JP2002061074A - 有機天然繊維材料の改質加工法 - Google Patents

有機天然繊維材料の改質加工法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の有機天然素材を主成分とする繊維材料の
加工法は形態安定性が不十分であるか、経済性或いは環
境適合性に問題があり満足すべき状態にはなかった。 【解決手段】本発明者等はかかる品質上、経済性或いは
環境上の諸問題を解決し、地球環境に優しい有機天然素
材からなる繊維材料の形態安定加工法について研究を重
ねた結果、水溶性の置換基を有するジハロゲノ−モノ置
換−トリアジン系の化合物を用いて一次反応と二次反応
を区別して段階的に昇温して乾熱処理する架橋反応によ
って加工してやれば、これらの問題が解決され、特に収
縮率や強度の優れた有機天然繊維材料が得られることを
見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水溶性のジハロゲノ
トリアジン系化合物によって有機天然繊維材料を加工
し、改質する事を特徴とする形態安定加工法である。よ
り具体的には、本発明は一般式(1)で表される2,4
−ハロゲノ−6−Y−1,3,5−トリアジン誘導体に
よって羊毛、絹、皮革、獣毛、木綿、麻、再生繊維など
の有機天然繊維材料の素材、糸、編み物、織物などを加
工し改質する事によって収縮率の改善、強度の向上、フ
ェルト化の防止、ピリングの防止など、形態安定性及び
耐久性等を向上させ改質する事によって有機天然繊維材
料の付加価値を高め、機能並びに用途を拡大することを
目的とした加工方法に関するものである。 (式中、Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、Y
はスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基
等水溶性置換基を有するアリルアミノ基、アリルオキシ
基、アリルメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基等の水溶性置換基を意味する。ま
た、Yはヒドロキシ基、チオール基等のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、或いは水溶性置換基を有する
トリアジニルオキシ基、トリアジニルアミノ基、トリア
ジニルチオ基、スルフォン基を有するトリアジニルアミ
ノスチルベンアミノ基など、中性乃至弱アルカリ性で水
溶性を示す置換基であってもよい)
【0002】
【従来の技術】従来有機天然繊維材料の形態安定加工法
としては、対象繊維材料として蛋白質系とセルロース系
があり、加工薬剤と加工方法に違いがあるが、例えば水
溶性ウレタンによる樹脂加工法、ジクロロイソシアヌー
ル酸による塩素化法、過硫酸塩や臭素酸カリウムによる
酸化と還元を組み合わせる化学的処理法、ホルマリンガ
スを用いるVP加工、液体アンモニア処理によるマーセ
ル化加工などがよく知られている。また特公昭38−1
0396号公報、特開平6−81276号公報、特開平
9−78451号公報などに記載がある様に、ジクロル
トリアジン系化合物を用いて架橋反応させることによっ
て形態安定効果を狙う特許も出願されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術は多
かれ少なかれ製品の品質に問題を抱えているか、或いは
加工工程上並びに消費者サイドに於ける種々の問題を抱
えており、更に経済性の問題も加わって改良が望まれて
いた。特に水溶性のジクロルトリアジン系の化合物を用
いる架橋結合による形態安定加工法は、ノンホルマリ
ン、ノン樹脂と言う事もあって環境に優しく、効果が大
きい点、最近その加工法の真価が見直されて研究が進め
られている。しかるにこれらの化合物は低分子化合物で
あるが故に染料の場合のように、いわゆる繊維に対する
直接性が乏しいという欠点がある。従って、より大きな
効果を生み出すためには薬剤の濃度を上げなければなら
ず、薬剤の濃度アップはコストアップ並びに廃水負荷の
増加につながるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる品質
上、或いは経済上の諸問題を解決し、地球環境に優しい
有機天然繊維材料の改質加工法の改善について鋭意研究
を重ねた結果、前記一般式(1)で表される水溶性の置
換基を有するジハロゲノ−モノ置換−トリアジン系化合
物を用いて加工する際に、薬剤水溶液を繊維に含浸させ
た後、中低温で一次反応を行い、次いで二次反応として
高温で乾熱処理する事によって固着率を上げ、希薄な水
溶液を用いて、低いo.w.f.の元でも大きな効果を
発揮することが出来ることを見出した。染料の場合にも
連続染色法や捺染法では染料をパッディングした後、乾
燥工程を入れる場合があるが、この場合は乾燥工程の後
にスチーミングやサーモフィックス工程による繊維との
反応工程が不可欠であるし、反応性染料の場合は架橋結
合を形成させる必要はなく、生産者においては湿潤状態
での加工工程中、消費者サイドにおいては洗濯等の水処
理操作中に染料が脱落しないように単結合を行えばよい
ので、架橋結合を目的とした2段階反応の必要性もな
い。本発明方法の場合は乾熱処理工程を2段階で行うこ
とによって、繊維と薬剤の架橋結合反応を確実に完結さ
せる事ができ、反応率の向上に伴って著しく収縮率や強
度を初めとする形態安定性の優れた有機天然繊維材料が
得られることを見出した。それによって薬剤使用量の削
減と省エネルギー並びに廃水負荷の削減を達成し、経済
性並びに環境適応性を著しく改善する事が出来た。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、羊毛、絹、皮革、獣
毛、木綿、麻、再生繊維など分子構造中に反応性置換基
を有する有機天然繊維素材を主要成分とする繊維材料の
形態安定性並びに強度を向上させるに当たって、水溶性
の置換基を有する無色のジハロゲノ−モノ置換−トリア
ジン系化合物を用いて架橋反応による加工を行う際、水
に溶解した薬剤を含浸させた後、中低温の一次反応と高
温の2次反応からなる2段階の乾燥状態に向けた熱処理
を行う事によって、優れた強度と形態安定性を有する有
機天然繊維材料を提供する事を目的とするものである。
【0006】本発明で用いる事が出来る水溶性の置換基
を有するジハロゲノ−モノ置換−トリアジン系の化合物
とは、一般式(1)で表される水に可溶性の化合物であ
る。 (式中、Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、Y
はスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基
等水溶性置換基を有するアリルアミノ基、アリルオキシ
基、アリルメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキ
シ基、アルキルチオ基等の水溶性置換基を意味する。ま
た、Yはヒドロキシ基、チオール基等のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、或いは水溶性置換基を有する
トリアジニルオキシ基、トリアジニルアミノ基、トリア
ジニルチオ基、スルフォン基を有するトリアジニルアミ
ノスチルベンアミノ基など、中性乃至弱アルカリ性で水
溶性を示す置換基であってもよい)
【0007】本発明において用いられる、一般式(1)
で表される有機天然素材の改質薬剤をより具体的に説明
すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩
化シアヌルを原料として用い、スルフォン酸基、カルボ
キシル基、水酸基、チオール基等水溶性置換基を有する
アニリン類、フェノール類、チオフェノール類、ナフチ
ルアミン類、ナフトール類、ジオキシクロルトリアジ
ン、シアヌル酸、ジチオクロルトリアジン、アミノオキ
シクロルトリアジン、アミノジオキシトリアジン等を1
モル、酸結合剤を共存させ中性乃至弱アルカリ性で縮合
させるか、或いは塩化シアヌルを重炭酸ソーダ、炭酸ソ
ーダ、カセイソーダ、カセイカリ等を用いてアルカリ性
で加水分解させる公知の方法によって得られる。或いは
オキシジハロゲノトリアジン類、チオジハロゲノトリア
ジン類を2分子以上縮合させる事によっても得られる。
これらの化合物は純粋である必要はなく、前記2種以上
の混合物と塩化シアヌルを反応させたものであっても良
いし、純粋に作られた物をあとから混合して多成分系と
して使用する事が好ましい場合もある。具体的には次の
ような化合物の単体或いは混合物を例として挙げること
が出来る。 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−スルフォアニリノ)−S
−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォ−4−オキシ−
5−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアニリノ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアニリノ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアニリノ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−スルフォフェノキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェノキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(2−スルフォフェノキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)
−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチ
オ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェニルチオ)
−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(3,6−スルフォ−8−オキ
シナフタレン−1−イルアミノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−(4,8−スルフォナフタレン
−2−イルアミノ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Na
塩 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン K塩 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Li
塩 2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Mg
塩 2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジン Na塩 2,6−ジクロル−4(4−オキシ−6−クロル−S−
トリアジン−2−イルオキシ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(4−チオ−6−クロル−S−ト
リアジン−2−イルチオ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(4,6−ジオキシ−S−トリア
ジン−2−イルオキシ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(3,5−ジオキシフェニルオキ
シ)−S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(3−オキシフェニルオキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(4−オキシフェニルオキシ)−
S−トリアジン 2,6−ジクロル−4(4−カルボメトキシ)−S−ト
リアジン Na塩 2,6−ジクロル−4(4−スルフォエチルアミノ)−
S−トリアジン Na塩 2,6−ジクロル−4(4−カルボメチルチオ)−S−
トリアジン Na塩 2,6−ジクロル−4(4−スルフォニルオキシエチル
アミノ)−S−トリアジン Na塩 4,4′−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−
2−イルアミノ)−スチルベン−2,2′−ジスルフォ
ニックアシッド Na塩 水溶性の置換基を有するジクロルトリアジン類は、この
他にも数多くの有効な化合物が考えられるのであって、
本発明はこれらの具体例に制約されるものではなく、水
溶性であることと、活性ハロゲン原子又はそれに類する
反応性基を2個以上有する事がポイントである。尚、上
記の化合物は水溶性置換基がアルカリ金属塩或いはアル
カリ土類金属塩となっている場合も含まれている。
【0008】本発明で改質・形態安定加工される有機天
然素材は単品でも混合品でもよく、いわゆる合成繊維を
含めた複合系繊維であってもよい。具体的にはウール、
絹、皮革、獣毛、木綿、麻、再生繊維などを主成分とす
る素材或いは織り編みものである。これらの素材はわた
やバラ毛、糸の段階、織編み物にした後、或いは工程途
中の半製品の段階で加工することも可能である。これら
は水溶性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系の化
合物と反応することが出来る反応基を有する有機天然素
材である。それらの加工対象の素材はポリエステル、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリ
ル、ポリプロピレン等石油系合成素材との複合系であっ
てもよい。
【0009】本発明の加工薬剤は、ドイツ公開公報23
57252号、或いはアメリカ特許公報5601971
号等に記載があるように、公知の合成法に準じて合成す
ることが出来るが、その概要は次の通りである。例えば
塩化シアヌル1.00モルを5℃以下の氷水の中へ仕込
み、次いで例えばm−スルファニル酸1.02モルと炭
酸ソーダ約1モルを、よく攪拌しながら徐々に仕込む。
m−スルファニル酸と炭酸ソーダの仕込みはPH=7±
1で約3時間を要して5〜10℃で仕込み、HPLCに
よって分析し、塩化シアヌルがほぼ消滅すれば、更に1
時間保温攪拌して反応を完結させる。この間PHは6〜
8に維持し、HPLCによって組成を分析し、モノスル
ファニル体が90%以上となれば反応を終了する。反応
後微量の不溶物を濾過して除き、最終的にPHは7に調
整する。この様にして2,6−ジクロル−4−(3−ス
ルフォアニリノ)−S−トリアジンNa塩水溶液が高収
率で得られる。この化合物は冷蔵庫内で5℃以下で保管
すれば約1ヶ月は安定である。
【0010】本発明の有機天然繊維材料の加工条件は、
ジクロルトリアジン系反応性染料、或いはビニルスルフ
ォン系2官能型反応性染料等とは違って、薬剤の分子量
が小さく、直線性・平面性に欠け、繊維に対する直接性
が乏しいので、それら染料の加工条件を単純に適用して
も充分満足のいく結果が得られない。加工条件の一例を
あげると、加工薬剤を目的に応じて1〜10%(純分
o.w.f.)使用し、浴比1:2〜20、無水炭酸ソ
ーダ、重炭酸ソーダ或いはカセイソーダを1〜20%
(o.w.f.)、必要に応じてぼう硝を添加して混合
した染浴に、繊維材料を浸漬し、絞り率50〜200%
で薬剤水溶液を含浸させた繊維材料を、一次処理温度2
0〜80℃、加熱処理又は静置処理時間30〜360
分、二次処理温度80〜150℃、二次乾熱処理時間5
〜100分等の処理条件を採用して、加工処理すればよ
い。一般的に反応性の高いハロゲンを有する薬剤は低温
で長時間処理し、反応性の低いハロゲンを有する薬剤の
場合は高温で短時間処理すると良い。これらの加工条件
は有機天然素材の種類並びに加工目的に応じて上記の条
件に制約されることなく、例えば加工効果をより強くす
るには薬剤の使用量を増加させるなど自由に変化させる
ことが出来る。
【0011】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものでは
ない。なお、例中、%は重量%を意味する。
【0012】実施例1 2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジンNa塩の10%水溶液1kgを1
0℃の冷水4kgに溶解し、炭酸ソーダ200gと無水
ぼう硝100gを加えて溶解する。この様にして作製し
たパッヂング浴にウール100%の織物を5分間浸漬し
た。次いで過剰の液を軽く絞って取り除き、昇温して3
5℃で2時間保ち、更に昇温して100〜105℃の温
風ドライヤーの中でほぼ乾燥するまで乾熱処理して取り
出した。その後ソーピングして水洗し、乾燥して仕上げ
た。この様にして加工したウールを未処理品と比較した
ところ、本加工処理品の合計緩和収縮率は1.5%であ
ったが、未処理品の合計緩和収縮率は7.5%であっ
た。また、摩擦試験、強度試験、耐光試験などは全て処
理品と同等乃至優れていた。
【0013】実施例2 実施例1における薬剤の代わりに、2,6−ジクロル−
4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジンNa塩
を用いる以外は同じ条件で加工処理して未処理品と比較
したところ、加工処理品の合計緩和収縮率は2.3%、
未処理品の合計緩和収縮率は8.5%であった。
【0014】実施例3 実施例1における薬剤の代わりに、2,6−ジクロル−
4−オキシ−S−トリアジンNa塩を用い炭酸ソーダを
300g用いる以外は同じ条件で加工処理して未処理品
と比較したところ、加工処理品の合計緩和収縮率は1.
4%であったが、未処理品の合計緩和収縮率は8.2%
であった。
【0015】実施例4 加工薬剤として2,6−ジクロル−4−オキシ−S−ト
リアジンNa塩の10%水溶液1kgを室温の水4kg
に溶解し、無水ぼう硝100g、炭酸ソーダ400gを
加えて溶解する。この溶液の中へ木綿の布を浸漬し、次
いで軽く絞って過剰の液を取り除き、昇温して45℃で
2時間保温した。更に昇温して100〜105℃の温風
ドライヤーの中でほぼ乾燥するまで乾熱処理した。その
後ソーピングし水洗して仕上げた。この様にして加工し
た処理品を未処理品と比較すると、加工処理品の合計緩
和収縮率は1.5%であったが、未処理品の合計緩和収
縮率は5.6%であった。
【0016】実施例5 実施例4における薬剤の代わりに、2,6−ジクロル−
4−(3−カルボキシアニリノ)−S−トリアジンNa
塩を用いる以外は同様に処理して加工処理したところ、
加工処理品の合計緩和収縮率は2.0%であった。
【0017】実施例6 実施例4における木綿の布の代わりに絹を用い同様に処
理して加工処理したところ、加工処理品の合計緩和収縮
率は2.3%であった。
【0018】実施例7 実施例1における薬剤の代わりに2,6−ジクロル−4
−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンを用いて
同様に加工したところ、合計緩和収縮率は2.1%であ
り、ウオッシャブル規格に合格した。
【0019】
【発明の効果】本発明方法によって加工された有機天然
素材を主成分とする繊維材料は、未加工の有機天然繊維
材料に比べて、収縮率・防皺性等を初めとする形態安定
性が改善され、持続性がある等、優れた形態安定加工効
果が得られだけでなく、諸堅牢度も優れている。特に本
発明方法の特徴は、安全で環境適合性の優れた安価な加
工薬剤を用いて大きな効果を上げる事が出来る点におい
て、経済性が優れており、有機天然素材の機能性と用途
拡大に寄与し、地球環境問題にも大いに貢献する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性のジハロゲノトリアジン系化合物に
    よって有機天然繊維材料を改質加工するに当たって、ジ
    ハロゲノトリアジン系化合物水溶液を繊維材料に含浸さ
    せた後、中低温で一次反応を行い、次いで高温で乾熱処
    理する事によって二次反応を行わせる事を特徴とする有
    機天然繊維材料の改質加工法。
  2. 【請求項2】水溶性ジハロゲノトリアジン系化合物とし
    て一般式(1)で表される2,4−ハロゲノ−6−Y−
    1,3,5−トリアジン誘導体を使用し、請求項1なる
    方法で加工し改質する事を特徴とする有機天然繊維材料
    の改質加工法。 (式中、Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、Y
    はスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基
    等水溶性置換基を有するアリルアミノ基、アリルオキシ
    基、アリルメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキ
    シ基、アルキルチオ基等の水溶性置換基を意味する。ま
    た、Yはヒドロキシ基、チオール基等のアルカリ金属
    塩、アルカリ土類金属塩、或いは水溶性置換基を有する
    トリアジニルオキシ基、トリアジニルアミノ基、トリア
    ジニルチオ基、スルフォン基を有するトリアジニルアミ
    ノスチルベンアミノ基など、中性乃至弱アルカリ性で水
    溶性を示す置換基であってもよい)
  3. 【請求項3】主たる加工対象素材として、羊毛、絹、皮
    革、獣毛、木綿、麻、再生繊維などの有機天然繊維材料
    からなり、一般式(1)で表される2,4−ハロゲノ−
    6−Y−1,3,5−トリアジン誘導体を用いて、請求
    項1なる方法によって加工され、改質された有機天然繊
    維材料。 (式中、Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、Y
    はスルフォン基、カルボキシル基、水酸基、チオール基
    等水溶性置換基を有するアリルアミノ基、アリルオキシ
    基、アリルメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキ
    シ基、アルキルチオ基等の水溶性置換基を意味する。ま
    た、Yはヒドロキシ基、チオール基等のアルカリ金属
    塩、アルカリ土類金属塩、或いは水溶性置換基を有する
    トリアジニルオキシ基、トリアジニルアミノ基、トリア
    ジニルチオ基、スルフォン基を有するトリアジニルアミ
    ノスチルベンアミノ基など、中性乃至弱アルカリ性で水
    溶性を示す置換基であってもよい)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101613934A (zh) * 2009-07-15 2009-12-30 李民旭 有机纤维结构物的改良、架桥用药剂及其制备和应用
TWI475012B (zh) * 2009-05-14 2015-03-01 Stahl Internat Bv 鞣製方法及鞣製組成物

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