JP4157338B2 - 繊維材料の改質加工法 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は繊維改質加工用薬剤混合物を用いて天然繊維、再生繊維或いは半合成繊維材料の改質加工を行い、形態安定性と機能性に優れた繊維材料を提供する方法である。
【0002】
【背景技術】
近年、生活の質の向上と環境・安全・健康問題への関心の高まりに伴って、形状記憶繊維、難燃・防炎繊維、紫外線遮蔽繊維、防虫・防ダニ繊維、抗菌繊維、消臭繊維、高質感・高風合繊維、UV遮蔽繊維等の機能性繊維が次々と開発されており、繊維業界の注目を集めている。一方、中国に制覇されつつある日本の繊維産業が生き残り、中国と共存共栄する為には、繊維に付加価値をつけた機能性繊維の開発を行なう事が不可欠と考えられ、そのような観点からも機能性繊維の開発と実用化は日本の繊維業界にとって極めて重要な意味を持っている。
【0003】
その様な中で、動植物蛋白質、例えばセリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白質等を繊維材料に結合させて、蛋白質の特徴を持たせる加工、即ち、風合いの良い肌ざわり感、保湿性、消臭性、静電気防止性、抗酸化性、紫外線遮蔽性、抗菌性等の機能を付与する加工が研究されており、一部は実用化されている。
【0004】
しかるに従来の加工法は非特許文献1=「繊維加工」Vol.50 No.7 301頁(1998)、非特許文献2=「繊維加工」Vol.50 No.8 358頁(1998)にも記載があるように、主としてグリオキザール系樹脂、ウレタン系樹脂等の繊維加工用樹脂を用いて樹脂加工と同時に動植物蛋白質を接着させたり、特許文献1=特許第2588445号公報に記載があるように固着剤を用いてセリシンや絹フィブロインを不溶化させたり、或いは特許文献2=特開平11−350352号公報に記載があるように熱時水溶性の高分子量セリシンを高温で繊維に吸収させて冷却する事によって不溶性となったセリシンを繊維に付着させる方法などが記載されている。
【0005】
これら公知方法によって加工された繊維材料の加工効果を調べると、樹脂加工法による場合は、繊維の風合いが粗硬になり易いという問題が生じやすい上に、洗濯を繰り返すことによって、蛋白質類が脱落しやすく、加工効果の持続性が乏しいという耐久性の問題がある。また、ホルマリンや各種樹脂加工用モノマーなど、毒性問題や環境問題を起こす可能性のある薬剤を用いる点も問題点として指摘されている。
【0006】
更に重要な問題点は繊維材料と加工薬剤とが化学反応を伴う改質加工法の場合は、一般的に引裂強度、破裂強度、引張強度などの強度が低下するという問題がある。例えば前記非特許文献2に記載があるようにグリオキザール系或いはブタンテトラカルボン酸を用いて加工された繊維は、未加工品に比べて大幅に引裂強度が低下する事を示している。また、特許文献3=特開平5−59664号公報に見られるように、ホルマリン加工法の場合、引裂強度、破裂強度共に未加工品に比べて大きく低下するので、強度改良法としての特許が出願され公開されている。
【0007】
強度低下を問題視して出された改良特許は、特許文献4=特開平6−158550号公報、特許文献5=特開平7−279042号公報、特許文献6=特開平7−324281号公報、特許文献7=特開平8−302567号公報、特許文献8=特開平8−144176号公報、特許文献9=特開2000−96442号公報など多数にあがっている。これらの例にみる通り繊維材料に形態安定加工を初めとする機能性加工を施す事によって、20〜50%程度の著しい強度低下をきたすという新たな問題がクローズアップされ、解決が望まれている。
【0008】
また、特許文献10=特開平10−96169号公報には塩化シアヌル或いはそのジクロルトリアジン系誘導体と動植物蛋白質とを用いてセルロース繊維に化学反応させるスキンケア繊維製品の製造方法が公開されているが、この方法の問題点は、一つは塩化シアヌルは水に不溶性のため有機溶剤の使用が必要であり、その上、有毒で粉塵飛散性があり、刺激臭が強く、染色加工を初めとする繊維仕上げ工場では使用が困難な薬剤である。一方のジクロルトリアジン系誘導体は刺激臭は無いが、水溶液中では不安定な化合物であって、該誘導体の経時変化性によって、時間と共に加水分解が進行し、加工効果が減退していくという実用上困難な問題があるだけでなく、前記した強度低下等の問題も残っている。
【非特許文献1】
「繊維加工」Vol.50 No.7 301頁(1998)
【非特許文献2】
「繊維加工」Vol.50 No.8 358頁(1998)
【特許文献1】
特許第2588445号公報
【特許文献2】
特開平11−350352号公報
【特許文献3】
特開平5−59664号公報
【特許文献4】
特開平6−158550号公報
【特許文献5】
特開平7−279042号公報
【特許文献6】
特開平7−324281号公報
【特許文献7】
特開平8−302567号公報
【特許文献8】
特開平8−144176号公報
【特許文献9】
特開2000−96442号公報
【特許文献10】
特開平10−96169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記した動植物蛋白質、就中セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白質等を用いる公知加工法の大きな欠点である風合いが劣る事、加工効果の耐久性が不十分であること、加工薬剤に危険で有害な物質を用いること、強度低下が起こる事並びに加工薬剤の不安定性に着目して、経済性の優れた、環境問題適応性と安全性に優れ、強度改良効果もあり、加工薬剤の経時変化のない実用的価値の高い薬剤のスクリーニングと加工方法の実用化研究を行った。
【0010】
また、動植物蛋白質の中で、絹の精練廃液を回収・濃縮して得られるセリシンの水溶液或いはドライアップした粉状のセリシンを、繊維材料の高付加価値加工の原料として活用する事によって、強度の優れた新しい実用的価値の高い機能性繊維材料の加工法を開発できれば、廃棄物の資源化と、排水負荷の削減を達成する事になり、地球環境に優しい加工法を開発する事にもつながる。更に、リサイクル衣料品或いは繊維くずとして排出される羊毛や絹の再資源化の一環として製造された加水分解ケラチンや水溶性絹フィブロインを耐久性と強度のある加工法により有効利用することによって環境問題に貢献することも本発明の目的である。
【0011】
本発明者はかかる経済性、環境・安全性、加工薬剤の経時変化性等の諸問題並びに強度や風合いを初めとする品質上の諸問題を解決し、地球環境に優しい機能性繊維の加工法に関する開発研究を推進した結果、水溶性のジクロルトリアジン系化合物と動植物蛋白質、就中セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白質並びにその加水分解生成物とを酸結合剤共存下、50〜100℃で加熱して反応させた薬剤混合物を用いて繊維を加工することによって強度を初めとする機能性の優れた繊維材料を製造出来る事を見出した。それと同時に薬剤混合物の安定性が著しく向上し、室温での保管が可能となったので実用的価値が著しく高まった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水溶性のジクロルトリアジン系化合物と動植物蛋白質とを酸結合剤共存下、50〜100℃で加熱反応させる事によって得られる繊維改質加工用薬剤混合物である(請求項1)。
【0013】
また、本発明は、動植物蛋白質が、セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白及びそれらの加水分解生成物の単独或いは混合物から選ばれる請求項1に記載の繊維改質加工用薬剤混合物である(請求項2)。
【0014】
更に、本発明は、酸結合剤が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、珪酸塩及び水酸化物のアルカリ性物質から選ばれる請求項1に記載の繊維改質加工用薬剤混合物である(請求項3)。
【0015】
更に、また、本発明は、改質加工用の対象繊維が、木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル及び酢酸セルロースのセルロース系繊維、羊毛、モヘア、アンゴラ、アルパカ、カシミア、獣毛び絹の蛋白質系繊維材料から選ばれる請求項1に記載の繊維改質加工用薬剤混合物である(請求項4)。
【0016】
次に、本発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の繊維改質加工用薬剤混合物を用いて繊維材料を改質加工することを特徴とする繊維材料の改質加工法である(請求項5)。
【0017】
次に、また、本発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の繊維改質加工用薬剤混合物を用いて改質加工された繊維材料である(請求項6)。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば動植物蛋白質を繊維材料に強固に結合させることが可能となり、風合い、
耐久性並びに強度の優れた形態安定性と着用快適性にも優れた繊維素材を得る事ができる。また、不安定な水溶性のジクロルトリアジン系架橋剤に代わって、安定化された経時変化性のない薬剤混合物を使用できるので実用性が著しく高まった点も本発明の重要な要素である。
【0019】
更に、重要蛋白質の一つとして近年注目を集めているセリシンは、現状では全国で年間約1800トン排出され、その多くは絹の精練廃液として処分されているが、この廃棄物が資源として有効活用される道を開くことになり、排水負荷の削減にもつながる。また、衣料品はリサイクルシステムの確立が緊急の課題であるが、このような循環型社会の構築にも寄与すると考えられるので、一石二鳥の環境対策となる点も本発明の重要な要素である。
【0020】
従って本発明は地球環境に優しいエコ・フレンドリー繊維加工商品の開発であると同時に、エコビジネスを育成することにつながる発明であると言って過言でない。
【0021】
【発明を実施するための最良の形態】
本発明は水溶性のジクロルトリアジン系化合物と動植物蛋白質、就中セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白質等とを酸結合剤共存下、50〜100℃で加熱して反応させた薬剤混合物を用いて繊維を加工する事を特徴とする加工法であるが、この薬剤混合物は非常に複雑な多成分混合物である。その理由は、例えば水溶性のセリシン或いは絹フィブロインは生糸を精練或いは加水分解する事によって得られるが、京都府織物・機械金属振興センター研究報告No.36第6頁にも記載がある様に、その分子量は数百から数十万に分布しており、アミノ酸の結合状態も極めて複雑多岐にわたる多成分混合物である。この点は他の動植物蛋白質においても同じ事が言える。
【0022】
更に高分子蛋白質1分子に結合するトリアジン基も1個に限らず多数のトリアジニル基がランダムに結合する事が考えられる。従って水溶性のジクロルトリアジン系化合物が動植物蛋白質に反応、結合した化合物も極めて複雑多岐な多成分混合物であって、化合物の構造を単純に特定する事は不可能であるが、少なくとも室温で経時変化が進行する不安定なジクロルトリアジン系化合物を含まず、高分子蛋白質にモノクロルトリアジニル基やその他のトリアジニル基が多数結合して安定化された架橋薬剤混合物を用いて繊維を加工する方法である。
【0023】
先ず、水溶性のジクロルトリアジン系化合物と動植物蛋白質を適当な濃度で水に溶解させ、重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ或いは炭酸カリ等を加えて弱アルカリ性とした状態で加熱して数時間反応させて薬剤混合物を合成するが、この事前反応は化学工場で行なっても良いし染色工場で行なう事も可能である。この薬剤混合物を用いて繊維を加工する方法は、所謂トリアジン系反応性染料の染色法に準じてパッド−ドライ−スチーミング法、パッド−ドライ−キュア法、浸染法等で行なう事ができる。
【0024】
以下、本発明の実施形態をより詳しく説明する。
1〜20%濃度のジクロルトリアジン系化合物水溶性に、動植物蛋白質の単独或いは混合物を0.1〜10%濃度になるように加えて攪拌溶解し、更に炭酸ソーダ、炭酸カリ等のアルカリ性物質を必要量加えてPHを9〜11とする。
【0025】
この溶液を加熱昇温して50〜100℃に数時間攪拌する。反応の終点はジクロルトリアジン系化合物がほぼ消失した点である。当然の事ながら、加熱温度が低い場合は長時間加熱攪拌し、温度が高い場合は短時間加熱すればよい。しかし30℃以下では実用的な反応速度は得られない。このようにして得られた反応混合物は室温で安定な化合物であり、室温で数ヶ月間保管する事が可能な繊維改質加工用混合薬剤である。
【0026】
この反応混合薬剤を用いて繊維材料を加工する方法は、浸染法の場合は、この反応混合薬剤を浴比1:5〜1:50の水中に加工目的に応じて固形分換算0.5〜20%o.w.f.と、ぼう硝0〜120g/lを加え、炭酸ソーダ或いは重炭酸ソーダ等でPHを弱アルカリ性として昇温する。昇温は段階的に行なってもよいし、一挙に高温の加工温度に到達させても良いが、60〜130℃で数分間〜数時間保温攪拌する。次いで水洗したあと50〜100℃でソーピング、水洗、乾燥して仕上げる。必要に応じて柔軟処理してもよいし、加工中に柔軟剤や浸透剤を共存させてもよい。
【0027】
パッデイング法の場合は、上記のような染浴に布をパッドして絞り、一旦ドライアップするか、半乾燥或いは湿状のまま80〜120℃で数分〜数時間スチーミングするか、或いはパッドして絞ったあと予備乾燥してから100〜180℃で数秒間〜数分間キュアリングして反応・固着させ、次いで水洗、ソーピング、水洗、乾燥して仕上げればよい。この場合も加工中に或いは最後の工程で柔軟仕上剤で処理しても良い。
【0028】
動植物蛋白質と事前に反応させる事ができる水溶性のジクロルトリアジン系化合物の具体例をあげると次のような化合物をあげる事が出来るが、要は反応性塩素原子を2個以上有する親水性のジクロルトリアジン系化合物であれば良いのであって、これらの具体例に制約されるものではない。
2,6−ジクロル−4−ヒドロキシエチルオキシエチルアミノ−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(α−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(γ−カルボキシプロピルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−カルバミド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオカルバミド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンK塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4(3−オキシフェニルオキシ)−S−トリアジン
4,4’−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−2−イルアミノ)−スチルベン−
2,2’−ジスルフォニックアシッドNa塩などを挙げることが出来る。
【0029】
本発明で用いることができる動植物蛋白質は、絹のアルカリ精錬廃液を回収したやや低分子量のセリシンを含有する水溶液や、無薬剤・高温高圧法精錬で回収した分子量のやや大きいセリシンを使用しても良い。シルク、ケラチン、キトサン、コラーゲン或いは大豆蛋白質等は加水分解して事前に水溶性にしたものが好ましいが、前記ジクロルトリアジン系化合物類と反応させる事によって、加工薬剤混合物を水溶性化できればよい。この点はジクロルトリアジン系化合物についても同じ事が言える。分子量分布は一般的には数百から数十万の高分子蛋白質が含まれる多成分混合物であるが、数千〜数万の分子量分布の蛋白質を用いる場合が多い。また、これら蛋白質類は限外濾過濃縮法等によって濃縮した物を使用してもよいし、それをさらにスプレードライ方式などでドライアップして粉体にしたものでも良い。
【0030】
動植物蛋白質類は天然素材であり、多種類のアミノ酸が重縮合してできた高分子蛋白質で、分子量や分子量分布のバラツキも大きい。また、加水分解条件や回収方法によっても、それらの値が異なってくるので分子量分布の分析値や物性をチェックし、水溶性なども調べた上で、加工条件に反映させる必要がある。
【0031】
更に、リサイクル衣料品或いは繊維くずとして排出される羊毛や絹の再資源化の一環として製造された加水分解ケラチンや絹フィブロインを有効利用することも重要である。Fragrance Journal 2000年4月号 第23頁に記載のある様に、分子量を適度に調整した加水分解シルクを用いる事も可能であり、加水分解シルク誘導体を用いる事も可能である。
【0032】
本発明の加工対象繊維材料とは、木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、酢酸セルロース等のセルロース系繊維材料、羊毛、モヘア、アンゴラ、アルパカ、カシミア、獣毛、絹等の蛋白質系繊維材料を含み、アミノ基、水酸基、チオール基等の反応性置換基を有する繊維であればよい。例えば天然繊維、再生繊維、半合成繊維などと呼ばれている繊維材料をあげる事が出来るが、反応できる置換基を有すればよいのであって、これらの具体例に限定されるものではない。
【0033】
これらの繊維材料は単独でも良いし、他の天然繊維或いは合成繊維材料との混紡、交織繊維でもよい。また、糸、織物、編物或いは不織布などあらゆる形態の繊維材料に適用できる。
本発明方法によって加工・改質された繊維材料は形態安定性に優れており、吸・放湿性と着用快適性にも優れた機能性繊維となり、蛋白質としてセリシンや絹フィブロインを用いた場合はシルクライクとなり、シルクの持つ様々な特徴、例えば独特の光沢、暖かみのある風合い、保湿性、消臭性、抗酸化性、紫外線吸収性、抗菌性等が付与され、強度及び耐久性も優れた機能性繊維が得られる。
【0034】
特に絹の精練工程で発生する廃液中に含まれる絹蛋白質であるセリシンを、実用的価値の高い方法で活用できる本発明方法は、排水負荷の削減と共に、廃棄物の資源化という一石二鳥の効果をもたらすものであって、21世紀環境問題対応型の新技術であり、エコ・フレンドリー繊維加工法と言っても良いであろう。
【実施例】
【0035】
以下実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、部及び%は重量部及び重量%を意味する。
【0036】
実施例1
水2000部に水溶性のセリシン粉体60部を攪拌溶解する。次いで塩化シアヌルを重炭酸ソーダ水によって加水分解する事によって得られ、PH=8に調整された2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液2000部を加えて攪拌溶解し、更に炭酸ソーダを加えてPHを10.0〜10.5とする。次いで徐々に昇温して80℃となれば、その温度に数時間保ち、HPLC分析によって2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩がほぼ消失した点で反応を終了する。
【0037】
次いでこの薬剤反応混合物2000部に水1000部を加え溶解する。次に炭酸ソーダ85部を加えて溶解し、明成化学工業株式会社製の浸透剤マイネックスSO6部を加える。
更に助剤としてメイカテックスHP−600を60部と、エレガノールFZ60部を加えてパッデング浴とする。
この浴に綿100%天竺をパディングして絞り、温風ドライヤー中115〜125℃で4〜5分間予備乾燥する。引き続き145〜155℃で3〜4分間キュアリングする。次いで水洗してから熱水中に投入し、PHを弱酸性に調整して85〜90℃で10分間ソーピングして水洗し、乾燥して仕上げる。
【0038】
この様な条件で加工された綿100%天竺の寸法変化率は、JIS−L−0217 103法によって測定した結果、タテ−1.0%、ヨコ0.0%と良好なウォッシャブル性を示した。また、破裂強度はJIS L 1018A法によって測定した結果754kPa、保湿性は20±2℃、65±5%RHでの平衡水分率を測定した結果は8.64%といずれも下記の未加工品データに較べて大幅に改善された。未加工品の寸法変化率は、タテ−5.0%、ヨコ−6.0%であり、保湿性は同じ条件で測定して7.63%、破裂強度は743.6kPaであった。
【0039】
比較のために、全く同じ薬剤と助剤の種類・量を用い、同じ加工条件で、セリシンと2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩との80℃での事前反応を行なわずに加工した結果は、破裂強度が606kPaと低下した。また、2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液は室温で保管するとPH=8からスタートして1週間でPHが7.5に低下し、純度も約10%低下した。その後も1週間当り約10〜30%の割合で分解が進み、液が酸性になると分解速度が加速され短期間で完全に分解した。本発明の上記薬剤混合物は室温で1ヶ月たってもPHの変動は無く、HPLC分析で同一のチャートとなり分解が進まない事を示した。
【0040】
実施例2
実施例1と同様にして作製したパッディング浴に綿97%PU混ストレッチ織物をパディングして絞り、温風ドライヤー中115〜125℃で4〜5分間予備乾燥する。引き続き145〜155℃で3〜4分間キュアリングする。水洗してから熱水中に投入し、PHを弱酸性に調整して85〜90℃で10分間ソーピングして水洗し、乾燥して仕上げる。この様な条件で加工された綿97%PU混ストレッチの寸法変化率は、JIS−L−0217 103法によって測定した結果、タテ−0.7%、ヨコ0.0%と良好なウォッシャブル性を示した。また、引張強度は479.5N、引裂強度はJIS L 1096ペンジュラム法でタテ15.1N、ヨコ7.8N、保湿性は7.21%で、いずれも下記の未加工品に較べて改善された。対応する未加工品の、引張強度は460.3N、引裂強度はタテ11.6N、ヨコ5.2N、保湿性は6.47%であった。
【0041】
実施例3
実施例1と同様にして作製したパッディング浴にウール100%の生地をパディングして絞り、温風ドライヤー中115〜125℃で4〜5分間予備乾燥する。引き続き145〜155℃で3〜4分間キュアリングする。水洗してから熱水中に投入し、PHを弱酸性に調整して洗剤モノゲンを所定量加え、85〜90℃で10分間ソーピングして水洗し、乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工した生地の実施例1と同様な洗濯試験による寸法変化率はタテ、ヨコ共0.0%と良好なウォッシャブル性を示した。引裂強度はタテ175N、ヨコ11.8Nで、保湿性は13.3%と下記の未加工品に較べて改善された。対応する未加工品の寸法変化率はタテ0.0%、ヨコ−8.0%、引裂強度はタテ15.5N、ヨコ8.0Nで、保湿性は12.5%であった。
【0042】
実施例4
実施例1と同様にして作製したパッディング浴にシルク100%デシンの生地をパディングして絞り、温風ドライヤー中115〜125℃で4〜5分間予備乾燥する。引き続き145〜155℃で3〜4分間キュアリングする。水洗してから熱水中に投入し、PHを弱酸性に調整して洗剤モノゲンを加え85〜90℃で10分間ソーピングして水洗し、乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工したシルクデシンの実施例1と同様な洗濯試験による寸法変化率はタテ0.0%、ヨコ−1.0%と良好なウォッシャブル性を示した。引裂強度はタテ14.1N、ヨコ21.0Nで、保湿性は10.1%と未加工品に較べて大幅に改善された。対応する未加工品の寸法変化率はタテ−11.0%、ヨコ−13.0%と大きな収縮率を示した。引裂強度はタテ5.8N、ヨコ7.7Nで、保湿性は9.5%であった。
【0043】
実施例5
水600部に水溶性のセリシン粉体18部を攪拌溶解する。次いでPH=8に調整された2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液600部を加えて攪拌溶解し、更に炭酸ソーダ27部を加えてPHを10.0〜10.5とする。次いで1時間を要して60℃に昇温して60〜70℃で数時間保ち2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩がほぼ消失した点で反応を終了する。
次いでこの薬剤反応混合物900部に水600部を加え溶解する。次に炭酸ソーダ25.4部、重炭酸ソーダ20.1部並びにぼう硝45部を加えて溶解し、更に浸透剤として明成化学工業株式会社製のマイネックスSOを3部加えてパッデング浴とする。
【0044】
この浴に麻100%織物をパディングして絞り、温風ドライヤー中120〜130℃で5〜7分間予備乾燥する。引き続き105℃で20分間スチーミングする。水洗してから熱水中に投入し、PHを中性に調整して85〜90℃で10分間ソーピングして水洗し、乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された麻100%織物の寸法変化率は、JIS−L−0217 103法によって測定した結果、タテ、ヨコ共0.0%で全く収縮せず良好なウォッシャブル性を示した。また、引張強度は495N、防しわ性は乾燥表合わせタテ97°ヨコ92°と、いずれも下記の未加工品に較べて大幅に改善された。未加工品は同じ条件で測定して寸法変化率は、タテ−4.7%、ヨコ−4.3%であり、引張強度は487N、防しわ性は乾燥表合わせタテ66°ヨコ69°であった。
【0045】
比較のために、全く同じ薬剤と助剤の種類・量を用い、同じ加工条件で、セリシンと2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩との事前反応を行なわずに加工した結果は、引張強度は411Nと低下した。
【0046】
実施例6
実施例5における2,6−ジクロル−4−ヒドロキシ−S−トリアジンNa塩の代わりに2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジンNa塩を用いて同様に事前反応処理した薬剤混合物を用いて、綿ニットを浸染法で加工した結果、未加工品に較べて著しく風合いとウォッシャブル性の優れた綿ニットが得られた。
【0047】
実施例7
実施例5におけるセリシンの代わりに水溶性の大豆蛋白質或いは加水分解コラーゲンを用いて同様に事前反応処理した薬剤混合物を用いて、綿金巾織物を加工した結果、未加工品に較べて著しくウォッシャブル性と強度並びに保湿性の優れた綿金巾織物が得られた。
【0048】
【産業上の利用可能性】
中国に制覇されつつある日本の繊維産業が生き残り、中国と共存共栄する為には、繊維に付加価値をつけた機能性繊維の開発を行なう事が不可欠と考えられ、そのような観点からも機能性繊維の開発と実用化は日本の繊維業界にとって極めて重要な意味を持っている。
本発明者はかかる経済性、環境・安全性、加工薬剤の経時変化性等の諸問題並びに強度や風合いを初めとする品質上の諸問題を解決し、地球環境に優しい機能性繊維の加工法に関する開発研究を推進した結果、水溶性のジクロルトリアジン系化合物と動植物蛋白質、就中セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白質並びにその加水分解生成物とを酸結合剤共存下、50〜100℃で加熱して反応させた薬剤混合物を用いて繊維を加工することによって強度を初めとする機能性の優れた繊維材料を製造出来る事を見出し、同時に薬剤混合物の安定性が著しく向上し、室温での保管が可能となったので実用的価値が著しく高まった。

Claims (6)

  1. 水溶性のジクロルトリアジン系化合物と動植物蛋白質とを酸結合剤共存下、50〜100℃で加熱反応させる事によって得られる繊維改質加工用薬剤混合物。
  2. 動植物蛋白質が、セリシン、絹フィブロイン、コラーゲン、ケラチン、キトサン、キチン、大豆蛋白及びそれらの加水分解生成物の単独或いは混合物から選ばれる請求項1に記載の繊維改質加工用薬剤混合物。
  3. 酸結合剤が、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、珪酸塩及び水酸化物のアルカリ性物質から選ばれる請求項1に記載の繊維改質加工用薬剤混合物。
  4. 改質加工用の対象繊維が、木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル及び酢酸セルロースのセルロース系繊維、羊毛、モヘア、アンゴラ、アルパカ、カシミア、獣毛び絹の蛋白質系繊維材料から選ばれる請求項1に記載の繊維改質加工用薬剤混合物。
  5. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の繊維改質加工用薬剤混合物を用いて繊維材料を改質加工することを特徴とする繊維材料の改質加工法。
  6. 請求項1〜請求項3の何れかに記載の繊維改質加工用薬剤混合物を用いて改質加工された繊維材料。
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