JP2005281241A - 硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法 - Google Patents

硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い密度で硫黄原子を含有し、従って光学材料として有用な、新規な硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の硫黄原子含有環状化合物は、下記式(1)で表される環状S−アリールチオエステルよりなるもの、この環状S−アリールチオエステルを加熱により反応させることによって得られるもの、またはこの環状S−アリールチオエステルと特定のスルホン化合物とを加熱により反応させて得られるものである。
【化1】
Figure 2005281241

【選択図】 なし

Description

本発明は、硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法に関する。
一般に透光性を有する物質は種々の光学部材の材料として有用である。現在、光学部材の材料としては無機ガラスあるいは有機重合体が用いられているが、特に、高い屈折率を有する透光性物質は、レンズ、光学フィルターなどの材料として有用である。また、或る光学特性を有する物質が膜形成能を有する場合には、基材の表面にコート層を形成するための塗布材料として、またフィルム形成材料として有用であり、更に高い屈折率を有する場合には、これを屈折率の小さいものと組合せて積層フィルムとすることにより、反射防止膜を形成することができる。
更に、当該物質が膜形成能を有しない場合であっても、これを適当なバインダーと組合せることによりフィルムを形成することができ、従って当該物質の有する光学特性を利用して、例えば高屈折率層の形成に利用することができる。
従来、高い屈折率を有する物質としては、硫黄原子を含有する有機化合物が知られており、かかる硫黄原子含有化合物としては、例えば特許文献1に、4,4’−チオビスベンゼンチオールとフェニレンジカルボン酸ハロゲン化物との反応により得られる環状チオアリールエステルが開示され、特許文献2には、芳香族ジチオールと二官能性ハロフォルミルオキシ基を有する芳香族化合物との反応によって得られる環状アリールチオカーボネートが開示され、特許文献3には、上記環状チオアリールエステルを加熱重合して得られる硫黄原子含有重合体が開示され、特許文献4および特許文献5には、特定の環状チオカーボネート化合物を加熱重合して得られる硫黄原子含有重合体が開示されている。
特開平11−322742号公報 特開2000−239386号公報 特開2001−261834号公報 特開2001−316470号公報 特開2001−316471号公報
本発明は、以上のような事情を背景として、比較的大きな分子量を有する硫黄原子含有環状化合物について種々の研究を行った結果として得られたものである。
本発明の目的は、高い密度で硫黄原子を含有し、従って光学材料として有用な、新規な硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法を提供することにある。
本発明の硫黄原子含有環状化合物は、下記式(1)で表される環状S−アリールチオエステルよりなるものである。

Figure 2005281241
また、本発明の硫黄原子含有環状化合物は、下記式(2)で表されるものである。
Figure 2005281241
〔式(2)において、nは2以上の整数である。〕
また、本発明の硫黄原子含有環状化合物は、下記式(3)で表されるものである。
Figure 2005281241
〔式(3)において、R1 は、−CH2 −O−R2 (但し、R2 は炭素数が1〜6のアルキル基または置換若しくは未置換のフェニル基を示す。)で表される基であり、mは1以上の整数であり、kおよびpはそれぞれ0または1以上の整数である(但し、k+p≠0である。)。〕
硫黄原子含有環状化合物の製造方法は、下記式(4)で表されるスルホン化合物と4,4’−チオビスベンゼンチオールとを反応させることにより、上記式(1)で表される環状S−アリールチオエステルを得ることを特徴とする。
Figure 2005281241
また、硫黄原子含有環状化合物の製造方法は、上記式(1)で表される環状S−アリールチオエステルを加熱によって反応させることにより、上記式(2)で表される硫黄原子含有環状化合物を得ることを特徴とする。
また、硫黄原子含有環状化合物の製造方法は、上記式(1)で表される環状S−アリールチオエステルおよび下記式(5)で表されるスルフィド化合物を加熱によって反応させることにより、上記式(3)で表される硫黄原子含有環状化合物を得ることを特徴とする。
Figure 2005281241
〔式(5)において、R1 は、−CH2 −O−R2 (但し、R2 は炭素数が1〜6のアルキル基または置換若しくは未置換のフェニル基を示す。)で表される基である。〕
上記式(2)で表される硫黄原子含有環状化合物の製造方法または上記式(3)で表される硫黄原子含有環状化合物の製造方法においては、70℃以上の温度で反応させることが好ましい。
また、上記式(2)で表される硫黄原子含有環状化合物の製造方法または上記式(3)で表される硫黄原子含有環状化合物の製造方法においては、触媒の存在下に反応させることができ、この場合には、50℃以上の温度で反応させることが好ましい。
また、上記式(2)で表される硫黄原子含有環状化合物の製造方法または上記式(3)で表される硫黄原子含有環状化合物の製造方法においては、極性溶媒中で反応させることが好ましい。
本発明によれば、高い密度で硫黄原子を含有し、従って光学材料として有用な、新規な硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係る硫黄原子含有環状化合物は、上記式(1)で表される環状S−アリールチオエステル(以下、「特定の環状チオエステル」という。)よりなるもの(以下、「第1の化合物」という。)、上記式(2)で表される構造を有するもの(以下、「第2の化合物」という。)、または上記式(3)で表される構造を有するもの(以下、「第3の化合物」という。)である。
〔第1の化合物〕
本発明に係る第1の化合物である特定の環状チオエステルは、下記の反応式(i)で示されるように、上記式(4)で表されるスルホン化合物(以下、「特定のスルホン化合物」という。)と4,4’−チオビスベンゼンチオールとを反応させることにより、得られる。
ここで、特定のスルホン化合物は、例えば、p−トリルスルホンとN−ブロモスクシンイミドとを反応させることにより、2,2−ビス(4−ブロモメチルフェニル)スルホンを合成し、この2,2−ビス(4−ブロモメチルフェニル)スルホンとエチル−2−ヒドロキシベンゾエートとを反応させることにより、2,2−ビス(クロロカルボニルフェノキシメチルフェニル)スルホンを合成し、更に、この2,2−ビス(クロロカルボニルフェノキシメチルフェニル)スルホンと塩化チオニルとを反応させることにより、調製することができる。
Figure 2005281241
反応式(i)で示される反応は、適宜の溶媒中において、例えばトリエチルアミンなどの触媒の存在下に行うことができる。
ここで、溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレンなどが挙げられる。これらの中では、特定の環状チオエステルが高い割合で得られる点で、クロロホルム、塩化メチレンが好ましい。
また、触媒の使用量は、4,4’−チオビスベンゼンチオールにおける−SH1モルに対して0.5〜1.5モルである。
また、溶媒中の特定のスルホン化合物の濃度は、0.01〜1モル/Lであることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.05モル/Lである。この濃度が過大である場合には、副生成物が生じやすくなるため、好ましくない。
また、反応温度は、例えば−30〜30℃であり、反応時間は、例えば1〜10時間である。
この特定の環状チオエステルよりなる第1の化合物は、1分子中に4個の硫黄原子が含有された安定な化合物であり、構造的に嵩高いものでありながら硫黄原子の密度が高いために高い屈折率を有するものである。また、この第1の化合物は、チオエステル部位が開裂して開環重合し得るものであるため、これを原料として用いることにより、後述する第2の化合物および第3の化合物を製造することができる。
〔第2の化合物〕
本発明に係る第2の化合物は、上記式(2)で表されるものである。
この式(2)において、nは2以上の整数であるが、好ましくは2〜100である。
また、第2の化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算数平均分子量Mnが、例えば500〜10000である。
このような第2の化合物は、下記の反応式(ii)で示されるように、特定の環状チオエステルを加熱によって反応させることにより、具体的には、特定の環状チオエステルにおけるチオエステル部位が開裂・再結合(交換反応)することにより、得られる。
Figure 2005281241
〔反応式(ii)において、nは2以上の整数である。〕
反応式(ii)で示される反応は、適宜の溶媒中において、第四オニウム塩などの触媒を用いて或いは用いずに行うことができる。
ここで、溶媒としては、特定の環状チオエステルを溶解し得る極性溶媒を用いることが好ましく、その具体例としては、N−メチルピロリドン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、モノクロロベンゼンなどを挙げることができ、これらの中では、高い極性を有する点で、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドが好ましい。
極性の低い溶媒を用いる場合には、特定の環状チオエステルにおけるチオエステル部位が開裂しにくくなることがある。
また、溶媒中の特定の環状チオエステルの濃度は、0.05モル/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1モル/Lである。この濃度が過小である場合には、特定の環状チオエステルの反応が十分に進行せず、また、得られる第2の化合物は分子量が低いものとなりやすい。
触媒として用いられる第四オニウム塩の具体例しとては、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。また、これらの第四オニウム塩と、18−クラウン−6−エーテル、塩化カリウム、臭化カリウム、沃化カリウム、塩化セシウム、カリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、安息香酸カリウムなどの塩類と組み合わせて触媒として用いることもできる。
触媒の使用割合は、例えば反応原料に対して5〜100モル%である。
また、反応温度は、触媒を用いないときには、70℃以上であることが好ましく、より好ましくは70〜200℃であり、触媒を用いるときには、50℃以上であることが好ましく、より好ましくは70〜200℃である。反応温度が低過ぎる場合には、特定の環状チオエステルを反応させることが困難となることがある。
このようにして得られる第2の化合物は、1つの繰り返し単位の主鎖中に4個の硫黄原子が含有された安定な化合物であり、構造的に嵩高いものでありながら硫黄原子の密度が高いために高い屈折率を有するものである。
〔第3の化合物〕
本発明に係る第3の化合物は、上記式(3)で表されるものである。
この式(3)において、R1 は、−CH2 −O−R2 で表される基である。ここで、R2 は炭素数が1〜6のアルキル基または置換若しくは未置換のフェニル基であり、その具体例としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、n−ペントキシメチル基、イソペントキシメチル基、n−ヘキソキシメチル基、イソヘキソキシメチル基、置換された若しくは未置換のフェノキシメチル基などを挙げることができる。
また、mは1以上の整数であるが、好ましくは1〜10である。
また、kおよびpは、それぞれ0または1以上の整数であるが、好ましくは1〜100である。但し、k+p≠0である。
また、第3の化合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算数平均分子量Mn(以下、「数平均分子量Mn」という。)が、例えば500〜60000であり、同分子量分布Mw/Mnが1.5〜10.0である。
このような第3の化合物は、下記の反応式(iii)で示されるように、特定の環状チオエステルおよび上記式(5)で表されるスルフィド化合物(以下、「特定のスルフィド化合物」という。)を加熱によって付加反応させることにより、具体的には、特定の環状チオエステルにおけるチオエステル部位が開裂し、1個のまたは2個以上の特定のスルフィド化合物のスルフィド基におけるC−C結合が割り込んで挿入され(挿入反応)、更には、これによって得られる化合物におけるチオエステル部位が開裂・再結合(交換反応)することにより、得られる。

Figure 2005281241
〔反応式(iii)において、R1 は、−CH2 −O−R2 (但し、R2 は炭素数が1〜6のアルキル基または置換若しくは未置換のフェニル基を示す。)で表される基であり、mは1以上の整数であり、kおよびpはそれぞれ0または1以上の整数である(但し、k+p≠0である。)。〕
特定のスルフィド化合物の具体例としては、R2 がフェニル基であるフェノキシプロピレンスルフィド、R2 がn−ブトキシメチル基であるn−ブトキシプロピレンスルフィドなど挙げることができる。
ここで、フェノキシプロピレンスルフィドは、例えば、チオ尿素の水溶液に濃硫酸を滴下したものにフェニルグリシジルエーテルを滴下して2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルチウロニウム硫酸塩を合成し、これを水中において炭酸ナトリウムと作用させる方法によって調製することができる。
また、n−ブトキシプロピレンスルフィドは、上記の調製法において、フェニルグリシジルエーテルの代わりにn−ブチルグリシジルエーテルを用いることにより、調製することができる。
反応式(iii)で示される反応は、適宜の溶媒中において、第四オニウム塩などの触媒を用いて或いは用いずに行うことができる。
ここで、溶媒としては、特定の環状チオエステルを溶解し得る極性溶媒を用いることが好ましく、その具体例としては、N−メチルピロリドン、ジクロロベンゼンなどを挙げることができ、これらの中では、高い極性を有する点で、N−メチルピロリドンが好ましい。
極性の低い溶媒を用いる場合には、特定の環状チオエステルにおけるチオエステル部位が開裂しにくくなることがある。
また、溶媒中の特定の環状チオエステルの濃度は、0.05モル/L以上であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1モル/Lである。この濃度が過小である場合には、特定の環状チオエステルの反応が十分に進行せず、また、得られる第2の化合物は分子量が低いものとなりやすい。
触媒として用いられる第四オニウム塩の具体例しとては、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドなどを挙げることができる。また、これらの第四オニウム塩と、18−クラウン−6−エーテル、塩化カリウム、臭化カリウム、沃化カリウム、塩化セシウム、カリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、安息香酸カリウムなどの塩類と組み合わせて触媒として用いることもできる。
触媒の使用割合は、例えば反応原料に対して5〜100モル%である。
また、反応温度は、触媒を用いないときには、70℃以上であることが好ましく、より好ましくは70〜200℃であり、触媒を用いるときには、50℃以上であることが好ましく、より好ましくは50〜200℃である。反応温度が低過ぎる場合には、特定の環状チオエステルを反応させることが困難となることがある。
特定の環状チオエステルと特定のスルフィド化合物との割合は、特定の環状チオエステル1モルに対して特定のスルフィド化合物が2モル以上であることが好ましく、より具体的には、目的とする第3の化合物の種類によって適宜選択される。
例えば特定の環状チオエステル1モルに対して2モルの特定のスルフィド化合物を用いることにより、式(3)におけるkおよびpがそれぞれ1である化合物、或いはkおよびpの一方が1で他方が0である化合物を得ることができ、また、例えば特定の環状チオエステル1モルに対して10モル以上の特定のスルフィド化合物を用いることにより、式(3)におけるkおよびpがそれぞれ2以上である分子量の高い化合物を得ることができる。
このような第3の化合物は、1つの繰り返し単位の主鎖中に5個以上の硫黄原子が含有された安定な化合物であり、構造的に嵩高いものでありながら硫黄原子の密度が高いために高い屈折率を有するものである。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、原料、触媒および溶媒等として下記のものを使用した。
(1)テトラブチルアンモニウムブロミド(以下、「TBAB」という。)としては、市販品をそのまま使用した。
(2)水酸化ナトリウムおよびトリエチルアミンとしては、市販品をそのまま使用した。(3)N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」という。)としては、水素化カルシウムを用いて予備乾燥処理した後、水素化カリウムを加えて減圧蒸留処理したものを使用した。
(4)テトラヒドロフランとしては、無水硫酸マグネシウムを用いて予備乾燥処理した後、金属ナトリウムを加えて常圧蒸留処理したものを使用した。
(5)トルエンとしては、無水硫酸マグネシウムを用いて予備乾燥処理した後、金属ナトリウムを加えて常圧蒸留処理したものを使用した。
(6)o−ジクロロベンゼンとしては、無水硫酸マグネシウムを用いて予備乾燥処理した後、五酸化りんを加えて減圧蒸留処理したものを使用した。
(7)クロロホルムとしては、市販品をそのまま使用した。
(8)フェニルグリシジルエーテル(以下、「PGE」という。)としては、市販品をそのまま使用した。
(9)4,4’−チオビスベンゼンチオール(以下、「TBBT」という。)としては、市販の脱水シクロヘキサンを用いて2回再結晶したものを使用した。
(10)N−ブロモスクシンイミドとしては、蒸留水を用いて再結晶したものを使用した。
(11)p−トリルスルホンとしては、市販品をそのまま使用した。
(12)エチル−2−ヒドロキシベンゾエート(以下、「o−EHB」という。)としては、市販品をそのまま使用した。
また、各種の分析および測定は、下記の装置を使用した。
(1)IR分析においては、日本分光株式会社製の赤外分光光度計「FT/IR−420」を使用した。
(2) 1H−NMR分析および13C−NMR分析においては、日本電子株式会社製の核磁気共鳴装置「JMN−FX−270型」および「JMN−α−500型」を使用した。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグララフィー(GPC)分析および分子量測定においては、東ソー株式会社製のゲル浸透クロマトグラフィー「HLC−8220」(カラム:TSKgelG1000H)を使用し、展開溶媒としてテトラヒドロフランを使用した。
(4)質量分析においては、島津製作所製の「SHIMAZU/KARATOS マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置 KOMPACT MALDI IV tDE(MALDI−TOF−MS)」を使用した。
(5)融点測定は、柳本製作所製の「YanakoMP−500D」を使用した。
〔特定のスルフィド化合物の調製〕
2L三つ口フラスコ内に、チオ尿素91.3g(1.2mol)と水800mLとを入れて攪拌し、次いで、濃硫酸32mL(0.6mol)を滴下して加えた。系が均一になった後、アイスバスを用いて氷冷下にし、PGE150.2g(1.0mol)を約30分間かけてゆっくり滴下し、その後、室温で2時間攪拌させて反応させた。反応が終了した後、沈殿した塩をろ別し、エーテルで洗浄し、更に減圧乾燥することにより、白色粉末243.4gを得た。
IR分析の結果から、得られた生成物は、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルチウロニウム硫酸塩(以下、「PGEチウロニウム塩」という。)を含むものであることが確認された。IR分析の結果を以下に示す。
○IR(KBr disk,cm-1):
3200(νOH),
1658(νNH),
1248(νC−O−C ether)
次いで、500mLナスフラスコ内に、PGEチウロニウム塩を含む白色粉末51.5g(0.2mol)と水300mLとを入れて攪拌し、更に、2mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液100mLを加え、60℃で2時間攪拌した。その後、水相から分離している有機相をクロロホルムによって抽出し、この抽出溶液を無水硫酸マグネシウムにより乾燥処理した後、クロロホルムを減圧留去し、その後、水素化ナトリウムの存在下で減圧蒸留処理することにより、無色透明の液体17.2gを得た。
1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(5−1)に示す特定のスルフィド化合物[3−フェノキシプロピレンスルフィド(以下、「PPS」という。)]であると同定された。収率は52%であった。
Figure 2005281241
得られた特定のスルフィド化合物の 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
2.30(dd,Jcc' =1.5Hz,1.0H,Hf ),
2.59(ddd,1.0H,Hf ' ),
3.26(dddd,1.0H,He ),
3.89(dd,1.0H,Hd ' ),
4.20(dd,1.0H,Hd ),
6.91(d,2.0H,Hc ),
6.97(dd,1.0H,Hb ),
7.29(dd,2.0H,Ha
〔特定のスルホン化合物の調製〕
(1)2,2−ビス(4−ブロモメチルフェニル)スルホンの調製:
p−トリルスルホン7.39g(30mmol)、N−ブロモスクシンイミド11.8g(66mmol)、および過酸化ベンゾイル0.36g(1.5mmol)を、クロロホルム65mLに加え、加熱還流下で72時間反応させた。反応が終了した後、0.1mol/L硫酸鉄水溶液100mLで2回、蒸留水で2回洗浄を行い、有機相を抽出し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥処理した後、クロロホルムを減圧留去することにより、黄白色固体を得た。これをメタノールを用いて再結晶することにより、白色針状結晶5.98gを得た。
IR分析および 1H−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(6)に示す化合物[2,2−ビス(4−ブロモメチルフェニル)スルホン(以下、「Bis−BMPS」という。)]であると同定された。収率は46%であった。また、生成物の融点は136.6〜137.0℃であった。
Figure 2005281241
得られた化合物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
2960(ν−OH),
1595,1490(νC=C aromatic),
1306(νO=S=O),
557(νC−Br)
1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
4.48(s,1.0H,Ha ),
7.36〜7.42(m,8.0H,aromatic H)
(2)2,2−ビス(2−カルボキシフェノキシメチルフェニル)スルホンの調製:
200mLナスフラスコ内に、o−EHB2.66g(16mmol)、塩基として85%水酸化カリウム水溶液を−OH当量で1.09g(16mmol)、および触媒としてTBAB0.26g(5mol%)を入れ、更にNMP5mLを加え、室温で5時間攪拌した。その後、Bis−BMPS3.23g(8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した後、新たに過剰の水酸化カリウム水溶液を加え、70℃で3時間攪拌して反応させた。反応が終了した後、蒸留水およびクロロホルムを加えて2回洗浄し、水相に塩酸を加えて酸析することにより、黄白色固体3.8gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および13C−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(7−1)または下記式(7−2)に示す化合物[2,2−ビス(2−カルボキシフェノキシメチルフェニル)スルホン(以下、「Bis−CPMS」という。)]であると同定された。収率は92%であった。また、生成物の融点は、178.1〜178.7℃であった。
Figure 2005281241
得られた化合物のIR分析、 1H−NMR分析および13C−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3100−2100(ν−OH carboxylate),
1938(νC−H aliphtic),
1696(νC=O carboxylic acid),
1600,1578(νC=C aromatic),
1244(νC−O−C ether)
1H NMR(500MHz,DMSO−d6 ,TMS)δ(ppm):
5.31(s,4.0H,Ha ),
6.85〜7.78(m,16.0H, aromatic H)
13C NMR(125MHz,DMSO−d6 ,TMS)δ(ppm):
68.7(Ca ),
113.9,120.7,121.7,127.6,127.9,131.0,133.1,140.3,143.4,156.8(aromatic C),
167.2(Cb
(3)2,2−ビス(クロロカルボニルフェノキシメチルフェニル)スルホンの調製:
100mLナスフラスコ内に、Bis−CPMS3.11g(6mmol)と、塩化チオニル3.00g(24mmol)と、1滴のジメチルホルムアミドとを入れ、60℃で2時間攪拌し、その後、80℃の加熱還流下に6時間攪拌して反応させた。反応が終了した後、塩化チオニルを減圧留去することにより、黄白色固体得た。これをn−ヘキサンを用いて再結晶することにより、白色結晶2.3gを得た。
IR分析、 1H−NMR分析および13C−NMR分析の結果から、得られた生成物は、下記式(4−1)または下記式(4−2)に示す特定のスルホン化合物[2,2−ビス(クロロカルボニルフェノキシメチルフェニル)スルホン]であると同定された。収率は70%であった。また、生成物の融点は102.4〜103.1℃であった。
Figure 2005281241
得られた化合物のIR分析、 1H−NMR分析および13C−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
1941(νC−H aliphtic),
1632(νC=O),
1600,1578(νC=C aromatic),
1244(νC−O−C ether),
1H NMR(500MHz,DMSO−d6 ,TMS)δ(ppm):
5.31(s,4.0H,Ha ),
6.98〜7.52(m,16.0H, aromatic H)
13C NMR(125MHz,DMSO−d6 ,TMS)δ(ppm):
68.7(Ca ),
113.9,120.7,121.8,127.4,127.6,130.9,133.1,140.3,143.4,156.8(aromatic C),
161.2(Cb
〈実施例1(第1の化合物の合成)〉
三角フラスコ内に特定のスルホン化合物0.61g(1.1mmol)を入れ、溶媒としてTHF11mLを加えて溶解した。一方、別の三角フラスコ内にTBBT0.28g(1.1mmol)を入れ、溶媒としてTHF11mLを加えて溶解した。次いで、2つの溶液を、トリエチルアミン0.20g(2.0mmol)を溶解したTHF溶液300mL中に、室温で10mL/hの速度で滴下し、その後、更に1時間攪拌して反応させた。反応が終了した後、THFを減圧留去し、クロロホルムを加え、0.1mol/Lクエン酸水溶液で2回、重曹水で2回、更に蒸留水で2回洗浄処理した。次いで、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥処理した後、クロロホルムを減圧留去することにより、黄白色固体0.23gを得た。
得られた生成物(黄白色固体)についてGPC分析を行ったところ、3つのピークが発現し、3つの成分の混合物であることが確認された。各成分の割合は、分子量が最も低い成分(以下、「第1成分」という。)が41%、分子量が2番目に低い成分(以下、「第2成分」という。)が30%、分子量が最も高い成分(以下、「第3成分」という。)が28%であった。
得られた生成物をTHFで2回洗浄処理し、更にクロロホルムを用いて2回再結晶することにより、白色固体0.21gを得た。
得られた生成物(白色固体)についてGPC分析を行ったところ、単一のピークが発現し、第1成分に相当するものであることが確認され、洗浄処理に使用したTHFを回収してGPC分析を行ったところ、2つのピークが発現し、第2成分および第3成分に相当するものであることが確認された。
また、IR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果から、得られた生成物(白色固体)は、下記式(1−a)に示す特定の環状チオエステルであると同定された。収率は32%であった。
また、この化合物の融点は、149.2〜150.0℃であり、分解温度は303℃であった。
Figure 2005281241
得られた生成物のIR分析、 1H−NMR分析および質量分析の結果を以下に示し、また、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図1および図2に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3019(νC−H aromatic),
3016(νC−H aliphatic ),
1681(νC=O thioester ),
1595,1576(νC=C aromatic),
1258(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,DMF−d7 )δ(ppm):
5.40(s,4.0H,Hc ),
7.26(dd,2.0H,Hf ),
7.47(d,2.0H,Hd ),
7.59(d,4.0H,Hh ),
7.65(d,4.0H,Hi ),
7.73(dd,2.0H,He ),
7.87(d,4.0H,Hb ),
7.94(d,2.0H,Hg ),
8.15(d,4.0H,Ha
○質量分析(MALDI−TOF MS):
実測値(m/z)754.93(matrix:DHBA),
計算値(m/z)755.92[M+Na]+
〈実施例2〜8(第1の化合物の合成)〉
特定のスルホン化合物の使用量を1.5mmol、TBBTの使用量を1.5mmol、トリエチルアミンの使用量を3.0mmolに変更し、反応に用いられる溶媒の種類、溶媒中の特定のスルホン化合物の濃度(以下、「原料濃度」という。)、反応温度、並びに反応時間を、下記表1に従ったこと以外は、実施例1と同様にして、上記式(1−a)に示す特定の環状チオエステルを得た。
以上において、GPC分析による第1成分、第2成分および第3成分の割合を表1に示す。
そして、下記表1の結果から、以下のことが理解される。
(1)原料濃度が低いときには、第1成分すなわち特定の環状チオエステルが生成する割合が高くなり、一方、第3成分が生成する割合が低くなる。
(2)原料濃度が低いときには、第1成分すなわち特定の環状チオエステルが生成する割合は殆ど変わらないが、第3成分が生成する割合が低くなる。
(3)溶媒としてクロロホルムや塩化メチレンを使用するときには、第1成分すなわち特定の環状チオエステルが生成する割合が高くなり、一方、第3成分が生成する割合が低くなる。
(4)反応温度が室温と−30℃とでは、得られる生成物における各成分の割合にほとんど差がないことから、特定のスルホン化合物とTBBTとの反応は、反応温度の影響を受けない。
Figure 2005281241
〈実施例9(第2の化合物の合成)〉
湿度10%以下のドライバック中において、アンプル管に、特定の環状チオエステル0.073g(0.1mmol)およびNMP0.25mLを入れ、二方コックを取り付けた後、当該アンプル管をドライバックから取り出した。次いで、アンプル管内の試料に対して、液体窒素を用いて凍結・脱気を行い、その後、室温で解凍し、アンプル管内を高純度乾燥窒素により置換した。この操作を3回繰り返し、更に30分間凍結・脱気した後、アンプル管を封管した。次いで、アンプル管内の試料を室温で解凍し、90℃、24時間の条件で反応を行った。反応が終了した後、反応溶液をメタノールに注ぎ、メタノール不溶物を回収してクロロホルムに溶解し、貧溶媒としてメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で24時間減圧乾燥処理することにより、白色固体を得た。
得られた生成物について、GPC分析、IR分析および 1H−NMR分析を行ったところ、下記式(2−a)に示す化合物(以下、「環状化合物(2−a)」という。)であって、j=1の化合物(未反応のもの)が47%、j=2の化合物が7%、j≧3の化合物が39%であるものであることが確認された。また、j≧3の化合物の数平均分子量Mnが4.0×103 であった。また、特定の環状チオエステルの反応率は44%であった。
Figure 2005281241
得られた生成物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3019(νC−H aromatic),
2923(νC−H aliphatic ),
1681(νC=O thioester ),
1595,1576(νC=C aromatic),
1258(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,DMF−d7 )δ(ppm):
5.23(s,4.0H,Hc ),
6.95〜8.00(m,24.0H,Ha ,Hb ,,Hd 〜Hi
〈実施例10〜12および参考例1(第2の化合物の合成)〉
反応温度を下記表2に従って変更したこと以外は実施例9と同様の操作を行った。特定の環状チオエステルの反応率、得られた環状化合物(2−a)における、j=1の化合物(未反応のもの)、j=2の化合物およびj≧3の化合物の割合、j≧3の化合物の数平均分子量Mnを下記表2に示す。
そして、表2の結果から、以下のことが理解される。
(1)反応温度の上昇に伴って、特定の環状チオエステルの反応率が上昇する。
(2)反応温度の上昇に伴って、得られる環状化合物(2−a)の数平均分子量Mnが増加する。
(3)特定の環状チオエステルは、50℃では全く反応せず、触媒を使用しない場合においては、特定の環状チオエステルの反応を進行させるためには、70℃以上の反応温度が必要である。
Figure 2005281241
〈実施例13〜15(第2の化合物の合成)〉
溶媒中の特定の環状チオエステルの濃度(以下、「モノマー濃度」という。)を下記表3に従って変更したこと以外は実施例9と同様の操作を行った。と特定の環状チオエステルの反応率、得られた環状化合物(2−a)における、j=1の化合物(未反応のもの)、j=2の化合物およびj≧3の化合物の割合、j≧3の化合物の数平均分子量Mnを下記表3に示す。
そして、表3の結果から、以下のことが理解される。
(1)モノマー濃度の低下に伴って、特定の環状チオエステルの反応率が低下する。
(2)モノマー濃度の低下に伴って、得られる環状化合物(2−a)の分子量が低下する。
Figure 2005281241
〈参考例2〜4〉
溶媒中の特定の環状チオエステルの濃度を0.05mol/Lに変更し、溶媒をトルエン(参考例2)、o−ジクロロベンゼン(参考例3)、ジメチルスルホキシド(参考例4)に変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、いずれの溶媒についても、特定の環状チオエステルの反応が進行しなかった。これは、トルエンおよびジメチルスルホキシドについては、特定の環状チオエステルが不溶であるために反応が進行せず、o−ジクロロベンゼンについては、低極性溶媒であるために特定の環状チオエステルにおけるチオエステル部位の開裂が起こりにくいからであると考えられる。
〈実施例16(第2の化合物の合成)〉
湿度10%以下のドライバック中において、アンプル管に、触媒としてTBAC0.003g(5mol%)を入れ、40℃のオイルバス中で、5時間減圧乾燥処理した。次いで、アンプル管に、環状化合物A0.073g(0.1mmol)およびNMP0.25mLを入れ、二方コックを取り付けた後、当該アンプル管をドライバックから取り出した。次いで、アンプル管内の試料に対して、液体窒素を用いて凍結・脱気を行い、その後、室温で解凍し、アンプル管内を高純度乾燥窒素により置換した。この操作を3回繰り返し、更に30分間凍結・脱気した後、アンプル管を封管した。次いで、アンプル管内の試料を室温で解凍し、反応温度が70℃、反応時間が24時間の条件で反応を行った。反応が終了した後、反応溶液をメタノールに注ぎ、メタノール不溶物を回収してクロロホルムに溶解し、貧溶媒としてメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で24時間減圧乾燥処理することにより、白色固体を得た。
得られた生成物について、GPC分析、IR分析および 1H−NMR分析を行ったところ、環状化合物(2−a)であって、j=1の化合物(未反応のもの)が81%、j=2の化合物が5%、j≧3の化合物が13%であることが確認された。また、j≧3の化合物の数平均分子量Mnが2.0×103 であった。また、特定の環状チオエステルの反応率は19%であった。
得られた生成物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図を図3および図4に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3019(νC−H aromatic),
2923(νC−H aliphatic ),
1681(νC=O thioester ),
1595,1576(νC=C aromatic),
1258(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,DMF−d7 )δ(ppm):
5.23(s,4.0H,Hc ),
6.95〜8.00(m,24.0H,Ha ,Hb ,Hd 〜Hi
〈実施例17〜18および参考例5(第2の化合物の合成)〉
反応温度を下記表4に従って変更したこと以外は実施例16と同様の操作を行った。特定の環状チオエステルの反応率、環状化合物(2−a)における、j=1の化合物(未反応のもの)、j=2の化合物およびj≧3の化合物の割合、j≧3の化合物の数平均分子量Mnを下記表4に示す。
そして、表4の結果から、以下のことが理解される。
(1)触媒を使用した場合には、使用しない場合と比較して、特定の環状チオエステルの反応率が上昇する。
(2)触媒を用いた場合でも、反応温度の上昇に伴って、特定の環状チオエステルの反応率が上昇する。
(3)触媒を用いた場合でも、反応温度の上昇に伴って、得られる環状化合物(2−a)の分子量が増加する。
(4)触媒を用いた場合には、50℃でも特定の環状チオエステルの反応が進行する。
Figure 2005281241
〈実施例19〜21(第2の化合物の合成)〉
モノマー濃度を下記表5に従って変更したこと以外は実施例16と同様の操作を行った。環状チオエステルの反応率、得られた環状化合物(2−a)における、j=1の化合物(未反応のもの)、j=2の化合物およびj≧3の化合物の割合、j≧3の化合物の数平均分子量Mnを下記表5に示す。
そして、表5の結果から、触媒を用いた場合でも、モノマー濃度の低下に伴って、特定の環状チオエステルの反応率が低下することが理解される。

Figure 2005281241
〈実施例22および参考例6〜7(第2の化合物の合成)〉
モノマー濃度を0.05mol/L、反応温度を90℃に変更し、下記表6に従って、溶媒をo−ジクロロベンゼン、トルエンまたはジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」という。)に変更したこと以外は実施例16と同様の操作を行った。特定のチオエステル化合物の反応率、得られた環状化合物(2−a)における、j=1の化合物(未反応のもの)、j=2の化合物およびj≧3の化合物の割合、j≧3の化合物の数平均分子量Mnを下記表6に示す。
そして、表6の結果から、以下のことが理解される。
(1)トルエンおよびDMSOを溶媒として用いた場合には、特定の環状チオエステルが不溶であるため、反応が進行しない。
(2)触媒を使用した場合には、低極性溶媒であるo−ジクロロベンゼン中でも、特定の環状チオエステルの反応が進行する。
Figure 2005281241
〈実施例23(第3の化合物の合成)〉
湿度10%以下のドライバック中において、アンプル管に、特定の環状チオエステル0.073g(0.1mmol)、PPS0.033g(0.2mmol)およびNMP0.25mLを入れ、二方コックを取り付けた後、当該アンプル管をドライバックから取り出した。次いで、アンプル管内の試料に対して、液体窒素を用いて凍結・脱気を行い、その後、室温で解凍し、アンプル管内を高純度乾燥窒素により置換した。この操作を3回繰り返し、更に30分間凍結・脱気した後、アンプル管を封管した。次いで、アンプル管内の試料を室温で解凍し、90℃、24時間の条件で反応を行った。反応が終了した後、反応溶液をメタノールに注ぎ、メタノール不溶物を回収してクロロホルムに溶解し、貧溶媒としてメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で24時間減圧乾燥処理することにより、白色固体を得た。
得られた生成物について、GPC分析、IR分析および 1H−NMR分析を行ったところ、下記式(3−a)に示す化合物であって、数平均分子量Mnが5.0×103 、分子量分布Mw/Mnが2.9であることが確認された。PPSの挿入反応率は100%であった。
また、GPC分析の結果では、2つのピークが発現し、低分子量側のピークがm=1の化合物、高分子量側のピークがm≧2の化合物であり、m≧2の化合物の割合が90%であることが判明した。更に、m=1の化合物について質量分析を行ったところ、式(3−a)において、k+pが1の化合物、k+pが2の化合物およびk+pが3の化合物が含まれていることが確認された。
Figure 2005281241
得られた生成物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図5および図6に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3068(νC−H aromatic),
2927(νC−H aliphatic ),
1671(νC=O thioester ),
1597(νC=C aromatic),
1298(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,DMF−d7 )δ(ppm):
2.97〜3.15(m,4.0H,Hm ),
4.16〜4.22(m,4.0H,Hi ),
5.16(s,4.0H,Hc ),
6.83〜7.93(m,34.0H,Ha ,Hb ,Hd 〜Hg ,Hj 〜Hl ,Hn ,Ho
〈実施例24〜25および参考例8(第3の化合物の合成)〉
反応温度を下記表7に従って変更したこと以外は実施例23と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)における、m≧2の化合物の割合、数平均分子量Mnおよび分子量分布Mw/Mnを下記表7に示す。
そして、表7の結果から、以下のことが理解される。
(1)反応温度の上昇に伴って、PPSの挿入反応率が上昇し、反応温度90℃以上ではPPSの挿入反応率が100%に達する。
(2)反応温度の上昇に伴って、得られる環状化合物(3−a)の分子量が増加する。
(3)特定の環状チオエステルおよびPPSは、50℃では全く反応せず、触媒を使用しないときには、特定の環状チオエステルおよびPPSの反応を進行させるためには、70℃以上の反応温度が必要である。
Figure 2005281241
〈実施例26〜28(第3の化合物の合成)〉
溶媒中の特定の環状チオエステルの濃度を下記表8に従って変更したこと以外は実施例23と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)における、m≧2の化合物の割合、数平均分子量Mnおよび分子量分布Mw/Mnを下記表8に示す。
そして、表8の結果から、以下のことが理解される。
(1)特定の環状チオエステルの濃度の低下に伴って、得られる環状化合物(3−a)の分子量が低下する。
(2)特定の環状チオエステルの濃度の低下に伴って、m≧2の化合物が生成する割合が低下する。
Figure 2005281241
〈実施例29および参考例9〜10(第3の化合物の合成)〉
下記表9に従って、溶媒をo−ジクロロベンゼン、トルエンまたはDMSOに変更したこと以外は実施例16と同様の操作を行った。特定の環状チオエステルの反応率、得られた環状化合物(3−a)における、m≧2の化合物の化合物の割合、数平均分子量Mn、および分子量分布Mw/Mnを下記表9に示す。
そして、表9の結果から、以下のことが理解される。
(1)トルエンおよびDMSOを溶媒として用いた場合には、環状化合物Aが不溶であるため、触媒を使用しても、特定の環状チオエステルの反応が進行しない。
(2)o−ジクロロベンゼン中では、特定の環状チオエステルおよびPPSの反応が進行しにくい。これは、o−ジクロロベンゼンが低極性溶媒であるにために、特定の環状チオエステルにおけるチオエステル部位の開裂が起こりにくいためであると考えられる。
Figure 2005281241
〈実施例30(第3の化合物の合成)〉
湿度10%以下のドライバック中において、アンプル管に、触媒としてTBAC0.003g(5mol%)を入れ、40℃のオイルバス中で、5時間減圧乾燥処理した。次いで、アンプル管に、特定の環状チオエステル0.073g(0.1mmol)、PPS0.033g(0.2mmol)およびNMP0.25mLを入れ、二方コックを取り付けた後、当該アンプル管をドライバックから取り出した。次いで、アンプル管内の試料に対して、液体窒素を用いて凍結・脱気を行い、その後、室温で解凍し、アンプル管内を高純度乾燥窒素により置換した。この操作を3回繰り返し、更に30分間凍結・脱気した後、アンプル管を封管した。次いで、アンプル管内の試料を室温で解凍し、反応温度が70℃、反応時間が24時間の条件で反応を行った。反応が終了した後、反応溶液をメタノールに注ぎ、メタノール不溶物を回収してクロロホルムに溶解し、貧溶媒としてメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で24時間減圧乾燥処理することにより、白色固体を得た。 得られた生成物について、GPC分析、IR分析および 1H−NMR分析を行ったところ、環状化合物(3−a)であって、数平均分子量Mnが5.0×103 、分子量分布Mw/Mnが3.1であることが確認された。PPSの挿入反応率は100%であった。また、GPC分析の結果では、2つのピークが発現し、低分子量側のピークがm=1の化合物、高分子量側のピークがm≧2の化合物であり、m≧2の化合物の割合が92%であることが判明した。
得られた生成物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図7および図8に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3068(νC−H aromatic),
2927(νC−H aliphatic ),
1671(νC=O thioester ),
1597(νC=C aromatic),
1298(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,DMF−d7 )δ(ppm):
2.97〜3.15(m,4.0H,Hm ),
4.16〜4.22(m,4.0H,Hi ),
5.16(s,4.0H,Hc ),
6.83〜7.93(m,34.0H,Ha ,Hb ,Hd 〜Hg ,Hj 〜Hl ,Hn ,Ho
〈実施例31〜32および参考例11(第3の化合物の合成)〉
反応温度を下記表10に従って変更したこと以外は実施例30と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)における、m≧2の化合物の割合、数平均分子量Mnおよび分子量分布Mw/Mnを下記表10に示す。
そして、表10の結果から、以下のことが理解される。
(1)触媒を使用した場合でも、反応温度の上昇に伴って、PPSの挿入反応率が上昇し、反応温度70℃以上ではPPSの挿入反応率が100%に達する。
(2)触媒を使用した場合でも、反応温度の上昇に伴って、得られる環状化合物(3−a)の分子量が増加する。
(3)反応温度の上昇に伴って、m≧2の化合物が生成する割合が上昇する。
(4)触媒を使用した場合には、50℃でも特定の環状チオエステルおよびPPSの反応が進行する。
Figure 2005281241
〈実施例33〜35(第3の化合物の合成)〉
溶媒中の特定の環状チオエステルの濃度を下記表11に従って変更したこと以外は実施例30と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)における、m≧2の化合物の割合、数平均分子量および比Mw/Mnを下記表11に示す。
そして、表11の結果から、以下のことが理解される。
(1)触媒を使用した場合でも、モノマー濃度の低下に伴って、数平均分子量が低下する。
(2)触媒を使用した場合でも、モノマー濃度の低下に伴って、m≧2の化合物が生成する割合が低下する。
Figure 2005281241
〈実施例36および参考例12〜13(第3の化合物の合成)〉
下記表12に従って、溶媒をo−ジクロロベンゼン、トルエンまたはDMSOに変更したこと以外は実施例30と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)における、m≧2の化合物の割合、数平均分子量Mnおよび分子量分布Mw/Mnを下記表12に示す。
そして、表12の結果から、以下のことが理解される。
(1)トルエンおよびDMSOを溶媒として用いた場合には、特定の環状チオエステルが不溶であるため、触媒を使用しても、特定の環状チオエステルおよびPPSの反応が進行しない。
(2)触媒を使用した場合には、o−ジクロロベンゼン中でも、特定の環状チオエステルおよびPPSの反応が十分に進行する。
Figure 2005281241
〈実施例37(第3の化合物の合成)〉
湿度10%以下のドライバック中において、アンプル管に、特定の環状チオエステル0.073g(0.1mmol)、PPS0.831g(5.0mmol)およびNMP2mLを入れ、二方コックを取り付けた後、当該アンプル管をドライバックから取り出した。次いで、アンプル管内の試料に対して、液体窒素を用いて凍結・脱気を行い、その後、室温で解凍し、アンプル管内を高純度乾燥窒素により置換した。この操作を3回繰り返し、更に30分間凍結・脱気した後、アンプル管を封管した。次いで、アンプル管内の試料を室温で解凍し、90℃、24時間の条件で反応を行った。反応が終了した後、反応溶液をメタノールに注ぎ、メタノール不溶物を回収してクロロホルムに溶解し、貧溶媒としてメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で24時間減圧乾燥処理することにより、白色固体を得た。
得られた生成物について、GPC分析、IR分析および 1H−NMR分析を行ったところ、環状化合物(3−a)であって、数平均分子量Mnが4.0×103 、分子量分布Mw/Mnが1.6であることが確認された。また、PPSの挿入反応率は54%であった。
得られた生成物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3019(νC−H aromatic),
2923(νC−H aliphatic ),
1681(νC=O thioester ),
1595,1576(νC=C aromatic),
1285(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
2.97〜3.15(m,4.0H,Hm ),
4.16〜4.22(m,100.0H,Hi ),
5.16(s,4.0H,Hc ),
6.83〜7.93(m,274.0H,Ha ,Hb ,Hd 〜Hg ,Hj 〜Hl ,Hn ,Ho
〈実施例38(第3の化合物の合成)〉
反応時間を48時間に変更したこと以外は実施例37と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率は100%であり、得られた環状化合物(3−a)の数平均分子量Mnは1.5×104 、分子量分布Mw/Mnは2.9であった。また、得られた環状化合物(3−a)について質量分析を行ったところ、mが1で、k+pが1〜7の化合物が含まれいてることが確認され、その他のものは確認されなかったが、これは、分子量の大きい化合物はイオン化しにくく、また、化合物自体が壊れやすくてフラグメント化してしまうからであると考えられる。
〈実施例39〜43(第3の化合物の合成)〉
特定の環状チオエステルに対するPPSのモル比(以下、「PPS割合」という。)を下記表13に従って変更したこと以外は実施例38と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)の数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mnを下記表13に示す。
そして、表13の結果から、PPSの割合が増加するに伴って、得られる環状化合物(3−a)の分子量が増加することが理解される。
Figure 2005281241
〈実施例44(第3の化合物の合成)〉
湿度10%以下のドライバック中において、アンプル管に、触媒としてTBAC0.003g(5mol%)を入れ、40℃のオイルバス中で、5時間減圧乾燥処理した。次いで、アンプル管に、特定の環状チオエステル0.073g(0.1mmol)、PPS0.831g(5.0mmol)およびNMP2mLを入れ、二方コックを取り付けた後、当該アンプル管をドライバックから取り出した。次いで、アンプル管内の試料に対して、液体窒素を用いて凍結・脱気を行い、その後、室温で解凍し、アンプル管内を高純度乾燥窒素により置換した。この操作を3回繰り返し、更に30分間凍結・脱気した後、アンプル管を封管した。次いで、アンプル管内の試料を室温で解凍し、反応温度が70℃、反応時間が24時間の条件で反応を行った。反応が終了した後、反応溶液をメタノールに注ぎ、メタノール不溶物を回収してクロロホルムに溶解し、貧溶媒としてメタノールを用いて再沈精製を行い、室温で24時間減圧乾燥処理することにより、白色固体を得た。
得られた生成物について、GPC分析、IR分析および 1H−NMR分析を行ったところ、環状化合物(3−a)であって、数平均分子量Mnが4.2×104 、分子量分布Mw/Mnが4.5であることが確認された。また、PPSの挿入反応率は100%であった。
得られた生成物のIR分析および 1H−NMR分析の結果を以下に示し、IRスペクトル図および 1H−NMRスペクトル図をそれぞれ図9および図10に示す。
○IR(KRS film,cm-1):
3019(νC−H aromatic),
2923(νC−H aliphatic ),
1681(νC=O thioester ),
1595,1576(νC=C aromatic),
1285(νC−O−C ether),
756(C−S−C sulfide )
1H NMR(500MHz,CDCl3 ,TMS)δ(ppm):
2.97〜3.15(m,4.0H,Hm ),
4.16〜4.22(m,100.0H,Hi ),
5.16(s,4.0H,Hc ),
6.83〜7.93(m,274.0H,Ha ,Hb ,Hd 〜Hg ,Hj 〜Hl ,Hn ,Ho
〈実施例45〜48(第3の化合物の合成)〉
PPSの使用量を下記表14に従って変更したこと以外は実施例44と同様の操作を行った。PPSの挿入反応率、得られた環状化合物(3−a)の数平均分子量Mn、分子量分布Mw/Mnを下記表14に示す。
そして、表14の結果から、PPSの割合が増加するに伴って、得られる環状化合物(3−a)の分子量が増加することが理解される。
Figure 2005281241
本発明に係る硫黄原子含有環状化合物は、高い密度で硫黄原子を含有するものであって、これにより、高い屈折率を有するものであるため、種々の光学部品の材料として有用である。
実施例1で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例1で得られた化合物の 1H−NMRスペクトル図である。 実施例16で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例16で得られた化合物の 1H−NMRスペクトル図である。 実施例23で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例23で得られた化合物の 1H−NMRスペクトル図である。 実施例30で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例30で得られた化合物の 1H−NMRスペクトル図である。 実施例44で得られた化合物のIRスペクトル図である。 実施例44で得られた化合物の 1H−NMRスペクトル図である。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される環状S−アリールチオエステルよりなる硫黄原子含有環状化合物。
    Figure 2005281241
  2. 下記式(2)で表される硫黄原子含有環状化合物。
    Figure 2005281241
    〔式(2)において、nは2以上の整数である。〕
  3. 下記式(3)で表される硫黄原子含有環状化合物。
    Figure 2005281241
    〔式(3)において、R1 は、−CH2 −O−R2 (但し、R2 は炭素数が1〜6のアルキル基または置換若しくは未置換のフェニル基を示す。)で表される基であり、mは1以上の整数であり、kおよびpはそれぞれ0または1以上の整数である(但し、k+p≠0である。)。〕
  4. 下記式(4)で表されるスルホン化合物と4,4’−ビスベンゼンチオールとを反応させることにより、請求項1に記載の環状S−アリールチオエステルを得ることを特徴とする硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
    Figure 2005281241
  5. 請求項1に記載の環状S−アリールチオエステルを加熱によって反応させることにより、請求項2に記載の硫黄原子含有環状化合物を得ることを特徴とする硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
  6. 請求項1に記載の環状S−アリールチオエステルおよび下記式(5)で表されるスルフィド化合物を加熱によって反応させることにより、請求項3に記載の硫黄原子含有環状化合物を得ることを特徴とする硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
    Figure 2005281241
    〔式(5)において、R1 は、−CH2 −O−R2 (但し、R2 は炭素数が1〜6のアルキル基または置換若しくは未置換のフェニル基を示す。)で表される基である。〕
  7. 70℃以上の温度で反応させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
  8. 触媒の存在下に反応させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
  9. 50℃以上の温度で環状ジチオエステル化合物を反応させることを特徴とする請求項8に記載の硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
  10. 極性溶媒中で反応させることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれかに記載の硫黄原子含有環状化合物の製造方法。
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