JP5207280B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物、硬化被膜の形成方法及び積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物、硬化被膜の形成方法及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は活性エネルギー線硬化性組成物、その硬化被膜の形成方法及び硬化被膜を基材の表面に有する積層体に関する。
近年、透明ガラスの代替として、耐破砕性及び軽量性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明プラスチック材料が広く使用されるようになってきた。しかしながら、透明プラスチック材料はガラスに比較して表面硬度が低いので、表面に傷を受け易いという問題を有している。
そこで、従来からプラスチック材料の耐擦傷性を改良すべく多くの試みがなされてきた。これらの中で、最も一般的な方法の一つとして、アルコキシシラン化合物の加水分解とそれに続く縮合反応を利用して、基材表面にシロキサン結合を有する無機系高分子からなる組成物から得られる保護被膜を形成する方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。しかしながら、これらの方法では、保護被膜を形成するために数十分から数時間もの加熱時間が必要となるので生産性の点で問題を有している。
これらの問題を解決するために、例えば、分子内にシロキサン骨格を有し、且つ反応性のシラノール基、アルコキシシラン基等を有するシロキサンオリゴマーと活性エネルギー線感応性カチオン重合開始剤を必須成分として含有し、活性エネルギー線照射により硬化して短時間で保護被膜を形成する組成物が提案されている(特許文献3及び4参照)。
具体的には、このような組成物を基材に塗付し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより、カチオン重合開始剤より発生する酸を触媒として、シラノール基、アルコキシシリル基等の間にシロキサン結合が形成されて硬化し、保護被膜が形成される。この方法によれば、短時間に被膜形成が可能であるが耐擦傷性が十分でないという問題、又は耐擦傷性を良好にする硬化条件にした場合には保護被膜が着色し易いという問題があった。
特開昭48−26822号公報 特開昭55−94971号公報 特開昭53−97098号公報 特開昭56−106958号公報
本発明の目的は、低着色で耐擦傷性等の被膜性能に優れた無機系の透明な硬化被膜を短時間で形成可能な活性エネルギー線硬化性組成物、その硬化被膜の形成方法及び硬化被膜を基材の表面に有する積層体を提供することである。
本発明の要旨とするところは、シロキサンオリゴマー(A)及び下記一般式(1)で表
される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を含有し、前記シロキサンオリゴマー(A)が、下記一般式(2)で表されるアルコキシシラン類から選ばれる1種以上の化合物及び一般式(3)で表されるアルキルシリケート類から選ばれる1種以上の化合物の加水分解・縮合物である、活性エネルギー線硬化性組成物を第1の発明とする。

Figure 0005207280
(式中、Rは水素又は炭素数1〜10の1価の有機基を表す。Rは2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有する芳香族炭化水素基を、Rは1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有する芳香族炭化水素基を表す。XはSbF 、PF 又はCFSO から選択されるものを表す。)
Figure 0005207280
(式中、Rは炭素数1〜10の1価の有機基を表す。Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基を表す。aは0〜3のいずれかの整数を表す。)
Figure 0005207280
(式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基を表す。nは2〜20のいずれかの整数を表す。)
また、本発明の要旨とするところは、前述の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗付し、活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成する硬化被膜の形成方法を第2の発明とする。
更に、本発明の要旨とするところは、前述の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体を第3の発明とする。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、短時間で硬化することができ、且つ低着色で耐擦傷性に優れた硬化被膜が得られることから、幅広い基材及び用途に適用することができる。
シロキサンオリゴマー(A)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中にはシロキサンオリゴマー(A)が含有される。
本発明で使用されるシロキサンオリゴマー(A)は、シロキサン結合を主骨格とし、光照射により酸発生剤から発生する酸を触媒として縮合可能なシラノール基又はアルコキシシリル基を分子内に含有するオリゴマーである。オリゴマーに含まれるシラノール基は、シラノール基又はアルコキシシリル基と縮合してシロキサン結合を形成する。また、オリゴマーに含まれるアルコキシシリル基はシラノール基と直接縮合するか、又は、アルコキシシリル基を一旦加水分解してシラノール基とした後にシラノール基又はアルコキシシリル基と縮合させてシロキサン結合を形成することができる。
アルコキシシリル基としては、例えば、メトキシシリル基、エトキシシリル基及びプロピルオキシシリル基が挙げられる。これらの中で、加水分解速度、縮合速度が速い点でメトキシシリル基及びエトキシシリル基が好ましい。
シロキサンオリゴマー(A)の分子量は特に限定されないが、質量平均分子量で500〜50,000が好ましい。シロキサンオリゴマー(A)の質量平均分子量を500以上とすることで活性エネルギー線硬化性組成物の成膜性を向上することができると共に、得られる硬化被膜の耐擦傷性を向上することができる。また、シロキサンオリゴマー(A)の質量平均分子量を50,000以下とすることで得られる硬化被膜の均一性と透明性を高めることができる。
シロキサンオリゴマー(A)は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
シロキサンオリゴマー(A)は市販のものをそのまま使用することもできるし、各種オルガノシラン類、アルキルシリケート類等を原料として加水分解・縮合により合成したものを使用することもできる。
本発明においては、シロキサンオリゴマー(A)として、加水分解又は縮合時に生成するアルコールやカルボン酸の沸点が低い点で、下記一般式(2)で表されるアルコキシシラン類及び下記一般式(3)で表されるアルキルシリケート類から選ばれる1種以上の化合物の加水分解・縮合物が好ましい。
Figure 0005207280
(式中、Rは炭素数1〜10の1価の有機基を表す。Rは炭素数1〜5のアルキル基
又は炭素数1〜4のアシル基を表す。aは0〜3の整数を表す。)

Figure 0005207280
(式中、R、R、R及びRは独立して炭素数1〜5のアルキル基を表す。nは2〜20のいずれかの整数を表す。)
一般式(2)で表されるアルコキシシラン類
一般式(2)で表されるアルコキシシラン類としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、p−ビニルフェニレントリメトキシシラン、p−ビニルフェニレントリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが挙げられる。
これらの中で、アルコキシシラン類の加水分解・縮合反応が速い点で、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが好ましい。
アルコキシシラン類は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
一般式(3)で表されるアルキルシリケート類
一般式(3)で表されるアルキルシリケート類としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、イソブチルシリケート及びn−ブチルシリケートが挙げられる。
これらの中で、アルキルシリケート類の加水分解・縮合反応が速い点で、R〜Rの全てがメチル基を表すメチルシリケート及びR〜Rの全てがエチル基を表すエチルシリケートが好ましい。
アルキルシリケート類は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
酸発生剤(B)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中には前記の一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)が含有される。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を用いることで、活性エネルギー線照射により短時間に効率よくシロキサン系の無機硬化被膜を形成することができる。
一般式(1)中のXとしては、例えば、SbF 、PF 、AsF 、BF 、CFSO 及びCSO が挙げられる。
これらの中で、一般式(1)中のXとしては、アニオン活性の点でSbF 、PF 及びCFSO が好ましい。
酸発生剤(B)としては、例えば、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、(4−エトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−エトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−エトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−プロポキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−プロポキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−プロポキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−オクチロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−オクチロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−ヒドロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート及び(4−ヒドロキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
これらの中で、光照射による活性エネルギー線硬化性組成物の硬化速度の速い点や得られる硬化被膜の耐擦傷性の点で、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−エトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート及び(4−エトキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートが好ましい。
酸発生剤(B)は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
これらの酸発生剤(B)は、J.V.Crivello、J.L.Leeらによる方法(Journal of Polymer Science Part A:Polymer Chemistry Volume 27,Issue 12,3951−3968)等の公知の方法により製造することができる。
また、酸発生剤(B)として市販品を購入して使用することもできる。酸発生剤(B)の市販品としては、例えば、「MPI−103」、「MPI−105」及び「MPI−109」(以上、みどり化学(株)製、商品名)が挙げられる。
酸発生剤(B)の配合量は特に限定されないが、シロキサンオリゴマー(A)100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。酸発生剤(B)の配合量が0.01質量部以上で、活性エネルギー線硬化性組成物が光照射によって短時間に硬化し、良好な硬化被膜が得られる傾向にある。また、酸発生剤(B)の配合量が10質量部以下で、得られる硬化被膜の着色が特に少なく、且つ硬化被膜の表面硬度や耐擦傷性が良好となる傾向にある。本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物の硬化性及び硬化被膜の物性の点で、酸発生剤(B)の配合量はシロキサンオリゴマー(A)100質量部に対して0.05〜5質量部がより好ましい。
活性エネルギー線硬化性組成物
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物はシロキサンオリゴマー(A)及び一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を含有するが、固形分濃度調整、分散安定性向上、塗付性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有することができる。
有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類及び芳香族化合物類が挙げられる。
有機溶媒の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−(メトキシメトキシ)エチルアルコール、2−ブトキシエチルアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、1−エトキシ−2−プロピルアルコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。これらの有機溶媒は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
有機溶剤の配合量はシロキサンオリゴマー(A)100質量部に対して0〜5,000質量部が好ましく、0〜1,000質量部がより好ましい。有機溶剤の配合量が1,000質量部以下で、固形分が低くなりすぎて塗膜が薄くなるという問題が生じ難くなり、耐擦傷性が良好な硬化被膜が得られる傾向にある。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて、高分子化合物、コロイド状シリカ、コロイド状金属、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
基材
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は塗装材やインキ材等として基材の表面に塗付された後に、活性エネルギー線の照射により硬化される。
本発明に使用される基材としては、例えば、金属板、金属缶等の金属材料、紙、木質材等の天然材料、セラミック等の無機質材、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等のプラスチック成形物、PET、ポリオレフィン等のフィルム及び電着塗装板、ラミネート板等の複合材料が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を基材の表面に塗付する方法としては、例えば、スプレー法、ロールコーター法、グラビアコーター法、フレキソ法、スクリーン法、スピンコーター法、フローコーター法、静電塗装法等の公知の方法が挙げられる。
硬化被膜
本発明においては、基材の表面に塗付された活性エネルギー線硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することにより硬化被膜が形成される。
本発明に使用される活性エネルギー線としては、例えば、真空紫外線、紫外線及び可視光線が挙げられる。
活性エネルギー線の具体例としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ、エキシマーレーザー及び太陽光を光源とする光が挙げられる。
これらの中で、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯及びメタルハライドランプを光源とした光が好ましい。
活性エネルギー線は1種を単独で、又は2種以上を併用して使用できる。
活性エネルギー線の照射量としては、例えば、紫外線を照射する場合においては、積算光量が100〜5,000mJ/cmが好ましい。積算光量が少ないと硬化不足になり易く、積算光量が多いと硬化被膜の着色が目立つようになる。
本発明においては、活性エネルギー線硬化性組成物を活性エネルギー線照射により硬化する際に、必要に応じて加熱硬化と併用することができる。
加熱硬化を併用する際の加熱時期としては、必要に応じて、活性エネルギー線照射前、活性エネルギー線照射と同時又は活性エネルギー線照射後のいずれかの時期から選ばれる少なくとも1時期を選択することができる。
加熱方法としては、例えば、赤外線ヒーターによる照射法及び熱風による循環加熱法が挙げられる。
加熱温度としては、例えば、活性エネルギー線硬化性組成物の温度が50〜100℃となる温度が好ましい。活性エネルギー線照射後に加熱する場合は、硬化物の温度が50〜100℃となることが好ましい。また、加熱時間としては、活性エネルギー線照射前に加熱する場合は1〜20分間、活性エネルギー線照射と同時に加熱する場合は0.2〜10分間、及び活性エネルギー線照射後に加熱する場合は1〜60分間が好ましい。
本発明においては、硬化被膜の厚みは特に限定されないが、通常、0.5〜100μm程度である。
積層体
本発明の積層体は活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜が基材の表面に積層されたものであり、用途に応じて適正な基材を選択することにより種々の用途に適用することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。以下の記載において「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
[合成例1]シロキサンオリゴマー(A1)の合成
撹拌機付き反応容器中に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)24.52g、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量198.3)3.97g及びイソプロピルアルコール8.5gを加え、攪拌して均一な溶液とした。次いで、反応容器中に水21.6gを加え、攪拌しながら80℃で9時間加熱することにより加水分解・縮合を行った。更に、反応容器中にイソプロピルアルコールを追加して全体を73.2gとし、固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A1)の溶液を得た。シロキサンオリゴマー(A1)のGPCによる質量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による質量平均分子量は約1,500であった。
尚、本発明において、固形分濃度とは、完全に加水分解・縮合した場合に得られるシロキサンオリゴマー量の溶液全体に対する算出した質量分率を意味する。
[合成例2]シロキサンオリゴマー(A2)の合成
撹拌機付き反応容器中に、シリカ換算濃度51%のメチルシリケート(コルコート(株)製、平均4量体、分子量(平均値)470.7、商品名:メチルシリケート51)9.41g、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)24.52g及びイソプロピルアルコール6.9gを加え、攪拌して均一な溶液とした。次いで、反応容器中に水26.6gを加え、攪拌しながら80℃で3時間加熱することにより加水分解・縮合を行った。更に、反応容器中にイソプロピルアルコールを追加して全体を84.3gとし、固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A2)の溶液を得た。シロキサンオリゴマー(A2)のGPCによる質量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による質量平均分子量は約4,300であった。
参考例1]
(1)活性エネルギー線硬化性組成物の調製
撹拌機付き容器中に、シロキサンオリゴマー(A)として合成例1で得られた固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A1)の溶液500部(固形分として100部)に、酸発生剤(B)として(4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(みどり化学(株)製、商品名:MPI−105)の50%γ−ブチロラクトン溶液4部(固形分として2部)、溶媒としてイソプロピルアルコール100部、γ−ブチロラクトン150部及びブチルセロソルブ100部、レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤(東レダウコーニング(株)製、商品名:L−7001)0.1部を添加し、混合して活性エネルギー線硬化性組成物(1)を得た。
(2)活性エネルギー線硬化性組成物の基材の表面への塗付膜の形成
基材として、長さ10cm、幅10cm及び厚み3mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトEX)を使用し、この表面に、乾燥後の厚みが3〜4μmになるように上記(1)で調整した活性エネルギー線硬化性組成物(1)を適量滴下した後、バーコーティング法(バーコーターNo.26使用)にて塗付し、室温で約60分間自然乾燥し、基材の表面に活性エネルギー線硬化性組成物(1)の塗付膜を形成させた。
(3)硬化被膜を有するアクリル板の積層体の形成
上記(2)で得られた、表面に活性エネルギー線硬化性組成物(1)の塗付膜を形成させた基材を、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU−2161型)を用いて、積算光量3,000mJ/cmとなるように紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて90℃で20分間加熱し、アクリル板の表面に硬化被膜を形成し、アクリル板の積層体を得た。
尚、積算光量は紫外線光量計((株)オーク製作所製、商品名:UV−351型)を用いて測定した。
(4)硬化被膜の評価
得られた硬化被膜を以下の方法により評価した。得られた硬化被膜は外観、耐擦傷性、鉛筆硬度、基材密着性及び黄色度のいずれも良好であった。評価結果を表1に示す。
(4−1)外観
表面に硬化被膜を形成させたアクリル板の積層体の透明性、クラック及び白化の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:透明で、クラック及び白化も認められなかった。
×:不透明な部分が認められた、又はクラック若しくは白化が認められた。
(4−2)耐擦傷性
表面に硬化被膜を形成させたアクリル板の積層体の硬化被膜を有する表面を#0000のスチールウールで9.8×10Paの圧力を加えて10往復擦り、1×1cmの範囲に生じたキズの本数により以下の基準で評価した。
A :キズ0本(光沢面あり)
B :キズ1〜9本(光沢面あり)
C+:キズ10〜49本(光沢面あり)
C−:キズ50〜99本(光沢面あり)
D :キズ100本以上(光沢面あり)
E :光沢面が消失
(4−3)鉛筆硬度
硬化被膜の鉛筆硬度をJIS−K5600−5−4;引っかき硬度(鉛筆法)に準じて評価した。
(4−4)基材密着性
アクリル板の積層体の表面の硬化被膜に、カミソリの刃で1mm間隔に縦横11本ずつのアクリル板の表面まで達する切れ目を入れて100個のマス目を作り、セロハンテープを良く密着させた後、45度手前方向に急激に剥がし、硬化被膜が剥離せずに残存したマス目数を計測して、以下の基準で評価した。
○:剥離したマス目がない(密着性良好)。
△:剥離したマス目が1〜5個(密着性中程度)。
×:剥離したマス目が6個以上(密着性不良)。
(4−5)黄色度
黄色度(YI)は日本電色工業(株)製NDR2000(商品名)を使用して測定し、次式により硬化被膜の黄色度を求め、以下の基準で評価した。
(硬化被膜の黄色度)=(アクリル板の積層体の黄色度)−(アクリル板の黄色度)
○:黄色度が1.0以下(良好)。
×:黄色度が1.0を超える(不良)。
[実施例2、比較例1及び2]
シロキサンオリゴマー(A)及び酸発生剤として表1に記載のものを配合する以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物の調製、活性エネルギー線硬化性組成物の基材の表面への塗付膜の形成、硬化被膜の形成及び硬化被膜の評価を実施した。評価結果を表1に示した。
Figure 0005207280
A1:合成例1で得た固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A1)の溶液
A2:合成例2で得た固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A2)の溶液
B1:(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートの50%γ−ブチロラクトン溶液
B’1:ヨードニウム、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)の75%プロピレンカーボネート溶液(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:IRGACURE250)
B’2:ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェートの50%γ−ブチロラクトン溶液

Claims (3)

  1. シロキサンオリゴマー(A)及び下記一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を含有し、前記シロキサンオリゴマー(A)が、下記一般式(2)で表されるアルコキシシラン類から選ばれる1種以上の化合物及び一般式(3)で表されるアルキルシリケート類から選ばれる1種以上の化合物の加水分解・縮合物である、活性エネルギー線硬化性組成物。
    Figure 0005207280
    (式中、Rは水素又は炭素数1〜10の1価の有機基を表す。Rは2価の芳香族炭化水素基又は置換基を有する芳香族炭化水素基を、Rは1価の芳香族炭化水素基又は置換基を有する芳香族炭化水素基を表す。XはSbF 、PF 又はCFSO から選択されるものを表す。)
    Figure 0005207280
    (式中、Rは炭素数1〜10の1価の有機基を表す。Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基を表す。aは0〜3のいずれかの整数を表す。)
    Figure 0005207280
    (式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜5のアルキル基を表す。nは2〜20のいずれかの整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗付し、活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成する硬化被膜の形成方法。
  3. 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体。
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