JP3294930B2 - 新規なジベンゾイルナフタレン誘導体及びそれを含む重合体並びにその製造方法 - Google Patents

新規なジベンゾイルナフタレン誘導体及びそれを含む重合体並びにその製造方法

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JP3294930B2 JP33916293A JP33916293A JP3294930B2 JP 3294930 B2 JP3294930 B2 JP 3294930B2 JP 33916293 A JP33916293 A JP 33916293A JP 33916293 A JP33916293 A JP 33916293A JP 3294930 B2 JP3294930 B2 JP 3294930B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高機能性プラスチック
スのモノマーとして有用な新規ジベンゾイルナフタレン
誘導体及びその製造方法ならびに上記新規ジベンゾイル
ナフタレン誘導体と芳香族ジヒドロキシ化合物との重縮
合により得られた新規な芳香族ポリエーテルケトンおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高融点で、ガラス転移温度が高く、しか
も機械的強度が高いエンジニアリングプラスチックス、
いわゆるエンプラの開発が進められ、既に各種のプラス
チックスが知られているが、このうち、芳香族ポリエー
テルケトンについては、スーパーエンプラとして、次ぎ
の一般式化(a)〜(c)に示すものが知られている
[アトウッド(T.E.Attwood)ら,ポリマー
(Polymer),22,1096(1981)]、
【0003】
【化6】
【0004】
【化7】
【0005】
【化8】 しかし、上記のポリマーの融点及びガラス転移温度は、
表1に示す通り、エンジニアリングプラスチックスとし
て充分なものとはいえない。
【0006】
【表1】
【0007】またナフタレン核ポリマーの構成単位とす
るポリエーテルケトンも提案されている(特開平3−1
21125号公報及びP.M.Hergenrotherら、Polymer
358(1958))。しかしこのようなナフタレン
核を含むポリマーは、融点やガラス転移温度が充分には
高くなく、また各種溶媒に対する溶解性が充分でなく、
加工性が良くないという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記現
状に鑑み、鋭意研究を進めた結果、構成単位に少なくと
も1個の低級アルキル基で置換したナフタレン核を含む
芳香族ポリエーテルケトンを用いれば、融点やガラス転
移温度が高く、しかも加工性に優れたポリマーが得られ
ることに想到し、このポリマーを得るのに必要な新規な
モノマーを見出した。
【0009】すなわち、本発明の目的は、高融点で、高
いガラス転移温度や機械的強度を有し、しかも加工性に
優れたスーパーエンプラ及びそれを得るための新規なモ
ノマーであるジベンゾイルナフタレン誘導体及びその製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)
【0011】
【化9】 (式中、Xはフッ素または塩素原子を、R1 〜R4 は水
素または低級アルキル基を示し、これらのうち少なくと
も1つは低級アルキル基である)で表される新規なジベ
ンゾイルナフタレン誘導体、及び、下記一般式(2)
【0012】
【化10】 (式中、R1 〜R4 は水素または低級アルキル基を示
し、これらのうち少なくとも1つは低級アルキル基であ
る)で表されるナフタレン化合物をルイス酸触媒の存在
下に下記一般式(3)
【0013】
【化11】 (式中、Xはフッ素または塩素原子を、Yは塩素または
臭素原子を示す)で表されるハロゲン化安息香酸ハライ
ドと反応させることからなる前記の新規なジベンゾイル
ナフタレン誘導体の製造方法である。
【0014】更に本発明は上記式(1)のジベンゾイル
ナフタレン誘導体と芳香族ジヒドロキシ化合物とを重縮
合させて得られる新規芳香族ポリエーテルケトンおよび
その製造方法を包含する。
【0015】上記一般式(1)で表わされる化合物にお
けるナフタレン核の置換基R1 〜R4 のうちの低級アル
キル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等の
好ましくは炭素数1〜4のアルキル基で、R1 〜R4
全て同じであっても、異なっていても良い。この低級ア
ルキル基は、ナフタレン核に対し少なくとも1個以上、
4個までが置換していることが必要であり、その置換位
置はナフタレン核の2,3,4,6,7,8位のいずれ
の位置でも良い。この置換基が多いほど、これをポリマ
ーとした場合、溶剤に対する溶解性が増して加工性が良
くなる傾向にある。
【0016】また、ベンゼン核の置換基であるフッ素ま
たは塩素の位置は、2〜5のいずれでも良いが、4位置
換のものが、得られるポリマーのガラス転移温度が高く
なるため、特に好ましい。
【0017】上記一般式(1)で表わされる本発明のジ
ベンゾイルナフタレン誘導体としては、1,5−ビス
(4−フルオロベンゾイル)−2−メチルナフタレン、
1,5−ビス(4−フルオロベンゾイル)−3−メチル
ナフタレン、1,5−ビス(4−フルオロベンゾイル)
−2−エチルナフタレン、1,5−ビス(4−フルオロ
ベンゾイル)−2,6−ジメチルナフタレン、1,5−
ビス(4−クロロベンゾイル)−2,6−ジメチルナフ
タレン、1,5−ビス(4−フルオロベンゾイル)−
2,7−ジメチルナフタレン、1,5−ビス(4−クロ
ロベンゾイル)−2,7−ジメチルナフタレン、1,5
−ビス(4−フルオロベンゾイル)−2,3−ジメチル
ナフタレン、1,5−ビス(4−クロロベンゾイル)−
2,3−ジメチルナフタレン、1,5−ビス(4−フル
オロベンゾイル)−2,3,6−トリメチルナフタレ
ン、1,5−ビス(4−クロロベンゾイル)−2,3,
6−トリメチルナフタレン、1,5−ビス(4−フルオ
ロベンゾイル)−2,6−ジエチルナフタレン、1,5
−ビス(4−クロロベンゾイル)−2,6−ジエチルナ
フタレン、1,5−ビス(4−フルオロベンゾイル)−
2−エチル−6−メチルナフタレン、1,5−ビス(4
−クロロベンゾイル)−2−エチル−6−メチルナフタ
レン等の化合物を例示することができる。
【0018】これらのジベンゾイルナフタレン誘導体
は、上記一般式(2)で表されるナフタレン化合物を、
塩化アルミニウム、フッ化ホウ素、塩化第二鉄、塩化第
二スズ等のルイス酸触媒の存在下に上記一般式(3)で
表されるハロゲン化安息香酸ハライドと反応させること
により得られる。式(2)のナフタレン化合物は、上記
一般式(1)中のナフタレン核に対応するもので、従っ
て、式(2)中のR1 〜R4 は上記一般式(1)におい
て定義されたものと全く同じである。この式(2)のナ
フタレン化合物は、公知物質で市販されており、容易に
入手できる。一方、一般式(3)のハロゲン化安息香酸
ハライドとしては、p−フッ化安息香酸クロリド、p−
塩化安息香酸クロリド、p−フッ化安息香酸ブロミド、
p−塩化安息香酸ブロミド等を例示できる。これらの化
合物も既知化合物で、容易に入手できるし、またハロゲ
ン化安息香酸から極めて容易に合成することができる。
【0019】この製造方法では、クロロホルム、テトラ
クロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、二
硫化炭素、ニトロメタン、ニトロベンゼン等の有機溶媒
の存在下、又は不存在下に、反応を行うことができる
が、この場合、一般式(2)のナフタレン化合物1モル
に対して一般式(3)のハロゲン化安息香酸ハライド2
〜6モル、特に好ましくは、2〜4モルの量比とすると
良い。また、ルイス酸触媒は、ナフタレン化合物1モル
に対して2〜4モル用いるのが好ましい。反応温度は、
40〜150℃で行うと良く、また反応圧力は常圧で十
分である。反応は、一般には、2〜6時間程度で終了す
る。
【0020】得られた反応生成物は、公知の方法、例え
ば、再結晶、クロマトグラフィー等の手段により簡単に
単離、精製できる。
【0021】本発明のジベンゾイルナフタレン誘導体の
構造は、 1H−NMR、13C−NMR、質量スペクトル
分析(DI−MS)の測定等によって同定することがで
きる。
【0022】このジベンゾイルナフタレン誘導体は、芳
香族ジヒドロキシ化合物と重縮合させることにより、芳
香族ポリエーテルケトンを製造することができる。本発
明はこのようにして得られた新規芳香族ポリエーテルケ
トンおよび、ジベンゾイルナフタレン誘導体と芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とを重縮合させることからなる新規芳
香族ポリエーテルケトンの製造方法を包含する。
【0023】本発明の芳香族ポリエーテルケトンは下記
一般式(4)で表される繰り返し単位から成る。
【0024】
【化12】 (式中、Ar はフェニレン、ナフチレン、ビナフチル
又は下記一般式(5)
【0025】
【化13】 (式中、Xはフェニレン、アルキレン、アルキリデン、
フェニレンジアルキル(−RC64R−)、ビス(トリ
フルオロメチル)メチン、オキシ、チオ、スルホニル又
はカルボニル基であり、nは0又は1である。)で表わ
され、重縮合反応の一方の原料である芳香族ジヒドロキ
シ化合物から由来する2価の芳香族基である。
【0026】本発明の芳香族ポリエーテルケトンはジベ
ンゾイルナフタレン誘導体と、下記一般式(6) HO−Ar −OH (6) (但しAr は式(4)において定義された2価の芳香
族基である。)を有する芳香族ジヒドロキシ化合物とを
重縮合させることによって得られる。
【0027】このような芳香族ジヒドロキシ化合物とし
ては、ハイドロキノン、ビスフェノールA、4,4′−
ジヒドロキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル−1−メチルエチル)ベンゼン、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル、ヘキサフルオロビスフ
ェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエー
テル等のビスフェノール類やジヒドロキシナフタレン、
4,4’−ジヒドロキシビナフチル等を例示することが
できる。このようなジヒドロキシ化合物は、単独でも或
いは数種混合して用いてもよい。
【0028】重縮合反応はジベンゾイルナフタレン誘導
体と芳香族ジヒドロキシ化合物とをN−メチル−2−ピ
ロリドン、スルホラン、ジフェニルスルホラン、N,N
−ジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルアセト
アミド等の有機溶媒の存在下、反応温度160〜350
℃で行うことができる。ジベンゾイルナフタレン誘導体
と芳香族ジヒドロキシ化合物のモル比は前者1モルに対
して後者0.8〜1.2モル、特に好ましくは、0.9
〜1.1モルとするのが良い。また重縮合触媒として炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属化合物を
用いるのが好ましい。
【0029】得られた重合体は、公知の方法、例えば、
クロロホルム等の溶媒に溶解させ、メタノール等の貧溶
媒で再沈殿させることによって回収することができる。
【0030】このようにして得られた芳香族ポリエーテ
ルケトンの構造は、元素分析、1H−NMR、13C−N
MR、IR等の測定等によって同定することができる。
【0031】本発明の芳香族ポリエーテルケトンは高融
点で、ガラス転移温度が高く、機械的強度が強く、しか
も各種溶媒に対し適度の溶解性を有するので、加工性の
容易な優れたスーパーエンプラであり、成形材料、繊
維、フィルム等の用途に広く利用することができる。
【0032】
【実施例】
[実施例1](ジベンゾイルナフタレン誘導体の製造) アルゴンガス雰囲気下で、2,6−ジメチルナフタレン
4.69g(0.03mol)、p−フッ化安息香酸ク
ロリド19.0g(0.12mol)及びクロロホルム
50mlからなる液を0℃に冷却し、これに塩化アルミ
ニウム16gを加えて3時間加熱還流させた後、室温ま
で冷却し、塩酸水溶液を反応液が十分に酸性になるまで
加え、反応を停止した。クロロホルム層を取り出し、溶
媒を留去して得られた粗生成物をアセトンから2回再結
晶することにより白色結晶8.0g(収率67%)を得
た。
【0033】得られた化合物は、融点、 1H−NMR、
13C−NMR、質量スペクトル分析(DI−MS)等を
測定しその構造を同定した。
【0034】(1) 融点(℃):227〜228
【0035】(2)質量スペクトル分析(DI−MS) 下記の質量/電荷値に分子イオンピークが現れることに
より下記各種の分子イオンの存在が確認できる。 400[(F-C6H4-C=O)-C10H4(CH3)2-(C=O-C6H4-F] ・・・ 生成物 305[(F-C6H4-C=O)-C10H4(CH3)2-C=O・ ] 277[(F-C6H4-C=O)-C10H4(CH3)2・ ] 123[ F-C6H4-C=O・] 95[ F-C6H4・]
【0036】(3) 1H−NMR(90MHz,CDC
3 )(δppm) 下記の化学シフト及びカップリングにより分子中の置換
基および置換位置の存在が確認された。 2.272(s,6H,Me) 7.116(t,4H,F−Ph,J=8.7Hz) 7.267(d,2H,Nap,J=9.0Hz) 7.501(d,2H,Nap,J=9.0Hz) 7.845(m,4H,PhCO,J=5.4及び8.
4Hz)
【0037】(4)13C−NMR(90MHz,CDC
3 )(δppm) 下記のケミカルシフトにより各炭素の存在が確認され
た。 19.586 116.05(J=20.7Hz) 125.75 128.67 129.35 131.78 132.87(J=2.64Hz) 133.78(J=2.79Hz) 135.76 166.28(J=255.86Hz)
【0038】以上のデータから、この結晶は1,5−ビ
ス(4−フルオロベンゾイル)−2,6−ジメチルナフ
タレンであることが確認された。
【0039】[実施例2]実施例1において、反応停止
後の液をメタノール中に投入し、析出した白色地沈殿物
をアセトンから2回再結晶することにより、白色結晶
9.0g(収率75%)を得た。
【0040】[実施例3]実施例1において、反応溶媒
をクロロホルムに代えてニトロベンゼンを用い、反応温
度を80℃とした以外は同様の方法で反応を行なった。
この結果、実施例1と同じ物性を有する白色結晶9.6
g(収率80%)を得た。
【0041】[実施例4]実施例1において、p−フッ
化安息香酸クロリドに代えてp−塩化安息香酸クロリド
を用いた以外は、全く同様の方法で反応を行なったとこ
ろ、白色結晶化合物9.0g(収率73%)を得た。
【0042】得られた化合物の H−NMR、13
−NMR等を測定し、その構造を同定した。
【0043】(1) H−NMR(90MHz,CD
Cl )(δppm) 下記の化学シフト及びカップリングにより分子中の置換
基および置換位置の存在が確認された。 2.262(s,6H,Me) 7.414(t,4H,Cl−Ph,J=8.6Hz) 7.261(d,2H,Nap,J=8.5Hz) 7.489(d,2H,Nap,J=9.0Hz) 7.768(m,4H,PhCO,J=8.6Hz)
【0044】(2)13C−NMR(90MHz,CD
Cl )(δppm) 下記のケミカルシフトにより各炭素の存在が確認され
た。 19.526 125.95 128.82 129.36 129.53 131.15 132.02 135.76 140.64 198.57 以上のデータから、この結晶は1,5−ビス(4−クロ
ロベンゾイル)−2,6−ジメチルナフタレンであるこ
とが確認された。た。
【0045】[実施例5〜12](芳香族ポリエーテル
ケトンの製造) 上記実施例1で得られた1,5−ビス(4−フルオロベ
ンゾイル)−2,6−ジメチルナフタレン3mmol
と、表2に示す〜の各種ジオール類のそれぞれの3
mmolとを炭酸カリウム20mmolの存在下で、N
−メチル−2−ピロリドン/トルエン混合溶媒中、13
8℃の温度で1時間、160℃で3時間加熱撹拌して縮
重合させた。得られた重合物をクロロホルムに溶解さ
せ、メタノール中に再沈殿させてポリマーを得た。これ
らのポリマーの分子量、ガラス転移温度、5%重量減少
温度を測定した結果、表3に示す通りであった。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】得られた重合体は、元素分析、1H−NM
R、 FT−IR等を測定しその構造を同定した。
【0049】(1)元素分析結果 実施例5 C:79.9wt% H: 4.6wt%
【0050】(2)1H−NMR(90MHz,CDC
3)(δppm) 実施例5 2.30(s,6H,Me) 7.07(d,4H,PhO) 7.15(d,4H,PhO) 7.27(d,2H,NaP) 7.51(d,2H,NaP) 7.84(m,8H,PhCO)
【0051】実施例6 2.27(s,6H,Me) 2.84(s,6H,Me) 6.95(d,4H,PhCMe2 ,Nap ) 7.24(d,4H,PhO) 7.50(d,2H,NaP) 7.77(d,2H,PhCO)
【0052】(3)FT−IR(neat) 実施例5〜7のポリマーについてFT−IR(nea
t)によりIRスペクトルを測定し、それぞれ図1〜図
3の結果が得られた。図1における1663cm-1、図
2における1667cm-1、図3における1665cm
-1の吸収はいずれも芳香族ポリケトン結合Ar−CO−
Arを、また図1における1242cm-1、図2におけ
る1244cm-1、図3における1244cm-1の吸収
と図1における1013cm-1、図2における1015
cm-1、図3における1011cm-1の吸収はいずれも
芳香族ポリエーテル結合Ar−O−Arを示すものであ
る。
【0053】この結果、得られたポリマーは1,5−ビ
ス(4−フルオロベンゾイル)−2,6−ジメチルナフ
タレンと、表2に示す〜の各種ジオール類との重縮
合反応によってエーテル結合が形成された芳香族ポリエ
ーテルケトンであることが確認された。
【0054】また得られたポリマーの各種溶媒に対する
溶解性を測定した。測定方法は溶媒10mlにポリマー
試料0.1gを浸漬し20℃で30分放置し、その溶解
性を目視により観察し、次の4段階で観察した。なお1
部の試料については加熱還流状態での溶解性を観察し
た。結果を表4に示す。括弧内は加熱還流状態での溶解
性である。 1:不溶 2:膨潤 3:一部溶解 4:溶解
【0055】
【表4】
【0056】[実施例13]ジオールとしてビスフェノ
ールAを用いた実施例6の芳香族ポリエーテルケトンの
製造において、反応溶媒をN−メチル−2−ピロリドン
/トルエン混合溶媒に代えて、スルホランまたはN,N
−ジメチルアセトアミドを用いた以外は、全く同様の方
法により重合させた。この結果、前者の溶媒では重量平
均分子量8.67×10 、後者の溶媒では11.4
×10 のポリマーが得られた。
【0057】[実施例14]実施例6の芳香族ポリエー
テルケトンの製造において、反応時間と温度の160℃
で3時間を、180℃で16時間とした以外は、全く同
様の方法により重合させた。この結果、重量平均分子量
が21.5×10 のポリマーが得られた。
【0058】[比較例]実施例6の芳香族ポリエーテル
ケトンの製造において、1,5−ビス(4−フルオロベ
ンゾイル)−2,6−ジメチルナフタレンに代えて、
2,6−ビス(4−フルオロベンゾイル)ナフタレンを
用いた以外は、全く同様の方法により重合させた。この
結果、ガラス転移温度185℃のポリマーが得られた。
このポリマーは表4に挙げた溶媒に対しては、不溶であ
った。
【0059】以上の結果から、本発明のポリマーは、比
較例のポリマーに比べ耐熱性に優れ、しかも汎用有機溶
媒に対する溶解性に優れることから、溶解成型が容易で
あると言える。
【0060】
【発明の効果】本発明の新規なジベンゾイルナフタレン
誘導体は、高いガラス転移温度や機械的強度を有するス
ーパーエンプラを得るためのモノマーとして極めて有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリエーテルケトン(実施例5)のF
T−IR吸収スペクトルである。
【図2】本発明のポリエーテルケトン(実施例6)のF
T−IR吸収スペクトルである。
【図3】本発明のポリエーテルケトン(実施例7)のF
T−IR吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−227927(JP,A) 特開 平4−214723(JP,A) 特開 平3−121125(JP,A) 特開 平3−192119(JP,A) 特表 平3−501864(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/40 - 65/42 C07C 49/813 CA(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、Xはフッ素または塩素原子を、R1 〜R4 は水
    素または低級アルキル基を示し、これらのうち少なくと
    も1つは低級アルキル基である)で表されるジベンゾイ
    ルナフタレン誘導体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1 〜R4 は水素または低級アルキル基を示
    し、これらのうち少なくとも1つは低級アルキル基であ
    る)で表されるナフタレン化合物をルイス酸触媒の存在
    下に下記一般式(3) 【化3】 (式中、Xはフッ素または塩素原子を、Yは塩素または
    臭素原子を示す)で表されるハロゲン化安息香酸ハライ
    ドと反応させることを特徴とする請求項1に記載のジベ
    ンゾイルナフタレン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(4) 【化4】 [式中、Ar はフェニレン、ナフチレン、ビナフチル
    又は下記一般式(5) 【化5】 (式中、Xはフェニレン、アルキレン、アルキリデン、
    フェニレンジアルキル、ビス(トリフルオロメチル)メ
    チン、オキシ、チオ、スルホニル又はカルボニル基であ
    り、nは0又は1である。)で表わされる2価の芳香族
    基である]で表される繰り返し単位から成る芳香族ポリ
    エーテルケトン。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のジベンゾイルナフタレン
    誘導体と下記一般式(6) HO−Ar −OH (6) (但しAr は式(4)において定義された2価の芳香
    族基である。)を有する芳香族ジヒドロキシ化合物とを
    重縮合させることを特徴とする請求項3記載の芳香族ポ
    リエーテルケトンの製造方法。
JP33916293A 1992-12-14 1993-12-06 新規なジベンゾイルナフタレン誘導体及びそれを含む重合体並びにその製造方法 Expired - Fee Related JP3294930B2 (ja)

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