JP2003155659A - 天然繊維材料の風合いと耐久性に優れたプリーツ加工法 - Google Patents

天然繊維材料の風合いと耐久性に優れたプリーツ加工法

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JP2003155659A
JP2003155659A JP2001398273A JP2001398273A JP2003155659A JP 2003155659 A JP2003155659 A JP 2003155659A JP 2001398273 A JP2001398273 A JP 2001398273A JP 2001398273 A JP2001398273 A JP 2001398273A JP 2003155659 A JP2003155659 A JP 2003155659A
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Eiji Yamada
英二 山田
Yuko Shimizu
優子 清水
Genji Yamamoto
眩士 山本
Toshio Hagiwara
敏夫 萩原
Kayoko Chatani
佳代子 茶谷
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SANKYO TEKKOSHO KK
Consumer Product End Use Research Institute Co Ltd
Art Inc Japan
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SANKYO TEKKOSHO KK
Consumer Product End Use Research Institute Co Ltd
Art Inc Japan
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】天然繊維材料に対して風合いと耐久性の優れた
プリーツ加工を、環境問題を生じない方法で達成し、プ
リーツ加工製品の着用快適性を向上すると共に、より広
い用途を開拓する事を目的とするものであり、その目的
に沿ったプリーツ加工効果の優れた天然繊維材料と製品
を提供する。 【解決手段】親水性のジクロルトリアジン系化合物の単
独或いは混合物を架橋薬剤として用いて加工する際に、
酸結合剤と共に一定量の水分を繊維材料中に付与して熱
処理加工する新しいプリーツ加工法。これはノンホルマ
リン、ノン樹脂、ノンガス法と言ってよく、プリーツ加
工効果も大きい加工法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性置換基を有す
るジハロゲノ−S−トリアジン系化合物と天然繊維材料
とを架橋反応させてプリーツを形成させる際に、酸結合
剤を共存させ、加工対象天然繊維材料中の含水率を一定
の範囲内に制御して加工する事を特徴とする天然繊維材
料の風合いと耐久性に優れたプリーツ加工法である。よ
り具体的には、本発明は絹、羊毛、獣毛などの蛋白質系
繊維材料、綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレー
ヨン、リヨセル、酢酸セルロースなどのセルロース系繊
維材料の素材、編み物、織物、不織布などをプリーツ加
工するに当たって、一般式(1)で表される親水性のジ
ハロゲノ−S−トリアジン誘導体の単独或いは混合物を
使用し、酸結合剤を共存させ、加工対象天然繊維材料中
の含水率を20〜70%の範囲内に制御して熱処理する
事を特徴とする天然繊維材料の風合いと耐久性に優れた
プリーツ加工法である。 (式中Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子を意味
する。Yはスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チ
オール基、4級アミノ基等の親水性置換基を少なくとも
1個以上を有するアリールアミノ基、アリールオキシ
基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基等の親水性置換基を有する置換
基を意味するか、或いは、ヒドロキシ基、チオール基等
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を意味するか、
或いは、親水性置換基を有するトリアジニルオキシ基、
トリアジニルアミノ基、トリアジニルチオ基、トリアジ
ニルアミノスチルベンアミノ基などの親水性置換基を意
味する)
【0002】
【従来の技術】熱可塑性を有する合成繊維類、例えばポ
リエステル繊維は単に高熱を加えるだけで耐久性のある
プリーツ加工ができるので、多くのプリーツ加工製品が
販売されている。一方天然繊維素材は単に熱を加えるだ
けでは耐久性のあるプリーツがかかり難いので、架橋薬
剤や加工樹脂等を用いる方法が種々研究されている。例
えば綿の場合は、古くはパーマネントプレス加工といわ
れる加工法があるが、この方法はジメチロールジヒドロ
キシエチレン尿素をポストキュア方式で反応させ樹脂化
させると共にプリーツを付与する方法である。同様に架
橋薬剤としてグリシジルエーテル系化合物、グリオキザ
ール系化合物及びエピクロルヒドリン等各種の薬剤を用
いる樹脂加工系の方法が数多く研究されている。最近で
は樹脂なしプリーツ加工法として、特開平10−259
570号公報、特開平11−124768号公報、特開
平11−131368号公報に記載がある様に、液体ア
ンモニア加工の際に高温水処理或いはスチーミング処理
する事によって、セルロースの結晶転換を行う方法が公
開されている。羊毛の場合、有名な加工法はシロセット
加工法がある。この場合はモノエタノールアミンサルフ
ェート等の還元性水溶液を生地に噴霧して与え、高熱処
理するという方法が知られている。この方法の改良法と
して特開平6−306762号公報に分子量10,00
0以下の低分子蛋白質、例えばシルクフィブロインや羊
毛ケラチンを付与した後、130℃以下の温度で乾燥せ
しめ、ついで該布帛を縫製、プリーツ形成後、湿熱処理
を施すプリーツ加工法が公開されている。しかしなが
ら、これら公知のプリーツ加工法はそれぞれ多くの問題
点を抱えている。先ず、合成繊維の場合は、吸湿性、保
湿性等の着用快適性という点で天然繊維に及ばないだけ
でなく、廃棄物となった時の生分解性に問題があり、環
境上の問題を生じやすい。また合成繊維の原料である化
石資源はいずれ枯渇することになるであろう。綿の場合
は樹脂形成薬剤を使う場合が多いが、その多くのものは
高価で有毒な上に、悪臭を発したり繊維が変色する場合
が多く、経済性・安全性・品質面から問題があるだけで
なく、プリーツ加工効果も耐久性が乏しく、風合いも低
下する場合が多い。特に樹脂加工法の場合は繊維表面上
に硬い樹脂膜が形成されるため風合いが粗硬となり易
い。プリーツ加工製品は少量多品種生産を必要とする場
合も多く、中小企業向けの仕事も多いが、液体アンモニ
ア法の様に設備投資に膨大な費用と敷地が必要となる
と、中小企業にとっては採用が困難であり、投資効率の
面からも設備投資が困難と考えられる。特開平6−30
6762号公報にも記載がある様に、従来の加工法は加
工法が複雑であったり、耐久性が弱いという問題のほか
に、製品の変色、繊維の損傷、風合いの硬化等の品質上
の問題がある。更に高価で有毒な薬剤を使用することに
よる経済性・安全性の問題があり、なお多くの解決を要
する問題が残されている。特にプリーツ加工は高温で熱
処理する場合が多いが、熱処理中に、架橋薬剤や架橋補
助薬剤が気化して職場環境や設備を汚染したり、悪臭に
悩まされるという問題も抱えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した通り天然繊維
材料のプリーツ加工効果を改善するために多くの研究が
なされているが、経済性・安全性・品質上・環境上の諸
問題等、多かれ少なかれ、なお多くの解決を要する問題
点が残されている。石油資源から造られている合成繊維
類のプリーツ加工製品は、繊維が熱可塑性を有する事も
あって、さほど問題も無く実用化されているが、合成繊
維素材は天然繊維素材に比べて、生分解性やリサイクル
性が劣っており廃棄物問題などの環境問題を生じやすい
上に、吸湿性が低い事が原因となって着用快適性も劣る
ので、天然繊維材料を対象とした経済性と風合い並びに
耐久性の優れたプリーツ加工法の開発が渇望されてい
た。本発明者等は親水性のジクロルトリアジン系化合物
の単独或いは混合物を用いる天然繊維材料の新しいプリ
ーツ加工法を探索研究した結果、ノンホルマリン、ノン
樹脂、ノンガス法と言ってよい地球環境並びに職場環境
に優しく、プリーツ加工効果も大きい本発明方法を見出
した。即ち本発明は天然繊維材料のプリーツ加工効果
を、環境問題を生じない工業的に有利な方法によって容
易確実に高め、プリーツ加工製品の着用快適性を向上
し、広範囲の用途を開拓する事を目的とするものであ
り、その目的にそった風合いと耐久性の優れたプリーツ
加工製品を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる経済
性、安全性、品質上、或いは環境上の諸問題を解決し、
地球環境に優しく、風合いと耐久性の優れた天然繊維材
料のプリーツ加工法の実用化研究を重ねた結果、下記一
般式(1)で表される親水性の置換基を有するジハロゲ
ノ−S−トリアジン系化合物の単独或いは混合物と天然
繊維材料とを、一定量の水分を繊維材料中に保持させた
状態で、酸結合剤共存下100〜230℃好ましくは1
30〜200℃の高温でプリーツをかけ、引き続き高圧
或いは常圧で蒸気加熱する事によって加熱処理すれば天
然繊維材料に風合いと耐久性の優れたプリーツ加工を施
す事が可能であることを見出した。 (式中Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子を意味
する。Yはスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チ
オール基、4級アミノ基等の親水性置換基を少なくとも
1個以上を有するアリールアミノ基、アリールオキシ
基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコ
キシ基、アルキルチオ基等の親水性置換基を有する置換
基を意味するか、或いは、ヒドロキシ基、チオール基等
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を意味するか、
或いは、親水性置換基を有するトリアジニルオキシ基、
トリアジニルアミノ基、トリアジニルチオ基、トリアジ
ニルアミノスチルベンアミノ基などの親水性置換基を意
味する) 前記一般式(1)で表される親水性の置換基を有するジ
ハロゲノ−S−トリアジン系化合物を用いて天然繊維材
料と反応させてプリーツを形成させる条件は、例えば親
水性のジハロゲノ−S−トリアジン系化合物類の単独或
いは混合物と酸結合剤並びに必要に応じて浸透剤との混
合水溶液を含浸させ、一定の水分を残すように半乾燥し
たあと100℃以上の温度でプリーツを形成させ、更に
引き続き湿熱処理したあと、水洗乾燥する事によって風
合いと耐久性の優れたプリーツを付与する事ができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は木綿、麻、ビスコースレ
ーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、酢酸セルロース
等のセルロース系繊維材料或いは絹、羊毛、獣毛等の蛋
白質系繊維材料等、分子構造中にアルコール性水酸基、
アミノ基、チオール基等を有する天然繊維材料或いは半
合成繊維材料の単独或いは混紡、交織、複合系繊維或い
は不織布にプリーツを付与するに当たって、親水性の置
換基を有するジハロゲノ−S−トリアジン系化合物を含
浸させ、一定量の水分を残すように半乾燥したあと、高
熱処理してプリーツを形成させ、更に引き続き湿熱処理
する事によって架橋結合を完結させる加工法によって、
天然繊維材料に風合いと耐久性の優れたプリーツを付与
する事を目的とするものである。
【0006】本発明で用いる事が出来る親水性の置換基
を有するジハロゲノ−S−トリアジン誘導体とは、前記
一般式(1)で表される化合物である。一般式(1)で
表される天然繊維材料の改質薬剤をより具体的に説明す
ると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化
シアヌルを主原料として用い、カルボキシル基、水酸
基、チオール基、スルファミノ基、スルフォン酸基等の
水溶性或いは親水性置換基を有するアニリン類、フェノ
ール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、ナフト
ール類、アミノ酸類、トリアジン類等の単体或いは混合
物を塩化シアヌル1モルに対して1モルを、酸結合剤を
共存させ中性乃至弱アルカリ性で縮合させるか、或いは
塩化シアヌルを重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、カセイソー
ダ、カセイカリ、水酸化マグネシューム等を用いて中性
乃至弱アルカリ性で加水分解させる公知の方法によって
得る事が出来る。これらの化合物は純粋である必要はな
く、2種類以上の混合物と塩化シアヌルを反応させたも
のであっても良いし、純粋に作られた物をあとから混合
して多成分系として使用する事が好ましい場合もある。
トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化シアヌ
ルと反応させる事が出来る化合物とは具体的には次のよ
うな化合物である。
【0007】D−アラニン、β−アラニン、D−グルタ
ミン酸、L−グルタミン酸、グリシルグリシン、L−ア
スパラギン酸、D−アスパラギン酸、γ−アミノ酪酸、
L−アルギニン、L−シスチン、L−ロイシン、メタニ
ル酸、スルファニル酸、2,5−ジスルファニル酸、ナ
フチオン酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p
−アミノ安息香酸、フェノールスルフォン酸、ジオキシ
クロルトリアジン、シアヌル酸、ピロカテキン、ハイド
ロキノン、ピロガロール、フロログルシノール、アミド
ール、プロトカテキュ酸、C酸、G酸、J酸、γ酸、H
酸、4,4−ジアミノスチルベン−2,2−ジスルフォ
ン酸、サリチル酸、ジチオクロルトリアジン、アミノオ
キシクロルトリアジン、アミノジオキシトリアジン、エ
タノールアミン、プロパノールアミン、N−(2−アミ
ノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールア
ミン、トリメチル(2−ヒドロキシルエチル)アンモニ
ュウムクロライド、チオサリチル酸、チオアセトアミ
ド、チオカルボヒドラジド、チオグリコール酸、1−チ
オグリセロール、チオジグリコール、トリグリコールジ
メルカプタン、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、グリセリン、ビス(2−メルカプトエチル)サル
ファイト、α−ヒドロキシイソ酪酸、尿素、チオ尿素、
チオセミカルバジド、1−チオグリセロール、チオカル
ボヒドラジド、ヒドロキシルアミン、スルファミン酸、
重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、重炭酸カリ、
炭酸カリ、苛性カリ、水酸化マグネシューム、水酸化リ
チウム等を挙げる事が出来る。
【0008】これらの化合物が具備すべき条件はハロゲ
ノトリアジンと反応する置換基を有することと、同時に
親水性の置換基を有するか或いは反応生成物に親水性を
付与することができる化合物である。本発明で用いられ
る加工薬剤の出発原料トリハロゲノ−S−トリアジンは
水不溶性であるが、これらの親水性化合物と反応させた
後、全体として親水性となれば良い。トリハロゲノ−S
−トリアジンとこれら親水性化合物とを反応させた生成
物とは具体的には次のような化合物の単体或いは混合物
を例として挙げることが出来る。 2,6−ジクロル−4−(α−カルボキシエチルアミ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(γ−カルボキシプロピルアミ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(α−カルボキシ−γ−カルボ
キシプロピルアミノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシフェニルチ
オ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(カルボキシメチルチオ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−スルフォアニリノ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォ−4−オキシ−
5−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアニリノ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアニリノ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアニリノ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−スルフォフェノキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェノキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−スルフォフェノキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)
−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチ
オ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェニルチオ)
−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3,6−スルフォ−8−オキ
シナフタレン−1−イルアミノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4,8−スルフォナフタレン
−2−イルアミノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンK塩 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンMg塩 2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(4−オキシ−6−クロル−S−
トリアジン−2−イルオキシ)−S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(4−チオ−6−クロル−S−ト
リアジン−2−イルチオ)−S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(4,6−ジオキシ−S−トリア
ジン−2−イルオキシ)−S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(3,5−ジオキシフェニルオキ
シ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(3−オキシフェニルオキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(4−オキシフェニルオキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(4−カルボキシメトキシ)−S
−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(4−スルフォエチルアミノ)−
S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(4−カルボキシメチルチオ)−
S−トリアジンNa塩 2,6−ジクロル−4(4−スルフォニルオキシエチル
アミノ)−S−トリアジンNa塩 4,4’−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−
2−イルアミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルフォ
ニックアシッドNa塩 2,6−ジクロル−4−カルバモイルアミノ−S−トリ
アジン 2,6−ジクロル−4−チオカルバモイルアミノ−S−
トリアジン 親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン類は、こ
の他にも数多くの有効な化合物が考えられるのであっ
て、本発明はこれらの具体例に制約されるものではな
い。要は親水性置換基を有する化合物であることと、活
性ハロゲン原子又はそれに類する反応基、例えば反応性
染料でよく用いられる反応基であるスルファトエチルス
ルフォン基、ビニルスルフォン基等を含めた反応基を2
個以上有する事がポイントである。また、活性塩素を有
する化合物としてはS−トリアジン系に限らず、ピリダ
ジン系、ピリミジン系等の中で、活性塩素を2個以上有
する化合物も有効である。尚、上記の化合物は全ての場
合に水溶性置換基がアルカリ金属塩或いはアルカリ土類
金属塩となっている場合も含まれている。
【0009】本発明の構成要素の中で熱処理段階の水分
は極めて重要な要素の一つである。即ちプリーツを付与
する熱処理工程に於ける水分は多すぎても少なすぎても
優れたプリーツ加工効果を付与する事が出来ない。しか
もこの水分はパッデング液を含浸させ、完全に繊維を乾
燥させたあと水を噴霧方式等で調整するよりも、含浸さ
せたパッデング液を乾燥工程で一定量を残す半乾燥方式
の方がより好ましい。この場合の好ましい一定量の水分
とは、繊維材料と生地の種類によっても異なってくる
が、繊維材料中に20〜70%、より好ましくは30〜
60%含有した状態を意味する。水分が少ない状態、例
えば10%以下の水分で熱処理してもプリーツが殆どか
からないか或いは耐久性が弱い。逆に水分の多い湿潤状
態でもプリーツ効果は弱くなるだけでなくプリーツ加工
操作そのものが困難になり、プリーツを形成させる事が
不可能となる。例えばパッヂング液を含浸させて絞った
ままの状態で、半乾燥工程を加えずに高温でのプリーツ
加工操作を施す事は極めて困難である。
【0010】本発明において、水溶性ジクロルトリアジ
ン系化合物を用いて、一定量の水分含有率の元でプリー
ツ加工を施すに当たって、酸結合剤としてアルカリ金属
或いはアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩、リン酸
塩、酢酸塩、珪酸塩、水酸化物等のアルカリ性物質を共
存させる事が必要であるが、それらの具体例を挙げると
次のような化合物である。重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、
珪酸ソーダ、苛性ソーダ、水酸化マグネシューム、第3
燐酸ソーダ、第2燐酸ソーダ、水酸化リチウム、炭酸カ
リ、苛性カリ、重炭酸カリ、酢酸ソーダ、酢酸カリ等を
挙げる事が出来る。
【0011】本発明で改質加工される天然繊維素材は単
品でも混紡、交織品でもよく、いわゆる合成繊維を含め
た複合系繊維であってもよい。具体的には木綿、麻、ビ
スコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、酢酸
セルロース等、分子構造中にアルコール性水酸基を有す
る繊維材料或いは絹、羊毛、獣毛等の蛋白質系繊維材料
を主要成分とする素材或いは織物、編物、不織布であ
る。これらの素材は布帛の状態或いは織編み物製品にし
た後、或いは工程途中の半製品の段階で加工することも
可能である。これらの加工対象素材はポリエステル、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリ
ル、ポリプロピレン等石油系合成素材との複合系であっ
てもよい
【0012】本発明の加工薬剤ジハロゲノトリアジン類
は、ドイツ公開公報2357252号、或いはアメリカ
特許公報5601971号等に記載があるように、公知
の合成法に準じて合成することが出来る。
【0013】本発明の天然繊維材料の加工条件の概要を
説明すると、加工薬剤ジハロゲノトリアジン類を目的に
応じて純度換算1〜20%濃度の水溶液とし、無水炭酸
ソーダ、重炭酸ソーダ、燐酸ソーダ或いはカセイソーダ
等の酸結合剤をジハロゲノトリアジン類に対して1〜1
0モル比加え、ぼう硝を0〜80g/l添加してよく混
合したあと、市販の浸透剤を0.05〜0.5%を加え
てよく攪拌溶解しパディング液とする。このパディング
液に繊維材料を浸漬し、生地の種類に従って絞り率70
〜200%で絞ったあと所定の水分を残すように半乾燥
する。この時の半乾燥条件は室温付近の温度で自然乾
燥、冷風乾燥或いはやや高めの温度で温風乾燥してもよ
いし、高温の乾燥機の中或いは高温プレス機などを用い
て短時間で強制乾燥しても良い。この時の残存水分率は
乾燥減量法、湿度計による測定或いはカールフィッシャ
ー水分計などを用いて所定の範囲内に入るように厳密に
コントロールする。次いでプリーツ加工機にかける。プ
リーツ加工機としては、サイドプリーツ機、クリスタル
プリーツ機、プッシュアッププリーツ機、マジョリカプ
リーツ機などがある。その時の熱処理温度は100〜2
30℃で、熱処理滞留時間は高温の場合は短時間、低温
の場合は長時間熱処理する。実際は数秒間〜数分間でプ
リーツが形成される。プリーツが形成された布帛を巻き
取り、真空、常圧或いは高圧蒸気加熱機の中で80〜1
50℃で1〜120分間蒸気加熱した後ソーピング、水
洗して仕上げる。この場合も高温の場合は短時間、低温
の場合は長時間熱処理すればよい。これらの加工条件は
天然繊維素材や織物の種類並びに加工目的に応じて上記
の条件に制約されることなく、例えば加工効果をより強
くするには薬剤の濃度を増加させ、熱処理温度を高温長
時間にするなど自由に変化させることが出来る。
【0014】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものでは
ない。なお、例中、%は重量%を、部は重量部を意味す
る。
【0015】実施例1 ぼう硝125部、重炭酸ソーダ400部、2,6−ジク
ロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩の10%
水溶液4000部、市販のノニオン系浸透剤10部を所
定量の水に加えて室温でよく攪拌混合して全部で100
00部のパッデング液を作る。この浴に100/2ブロ
ード綿100%をパッドして絞った後、冷風で数分間半
乾燥する。半乾燥後の綿布の水分含有率は47.5%で
あった。この布帛をプリーツ加工機にかけ、加熱処理温
度160℃で15秒間熱処理しながらプリーツを形成さ
せる。次いで生地を巻き取り、真空・高圧蒸気加熱機に
入れて、一旦真空にした後、蒸気加圧して、105℃で
30分間蒸気加熱する。次いで温水で10分間ソーピン
グして水洗する。ソーピングを2回繰り返した後、形を
整えて乾燥する。この様に加工して得た綿布のプリーツ
保持性は、JIS家庭洗濯機法105法でテストすると
4〜5級の結果が得られた。また、5回及び10回洗濯
を繰り返す耐久性試験結果によってもプリーツは殆ど変
化なく保持されており、硬さがなく風合いも優れている
事が証明された。本実施例で半乾燥後の水分率を4.5
%として同様に処理した場合のプリーツ保持性は2級で
あり、耐久性も劣っていた。
【0016】実施例2 前記実施例1に於ける重炭酸ソーダの代わりに炭酸ソー
ダを用い、半乾燥後の水分率を43.6%にする以外は
同様に処理すると、プリーツ保持性は4〜5級であり、
良好なプリーツ耐久性を示し、風合いも良好であった。
【0017】実施例3 前記実施例1に於ける2,6−ジクロル−4−ヒドロキ
シ−S−トリアジンNa塩の10%水溶液の代わりに
4,4’−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−
2−イルアミノ)−スチルベン−2,2’−ジスルフォ
ニックアシッドNa塩の10%水溶液を用いてパディン
グ液を作る。このパディング液にシルク羽二重をパッド
して絞り、80℃の温風ドライヤー中で数分間半乾燥す
る。この操作によって生地中の水分率を45.5%とす
る。この生地をサイドプリーツ機にかけ、160℃で1
0秒間熱処理しながらプリーツを形成させる。次いで生
地を巻き取り、真空・高圧蒸気加熱機に入れて、一旦真
空にした後、蒸気加圧して、105℃で30分間蒸気加
熱する。その後温水を用いて10分間ソーピングして水
洗する。この様に加工した羽二重のプリーツ保持性は、
JIS家庭洗濯機法105法でテストすると4〜5級の
結果であり、風合いと耐久性が優秀である事が証明され
た。
【発明の効果】本発明方法によって天然繊維素材を主成
分とする繊維材料に対して、高いプリーツ効果と耐久性
を有する風合いの良いプリーツ加工を施すことができ
る。更に本発明方法の特徴は、樹脂、ホルマリン、脂肪
族アミン、架橋補助剤などの有害で悪臭のある多種類の
高価な薬剤を使用する必要が無く、使用薬剤の種類が少
なく、安価で安全で環境適合性の優れた加工薬剤を用い
て、風合いと耐久性に優れたプリーツ加工効果をあげる
事が出来る。即ち本発明方法は優れた経済性と操作性の
元で、従来、技術上多くの困難を伴っていた天然繊維材
料に対して風合いと耐久性に優れたプリーツを付与でき
るので実用的価値が極めて高く、職場環境問題にも大い
に貢献する加工技術である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 英二 大阪府高槻市大和2丁目9番5号 (72)発明者 清水 優子 京都市右京区西京極徳大寺団子田町82番地 (72)発明者 山本 眩士 京都府城陽市上津屋境端67番地の1 (72)発明者 萩原 敏夫 大阪市住之江区南港北2丁目1番10号 A TCビルO’S605 株式会社消費科学研 究所内 (72)発明者 茶谷 佳代子 大阪市住之江区南港北2丁目1番10号 A TCビルO’S605株式会社消費科学研究 所内 Fターム(参考) 3B154 AA02 AA03 AA12 BA32 BA36 BB02 BB12 BB32 BD17 BD20 BF13 CA37 DA18 DA28 4L033 AA01 AA10 AB04 AC15 BA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然繊維素材を構成成分とする繊維材料に
    対して、一般式(1)で表される親水性のジハロゲノ−
    S−トリアジン系化合物の単独或いはその混合物を用い
    てプリーツ加工するに際して、酸結合剤共存下、加工対
    象繊維材料中の含水率を一定の範囲内に制御した状態で
    高熱処理する事によってプリーツを形成させることを特
    徴とする、風合いと耐久性の優れたプリーツ加工法。 (式中Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子を意味
    する。Yはスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チ
    オール基、4級アミノ基等の親水性置換基を少なくとも
    1個以上を有するアリールアミノ基、アリールオキシ
    基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコ
    キシ基、アルキルチオ基等の親水性置換基を有する置換
    基を意味するか、或いは、ヒドロキシ基、チオール基等
    のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を意味するか、
    或いは、親水性置換基を有するトリアジニルオキシ基、
    トリアジニルアミノ基、トリアジニルチオ基、トリアジ
    ニルアミノスチルベンアミノ基などの親水性置換基を意
    味する)
  2. 【請求項2】請求項1のプリーツ加工工程における加工
    対象繊維材料中の一定量の水分の付与方法として、請求
    項1に記載した一般式(1)なる架橋薬剤と酸結合剤を
    溶解した水溶液に繊維材料を浸漬して絞ったあと、所定
    時間半乾燥する事によって、繊維材料中の含水率を20
    〜70%の範囲内に制御する事を特徴とする風合いと耐
    久性の優れたプリーツ加工法。
  3. 【請求項3】請求項1において、親水性のジハロゲノ−
    S−トリアジン系化合物の単独或いはその混合物を用い
    て、加工対象繊維材料中の含水率を20〜70%の範囲
    内に制御して高熱処理する事によってプリーツ加工を施
    すに当たって、酸結合剤としてアルカリ金属或いはアル
    カリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、
    珪酸塩、水酸化物等のアルカリ性物質を共存させる事を
    特徴とする風合いと耐久性の優れたプリーツ加工法。
  4. 【請求項4】請求項1における天然繊維材料として、
    綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨ
    セル、酢酸セルロースなどのセルロース系繊維材料、
    絹、羊毛、獣毛などの蛋白質系繊維材料を対象とし、請
    求項1に記載した一般式(1)で表されるジハロゲノ−
    S−トリアジン誘導体の単独或いは混合物を使用し、酸
    結合剤を共存させ、プリーツ加工するに当たって、繊維
    材料中の含水率を20〜70%の範囲内に制御した状態
    で熱処理する事によってプリーツ加工を施す事を特徴と
    する風合いと耐久性に優れたプリーツ加工を施された天
    然繊維材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007879A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Miyake Design Jimusho:Kk プリーツ付布製品形成用布帛及びプリーツ付布製品の形成方法
JP2008088596A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Ozaki Pleats:Kk プリーツ製品の製造方法

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