JP6838524B2 - 重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン化合物およびそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物 - Google Patents
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Description
しかし、このようなオルガノポリシロキサンを縮合することにより形成された硬化物は、残存する縮合性官能基の経時での縮合反応により収縮が起き、クラックが生じるなどの問題を有している。
例えば、特許文献1,2には、ウレタン結合を含有する、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性の官能基を有するオルガノポリシロキサンおよび当該オルガノポリシロキサンを含有する活性エネルギー線硬化性組成物が開示されている。
一方、特許文献2では、ポリジメチルシロキサンを出発原料に用いたウレタンアクリレート基を有するオルガノポリシロキサンを合成した例が開示されているが、2官能型のジメチルシロキサンを構成要素に多く含んでいるため、その硬化物はゴム状となり、表面硬度と耐屈曲性の両立が困難であるという課題を有している。
なお、本発明において(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を意味する。
1. 下記一般式(I)で表される構成単位および下記一般式(II)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子の数に対するケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基および水酸基の数の合計の比が0.3以下であることを特徴とするオルガノポリシロキサン化合物、
2. 下記平均式(III)で表される1のオルガノポリシロキサン化合物、
3. 前記fが、0≦f≦0.1を満たす数である2のオルガノポリシロキサン化合物、
4. 1〜3のいずれかのオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物、
5. 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する4の活性エネルギー線硬化性組成物、
6. 4または5の活性エネルギー線硬化性組成物からなるコーティング剤、
7. 4または5の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、
8. 7の硬化物からなるフィルム、
9. 基材と、この基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、前記硬化膜が、6のコーティング剤から作製された硬化膜である被覆物品
を提供する。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、縮合性官能基の含有量が所定の範囲内であるため、本発明のオルガノポリシロキサン化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物は、経時変化による劣化が抑えられ、耐水性、および耐クラック性に優れる。
(1)オルガノポリシロキサン化合物
本発明に係るオルガノポリシロキサン化合物は、下記一般式(I)で表される構成単位および下記一般式(II)で表される構成単位を有し、かつ、ケイ素原子の数に対するケイ素原子に直接に結合したアルコキシ基および水酸基の数の合計の比が0.3以下のものである。
また、式(II)において、R4は、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、フェニル基、(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、またはグリシドキシプロピル基を表す。
これらの中でも、炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、エチレン基、トリメチレン基がより好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
中でも、R4としては、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基が好ましく、メチル基またはフェニル基がより好ましい。
上記bは0≦b≦0.2を満たす数であるが、0≦b≦0.1が好ましい。bが0.2を超えると、得られる硬化物が耐クラック性、耐屈曲性に劣るものとなる場合がある。
上記cは0≦c≦0.4を満たす数であるが、0≦c≦0.2が好ましい。cが0.4を超えると、得られる硬化物が耐クラック性、耐屈曲性に劣るものとなる場合がある。
上記dは0≦d≦0.4を満たす数であるが、0≦d≦0.3が好ましい。dが0.4を超えると、得られる硬化物が硬度に劣るものとなる場合がある。
上記eは0.2≦e≦0.7を満たす数であるが、0.3≦e≦0.6が好ましい。eが0.2未満の場合は、オルガノポリシロキサン化合物が高粘度となる場合があり、作業性および加工性の観点から好ましくない。eが0.7を超えると、得られる硬化物が硬度に劣るものとなる場合がある。
上記fは0≦f≦0.3を満たす数であるが、縮合性官能基による縮合反応の抑制に効果的であることや、得られる硬化物の耐クラック性、耐水性、および耐候性の観点を考慮すると、fは0≦f≦0.1を満たす数が好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、有機溶剤等を除く不揮発分が96質量%以上であることが好ましい。揮発分が多くなると、組成物を硬化した際のボイド発生による外観の悪化や機械的性質の低下の原因となる場合がある。
例えば、ウレタン結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を含む加水分解性シランを縮合して本発明のオルガノポリシロキサン化合物を得ることができる。
具体的には、下記式(IV)で表される加水分解性シラン、および必要に応じてその他の加水分解性シランを用いて、触媒の存在下で加水分解縮合を行ってオルガノポリシロキサン化合物を製造する方法が挙げられる。
(式中、R6は、ウレタン結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基を表し、Xは、互いに独立して、塩素原子または炭素原子数1〜6のアルコキシ基を表す。)
R6のウレタン結合および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機基としては、上記式(I)におけるケイ素原子に結合した下記に示される基が挙げられる。
その具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシランなどが挙げられる。
触媒の使用量は特に限定されるものではないが、反応を速やかに進行させるとともに、反応後の触媒の除去の容易性を考慮すると、加水分解性シラン1モルに対して0.0002〜0.5モルの範囲が好ましい。
加水分解縮合時の反応温度は、特に限定されるものではないが、反応率を向上させるとともに、加水分解性シランが有する有機官能基の分解を防止することを考慮すると、−10〜150℃が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、上述した本発明のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有するものである。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線によりラジカル種を発生する開始剤であれば特に限定されるものではなく、アセトフェノン系、ベンゾイン系、アシルフォスフィンオキサイド系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の公知の光重合開始剤から適宜選択して用いることができる。
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、チオキサントン誘導体、ベンゾインエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルファイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性不飽和化合物の具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、エステルアクリレート等が挙げられる。
重合性不飽和化合物を用いる場合、その含有量は、本発明のオルガノポリシロキサン化合物100質量部に対して、1〜1,000質量部が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度は特に限定されるものではないが、成形または塗布作業性を良好にし、スジムラ等の発生を抑制することを考慮すると、回転粘度計により測定される25℃での粘度が、500mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以下がより好ましい。なお、25℃における粘度の下限は10mPa・s以上が好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物は、フィルムとしても好適に使用可能である。
また、これらの基材の表面が、化成処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸やアルカリ液で処理されている基材や、基材本体と表層が異なる種類の塗料で被覆された化粧合板等も用いることもできる。
さらに、被覆物品は、本発明のコーティング剤からなる塗膜が形成された面とは反対側の面が、ハードコート層、防錆層、ガスバリア層、防水層、熱線遮蔽層、防汚層、光触媒層、帯電防止層等の1層または複数層によって被覆されていてもよい。
照射量は特に制限されないが、10〜5,000mJ/cm2が好ましく、20〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
硬化時間は、通常0.5秒〜2分であり、好ましくは1秒〜1分である。
なお、下記において、揮発分はJIS C2133に準じて測定した値であり、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、HLC−8220 東ソー(株)製)を用いてテトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒として測定した値である。
また、平均式(III)におけるa〜fの値は、1H−NMRおよび29Si−NMR測定の結果から算出した。
[実施例1−1]
反応器中でヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)696.6g(6.0mol)を撹拌しているところにKBM−9007(信越化学工業(株)製)1231.8g(6.0mol)を添加後、25℃で1時間撹拌し、下記式(V)で表される化合物1,928.4g(6.0mol)を得た。
ここに、ヘキサメチルジシロキサン649.5g(4.0mol)、メタンスルホン酸10.8gを配合し、均一になったところでイオン交換水194.4gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)54.1gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。得られた反応物は、粘度1,900mPa・s、揮発分1.5質量%、重量平均分子量2,200の25℃で粘稠な液体であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.44、b=0、c=0、d=0、e=0.56、f=0.06であった。
上記式(V)で表される化合物1,285.6g(4.0mol)、メチルトリメトキシシラン272.4g(2.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン649.5g(4.0mol)、メタンスルホン酸8.9gを反応器中に配合し、均一になったところでイオン交換水194.4gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)44.8gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度3,100mPa・s、揮発分1.4質量%、重量平均分子量1,780の25℃で粘稠な液体であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.30、b=0、c=0.15、d=0、e=0.55、f=0.06であった。
上記式(V)で表される化合物1,928.4g(6.0mol)、ジメチルジメトキシシラン360.7g(3.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン649.5g(4.0mol)、メタンスルホン酸11.9gを反応器中に配合し、均一になったところでイオン交換水259.2gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)59.6gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度2,300mPa・s、揮発分2.1質量%、重量平均分子量2,600の25℃で粘稠な液体であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.36、b=0、c=0、d=0.18、e=0.46、f=0.05であった。
上記式(V)で表される化合物1,285.6g(4.0mol)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン468.6g(2.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン649.5g(4.0mol)、メタンスルホン酸9.9gを反応器中に配合し、均一になったところでイオン交換水194.4gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)49.7gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度450mPa・s、揮発分2.6質量%、重量平均分子量2,120の25℃で粘稠な液体であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.29、b=0、c=0.16、d=0、e=0.55、f=0.05であった。
上記式(V)で表される化合物1,928.4g(6.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン487.13g(3.0mol)、メタンスルホン酸10.0gを反応器中に配合し、均一になったところでイオン交換水99.0gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)50.0gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は、粘度1,630mPa・s、揮発分2.2質量%、重量平均分子量1,490の25℃で粘稠な液体であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=0.54、b=0、c=0、d=0、e=0.46、f=0.16であった。
[比較例1−1]
3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン1,505.8g(6.0mol)、ヘキサメチルジシロキサン649.5g(4.0mol)、メタンスルホン酸8.2gを反応器中に配合し、均一になったところでイオン交換水194.4gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)41.0gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は25℃で液体であり、粘度120mPa・s、揮発分2.9質量%、重量平均分子量1,580であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=0、b=0、c=0.45、d=0、e=0.55、f=0.07であった。
[比較例1−2]
上記式(V)で表される化合物1,928.4g(6.0mol)、メタンスルホン酸7.6gを反応器中に配合し、均一になったところでイオン交換水90.0gを添加し、25℃で4時間撹拌した。キョーワード500SH(協和化学工業(株)製)37.8gを投入し、2時間撹拌して中和した。減圧下にてメタノール等の揮発成分を留去し、加圧濾過を行った。
得られた反応物は25℃で液体であり、粘度2,780mPa・s、揮発分2.5質量%、重量平均分子量1,650であった。NMRの結果から算出した平均式(III)におけるa〜fの値は、それぞれa=1、b=0、c=0、d=0、e=0、f=1.4であった。
[実施例2−1〜2−5,比較例2−1,2−2]
上記実施例1−1〜1−5および比較例1−1,1−2で得られた各オルガノポリシロキサン化合物10質量部、ダロキュア1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、厚さ0.2mmとなるように離形フィルムを貼り付けた型に流し込み、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることでフィルムを製造した。
得られたフィルムについて鉛筆硬度および耐屈曲性を測定した。結果を表1に示す。
(1)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じて750g荷重にて測定した。
(2)耐屈曲性
JIS K5600−5−1に準じて円筒形マンドレル(タイプ1)を用いて測定し、耐屈曲性に関して、8mmφ試験でクラックが生じたフィルムに対しては、>8mmφとした。
[実施例3−1〜3−5,比較例3−1,3−2]
上記実施例1−1〜1−5および比較例1−1,1−2で得られた各オルガノポリシロキサン化合物4.5質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(MIWON社製)4.5質量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1.0質量部(大阪有機化学工業(株)製)、ダロキュアー1173(ラジカル系光重合開始剤、BASF社製)0.5質量部を混合し、このコーティング組成物をバーコ−タ−No.14を用いてポリカーボネート基板上に塗布し、高圧水銀灯で積算照射量600mJ/cm2となるように光を照射し、硬化させることで被膜物品を製造した。
得られた被覆物品の硬化膜について鉛筆硬度および煮沸密着性を評価した。結果を表3に示す。なお、鉛筆硬度は上記と同様の手順で測定した。
(3)煮沸密着試験
100℃の沸騰水に2時間試験片を浸した後、JIS K5600−5−6に準じて25マスによるクロスカット試験を行い、(剥離せず残ったマスの数)/25として表した。
また、表2に示されるように、シロキサン末端の縮合性官能基数が制限された実施例2−1〜2−5および比較例2−1の活性エネルギー線硬化物では、鉛筆硬度および耐屈曲性共に耐熱耐湿試験の前後での変化が小さいが、多くの縮合性官能基を有する比較例2−2においては、鉛筆硬度が硬くなり、耐屈曲性が悪化している傾向が顕著にみられることから、鉛筆硬度および耐屈曲性の変化は、シロキサン末端の縮合性官能基が経時で縮合反応することにより引き起こされた結果であると考えられる。
さらに、表3に示されるように、コーティング組成物を塗布した被膜物品において、ウレタン結合を有し、かつシロキサン末端の縮合性官能基数が制限された構造において、煮沸密着試験が良好な結果が得られており、本発明の重合性官能基を有するオルガノポリシロキサン化合物の優位性を示唆している。
Claims (9)
- 前記fが、0≦f≦0.1を満たす数である請求項2記載のオルガノポリシロキサン化合物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン化合物、および光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
- 前記オルガノポリシロキサン化合物以外の重合性不飽和化合物をさらに含有する請求項4記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
- 請求項4または5記載の活性エネルギー線硬化性組成物からなるコーティング剤。
- 請求項4または5記載の活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項7記載の硬化物からなるフィルム。
- 基材と、この基材の少なくとも一方の面に直接または少なくとも1種のその他の層を介して積層された硬化膜とを有し、
前記硬化膜が、請求項6に記載のコーティング剤から作製された硬化膜である被覆物品。
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