散し難い疎水性のエチレン性フッ素系単量体を高率に共重合する必要があり、撥水加工剤が凝集したり、マングルロール上でガムアップしたりという問題が顕著になる傾向にあった。
このような問題点に対し、例えば、特許文献1では、特定の界面活性剤を添加することによりフッ素系重合体粒子の凝集を抑制することが提案されているが、かかる方法ではまだ十分とはいえず、また、撥水性の洗濯耐久性や耐水圧などが低下するおそれがあった。
特開2006−188546号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、撥水性を損なうことなく加工時にロールにガムアップしにくい撥水加工剤、および該撥水加工剤を用いた加工方法、および該加工方法により得られた加工製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、フッ素系撥水剤と特定のアルコール体化合物とを混合することにより、撥水性を損なうことなく加工時にロールにガムアップしにくい撥水加工剤が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
本発明をさらに説明すると、一般的には一つの分子構造の中で親油基と親水基の両方を持つ物質を両親媒物質と呼び、アルコール体物質もその代表的な化合物の一つである。両親媒物質が分散体に添加されると、親油基、親水基がそれぞれの疎水物質と水に配向し、分散粒子/水の界面を覆うように分布して、分散系の安定化のためのミセル形成に有効に働く。本発明では前記のような効能を発揮する両親媒物質として、撥水加工の特徴に鑑み、特定性状のアルコール体化合物を活用した。
かくして、本発明によれば「フッ素系撥水剤(A)と、2,5−ジメチル−3―ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール、メチルジグリコール、エチルジグリコール、プロピルジグリコール、ブチルジグリコール、イソブチルジグリコール、アリルグリコール、メチルプロピレントリグリコール、ブチルプロピレングリコールからなる群より選択されるいずれか1種でありかつ1013hPaの気圧における沸点が150〜250℃の範囲内にあるアルコール体化合物(B)とを含むことを特徴とする撥水加工剤を用いてマングルロールで加工する加工方法。」が提供される。
その際、前記フッ素系撥水剤(A)が、炭素数8以上のパーフルオロアルカン酸および炭素数8以上のパーフルオロアルケン酸ならびにこれらの前駆体を含有しないことが好ましい。特に、前記フッ素系撥水剤(A)が、炭素数8未満のパーフルオロアルキル基または炭素数8未満のパーフルオロアルケニル基を有するフッ素元素含有エチレン性不飽和単量体を用いてなる重合体であることが好ましい。また、撥水加工剤が、パラフイン含有撥水剤、炭素数12以上の炭化水素基含有重合体系撥水剤、およびシリコーン系撥水剤からなる群より選択されるいずれかを含むことが好ましい。また、撥水加工剤が、トリアジン環含有化合物またはイソシアネート系化合物を含むことが好ましい。また、撥水加工剤が静電気防止剤を含むことが好ましい。また、撥水加工剤が消泡剤を含むことが好ましい。また、前記フッ素系撥水剤(A)と前記アルコール体化合物(B)との固形分質量比率が(前者:後者)1:0.1〜1:20の範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の加工方法を用いて、繊維、紙、木、およびプラスチックからなる群より選択されるいずれかに加工する加工方法が提供される。
本発明によれば、撥水性を損なうことなく加工時にロールにガムアップしにくい撥水加工剤、および該撥水加工剤を用いた加工方法、および該加工方法により得られた加工製品が得られる。
マングル装置を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、フッ素系撥水剤(A)の種類は、撥水性および/または撥油性を有するフッ素系の撥水剤であれば特に限定されないが、生体に対する安全性や環境負荷に配慮する上で、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、炭素数8以上のパーフルオロアルカン酸、炭素数8以上のパーフルオロアルケン酸(以下、PFOA類縁物質と称する。)、および分解によりこれらに変化する前駆体(以下、PFOA前駆体と称する。)を含有しない撥水剤(非PFOA系撥水剤)が好ましい。なお、「含有しない」とは、高速液体クロマトグラフー質量分析計(LC−MS)または熱分解ガスクロマトグラフー質量分析計(PyGC−MS)で分析したときに前記物質が検出限界以下であるという意味である。
ここで、前記フッ素系撥水剤(A)が、炭素数8未満のパーフルオロアルキル基または炭素数8未満のパーフルオロアルケニル基を有するフッ素元素含有エチレン性不飽和単量体を用いてなる重合体であることが好ましい。特に、前記フッ素系撥水剤(A)が、前記フッ素元素含有エチレン性不飽和単量体とフッ素元素を含まないエチレン性不飽和単量体との共重合体水分散体であるとより好ましい。
組成するエチレン性不飽和単量体として、アルキル(メタ)アクリレートが好ましい。含フッ素系エチレン性単量体ではパーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレートが好適である。一方、フッ素元素を含まないエチレン性単量体ではメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(n,i,t)ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等、架橋性エチレン性単量体ではN−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、クロロヒドロキシアルキル(メタ)クリレートなど、多官能性エチレン性単量体としてはエチレンジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールトリ(メタ)アクリレート等、カチオン性エチレン性単量体としてはN,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)アンモニウムクロライドなどがあげられる。
これらエチレン性単量体の共重合体水分散体は、多くの場合、予めエチレン性単量体混合物にメチルイソブチルケトン、セロソルブアセテートのような揮発性有機溶剤を加え、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルベンジル第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン界面活性剤、場合によっては前記したカチオン基含有エチレン性不飽和単量体と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミドエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等の非イオン界面活性剤で乳化水分散液にしてから水溶性ラジカル重合開始剤を用い乳化共重合させることが好ましい。
また、水溶性ラジカル重合開始剤源として、例えば2,2−アゾビスー2−アミジノプロパン二塩酸塩等の水溶性アゾ化合物を使用して乳化重合し、固型分20〜30%水分散液を得ることが好ましい。
市販の非PFOA系撥水剤としては、アサヒガード AG−E082、AG−E092(明成化学製)、NKガード S−07、S−09、S−11、S−22(日華化学製)、ヌバN2114L、2116(クラリアント製)などが例示される。一方、従来タイプのPFOA系撥水剤としては、アサヒガードLS−317、GS−10(明成化学製)、NDN−7E、NDN−9E(日華化学)などが例示される。
本発明において、アルコール体化合物(B)は下記式(1)で表され、1013hPaの気圧における沸点が150〜250℃の範囲内にある。
式(1)
X−R−Y
ただし、Xは、−H、 −OH、 −O(CHCZO)−H、−OC2m+1からなる群より選択されるいずれかである。また、Yは、−H、 −OH、 −O(CHCZO)−H、−OC2m+1からなる群より選択されるいずれかである。また、Rは−C2n−、および/または−C2n−2−、および/または−C2n−4−である。その際、ZはHまたはCHであり、n=2〜12、a=0〜3、m=1〜3である。
ここで、前記アルコール体化合物(B)において、化学式に示すRが親油基、XおよびYが親水基であって水分散粒子の凝集抑制効果が得られる両親媒物質である。撥水加工剤にかかる両親媒物質が含まれることにより、本発明の目的とする、撥水性を損なうことなく加工時にロールにガムアップしにくい撥水加工剤が得られる。
前記沸点が150℃よりも小さいと、マングルロール絞り工程で揮散しやすく界面活性効果が持続し難いため好ましくない。逆に、前記沸点が250℃よりも大きいと、難揮散性のため加工製品に残存しやすく好ましくない。
また、前記アルコール体化合物(B)において、20℃の水に対する溶解度が水重量対比5重量%以上(より好ましくは10重量%以上)であることが好ましい。
かかるアルコール体化合物(B)の具体例としては、例えば、2,5−ジメチル−3―ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール等のアセチレンジオール類、および、メチルジグリコール、エチルジグリコール、プロピルジグリコール、ブチルジグリコール、イソブチルジグリコール、アリルグリコール、メチルプロピレントリグリコール、ブチルプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
これらの中で、特に2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール等のアセチレンジオール、イソプロピルジグリコール、ブチルジグリコール、イソブチルジグリコール等のグリコールが、撥水加工工程において、フッ素系撥水剤(A)が受ける過酷な機械的シェア下でのフッ素系重合体粒子の安定化と、加工工程中の熱乾燥時における揮散性のバランスからみて特に好適である。
一方、本発明おいて、除外される好ましくないアルコール体化合物としては、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルカノールアミンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルカノールアミンエーテル等の、沸点が250℃超の難揮散性から非揮散性アルコール体化合物や、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、メチルグリコール、エチルグリコール、等の、沸点が150℃未満の易揮散性アルコール体化合物、およびエチレングリコールアセテートに代表される水溶性、易揮散性のセロソルブアセテートがあげられる。
また、前記フッ素系撥水剤(A)と前記アルコール体化合物(B)との固形分質量比率としては、(前者:後者)1:0.1〜1:20(より好ましくは1:1〜1:10、特に好ましくは1:2〜1:5)の範囲内であることが好ましい。
本発明の撥水加工剤において、非フッ素系撥水剤を併用することも可能である。かかる非フッ素系撥水剤としては、シリコーン系撥水剤に代表されるメチルハイドロジエンポリシロキサン、水酸基、グリシジル基、アミノ基等の官能基を有するシリコーン化合物等や、パラフイン含有撥水剤、長鎖脂肪族アマイド、炭素数12以上の炭化水素基含有重合体等の水分散体が好ましく例示される。市販品としてはネオシード NR−90(日華化学製)などがあげられる。
また、本発明の撥水加工剤において、撥水性や撥油性の耐久力を向上させるため、トリアジン環含有化合物またはイソシアネート系化合物が含まれることが好ましい。より詳しくは、アルコキシメチルメラミン、メチロール尿素、アルコキシメチル尿素、尿素グリオキザール付加物、ブロックイソシアネート、非ブロックタイプ水分散性イソシアネート等のイソシアネート化合物、ポリグリシジル化合物等の架橋剤を併用することは好ましい。市販品としては、メラミン、尿素系ではベッカミン M−3、PM (DIC製)、380−K (ユニオン化成製)、イソシアネート化合物系ではメイカネート WEB(明成化学製)、バーノック DNW−5000(DIC製)、ポリグリシジル化合物系ではデナコール EX−313(ナガセ化成製)、エポライト 40−E(共栄社化学製)などがあげられる。
さらには、本発明の撥水加工剤において、従来、慣用されている静電気防止剤、消泡剤、浸透剤として有効なエタノール、プロパノール、セロソルブ類等の低沸点アルコール類を使用してもさしつかえない。その際、消泡剤としては、アデカネートB(旭電化製)、ノプコNXZ(ノプコ製)、FSアンチフオーム(ダウコーニング社製)などがあげられる。
本発明の撥水加工剤には、前記のフッ素系撥水剤(A)とアルコール体化合物(B)とが含まれるので、撥水性(および/または撥油性)に優れており、しかも、撥水加工の工程でマングルロール絞りで過酷なシェアを受けても、凝集したり、マングルロール上でガムアップしたりするおそれがない。
次に、本発明の加工方法は、前記の撥水加工剤を用いて加工する加工方法である。ここで、かかる加工法は、塗布やスプレーでもよいが必要に応じて架橋剤、静電気防止剤等の各種補助薬剤を配合した、液状の撥水加工剤を含浸・マングルロールによるウエットピックアップ絞り、熱乾燥、キュアリングのための熱セットする方法が好ましい。
その際、より好ましくはマングルロールによる絞りがウエットピックアップ50〜80%、熱乾燥が本発明のアルコール体化合物(B)が揮散する温度120〜140℃での熱風乾燥、キュアリングのための熱セットが温度170〜200℃での熱風セットである。
次に、本発明の加工製品は、前記の撥水加工剤を用いて、繊維、紙、木、およびプラスチックからなる群より選択されるいずれかに加工してなる加工製品である。なかでも、ポリエステル繊維を含む布帛が特に好ましい。
ここで、前記ポリエステル繊維はジカルボン酸成分とジグリコール成分とから製造される。ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸が用いられることが好ましく、グリコール成分としては主としてエチレングリコール、トリメチレングリコール及びテトラメチレングリコールから選ばれた1種以上のアルキレングリコールを用いることが好ましい。また、ポリエステル樹脂には、前記ジカルボン酸成分及びグリコール成分の他に第3成分を含んでいてもよい。該第3成分としては、カチオン染料可染性アニオン成分、例えば、ナトリウムスルホイソフタル酸;テレフタル酸以外のジカルボン酸、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸;及びアルキレングリコール以外のグリコール化合物、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールスルフォンの1種以上を用いることができる。かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸であってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
前記ポリエステル繊維の形状としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、吸水性を向上させるため長繊維であることが好ましい。さらには、通常の仮撚捲縮加工が施された仮撚捲縮加工糸や2種以上の構成糸条を空気混繊加工や複合仮撚加工させた複合糸であってもよい。
その際、マルチフィラメントの単繊維繊度、総繊度、単糸数は、単繊維繊度0.1〜10.0dtex、総繊度20〜300dtex(より好ましくは20〜50dtex)、単糸数10〜200本(より好ましくは110〜200本)の範囲であることが好ましい。特に、優れた撥水性を得る上で単糸繊維繊度が2.0dtex以下(より好ましくは0.0001〜0.5dtex)であることが特に好ましい。
また、前記ポリエステル繊維において、単糸繊維の断面形状には制限はなく、通常の円形断面のほかに三角、扁平、特開2004−52167号公報に記載のくびれ付扁平、十字形、六様形、あるいは中空形などの異型断面形状であってもよい。
また、前記の布帛において、布帛の組織としては、例えば、よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフ編、ハーフベース編、サテン編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等などが例示され、織物組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。なお、これらの織物や編物は常法により製造することができる。
また、前記布帛には、通常の染色加工、減量加工、起毛加工、カレンダー加工、エンボス加工、蓄熱加工、吸汗加工、マイナスイオン加工などを適宜施してもよい。
前記布帛は、耐久性よく撥水性や撥油性に優れるので、シャツ、ユニフォーム、食品工場用白衣ユニフォーム、オフィスユニフォーム、化粧品販売員用ユニフォーム、アパレル衣料、スポーツ衣料、紳士衣料、婦人衣料、学生服などの衣料や、カーテン、枕カバー、カーシートなどとして好適に使用される。
以下、本発明を合成例、実施例、比較例を用いて説明するが、本発明は、この合成例、実施例、比較例に限定されるものではない。実施例、比較例中の試験、物性、分析は下記の方法で行った。
(合成例−1:非PFOA系撥水剤の合成例)
1Lガラスビーカーにパーフルオロヘキシルエチルアクリレート 160g、オクタデシルアクリレート 40g、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 2g、60%N−メチロールアクリルアミド 3.5g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 2g、メチルイソブチルケトン 25g、30%オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド 20g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB:12)
10g、を40℃に加温混合し、その中へイオン交換水135.5gを入れて、ホモジナイザーで乳化しエチレン性単量体混合物の乳化液約398g調製した。
次いで、1.5Lガラスセパラブル4つ口合成用フラスコに蒸留水500g入れ、窒素ガスブローしながら78℃に昇温し、次いで前記エチレン性単量体混合物の乳化液79gを添加した。 続いて2.5% 2,2−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩水溶液20gを添加し重合開始させ、前記エチレン性単量体混合物の乳化液319gと、2.5% 2,2−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩水溶液20gを78℃で90分間要して並行滴下した。重合完了後、蒸留水で固形分20%に調整し、非PFOA系撥水剤約1000gを得た。
(合成例−2:PFOA系撥水剤の合成例)
合成例−1のパーフルオロヘキシルエチルアクリレート 160gの代わりにパーフルオロオクチルエチルアクリレート 120gに、オクタデシルアクリレート 40g、トリデシルメタクリレート 40g、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 2g、N−メチロールアクリリルアミド 3.5g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 2g、メチルイソブチルケトン 25g、30%オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド 20g、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(HLB:12) 10g、を40℃に加温混合し、その中へイオン交換水 135.5g入れて、ホモジナイザー乳化しエチレン性単量体混合物の乳化液約398g調製した。
以降の工程は合成例−1同様の操作で、固形分20%のPFOA系撥水剤約1000gを得た。
(1)撥水加工剤の評価
下記(2)の機械的安定性試験を経た供試布をマングルロールでピックアップ60%に絞り、130℃熱風循環乾燥機中で2分間乾燥後、170℃熱風循環乾燥機中で1分間熱セットし、各種特性評価を行った。
(2)撥水加工剤の機械的安定性試験
表1および表2に示す撥水加工剤配合液2Lをポリパッド(35×22×5cm)に入れて、図1に模式的に示すマングル装置( 径12cm、巾44cm、狭窄のゴムロール二本装着)に設置し、供試布(ポリエステルフィラメントタフタ織物、経糸:ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント総繊度44dtex/144fil、経密度:211本/2.54cm、緯糸:ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント総繊度22dtex/72fil、緯密度:149本/2.54cm、試布片巾28cm、長さ80cm)を輪状に掛けた後、マングルロール加圧24.5N/cm(2.5kgf/cm)、布速度10m/分で、撥水加工剤配合液の含浸、絞りを5時間連続して行った後、撥水加工剤配合液中の凝集物量とマングルロール上ガムアップ量を目視評価した。判定は以下のように行った。(フッ素系撥水撥油剤配合液凝集物の判定)多い:××、中程度:×、少量:△、無:○(マングルロール上ガムアップの判定)多い:××、中程度:×、少量:△、無:○
(3)撥水性
撥水性をJIS L 1092 5.2撥水度試験(スプレー試験)に基づき測定した。判定は以下のように行った。
撥水度5 表面に湿潤や水滴の付着がないもの
撥水度4 表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの
撥水度3 表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの
撥水度2 表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの
撥水度1 表面全体に湿潤を示すもの
(4)撥油性
撥油性をAATCC−TM118法に基づき測定した。判定の等級と試験油剤は以下の通りである。
撥油性7 n−オクタン
撥油性6 n−デカン
撥油性5 n−ドデカン
撥油性4 n−テトラデカン
撥油性3 n−ヘキサデカン
撥油性2 n−ヘキサデカン/ヌジョール=35/65
撥油性1 ヌジョール
(5)洗濯
JIS L 0844 A−2法に基づき洗濯を実施した。
(6)耐水圧
耐水圧をJIS L 1092法(低水圧法)に基づき測定した。
(7)PFOA類縁物質および/またはPFOA前駆体物質の確認分析
高速液体クロマトグラフ−質量分析計(LC−MS)および熱分解ガスクロマトグラフ−質量分析計(PyGC−MS)で実施した。それぞれの分析条件は下記の通りである。
(LC−MS条件)
LC-MS-2020(島津製作所)
Column : Shimadzu Shim・puck FC-ODS(2.0mmI.D.×150mmL.)
Mobile phase A : 5 mmol/L Ammonium Acetate-water
Mobile phase B : acetonitrile
Time program : 35%B(0 min)→50%B(7.5-12min)→90%B(20min)→
35%B(20.01min)→stop(30min)
Flow rate : 0.2ml/min.
Injection volume : 10μL
Column Temp. : 40℃
Prove voltage : -3.5kV(ESI-Negative mode)
CDL Temp. : 250℃
Block heater temp. : 200℃
Nebulizing gas flow : 1.5L/min.
CDL voltage : using defnult value
Q-arry DC & RF voltage : using defnult values
Drying gas pressure : 0.1Mpa
Scan range : m/z 100-600
SIM : m/z 413 for PFOA(Segment 1 ; 0-12min.)
(PyGC−MS条件)
GC-MS-QP2010(島津製作所)
Column : FS Capirally Column CBPI-M-50-025 50m×0.2mmID
Column Temp : 60〜250℃ 10℃/min.
Injection Temp : 280℃
Pyrolysis Temp : 600℃
Ion Source Temp : 250℃
Erectron Energy : 70eV
Scanning Interval : 1sec.
Mass Range : m/z 35〜350
[実施例1〜9]
表1に示す配合比の配合液を2000g調製し、前記(1)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
また、実施例1で得られた撥水性布帛(加工製品)を用いてシャツを得て着用したところ耐久性よく撥水性に優れるものであった。
Figure 0005926565
[比較例1〜9]
表2に示す配合比の配合液を2000g調製し、前記(1)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0005926565
本発明によれば、撥水性を損なうことなく加工時にロールにガムアップしにくい撥水加工剤、および該撥水加工剤を用いた加工方法、および該加工方法により得られた加工製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1−1、1−2:マングルロール
2:供試布(巾28cm×周80cm)
3:径25mmPVCパイプ
4:5Lポリパッド
5:撥水加工剤配合液

Claims (9)

  1. フッ素系撥水剤(A)と、2,5−ジメチル−3―ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、4,7−ジメチル−5−デシン−4,7−ジオール、メチルジグリコール、エチルジグリコール、プロピルジグリコール、ブチルジグリコール、イソブチルジグリコール、アリルグリコール、メチルプロピレントリグリコール、ブチルプロピレングリコールからなる群より選択されるいずれか1種でありかつ1013hPaの気圧における沸点が150〜250℃の範囲内にあるアルコール体化合物(B)とを含むことを特徴とする撥水加工剤を用いてマングルロールで加工する加工方法
  2. 前記フッ素系撥水剤(A)が、炭素数8以上のパーフルオロアルカン酸および炭素数8以上のパーフルオロアルケン酸ならびにこれらの前駆体を含有しない、請求項1に記載の加工方法。
  3. 前記フッ素系撥水剤(A)が、炭素数8未満のパーフルオロアルキル基または炭素数8未満のパーフルオロアルケニル基を有するフッ素元素含有エチレン性不飽和単量体を用いてなる重合体である、請求項1または請求項2に記載の加工方法。
  4. 撥水加工剤が、パラフイン含有撥水剤、炭素数12以上の炭化水素基含有重合体系撥水剤、およびシリコーン系撥水剤からなる群より選択されるいずれかを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の加工方法。
  5. 撥水加工剤が、トリアジン環含有化合物またはイソシアネート系化合物を含む、請求項
    1〜4のいずれかに記載の加工方法。
  6. 撥水加工剤が静電気防止剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の加工方法。
  7. 撥水加工剤が消泡剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の加工方法。
  8. 前記フッ素系撥水剤(A)と前記アルコール体化合物(B)との固形分質量比率が(前
    者:後者)1:0.1〜1:20の範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の加工方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の加工方法を用いて、繊維、紙、木、およびプラスチ
    ックからなる群より選択されるいずれかに加工する加工方法。
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