JP5207280B2 - 活性エネルギー線硬化性組成物、硬化被膜の形成方法及び積層体 - Google Patents
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される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を含有し、前記シロキサンオリゴマー(A)が、下記一般式(2)で表されるアルコキシシラン類から選ばれる1種以上の化合物及び一般式(3)で表されるアルキルシリケート類から選ばれる1種以上の化合物の加水分解・縮合物である、活性エネルギー線硬化性組成物を第1の発明とする。
また、本発明の要旨とするところは、前述の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗付し、活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成する硬化被膜の形成方法を第2の発明とする。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中にはシロキサンオリゴマー(A)が含有される。
一般式(2)で表されるアルコキシシラン類
一般式(2)で表されるアルコキシシラン類としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、p−ビニルフェニレントリメトキシシラン、p−ビニルフェニレントリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン及びジメチルジエトキシシランが挙げられる。
一般式(3)で表されるアルキルシリケート類としては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、イソブチルシリケート及びn−ブチルシリケートが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中には前記の一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)が含有される。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物はシロキサンオリゴマー(A)及び一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を含有するが、固形分濃度調整、分散安定性向上、塗付性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は塗装材やインキ材等として基材の表面に塗付された後に、活性エネルギー線の照射により硬化される。
本発明においては、基材の表面に塗付された活性エネルギー線硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することにより硬化被膜が形成される。
本発明の積層体は活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜が基材の表面に積層されたものであり、用途に応じて適正な基材を選択することにより種々の用途に適用することができる。
撹拌機付き反応容器中に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)24.52g、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量198.3)3.97g及びイソプロピルアルコール8.5gを加え、攪拌して均一な溶液とした。次いで、反応容器中に水21.6gを加え、攪拌しながら80℃で9時間加熱することにより加水分解・縮合を行った。更に、反応容器中にイソプロピルアルコールを追加して全体を73.2gとし、固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A1)の溶液を得た。シロキサンオリゴマー(A1)のGPCによる質量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による質量平均分子量は約1,500であった。
撹拌機付き反応容器中に、シリカ換算濃度51%のメチルシリケート(コルコート(株)製、平均4量体、分子量(平均値)470.7、商品名:メチルシリケート51)9.41g、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)24.52g及びイソプロピルアルコール6.9gを加え、攪拌して均一な溶液とした。次いで、反応容器中に水26.6gを加え、攪拌しながら80℃で3時間加熱することにより加水分解・縮合を行った。更に、反応容器中にイソプロピルアルコールを追加して全体を84.3gとし、固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A2)の溶液を得た。シロキサンオリゴマー(A2)のGPCによる質量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による質量平均分子量は約4,300であった。
(1)活性エネルギー線硬化性組成物の調製
撹拌機付き容器中に、シロキサンオリゴマー(A)として合成例1で得られた固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A1)の溶液500部(固形分として100部)に、酸発生剤(B)として(4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート(みどり化学(株)製、商品名:MPI−105)の50%γ−ブチロラクトン溶液4部(固形分として2部)、溶媒としてイソプロピルアルコール100部、γ−ブチロラクトン150部及びブチルセロソルブ100部、レベリング剤としてシリコーン系界面活性剤(東レダウコーニング(株)製、商品名:L−7001)0.1部を添加し、混合して活性エネルギー線硬化性組成物(1)を得た。
基材として、長さ10cm、幅10cm及び厚み3mmのアクリル板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトEX)を使用し、この表面に、乾燥後の厚みが3〜4μmになるように上記(1)で調整した活性エネルギー線硬化性組成物(1)を適量滴下した後、バーコーティング法(バーコーターNo.26使用)にて塗付し、室温で約60分間自然乾燥し、基材の表面に活性エネルギー線硬化性組成物(1)の塗付膜を形成させた。
上記(2)で得られた、表面に活性エネルギー線硬化性組成物(1)の塗付膜を形成させた基材を、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU−2161型)を用いて、積算光量3,000mJ/cm2となるように紫外線を照射した。次いで、熱風乾燥機にて90℃で20分間加熱し、アクリル板の表面に硬化被膜を形成し、アクリル板の積層体を得た。
得られた硬化被膜を以下の方法により評価した。得られた硬化被膜は外観、耐擦傷性、鉛筆硬度、基材密着性及び黄色度のいずれも良好であった。評価結果を表1に示す。
表面に硬化被膜を形成させたアクリル板の積層体の透明性、クラック及び白化の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:透明で、クラック及び白化も認められなかった。
×:不透明な部分が認められた、又はクラック若しくは白化が認められた。
表面に硬化被膜を形成させたアクリル板の積層体の硬化被膜を有する表面を#0000のスチールウールで9.8×104Paの圧力を加えて10往復擦り、1×1cmの範囲に生じたキズの本数により以下の基準で評価した。
A :キズ0本(光沢面あり)
B :キズ1〜9本(光沢面あり)
C+:キズ10〜49本(光沢面あり)
C−:キズ50〜99本(光沢面あり)
D :キズ100本以上(光沢面あり)
E :光沢面が消失
(4−3)鉛筆硬度
硬化被膜の鉛筆硬度をJIS−K5600−5−4;引っかき硬度(鉛筆法)に準じて評価した。
アクリル板の積層体の表面の硬化被膜に、カミソリの刃で1mm間隔に縦横11本ずつのアクリル板の表面まで達する切れ目を入れて100個のマス目を作り、セロハンテープを良く密着させた後、45度手前方向に急激に剥がし、硬化被膜が剥離せずに残存したマス目数を計測して、以下の基準で評価した。
○:剥離したマス目がない(密着性良好)。
△:剥離したマス目が1〜5個(密着性中程度)。
×:剥離したマス目が6個以上(密着性不良)。
黄色度(YI)は日本電色工業(株)製NDR2000(商品名)を使用して測定し、次式により硬化被膜の黄色度を求め、以下の基準で評価した。
(硬化被膜の黄色度)=(アクリル板の積層体の黄色度)−(アクリル板の黄色度)
○:黄色度が1.0以下(良好)。
×:黄色度が1.0を超える(不良)。
シロキサンオリゴマー(A)及び酸発生剤として表1に記載のものを配合する以外は参考例1と同様にして活性エネルギー線硬化性組成物の調製、活性エネルギー線硬化性組成物の基材の表面への塗付膜の形成、硬化被膜の形成及び硬化被膜の評価を実施した。評価結果を表1に示した。
A2:合成例2で得た固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A2)の溶液
B1:(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートの50%γ−ブチロラクトン溶液
B’1:ヨードニウム、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェート(1−)の75%プロピレンカーボネート溶液(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:IRGACURE250)
B’2:ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェートの50%γ−ブチロラクトン溶液
Claims (3)
- シロキサンオリゴマー(A)及び下記一般式(1)で表される芳香族ヨードニウム塩型の酸発生剤(B)を含有し、前記シロキサンオリゴマー(A)が、下記一般式(2)で表されるアルコキシシラン類から選ばれる1種以上の化合物及び一般式(3)で表されるアルキルシリケート類から選ばれる1種以上の化合物の加水分解・縮合物である、活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物を基材に塗付し、活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成する硬化被膜の形成方法。
- 請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体。
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