JP2005279416A - 保護被膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐擦傷性に優れた無機系の透明な保護被膜を短時間で形成できる方法を提供する。
【解決手段】アルコキシシリル基を分子内に有するシロキサン化合物(A)と、活性エネルギー線感応性カチオン重合開始剤(B)とを含有する組成物を基材に塗布し、活性エネルギー線を照射して保護被膜を形成する方法において、活性エネルギー線照射の前に予備加熱を行うことを特徴とする保護被膜形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐擦傷性に優れた無機系の保護被膜を短時間で形成する方法に関する。
近年、透明ガラスの代替として、耐破砕性、軽量性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明プラスチック材料が広く使用されるようになってきた。しかし、透明プラスチック材料はガラスに比較して表面硬度が低いので、表面に傷を受け易いという問題を有している。
そこで、従来よりプラスチック材料の耐擦傷性を改良すべく多くの試みがなされてきた。最も一般的な方法の一つとして、アルコキシシラン化合物の加水分解とそれに続く縮合反応を利用して、基材表面にシロキサン結合を有する無機系高分子からなる保護被膜を形成する方法が広く知られている(特許文献1、2参照)。しかし、これらの方法では、保護被膜を形成する為に数十分から数時間もの加熱時間が必要となるので生産性の点で問題がある。
これらの問題を解決するために、例えば、シロキサン骨格を有する直鎖型無機系オリゴマー(アルキルシリケート類)とカチオン重合開始剤を必須成分として含有し、活性エネルギー線照射により硬化して短時間で保護被膜を形成する組成物が提案されている(特許文献3参照)。具体的には、このような組成物を基材に塗布し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することでカチオン重合開始剤より発生する酸を触媒として、アルキルシリケート類のアルコキシシリル基よりアルコールが脱離し、さらにシロキサン結合が形成されて硬化被膜が形成される。しかし、この方法によれば短時間の被膜形成が可能であるが、活性エネルギー線の照射方法によっては得られる硬化被膜の物性が大きく変わり、耐擦傷性等の物性が発現されない場合がある。
特開昭48−26822号公報 特開昭55−94971号公報 特開2001−348515号公報
本発明は、上述の従来技術における問題を解決するためになされたものである。すなわち本発明の目的は、耐擦傷性に優れた無機系の透明な保護被膜を短時間で形成できる方法を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、活性エネルギー線照射の前に予備加熱を行うことで得られる硬化被膜の物性が著しく向上し、かつ安定した被膜性能が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、アルコキシシリル基を分子内に有するシロキサン化合物(A)と、活性エネルギー線感応性カチオン重合開始剤(B)とを含有する組成物を基材に塗布し、活性エネルギー線を照射して保護被膜を形成する方法において、活性エネルギー線照射の前に予備加熱を行うことを特徴とする保護被膜形成方法である。
本発明においては、活性エネルギー線照射の前に被膜に対して予備加熱を行うことにより、活性エネルギー線照射による被膜の硬化効率が良くなり、耐擦傷性に優れた無機系の透明な保護被膜を短時間で形成できる。
本発明で使用するアルコキシシリル基を分子内に有するシロキサン化合物(A)は、アルコキシシリル基を分子内に含有し、さらに分子内にシロキサン結合を有する化合物であれば、特にその構造は制限されない。
アルコキシシリル基としては、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基、プロピルオキシシリル基が挙げられる。アルコキシシリル基間でのシロキサン結合の形成速度の点から、メトキシシリル基、エトキシシリル基が好ましく、特にメトキシシリル基がより好ましい。
シロキサン化合物(A)の分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量で500〜50,000の範囲内であることが好ましい。これを500以上とすることで、組成物の成膜性を向上できると共に、得られる被膜の耐擦傷性を向上できる。また、50,000以下とすることで、得られる硬化被膜の均一性と透明性を高めることができる。特に、この重量平均分子量は800〜10,000の範囲内であることがより好ましい。
シロキサン化合物(A)としては、例えば、各種の市販品、アルキルシリケート類、アルコキシシリル基含有オルガノシロキサン類をそのまま利用することもできるし、各種のアルコキシシラン類、シランカップリング剤、アルキルシリケート類、アルコキシシリル基含有オルガノシロキサン類を原料として加水分解、縮合により合成したシロキサン化合物を使用することも可能である。
シロキサン化合物(A)の具体例としては、メチルシリケート類、エチルシリケート類、メトキシシリル基含有オルガノシロキサン類、エトキシシリル基含有オルガノシロキサン類等が挙げられる。特に、アルコキシシリル基同士が結合してシロキサン結合を形成する反応の容易さから、メチルシリケート類、メトキシシリル基含有オルガノシロキサン類が好ましい。
メチルシリケート類の市販品としては、例えば、メチルシリケート51(コルコート株式会社製、テトラメトキシシラン縮合体、平均4量体)、メチルシリケート53A(コルコート株式会社製、テトラメトキシシラン縮合体、平均7量体)、MKCシリケートMS51(三菱化学(株)製、平均分子量500〜700)、MKCシリケートMS56(三菱化学(株)製、平均分子量1,100〜1,300)、MKCシリケートMS57(三菱化学(株)製、平均分子量1,300〜1,500)、MKCシリケートMS56S(三菱化学(株)製、平均分子量1,500〜1,900)等が挙げられる(以上、全て商品名)。
メトキシシリル基含有オルガノシロキサン類の市販品としては、例えば、シリコーンレジンSR24O2、DC3074、DC3037(以上全て東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、商品名)、シリコーンアルコキシオリゴマーKC−89S、KR−500、KR−510、X−41−1053、X−41−1056(以上全て信越化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
シロキサン化合物(A)は、1種類を単独で利用することもできるし、複数種を混合して使用することもできる。
本発明で使用する活性エネルギー線感応性カチオン重合開始剤(B)は、可視光線、紫外線、熱線などの活性エネルギー線により酸を発生し、シロキサン化合物(A)間に縮合反応によるシロキサン結合を生成させる為の化合物である。中でも、活性が高い点、プラスチック材料に熱劣化を与えない点から、可視光線や紫外線の照射で酸を発生する光感応性カチオン重合開始剤が好ましい。
光感応性カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、モノアリールジアルキルスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩、アリールジアゾニウム塩等が好ましいものとして挙げられる。ジアリールヨードニウム塩の具体例としては、イルガキュア250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名)等が挙げられる。トリアリールスルホニウム塩の具体例としては、アデカオプトマーSP−150、SP−170(以上、旭電化工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
活性エネルギー線感応性カチオン性重合開始剤(B)の配合量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、0.01〜10質量部の範囲内が好ましい。0.01質量部以上であれば、活性エネルギー線の照射によって被膜を十分に硬化できる。また、10質量部以下であれば、硬化して得られる保護被膜の着色や、表面硬度、耐擦傷性の低下を抑制できる。さらに、硬化性が良好である点、良好な性能の保護被膜が得られる点から、その配合量は0.05〜5質量部の範囲内がより好ましい。
本発明で使用する組成物には、発明の効果を妨げない範囲内で、他の反応性化合物を含有させることもできる。例えば、分子内にグリシジル基を有するエポキシ化合物は、活性エネルギー線感応性カチオン重合開始剤(B)により重合可能な化合物であり、これを(A)成分および(B)成分と共に組成物に含有させれば、さらに透明で外観良好な硬化被膜を得ることができる。また、分子内に例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アリル基等の重合性二重結合基を有するビニル化合物を組成物に含有させることも可能である。その場合は、活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤を併用することが好ましい。
本発明で使用する組成物には、固形分濃度調整、分散安定性向上、塗布性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有させてもよい。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類、芳香族化合物類などが挙げられる。
具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
有機溶剤の含有量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対して0〜1,000質量部の範囲内が好ましい。これが1,000質量部以下であれば、固形分が低くなりすぎて塗膜が薄くなるという問題が生じ難くなり、耐擦傷性が良好な保護被膜が得られる傾向にある。さらに好ましくは、0〜500質量部である。
本発明で使用する組成物には、その他、必要に応じて、ポリマー微粒子、コロイド状シリカ、コロイド状金属、光増感剤(例えば、アントラセン系化合物、チオキサントン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタレン系化合物、ピレン系化合物等)、充填剤、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、ゲル粒子、微粒子粉などを配合してもよい。
本発明においては、この組成物を、例えば、プラスチック等からなる基材の表面に塗布し(被膜厚0.5〜100μm程度)、次いで予備加熱を行い、その後活性エネルギー線を照射して硬化させて、保護被膜を形成する。さらに活性エネルギー線の照射中あるいは照射後に加熱してもかまわない。
組成物の塗布は、従来から公知の方法、例えば、スプレー、ロールコーター、グラビアコーター、フレキソ、スクリーン、スピンコーター、フローコーター等で行うことができる。
本発明においては、活性エネルギー線照射の前に予備加熱を行う。この予備加熱によって、その後に行う活性エネルギー線照射による硬化の効率が良くなる。その理由は、予備加熱によって基材上に塗布された被膜中の溶剤をある程度除くことができ、これにより活性エネルギー線を照射した際に起こるシロキサン化合物(A)中のアルコキシシリル基からのアルコールの脱離が効率よく進行し、さらにシロキサン結合の生成も効率良く進行するからであると考えられる。
予備加熱の方法は、特に制限されない。例えば熱風炉、電気炉、蒸気乾燥炉、赤外線照射、誘導加熱などを用いることができる。加熱温度は、特に制限されないが、アルコキシシリル基の対応するアルキルアルコール(例えばメトキシシリル基の場合はメタノール)の沸点以上とすることが好ましい。また、基材の耐熱温度未満とすることが好ましい。予備加熱の際は、熱風を循環させてもよいし、減圧条件下に加熱してもよい。
活性エネルギー線としては、例えば、真空紫外線、紫外線、可視光線、近赤外線、赤外線、遠赤外線などを用いることができる。中でも、紫外線や可視光線を、光感応性のカチオン重合開始剤と組み合わせて使用することが、硬化速度の速い点、基材の熱劣化が比較的少ない点から好ましい。具体例としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマーレーザー、太陽光などを光源とする活性エネルギー線が挙げられる。
活性エネルギー線は、一種類を単独で使用しても良いし、異なるものを複数種使用しても良い。異なる複数種の活性エネルギー線を使用する場合は、同時に照射しても良いし、順番に照射しても良い。
本発明において、組成物は、例えば、金属、缶、プラスチック、紙、木質材、無機質材、電着塗装板、ラミネート板、PET、ポリオレフィン等のフィルムなどからなる基材に対して、塗料材やインキ材として塗布でき、これを硬化することにより基材の上に保護被膜を形成することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に述べるが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の記載において「部」は「質量部」を示す。
<実施例1>
[シロキサン化合物(OS−1)の合成]
シリカ換算濃度53質量%のメチルシリケート(コルコート株式会社製、平均約7量体、平均分子量約789、商品名メチルシリケート53A)10.0部、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、分子量136)10.0部に、イソプロピルアルコール10.0部を加えて攪拌し、均一な溶液とした。さらに、水10.0部を加え、攪拌しつつ80℃で2時間加熱して加水分解を行った。その後、温度を25℃まで冷却し、24時間攪拌して縮合を進行させた。さらに、ろ紙(アドバンテック東洋株式会社製、No.1ろ紙)を用いてろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコールを加えて全体を40.0部とすることによって、シロキサン化合物(略称OS-1)溶液40.0部を得た。
[コーティング用組成物の調製]
(A)成分として合成して得られたシロキサン化合物(OS−1)溶液40.0部、(B)成分としてヨードニウム,(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)のプロピレンカーボネート溶液(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名IRGACURE250、略称CI)0.2部、レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤(日本ユニカー株式会社製、商品名L−7001)0.01部、溶媒としてイソプロピルアルコール10.0部、γ−ブチロラクトン15.0部、ブチルセロソルブ10.0部を混合し、コーティング用組成物とした。
[被膜の形成]
このコーティング用組成物を、長さ10cm、幅10cm、厚み3mmのアクリル板(三菱レイヨン株式会社製、アクリライト(登録商標)EX)上に適量滴下し、バーコーティング法(バーコーターNo.50使用)にて塗布し、室温で約30分自然乾燥した。
[被膜の予備加熱および硬化]
次に、乾燥機にて70℃で20分間予備加熱を行った。さらに、高圧水銀灯(株式会社オーク製作所製、紫外線照射装置、ハンディーUV−1200、QRU−2161型)にて、約3,000mJ/cm2の紫外線を照射し、膜厚4.7μmの硬化被膜を得た。なお、紫外線照射量は、照度・光量計(株式会社オーク製作所製、UV−351型)にて測定した。
[被膜の評価]
得られた硬化被膜(保護被膜)を、以下の方法により評価した。
1)外観
目視にて硬化被膜を有するアクリル板の透明性、クラック、白化の有無を観察し、以下の基準で評価した。
「○」:透明でクラック、白化の欠陥の無いもの(良好)。
「×」:不透明な部分のあったもの、クラック、白化等の欠陥があったもの(不良)。
2)膜厚
硬化被膜を有するアクリル板の断面を走査型電子顕微鏡で観察し膜厚を測定した。
3)耐擦傷性
硬化被膜を有するアクリル板の表面を、#000スチールウールで、9.8×104Paの圧力を加えて10往復擦り、1cm×3cmの範囲に発生した傷の程度を観察し、以下の基準で評価した。
「A」:ほとんど傷が付かない。
「B」:1〜9本のキズがつく。光沢面あり。
「C」:10〜99本のキズがつく。光沢面あり。
「D」:100本以上のキズがつく。光沢面あり。
「E」:光沢面が無くなる。
その結果、本実施例の硬化被膜は、良好な外観、耐擦傷性を有していた。結果を表1に示す。
<実施例2>
(A)成分として、分子内にメトキシシリル基を含有し、さらにエポキシ基を含有するオルガノシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名X−41−1056、メトキシ基量17質量%、エポキシ当量280g/mol、略称OS−2)20.0部を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により、組成物の調製、被膜の形成、予備加熱、硬化、評価を実施した。結果を表1に示す。
<実施例3>
(A)成分として、シリカ換算濃度53質量%のメチルシリケート(コルコート株式会社製、平均約7量体、平均分子量約789、商品名メチルシリケート53A、略称MS-1)20.0部を使用し、さらに他の成分として、脂環式2官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業株式会社製、製品名セロキサイド2021P、略称EP)5.0部を加えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、組成物の調製、被膜の形成、予備加熱、硬化、評価を実施した。結果を表1に示す。
<比較例1>
予備加熱を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により、組成物の調製、被膜の形成、硬化、評価を実施した。硬化被膜の耐擦傷性は、実施例1よりも劣っていた。結果を表2に示す。
<比較例2>
予備加熱は行わず、その代わりに紫外線照射により得た硬化被膜に対して70℃で20分間の後加熱を行ったこと(実施例1の予備加熱と同じ温度および時間)以外は、実施例1と同様の方法により、組成物の調製、被膜の形成、硬化、評価を実施した。この後加熱では、被膜の耐擦傷性の向上は見られなかった。結果を表2に示す。
<比較例3>
予備加熱を行わなかったこと以外は、実施例2と同様の方法により、組成物の調製、被膜の形成、硬化、評価を実施した。硬化被膜の耐擦傷性は、実施例2よりも劣っていた。結果を表2に示す。
<比較例4>
予備加熱を行わなかったこと以外は、実施例3と同様の方法により、組成物の調製、被膜の形成、硬化、評価を実施した。硬化被膜の耐擦傷性は、実施例3よりも劣っていた。結果を表2に示す。
Figure 2005279416
Figure 2005279416
表1、2中の略号
「OS−1」:シリカ換算濃度53質量%のメチルシリケート(コルコート株式会社、商品名メチルシリケート53A)とメチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、分子量136)を加水分解、縮合して得たシロキサン化合物
「OS−2」:メトキシ基量17質量%、エポキシ当量280g/molのオルガノシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名X−41−1056)
「MS−1」:シリカ換算濃度53質量%のメチルシリケート(コルコート株式会社、商品名メチルシリケート53A)
「CI」:光カチオン重合開始剤、ヨードニウム,(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]-ヘキサフルオロフォスフェート(1-)のプロピレンカ―ボネート溶液(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製、商品名IRGACURE250)
「EP」:脂環式2官能エポキシ化合物(ダイセル化学工業株式会社製、商品名セロキサイド2021P)

Claims (1)

  1. アルコキシシリル基を分子内に有するシロキサン化合物(A)と、活性エネルギー線感応性カチオン重合開始剤(B)とを含有する組成物を基材に塗布し、活性エネルギー線を照射して保護被膜を形成する方法において、
    活性エネルギー線照射の前に予備加熱を行うことを特徴とする保護被膜形成方法。
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JP2016008279A (ja) * 2014-06-25 2016-01-18 味の素株式会社 樹脂組成物

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