JP2001248067A - 蛋白質系天然繊維材料の改質薬剤並びに改質加工法 - Google Patents
蛋白質系天然繊維材料の改質薬剤並びに改質加工法Info
- Publication number
- JP2001248067A JP2001248067A JP2000104194A JP2000104194A JP2001248067A JP 2001248067 A JP2001248067 A JP 2001248067A JP 2000104194 A JP2000104194 A JP 2000104194A JP 2000104194 A JP2000104194 A JP 2000104194A JP 2001248067 A JP2001248067 A JP 2001248067A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- protein
- processing
- fiber material
- bis
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来の蛋白質系繊維材料の形態安定加工技術
は、製品の品質上の問題として形態安定効果が不十分で
持続性が無い、風合いが粗硬となり、強伸度が低下する
等があり、加工工程上並びに消費者サイドに於ける問題
としては、作業環境の安全衛生上の問題が十分でなく、
均一な加工が困難で、皮膚障害の恐れがある等の問題が
あった。また、これらの加工薬剤の中には重金属や有毒
物質による廃水汚染が発生しやすく、環境問題からも改
善が望まれていた。 【解決手段】本発明者等はかかる品質上或いは工程上の
諸問題を解決し、地球環境に優しい蛋白質系繊維材料の
改質・形態安定加工法について研究を重ねた結果、2−
ハロゲノ−4、6−ビス置換−S−トリアジン誘導体を
用いて加工してやれば、これらの問題が解決され、特に
風合いの優れた蛋白質系繊維・衣料用素材が得られるこ
とを見出した。
は、製品の品質上の問題として形態安定効果が不十分で
持続性が無い、風合いが粗硬となり、強伸度が低下する
等があり、加工工程上並びに消費者サイドに於ける問題
としては、作業環境の安全衛生上の問題が十分でなく、
均一な加工が困難で、皮膚障害の恐れがある等の問題が
あった。また、これらの加工薬剤の中には重金属や有毒
物質による廃水汚染が発生しやすく、環境問題からも改
善が望まれていた。 【解決手段】本発明者等はかかる品質上或いは工程上の
諸問題を解決し、地球環境に優しい蛋白質系繊維材料の
改質・形態安定加工法について研究を重ねた結果、2−
ハロゲノ−4、6−ビス置換−S−トリアジン誘導体を
用いて加工してやれば、これらの問題が解決され、特に
風合いの優れた蛋白質系繊維・衣料用素材が得られるこ
とを見出した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛋白質系天然繊維材
料を、一般式(1)で表される2−ハロゲノ−4、6−
ビス置換−S−トリアジン誘導体を用いて、 (式中、Xは塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、Y
1及びY2はスルフォン基、カルボキシル基等水溶性置
換基を1〜5個有し、更に水不溶性の置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基、アントラキノニル基
等のアリル基、Z1及びZ2は−NH−、−O−、−S
−基等の連結基を意味する。Y1、Y2並びにZ1、Z
2はそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良
い)モノクロルトリアジン系反応性染料の染色・仕上げ
加工法に準じて加工することによって、蛋白質系天然繊
維材料の風合いを改善し、同時に形態安定性及び耐久性
を向上させる蛋白質系天然素材改質用薬剤組成物並びに
その加工方法に関するものである。
料を、一般式(1)で表される2−ハロゲノ−4、6−
ビス置換−S−トリアジン誘導体を用いて、 (式中、Xは塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、Y
1及びY2はスルフォン基、カルボキシル基等水溶性置
換基を1〜5個有し、更に水不溶性の置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基、アントラキノニル基
等のアリル基、Z1及びZ2は−NH−、−O−、−S
−基等の連結基を意味する。Y1、Y2並びにZ1、Z
2はそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良
い)モノクロルトリアジン系反応性染料の染色・仕上げ
加工法に準じて加工することによって、蛋白質系天然繊
維材料の風合いを改善し、同時に形態安定性及び耐久性
を向上させる蛋白質系天然素材改質用薬剤組成物並びに
その加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、蛋白質系天然素材の風合いを改良
したり、防縮、フェルト化防止等の形態安定性向上や耐
久性を改善する改質方法としては、過マンガン酸カリ
ウム/塩法、ジ又はトリクロロイソシアヌル酸法塩
素化/樹脂法、クロイ/樹脂法、スプリット・パッ
ド/樹脂法、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、
シリコーン樹脂等各種の樹脂加工法、酵素加工法、
低温プラズマ加工法等が良く知られている。
したり、防縮、フェルト化防止等の形態安定性向上や耐
久性を改善する改質方法としては、過マンガン酸カリ
ウム/塩法、ジ又はトリクロロイソシアヌル酸法塩
素化/樹脂法、クロイ/樹脂法、スプリット・パッ
ド/樹脂法、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、
シリコーン樹脂等各種の樹脂加工法、酵素加工法、
低温プラズマ加工法等が良く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来技術は、
多かれ少なかれ製品の品質上の問題を抱えているか、或
いは加工工程上並びに消費者サイドに於ける種々の問題
を抱えており、更に経済性等の問題も加わって改良が望
まれていた。例えば品質上の問題としては、形態安定効
果が不十分で持続性が無い、風合いが粗硬となり、強伸
度が低下する等であり、加工工程上並びに消費者サイド
の問題としては作業環境の安全衛生上の問題が十分でな
く、均一な加工が困難、皮膚障害の恐れがある等の問題
である。また、これらの加工薬剤の中には重金属等によ
る廃水汚染或いは樹脂成分中の有毒物質による廃水汚染
が発生しやすく、環境問題からも改善が望まれていた。
多かれ少なかれ製品の品質上の問題を抱えているか、或
いは加工工程上並びに消費者サイドに於ける種々の問題
を抱えており、更に経済性等の問題も加わって改良が望
まれていた。例えば品質上の問題としては、形態安定効
果が不十分で持続性が無い、風合いが粗硬となり、強伸
度が低下する等であり、加工工程上並びに消費者サイド
の問題としては作業環境の安全衛生上の問題が十分でな
く、均一な加工が困難、皮膚障害の恐れがある等の問題
である。また、これらの加工薬剤の中には重金属等によ
る廃水汚染或いは樹脂成分中の有毒物質による廃水汚染
が発生しやすく、環境問題からも改善が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる品質
上或いは工程上の諸問題を解決し、地球環境に優しい蛋
白質系天然素材の改質・形態安定加工法について鋭意研
究を重ねた結果、前記一般式(1)で表されるモノハロ
ゲノ−ビス置換−S−トリアジン系化合物を用いて加工
してやれば、これらの問題が解決され、特に風合いの優
れた繊維・衣料用素材が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
上或いは工程上の諸問題を解決し、地球環境に優しい蛋
白質系天然素材の改質・形態安定加工法について鋭意研
究を重ねた結果、前記一般式(1)で表されるモノハロ
ゲノ−ビス置換−S−トリアジン系化合物を用いて加工
してやれば、これらの問題が解決され、特に風合いの優
れた繊維・衣料用素材が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、ウール、絹、皮革、羽
毛等の蛋白質系天然素材で、その構造の中に水酸基、ア
ミノ基、リジン基、アルギニン基、チオール基等の反応
性置換基を有する蛋白質系天然素材を改質或いは形態安
定加工するに当たって、水溶性の置換基を有するモノハ
ロゲノ−ビス置換−S−トリアジン系の化合物を用いて
加工する事によって、優れた風合い有すると共に、形態
安定性にも優れた蛋白質系天然素材を提供する事を目的
とするものである。
毛等の蛋白質系天然素材で、その構造の中に水酸基、ア
ミノ基、リジン基、アルギニン基、チオール基等の反応
性置換基を有する蛋白質系天然素材を改質或いは形態安
定加工するに当たって、水溶性の置換基を有するモノハ
ロゲノ−ビス置換−S−トリアジン系の化合物を用いて
加工する事によって、優れた風合い有すると共に、形態
安定性にも優れた蛋白質系天然素材を提供する事を目的
とするものである。
【0006】本発明で用いる事が出来る水溶性の置換基
を有するモノハロゲノ−S−トリアジン系の化合物と
は、一般式(1)で表される水に可溶性の化合物であ
る。 (式中、Xは塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、Y
1及びY2はスルフォン基、カルボキシル基等水溶性置
換基を1〜5個有し、更に水不溶性の置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基、アントラキノニル基
等のアリル基、Z1及びZ2は−NH−、−O−、−S
−基等の連結基を意味する。Y1、Y2並びにZ1、Z
2はそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良
い)
を有するモノハロゲノ−S−トリアジン系の化合物と
は、一般式(1)で表される水に可溶性の化合物であ
る。 (式中、Xは塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、Y
1及びY2はスルフォン基、カルボキシル基等水溶性置
換基を1〜5個有し、更に水不溶性の置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基、アントラキノニル基
等のアリル基、Z1及びZ2は−NH−、−O−、−S
−基等の連結基を意味する。Y1、Y2並びにZ1、Z
2はそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良
い)
【0007】本発明において用いられる、一般式(1)
で表される蛋白質系天然素材改質薬剤をより具体的に説
明すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは
塩化シアヌルを原料として用い、スルフォン酸基やカル
ボキシル基等水溶性置換基を有するアニリン類、フェノ
ール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、アミノ
アントラキノン類等を2モル、酸結合剤を共存させ弱ア
ルカリ性で縮合させる公知の方法によって得られる。こ
の場合2モルの反応試薬は最初の1モルを反応させた
後、後半の1モルは別の化合物としても良いし、同一で
あっても良い。また、3種以上の混合物として反応させ
ても良い。具体的には次のような化合物を例として挙げ
ることが出来る。 2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォアニリノ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−スルフォアニリノ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(2−スルフォアニリノ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(2,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン 2−クロル−4−(3−スルフォアニリノ)−6−(4
−スルフォアニリノ)−S−トリアジン 2−クロル−4−(3−スルフォアニリノ)−6−
(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(3−カルボキシアニリノ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−カルボキシアニリノ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(2−カルボキシアニリノ)
−S−トリアジン 2−クロル−4−(3−スルフォアニリノ)−6−(4
−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−スルフォフェノキシ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(3−カルボフェノキシ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−カルボフェニルチオ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォフェニルチ
オ)−S−トリアジン
で表される蛋白質系天然素材改質薬剤をより具体的に説
明すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは
塩化シアヌルを原料として用い、スルフォン酸基やカル
ボキシル基等水溶性置換基を有するアニリン類、フェノ
ール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、アミノ
アントラキノン類等を2モル、酸結合剤を共存させ弱ア
ルカリ性で縮合させる公知の方法によって得られる。こ
の場合2モルの反応試薬は最初の1モルを反応させた
後、後半の1モルは別の化合物としても良いし、同一で
あっても良い。また、3種以上の混合物として反応させ
ても良い。具体的には次のような化合物を例として挙げ
ることが出来る。 2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォアニリノ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−スルフォアニリノ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(2−スルフォアニリノ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(2,5−ジスルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン 2−クロル−4−(3−スルフォアニリノ)−6−(4
−スルフォアニリノ)−S−トリアジン 2−クロル−4−(3−スルフォアニリノ)−6−
(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(3−カルボキシアニリノ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−カルボキシアニリノ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(2−カルボキシアニリノ)
−S−トリアジン 2−クロル−4−(3−スルフォアニリノ)−6−(4
−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−スルフォフェノキシ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(3−カルボフェノキシ)−
S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(4−カルボフェニルチオ)
−S−トリアジン 2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォフェニルチ
オ)−S−トリアジン
【0008】本発明で改質・形態安定加工される蛋白質
系有機天然素材は単品でも混合・混紡品でもよく、具体
的にはウール、絹、皮革、不織布、羽毛等、水溶性の置
換基を有するモノハロゲノトリアジン系の化合物と反応
することが出来る反応基を有する有機天然素材である。
それらの加工対象の蛋白質系有機天然素材はポリエステ
ル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロ
ニトリル、ポリプロピレン等石油系合成素材との混紡、
混合品であってもよい。
系有機天然素材は単品でも混合・混紡品でもよく、具体
的にはウール、絹、皮革、不織布、羽毛等、水溶性の置
換基を有するモノハロゲノトリアジン系の化合物と反応
することが出来る反応基を有する有機天然素材である。
それらの加工対象の蛋白質系有機天然素材はポリエステ
ル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリロ
ニトリル、ポリプロピレン等石油系合成素材との混紡、
混合品であってもよい。
【0009】本発明の加工薬剤は、ドイツ公開公報23
57252号に記載があるように、公知の合成法に準じ
て合成することが出来るが、その概要は次の通りであ
る。例えば塩化シアヌル1モルを5℃以下の氷水の中へ
仕込み、次いで例えばm−スルファニル酸を2モル仕込
み、よく攪拌しながら炭酸ソーダ約2モルを、少しずつ
加えてPHを7±5に調整する。炭酸ソーダの仕込みは
PH=7±5で約3時間を要して5〜10℃で仕込み、
塩化シアヌルがほぼ消滅する一次反応が終われば、徐々
に昇温して25℃とし、25±5℃で約3時間攪拌す
る。この間PHは6〜8に維持し、HPLCによって組
成を分析し、モノスルファニル体が殆ど消滅し、ジスル
ファニル体が主成分となれば反応を終了する。この様に
して2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン水溶液が高収率で得られる。
57252号に記載があるように、公知の合成法に準じ
て合成することが出来るが、その概要は次の通りであ
る。例えば塩化シアヌル1モルを5℃以下の氷水の中へ
仕込み、次いで例えばm−スルファニル酸を2モル仕込
み、よく攪拌しながら炭酸ソーダ約2モルを、少しずつ
加えてPHを7±5に調整する。炭酸ソーダの仕込みは
PH=7±5で約3時間を要して5〜10℃で仕込み、
塩化シアヌルがほぼ消滅する一次反応が終われば、徐々
に昇温して25℃とし、25±5℃で約3時間攪拌す
る。この間PHは6〜8に維持し、HPLCによって組
成を分析し、モノスルファニル体が殆ど消滅し、ジスル
ファニル体が主成分となれば反応を終了する。この様に
して2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォアニリ
ノ)−S−トリアジン水溶液が高収率で得られる。
【0010】本発明の有機天然繊維材料の加工条件は、
モノクロルトリアジン系反応性染料、或いはビニルスル
フォン系反応性染料等の反応性染料を用いて蛋白質系繊
維材料を染色加工する時の公知の条件に準じて行うこと
が出来る。加工条件の一例をあげると、加工薬剤を目的
に応じて1〜30%(純分o.w.f.)使用し、浴比
1:10〜50、無水炭酸ソーダ2〜20%(o.w.
f.)、処理温度5〜110℃、処理時間5〜100分
等の条件を採用して、吸尽法、コールドバッチアップ
法、パジング法、捺染法等で加工処理すればよい。ま
た、成形素材の場合は薬剤を素材に含浸或いは混合して
加熱処理する方法によれば良い。これらの条件は蛋白質
系天然素材の種類並びに加工目的に応じて上記の条件に
制約されることなく自由に変化させることが出来る。又
酢酸を添加して、やや高温で処理する酸性加工法を適用
することも可能であるし、既存の染料と併用して同時加
工することも可能である。一般的にパジング法は高温・
短時間、浸染法は低温・長時間の加工条件を採用する。
モノクロルトリアジン系反応性染料、或いはビニルスル
フォン系反応性染料等の反応性染料を用いて蛋白質系繊
維材料を染色加工する時の公知の条件に準じて行うこと
が出来る。加工条件の一例をあげると、加工薬剤を目的
に応じて1〜30%(純分o.w.f.)使用し、浴比
1:10〜50、無水炭酸ソーダ2〜20%(o.w.
f.)、処理温度5〜110℃、処理時間5〜100分
等の条件を採用して、吸尽法、コールドバッチアップ
法、パジング法、捺染法等で加工処理すればよい。ま
た、成形素材の場合は薬剤を素材に含浸或いは混合して
加熱処理する方法によれば良い。これらの条件は蛋白質
系天然素材の種類並びに加工目的に応じて上記の条件に
制約されることなく自由に変化させることが出来る。又
酢酸を添加して、やや高温で処理する酸性加工法を適用
することも可能であるし、既存の染料と併用して同時加
工することも可能である。一般的にパジング法は高温・
短時間、浸染法は低温・長時間の加工条件を採用する。
【0011】
【実施例】以下実施例によって本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものでは
ない。なお、例中、%は重量%を意味する。
するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものでは
ない。なお、例中、%は重量%を意味する。
【0012】実施例1 2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォアニリノ)−
S−トリアジンを純分で5%o.w.f.となるよう
に、浴比1:20の15℃の水に加えて溶解し、常法に
よる酵素処理によってオフスケールした羊毛糸を浸漬
し、強く循環しながら、ぼう硝を30%o.w.f、炭
酸ソーダ5%o.w.f.を徐々に仕込む。液温を徐々
に昇温し20分で40℃に達せしめ20分保ち、さらに
30分要して65℃に昇温した後65〜70℃に45分
間保温する。この間PHは11±0.5に保たれる様に
炭酸ソーダを必要に応じて追加する。加工された羊毛糸
を取り出し常法により85℃でソーピングしたあと十分
水洗して乾燥した。この様にして形態安定加工された羊
毛糸を織物とした風合いは極めて良好であった。また、
水系の洗濯を10回繰り返し、緩和収縮率を酵素処理の
みした未処理品と比較すると、本発明により加工された
羊毛織物は1.8%であったが、酵素処理のみの羊毛織
物は6.0%であり、強伸度にも向上が認められた。又
繊維表面の顕微鏡による観察によると、加工品はなめら
かであったが、未処理品は歪み、変形、乱れが見られ
た。特に本発明で加工された織物の風合いはソフトな感
触に優れている点に特徴がある。
S−トリアジンを純分で5%o.w.f.となるよう
に、浴比1:20の15℃の水に加えて溶解し、常法に
よる酵素処理によってオフスケールした羊毛糸を浸漬
し、強く循環しながら、ぼう硝を30%o.w.f、炭
酸ソーダ5%o.w.f.を徐々に仕込む。液温を徐々
に昇温し20分で40℃に達せしめ20分保ち、さらに
30分要して65℃に昇温した後65〜70℃に45分
間保温する。この間PHは11±0.5に保たれる様に
炭酸ソーダを必要に応じて追加する。加工された羊毛糸
を取り出し常法により85℃でソーピングしたあと十分
水洗して乾燥した。この様にして形態安定加工された羊
毛糸を織物とした風合いは極めて良好であった。また、
水系の洗濯を10回繰り返し、緩和収縮率を酵素処理の
みした未処理品と比較すると、本発明により加工された
羊毛織物は1.8%であったが、酵素処理のみの羊毛織
物は6.0%であり、強伸度にも向上が認められた。又
繊維表面の顕微鏡による観察によると、加工品はなめら
かであったが、未処理品は歪み、変形、乱れが見られ
た。特に本発明で加工された織物の風合いはソフトな感
触に優れている点に特徴がある。
【0013】実施例2 実施例1における薬剤の代わりに、2−クロル−4−
(3−スルフォアニリノ)−6−(2,5−ジスルフォ
アニリノ)−S−トリアジン(この化合物は塩化シアヌ
ル1モルと、m−スルファニル酸1モル及び2,5−ジ
スルファニル酸1モルを水溶媒中、5〜25℃で炭酸ソ
ーダを酸結合剤に用いる方法で反応して得られる。以下
の実施例で使用される各種薬剤も相当するアミン類、フ
ェノール類、チオール類の所要のモル数を塩化シアヌル
と反応させる方法で合成される)を用い、その他の条件
は同様にして羊毛糸を処理して比較すると加工品の風合
いは未処理品に比べて著しく良好で、収縮率は1.6%
であったが、未処理品は6.5%であった。
(3−スルフォアニリノ)−6−(2,5−ジスルフォ
アニリノ)−S−トリアジン(この化合物は塩化シアヌ
ル1モルと、m−スルファニル酸1モル及び2,5−ジ
スルファニル酸1モルを水溶媒中、5〜25℃で炭酸ソ
ーダを酸結合剤に用いる方法で反応して得られる。以下
の実施例で使用される各種薬剤も相当するアミン類、フ
ェノール類、チオール類の所要のモル数を塩化シアヌル
と反応させる方法で合成される)を用い、その他の条件
は同様にして羊毛糸を処理して比較すると加工品の風合
いは未処理品に比べて著しく良好で、収縮率は1.6%
であったが、未処理品は6.5%であった。
【0014】実施例3 実施例1における薬剤の代わりに、2−クロル−4−
(3−スルフォアニリノ)−6−(4−スルフォアニリ
ノ)−S−トリアジンを用い、その他の条件は同様にし
て絹織物を処理して比較すると加工品の風合いは未処理
品に比べて良好で、収縮率も改良され形態安定性の優れ
た絹織物が得られた。
(3−スルフォアニリノ)−6−(4−スルフォアニリ
ノ)−S−トリアジンを用い、その他の条件は同様にし
て絹織物を処理して比較すると加工品の風合いは未処理
品に比べて良好で、収縮率も改良され形態安定性の優れ
た絹織物が得られた。
【0015】実施例4 実施例1における薬剤の代わりに、2−クロル−4、6
−ビス(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジ
ンを用いる以外は同様にして羊毛織物を処理した結果、
緩和収縮率は経1.4%、緯1.3%であり風合いが優
れた羊毛織物が得られたが、公知の方法によってクロイ
加工したものの緩和収縮率は経3.5%、緯6.0%で
あった。
−ビス(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジ
ンを用いる以外は同様にして羊毛織物を処理した結果、
緩和収縮率は経1.4%、緯1.3%であり風合いが優
れた羊毛織物が得られたが、公知の方法によってクロイ
加工したものの緩和収縮率は経3.5%、緯6.0%で
あった。
【0016】実施例5 実施例1における薬剤の代わりに、2−クロル−4−
(3−スルフォフェノキシ)−6−(3−スルフォアニ
リノ)−S−トリアジンを用いる以外は同様に羊毛織物
を処理して同様の風合いと形態安定性に優れた羊毛織物
を得た。
(3−スルフォフェノキシ)−6−(3−スルフォアニ
リノ)−S−トリアジンを用いる以外は同様に羊毛織物
を処理して同様の風合いと形態安定性に優れた羊毛織物
を得た。
【0017】実施例6 実施例1における薬剤の代わりに、2−クロル−4
(2,5−ジスルフォアニリノ)−6−アニリノ−S−
トリアジンを用いる以外は同様に羊毛織物を処理して類
似の効果を得た。
(2,5−ジスルフォアニリノ)−6−アニリノ−S−
トリアジンを用いる以外は同様に羊毛織物を処理して類
似の効果を得た。
【0018】実施例7 2−クロル−4,6−ビス(3−スルフォアニリノ)−
S−トリアジンを50g/リットル、無水ぼう硝は30
g/リットルとなるように室温の水に溶解し、重炭酸ソ
ーダを30g/リットル加えてよく攪拌する。このパデ
ィング浴にオフスケールした羊毛織物を浸漬し、絞り率
約100%で巻き取り、65〜70℃で10分間加熱処
理した後、100℃で10分間スチーミングを行う。つ
いで常法でソーピング、水洗を行う。この様にして得ら
れた羊毛織物の形態安定性は実施例−1と同様、非常に
優れていた。
S−トリアジンを50g/リットル、無水ぼう硝は30
g/リットルとなるように室温の水に溶解し、重炭酸ソ
ーダを30g/リットル加えてよく攪拌する。このパデ
ィング浴にオフスケールした羊毛織物を浸漬し、絞り率
約100%で巻き取り、65〜70℃で10分間加熱処
理した後、100℃で10分間スチーミングを行う。つ
いで常法でソーピング、水洗を行う。この様にして得ら
れた羊毛織物の形態安定性は実施例−1と同様、非常に
優れていた。
【0019】実施例8 実施例1における薬剤の代わりに、2−クロル−4、6
−ビス(3−カルボキシフェニルアミノ)−S−トリア
ジンを用いる以外は同様に羊毛織物を処理して類似の効
果を得た。
−ビス(3−カルボキシフェニルアミノ)−S−トリア
ジンを用いる以外は同様に羊毛織物を処理して類似の効
果を得た。
【0020】
【発明の効果】本発明によって加工された蛋白質系繊維
材料は、未加工の蛋白質系天然素材に比べて風合いが著
しく向上し、収縮率、防皺性等の形態安定性が改善さ
れ、強度も向上し、持続性がある等、十分な形態安定加
工効果が得られる。更に使用された薬剤の吸収状態は良
好で廃水汚染が少ないため地球環境に優しい加工方法で
ある。又微量の未固着の塩化シアヌル誘導体は最後の加
熱処理によって塩素が加水分解をおこし、中和されて食
塩とシアヌル酸誘導体となり、有機塩素は消滅するので
その面からも環境に優しい方法と言える。特に本発明方
法の特徴は、安価な加工薬剤を用いる事が出来る点にお
いて、経済性が非常に優れている事を挙げなければなら
ない。
材料は、未加工の蛋白質系天然素材に比べて風合いが著
しく向上し、収縮率、防皺性等の形態安定性が改善さ
れ、強度も向上し、持続性がある等、十分な形態安定加
工効果が得られる。更に使用された薬剤の吸収状態は良
好で廃水汚染が少ないため地球環境に優しい加工方法で
ある。又微量の未固着の塩化シアヌル誘導体は最後の加
熱処理によって塩素が加水分解をおこし、中和されて食
塩とシアヌル酸誘導体となり、有機塩素は消滅するので
その面からも環境に優しい方法と言える。特に本発明方
法の特徴は、安価な加工薬剤を用いる事が出来る点にお
いて、経済性が非常に優れている事を挙げなければなら
ない。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(1)で表される2−ハロゲノ−
4、6−ビス置換−S−トリアジン誘導体によって蛋白
質系天然繊維材料を加工し改質する事を特徴とする蛋白
質系天然繊維材料の改質加工法。 (式中、Xは塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子、Y
1及びY2はスルフォン基、カルボキシル基等水溶性置
換基を1〜5個有し、更に水不溶性の置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基、アントラキノニル基
等のアリル基、Z1及びZ2は−NH−、−O−、−S
−基等の連結基を意味する。Y1、Y2並びにZ1、Z
2はそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良
い) - 【請求項2】一般式(1)で表される2−ハロゲノ−
4、6−ビス置換−S−トリアジン誘導体で示される請
求項1に記載した目的に使われる改質用薬剤。 (式中、Xは塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子、Y
1及びY2はスルフォン基、カルボキシル基等水溶性置
換基を1〜5個有し、更に水不溶性の置換基を有してい
ても良いフェニル基、ナフチル基、アントラキノニル基
等のアリル基、Z1及びZ2は−NH−、−O−、−S
−基等の連結基を意味する。Y1、Y2並びにZ1、Z
2はそれぞれ同一であっても良いし異なっていても良
い) - 【請求項3】加工対象素材として、ウール、絹、羽毛、
皮革等の蛋白質系天然繊維材料を対象に、請求項2なる
薬剤を用いて浸染、捺染、パディング、コーティング法
等で加工され、改質された蛋白質系天然繊維材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000104194A JP2001248067A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 蛋白質系天然繊維材料の改質薬剤並びに改質加工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000104194A JP2001248067A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 蛋白質系天然繊維材料の改質薬剤並びに改質加工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001248067A true JP2001248067A (ja) | 2001-09-14 |
Family
ID=18617784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000104194A Pending JP2001248067A (ja) | 2000-03-01 | 2000-03-01 | 蛋白質系天然繊維材料の改質薬剤並びに改質加工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001248067A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1318684C (zh) * | 2004-07-09 | 2007-05-30 | 竹本油脂(苏州)有限公司 | 兽毛纤维的纺纱用处理剂 |
JP2009529593A (ja) * | 2006-03-14 | 2009-08-20 | ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン | 着色防止性の洗濯洗剤組成物 |
JP2010100956A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Kawada Feather Co Ltd | 羽毛の改質方法、羽毛、およびこれを用いた衣料類、寝具類 |
CN108914574A (zh) * | 2018-07-25 | 2018-11-30 | 苏州市天翱特种织绣有限公司 | 一种抗皱防缩丝织面料的制备方法 |
-
2000
- 2000-03-01 JP JP2000104194A patent/JP2001248067A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1318684C (zh) * | 2004-07-09 | 2007-05-30 | 竹本油脂(苏州)有限公司 | 兽毛纤维的纺纱用处理剂 |
JP2009529593A (ja) * | 2006-03-14 | 2009-08-20 | ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン | 着色防止性の洗濯洗剤組成物 |
JP2010100956A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-05-06 | Kawada Feather Co Ltd | 羽毛の改質方法、羽毛、およびこれを用いた衣料類、寝具類 |
CN108914574A (zh) * | 2018-07-25 | 2018-11-30 | 苏州市天翱特种织绣有限公司 | 一种抗皱防缩丝织面料的制备方法 |
CN108914574B (zh) * | 2018-07-25 | 2020-11-06 | 上海兆妩品牌管理有限公司 | 一种抗皱防缩丝织面料的制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105121667B (zh) | 处理动物基材的方法 | |
JP4067586B2 (ja) | 紫外線吸収剤、その製造方法、及びその用途 | |
ES2901929T3 (es) | Procedimiento para la curtición y tinción simultáneas de material fibroso que contiene colágeno | |
JPH07223916A (ja) | 防蛾−及び防甲虫−組成物 | |
JP2008111216A (ja) | 動植物蛋白質による天然繊維材料の改質加工法 | |
JP2001248067A (ja) | 蛋白質系天然繊維材料の改質薬剤並びに改質加工法 | |
Sagheer et al. | Sulfonamide based antimicrobial reactive dyes: A study of their synthesis, fastness and antimicrobial activity | |
TWI278550B (en) | Method for making fibrous structure hydrophobic | |
JPH0820579A (ja) | s−トリアジン列の化合物 | |
EP0584045B1 (de) | Faserreaktive Farbstoffe, deren Herstellung und Verwendung | |
JP2008063708A (ja) | 有機繊維構造物の改質.疎水化製造方法 | |
Elsherbiny et al. | One-bath one-step dyeing of a polyester/cotton blend using the pad-dry-fixation process | |
JP2007023462A (ja) | ポリエステル繊維構造物 | |
JP3415576B2 (ja) | 有機天然繊維材料の改質加工法 | |
JP2007084987A (ja) | 天然繊維、再生繊維の少なくとも1種の繊維からなる繊維構造物の疎水化製造方法 | |
JP2654530B2 (ja) | 皮革の染色方法 | |
JP2005307416A (ja) | シルク繊維材料の風合耐久性の優れたウォッシャブル加工法 | |
JP2016089316A (ja) | 撥水性繊維構造物及びその製造方法 | |
JP2005281952A (ja) | ナイロン繊維構造物およびその製造方法 | |
CN102859064A (zh) | 功能性聚酯纤维的制造方法以及使用了功能性聚酯纤维的聚酯制品 | |
JP2003155659A (ja) | 天然繊維材料の風合いと耐久性に優れたプリーツ加工法 | |
JP2007146349A (ja) | シルク繊維材料の防染加工法 | |
JP4467098B2 (ja) | ポリアミド/セルロース複合繊維用染色助剤、染色方法及び繊維製品 | |
JP2002138368A (ja) | 湿潤発熱性の改良された蛋白質系繊維材料並びにその製造方法 | |
Oh et al. | Comparison of the resist effectiveness and leveling character of α-bromoacrylamide based and 2, 4-dichloro-s-triazine based dye-resist agents for wool |