JP2004346471A - 真珠粉末を用いた天然繊維材料の改質加工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来、天然繊維材料の保湿性を高め、風合いや着用快適性を改善する事を目的に、セリシン、絹フィブロイン、キトサン等を繊維にコーティングするなどの方法がよく知られている。しかしながらこれらの方法で加工した天然繊維素材は風合い、耐久性等に問題があった。
【解決手段】保湿性、形態安定性並びに着用快適性に優れ、採算性、生産性、環境・安全性の諸問題を解決した実用的価値の高い天然繊維系機能性繊維の開発研究を進めた結果、塩化シアヌル及び/又は水溶性のジクロルトリアジン系化合物を用いて架橋反応させる際に、真珠末の単独を用いるか或いは動植物性蛋白質類を併用して天然繊維材料を加工する方法によって加工効果の目的が達成される。
【選択図】なし
【解決手段】保湿性、形態安定性並びに着用快適性に優れ、採算性、生産性、環境・安全性の諸問題を解決した実用的価値の高い天然繊維系機能性繊維の開発研究を進めた結果、塩化シアヌル及び/又は水溶性のジクロルトリアジン系化合物を用いて架橋反応させる際に、真珠末の単独を用いるか或いは動植物性蛋白質類を併用して天然繊維材料を加工する方法によって加工効果の目的が達成される。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は塩化シアヌル及び/又は親水性のジクロルトリアジン系化合物を用いて天然繊維材料を改質するに当たって、真珠粉末の水溶液或いは懸濁液の単独を用いるか、或いは動植物性蛋白質類を共存させ、これらの蛋白質やアミノ酸類をトリアジン環を介して天然繊維材料に結合させる事によって改質加工された保湿性、形態安定性並びに着用快適性等、機能性に優れた天然繊維材料の改質加工法に関するものである。
更に詳しくは本発明は塩化シアヌル及び/又は水溶性のジクロルトリアジン系化合物を用いて天然繊維材料を改質するに当たって、真珠粉末を水に溶解したもの或いは水性懸濁液の単独、或いは動植物性蛋白質類を共存させ、これら架橋反応薬剤、機能性付与物質、酸結合剤、浸透剤並びに必要に応じてその他の繊維加工助剤を添加した混合物を繊維に付与して熱処理するか、或いはこれら架橋反応薬剤、機能性付与物質並びに酸結合剤等を事前又は事後に別々に繊維に付与して段階的に熱処理する事によって、これらの蛋白質やアミノ酸類をトリアジン環を介して天然繊維材料に結合させる事によって、保湿性、形態安定性並びに着用快適性等、機能性に優れた天然繊維材料を製造する改質加工法である。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活の質の向上と環境・安全・健康問題への関心の高まりに伴って、形状記憶繊維、難燃・防炎繊維、紫外線遮蔽繊維、防虫・防ダニ繊維、抗菌繊維、消臭繊維、高質感・高風合繊維等の機能性繊維が次々と開発されており、繊維業界の注目を集めている。
その様な中で、絹フィブロイン、セリシン、キトサン、コラーゲン、大豆蛋白質等、動植物性蛋白質を天然繊維材料に固着させて、絹や動植物性蛋白質の特徴を持たせる加工、即ち、さらりとした風合いの良い肌ざわり感、保湿性、消臭性、静電気防止性、抗酸化性、紫外線遮蔽性、抗菌性等の機能を付与する加工法が研究されており、一部は実用化されている。
【0003】
しかるに従来の加工法は「繊維加工」Vol.50 No.8 358頁(1998)にも記載があるように、主としてグリオキザール系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を用いて樹脂加工と同時に動植物蛋白質を接着させたり、特許公報第2588445号公報に記載があるように固着剤を用いて動植物蛋白質を不溶化させたり、或いは特開平11−350352号公報に記載があるように高温に加熱した時水溶性となる高分子量蛋白質を高温で繊維に吸収させて冷却する事によって不溶性となった蛋白質を繊維に付着させる方法などが記載されている。
これら公知方法によって加工された繊維材料の加工効果を調べると、樹脂加工法による場合は、加工目的に反して繊維の風合いが粗硬になり易いという問題が生じやすい上に、洗濯を数回繰り返すことによって、動植物蛋白質が脱落しやすく、加工効果の持続性が乏しいという問題がある。
また、ホルマリンや各種樹脂加工用モノマーなど、毒性問題や環境ホルモン問題を起こす可能性のある薬剤を用いる点も問題点として指摘されている。
【0004】
また、繊維材料と加工薬剤とが化学反応を伴う改質加工法の場合は、一般的に引裂強度、破裂強度、引張強度、磨耗強度などの強度が低下するという問題がある。例えば「繊維加工」Vol.50 No.8 358頁(1998)に記載があるようにグリオキザール系或いはブタンテトラカルボン酸を用いて加工された繊維は、未加工品に比べて大幅に引裂強度が低下する事を示している。
また、特開平5−59664号公報に見られるように、ホルマリン加工法の場合、引裂強度、破裂強度共に未加工品に比べて大きく強度低下するので、強度改良法としての特許が出願され公開されている。
強度低下を問題視して出された改良特許は、特開平6−158550号公報、特開平7−279042号公報、特開平7−324281号公報、特開平8−302567号公報、特開平8−144176号公報、特開2000−96442号公報など多数にあがっている。
これらの例にみる通り天然繊維材料に形態安定加工を初めとする機能性加工によって、20〜50%程度の著しい強度低下をきたすという問題がクローズアップされ、解決が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した動植物蛋白質を用いる公知加工法の大きな欠点である風合いが劣る事、加工効果の耐久性が不十分であること、加工薬剤に環境・安全性問題を生ずる可能性のある化合物を多用すること、強度低下が起こる事等の多くの問題点に着目して、経済性と環境・安全性に優れ、強度低下が少なく、保湿性、形態安定性並びに着用快適性等の機能性と耐久性に優れた改良加工法の研究を行った。
我々の目的は、従来使用されてきた動植物蛋白質の代わりに真珠末を用い、架橋結合薬剤として塩化シアヌル及び/又は親水性のジクロルトリアジン系化合物を用いる事によって、よりすぐれた加工効果をもたらし、かつ経済性と耐久性並びに強度の優れた加工法を見出す事である。
【0006】
真珠末は真珠の粒の真珠層を粉砕するか、或いはあこや貝内面の真珠層を削り取る事によって生産されており、漢方薬では肌に潤いを与え、顔色を良くする解毒作用があると言われて賞用されている。真珠末が美肌・美容効果を有する伝統的な美容食品として数多くの国で愛用されてきたのは、真珠末のみに含まれているコンキオリンアミノ酸にあると言われている。
真珠末は化粧品としても良く用いられるが、それは真珠だけに含まれるこの良質の蛋白質であるコンキオリンアミノ酸が含まれているからである。コンキオリンアミノ酸は人間の皮膚に親和性がある一種のコラーゲン繊維であり、強力な保湿性を初めとして、人の肌にとって下記の6つの好ましい働きがある。
1.抗酸化性:活性酸素や過酸化脂質による酸化から皮膚を守る。
2.保湿性:肌をしっとりさせ、みずみずしい潤いを与える。
3.紫外線吸収性:シミ・ソバカスの原因となるUVを吸収して肌を保護する。
4.抗アレルギー性:アレルギーの原因ヒスタミンの活性化を抑える作用がある。
5.PH調整性:肌のPHを調整する機能がある。
6.細胞活性性:細胞を活性化し新陳代謝を高め、肌の再生すステムを回復する。
一方、繊維に真珠光沢を付与する目的で、雲母と2酸化チタンを顔料捺染法の適用によってバインダーを用いてコーチング加工するパール加工法が知られているが、この場合の加工目的は繊維の外観を真珠光沢に似せるのが目的であり、我々の加工目的である分子レベルでの結合による保湿性の向上や形態安定性、着用快適性、皮膚保護性等の恒久的な機能の改善・向上は望めない。
雲母と2酸化チタンの代わりに真珠末を用い、バインダーとしてアクリル酸エステル系の加工薬剤を用いてコーチング加工すると風合が硬くなり、保湿性は逆に低下する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる経済性、環境・安全性の諸問題並びに強度、耐久性を初めとする品質上の諸問題を解決し、環境に優しく着用快適性と高級感を備えた機能性繊維の開発研究を推進した結果、天然繊維材料に対して塩化シアヌル及び/又は水溶性のジクロルトリアジン系化合物を適用して架橋反応させる際に、真珠末の水溶液或いは懸濁液の単独を用いるか或いは必要に応じて水溶性の動植物性蛋白質を併用して酸結合剤と浸透剤等の繊維加工助剤共存下、熱処理することにより共有結合或いは架橋結合反応させる事によって強度、保湿性、形態安定性並びに耐久性等、繊維物性と機能性に優れた天然繊維材料を製造出来る事を見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明はトリアジン環を介して真珠の中に含まれる良質の蛋白質等の有効成分を天然繊維に分子レベルで強固に結合させる事によって形態安定性、保湿性、紫外線吸収性、抗酸化性等を同時に付与し、着用快適性と皮膚保護性の優れた機能性繊維を開発するのが主目的であるが、その際、本目的の効果をより一層顕著ならしめると共に相互補完の為に、その他の動植物蛋白質類を併用して同時に結合させても良い。 その加工法はクロルトリアジン系反応性染料或いはジクロルトリアジン系反応性染料の加工法に準じて、パッディング法ではパッド−ドライ−スチーミング法、パッド−ドライ−ベーキング法或いは架橋薬剤と真珠末を別々にパッド・ドライする2段階パッド−ドライ−パッド−ドライ−スチーミング或いはベーキング法、浸染法の場合は同様に同時添加加工法或いは段階的添加加工法が適用できる。
これらのプロセスはどの様な組み合わせを取る事も可能で、要は薬剤と助剤類を何等かの形で同時に或いは別々に繊維材料に付与したあと、或いは付与と同時に熱処理する事によって結合させる事ができるのであり、これらの具体例に制約されるものではない。
【0009】
加工法の一例をあげると、パッディング法と言われる方法がある。
先ずノンダスト化された塩化シアヌルを弱アルカリ性の水の中で室温付近の温度で攪拌処理する事によって水溶性とした化合物、或いは塩化シアヌルと親水性置換基を有する化合物と反応させた親水性のジクロルトリアジン系化合物と酸結合剤等の反応助剤を溶解したパディング浴に、天然繊維をパッディングして或いは塗布する事によって付与して予備乾燥したあと、次いで真珠末溶液をシャワリング法等で付与して予備乾燥後熱処理する事により反応を完結させる段階的加工法である。この方法は真珠末溶液を最初に付与して予備乾燥したあと、水溶性化した塩化シアヌル或いは親水性のジクロルトリアジン系化合物をあとからパッディングする逆転法も採用が可能である。
【0010】
二つ目の方法は浸染法と言われる方法である。必要とする多種類の原材料・素材を同時に染浴或いはパディング浴に加えて熱処理する事によって、繊維、クロルトリアジン類、真珠液の3種を同時に反応させて結合させるか、或いは段階的に加えて熱処理する方法である。
【0011】
本発明の実施形態をより詳しく説明する。
パッディング法における段階的加工法の場合は、第一工程として繊維に水溶性とした塩化シアヌル或いは親水性ジクロルトリアジン系化合物を付与する際、可能な限り繊維に密着させるか、或いは第一次反応即ち反応基の一部を繊維と反応させ、一部の反応基を残しておき、第二工程として真珠末或いは必要に応じて動植物蛋白質類をパッディング、塗布或いはスプレー法等で付与して予備乾燥したあとスチーミング或いはベーキング等の熱処理によって反応を完結させ、トリアジン環を介して繊維に真珠末中に含まれる有効成分を共有結合させる。
【0012】
より具体的に説明すると、水溶性とした塩化シアヌル或いは親水性ジクロルトリアジン系化合物と炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カリ、酢酸ソーダ、珪酸ソーダ等の単独或いは混合物等の酸結合剤を理論量或いはやや過剰量加え、必要に応じて浸透剤等の助剤を加えたパッディング浴に繊維を浸漬或いは塗布して絞り、100℃前後の温度で予備乾燥したあと、真珠溶液をパッド、シャワリング、塗布等の方法で繊維に付与して乾燥し、90〜120℃で数十分間スチーミングするか或いは130〜180℃で数分間〜数秒間ベーキングして固着させる。
先述した様に架橋薬剤をあとで付与する方法、即ち真珠溶液を先に付与して予備乾燥したあと、架橋薬剤を付与して同様に処理する逆転法を採用しても良い。
【0013】
浸染法の場合は、繊維材料を浴比1:5〜1:50の水中に加え、塩化シアヌル或いは親水性のジクロルトリアジン系化合物を純度換算0.5〜20%o.w.f.と炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カリ、酢酸ソーダ、珪酸ソーダ等の単独或いは混合物等の酸結合剤を理論量よりやや過剰量加える事によってPHをアルカリ性として昇温する。昇温しながらぼう硝0〜120g/1を分割して加え、昇温中PHが下がってくる場合はアルカリ性物質を少しずつ追加してPHを9〜11程度のアルカリ性に保つ。60〜70℃で0.5〜1.0時間保温したあと、真珠溶液及び必要に応じて動植物性蛋白質を添加して90〜100℃に昇温し、アルカリ性の元で数十分間〜数時間加熱攪拌する。その後水洗して70〜100℃でソーピング、水洗、乾燥して仕上げる。
真珠溶液及び必要に応じて動植物性蛋白質を最初から加えて同時に昇温・熱処理する同時加工法を採用しても良い。
【0014】
天然繊維材料と真珠末との架橋結合薬剤として有利に使用できる水溶性のジクロルトリアジン系化合物の具体例をあげると次のような化合物をあげる事が出来るが、要は2個以上の反応性塩素原子を有する水溶性のジクロルトリアジン系化合物か或いは塩化シアヌルであって、室温或いは冷蔵温度で安定性のよい薬剤であれば良いのであり、これらの具体例に制約されるものではない。
2,6−ジクロル−4−(α−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(γ−カルボキシプロピルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−カルバミド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオカルバミド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Na塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Li塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン K塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジン Na塩
2,6−ジクロル−4(3−オキシフェニルオキシ)−S−トリアジン
4,4′−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−2−イルアミノ)−スチルベン−2,2′−ジスルフォニックアシッド Na塩
塩化シアヌルなどを挙げることが出来る。なお、塩化シアヌルを用いる時はノンダスト化処理されたものを用いるのが望ましい。
【0015】
本発明で使用する事ができる真珠末は、真珠の粒の真珠層を粉砕するか、或いはあこや貝内面の真珠層を削り取る事によって生産された物がよい。真珠の種類は淡水真珠でも良いし海産真珠でも良い。
真珠末と併用することができる動物性蛋白質としては、絹から得られる水溶性の絹フィブロイン或いはセリシン、更に羊毛を還元法により溶解、透析後プロテアーゼで加水分解して低分子量化した羊毛ケラチンが挙げられる。
また、コラーゲンを酵素で加水分解した水溶性の低分子量コラーゲン、ゼラチン及びこれら蛋白質の構成成分である各種アミノ酸を挙げる事が出来る。
【0016】
また、植物性蛋白質としては豆類、特に大豆を磨砕する事によって溶出してくる大豆蛋白質が重要である。この大豆蛋白質は希薄なアルカリ性の水に溶解するのでジクロルトリアジン系化合物をセルロース系繊維に反応させる時の加工条件で溶解するので好都合である。大豆のほかに利用できるものは小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ等の穀類蛋白質があり、更にひまわり、コットン、菜種、かぼちゃ、ごま等種子蛋白質と呼ばれる蛋白質及びそれらの加水分解組成物、及びそれら蛋白質の構成成分である各種アミノ酸が利用可能である。
【0017】
本発明の加工対象天然繊維材料とは、木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、酢酸セルロース等のセルロース系繊維材料、羊毛、モヘア、アンゴラ、アルパカ、カシミア、獣毛、絹等の蛋白質系繊維材料である。
要は塩化シアヌル或いはジクロルトリアジン系化合物と共有結合できる水酸基やアミノ基或いはチオール基を有する繊維材料、例えばポリビニルアルコール等にも適用できる。これらの繊維材料は単独でも良いし、他の天然繊維或いは合成繊維材料との混紡、交織繊維でもよい。また、糸、織物、編物或いは不織布などあらゆる形態の繊維材料に適用できる。
本発明方法によって加工・改質された繊維材料は特に保湿性に優れ、真珠や動植物蛋白質の持つ様々な特徴、例えば、暖かみのある風合い、保湿性、抗酸化性、抗菌性、消臭性等が付与されるだけでなく、強度及び耐久性も優れている。
【0018】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、部及び%は重量部及び重量%を意味する。
【0019】
実施例1
真珠末を酢酸酸性水溶液に溶解して微量の不溶解部をろ過して除き、ろ液を蒸発乾固する事によって得られた精製真珠末5部を水95部に溶解したパッディング浴に綿100%金巾生地を浸漬して軽く絞り、105℃で10〜20分かけて予備乾燥する。
次いで、水200部の中に2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液200部を加え、更に炭酸ソーダ28.2部、明成化学工業(株)製浸透剤マイネックスSO0.8部を室温で加えてよく攪拌混合した溶液を、前工程で真珠を付与して乾燥した金巾生地に吹き付け方式によって雫が落ちない程度に付与する。次いで105℃で約10分間予備乾燥する。更に105℃で30分間スチーミングしたあと、引き続き同温で15分間乾燥して固着を完了する。
そのようにして加工された金巾生地を湯洗いしたあと水の沸点で10分間ソーピングして更に中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された綿金巾生地のJIS L 0217 105法による洗濯試験での寸法変化率はタテ+1.7%、ヨコ+0.7%と良好なウォッシャブル性を示した。保湿性は20±2℃、65±5%RH(標準状態)での平衡水分率を測定した結果、8.63%であった。未加工品の保湿性は6.69%であり未加工品に比べて約30%優れた保湿性を示し、着用快適性も改良された。尚、未加工品の寸法変化率はタテ−7.7%、ヨコ0.0%であった。
【0020】
実施例2
水100部、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液100部、浸透剤0.4部、尿素20部、真珠末6部を加えてよく攪拌し溶解する。次いで重炭酸ソーダ8.94部を室温で加えてよく攪拌混合し、パディング浴を作製する。この浴にシルク100%デシン生地をパッディングして軽く絞り、105℃で約10分間予備乾燥する。
次いで105℃で30分間スチーミングしたあと、引き続き同温で乾熱処理して固着を完了する。そのようにして加工されたシルクデシンを湯洗いしたあとモノゲンを加えた中性の水溶液の中で90〜98℃で10分間ソーピングして更に中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工されたシルクデシンは良好なウォッシャブル性を示した。本加工品の保湿性は20±2℃、65±5%RHでの平衡水分率を測定したところ、11.4%で未加工品の保湿性9.6%に比べて約20%優れており保湿性、風合共改良された。引張強度は、引張速度300mm/min.つかみ間隔200mmで測定した結果、本加工品は198.0(N)で、未加工品の180.7(N)に比べて強度的にも優れており、引裂き強度はほぼ同等であった。
【0021】
実施例3
水200部の中に2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液200部を加え、更に炭酸ソーダ22.6部、浸透剤0.4部を室温で加えてよく攪拌混合した溶液を第一次パッディング浴として綿ニット・ポリウレタン混布を浸漬して軽く絞り、105℃で10〜15分間かけて予備乾燥する。
次いで真珠末5部に水95部を加えて溶解した水溶液を第二次パッディング浴として、前工程で架橋薬剤を付与して予備乾燥した綿ニットPU混布に吹き付け方式によって均一に付与する。次いで105℃で10〜15分間予備乾燥する。次いで150℃で3〜4分間ベーキングして固着を完了する。
このようにして加工された綿ニットPU混布を湯洗いしたあと水の沸点で10分間ソーピングして更に中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された綿ニットPU混布のJIS L 0217 105法による洗濯試験での寸法変化率はタテ、ヨコとも0.0%であり良好なウォッシャブル性を示した。保湿性は20±2℃、65±5%RH(標準状態)での平衡水分率を測定した結果、7.36%であった。未加工品の保湿性は6.05%であり未加工品に比べて約22%優れた保湿性を示し、風合・着用快適性も改良された。
JIS−L−1018A法による破裂強度は273.0(kPa)で、未加工品とほぼ同等の良好な値を示した。
【0022】
実施例4
ノンダスト化した塩化シアヌル2.1部を氷水58部の中に懸濁し、攪拌しながら炭酸ソーダを少しずつ加えて、PHを7.5〜8.5の間に保つ。PHを弱アルカリ性に保ちながら5〜30℃の温度で1〜2時間攪拌すると塩化シアヌルは溶解する。
次いで水200部を加え、更に炭酸ソーダを8.4部、ノニオン系浸透剤0.5部を加え、綿ニットポリウレタン混布21部を加えて昇温を開始する。
昇温しながらボウ硝26部を分割して加え、60℃の時点で全量加える。60〜70℃で60分間熱処理したあと、真珠末0.6部、セリシン0.2部、水溶性の大豆蛋白質0.2部を加えて、更に90℃に昇温し、液を循環しながら90〜98℃で60分間加熱攪拌する。
反応終了後、布を取り出し、湯洗いして更に水の沸点で10分間ソーピングしたあともう一度中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された綿ニットPU混布のJIS L 0217 105法による洗濯試験での寸法変化率はタテ、ヨコとも良好なウォッシャブル性を示した。保湿性は20±2℃、65±5%RH(標準状態)での平衡水分率を測定した結果、未加工品の保湿性より約20%優れた値を示し、風合・着用快適性も改良された。JIS−L−1018A法による破裂強度は未加工品とほぼ同等の良好な値を示した。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば真珠に含まれる蛋白質を初めとする有効成分を天然繊維材料に強固に共有結合させることが可能となるので、単に繊維にコーティングしたり、樹脂化したり、不溶化することによって蛋白質類を物理的に繊維に保持させる方法に比べると、風合い、耐久性並びに強度の優れた形態安定性の良い繊維素材を得る事ができる。その結果、塩化シアヌル或いはジクロルトリアジン系の誘導体と反応する事ができるあらゆる天然繊維素材を、保湿性と風合いに優れ、肌荒れなどの皮膚障害性が軽減された肌に優しい、強度の優れた機能性繊維素材に改質することができる。
また、動植物性蛋白質の併用によって、経済性と実用性を高めると同時に、動植物蛋白質の特徴を補完しあう事により、着用快適性と皮膚保護性のより優れた環境・安全性にも適合した機能性繊維材料に改質する事が出来る。
【発明の属する技術分野】
本発明は塩化シアヌル及び/又は親水性のジクロルトリアジン系化合物を用いて天然繊維材料を改質するに当たって、真珠粉末の水溶液或いは懸濁液の単独を用いるか、或いは動植物性蛋白質類を共存させ、これらの蛋白質やアミノ酸類をトリアジン環を介して天然繊維材料に結合させる事によって改質加工された保湿性、形態安定性並びに着用快適性等、機能性に優れた天然繊維材料の改質加工法に関するものである。
更に詳しくは本発明は塩化シアヌル及び/又は水溶性のジクロルトリアジン系化合物を用いて天然繊維材料を改質するに当たって、真珠粉末を水に溶解したもの或いは水性懸濁液の単独、或いは動植物性蛋白質類を共存させ、これら架橋反応薬剤、機能性付与物質、酸結合剤、浸透剤並びに必要に応じてその他の繊維加工助剤を添加した混合物を繊維に付与して熱処理するか、或いはこれら架橋反応薬剤、機能性付与物質並びに酸結合剤等を事前又は事後に別々に繊維に付与して段階的に熱処理する事によって、これらの蛋白質やアミノ酸類をトリアジン環を介して天然繊維材料に結合させる事によって、保湿性、形態安定性並びに着用快適性等、機能性に優れた天然繊維材料を製造する改質加工法である。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活の質の向上と環境・安全・健康問題への関心の高まりに伴って、形状記憶繊維、難燃・防炎繊維、紫外線遮蔽繊維、防虫・防ダニ繊維、抗菌繊維、消臭繊維、高質感・高風合繊維等の機能性繊維が次々と開発されており、繊維業界の注目を集めている。
その様な中で、絹フィブロイン、セリシン、キトサン、コラーゲン、大豆蛋白質等、動植物性蛋白質を天然繊維材料に固着させて、絹や動植物性蛋白質の特徴を持たせる加工、即ち、さらりとした風合いの良い肌ざわり感、保湿性、消臭性、静電気防止性、抗酸化性、紫外線遮蔽性、抗菌性等の機能を付与する加工法が研究されており、一部は実用化されている。
【0003】
しかるに従来の加工法は「繊維加工」Vol.50 No.8 358頁(1998)にも記載があるように、主としてグリオキザール系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂を用いて樹脂加工と同時に動植物蛋白質を接着させたり、特許公報第2588445号公報に記載があるように固着剤を用いて動植物蛋白質を不溶化させたり、或いは特開平11−350352号公報に記載があるように高温に加熱した時水溶性となる高分子量蛋白質を高温で繊維に吸収させて冷却する事によって不溶性となった蛋白質を繊維に付着させる方法などが記載されている。
これら公知方法によって加工された繊維材料の加工効果を調べると、樹脂加工法による場合は、加工目的に反して繊維の風合いが粗硬になり易いという問題が生じやすい上に、洗濯を数回繰り返すことによって、動植物蛋白質が脱落しやすく、加工効果の持続性が乏しいという問題がある。
また、ホルマリンや各種樹脂加工用モノマーなど、毒性問題や環境ホルモン問題を起こす可能性のある薬剤を用いる点も問題点として指摘されている。
【0004】
また、繊維材料と加工薬剤とが化学反応を伴う改質加工法の場合は、一般的に引裂強度、破裂強度、引張強度、磨耗強度などの強度が低下するという問題がある。例えば「繊維加工」Vol.50 No.8 358頁(1998)に記載があるようにグリオキザール系或いはブタンテトラカルボン酸を用いて加工された繊維は、未加工品に比べて大幅に引裂強度が低下する事を示している。
また、特開平5−59664号公報に見られるように、ホルマリン加工法の場合、引裂強度、破裂強度共に未加工品に比べて大きく強度低下するので、強度改良法としての特許が出願され公開されている。
強度低下を問題視して出された改良特許は、特開平6−158550号公報、特開平7−279042号公報、特開平7−324281号公報、特開平8−302567号公報、特開平8−144176号公報、特開2000−96442号公報など多数にあがっている。
これらの例にみる通り天然繊維材料に形態安定加工を初めとする機能性加工によって、20〜50%程度の著しい強度低下をきたすという問題がクローズアップされ、解決が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した動植物蛋白質を用いる公知加工法の大きな欠点である風合いが劣る事、加工効果の耐久性が不十分であること、加工薬剤に環境・安全性問題を生ずる可能性のある化合物を多用すること、強度低下が起こる事等の多くの問題点に着目して、経済性と環境・安全性に優れ、強度低下が少なく、保湿性、形態安定性並びに着用快適性等の機能性と耐久性に優れた改良加工法の研究を行った。
我々の目的は、従来使用されてきた動植物蛋白質の代わりに真珠末を用い、架橋結合薬剤として塩化シアヌル及び/又は親水性のジクロルトリアジン系化合物を用いる事によって、よりすぐれた加工効果をもたらし、かつ経済性と耐久性並びに強度の優れた加工法を見出す事である。
【0006】
真珠末は真珠の粒の真珠層を粉砕するか、或いはあこや貝内面の真珠層を削り取る事によって生産されており、漢方薬では肌に潤いを与え、顔色を良くする解毒作用があると言われて賞用されている。真珠末が美肌・美容効果を有する伝統的な美容食品として数多くの国で愛用されてきたのは、真珠末のみに含まれているコンキオリンアミノ酸にあると言われている。
真珠末は化粧品としても良く用いられるが、それは真珠だけに含まれるこの良質の蛋白質であるコンキオリンアミノ酸が含まれているからである。コンキオリンアミノ酸は人間の皮膚に親和性がある一種のコラーゲン繊維であり、強力な保湿性を初めとして、人の肌にとって下記の6つの好ましい働きがある。
1.抗酸化性:活性酸素や過酸化脂質による酸化から皮膚を守る。
2.保湿性:肌をしっとりさせ、みずみずしい潤いを与える。
3.紫外線吸収性:シミ・ソバカスの原因となるUVを吸収して肌を保護する。
4.抗アレルギー性:アレルギーの原因ヒスタミンの活性化を抑える作用がある。
5.PH調整性:肌のPHを調整する機能がある。
6.細胞活性性:細胞を活性化し新陳代謝を高め、肌の再生すステムを回復する。
一方、繊維に真珠光沢を付与する目的で、雲母と2酸化チタンを顔料捺染法の適用によってバインダーを用いてコーチング加工するパール加工法が知られているが、この場合の加工目的は繊維の外観を真珠光沢に似せるのが目的であり、我々の加工目的である分子レベルでの結合による保湿性の向上や形態安定性、着用快適性、皮膚保護性等の恒久的な機能の改善・向上は望めない。
雲母と2酸化チタンの代わりに真珠末を用い、バインダーとしてアクリル酸エステル系の加工薬剤を用いてコーチング加工すると風合が硬くなり、保湿性は逆に低下する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる経済性、環境・安全性の諸問題並びに強度、耐久性を初めとする品質上の諸問題を解決し、環境に優しく着用快適性と高級感を備えた機能性繊維の開発研究を推進した結果、天然繊維材料に対して塩化シアヌル及び/又は水溶性のジクロルトリアジン系化合物を適用して架橋反応させる際に、真珠末の水溶液或いは懸濁液の単独を用いるか或いは必要に応じて水溶性の動植物性蛋白質を併用して酸結合剤と浸透剤等の繊維加工助剤共存下、熱処理することにより共有結合或いは架橋結合反応させる事によって強度、保湿性、形態安定性並びに耐久性等、繊維物性と機能性に優れた天然繊維材料を製造出来る事を見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明はトリアジン環を介して真珠の中に含まれる良質の蛋白質等の有効成分を天然繊維に分子レベルで強固に結合させる事によって形態安定性、保湿性、紫外線吸収性、抗酸化性等を同時に付与し、着用快適性と皮膚保護性の優れた機能性繊維を開発するのが主目的であるが、その際、本目的の効果をより一層顕著ならしめると共に相互補完の為に、その他の動植物蛋白質類を併用して同時に結合させても良い。 その加工法はクロルトリアジン系反応性染料或いはジクロルトリアジン系反応性染料の加工法に準じて、パッディング法ではパッド−ドライ−スチーミング法、パッド−ドライ−ベーキング法或いは架橋薬剤と真珠末を別々にパッド・ドライする2段階パッド−ドライ−パッド−ドライ−スチーミング或いはベーキング法、浸染法の場合は同様に同時添加加工法或いは段階的添加加工法が適用できる。
これらのプロセスはどの様な組み合わせを取る事も可能で、要は薬剤と助剤類を何等かの形で同時に或いは別々に繊維材料に付与したあと、或いは付与と同時に熱処理する事によって結合させる事ができるのであり、これらの具体例に制約されるものではない。
【0009】
加工法の一例をあげると、パッディング法と言われる方法がある。
先ずノンダスト化された塩化シアヌルを弱アルカリ性の水の中で室温付近の温度で攪拌処理する事によって水溶性とした化合物、或いは塩化シアヌルと親水性置換基を有する化合物と反応させた親水性のジクロルトリアジン系化合物と酸結合剤等の反応助剤を溶解したパディング浴に、天然繊維をパッディングして或いは塗布する事によって付与して予備乾燥したあと、次いで真珠末溶液をシャワリング法等で付与して予備乾燥後熱処理する事により反応を完結させる段階的加工法である。この方法は真珠末溶液を最初に付与して予備乾燥したあと、水溶性化した塩化シアヌル或いは親水性のジクロルトリアジン系化合物をあとからパッディングする逆転法も採用が可能である。
【0010】
二つ目の方法は浸染法と言われる方法である。必要とする多種類の原材料・素材を同時に染浴或いはパディング浴に加えて熱処理する事によって、繊維、クロルトリアジン類、真珠液の3種を同時に反応させて結合させるか、或いは段階的に加えて熱処理する方法である。
【0011】
本発明の実施形態をより詳しく説明する。
パッディング法における段階的加工法の場合は、第一工程として繊維に水溶性とした塩化シアヌル或いは親水性ジクロルトリアジン系化合物を付与する際、可能な限り繊維に密着させるか、或いは第一次反応即ち反応基の一部を繊維と反応させ、一部の反応基を残しておき、第二工程として真珠末或いは必要に応じて動植物蛋白質類をパッディング、塗布或いはスプレー法等で付与して予備乾燥したあとスチーミング或いはベーキング等の熱処理によって反応を完結させ、トリアジン環を介して繊維に真珠末中に含まれる有効成分を共有結合させる。
【0012】
より具体的に説明すると、水溶性とした塩化シアヌル或いは親水性ジクロルトリアジン系化合物と炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カリ、酢酸ソーダ、珪酸ソーダ等の単独或いは混合物等の酸結合剤を理論量或いはやや過剰量加え、必要に応じて浸透剤等の助剤を加えたパッディング浴に繊維を浸漬或いは塗布して絞り、100℃前後の温度で予備乾燥したあと、真珠溶液をパッド、シャワリング、塗布等の方法で繊維に付与して乾燥し、90〜120℃で数十分間スチーミングするか或いは130〜180℃で数分間〜数秒間ベーキングして固着させる。
先述した様に架橋薬剤をあとで付与する方法、即ち真珠溶液を先に付与して予備乾燥したあと、架橋薬剤を付与して同様に処理する逆転法を採用しても良い。
【0013】
浸染法の場合は、繊維材料を浴比1:5〜1:50の水中に加え、塩化シアヌル或いは親水性のジクロルトリアジン系化合物を純度換算0.5〜20%o.w.f.と炭酸ソーダ、重炭酸ソーダ、炭酸カリ、酢酸ソーダ、珪酸ソーダ等の単独或いは混合物等の酸結合剤を理論量よりやや過剰量加える事によってPHをアルカリ性として昇温する。昇温しながらぼう硝0〜120g/1を分割して加え、昇温中PHが下がってくる場合はアルカリ性物質を少しずつ追加してPHを9〜11程度のアルカリ性に保つ。60〜70℃で0.5〜1.0時間保温したあと、真珠溶液及び必要に応じて動植物性蛋白質を添加して90〜100℃に昇温し、アルカリ性の元で数十分間〜数時間加熱攪拌する。その後水洗して70〜100℃でソーピング、水洗、乾燥して仕上げる。
真珠溶液及び必要に応じて動植物性蛋白質を最初から加えて同時に昇温・熱処理する同時加工法を採用しても良い。
【0014】
天然繊維材料と真珠末との架橋結合薬剤として有利に使用できる水溶性のジクロルトリアジン系化合物の具体例をあげると次のような化合物をあげる事が出来るが、要は2個以上の反応性塩素原子を有する水溶性のジクロルトリアジン系化合物か或いは塩化シアヌルであって、室温或いは冷蔵温度で安定性のよい薬剤であれば良いのであり、これらの具体例に制約されるものではない。
2,6−ジクロル−4−(α−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(γ−カルボキシプロピルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−ヒドロキシプロピルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−スルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアニリノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−カルバミド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオカルバミド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォフェニルチオ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Na塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン Li塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジン K塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジン Na塩
2,6−ジクロル−4(3−オキシフェニルオキシ)−S−トリアジン
4,4′−ビス(4,6−ジクロロ−S−トリアジン−2−イルアミノ)−スチルベン−2,2′−ジスルフォニックアシッド Na塩
塩化シアヌルなどを挙げることが出来る。なお、塩化シアヌルを用いる時はノンダスト化処理されたものを用いるのが望ましい。
【0015】
本発明で使用する事ができる真珠末は、真珠の粒の真珠層を粉砕するか、或いはあこや貝内面の真珠層を削り取る事によって生産された物がよい。真珠の種類は淡水真珠でも良いし海産真珠でも良い。
真珠末と併用することができる動物性蛋白質としては、絹から得られる水溶性の絹フィブロイン或いはセリシン、更に羊毛を還元法により溶解、透析後プロテアーゼで加水分解して低分子量化した羊毛ケラチンが挙げられる。
また、コラーゲンを酵素で加水分解した水溶性の低分子量コラーゲン、ゼラチン及びこれら蛋白質の構成成分である各種アミノ酸を挙げる事が出来る。
【0016】
また、植物性蛋白質としては豆類、特に大豆を磨砕する事によって溶出してくる大豆蛋白質が重要である。この大豆蛋白質は希薄なアルカリ性の水に溶解するのでジクロルトリアジン系化合物をセルロース系繊維に反応させる時の加工条件で溶解するので好都合である。大豆のほかに利用できるものは小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ等の穀類蛋白質があり、更にひまわり、コットン、菜種、かぼちゃ、ごま等種子蛋白質と呼ばれる蛋白質及びそれらの加水分解組成物、及びそれら蛋白質の構成成分である各種アミノ酸が利用可能である。
【0017】
本発明の加工対象天然繊維材料とは、木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、酢酸セルロース等のセルロース系繊維材料、羊毛、モヘア、アンゴラ、アルパカ、カシミア、獣毛、絹等の蛋白質系繊維材料である。
要は塩化シアヌル或いはジクロルトリアジン系化合物と共有結合できる水酸基やアミノ基或いはチオール基を有する繊維材料、例えばポリビニルアルコール等にも適用できる。これらの繊維材料は単独でも良いし、他の天然繊維或いは合成繊維材料との混紡、交織繊維でもよい。また、糸、織物、編物或いは不織布などあらゆる形態の繊維材料に適用できる。
本発明方法によって加工・改質された繊維材料は特に保湿性に優れ、真珠や動植物蛋白質の持つ様々な特徴、例えば、暖かみのある風合い、保湿性、抗酸化性、抗菌性、消臭性等が付与されるだけでなく、強度及び耐久性も優れている。
【0018】
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、例中、部及び%は重量部及び重量%を意味する。
【0019】
実施例1
真珠末を酢酸酸性水溶液に溶解して微量の不溶解部をろ過して除き、ろ液を蒸発乾固する事によって得られた精製真珠末5部を水95部に溶解したパッディング浴に綿100%金巾生地を浸漬して軽く絞り、105℃で10〜20分かけて予備乾燥する。
次いで、水200部の中に2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液200部を加え、更に炭酸ソーダ28.2部、明成化学工業(株)製浸透剤マイネックスSO0.8部を室温で加えてよく攪拌混合した溶液を、前工程で真珠を付与して乾燥した金巾生地に吹き付け方式によって雫が落ちない程度に付与する。次いで105℃で約10分間予備乾燥する。更に105℃で30分間スチーミングしたあと、引き続き同温で15分間乾燥して固着を完了する。
そのようにして加工された金巾生地を湯洗いしたあと水の沸点で10分間ソーピングして更に中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された綿金巾生地のJIS L 0217 105法による洗濯試験での寸法変化率はタテ+1.7%、ヨコ+0.7%と良好なウォッシャブル性を示した。保湿性は20±2℃、65±5%RH(標準状態)での平衡水分率を測定した結果、8.63%であった。未加工品の保湿性は6.69%であり未加工品に比べて約30%優れた保湿性を示し、着用快適性も改良された。尚、未加工品の寸法変化率はタテ−7.7%、ヨコ0.0%であった。
【0020】
実施例2
水100部、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液100部、浸透剤0.4部、尿素20部、真珠末6部を加えてよく攪拌し溶解する。次いで重炭酸ソーダ8.94部を室温で加えてよく攪拌混合し、パディング浴を作製する。この浴にシルク100%デシン生地をパッディングして軽く絞り、105℃で約10分間予備乾燥する。
次いで105℃で30分間スチーミングしたあと、引き続き同温で乾熱処理して固着を完了する。そのようにして加工されたシルクデシンを湯洗いしたあとモノゲンを加えた中性の水溶液の中で90〜98℃で10分間ソーピングして更に中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工されたシルクデシンは良好なウォッシャブル性を示した。本加工品の保湿性は20±2℃、65±5%RHでの平衡水分率を測定したところ、11.4%で未加工品の保湿性9.6%に比べて約20%優れており保湿性、風合共改良された。引張強度は、引張速度300mm/min.つかみ間隔200mmで測定した結果、本加工品は198.0(N)で、未加工品の180.7(N)に比べて強度的にも優れており、引裂き強度はほぼ同等であった。
【0021】
実施例3
水200部の中に2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液200部を加え、更に炭酸ソーダ22.6部、浸透剤0.4部を室温で加えてよく攪拌混合した溶液を第一次パッディング浴として綿ニット・ポリウレタン混布を浸漬して軽く絞り、105℃で10〜15分間かけて予備乾燥する。
次いで真珠末5部に水95部を加えて溶解した水溶液を第二次パッディング浴として、前工程で架橋薬剤を付与して予備乾燥した綿ニットPU混布に吹き付け方式によって均一に付与する。次いで105℃で10〜15分間予備乾燥する。次いで150℃で3〜4分間ベーキングして固着を完了する。
このようにして加工された綿ニットPU混布を湯洗いしたあと水の沸点で10分間ソーピングして更に中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された綿ニットPU混布のJIS L 0217 105法による洗濯試験での寸法変化率はタテ、ヨコとも0.0%であり良好なウォッシャブル性を示した。保湿性は20±2℃、65±5%RH(標準状態)での平衡水分率を測定した結果、7.36%であった。未加工品の保湿性は6.05%であり未加工品に比べて約22%優れた保湿性を示し、風合・着用快適性も改良された。
JIS−L−1018A法による破裂強度は273.0(kPa)で、未加工品とほぼ同等の良好な値を示した。
【0022】
実施例4
ノンダスト化した塩化シアヌル2.1部を氷水58部の中に懸濁し、攪拌しながら炭酸ソーダを少しずつ加えて、PHを7.5〜8.5の間に保つ。PHを弱アルカリ性に保ちながら5〜30℃の温度で1〜2時間攪拌すると塩化シアヌルは溶解する。
次いで水200部を加え、更に炭酸ソーダを8.4部、ノニオン系浸透剤0.5部を加え、綿ニットポリウレタン混布21部を加えて昇温を開始する。
昇温しながらボウ硝26部を分割して加え、60℃の時点で全量加える。60〜70℃で60分間熱処理したあと、真珠末0.6部、セリシン0.2部、水溶性の大豆蛋白質0.2部を加えて、更に90℃に昇温し、液を循環しながら90〜98℃で60分間加熱攪拌する。
反応終了後、布を取り出し、湯洗いして更に水の沸点で10分間ソーピングしたあともう一度中性まで水洗して乾燥して仕上げる。
この様な条件で加工された綿ニットPU混布のJIS L 0217 105法による洗濯試験での寸法変化率はタテ、ヨコとも良好なウォッシャブル性を示した。保湿性は20±2℃、65±5%RH(標準状態)での平衡水分率を測定した結果、未加工品の保湿性より約20%優れた値を示し、風合・着用快適性も改良された。JIS−L−1018A法による破裂強度は未加工品とほぼ同等の良好な値を示した。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば真珠に含まれる蛋白質を初めとする有効成分を天然繊維材料に強固に共有結合させることが可能となるので、単に繊維にコーティングしたり、樹脂化したり、不溶化することによって蛋白質類を物理的に繊維に保持させる方法に比べると、風合い、耐久性並びに強度の優れた形態安定性の良い繊維素材を得る事ができる。その結果、塩化シアヌル或いはジクロルトリアジン系の誘導体と反応する事ができるあらゆる天然繊維素材を、保湿性と風合いに優れ、肌荒れなどの皮膚障害性が軽減された肌に優しい、強度の優れた機能性繊維素材に改質することができる。
また、動植物性蛋白質の併用によって、経済性と実用性を高めると同時に、動植物蛋白質の特徴を補完しあう事により、着用快適性と皮膚保護性のより優れた環境・安全性にも適合した機能性繊維材料に改質する事が出来る。
Claims (3)
- 塩化シアヌル及び/又は親水性のジクロルトリアジン系化合物を用いて天然繊維材料を改質するに当たって、真珠粉末の水溶液或いは懸濁液の単独を用いるか、或いは動植物性蛋白質類を共存させ、これらの蛋白質やアミノ酸類をトリアジン環を介して天然繊維材料に結合させる事によって天然繊維材料を改質する事を特徴とする機能性の優れた天然繊維材料の改質加工法。
- 塩化シアヌル及び/又は親水性のジクロルトリアジン系化合物を用いて天然繊維材料を改質するに当たって、真珠粉末の水溶液或いは懸濁液の単独を用いるか、或いは動植物性蛋白質類を共存させ、これらの蛋白質やアミノ酸類をトリアジン環を介して天然繊維材料に結合させる事によって改質加工された形態安定性と着用快適性に優れた機能性天然繊維材料。
- 請求項1、請求項2における加工対象繊維材料として木綿、麻、ビスコースレーヨン、キュプラレーヨン、リヨセル、酢酸セルロース等のセルロース系繊維材料、羊毛、モヘア、アンゴラ、アルパカ、カシミア、獣毛、絹等の蛋白質系繊維材料を用いる事を特徴とする保湿性、形態安定性並びに着用快適性等の機能性に優れた天然繊維材料の改質加工法。
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