JP2007023462A - ポリエステル繊維構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル繊維からなる繊維構造物の帯電防止機能を付与し向上させる。
【解決手段】親水性の置換基を有するジハロゲノ−S−トリアジン系化合物と分散染料によって染色されるポリエステル繊維からなる繊維構造物を吸尽法を用いて水溶性の加水分解シルクを共存させ反応させることによって改質加工するにあたり、下記一般式で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体の単体あるいは混合物を使用して加工する。
Figure 2007023462

【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル繊維構造物を染色する際に分散染料、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、水溶性の加水分解シルクの単独あるいは混合物を共存させ吸尽法を用いて30℃〜140℃までの昇温熱処理を付し反応させる事によってポリエステル繊維からなる繊維構造物の帯電防止製造方法。
より具体的には、本発明はポリエステル繊維構造物を染色する際に、一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体、分散染料、水溶性の加水分解シルクを共存させ、ポリエステル繊維からなる繊維構造物へ染色と同時に帯電防止機能を付与し、ポリエステル繊維からなる繊維構造物の用途を拡大する事を目的とした帯電防止製造方法に関するものである。
ポリエステルからなる繊維構造物は、衣料、産業用繊維にとどまらず、医療分野をはじめ幅広い分野に拡がっている。しかし天然素材や再生繊維、セルロース系繊維と比較して繊維内部に親水基を有していなく、吸放湿性が無く繊維構造上公定水分率が低い事が知られている。更に電気の不導体であり激しく摩擦される事によって多量の摩擦電気が発生して蓄積される事が知られている。不導体同士を摩擦すると二つの物体のどちらかが正(+)に帯電し、どちらかが負(−)に帯電する。ポリエステル繊維は帯電列(北川徹三氏の学説)によると高い序列の正(−)に帯電するとされている。ポリエステル繊維は摩擦される事により正(−)の摩擦電気が発生し、該繊維構造物が電気の不導体である事から発生した摩擦電気は逃げてゆく事ができない。このため多量に蓄積される事になる。このような摩擦電気の発生は有益な事もあるが、有害な事の方が多い。ポリエステル繊維の帯電を防止する技術として、表面作用型高分子薬剤の帯電防止剤や導電剤を付着させ化学装飾技術が代表例とされている。これには2つの理由があると考えられている。第1に表面作用型高分子薬剤は、ポリエステル繊維の摩擦係数を低下させるので摩擦電気の発生が低減される。第2にこれらの薬剤に導電体であるイオン性を保持させ、たとえ摩擦によって摩擦電気が発生しても、逃がしてしまう事により摩擦電気の蓄積を防ぐ。しかし、これらの表面作用型の高分子薬剤はポリエステル繊維に被膜化して付着させているだけであるから、温度や湿度などの環境要因による経時変化や度重なる摩擦等による劣化により帯電防止機能が低下する等、耐久性に問題点がある。また、帯電防止には樹脂加工による技術があるが、合成樹脂による帯電防止は、帯電防止効果があってもべたつくような樹脂を使用する事によりほこりが付着しやすくなり、摩擦係数が上がり効果を失う事になる。また、ポリエステル繊維が粗硬化する問題も指摘されている。
ポリエステル繊維にも帯電防止が要求されるが、従来の高価で有毒な薬剤や樹脂を使用する事は経済性、安全性の面で問題があり、加工工程も複雑で多工程になる。さらに洗濯耐久性に難があるとされ、有効な帯電防止製造方法が見出せないできた。
親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を用いた形態安定加工技術としては特許文献1に記載されているが、ここに記載されているのは天然繊維やセルロース系繊維等に対する改質加工法であり、ポリエステル繊維に関する帯電防止製造方法については何ら開示されていなかった。
特許第345576号公報(特許請求の範囲)
前記したとおり、ポリエステル繊維材料からなる繊維構造物は、電気の不導体であるがゆえに激しく擦られると多くの摩擦電気を発生するため帯電防止の機能性を付与する研究がなされているが、経済性、安全性、耐久性、品質上の問題等、解決すべき課題が多い。ポリエステル繊維を染色させる際に用いられる分散染料と親水性置換基を有するジクロルトリアジン系の化合物、並びに帯電防止に効果があるとされている吸放湿性・保湿性の向上に水溶性の加水分解シルクを用いて染色と同時に帯電防止の機能性を向上させる事を見出した。親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物の反応性は、分散染料によって染色させる際用いられる酢酸、リンゴ酸およびクエン酸等の酸性側では急激に加水分解を引き起こしてシアヌール酸化合物になる事が知られている。
この様な親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物の反応形態によりポリエステル繊維に強い電気(−、負)性を被膜化しアニオン化させ酸性側では水溶性の加水分解シルクは更なるミクロ化する特性を用いて電気(+、正)性を持つカチオン系のイオンによって結合させる事によりポリエステル繊維が(+、正)(−、負)バランスよく存在する事と水溶性加水分解シルクが吸放湿、保温性を持つことによってポリエステル繊維が帯電しにくい素材に改質される事になる。従来ポリエステル繊維を染色する際に浴液中にポリエチレングリコール類、第四級アンモニウム塩型、スチレン重合体、第四級アンモニウム塩型アミノアルキル(メタ)、アクリレート重合体、第四級アンモニウム塩型ジアリルアミン重合体などの帯電防止性の高分子化合物を使用していたが薬剤を多量に使用するにもかかわらず、排水時に環境に負荷を与えるなど有効な加工方法ではない、更に時間が経過したり空気が乾燥するとほとんど効果がなくなってしまう問題があった。ポリエステル繊維を染色する際用いる親水性の置喚基を有するジハロゲノトリアジン化合物は加水分解すると極めて安全性が高く排水による環境負荷を与えない。及び水溶性の加水分解シルクは吸放湿に優れた素材であり、分子中に多くの水酸基とアミノ基を有してポリエステル繊維の吸放湿、保湿性能を向上させる事に寄与する。さらに、環境や健康に影響を与えるホルマリンや合成樹脂有機溶剤及び帯電防止性の高分子化合物を使用しない技術である事から、コスト合理化、環境保全や安全・健康志向に大きく貢献すると考える。
即ち、本発明の目的は、ポリエステル繊維からなる繊維構造物の帯電を抑え、さらに帯電した摩擦電気を低減させる機能を付与し、着用時の安全性と着用快適性を改善向上する事によって、より広い用途開拓をする事であり、その目的にそった機能性を付与したポリエステル繊維からなる繊維構造物を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るポリエステル繊維からなる繊維構造物の帯電防止製造方法は、分散染料、及び親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物によってポリエステル繊維からなる繊維構造物に帯電防止機能を付与するにあたって、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物水溶液を該繊維構造物に含浸させ、吸尽法を用いて該繊維構造物を30〜140℃までの昇温熱処理に付し、ポリエステル繊維からなる繊維構造物の帯電防止機能を付与することを特徴とする方法からなる。
即ち、本発明は、ポリエステル繊維を分散染料を用いて染色する際、親水性の置換基を有するジハロゲノ−S−トリアジン系化合物と吸放湿性および保湿性を付与する水溶性の加水分解シルクを共存させる事によって帯電防止機能を付与する改質加工するにあたって、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体の単体あるいは混合物を使用して加工する事でポリエステル繊維からなる繊維構造物の帯電防止機能を付与できる事を見出したものである。
Figure 2007023462
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素および臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基、およびチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
前記一般式(1)で表される親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物を用いてポリエステル繊維繊維からなる繊維構造物を改質加工させる条件は、分散染料を染色する条件で加工できる。それによって従来の帯電防止性の高分子化合物を用いなくて廃水の削減を達成し、経済性並びに環境適応性を著しく改善する事ができる。
また、帯電防止機能性を向上させるため吸放湿性および保湿性向上機能を付与する水溶性の加水分解シルクを用いる。
水溶性の加水分解シルク電気(+、正)性はポリエステル繊維の(−、負)性親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物電気(−、負)性と強いイオン結合を実施しポリエステル繊維からなる繊維構造物に吸放湿性および保湿性、+、−のバランスの良いイオンの存在によって耐久性のあるイオン結合によって被膜化させ帯電防止性の帯電防止機能を付与向上させる事ができると考えられる。
本発明によって得られるポリエステル繊維からなる繊維構造物は未加工品に対して、帯電防止機能が向上し、さらに吸放湿性および保湿性が向上し、着用時の安全性と着用快適性を向上させる事ができる。本発明の機能は、非常に耐久性に優れたものになっている。さらに本発明の特徴は、樹脂や表面作用型高分子薬剤の帯電防止剤や導電剤などの有害な薬剤を使用することなく安全で環境適合性に優れた加工薬剤である事。更に廃水のおける環境負荷を軽減させるなど優れた経済性の元で従来制約が多かった使用分野にもポリエステル繊維からなる繊維構造物の用途を一層拡大できる等、実用的価値が高く、我々の健康問題や地球規模の環境問題にも大いに貢献する事ができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、詳細に説明する。
本発明は、ポリエステル繊維からなる繊維構造物を分散染料によって染色する際、帯電防止機能を付与するにあたって、親水性の置換基を有するジハロゲノ−S−トリアジン系化合物と吸放湿性および保湿性を付与する、水溶性の加水分解シルクの単独あるいは混合物を共存させ水酸基やアミノ基を多数ポリエステル繊維からなる繊維構造物に導入させ吸放湿性能および保湿性を付与、+、−の電荷をバランス良く共存させることによって帯電防止機能性付与による着用安全性・快適性に優れたポリエステル繊維からなる繊維構造物を提供せんとするものである。
本発明で用いる事ができる親水性置換基を有するのジハロゲノトリアジン化合物は、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体である事を特徴とする。
Figure 2007023462
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素および臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基、およびチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
また本発明において以下のような化学構造式を有する分散染料を用いる。
ベンゼンアゾ系(モノアゾおよびジスアゾ)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、ピリゾンアゾ、ビラゾロンアゾ、チオフェンアゾ等)、アントラキノン系、縮合系(キノフタロン、スチリル、クマリン)等になる。
また本発明において帯電防止機能付与および吸放湿性並び保湿性を附与する水溶性の加水分解シルクは以下のようにして得ることができる。
水溶性加水分解シルクとなる繭、毛羽、生糸(以下、原料とする)を洗濯槽内へ投入して常温で約1時間洗濯を実施して不純物を除去する。洗浄した原料を遠心の脱水機を用いて充分脱水する。
水溶液中に原料を投入して重炭酸ソーダーを用いて100℃まで昇温煮沸し、その時間を120分持続し、再度遠心脱水機を用いてセリシンとフィビィロインに分離する。セリシンを有している水溶液は酵素分解槽内へ投入、アルカラーゼ、セルラーゼ等の酵素を用いて約60℃までの温度で300分間精練を実施する、分離されたフィビィロインも同様の精練を実施する。セリシンを有している水溶液を真空濃縮器に投入してリンゴ酸、クエン酸等を用いて濃縮工程を数回繰り返してゼムライト等を使用して濾過をしてその後300℃まで昇温したスプレードライ器内で噴射して、パウダー化を行う。遠心脱水機並び濾過して残留したフィビィロインは酵素精練並び高アルカリ下において再三、再四フィビィロインを分解して同様に濃縮工程実施セリシン水溶液と同様のスプレードライを実施する。
この様にして得られた加水分解シルクの分子量を京都府.織物機械金属振興センターにて評価の結果、加水分解シルク(セリシンパウダー)は分子量、10000、加水分解シルク(シルクパウダー)は分子量、1000という結果となり水溶性の加水分解シルクを得た。これらの化合物は水溶性ジハロゲノトリアジン化合物のその反応性においてポリエステル繊維からなる繊維構造物の吸放湿性並び保湿性を向上させる事によって帯電防止機能を向上させる事ができると考えられる。
前記一般式(1)で表されるポリエステル繊維の改質薬剤をより具体的に説明すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化シアヌルを主原料として用い、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、スルホン基、スルホン酸基等水溶性あるいは親水性置換基を有するアニリン類、フェノール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、ナフトール類、アミノ酸類、トリアジン類等の単体あるいは混合物を塩化シアヌル1モルに対して1モルの酸結合剤を共存させた中性ないし弱アルカリ性で縮合させる。あるいは塩化シアヌルを重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化マグネシウム等を用いてアルカリ性で加水分解させることによって得られる。これらの化合物は純粋である必要はなく、前記2種以上の混合物と塩化シアヌルを反応させたものであってもよいし、純粋に作られたものをあとから混合して多成分系として使用することが好ましい場合もある。
トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化シアヌルと反応させる事ができる親水性置換基を有する化合物とは具体的には次のような化合物である。親水性置換基としては、特にカルボキシル基、アミノ基、水酸基が重要である。
D−アラニン、β−アラニン、D−グルタミン酸、L−グルタミン酸、グリシルグリシン、L−アスパラギン酸、D−アスパラギン酸、γ−アミノ酪酸、L−アルギニン、L−シスチン、L−ロイシン、メタニル酸、スルファニル酸、2,5−ジスルファニル酸、ナフチオン酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、フェノールスルホン酸、ジオキシクロルトリアジン、シアヌル酸、ピロカテキン、ハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール、アミドール、プロトカテキュ酸、C酸、G酸、J酸、γ酸、H酸、4,4−ジアミノスチルベン−2,2−ジスルホン酸、サリチル酸、ジチオクロルトリアジン、アミノオキシクロルトリアジン、アミノジオキントリアジン、エタノールアミン、プロパノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、アリルアミン、メトキシプロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、チオサリチル酸、チオアセトアミド、チオカルボヒドラジド、チオグリコール酸、1−チオグリセロール、チオジグリコール、トリグリコールジメルガブタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ビス(2−メルカプトエチル)サルファイト、α−ヒドロキシイソ酪酸、メラミン、尿素、チオ尿素、チオセミカルバジド、1−チオグリセロール、チオカルポヒドラジド等およびそれらの塩類である。
これらの化合物が具備すべき条件は、ハロゲノトリアジンと反応する置換基を有する事と、同時に親水性の置換基を有する親水性化合物である。つまり本発明で用いられる前記一般式(1)で表される加工薬剤が、全体として親水牲となればよい。ハロゲノトリアジンとこれら親水性化合物とを反応させた生成物とは具体的には次のような化合物の単体あるいは混合物を例として挙げる事ができる。
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−ウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンMg塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩
親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン類はこの他にも数多くの有効な化合物が考えられるのであって、本発明はこれらの具体例に制約されるものではなく、親水性置換基を有する化合物である事と、活性ハロゲン原子またはそれに類する反応性基を2個以上有する事がポイントである。本発明で帯電防止機能を付与されるポリエステル繊維からなる繊維構造物は単品でも混合品でもよく、天然繊維や再生繊維、半合成繊維やナイロン繊維、アセテート、トリアセテート、アクリルを含めた複合系繊維構造物であってもよい。具体的には、絹、ウール、木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リョセル、テンセル、酢酸セルロース等、分子構造中にカルボキシル基やアミノ基、アルコール性水酸基を有するセルロース系繊維あるいは再生繊維を主要成分とする繊維からなる繊維構造物である。
これらの繊維構造物は、糸の段階、織・編物にした後、不織布で加工する事も可能である。
また、加工対象は、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン等石油系合成素材との複合系繊維構造物であってもよい。
本発明の加工薬剤ジハロゲノトリアジン類は、ドイツ公開公報2357252号、あるいはアメリカ特許公報5601971号等に記載があるように、公知の合成法に準じて合成する事ができる。
塩化シアヌル1.00モルを5℃以下の氷水の中へ仕込み、次いで例えばm−スルファニル酸1.02モルと炭酸ソーダ約1モルをよく撹拌しながら徐々に仕込む。M−スルファニル酸と炭酸ソーダの仕込みはPH=7±1で約3時間を要して5℃〜10℃で仕込み高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、塩化シアヌルがほぼ消滅すれば、更に1時間保湿撹拌して反応を完結させる。この間PHは6〜8に維持し、HPLCによって組成を分析し、モノスルファニル体が90%以上となれば反応を終了する。反応後微量の不容物を濾過して除き、最終的にはPHは7に調整する。このようにして2.6−ジクロル−4−(3−スルファアニリノ)−S−トリアジンNa塩水溶液が高収率で得られる。この化合物は冷蔵庫内で5℃以下保管すれば約1ヶ月は安定である。
このような薬剤を用いて繊維を加工する方法は、吸尽法を用いる。加工条件の概要を説明すると、分散染料、加工薬剤、及び水溶性の加水分解シルクを目的に応じて0.5〜10%(純分o.w.f)使用し、浴比1:2〜30、酢酸、氷酢酸、リンゴ酸、クエン酸を0.1%〜10%(o.w.f)にて酸性浴に調合する。加工薬剤を混合する時は、薬液の温度を30℃以下で行うように注意する。30℃以上になると親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物の凝集が著しく、生地に均一付着させる事が困難になるためである。本発明では浴槽内にポリエステル繊維構造物を浸漬し、浴槽内あるいは繊維構造物を循環させながら加工温度30℃〜140℃30分間〜180分間昇温熱処理する。その後、ソーピング、水洗する。これら一連の方法によって目的を達する事ができる。
酢酸、氷酢酸、リンゴ酸、クエン酸等は昇温しながら、あるいは昇温後分割仕込みすると良い結果を生む事がある。
これらの加工条件はポリエステル繊維からなる繊維構造物の種類並びに加工目的に応じて上記の条件に制約されることなく、例えば加工効果をより強くするために加工薬剤、水溶性加水分解シルクの便用量を増加させ加工条件を強化する等、自由に変化させる事ができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例1
液流染色機内に水216kg、2.6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、酢酸40cc、加水分解シルク360g、ペースト状の分散染料920gを投入してポリエステル繊維100%平織地18kg含浸して黒に染色する、常温にて5分間ポリエステル繊維構造物を循環させる、その後毎分3℃にて昇温し135℃まで槽内の水溶液を昇温継続し、その後135℃の温度を30分間持続して槽内の加工液を排水して85℃の熱湯の中でソーピングを実施、水洗いしてパッド、ドライ乾燥した。この様にして得られた黒に染色されたポリエステル繊維、平織地の吸放湿差△MR(%)の結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で使用したものと同じ布帛を、分散染料のみで実施例1と同様の染色処理をした。このようにして得られた布帛を実施例1と同様に測定した結果を表1に示す。
実施例2
水270kg、2.6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.6kg、酢酸100cc、パウダー状の分散染料540g加水分解シルク360gを室温でよく混合して紺色に染色する為液流染色機内へ投入しポリエステル100%の揚柳生地17kgを投入した充分に分散染料、加水分解シルク薬剤が混合、ポリエステル繊維へ浸漬する様に常温にて10分間循環回転させ、その後毎分3℃の昇温にて90℃まで昇温した、その時点で酢酸18ccを投入、90℃を10分間保持し、130℃まで昇温し130℃を30分間保持した後、排水しソーピング、水洗い、パット、ドライ乾燥した。このようにして得られたポリエステル繊維をJIS.L1092−97.52(20℃,RH40%)、摩擦帯電圧の数値結果を表2に示す。
比較例2
実施例2で使用したものと同じ布帛を、分散染料のみで実施例2と同様の染色処理をした。このようにして得られた布帛を実施例2と同様に測定した結果を表2に示す。
実施例3
水252kg、2.6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液2.4kg、酢酸50g、ペースト状の分散染料1780g、加水分解シルク250gを室温でよく混合した加工液を用いてしたポリエステル65%、綿35%のT/C、2/2の綾地織物を液流染色機で加工した。90℃まで2℃/分で昇温、90℃になった時点で酢酸50gを投入して10分間温度を保持した。その後、120℃まで昇温、120℃で20分間保持後、排水し、ソーピング、水洗した、その後反応染料を用いて綿の染色を実施した。このようにして得られたT/Cの2/2綾地織物の摩擦帯電圧ならびに摩擦帯電圧の半減期の数値評価結果を表3に示す。
比較例3
実施例3で使用したものと同じ布帛を、薬剤と加水分解シルクを用いず実施例3と同様の染色処理をした。このようにして得られた布帛を実施例3と同様に測定した結果を表3に示す。
Figure 2007023462
Figure 2007023462
LO=RH40%時における摩擦耐電圧の発生量(VOIT)
LI=摩擦耐電圧終了後の残留耐電圧(VOIT)
FHZ=摩擦終了後LO値が半減を示す為に必要な時間(秒)
Figure 2007023462
洗濯(HL10)家庭用洗濯機を使用、洗剤ボーナス(P&G)0.65g/L使用して実施HL後の乾燥は風乾で実施。
実施例1と比較例1からわかるように、本発明では、ポリエステル繊維構造物吸放湿性能が向上している結果が得られた。また、実施例2と比較例2からわかるように本発明は、ポリエステル繊維構造物が帯電しても耐電圧が半減された事が理論づけられた。実施例3と比較例3からもポリエステル繊維構造物の帯電防止効果が向上した、良好な結果が得られた。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が付与されていることを特徴とするポリエステル繊維構造物。
    Figure 2007023462
    (式中、Xは塩素、フッ素および臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基およびチオール基の水素原子はアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。)
  2. 該2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が2,6−ジクロロ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体であることを特徴とする事を特徴とする請求項1記載のポリエステル繊維繊維構造物。
  3. 2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体の水溶液をポリエステル繊維からなる繊維構造物に含浸させた後、該繊維構造物を30℃〜60℃で熱処理する処理工程を有することを特徴とするポリエステル繊維構造物の製造方法。
  4. 該水溶液中に分散染料を含有させることを特徴とする請求項3に記載のポリエステル繊維構造物の製造方法。
  5. 該水溶液中に水溶性の加水分解シルクを含有させることを特徴とする請求項3または4に記載のポリエステル繊維構造物の製造方法。
  6. ポリエステル繊維構造物を染色する際該2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体を純度100%換算で繊維構造物の重量比1.0%以上、5.0%以下、浴比1:30以下になるように調整した溶液に分散染料を繊維構造物の重量比1.0%以上、5.0%以下、水溶性加水分解シルク、繊維構造物重量比0.1%以上、10%以下を共存させ浴液温度30℃より温度を徐々に昇温させ140℃までの熱処理工程を有することを特徴とするポリエステル繊維構造物の製造方法。
  7. 該水溶液中、酢酸、リンゴ酸及びクエン酸から選ばれた少なくとも1種を添加してPHを3.5〜6.5の範囲にすることを特徴とする請求項6に記載のポリエステル繊維構造物の製造方法。
  8. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物を用いてなることを特徴とする防寒衣、スキーウェアー、ライフジャケット等のアウター類。
  9. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物を用いてなることを特徴とする靴下、ショーツ、ブラジャー等の下着類。
  10. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物を用いてなることを特徴とする水着類。
  11. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物を用いてなることを特徴とする傘、鞄、靴等の雑貨類。
  12. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物を用いてなることを特徴とするシャワーカーテン、テント、セールクロス等のシート類。
  13. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル繊維構造物を用いてなることを特徴とする魚網、オイルフェンス等の資材類。
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