JP2005263612A - 金属酸化物粒子およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線吸収端がより長波長側にシフトされており、長波長領域の紫外線の吸収効率にも優れる金属酸化物粒子を提供する。
【解決手段】本発明の金属酸化物粒子は、金属元素(M)の酸化物からなる粒子内に該金属元素(M)以外の金属元素(M’)に由来する成分が含有されている金属酸化物粒子において、前記金属元素(M)はZn、Ti、Ce、In、Sn、AlおよびSiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記金属元素(M’)は前記金属元素(M)と異なる金属元素であってCo、Cu、Fe、Bi、In、Al、Ga、Ti、Sn、Ag、Mn、NiおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも2種である、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線吸収端がより長波長側にシフトされており、長波長領域の紫外線の吸収効率にも優れる金属酸化物粒子と、これを用いた膜形成用組成物、膜および金属酸化物含有物品とに関する。
従来から、例えば、膜やフィルム、塗料、化粧料等の各種用途において、紫外線遮蔽性を付与するための成分としては、例えば、酸化亜鉛が有効であることが知られており、一般に粒子状で使用されている。
このような酸化亜鉛は、波長370nm以下の紫外線を完全に遮蔽する物性を有するものであるが、近年、紫外線吸収端をより長波長側にシフトさせて紫外線吸収帯をより長波長側にも広げ、広範囲の紫外線をカットし得るようにするための改良手段として、亜鉛(Zn)以外の特定の金属元素(コバルト(Co)、鉄(Fe)、銅(Cu))のいずれかを該酸化亜鉛に含有させる(ドープする)ことが提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1および非特許文献2参照。)。
特開平9−188517号公報 大塚淳,「ZnOを主要成分とする無機顔料」,セラミックス,社団法人窯業協会,1983年,18,No.11,p.958−964 坂上登,外1名,「Optical Properties of Impurities-doped Hydrothermally Grown Zinc Oxide(不純物ドープ水熱育成酸化亜鉛の光学的性質)」,窯業協会誌,社団法人窯業協会,1969年,77[9],p.309−312
しかしながら、上記特定の金属元素(Co、Fe、Cu)を単独で含有させるのみでは、紫外線吸収端の長波長側へのシフト効果がまだ十分ではなく、長波長領域の紫外線(波長370nmを越える紫外線)の吸収効率は未だ十分と言えるものではなかった。
また、可視光のなかでも短波長領域の可視光は、高エネルギーであるためにプラスチックの劣化や人体への悪影響をもたらすことが懸念されるため、近年では、紫外線は勿論のこと、短波長領域の可視光(波長380〜450nmの可視光)をも遮断しうることが望ましいと考えられている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、紫外線吸収端がより長波長側にシフトされており、長波長領域の紫外線の吸収効率にも優れる金属酸化物粒子と、これを用いた膜形成用組成物、膜および金属酸化物含有物品とを提供することにある。
なお、本発明において遮蔽対象(遮断対象)とする紫外線の波長域は、従来一般的に言われている380nm以下にとどまらず、可視光の中でも高エネルギーであるためにプラスチックの劣化や人体への悪影響といった点で、その遮断が要望される可視光短波長領域、具体的には380〜450nmの波長領域も含むものとする。以下、紫外線、ならびに、紫外線遮蔽(遮断)および紫外線吸収における紫外線、としては、上記範囲(450nm以下)の波長の光を意味するものとする。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、紫外線吸収能が期待できる特定の金属酸化物(Zn、Ti、Ce、In、Sn、AlおよびSiからなる群より選ばれる金属元素の酸化物)に対して、さらに、特定の金属元素(Co、Cu、Fe、Bi、In、Al、Ga、Ti、Sn、Ag、Mn、NiおよびCeからなる群より選ばれる金属元素)を2種以上組み合わせて含有させた金属酸化物からなる金属酸化物粒子であれば、前述した課題を解決できることを見出した。また、前記金属酸化物粒子とともに、特定の金属元素(Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる金属元素)を金属成分として含む金属酸化物粒子および/またはCu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子を組み合わせれば、短波長領域の可視光の遮断効果をより高めることができることを見出した。本発明はこれらの知見により完成したものである。
したがって、本発明にかかる金属酸化物粒子は、金属元素(M)の酸化物からなる粒子内に該金属元素(M)以外の金属元素(M’)に由来する成分が含有されている金属酸化物粒子において、前記金属元素(M)はZn、Ti、Ce、In、Sn、AlおよびSiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記金属元素(M’)は前記金属元素(M)と異なる金属元素であってCo、Cu、Fe、Bi、In、Al、Ga、Ti、Sn、Ag、Mn、NiおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも2種である、ことを特徴とする。
本発明にかかる膜形成用組成物は、金属酸化物粒子と分散溶媒および/またはバインダーとを必須構成成分とし、前記金属酸化物粒子が前記本発明の金属酸化物粒子を必須とする。
本発明にかかる膜は、金属酸化物を必須構成成分としてなり、前記金属酸化物が前記本発明の金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶を必須とする。
本発明にかかる金属酸化物含有物品は、金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶を含む物品であって、前記金属酸化物粒子が、請求項1から6までのいずれかに記載の金属酸化物粒子と、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属酸化物粒子、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子との組み合わせを必須とする。
本発明によれば、紫外線吸収端がより長波長側にシフトされており、長波長領域の紫外線の吸収効率にも優れる金属酸化物粒子と、これを用いた膜形成用組成物、膜および金属酸化物含有物品を、容易に提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔金属酸化物粒子〕
本発明にかかる金属酸化物粒子は、前述したように、特定の金属元素(M)の酸化物(以下単に「特定金属酸化物」と称することもある)からなる粒子内に該金属元素(M)以外の特定の金属元素(M’)(以下「異種金属元素」と称することもある。)に由来する成分が2種以上含有されたものであることを特徴とする。詳しくは、本発明において、前記異種金属元素に由来する成分を含有するとは、本発明の金属酸化物粒子を構成する金属酸化物が前記異種金属元素を含む金属酸化物であればよく、前記異種金属元素がいかなる存在形態で含有されているかは問わない。
本発明の金属酸化物粒子を構成する金属酸化物において、前記異種金属元素(2種以上の金属元素(M’))の存在形態の具体例としては、例えば、(I)異種金属元素が特定金属酸化物の結晶に固溶して存在している形態、(II)異種金属元素が特定金属酸化物の金属成分として含有された状態(好ましくは複合酸化物)で存在している形態、(III)異種金属元素が特定金属酸化物の結晶表面に吸着している形態、(IV)異種金属元素が金属として粒子状または膜状で特定金属酸化物の表面に付着している形態、などが例示される。なかでも、特定金属酸化物の結晶中に原子状(イオン状態を含む)で均一に分散されている固溶の形態が、異種金属元素(2種以上の金属元素(M’))によりもたらされる効果、すなわち、紫外線遮蔽性に優れる点で好ましい。
本発明の金属酸化物粒子においては、前記異種金属元素(2種以上の金属元素(M’))の分散状態としては、(i)粒子中に均一に分散して含有されていてもよく、あるいは、(ii)部分的に含有(偏析という意味ではなく、1個の粒子についてみたときに、局部的に高濃度で含有されているということ。)されていてもよい。上記(i)の場合としては、例えば、前記(I)の形態において、金属元素(M)の酸化物の結晶中に、均一に(表面層から結晶子内部まで)固溶している場合が挙げられる。上記(ii)の場合としては、金属元素(M)の酸化物の結晶の表面に表面層として、異種金属元素(2種以上の金属元素(M’))が固溶した金属酸化物固溶体相(前記(I)の形態)、あるいは、異種金属元素(2種以上の金属元素(M’))と金属元素(M)との複合酸化物相(前記(II)の形態)を形成している場合、が挙げられる。
なお、一般に、金属酸化物は、結晶性を示すもの(結晶体)と、結晶性を示さないもの(非結晶体)とに分類される。上記結晶体とは、規則的な原子配列が周期性をもって認められる結晶子からなる金属酸化物であると定義することができ、電子線回折学的および/またはX線回折学的に、格子定数および/または回折パターンから金属酸化物の同定ができるものを言い、そうでないものは非結晶体であると定義できる。紫外線吸収能などに優れる点では、結晶体であることが好ましく、本発明の金属酸化物粒子を構成する金属酸化物についても同様である。
上記結晶体については、単結晶体であっても多結晶体であってもよく、これらを構成する結晶子の形状としては、例えば、球状、楕円球状、立方体状、直方体状、多面体状、ピラミッド状、柱状、チューブ状、りん片状、(六角)板状等の薄片状や、過飽和度の高い条件下で結晶の稜や角が優先的に伸びて生成した樹枝状、骸晶状などが挙げられる。結晶子の配向性については、限定はされず、全ての結晶子の配向性が揃っていても、ランダムであっても、一部が同じ配向性で残りがランダムであってもよく、限定はされない。
本発明の金属酸化物粒子の形状は、限定はされないが、例えば、球状(真球状)、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、(六角)板状等の薄片状などが挙げられる。
本発明の金属酸化物粒子の大きさについては、超微粒子や微粒子と称されるものまですべて含むこととし、限定はされないが、通常、1次粒子の平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、より好ましくは5〜30nm、さらに好ましくは5〜20nm、特に好ましくは10〜20nmである。1次粒子の平均粒子径が100nmを超えると、透明性が低下するおそれがある。なお、ここで、1次粒子の平均粒子径とは、結晶子径(Dw)または比表面積径(Ds)を意味するものであり、結晶子径(Dw)と比表面積径(Ds)のいずれか一方が前記範囲になることが好ましいのである。より詳しくは、結晶子径(Dw)とは、X線回折学的に結晶の場合に適用されるものであり、シェラー法により求められた結晶子の大きさのことである。該結晶子径(Dw)は、通常、金属酸化物粒子の粉末X線回折パターンを測定し、3強線(ピークが最も大きい回折線(1)、2番目に大きい回折線(2)、3番目に大きい回折線(3))について、それぞれの半値巾または積分巾よりシェラーの式から回折線(1)〜(3)に帰属される回折面に垂直方向の結晶子径D1、D2、D3を求め、これらの平均値((D1+D2+D3)/3)を結晶子径(Dw)として算出することができる。他方、比表面積径(Ds)は、金属酸化物粒子の粉末の真比重と比表面積を測定し、下記式により算出することができる。
Ds(nm)=6000/(ρ×S)
但し、ρ:粒子の真比重(無次元)
S:B.E.T.法で測定される粒子の比表面積(m/g)
前記金属元素(M)の酸化物が酸化亜鉛結晶である場合、透明性と紫外線吸収性の両方に優れる点でX線回折測定による結晶子径のうち、格子面(002)に垂直方向の結晶子径が30nm以下、格子面(110)に垂直方向の結晶子径が10nm以上であることが好ましい。より好ましくは、格子面(002)に垂直方向の結晶子径は20nm以下である。具体的には、格子面(002)に垂直方向(光軸方向)の結晶子径は、紫外線吸収性能にさほど大きな影響は及ぼさず、透明性を高める点では小さい方が好ましい。他方、格子面(002)の方向(光軸に対して垂直方向)の結晶子径、例えば、格子面(110)に垂直方向の結晶子径は、小さすぎると紫外線吸収性能を低下させることになる。なお、各格子面に垂直方向の結晶子径は、粉末X線回折測定を行い、シェラー解析を行うことにより求めることができる。
本発明の金属酸化物粒子を構成する金属酸化物は、単一酸化物(具体的には、金属元素(M)の酸化物)に異種金属元素(2種以上の金属元素(M’))が固溶(ドープ)されてなる固溶体金属酸化物(固溶体酸化物)であることが好ましい。また、該金属酸化物は、金属元素と酸素とが定比組成であっても不定比組成であってもよく、限定はされない。
上記固溶体酸化物については、いわゆる侵入型固溶体酸化物であってもよいし、置換型固溶体酸化物であってもよいし、これらの組み合わせたものであってもよく、限定はされない。
本発明の金属酸化物粒子において、前記金属元素(M)は、Zn(亜鉛)、Ti(チタン)、Ce(セリウム)、In(インジウム)、Sn(スズ)、Al(アルミニウム)およびSi(珪素)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらのなかでも、Zn、Ti、Ceは、その単独酸化物においても優れた紫外線吸収性能を発揮しうるものであるので、従来一般的に言われている380nm以下の紫外線に対する遮蔽効果が高く、しかも、金属元素(M’)による効果、すなわち、紫外線吸収端がより長波長側にシフトされるという効果を格段に発揮させることができる点で好ましい。特に、Znは、可視光に対する透明性にも優れる点で、より好ましく、酸化亜鉛系粒子が本発明の金属酸化物粒子の好ましい態様である。
本発明の金属酸化物粒子において、前記金属元素(M’)は、Co(コバルト)、Cu(銅)、Fe(鉄)、Bi(ビスマス)、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、Ti(チタン)、Sn(スズ)、Ag(銀)、Mn(マンガン)、Ni(ニッケル)およびCe(セリウム)からなる群より選ばれる2種以上である。ただし、前述したように、金属元素(M’)は、前記金属元素(M)とは異なる金属元素でなければならない。前記群のうちの前記金属元素(M)以外の金属元素から選ばれた2種以上であれば、2種以上の金属元素(M’)の組み合わせは、限定はされない。なお、前記金属元素(M’)として選択しうる群のうち、In、Al、Ga、Ti、CeおよびSnは、380nmおよびその近傍における吸収能を高める効果が高く、本発明では、これをn型ドーパントと称することとする。
前記金属元素(M’)として選択しうる群の中で、Coとしては、例えば、Co(II)およびCo(III)が挙げられる。Feとしては、例えば、Fe(II)およびFe(III)が挙げられる。Co、Feが固溶成分の場合、2価の方が3価に比べて優れた紫外線吸収性を示し、可視光透過性にも優れる。よって、3価のみよりは、2価単独もしくは2価と3価が共存して存在することが好ましい。特に、Feの場合、3価であると黄色の着色が強いが、2価であると緑味を帯びた色となる点から、Feは2価が好ましい。
前記金属元素(M’)として選択しうる群の中で、Cuとしては、例えば、Cu(0)、Cu(I)およびCu(II)が挙げられる。Biとしては、例えば、Bi(III)が挙げられる。Inとしては、例えば、In(I)およびIn(III)が挙げられる。Alとしては、例えば、Al(III)が挙げられる。Gaとしては、例えば、Ga(III)が挙げられる。Tiとしては、例えば、Ti(IV)、Ti(III)が挙げられる。Snとしては、例えば、Sn(II)、Sn(IV)が挙げられる。Agとしては、例えば、Ag(0)、Ag(I)、Ag(III)が挙げられる。Mnとしては、例えば、Mn(I)、Mn(II)、Mn(III)、Mn(IV)、Mn(V)、Mn(VI)、Mn(VII)が挙げられる。Niとしては、例えば、Ni(0)、Ni(II)、Ni(I)、Ni(III)が挙げられる。Ceとしては、例えば、Ce(IV)、Ce(III)が挙げられる。これらのうち、Cu、Ag、Niは、Cu(0)、Ag(0)、Ni(0)、すなわち金属として特定金属化合物の表面に付着していてもよい。これらのなかでも、Bi(III)、In(III)、Ag(I)、Mn(II)、Mn(III)、Ni(V)が、紫外線遮蔽性などに優れる点で好ましい。
これら、M’のうち、Cu、Ag、NiはCu(0)、Ag(0)、Ni(0)として、すなわち金属として金属酸化物粒子の表面に被着して効果を発揮することもできる。
前記金属元素(M’)として選択する2種以上の組み合わせとして好ましい態様は、Co、CuおよびFeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、Bi、In、Al、Ga、Ti、SnおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を必須とする組み合わせ(下記(i))と、Co、Cu、Fe、Ag、Mn、NiおよびBiからなる群より選ばれる1種を必須とする組み合わせ(下記(ii)〜(v))、である。なお、(i)〜(v)のうちの複数を組み合わせた態様がより好ましいことは言うまでもない。
(i)前記金属元素(M’)として選択しうる群のうち、In、Al、Ga、Ti、SnおよびCeからなる群のみを金属元素(M)の酸化物に含有させた場合や、Co、FeおよびCuからなる群のみを金属元素(M)の酸化物に含有させた場合のいずれに比べて、両方の群の金属元素を組み合わせて金属元素(M)の酸化物に含有させた場合は、370〜450nmにおける吸収能が高まるという効果がある。このように組み合わせて含有させることにより、両方の群の金属元素に起因する作用効果が相乗的に発揮され、370〜450nmにおける吸収効率を高めているものと考えられる。例えば、金属元素(M)がZnである場合、380nmの紫外線に対する吸収能力は顕著に高くなり、より少量で充分に紫外線をカットすることができる。
(ii)Cuを必須とする組み合わせ。Cuを必須とすることにより、380nm以下の一般に紫外線といわれる領域の光吸収性能を格段に高めることができ、しかも黄色の着色を抑制することができる。また、例えば、TiやCeを金属元素(M)とする場合、Feや、Bi、Mnを金属元素(M’)とする場合など、金属酸化物粒子が黄色の色相を示す場合においては、Cuを必須として共存させることにより、黄色を減じるか、もしくは無色化する作用をも発揮しうる点でも好ましい。Cuは、前記金属元素(M’)として選択しうる群のいずれの元素とも好ましく組み合わせることができるのであるが、該組み合わせにおいて、Cuの相手方となる金属元素(M’)として、前記n型ドーパント(なかでもIn、Al、Sn、Ce)は、380nm以下の一般に紫外線といわれる領域の光吸収性能の向上効果を相乗的により高めることができる点で、より好ましい。また、該組み合わせにおいて、Cuの相手方となる金属元素(M’)として、Co、Fe、Bi、Mn、Ag、Niは、可視光の高エネルギー領域(380〜450nm)の光吸収性能をより向上させうる点で、より好ましい。該組み合わせにおいて、Cuの相手方となる金属元素(M’)としては、Fe、Mn、Biが、金属酸化物粒子の安全性が高いので、特に好ましく、その組み合わせとしては、CuとFe、BiまたはMnを必須とする組み合わせ、もしくはCuとFeと前記n型ドーパントからなる組み合わせ、もしくはCuとMnと前記n型ドーパントからなる組み合わせ、もしくはCuとBiと前記n型ドーパントからなる組み合わせ、もしくはCuとBiとFeまたはMn、もしくはCuとBiとFeまたはMnとn型ドーパントが特に好ましい態様として挙げられる。
(iii)Fe、Co、Ni、Mnを必須とする組み合わせ。Fe、Co、Ni、Mnを必須とすることにより、Fe、Co、Ni、Mnは可視光の高エネルギー領域(380〜450nm)の光吸収性能をより向上させることができる。特に、前述したように、Fe、Co、Ni、Mnとして少なくとも一部はFe(II)やMn(II)を必須とする場合(言い換えれば、Fe(II)単独やもしくはMn(II)単独で存在する場合、もしくはFe(II)とFe(III)とが共存する場合やMn(II)とMn(III)とが共存する場合)、可視光における吸収を抑制し、かつ、紫外線をより長波長まで吸収することができる点でより好ましい。該組み合わせにおいて、Fe、Co、Ni、Mnの相手方となる金属元素(M’)としては380nm以下の一般に紫外線といわれる領域の光吸収性能を高める、前記n型ドーパント(なかでもCe、In、Al、Sn)および/または、Cuが好ましい。
(iv)Biを必須とする組み合わせ。Biを必須とすることにより、450nm以上の可視光の透過率を維持しながら、これよりも低波長(400〜450nm)の領域の吸収率を選択的に高めることができる。該組み合わせにおいて、Biの相手方となる金属元素(M’)としては、(1)前記n型ドーパント(なかでもIn、Al、Ce、Sn)、(2)Cu、(3)Co、Mn、Ni、Feあるいは(4)Agが好ましい。
(v))Agを必須とする組み合わせ。Agを必須とすることにより、可視光の高エネルギー領域(380〜450nm)の光吸収性能、特に410〜440nmにおける吸収性能をより向上させることができる。該組み合わせにおいて、Agの相手方となる金属元素(M’)としては、380nmの吸収能を高めるのに有効な前記n型ドーパント(なかでもIn、Al、Sn、Ce)、Cuが好ましい。
前記金属元素(M’)として選択する2種以上の組み合わせとしては、具体的には、例えば、Co(II)とIn(III)、Co(II)とBi(III)、Fe(II)とIn(III)、Fe(II)とBi(III)、Co(II)とIn(III)、Co(III)とBi(III)、Co(II)とAl(III)、Co(III)とGa(III)、Co(II)とTi(IV)、Fe(III)とIn(III)、Fe(III)とBi(III)、Fe(II)とAl(III)、Fe(III)とCu(II)、Fe(II)とCu(I)とIn(III)、Fe(II)とCu(II)とAl(III)、Fe(III)とCu(I)とIn(III)、Fe(III)とCu(II)とAl(III)、Fe(II)とFe(III)とAl(III)、Fe(II)とFe(III)とCu(I)、Cu(I)とIn(III)、Cu(II)とIn(III)、Cu(I)とAl(III)、Cu(II)とAl(III)、Cu(I)とSn(IV)、Cu(II)とSn(IV)、Cu(I)とTi(IV)、Cu(II)とTi(III)、Cu(I)とCe(IV)、Cu(I)とCo(III)、Cu(II)とCo(III)、Cu(I)とBi(III)、Cu(II)とBi(III)、Cu(I)とCu(II)とBi(III)、Cu(I)とCu(II)とIn(III)、Cu(I)とCu(II)とAl(III)、Cu(I)とCu(II)とSn(IV)、Cu(I)とCu(II)とSn(II)、Cu(I)とCu(II)とTi(IV)、Cu(I)とCu(II)とTi(III)、Mn(II)とBi(III)、Ag(I)とBi(III)、Ni(II)とBi(III)、Cu(I)とIn(III)とBi(III)、Cu(I)とAl(III)とMn(II)、Cu(I)とGa(III)とFe(II)、Cu(I)とIn(III)とBi(III)とFe(II)、Cu(I)とIn(III)とBi(III)とMn(II)、Sn(II)とIn(III)、Sn(IV)とAl(III)、Ce(III)とGa(III)、Ce(IV)とTi(III)、Ag(I)とIn(III)、Ag(0)とIn(III)、Ag(I)とCu(I)、Sn(II)とCe(III)、Sn(IV)とTi(IV)、Mn(III)とIn(III)、Mn(II)とAl(III)、Mn(II)とCu(I)とIn(III)などがより好ましい。
本発明の金属酸化物粒子においては、前記金属元素(M’)以外の金属元素を、該金属元素(M’)による本発明の効果を損なわない範囲で、金属元素(M)の酸化物に含有させてもよく、例えば、B、Si、Ge、Sb、Hf、Yおよびランタノイド金属元素など挙げられる。
なお、前記異種金属元素(前記金属元素(M’)や、これ以外に金属元素(M)の酸化物に含有させる金属元素)の存在確認は、後述する異種金属元素の含有率の測定方法における元素分析により、行うことができる。
本発明の金属酸化物粒子においては、前記金属元素(M’)の合計含有率が、金属元素(M)に対し0.02〜20原子%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜10原子%である。上記含有率が、0.02原子%未満であると、紫外線遮断が不十分となるおそれがあり、20原子%を超えると、可視光透過性が低下するおそれがある。
前記金属元素(M’)を前記(i)の組み合わせで選択する場合、Co、CuおよびFeからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の合計含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜20原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%、さらに好ましくは0.2〜3原子%である。上記含有率が、0.01原子%未満であると、紫外線遮断が不十分となるおそれがあり、20原子%を超えると、可視光透過性が低下するおそれがある。一方、前記金属元素(M’)を前記(i)の組み合わせで選択する場合、Bi、In、Al、Ga、TiおよびSn、Ceからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素の合計含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%、さらに好ましくは0.2〜3原子%である。上記含有率が、0.01原子%未満であると、Co、CuおよびFeからなる群との組み合わせによる相乗効果が十分に発揮されないおそれがあり、10原子%を超えると、逆に紫外線遮断性の向上効果が表れにくく、逆に低下してしまう場合があるほか、Biを含有する場合においては着色(黄色)の問題が生じるおそれがある。
前記金属元素(M’)を前記(ii)の組み合わせで選択する場合、Cuの含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%、さらに好ましくは0.1〜1原子%である。また、前記(ii)の組み合わせにおいて、Cu以外の金属元素(M’)(Cuの相手方となる金属元素(M’))の含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%、さらに好ましくは0.2〜3原子%である。
前記金属元素(M’)を前記(iii)の組み合わせで選択する場合、Fe、Co、Ni、Mnの含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%である。前記金属元素(M’)を前記(iii)の組み合わせで選択する場合、Mnの含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜30原子%であることが好ましく、より好ましくは1〜20原子%、さらに好ましくは1〜10原子%である。また、前記(iii)の組み合わせにおいて、Fe、Co、Ni、Mn以外の金属元素(M’)(Fe、Co、Ni、Mnの相手方となる金属元素(M’))の含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%、さらに好ましくは0.2〜3原子%である。
前記金属元素(M’)を前記(iv)の組み合わせで選択する場合、Biの含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%である。また、前記(iv)の組み合わせにおいて、Bi以外の金属元素(M’)(Biの相手方となる金属元素(M’))の含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5原子%、さらに好ましくは0.2〜3原子%である。
前記金属元素(M’)を前記(v)の組み合わせで選択する場合、Agの含有率は、金属元素(M)に対し0.01〜10原子%であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2原子%、さらに好ましくは0.1〜1原子%である。
前記異種金属元素(前記金属元素(M’)や、これ以外に金属元素(M)の酸化物に含有させる金属元素)の存在は、金属酸化物粒子の1次粒子またはそれらの集合体について、FE−TEM(透過型電子顕微鏡)によりそれらの透過像を観察しながら、粒子のほかに金属の偏析物が認められないところを探し、高分解能XMAにより元素分析を行い、各金属元素に帰属するピークを検出することで確認できる。偏析物の確認は、FE−TEMで観察される透過像において、通常、XMAで確認できないレベルであれば偏析物は無いものとする。
前記異種金属元素(前記金属元素(M’)や、これ以外に金属元素(M)の酸化物に含有させる金属元素)の含有率の測定は、蛍光X線分析、原子吸光分析およびIPC等の微量成分分析手法で行うこともできるが、上記高分解能XMAによる元素分析を所望の空間分解能(スポット径)で行い、各金属元素に帰属するピーク強度を測定し、その結果から算出するようにする手法で行うことが好ましい。上記スポット径は、プローブを絞ることにより下限を1nmφにまでできるとともに、任意に連続的に拡大することもできる。具体的には、FE−TEMによる透過像において、通常は偏析物の認められない約10個の金属酸化物粒子の集合体を選択し、これら10個の(微)粒子をすべて含むような空間分解能(スポット径)で元素分析を行うこととする。
なお、各粒子が異種金属元素(前記金属元素(M’)や、これ以外に金属元素(M)の酸化物に含有させる金属元素)を含有しているか、あるいは、個々の粒子において粒子中に異種金属元素が均一に分散しているかについては、ビーム径を絞って(例えば1nmφ)の局所元素分析を行うことにより確認することができる。
前記FE−TEMとしては、例えば、日立製作所製の電界放射型透過型電子顕微鏡(HF−2000型、加速電圧200kV)等を用いることができる。前記高分解能XMAとしては、例えば、ケヴェックス(Kevex)社製のX線マイクロアナライザー(Sigma型、エネルギー分散型、ビーム径:空間分解能10Åφ)等を用いることができる。
本発明の金属酸化物粒子については、該粒子および/または該粒子に由来する金属元素(M)の酸化物の結晶を必須構成成分としてなる膜にしたときに、該膜の光学特性が下記の条件を満たす粒子であることが、可視光は透過させ紫外線のみを選択的に吸収する性能に優れる点で、好ましい。ここで、該膜の形態および成膜方法等については、後述する本発明の膜に関する説明が同様に適用できる。なお、以下に示す該膜の光学特性は、後述する実施例に記載の方法により測定・評価される値であるとし、また、膜部分のみ(基材除く)についての物性であって、膜付き基材の光学特性と基材のみの光学特性とを勘案して評価されるものとする。さらに、該膜の光学特性のうち、紫外線吸収性能の指標となる波長380nmの光の透過率(%)をT380と定義するとともに、可視光透過性能の指標となる、波長500nmの光の透過率(%)をT500と、波長550nm〜700nmの光の透過率(%)の最小値をTと、TとT500との差の絶対値(|T−T500|)をΔTと、定義する。
本発明の金属酸化物粒子は、上述のように膜とする場合に、基材への単位面積あたりの塗布量(使用量)を変化させると、それに伴い、得られた膜のT380やT500やΔTの値も変化する。そこで、得られた膜の光学特性に関しては、T380の値を基準としたときの、T500およびΔTの値で評価することとし、該膜の好ましい態様((i)および(ii))を以下に示す。
(i) T380が20%以下となるように上記膜を形成したときに、ΔTが10%以下であることが好ましく、より好ましくはΔTが10%以下かつT500が90%以上であり、さらに好ましくはΔTが5%以下かつT500が90%以上である。
好ましくは、(ii) T380が10%以下(より好ましくはT380が5%以下)となるように上記膜を形成したときに、ΔTが10%未満であることが好ましく、より好ましくはΔTが10%未満かつT500が70%以上であり、さらに好ましくはΔTが5%以下かつT500が80%以上である。
本発明の金属酸化物粒子においては、前記金属元素(M)の酸化物からなる粒子内に金属元素(M)に対するモル比で0.1〜14モル%のアシル基が含有されていることが、分散性に優れ、透明性に優れる膜形成用組成物や膜が得られる点で、好ましい。特に、金属元素(M)がZn、Ti、Ce、In、Snである場合には、結晶の屈折率が高くなるため可視光の散乱が起こりやすく、樹脂等のバインダーに分散させたときにヘイズの高い膜となりやすいが、前述のようなアシル基を含有する粒子であると、ヘイズの低い透明性に優れる膜となるのである。また、同様の理由で、金属元素(M)がZn、Ti、Ce、In、Snである場合には、後述する金属化合物(1)〜(3)で表面処理されてなる粒子は、透明性に優れることとなるので好ましい。
本発明の金属酸化物粒子の製造方法については、限定はされず、従来公知の、金属酸化物粒子に所望の異種金属元素を含有させた(ドープした)粒子を得ることのできる方法であれば、何れの方法も採用できる。例えば、金属元素(M)化合物および/またはその加水分解縮合物と、異種金属元素(M’)化合物と、アルコールとを出発原料とし、これらの混合系を高温状態にして、金属酸化物粒子を生成させる(析出させる)工程を備える製造方法(以下、製造方法(A)と称する。)が好ましい。詳しくは、製造方法(A)は、出発原料としての、金属元素(M)化合物および/またはその加水分解縮合物、異種金属元素(M’)化合物およびアルコールを、混合すると同時かまたはその後に、該混合系を高温状態にする工程を備える方法である。このように高温状態にすることにより、反応系中に金属酸化物粒子を生成させることができる。
製造方法(A)において用い得る金属元素(M)化合物としては、限定はされないが、金属元素(M)のカルボン酸塩が好ましい。また、金属元素(M)化合物の加水分解縮合物とは、該化合物を加水分解および/または縮合して得られる加水分解物および/または縮合物であり、モノマー化合物から高分子化合物までを含む(以下、「金属元素(M)化合物」は、「金属元素(M)化合物および/またはその加水分解縮合物」を意味することがある。)
上記金属元素(M)のカルボン酸塩としては、カルボキシル基の水素原子が金属元素(M)の原子で置換された置換基を分子内に少なくとも1つ有する化合物が好ましい。具体的には、飽和モノカルボン酸、不飽和モノカルボン酸、飽和多価カルボン酸および不飽和多価カルボン酸などの鎖式カルボン酸;環式飽和カルボン酸;芳香族モノカルボン酸および芳香族不飽和多価カルボン酸などの芳香族カルボン酸;これらカルボン酸において、さらに分子内にヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、スルホン基、シアノ基およびハロゲン原子等の官能基または原子団を有する化合物;等のカルボン酸化合物中のカルボキシル基が、前記置換基となっている化合物が好ましく例示できる。
これら金属元素(M)のカルボン酸塩のなかでも、下記一般式(I):
M(O)(m−x−y−z)/2(OCOR(OH)(OR (I)
(但し、Mは金属元素(M)の原子(Zn、Ti、Ce、In、Sn、AlおよびSiからなる群より選ばれる少なくとも1種);Rは、水素原子、置換基があってもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた少なくとも1種;Rは、置換基があってもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた少なくとも1種;m、x、yおよびzは、x+y+z≦m、0<x≦m、0≦y<m、0≦z<mを満たす。)
で表される化合物(例えば、前記例示した金属元素(M)のカルボン酸塩の一部が水酸基やアルコキシ基等で置換された化合物等)、飽和カルボン酸塩、不飽和カルボン酸塩および塩基性酢酸塩がより好ましく、さらに好ましくは上記一般式(I)で表される化合物であり、最も好ましくは金属元素(M)のギ酸塩、酢酸塩およびプロピオン酸塩ならびにこれらの塩基性塩である。
なお、金属元素(M)のカルボン酸塩は、結晶水を含むカルボン酸塩の水和物であってもよいが、無水物であることが好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物について、さらに詳しく説明する。
一般式(I)中のRやRとしては、分散性の高い金属酸化物粒子が得られやすい点で、水素、メチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素またはメチル基、エチル基が特に好ましい。また、同様の理由で、一般式(I)中のxは、1≦x≦mを満たすことが好ましく、yは0≦x<m/2を満たすことが好ましく、zは1≦x<m/2を満たすことが好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、分散性の高い金属酸化物粒子が得られやすい点で、溶解速度の速いものが好ましい。溶解速度とは、反応で直接測定することもできるが、25℃において、一般式(I)で表される化合物2重量部を、25±3℃のイオン交換水(pH5〜8)200重量部に混合して撹拌したとき、完全に溶解して透明な溶液が得られるまでの時間tで定義される。一般式(I)で表される化合物の溶解速度は、2分以下が好ましく、より好ましくは1分以下、さらに好ましくは30秒以下である。
一般式(I)で表される化合物の加水分解縮合物のうち、縮合物については、金属元素(M)と酸素(O)とがメタロキサン結合した結合鎖−(M−O)(ただし、nは1以上である。)を有する化合物であることが好ましい。上記縮合物の縮合度(平均)は、限定はされないが、結晶子の大きさや形態のそろった金属酸化物粒子が得られる点で、100以下であることが好ましく、より好ましくは10以下である。
金属元素(M)化合物は、上述したもののうち1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
製造方法(A)において用い得る異種金属元素(M’)の化合物としては、限定はされないが、例えば、金属カルボン酸塩類や金属アルコキシド類等が好ましく挙げられる。異種金属元素(M’)の化合物は、これらのうち1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記異種金属元素(M’)の化合物としては、前述した特定の金属元素(M’)のうち、金属酸化物中に含有させようとする2種以上の金属元素(M’)の化合物を必須として用いるようにする。
製造方法(A)において用い得るアルコールとしては、限定はされないが、例えば、例えば、脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコール(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価アルコール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メチルフェニルカルビノール等)、フェノール類(エチルフェノール、オクチルフェノール、カテコール、キシレノール、グアヤコール、p−クミルフェノール、クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノール、フェノール、ベンジルフェノール、p−メトキシエチルフェノール等)、複素環式1価アルコール(フルフリルアルコール等)等の1価アルコール類;アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等)、脂環式グリコール(シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、および、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテート等の上記グリコール類のモノエーテルまたはモノエステル等の誘導体;グリセリンやトリメチロールエタン等の3価アルコール、エリスリトールやペンタエリスリトール等の4価アルコール、リピトールやキシリトール等の5価アルコール、ソルビトール等の6価アルコール等の3価以上の多価アルコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルアルコール等の多価芳香族アルコール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の2価フェノールや、ピロガロール、フロログルシン等の3価フェノール等の多価フェノール、および、これら多価アルコール類におけるOH基の一部(1〜(n−1)個(ただし、nは1分子当たりのOH基の数))がエステル結合またはエーテル結合となった誘導体;等を挙げることができる。アルコールは、これらのうち1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、上記アルコールとしては、金属元素(M)化合物や異種金属元素(M’)の化合物と反応して金属酸化物粒子を生成し易いアルコールが好ましく、脂肪族アルコール、水溶性の高いアルコールが好ましく、具体的には、水に対する溶解度1重量%以上のアルコールが好ましく、水に対する溶解度10重量%以上のアルコールがより好ましい。
出発原料としての、金属元素(M)化合物、異種金属元素(M’)の化合物およびアルコールの、相互の使用割合(配合割合)については、限定はされないが、金属元素(M)化合物の金属換算原子数と異種金属元素(M’)化合物の金属換算原子数との総数に対する、アルコール中の(アルコール由来の)水酸基の数の比が、0.8〜1000であることが好ましく、より好ましくは0.8〜100、さらに好ましくは1〜50、特に好ましくは1〜20である。
また、金属元素(M)化合物と、異種金属金素(M’)化合物との相互の使用割合(配合割合)については、限定はされないが、金属元素(M)化合物の金属換算原子数と異種金属元素(M’)化合物の金属換算原子数との比が、前述した異種金属元素(M’)の含有率の好ましい範囲を満たすように、適宜設定すればよい。さらに、本発明では、基本的に、異種金属元素(M’)化合物を2種以上使用することになるが、これら異種金属化合物の相互の使用割合(配合割合)についても、上記同様に、前述した好ましい範囲を満たすよう、適宜調整すればよい。
前記出発原料の混合系は、ペースト状、乳濁液状、懸濁液状および溶液状などの流動性のある液状であることが好ましい。必要に応じて、後述する反応溶媒をも混合することにより、上記液状となるようにしてもよい。通常、金属元素(M)化合物および異種金属元素(M’)化合物は、該混合系においては、粒子状で分散した状態、溶解した状態、あるいは、一部が溶解した状態で残りが粒子状で分散している状態、などの状態で存在する。
製造方法(A)においては、さらに反応溶媒を用いてもよい。具体的には、前記出発原料を混合するにあたり、あるいは、前記出発原料の混合系を高温状態にするにあたり、さらに反応溶媒を加えた上で行うようにしてもよい。
反応溶媒の使用量については、限定はないが、前記出発原料と反応溶媒との合計使用量に対する、前記金属元素(M)化合物および異種金属元素(M’)化合物の合計使用量の割合が、0.1〜50重量%であることが好ましく、金属酸化物粒子を経済的に得ることができる。
上記反応溶媒としては、水以外の溶媒、すなわち、非水溶媒が好ましい。非水溶媒としては、例えば、炭化水素、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール(フェノール類や、多価アルコールおよびその誘導体で水酸基を有する化合物なども含む)、エーテルおよびアセタール、ケトンおよびアルデヒド、カルボン酸エステルおよびリン酸エステル類等のエステル、アミド類、多価アルコール類のすべての水酸基の水素がアルキル基やアシル基で置換された誘導体化合物、カルボン酸およびその無水物、シリコーン油ならびに鉱物油などを挙げることができる。反応溶媒としては、親水性溶媒が特に好ましい。具体的には、常温(25℃)において、水を5重量%以上含み溶液状態になり得る溶媒が好ましく、任意の量の水を含み均一な溶液状態になり得る溶媒がより好ましい。反応溶媒としてのアルコールとしては、出発原料となるアルコールとして先に列挙したものと同様のものが好ましく挙げられる。反応溶媒は、これらのうち1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
製造方法(A)においては、前記出発原料等(必要に応じて用いる、反応溶媒も含む。)の混合系に含まれる水分が少ない方が、得られる金属酸化物粒子の欠陥が少なくなるため好ましい。具体的には、該混合系中に、出発原料として用いた金属元素(M)化合物中の金属原子に対してモル比で4未満のわずかな水分しか含有しないことが好ましく、水分がモル比で1未満であるとさらに好ましく、0.5未満であると特に好ましく、0.1未満が最も好ましい。上記水分量が多すぎると、金属酸化物の結晶子中に異種金属元素(M’)が含有されにくくなり、前述した本発明の効果を十分に発揮できる金属酸化物粒子が得られないおそれがある。上記水分量は、例えば、カールフィッシャー法により測定することができる。
なお、上記水分量は、一般には、遊離の水分量を意味するが、金属元素(M)化合物や異種金属元素(M’)化合物が結晶水を有する場合、その結晶水の水分量も含まれる。また、上記水分量は、出発原料等に含まれる水分(使用するアルコールおよびその他の反応溶媒成分中の遊離の水、ならびに、金属元素(M)化合物や異種金属元素(M’)化合物中の結晶水等の水の総和)に関する値であり、前記混合系を高温状態にすることによる反応において副生する水分については、考慮しないものとする。
製造方法(A)において、前記出発原料の混合系を高温状態にするとは、該混合系の温度を常温よりも高い温度であって金属酸化物粒子が生成し得る温度、またはそれ以上の温度に昇温させることである。具体的には、得ようとする金属酸化物粒子の種類(金属元素(M)や異種金属元素(M’)の種類等)等によっても異なるが、一般には、50℃以上であり、結晶性の高い金属酸化物粒子を得るためには、80℃以上が好ましく、100〜300℃がより好ましく、100〜200℃がさらに好ましく、120〜200℃が特に好ましい。なお、上記混合系の温度とは、反応容器のボトム温度であるとする。
上記混合系の高温状態は、金属酸化物粒子の結晶性を高め、紫外線遮蔽性等の物性に優れたものが得られる点で、所定温度を30分以上保持することが好ましく、より好ましくは2時間以上である。
生成させた金属酸化物粒子について、残存有機基の除去や、より一層の結晶成長の促進等を目的とする場合、必要に応じて、該金属酸化物粒子を300〜800℃で加熱してもよい。
上記混合系を高温状態にする際の具体的な昇温手段としては、ヒーター、温風や熱風による加熱が一般的であるが、これらに限定はされず、例えば、紫外線照射などの手段を採用することもできる。
上記混合系を高温状態にする際は、常圧下、加圧下、減圧下のいずれの圧力下で行ってもよく、限定はされないが、加圧下で出発原料を加熱等により高温状態にすることがより好ましい。また、出発原料や併用する反応溶媒等の沸点が、金属酸化物粒子が生成される反応温度よりも低い場合は、耐圧反応装置を用いて行うことも好ましい。通常、反応温度、反応時の気相圧は、溶媒となる成分の臨界点以下で行うが、超臨界条件で行うこともできる。
加圧下で出発原料を高温状態にする場合、加熱時の圧力(気相部の圧力)は、限定はされないが、常圧(大気圧)を1kg/cmとする絶対圧Pで示したときに、P>1kg/cmを満たすことが好ましく、より好ましくは1.5kg/cm≦P≦100kg/cmである。さらに、加圧効果が高く、かつ経済的な設備で行うことができる点で、3kg/cm≦P≦20kg/cmを満たすことが特に好ましい。加圧の方法としては、限定はされないが、例えば、アルコールの沸点より高い温度に加熱する方法や、気相部を窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスで加圧にする方法などが採用できる。
製造方法(A)においては、上記混合系の高温状態は、前述したように、出発原料等を混合すると同時かまたは混合した後に得られていればよく、すなわち、上記混合系を得るための出発原料等の混合と、該混合系を高温状態にするための昇温とは、別々に行ってもよいし、同時(一部同時も含む)に行ってもよく、限定はされない。詳しくは、上記混合系の昇温のための具体的手段(例えば加熱等)は、上記出発原料等の混合に関わらず任意の方法・タイミングで行うことができ、例えば、混合前の出発原料等の少なくとも一つを加熱等しておくことで混合と同時に該混合系を昇温させるようにしてもよいし、混合して得られる混合系に対して、該混合をしながらか又は該混合を終了した後で、加熱等を施し該混合系を昇温させるようにしてもよく、限定はされない。したがって、この混合と、昇温のための加熱等とのタイミングに関する実施態様としては、例えば、(i) 金属元素(M)化合物と異種金属元素(M’)化合物とアルコールとを混合しておいて、これを加熱等により昇温し高温状態にする、(ii)アルコールを所定温度に加熱等しておき、これに金属元素(M)化合物および異種金属元素(M’)化合物を混合することで、混合系を昇温させ高温状態にする、(iii)反応溶媒と、金属元素(M)化合物および異種金属元素(M’)化合物とを混合して所定温度に加熱等しておき、これにアルコールを混合することで、混合系を昇温させ高温状態にする、(iv)各成分(金属元素(M)化合物、異種金属元素(M’)化合物およびアルコール、ならびに、必要に応じて用いる反応溶媒)を別々に加熱等しておいた後、これらを混合することで、混合系を昇温させ高温状態にする、等が好ましく挙げられる。
上記実施態様(特に(ii)〜(iv)の実施態様)においては、出発原料等の混合方法は、限定はされないが、添加する方の出発原料等を、一括添加(例えば1分以内に)してもよいし、逐次添加(例えば1分間を超える時間をかけて)してもよい。逐次添加としては、連続添加(連続フィード)であってもよいし、断続添加(パルス添加)であってもよいし、これらの組み合わせであってもよく、限定はされない。断続添加(パルス添加)においては、各パルスは、連続添加でもよいし、一括添加でもよく、限定はされない。なお、上記混合方法については、添加によって生じる混合系の温度変化がより小さい方が、1次粒子径の揃った金属酸化物粒子が得られやすい点で好ましく、具体的には、混合系の温度変化が10℃以内に納まるように添加速度等を制御することが好ましい。
上記実施態様(特に(ii)の実施態様)においては、金属元素(M)化合物をアルコールに添加して混合する場合の添加速度(添加されるアルコールのモル数に対する、1分あたりの金属元素(M)化合物の添加モル数の比)が、0.0001〜2であることが好ましく、より好ましくは0.0005〜1.0である。上記添加速度が0.0001未満であると、平均1次粒子が0.1μm以下のものを得ることが困難になるおそれがあり、2を超えると、前述した高温状態の温度制御が困難(特に反応スケールが大きい場合)となり、粒子径の揃った粒子を得ることが困難になるおそれがある。
製造方法(A)においては、少なくとも前記出発原料の混合系を高温状態にしている間は、該混合系を、撹拌所要動力0.0001kw/m以上で撹拌しておくことが好ましく、より好ましくは0.001kw/m以上であり、さらに好ましくは0.01〜10kw/mである。
製造方法(A)においては、生成させた金属酸化物粒子の分散性を高める目的で、出発原料からなる混合系を高温状態にし金属酸化物粒子を生成させるまでの過程あるいは生成させた後の任意の段階で、前記混合系または反応系に、脂肪族カルボン酸や脂肪族アミン、あるいは、下記金属化合物(1)〜(3)を添加することが好ましい。該添加により、金属酸化物粒子が2次凝集することを効果的に抑制でき、分散性に優れた粒子が得られる。なかでも、上記金属化合物を添加することが、金属酸化物粒子の結晶子径を、例えば非常に小さい粒径に制御できる等の点で、特に好ましい。上記脂肪族カルボン酸や脂肪族アミンの添加量(合計添加量)は、金属元素(M)化合物中の金属元素(M)に対し0.1〜10モル%であることが好ましい。上記金属化合物(1)〜(3)の添加量(合計添加量)は、該金属化合物中の金属元素の、金属元素(M)化合物中の金属元素(M)に対する原子比で、0.1〜10原子%であることが好ましい。
上記金属化合物(1)〜(3)について、以下に説明する。
金属化合物(1):テトラメトキシシラン、テトラブトキシシラン等の、前記特定の異種金属元素(M’)以外の金属元素からなる金属アルコキシド類。
金属化合物(2):下記一般式(a)で表される有機基含有金属化合物。なお、該金属化合物中の金属元素の種類は、限定はされない。
(a)
(ただし、Yは有機官能基、Mは金属原子、Xは加水分解性基である。iおよびjは1〜(s−1)の整数であってi+j=s(sはMの原子価)を満足する。)
一般式(a)で表される有機基含有金属化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
がアルミニウムである有機基含有化合物としては、例えば、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェート)等の各種アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
がケイ素である有機基含有化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン等のアミノ系シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のクロル系シランカップリング剤;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアクリロキシ系シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン等のケチミン系シランカップリング剤;N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩等のカチオン系シランカップリング剤;メチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン等のアルキル系シランカップリング剤;(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン等のフッ素含有有機基を有するシリコン化合物;イソシアン酸プロピルトリメトキシシラン等のイソシアナト基含有有機基を有するシランカップリング剤;下記一般式(b):
R’O(CO)Si(OR”) (b)
(だだし、R’は、水素、または、メチル基等のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシル基およびアラルキル基から選ばれる少なくとも1種が置換されていてもよい基である。R”は、メチル基等のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アシル基およびアラルキル基から選ばれる少なくとも1種が置換されていてもよい基である。)
で表されるシランカップリング剤;γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランやヘキサメチルジシラザン等の各種シランカップリング剤などが挙げられる。
がジルコニウムである有機基含有化合物としては、例えば、ジルコニウムジn−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムトリn−ブトキシドペンタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシド等の各種ジルコニウム化合物等が挙げられる。
金属化合物(3):金属アルコキシド(金属は任意)の(部分)加水分解物または縮合物や上記(2)の(部分)加水分解物または縮合物であり、例えば、下記一般式(c)で表される。
−(O−M(−R m1)(−R m2))−R (c)
(ただし、R、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基およびアシル基からなる群より選ばれるいずれか1種もしくは該1種が置換されていてもよい基であり、Rは加水分解性基(上記一般式(a)中のXと同じ)または水酸基であり、RはRまたはRであり、Mは金属原子である。m1、m2は0または1〜(Mの原子価−2)までの整数であり、m1+m2は(Mの原子価−2)であり、nは2から10000までの整数である。なお、金属原子Mに結合するRおよびRの種類やその数(m1およびm2)は、金属原子Mの相互間ですべて同じであってもよいし少なくとも一部が異なっていてもよい。)
例えば、上記金属化合物(2)の加水分解縮合物であれば、上記一般式(a)中の金属原子Mに結合している加水分解性基Xの一部あるいは全部が加水分解されて該XがOH基となった化合物や、さらにM−OH間での脱水縮合等の縮合反応によりM−O−M結合を形成してなる化合物等が挙げられ、具体的には、金属化合物(2)として列挙した有機基含有化合物を、加水分解縮合および/または部分加水分解縮合してなる、線状や環状の3量体をはじめとする、線状(分岐鎖を含むものを含む)や環状の加水分解縮合物が挙げられる。
金属化合物(3)としては、例えば、チタン(IV)テトラ−n−ブトキシドテトラマー(C−〔Ti(OCO〕−C)、和光純薬社製)や、シリコン(IV)テトラメトキシドテトラマー、メチルトリメトキシシランテトラマー、テトラメトキシシラン−メチルトリメトキシシラン共加水分解縮合物、アルミニウム(III)トリブトキシドトリマー等が挙げられる。
本発明の金属酸化物粒子は、前述したように、紫外線吸収端がより長波長側にシフトされており、長波長領域の紫外線の吸収効率に優れる粒子である。
本発明の金属酸化物粒子は、例えば、化粧品、紫外線遮断を目的とする電子材料、包装材料用等の各種フィルムやビル、家等の建築物用窓、自動車窓、サンルーフ、鉄道や飛行機の窓等に用いられるガラスやポリカーボネート等の透明プラスチックシートに含有させる粒子としてあるいは成膜し得る紫外線吸収塗料用原料粒子として有用である。
詳しくは、本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Zn、Ti、Ceの場合には、これらの酸化物粒子もしくはこれらの酸化物に単一の異種金属元素を含有させた粒子では得られなかった、優れた紫外線吸収性能や無色性や可視光透過性能を同時に満足させることができるため、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、白色LEDなどの表示デバイスにおいて励起源や光源に由来する紫外線を遮断する紫外線吸収材料として、また、建築物、車両(自動車、電車など)、空輸機(飛行機、ヘリコプターなど)などの各種窓材やディスプレイ等に用いられる各種ガラス(単板ガラス、複層ガラス、合わせガラス等の無機系ガラス、およびポリカーボネート樹脂等の有機系ガラス)の紫外線吸収材料として、また、農業用フィルムや各種包装用フィルムなどの紫外線遮蔽性を要する各種フィルムの紫外線吸収材料として、有用である。
本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Zn、Si、Alの場合には、従来から化粧品用紫外線吸収剤として主に汎用されていた酸化チタンに比べて白色度が低く透明感が高くなるため、より優れた透明感を与えうる化粧品用紫外線吸収剤として、有用である。特に、本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Si、Alの場合には、とりわけ低い屈折率を有する粒子となるため、従来にはない低屈折率の紫外線遮断材料として、前記表示デバイス材料や電子材料などとしても有用である。
本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Ti、Zn、Ce、In、Snの場合には、高屈折率である粒子となるため、バインダー成分となる樹脂やシリケートなどとの配合比を制御することにより、任意の屈折率を有する膜を得ることが可能となるため、反射防止性を兼ね備えた紫外線吸収膜の原料として、有用である。
さらに、本発明の金属酸化物粒子は、紫外線遮断を目的とした用途以外にも適用可能であり、例えば、本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Ti、Zn、Ce、In、Snの場合には、高屈折率である粒子となるため、樹脂、フィルム、膜などの屈折率を高めるための高屈折率フィラーとして好適も用いることができ、特に、本発明の金属酸化物粒子が超微粒子である場合、反射防止膜として好適な透明で高屈折率を有する膜やフィルムを得ることができる。
また、本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Zn、Alの場合には、熱伝導性に優れる粒子となるため、熱伝導性フィラーとして有用であり、例えば、放熱性が求められる白色LED用途や電子回路基板用途などにおいて、熱伝導性の高いシート、フィルム、膜を得る際に好適に用いることができる。
また、本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Zn、Ti、In、Snの場合には、電子伝導性に優れる粒子となるため、半導体もしくは導電体として有用である。特に、本発明の金属酸化物粒子が超微粒子である場合、塗料化することにより、フィルム等の透明帯電防止膜や透明導電膜として好ましく用いることができる。
また、本発明の金属酸化物粒子は、2種以上の異種金属元素(M’)を含有するものであり、金属元素(M)の酸化物のバンドギャップ中に新たな電子準位が形成されたものとなるため、光触媒材料や蛍光体材料としても有用である。例えば、近年、太陽光利用効率の高い光触媒、いわゆる可視光作動型光触媒が求められているが、本発明の金属酸化物粒子における金属元素(M)が、Zn、Tiの場合には、該光触媒の原料としても有用である。
本発明の金属酸化物粒子は、液状または固体状の各種組成物として、前述した種々の用途に適用することができる。例えば、液状組成物としては、分散溶媒に粒子が分散した溶媒分散体、塗膜形成性バインダーに粒子が分散した塗料組成物、合わせガラスの中間膜や樹脂成形品の原料となる可塑剤に粒子が分散した分散体、液状樹脂に粒子が分散した分散体、アクリルモノマーなどの重合性化合物に粒子が分散した重合性組成物等が挙げられ、固体状組成物としては、前記液状組成物を原料として得られる、膜、膜つき基材、繊維状、フィルム状もしくはシート状の樹脂成形品等が挙げられる。例えば、前記液状組成物は、粉末状で得た本発明の金属酸化物粒子もしくは該金属酸化物粒子を製造した際の反応液を、各種分散媒体に従来公知の方法にて分散させることにより容易に得ることができる。以下、実用上、特に有用な膜形成用組成物(前記分類では、溶媒分散体または塗料組成物に該当する)について説明する。
〔膜形成用組成物〕
本発明にかかる膜形成用組成物は、前述したように、前記本発明にかかる金属酸化物粒子と、分散溶媒および/またはバインダーとを必須構成成分とする組成物である。なお、本発明の組成物の必須構成成分である本発明の金属酸化物粒子については、前述した説明が同様に適用できる。
本発明の組成物の必須構成成分である、分散溶媒および/またはバインダーについては、これら(分散溶媒とバインダー)の使用量の相互割合(配合割合)については、限定はされず、必須構成成分である金属酸化物粒子の種類(組成)や使用量や、形成させる膜の形態に応じて、適宜設定することができる。
上記分散溶媒としては、例えば、水、(各種ハロゲン化)炭化水素、アルコール、エーテル、アセタール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸エステル、アミド類およびカルボン酸(無水物)等の有機溶剤や、シリコーン油、鉱物油などが挙げられる。これらは、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記バインダーとしては、例えば、熱可塑性または熱硬化性(熱硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性、湿気硬化性、これらの併用等も含む)の各種合成樹脂や天然樹脂等の有機系バインダーや、無機系バインダー等を挙げることができる。合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、液状ポリブタジエン、クマロン樹脂等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。天然樹脂としては、例えば、セラック、ロジン(松脂)、エステルガム、硬化ロジン、脱色セラック、白セラック等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。合成樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の天然または合成のゴム等を用いてもよい。合成樹脂と併用する成分として、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。
バインダー成分の形態については、限定はなく、溶剤可溶型、水溶性型、エマルション型、分散型(水/有機溶剤等の任意の溶剤)等を挙げることができる。
水溶性型のバインダー成分としては、例えば、水溶性アルキド樹脂、水溶性アクリル変性アルキド樹脂、水溶性オイルフリーアルキド樹脂(水溶性ポリエステル樹脂)、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性メラミン樹脂等を挙げることができる。
エマルション型のバインダー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディスパージョン;酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アクリル−シリコーンエマルション、フッ素樹脂エマルション等を挙げることができる。
無機系バインダーとしては、シリカゾル、アルミナゾル、チタニアゾル、ジルコニアゾルおよびセリアゾル等の金属酸化物ゾル;アルカリケイ酸;シリコンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドおよびチタンアルコキシド等の金属アルコキシドならびにこれらの(加水分解)縮合物;(ポリ)シラザン;リン酸塩等を挙げることができる。また、金属ギ酸塩、金属酢酸塩および金属シュウ酸塩等の金属カルボン酸塩ならびにこれらの塩基性塩や、金属アセチルアセトナート等のβ−ジケトン錯体といった有機金属錯体等のように、熱分解によって金属酸化物となり得る金属化合物も挙げることができる。
これら無機系バインダーは、塗布した後で熱および/または湿気によって金属酸化物や金属水酸化物となるが、これら無機系バインダーのなかでも、上記金属酸化物や金属水酸化物が紫外線吸収性に優れる点では、Ti、Ce、Znを金属元素として含む無機系バインダーが好ましく、得られる膜の化学的耐久性に優れる点では、Si、Zr、Ti、Alを金属元素として含む無機系バインダーが好ましく、金属酸化物粒子の分散性に優れる点では、金属アルコキシド類の無機系バインダーが好ましく、特に、Si、Ti、Alを金属元素として含む金属アルコキシドおよびこれらの(加水分解)縮合物が好ましい。
本発明の組成物の必須構成成分である金属酸化物粒子は、Cu、Ag、FeおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属成分とする金属酸化物粒子、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子をも含むことが好ましい。これにより、短波長領域の可視光の遮断効果をより高めることができるのである。なお、Cu、Fe、Ag、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属成分とする金属酸化物粒子については、〔金属酸化物粒子の組み合わせ〕の項で前述した説明が同様に適用できる。
本発明の組成物の必須構成成分である金属酸化物粒子と、分散溶媒および/またはバインダーとの使用量については、限定はされないが、具体的には、全ての金属酸化物粒子の使用量割合が、該組成物中の全固形分量に対して、10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80重量%である。上記使用量割合が、10重量%未満であると、例えば該組成物を紫外線遮断膜の形成に用いる場合に、十分なUV遮断性を得るために厚い膜にする必要があり、特に該粒子以外に無機バインダーや硬化性樹脂を膜成分として用いた場合等では、得られた膜にクラックが入りやすくなるおそれがあり、90重量%を超えると、例えば該組成物を膜の形成に用いた場合に、膜の機械的強度が不十分となるおそれがある。ただし、本発明の組成物が、分散溶媒を必須構成成分とする組成物であって、これを基材に塗布し、高温に加熱して焼成(焼結)することにより膜形成を行う場合は、該組成物における金属酸化物粒子の割合は、該組成物中の全固形分量に対して90重量%を超えていてもよいし、特に100重量%であってもよい。
本発明の組成物は、さらに他の構成成分を含むものであってもよく、例えば、分散剤や、無機バインダーおよび硬化性樹脂等を含んでいてもよい。
分散剤としては、例えば、前記金属化合物(1)〜(3)が好ましく、なかでも、金属化合物(3)が特に好ましい。上記金属化合物(1)〜(3)の添加量(合計添加量)は、該金属化合物中の金属元素の、金属元素(M)化合物中の金属元素(M)に対する原子比で、0.1〜10原子%であることが好ましい。
本発明の組成物の用途は、限定はされず、例えば、紫外線遮断膜形成用の塗布液や紫外線カット塗料として取り扱うことができる。具体的には、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、白色LEDなどの表示デバイスにおいて励起源や光源に由来する紫外線を遮断するためのフィルムやガラスに紫外線遮断膜を形成する際に用いる塗布液として、また、建築物、車両(自動車、電車など)、空輸機(飛行機、ヘリコプターなど)などの各種窓材やディスプレイ等に用いられる各種ガラス(単板ガラス、複層ガラス、合わせガラス等の無機系ガラス、およびポリカーボネート樹脂等の有機系ガラス)に紫外線遮断膜を形成する際に用いる塗布液として、また、農業用フィルムや各種包装用フィルムなどの紫外線遮蔽性を要する各種フィルムに紫外線遮断膜を形成する際に用いる塗布液として、さらに、前記窓材などに用いられる合わせガラスの中間膜として紫外線遮断膜を形成する際に用いる塗布液として、有用である。また、本発明の組成物は、〔金属酸化物粒子〕の項で前述したように、該組成物に含まれる金属酸化物粒子の金属元素の種類によって、高屈折率膜、低屈折率膜、反射防止膜、熱伝導性膜、帯電防止膜、透明導電膜、光触媒膜、蛍光体膜などの各種機能膜の形成に用いる塗布液としても、有用である。特に、Znを主たる金属元素(前記金属元素(M))とする金属酸化物粒子を含む本発明の組成物は、前述した各種用途においてとりわけ良好な特性を示しうるものであり、好適である。
〔膜〕
本発明にかかる膜は、前述したように、前記本発明にかかる金属酸化物粒子および/または該金属酸化物粒子に由来する金属酸化物結晶を必須構成成分として得られてなる膜である。すなわち本発明の膜は、(1)本発明にかかる金属酸化物粒子がバインダー中に分散した膜、(2)該粒子のみからなる膜、(3)該粒子を焼結して得られた膜、および、(4)これらの膜形態を組み合わせてなる膜(特に、上記(2)の膜と上記(3)の膜とを組み合わせてなる膜)など、本発明の金属酸化物粒子を含む組成物(中間組成物など)または本発明の膜形成用組成物(発明者様;ここの部分も読みにくかったので推測で記載しました。)を原料成分として用いて得られた膜を全て包含する。
上記(1)の膜は、バインダーを含む前記組成物を塗布または成形して得られる。上記(2)の膜は、溶媒分散型の前記組成物を塗布して得られる。上記(3)の膜は、上記(1)または上記(2)の膜を高温で焼成等することにより金属酸化物粒子を焼結させてなる金属酸化物結晶の膜として得られる。上記(4)の膜は、例えば、上記(2)の膜を高温で焼成等することにより一部の金属酸化物粒子を焼結させてなる、金属酸化物粒子と該粒子に由来する金属酸化物結晶との複合膜として得られる。通常、上記(1)および(2)の膜では、本発明の金属酸化物粒子が実質的にその形態を維持して存在することになるが、上記(3)の膜や、上記(4)の膜のうち上記(3)の膜の形態を取り得る部分では、粒子の結晶子径の変化等といった構造変化を伴うため、得られる膜は、もとの粒子の結晶形態とは異なる多結晶膜あるいは単結晶膜となる場合もある。なお、本発明の膜の必須構成成分(または必須原料成分)である、本発明の金属酸化物粒子については、前述した説明が同様に適用できる。
本発明の膜の好ましい態様は、前記必須構成成分である金属酸化物が、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属成分とする金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属又はこれが膜形成過程において又はその後工程において酸化されてなる金属酸化物超微粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶をも含むことである。これにより、短波長領域の可視光の遮断効果をより高めることができるのである。なお、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属酸化物粒子については、後述する〔金属酸化物含有物品〕の項で第2の金属酸化物粒子として詳しく説明するものと同様である。
本発明の膜は、限定はされないが、一般には、所望の基材表面に形成され得る膜であり、その形態は、基材表面上の所望の面積部分に切れ目なく連続的に広がって存在している形態(以下、連続膜と言うことがある。)であってもよいし、基材表面上の所望の面積部分に不連続的に存在している形態(以下、不連続膜と言うことがある。)であってもよく、限定はされない。不連続膜では、膜の構成成分が基材表面に部分的に存在(点在)しているが、それらの大きさ、面積、厚みおよび形状等は、限定はされない。不連続膜の具体的な形態としては、例えば、膜の構成成分が、基材表面に微細なドット状で存在している形態や、いわゆる海島構造のように存在している形態や、縞模様状に存在している形態や、これら形態を合わせた形態等が挙げられる。
上記連続膜および不連続膜が金属酸化物粒子のみを構成成分としてなる(金属酸化物粒子が集合してなる)場合、これら膜の構造としては、限定はされないが、具体的には、所望の大きさの空間を有する多孔質構造であってもよいし、マクロ的に見てこのような多孔質構造ではない一体的な密実構造(すなわち実質的に緻密な構造)であってもよいが、より緻密な構造である方が、UV遮断性に優れ且つ散乱による可視光に対する透明性の低下がない膜が得られる点で好ましい。なお、不連続膜においては、上述したような膜の構造は、部分的に存在している個々の膜部分のうちの、全てが備えていてもよいし、一部のみが備えていてもよい。
本発明の膜の実施態様としては、基材表面上に形成された膜そのものを意味する態様と、基材上に形成された膜と該基材とから構成されるものを意味する態様、とのいずれをも含むとする。
本発明の膜に用い得る上記基材としては、その材質等は限定されず、例えば、酸化物、窒化物、炭化物等のセラミクス、ガラスなどの無機物;PET、PBT、PENなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマーなどの耐熱性樹脂フィルムとして知れられる樹脂フィルム、シートのほか、従来公知の(メタ)アクリル樹脂、PVC樹脂、PVDC樹脂、PVA樹脂、EVOH樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PTFE、PVF、PGF、ETFE等のフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂等の各種樹脂からなるフィルムやシート各種樹脂高分子、および、これら各種樹脂高分子にアルミ、アルミナ、シリカなどを蒸着したフィルム等の加工品、などの有機物;各種金属類などが好ましく挙げられる。
上記基材の形状・形態としては、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状、積層体状などが挙げられるが、用途・使用目的等に応じて選択すればよく、限定はされない。また、上記基材は、機能面においても、限定はされず、例えば、光学的に透明であってもよいし、不透明であってもよく、用途・使用目的等に応じて選択すればよい。
本発明の膜については、その光学特性が以下の条件を満たすことが、可視光は透過させ紫外線のみを選択的に吸収する性能に優れる点で、好ましい。なお、以下に示す該膜の光学特性は、後述する実施例に記載の方法により測定・評価される値であるとし、また、膜部分のみ(基材除く)についての物性であって、膜付き基材の光学特性と基材のみの光学特性とを勘案して評価されるものとする。さらに、該膜の光学特性のうち、紫外線吸収性能の指標となる波長380nmの光の透過率(%)をT380と定義するとともに、可視光透過性能の指標となる、波長500nmの光の透過率(%)をT500と、波長550nm〜700nmの光の透過率(%)の最小値をTと、TとT500との差の絶対値(|T−T500|)をΔTと、定義する。
本発明の膜の光学特性に関しては、T380の値を基準としたときの、T500およびΔTの値で評価することとし、該膜の好ましい態様((i)および(ii))を以下に示す。
(i) T380が20%以下であるときに、ΔTは10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下であり、T500は90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上である。
好ましくは、(ii) T380が10%以下であるときに、ΔTは10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%未満であり、T500は70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上である。
本発明の膜を形成する方法としては、限定はされないが、例えば、前記本発明の膜形成用組成物を用いて形成する方法が好ましい。なお、この形成方法に用い得る、本発明の組成物については、前述した説明が同様に適用できる。
以下では、本発明の組成物を用いた膜の形成方法について説明する。
本発明の組成物を用いて膜を形成する方法としては、限定はされないが、該組成物を、基材表面に、バーコーター法、ロールコーター法、ナイフコーター法、ダイコーター法およびスピンコート法等の塗布法ならびにスプレー法などの従来公知の成膜方法を用いて塗布し膜形成する方法や、本発明の組成物に、基材の一部または全部を漬けた後取り出すことで塗布し膜形成する、いわゆるディッピング法が採用できる。また、本発明の組成物の必須構成成分として分散溶媒を用いた場合等では、塗布した後に高温で焼成することにより成膜することもでき、例えば、金属酸化物粒子の少なくとも一部が融合した結晶性の膜を得ることができる。
本発明の膜は、例えば、〔金属酸化物粒子〕や〔膜成形用組成物〕の項で前述したような各種用途において用いられる紫外線遮断膜として、また、高屈折率膜、低屈折率膜、反射防止膜、熱伝導性膜、帯電防止膜、透明導電膜、光触媒膜、蛍光体膜などの各種機能膜として、有用である。さらに、紫外線遮蔽膜と前記各種機能膜のいずれかとを兼ねる2種以上の機能を備えた膜(例えば、高屈折率を有する紫外線遮蔽膜、透明導電性を有する紫外線遮蔽膜など)としても有用である。
〔金属酸化物含有物品〕
本発明の金属酸化物含有物品は、金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶を含む物品であって、前記金属酸化物粒子が、前記本発明の金属酸化物粒子と、Cu、Ag、FeおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属酸化物粒子(以下「第2の金属酸化物粒子」と称することもある。)、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子(以下「第2の金属超微粒子」と称することもある。)との組み合わせを必須とするものである。このような組み合わせにより、本発明の金属酸化物含有物品は、紫外線のみならず、短波長領域の可視光の遮断効果にも優れたものとなるのである。
第2の金属酸化物粒子のうち、Cuを金属元素とする金属酸化物粒子としては、例えば、酸化第一銅(CuO)、酸化第二銅(CuO)、銅フェライト(CuFe)、モリブデン酸銅(CuMoO)、タングステン酸銅(CuWOO)、チタン酸銅(CuTiO)、セレン酸銅(CuSeO)、亜クロム酸銅(CuCr)等の単一酸化物、複合酸化物、単一酸化物や複合酸化物の金属元素の一部が異種金属元素で一部置換された固溶体酸化物、単一酸化物や複合酸化物の酸素の一部が他の元素(例えば、窒素、硫黄、ハロゲン元素など)で一部置換された固溶体酸化物からなる粒子が挙げられる。なお、前記酸化物においては、例えば、Cu1−δOのように、化学両論組成からずれた化合物も含まれるものである。なかでも、酸化銅粒子もしくは該粒子の粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は好ましく、酸化第一銅粒子もしくは該粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は特に好ましい。
第2の金属酸化物粒子のうち、Feを金属元素とする金属酸化物粒子としては、例えば、酸化鉄(酸化第一鉄(FeO)、酸化第二鉄(α−Fe、γ−Fe)、四三酸化鉄(Fe)など)、水酸化鉄(III)(α−FeO(OH)、γ−FeO(OH)など)、一般式M(II)Fe(但し、該式中のMは1種または2種以上の任意の金属元素である)で表される各種フェライト化合物(例えば、マンガンフェライト、亜鉛フェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、バリウムフェライト、亜鉛ニッケルフェライトなど)、チタン酸鉄(FeTiO)、モリブデン酸鉄(FeMoO)、タングステン酸鉄(FeWOO4)等の単一(水)酸化物、複合酸化物、単一(水)酸化物や複合酸化物の金属元素の一部が異種金属元素で一部置換された固溶体酸化物、単一(水)酸化物や複合酸化物の酸素の一部が他の元素(例えば、窒素、硫黄、ハロゲン元素など)で一部置換された固溶体酸化物からなる粒子が挙げられる。なお、前記(水)酸化物においては、例えば、Fe1−δOのように、化学両論組成からずれた化合物も含まれるものである。なかでも、(水)酸化鉄粒子もしくは該粒子の粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は好ましく、α−Fe粒子もしくは該粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は特に好ましい。
第2の金属酸化物粒子のうち、Biを金属元素とする金属酸化物粒子としては、例えば、三酸化ビスマス(III)((Bi)、チタン酸ビスマス(BiTi12)、モリブデン酸ビスマス(BiMoO)、タングステン酸ビスマス(BiWOO6)、スズ酸ビスマス(BiSn)、ジルコン酸ビスマス(2Bi・3ZrO)等の単一酸化物、複合酸化物、単一酸化物や複合酸化物の金属元素の一部が異種金属元素で一部置換された固溶体酸化物、単一酸化物や複合酸化物の酸素の一部が他の元素(例えば、窒素、硫黄、ハロゲン元素など)で一部置換された固溶体酸化物からなる粒子が挙げられる。なお、前記酸化物においては、例えば、Bi2−δのように、化学両論組成からずれた化合物も含まれるものである。なかでも、酸化物粒子もしくは該粒子の粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は好ましく、三酸化ビスマスやチタン酸ビスマスからなる粒子もしくは該粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は特に好ましい。
第2の金属酸化物粒子のうち、Agを金属元素とする金属酸化物粒子としては、例えば、酸化銀(AgO)等の単一酸化物、複合酸化物、単一酸化物や複合酸化物の金属元素の一部が異種金属元素で一部置換された固溶体酸化物、単一酸化物や複合酸化物の酸素の一部が他の元素(例えば、窒素、硫黄、ハロゲン元素など)で一部置換された固溶体酸化物からなる粒子が挙げられる。なお、前記酸化物においては、例えば、Ag2−δOのように、化学両論組成からずれた化合物も含まれるものである。なかでも、酸化物粒子もしくは該粒子の粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は好ましく、三酸化ビスマスやチタン酸ビスマスからなる粒子もしくは該粒子表面にエタノイル基等のアシル基やエトキシ基等のアルコキシ基などの有機基が結合した粒子は特に好ましい。
なお、第2の金属酸化物粒子は、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる2種以上を金属元素とするものであってもよいし、Cu、Fe、AgおよびBi以外の金属元素を含むものであってもよい。
第2の金属酸化物粒子の大きさは、特に制限されないが、優れた透明性を発現させるうえでは、1次粒子の平均粒子径が1〜100nmであることが好ましく、5〜30nmであることがより好ましく、85〜20nmであることがさらに好ましい。
第2の金属超微粒子は、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子であってもよい。また、前記したように該粒子の一部または全部が酸化されて酸化物として存在する場合も含める。該金属超微粒子としては、単一金属または合金用粒子からなるものが好ましく、1次粒子径が1〜100nm、好ましくは1〜20nmのものがよい。450nm以下にプラズモン吸収による吸収が強いものが好ましく、例えば、Cu,Agを金属元素として含むものがあげられる。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、便宜上、「重量部」を単に「部」と、「重量%」を「wt%」と記すことがある。
実施例および比較例における測定および評価は、各実施例・比較例で特に断りのない限り、以下の方法で行った。
<金属酸化物粒子の評価>
(1)粉末試料の調製
金属酸化物粒子の生成反応により得られた反応液を遠心分離した後、沈降物の反応溶媒による洗浄(沈降物を反応溶媒に再分散させ、遠心分離すること)を3回繰り返し、その後、得られた沈降物を真空乾燥機により60℃で12時間真空乾燥することにより、金属酸化物粒子の粉末試料を得た。
(2)金属酸化物粒子の結晶同定
上記粉末試料に関し、粉末X線回折装置(理学電気株式会社製、製品名:RINT2400)を用いた粉末X線回折により、金属酸化物粒子の結晶性を評価した。以下に測定条件を示す。
X線:CuKα1線(波長:1.54056Å)/40kV/200mA
走査範囲:2θ=20〜80°
スキャンスピード:5°/min
例えば、金属酸化物粒子がZnを主金属成分とする場合においては、ZnO結晶性を有するか否かは、六方晶系ZnOに特有の3強線のピークが認められるか否かで判定した。具体的には、以下の3つの回折角(a)〜(c)の位置のすべてに回折ピークが存在する場合、ZnO結晶性を有すると判定した。
(a) 2θ=31.65〜31.95°
(b) 2θ=34.30〜34.60°
(c) 2θ=36.10〜36.40°
なお、(a)の位置に存在する回折ピークは、ZnO結晶の(100)面に対する回折線に基づくものと判定し、(b)の位置に存在する回折ピークは、ZnO結晶の(002)面に対する回折線に基づくものと判定し、(c)の位置に存在する回折ピークは、ZnO結晶の(101)面に対する回折線に基づくものと判定する。
Zn以外の金属元素を主金属成分とする場合においても同様に、その金属元素の酸化物結晶に特有の3強線のピークが認められるか否かで判定した。
(3)金属酸化物粒子の結晶子径(Ds)
上記粉末試料に関し、粉末X線回折装置(理学電気株式会社製、製品名:RINT2400)を用いた粉末X線回折により、金属酸化物粒子の結晶子径(Ds)を評価した。具体的には、得られたX線回折パターンにおける各回折線の回折線幅より、シェラー法解析により結晶子径Dhkl(ここで、hklはミラー指数を表す。Dhklはミラー指数(hkl)の格子面に垂直な方向の結晶子の大きさである。なお、ミラー指数(hkl)は実施例・比較例によって異なり、それぞれの結果を示す表中に示した)を求めた。
(4)金属酸化物粒子の組成(金属元素の平均組成)
上記粉末試料に関し、蛍光X線分析により各金属元素の定量分析を行い、主たる金属元素(M)に対する2種以上の異種金属元素(M’)(以下、M1、M2とする)の含有率、および、粒子生成の際に金属化合物を添加剤として用いた場合は、主たる金属元素(M)に対する該金属化合物の金属元素(Ms)の含有率、を求めた。
また、上記粉末試料中の個々の粒子に関し、分解能1nmφのXMA装置(X線マイクロアナライザー)を附帯してなるFE−TEM(電界放射型透過型電子顕微鏡)により観察しながら、粒子の表層部から中心部にかけての任意の各部分における局所元素分析を行い、各金属元素に帰属されるピーク強度の主たる金属元素(M)に帰属されるピーク強度に対する強度比の振れを評価し、粒子中に含有されている各金属元素が均一に分布しているか否か(分布の均一性)を判定した。また、各粒子の局所元素分析を行う際、異種金属元素(M1、M2)や金属化合物の金属元素(Ms)の偏析物の有無も評価した。
○:主たる金属元素(M)以外の金属元素(M1,M2,Ms)が均一に含有されている。
×:主たる金属元素(M)以外の金属元素(M1,M2,Ms)が均一に含有されていないか、および/または、それらの金属または化合物の偏析物が確認された。
(5)金属酸化物粒子に含有される異種金属元素の価数の評価
上記粉末試料に関し、光電子分光装置(日本電子株式会社製、製品名:JPS−90型)を用いたX線光電子分光法(XPS)により、金属酸化物粒子に含有される異種金属元素(特にCoやFe)の2p3/2スペクトルを測定し、そのピーク位置より結合エネルギー値を求め、異種金属元素の価数を判定した。
なお、結合エネルギー値は、帯電性によるエネルギーシフト等による測定値の誤差を低減するために、表面炭化水素のC1sピークの位置を基準にして補正して求めた。
また、比較するための既知のデータとして、日本電子株式会社発行の「Handbook of X-ray Photoelectron Spectroscopy」(1991年)における各種金属元素の化合物の2p3/2スペクトルのピーク位置を参考とした。
(6)金属酸化物粒子の性能
(6-1)
金属酸化物粒子分散膜状態での性能を以下のようにして評価した。すなわち、金属酸化物粒子の生成反応により得られた反応液を、加熱溶媒置換することにより、金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体を得た(反応液中の溶媒の沸点が1−ブタノールの沸点よりも高い場合には、反応液を加熱還流することにより20wt%の分散体を得、これを用いることとした。)。得られた分散体100部に、シリケートバインダー(SiO換算の固形分:51wt%)20部および触媒(n−ブチルアミン)0.5部を配合し、塗料を調製した。なお、上記粒子濃度に関しては、得られた分散体を、真空乾燥機により120℃で1時間真空乾燥したときの固形分を、粒子重量として計算した。
得られた塗料を、無アルカリガラス(コーニングインターナショナル株式会社製、バリウムホウケイ酸ガラス、ガラスコード番号:7059、厚み:0.6mm)に、バーコーターでウエット膜厚が24μmとなるように塗布した。その後、25℃で常乾することにより、表面に金属酸化物粒子分散膜の形成されたガラスを得、この分散膜付きガラスの膜部分のみを対象にして、分光透過率曲線に基づく可視光透過特性、紫外線吸収特性および可視長波長吸収特性を評価した。なお、上記分散膜の分光透過率曲線は、粒子の分散状態にも影響されるため、透明性に関してヘイズ<3%を満たす分散膜についてのみ評価することとする。よって、塗料化する際は、分散し難い粒子の場合は分散処理を長時間行い(下記(7)の評価結果参照。)、必要に応じて他の分散方法も用いるようにする。
分散膜付きガラスおよび上記無アルカリガラス(基材のみ)の各々の分光透過率曲線を、積分球付き自記分光光度計((株)島津製作所製、製品名:UV−3100)を用いて測定した。
得られた分光透過率曲線より、分散膜付きガラスおよび無アルカリガラスの各々について、可視光透過特性としては、可視光の透過率(波長500nmまたは波長600nmの光の透過率(%))を評価し(実施例4−1、実施例4−2および比較例4−1〜4−3においては600nmにおける透過率(%)。その他の実施例および比較例においては500nmにおける透過率で評価した)、紫外線吸収特性としては、可視光から可視光短波長域における透過率(波長380nm、400nm、420nmにおける透過率(%)を評価した(実施例・比較例によってはこれら波長のうち380nmのみ、もしくは380nmと400nmのみにおける透過率を評価した))。また、可視長波長吸収特性としては、550〜700nmにおける吸収性能に関して、下記式:
Δ(%)=〔|T500−T|/T500〕×100
(ただし、Tは550〜700nmにおける透過率(%)の最小値であり、T500は500nmにおける透過率(%)である。)
によりΔ(%)を求め、その値について以下の基準により評価した。
A: Δ(%)<10%
B: 10%≦Δ(%)
なお、膜部分のみについての上記各種透過率は、下記式により求められる。
膜部分のみについての各種透過率(%)
=〔分散膜付きガラスの各種透過率(%)/無アルカリガラスの各種透過率(%)〕×100
(ただし、上記評価方法により求められる無アルカリガラスの各種透過率(%)は、380nm、400nm、420nmおよび500nmにおける透過率、および、550〜700nmにおける透過率のいずれについても91%である。)
(6-2)
上記(6-1)の評価方法において、バーコ−ターによる塗料のウエット膜厚が66μmとなるようにして分散膜付きガラスを得た以外は、上記(6-1)と同様にして、同様の評価を行った。なお、この評価は、実施例中に明示した金属酸化物粒子についてのみ行った。
(6-3)
得られた反応液を希釈溶媒として1−ブタノールを用いて微粒子濃度0.1wt%となるように希釈したものを試料として用い、積分球付き自記分光光度計(島津製作所製「UV−3100」)を用いて、紫外および可視領域における分光透過率曲線を測定した。
紫外線遮断性:380nm、400nm、420nmにおける透過率で評価した。
可視光透過性:600nmにおける透過率で評価した。
なお、成膜品における分光透過曲線についても、上記と同様、積分球付き自記分光光度計(島津製作所製「UV−3100」)を用いて、紫外および可視領域における分光透過率曲線を測定した。
(6-4)透明性、色相の評価
微粒子分散膜を形成して評価した。すなわち、金属酸化物粒子の生成反応により得られた反応液を、加熱溶媒置換することにより、金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体を得た。得られた分散体100部に、シリケートバインダー(SiO換算の固形分:51wt%)20部および触媒(n−ブチルアミン)0.5部を配合し、塗料を調製した。なお、上記粒子濃度に関しては、得られた分散体を、真空乾燥機により120℃で1時間真空乾燥したときの固形分を、粒子重量として計算した。
得られた塗料を、アルカリガラスにバーコーターでウエット膜厚が24μmとなるように塗布した。その後、25℃で常乾することにより、表面に金属酸化物粒子が分散した分散膜の形成されたガラスを得た。
そして、上記分散膜付きガラスを試料として、透明性および色相を評価した。すなわち、透明性については、濁度計(日本電色工業社製「NDH−1001 DP」)を用いて測定したヘイズ値にて評価した。色相については、外観を目視にて観察した。なお、基材としたアルカリガラスにおけるヘイズ値は0%であった。
なお、成膜品における透明性および色相についても、上記と同様、透明性は、濁度計(日本電色工業社製「NDH−1001 DP」)を用いて測定したヘイズ値にて評価し、色相は、外観を目視にて観察した。
(7)金属酸化物粒子の分散のし易さ(分散性)
上記(6)と同様にして、金属酸化物粒子を含む塗料を調製し、表面に金属酸化物粒子分散膜の形成されたガラスを得たときに、この分散膜付きガラスのヘイズ値が3%未満となるための分散条件によって、金属酸化物粒子の分散のし易さを評価する。具体的には、塗工前の塗料に対して、超音波ホモジナイザーを用いた分散処理を行ったときに、この分散処理時間(超音波照射時間)がどの程度であれば上記ヘイズ値(3%未満)を満たす分散膜付きガラスが得られるか、を以下の基準で評価した。
○:5分未満
△:5分以上、10分未満
×:10分以上
(8)アシル基の同定・結合量
粉末試料1gを、0.1N水酸化ナトリウム水溶液に添加し、24時間攪拌した後、イオンクロマトグラフィーによりアシル基の同定および結合量の定量を行った。
<膜形成用組成物の評価>
(1)分散安定性
得られた分散体の分散安定性を、以下の基準により評価した。
A:静置後1週間経っても、2層分離や沈降物の発生が認められない。
B:静置後1週間で、沈降物が微量に発生した。
C:静置後1週間で、沈降物が多量に発生した。
(2)透明度
得られた分散体を透明ガラス板に膜上に塗布し、wetな状態で目視し、以下の基準により評価した。
A:透明感がきわめて高い。
B:透明感が高い。
C:透明感が低い。
(3)分散粒径
動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所製「LB−500」)を用いてメジアン径を測定し、これを分散粒径とした。
<膜(または膜付き基材)の評価>
(1)分光透過率曲線に基づく可視光透過特性および紫外線吸収特性
得られた膜付き基材を対象にして、分光透過率曲線に基づく可視光透過特性および紫外線吸収特性を評価した。
膜付き基材の分光透過率曲線は、積分球付き自記分光光度計((株)島津製作所製、製品名:UV−3100)を用いて測定した。
得られた分光透過率曲線より、膜付き基材について、可視光透過特性としては、可視光の透過率(500nmにおける透過率(%))を評価し、紫外線吸収特性としては、可視光から可視光短波長域における透過率(380nm、400nmおよび420nmにおける透過率(%))を評価した。
なお、膜付き基材に用いた基材のみについても、上記と同様の方法により各種透過率を求めておいた。
(2)可視光に対する透明性
濁度計(日本電色工業社製、製品名:NDH−1001 DP)を用いて、膜付き基材および基材のみの各々について、全光線透過率、拡散光線透過率、平行線透過率、ヘイズ値を測定し、膜の透明性をそのヘイズ値から以下の基準により評価した。なお、膜のへイズ値は、膜付き基材のヘイズ値から基材のみのヘイズ値を差し引いたものである。
○: ヘイズ<3%
×: ヘイズ≧3%
(3)着色の度合い
得られた膜(膜付き基材)に関して、外観を目視することにより、以下の基準で評価した。
×:着色が気になる。
○:着色が無いか、または、着色があっても気にならない。
(4)屈折率
反射分光膜厚計(大塚電子(株)製「FE−3000」)を用いて膜(基材に形成された膜)の230〜760nmの範囲で反射率を測定し、代表的な屈折率の近似式としてnkCauchyの分散式を引用し、未知のパラメータを絶対反射率のスペクトルの実測値から非線形最小二乗法によって求めて、波長550nmにおける屈折率を求めた。
(5)乾燥膜厚
反射分光膜厚計(大塚電子(株)製「FE−3000」)を用いて測定した。
〔実施例1−1〕
撹拌機、添加槽に直結した添加口、温度計、留出ガス出口および窒素ガス導入口を備えた、外部より加熱し得る耐圧ガラス製反応器と、上記添加口につながった添加槽と、上記留出ガス出口につながった冷却器(トラップに直結)と、を備えた反応装置を用意した。
上記反応器内に、酢酸亜鉛無水物183部、水酸化酢酸鉄(III)粉末3.8部、酢酸スズ(IV)7.1部、および、メタノール1700部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら(20℃から)150℃まで昇温し、150℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(11)を得た。さらに、得られた反応液を加熱溶媒置換することにより、上記金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(11)を得た。
反応液(11)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、その結果を表2に示した。なお、反応液(11)中の金属酸化物粒子に含有されるFeの価数に関しては、前述のようにFeの2p3/2スペクトルを測定することで評価した結果、ピーク位置からみて、3価のFe(Fe(III))が含有されていると判定した。
さらに、前述の各種測定・評価において得られた、分散膜付きガラスの分光透過率曲線について、後述する比較例1−1でのそれと共に、図1に示す。
〔比較例1−1〕
実施例1−1と同様の耐圧ガラス製反応器等を備えた反応装置を用意した。
上記反応器内に、酢酸亜鉛無水物粉末183部、水酸化酢酸鉄(III)粉末3.8部、および、メタノール1700部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら(20℃から)180℃まで昇温し、180℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(c11)を得た。さらに、得られた反応液を加熱溶媒置換することにより、上記金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(c11)を得た。
反応液(c11)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、その結果を表2に示した。
さらに、前述の各種測定・評価において得られた、分散膜付きガラスの分光透過率曲線について、前述した実施例1−1でのそれと共に、図1に示す。
〔実施例1−2〜1−4〕
実施例1−1において、仕込み原料の種類や使用量および反応条件等を、表1に示したように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(12)〜(14)、および、分散体(12)〜(14)を得た。
反応液(12)〜(14)中の金属酸化物粒子それぞれについて、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表2に示した。なお、反応液(12)および(14)中の金属酸化物粒子に含有されるCoの価数に関しては、前述のようにCoの2p3/2スペクトルを測定することで評価した結果、ピーク位置からみて、2価のCo(Co(II))が含有されていると判定した。
反応液(12)中の金属酸化物粒子については、前述した金属酸化物粒子の評価のうち、(6-2)の評価も行った。その結果、380nmにおける透過率は1%未満、500nmにおける透過率は80%、Δ(%)は4%であった。
さらに、反応液(12)中の金属酸化物粒子については、前述の各種測定・評価において得られた、分散膜付きガラスの分光透過率曲線について、後述する比較例1−2でのそれと共に、図2に示す。
なお、実施例1−3で得られた各分散体中の粒子に関して、微量金属元素の価数をXPSにより測定したところ、Cu(II)とCu(I)が混在していた。
〔実施例1−5〜1−8〕
実施例1−1において、仕込み原料の種類や使用量および反応条件等を、表1に示したように変更した(仕込み原料としては、表1に記載の添加剤も含む。)以外は、実施例1−1と同様にして、黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(15)〜(18)、および、分散体(15)〜(18)を得た。
反応液(15)〜(18)中の金属酸化物粒子それぞれについて、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表2に示した。なお、反応液(17)中の金属酸化物粒子に含有されるCoの価数に関しては、前述のようにCoの2p3/2スペクトルを測定することで評価した結果、ピーク位置からみて、2価のCo(Co(II))が含有されていると判定した。
〔比較例1−2〜1−3〕
実施例1−1において、仕込み原料の種類や使用量および反応条件等を、表1に示したように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(c12)〜(c13)、および、分散体(c12)〜(c13)を得た。
反応液(c12)〜(c13)中の金属酸化物粒子それぞれについて、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表2に示した。さらに、反応液(c12)中の金属酸化物粒子については、前述の各種測定・評価において得られた、分散膜付きガラスの分光透過率曲線について、前述した実施例1−2でのそれと共に、図2に示す。
Figure 2005263612
Figure 2005263612
〔実施例1−9〕
実施例1−1と同様の反応装置を用い、反応器内に、酢酸亜鉛無水物183部、酢酸銅(II)無水物0.9部、酢酸インジウム無水物3部、テトラブトキシシラン16部、2−プロパノール1847部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら、20℃から昇温し、150℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、金属酸化物粒子を4wt%の濃度で含む分散体(19)を得た。
得られた分散体中の微粒子は、ZnO結晶からなり、結晶子径14nm、Znに対して銅が0.4原子%、インジウム0.9原子%の割合で含有された微粒子であり、表面に、エタノイル基がZnに対して3.1モル%、Sn化合物がSi/Zn=5原子%の割合で結合した微粒子であることが確認された。
分散体(19)中の金属酸化物粒子について、上記(6−3)、(6−4)のようにして評価した。すなわち、紫外線吸収性能、可視光吸収性能は、得られた分散体を希釈溶媒として1−ブタノールを用いて微粒子濃度0.1wt%となるように希釈したものを試料として用い、厚さ1cmの石英セルに充填し、積分球付き自記分光光度計(島津製作所製「UV−3100」)を用いて、紫外および可視領域における分光透過率曲線を測定した、紫外線吸収性は380nm、400nm、420nmにおける透過率で、可視光透過性は600nmにおける透過率で、評価した。結果を表4に示した。
〔実施例1−10〜1−15、比較例1−4〜1−6〕
実施例1−9において、仕込み原料の種類を、表3に示したように変更した(仕込み原料としては、表3に記載の添加剤も含む。)以外は、実施例1−9と同様にしてアルコールとの混合物を120〜200℃の範囲で加熱することにより、金属酸化物粒子が粒子濃度4wt%で分散した分散体(110)〜(115)および(c14)〜(c16)を得た。
得られた分散体を用いて実施例1−9と同様に評価した結果を表4に示した。
実施例1−9〜1−15について得られた分散体中の微粒子に関し、分布の均一性を評価した結果、添加金属元素(表4のM1、M2、M3)を主成分とする単一金属(超)微粒子や金属酸化物粒子からなる偏析物は認められず、いずれも評価は○であった。
光電子分光装置による結合エネルギー値より含有金属の価数を判定できたものについては、表中に示した。
Figure 2005263612
Figure 2005263612
表4から、Cuにさらにn型ドーパントであるIn、Sn、Ti、Ceを含有させることにより、Cuを多量に含有させる以上に380nmの紫外線の吸収率が向上すること、CuにさらにBiを含有させることにより、400nm〜420nmの光の吸収率が向上すること、とりわけSn、Biを含有させると、可視光透過性(600nmにおける透過率)が向上すること、が判る。
〔実施例1−16〕
実施例1−1と同様の反応装置を用い、反応器内に、酢酸亜鉛無水物183部、酢酸第二鉄(III)無水物5.8部、酢酸ガリウム(III)9水和物4.6部、チタンテトラブトキシドテトラマー20部、1−プロパノール3940部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら、20℃から昇温し、140℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、金属酸化物粒子を2wt%の濃度で含む分散体(116)を得た。
得られた分散体を用いて実施例1−9と同様に評価した結果を表6に示した。
〔実施例1−17〜1−23、比較例1−7〕
実施例1−16において、仕込み原料の種類を、表5に示したように変更した(仕込み原料としては、表5に記載の添加剤も含む。)以外は、実施例1−16と同様にしてアルコールとの混合物を120〜200℃の範囲で加熱することにより、金属酸化物粒子が粒子濃度2wt%で分散した分散体(117)〜(123)および(c17)を得た。
得られた分散体を用いて実施例1−9と同様に評価した結果を表6に示した。
実施例1−16〜1−23について得られた分散体中の微粒子に関し、分布の均一性を評価した結果、いずれも評価は○であった。
光電子分光装置による結合エネルギー値より含有金属の価数を判定できたものについては、表中に示した。
Figure 2005263612
Figure 2005263612
〔実施例1−24〕
実施例1−1と同様の反応装置を用い、反応器内に、酢酸亜鉛無水物183部、酢酸マンガン(II)4水和物20部、酢酸インジウム無水物3部、2−プロパノール4150部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら、20℃から昇温し、180℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、金属酸化物粒子を2wt%の濃度で含む分散体(124)を得た。
得られた分散体を用いて実施例1−9と同様に評価した結果を表8に示した。
〔実施例1−25〜1−33、比較例1−8〜1−9〕
実施例1−24において、仕込み原料の種類や使用量を、表7に示したように変更した(仕込み原料としては、表7に記載の添加剤も含む。)以外は、実施例1−24と同様にしてアルコールとの混合物を120〜200℃の範囲で加熱することにより、金属酸化物粒子が粒子濃度2wt%で分散した分散体(125)〜(133)および(c18)〜(c19)を得た。
得られた分散体を用いて実施例1−9と同様に評価した結果を表8に示した。
実施例1−24〜1−33について得られた分散体中の微粒子に関し、分布の均一性を評価した結果、いずれも評価は○であった。
光電子分光装置による結合エネルギー値より含有金属の価数を判定できたものについては、表中に示した。
Figure 2005263612
Figure 2005263612
〔実施例1−34〜1−40、比較例1−10〜1−14〕
実施例1−1において、仕込み原料の種類を、表9に示したように変更した以外は、実施例1−1と同様にして、金属酸化物粒子が粒子濃度2wt%で分散した分散体(134)〜(140)および(c110)〜(c114)を得た。
得られた分散体を用いて実施例1−9と同様に評価した結果を表10に示した。
実施例1−34〜1−40について得られた分散体中の微粒子に関し、分布の均一性を評価した結果、添加金属元素(表10のM1、M2、M3)を主成分とする単一金属(超)微粒子や金属酸化物粒子からなる偏析物は認められず、いずれも評価は○であった。
光電子分光装置による結合エネルギー値より含有金属の価数を判定できたものについては、表中に示した。
Figure 2005263612
Figure 2005263612
表10から、比較例1−14のように、ZnOに銀を含有させると可視光の短波長を吸収するようになるが可視光の透過率も低くなるのに対して、実施例1−38〜1−40のように、銀と、さらに銀以外の異種金属元素を含有させる事によって、可視光の短波長の吸収能を保持しながら、可視光の透過率も高くなることが判る。
以上の実施例1−9〜1−40で得られた金属酸化物粒子の格子面(002)に垂直方向の結晶子径は30nm以下であった。また、実施例1−9〜1−15で得られた金属酸化物粒子の格子面(002)に垂直方向の結晶子径はいずれも20nm以下であり、格子面(110)に垂直方向の結晶子径はいずれも10nm以上であった。
〔実施例1−41〕
実施例1−10において、反応溶媒をメタノールに代えたこと以外は、実施例1−10と同様にして、粒子濃度4wt%の分散体を得た。得られた微粒子における結晶子径は、格子面(110)に垂直方向の結晶子径が8nm、格子面(002)に垂直方向の結晶子径が16nm、であった。また、成膜評価による透明性はヘイズが0.3%であり、色相は無色であった。粒子分散状態での紫外線透過率は、380nmで8%、420nmで45%であり、可視光透過率は86%であった。このことから、得られた微粒子は、実施例1−10に比べて紫外線吸収性能が低いことがわかる。
〔実施例2−1〕
実施例1−1で得られた反応液(11)1000部(粒子濃度:4.4wt%)を、常圧下で加熱し、メタノール等の溶媒成分を710部留去することにより、反応液(11)を濃縮した。この濃縮反応液をさらに加熱しながら、エタノールを連続的に滴下することで、反応液中の残存溶媒成分の留去と同時にエタノールへの溶媒置換を行い、エタノール中に金属酸化物粒子が粒子濃度25wt%で分散してなる、膜形成用組成物としての分散体(21)を得た。
得られた分散体(21)の分散安定性および透明度を、前述の方法により評価し、その結果を分散粒径とともに表11に示した。
〔実施例2−2〜2−5〕
実施例2−1において、使用する反応液、溶媒置換に用いる溶媒および粒子濃度を、表11に示したように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、膜形成用組成物としての分散体(22)〜(25)を得た。
得られた分散体(22)〜(25)の分散安定性および透明度を、前述の方法により評価し、それらの結果を分散粒径とともに表11に示した。
〔実施例2−6〕
実施例1−2で得られた反応液(12)1000部(粒子濃度:4.4wt%)を、常圧下で加熱し、1−プロパノール等の溶媒成分を710部留去することにより、反応液(12)を濃縮した。この濃縮反応液をさらに加熱しながら、t−ブタノールを連続的に滴下することで、反応液中の残存溶媒成分の留去と同時にt−ブタノールへの溶媒置換を行った。さらに、溶媒置換後の分散体に、添加剤として、テトラメトキシシラン部分加水分解縮合物(3〜5量体)を、該分散体中の金属酸化物粒子に対して6wt%の配合割合で添加し、超音波ホモジナイザー処理を施した。その後、必要に応じて粒子濃度を調整し、t−ブタノール中に金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で分散してなる、膜形成用組成物としての分散体(26)を得た。
得られた分散体(26)の分散安定性および透明度を、前述の方法により評価し、その結果を分散粒径とともに表11に示した。
〔実施例2−7〜2−9〕
実施例2−6において、使用する反応液、溶媒置換に用いる溶媒、添加剤の種類および配合割合、ならびに、粒子濃度を、表11に示したように変更した以外は、実施例2−6と同様にして、膜形成用組成物としての分散体(27)〜(29)を得た。
得られた分散体(27)〜(29)の分散安定性および透明度を、前述の方法により評価し、それらの結果を分散粒径とともに表11に示した。
Figure 2005263612
〔実施例2−10〜2−15〕
実施例2−1において、使用する反応液、溶媒置換に用いる溶媒、添加剤の種類および配合割合を、表12に示したように変更した以外は、実施例2−1と同様にして、膜形成用組成物としての分散体(210)〜(215)を得た。
得られた分散体(210)〜(215)の粒子濃度、分散粒径を表12に示した。
Figure 2005263612
〔実施例2−16〕
実施例2−15で得られた分散体(215)100部、フッ素樹脂(樹脂濃度40wt%、溶媒:キシレン)50部、希釈溶媒としてキシレン50部を混合し、ホモジナイザーで分散処理する事によって塗料を得た。
得られた塗料の樹脂濃度、粒子濃度、分散粒径を表13に示した。
〔実施例2−17〜2−20〕
実施例2−16において、表13に示す分散体を用い、フッ素樹脂の代わりに表13に示す樹脂を用いたこと以外は、実施例2−16と同様にして、塗料を得た。
得られた塗料の樹脂濃度、粒子濃度、分散粒径を表13に示した。
Figure 2005263612
〔実施例3−1〕
実施例2−7で得られた分散体(27)100部に、シリケートバインダー(SiO換算の固形分:51wt%)20部および触媒(n−ブチルアミン)0.2部を配合し、塗料を調製した。得られた塗料の分散粒径は0.048μmであった。
得られた塗料を、無アルカリガラス(コーニングインターナショナル株式会社製、バリウムホウケイ酸ガラス、ガラスコード番号:7059、厚み:0.6mm)に、バーコ−ターで、所定のウエット膜厚(24μm、45μm、66μm)となるよう塗布し、25℃で常乾することにより、表面に金属酸化物粒子分散膜の形成されたガラス(ウエット膜厚の違いに基づく乾燥膜厚の異なる3種)を得た。これら分散膜付きガラスは、優れた紫外線カットガラスであった。これら分散膜付きガラスの分光透過率曲線を、図3として示す。
得られた分散膜付きガラスについて、前述の評価を行った結果、可視光に対する透明性は「○(ヘイズ:1%以下)」であり、着色の度合いは「○」であった。なお、基材として用いた無アルカリガラスのみの各種透過率(%)については、380nm、400nm、420nmおよび500nmにおける透過率のいずれについても、91%であった(以下の実施例においても同様である。)。
〔実施例3−2〕
実施例2−7で得られた分散体(27)100部に、アクリル樹脂バインダー(ポリイソシアヌレート硬化剤を含む。全固形分:50wt%)50部、および、溶媒(酢酸ブチルートルエン)50部を配合し、塗料を調製した。得られた塗料の分散粒径は0.015μmであった。
得られた塗料を、PETフィルムに、バーコ−ターで、所定のウエット膜厚(24μm、45μm、66μm)となるよう塗布し、100℃で5分間加熱することにより、アクリル樹脂中にCo,In共ドープZnO粒子が分散してなる分散体の膜が、表面に形成された、PETフィルム(膜厚の異なる3種類)を得た。これら分散膜付きPETフィルムは、実施例3−1の分散膜付きガラスと同様に、優れた紫外線カットフィルムであった。
得られた分散膜付きPETフィルムについて、前述の評価行った結果、可視光に対する透明性は「○」であり、着色の度合いは「○」であった。なお、基材として用いたPETフィルムのみの各種透過率(%)については、380nm、400nm、420nmおよび500nmにおける透過率のいずれについても85±1%であった。
〔実施例3−3〕
実施例2−7で得られた分散体(27)を、実施例3−1と同様の無アルカリガラスに、バーコ−ターで塗布し、焼成炉中で常温より昇温し、400℃で1時間保持した後、冷却することによって、表面にCo,In共ドープZnO粒子の薄膜が形成されたガラスを得た。
得られた薄膜付きガラスについて、前述の評価を行った結果、可視光に対する透明性は「○(ヘイズ:1%以下)」であり、着色の度合いは「○」であり、可視光透過特性については500nmにおける透過率が88%であり、紫外線吸収特性については400nmにおける透過率が60%であった。
〔実施例3−4〕
実施例2−7で得られた分散体(27)100部に、バインダー溶液として紫外線硬化型コーティング剤(共栄社化学(株)製「HIC2000」全固形分:50wt%、屈折率:1.576)10部、および、溶媒(メチルエチルケトン)15部を配合し、総固形分が20wt%の塗料を調製した。
得られた塗料を、PETフィルムにバーコ−ターで塗布し、10分間セッティングしたのち、100℃で1分間加熱乾燥し、その後、高圧水銀ランプで紫外線照射(紫外線照射量:600mJ/cm)することにより、乾燥膜厚5μmの膜が表面に形成された膜付きPETフィルムを得た。
得られた膜付きPETフィルムについて、屈折率と可視光に対する透明性(ヘイズ)を評価した結果、屈折率が1.7以上であり、ヘイズは1%未満であった。また、得られた膜付きPETフィルムは、380nmにおける透過率が20%未満であり、500nmにおける透過率が80%であり、紫外線遮蔽性に優れるフィルムであった。
〔実施例4−1〕
実施例1−1と同様の反応器内に、チタニウムメトキシプロキシド303部、鉄(III)エトキシドの21%エタノール溶液3.5部、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキシドの15%ジエチレングリコールモノエチルエーテル溶液22部、銅(II)2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシド4部、エチレングリコールジメチルエーテル2400部、および、酢酸270部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら(20℃から)180℃まで昇温し、180℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、微粒子濃度2wt%の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(41)を得た。さらに、得られた反応液を実施例1−1と同様に加熱溶媒置換することにより、上記金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(41)を得た。
分散体(41)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表14に示した。なお、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については、前述した(6−3)に準じながら、分散体を1−ブタノールで希釈して粒子濃度0.1wt%の試料液とし、該試料液を厚さ1cmの石英セルに充填したものを用いて自記分光光度計により分光透過率曲線を測定するようにし、紫外線吸収性を380nmにおける透過率で、可視光吸収性を600nmにおける透過率で評価するようにした。
〔比較例4−1〕
実施例4−1において、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキシドの15%ジエチレングリコールモノエチルエーテル溶液22部および銅(II)2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシド4部を用いないようにしたこと以外は、実施例4−1と同様にして、金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(c41)を得た。
分散体(c41)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表14に示した。なお、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については、実施例4−1と同様にして前述した(6−3)に基づき評価した。
Figure 2005263612
〔実施例4−2〕
実施例1−1と同様の反応器内に、酢酸第一セリウム(III)1水和物50部、水酸化酢酸鉄(III)0.6部、酢酸銅(II)0.14部、および、純水3000部とからなる混合物を仕込んだのち、室温で攪拌しながら、30%過酸化水素水50部を加えた。次いで、攪拌しながら(室温℃から)90℃まで昇温し、90℃±2℃で5時間加熱保持したのち、30%過酸化水素水10部を加えた。その後、さらに1時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、微粒子濃度0.8wt%の微黄を呈する透明感の高い微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(42)を得た。次に、得られた反応液を限外ろ過膜を用いたろ過に供することにより、不純物イオン類および残存過酸化水素を除去するとともに濃縮し、上記金属酸化物粒子が粒子濃度7wt%で水に分散してなる分散体(42)を得た。
分散体(42)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表15に示した。なお、結晶性については、粒子が微細であったため、粉末X線回折測定では得られたピークがブロードとなったことから、電子線回折測定により格子定数を測定し、標準粉末のデータと比較することにより判定した。また、1次粒子径については、透過型電子顕微鏡により判定した。また、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については、前述した(6−3)に準じながら、分散体を純水で希釈して粒子濃度0.1wt%の試料液とし、該試料液を厚さ1cmの石英セルに充填したものを用いて自記分光光度計により分光透過率曲線を測定するようにし、紫外線吸収性を380nmおよび400nmにおける透過率で、可視光吸収性を600nmにおける透過率で評価するようにした。
〔比較例4−2〕
実施例4−2において、水酸化酢酸鉄(III)0.6部および酢酸銅(II)0.14部を用いないようにしたこと以外は、実施例4−2と同様にして、金属酸化物粒子が粒子濃度7wt%で水に分散してなる分散体(c42)を得た。
分散体(c42)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表15に示した。なお、結晶性、1次粒子径、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については、実施例4−2と同様にして評価した。
〔比較例4−3〕
実施例4−2において、酢酸銅(II)0.14部を用いないようにしたこと以外は、実施例4−2と同様にして、金属酸化物粒子が粒子濃度7wt%で水に分散してなる分散体(c43)を得た。
分散体(c43)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表15に示した。なお、結晶性、1次粒子径、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については、実施例4−2と同様にして評価した。
Figure 2005263612
〔実施例4−3〕
実施例1−1と同様の反応器内に、酢酸インジウム無水物146部、水酸化酢酸鉄(III)1.9部、チタンテトラn−ブトキシド4.25部、および、1−ブロパノール3322部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら(20℃から)180℃まで昇温し、180℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、微粒子濃度2wt%の黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(43)を得た。さらに、得られた反応液を実施例1−1と同様に加熱溶媒置換することにより、上記金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(43)を得た。
分散体(43)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表16に示した。なお、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については後述する。
〔実施例4−4〕
実施例4−3において、水酸化酢酸鉄(III)1.9部およびチタンテトラn−ブトキシド4.25部の代わりに、酢酸銀0.2部、および、酢酸第二スズ(IV)3.6部を用いたこと以外は、実施例4−3と同様にして、微粒子濃度2wt%の黄色の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(44)を得た。さらに、得られた反応液を実施例1−1と同様に加熱溶媒置換することにより、上記金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(44)を得た。
分散体(44)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表16に示した。なお、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については後述する。
〔比較例4−4〕
実施例4−3において、水酸化酢酸鉄(III)1.9部およびチタンテトラn−ブトキシド4.25部を用いないようにしたこと以外は、実施例4−3と同様にして、微粒子濃度2wt%の微粒子(金属酸化物粒子)を含む反応液(c44)を得た。さらに、得られた反応液を実施例1−1と同様に加熱溶媒置換することにより、上記金属酸化物粒子が粒子濃度20wt%で1−ブタノールに分散してなる分散体(c44)を得た。
分散体(c44)中の金属酸化物粒子について、前述の各種測定・評価を行い、それらの結果を表16に示した。なお、紫外線吸収特性および可視光吸収特性については後述する。
実施例4−3、実施例4−4および比較例4−4で得られた各分散体中の金属酸化物粒子の紫外線吸収特性および可視光吸収特性について、前述した(6−3)に準じながら、分散体を1−ブタノールで希釈して粒子濃度0.5wt%の試料液とし、該試料液を厚さ1cmの石英セルに充填したものを用いて自記分光光度計により分光透過率曲線を測定するようにし、紫外線吸収性を380nmおよび400nmにおける透過率で、可視光吸収性を600nmにおける透過率で評価するようにした結果、600nmにおける透過率、すなわち可視光吸収性はいずれも同等であったが、380nmおよび400nmにおける透過率は、実施例4−3および実施例4−4の方が、比較例4−4に比べて低く、紫外線吸収性に優れるものであった。
Figure 2005263612
〔実施例5−1〕
実施例1−1と同様の反応器内に、酢酸亜鉛無水物183部、酢酸銀2部、酢酸インジウム3.5部、1−プロパノール3900部とからなる混合物を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、撹拌しながら(20℃から)250℃まで昇温し、250℃±1℃で5時間加熱保持して、金属酸化物粒子の生成反応を行った後、冷却することにより、微粒子を含む反応液(51)を得た。
反応液(51)中の微粒子を解析したところ、結晶子径15nm、Ag、InをZnに対して0.2原子%含有する酸化亜鉛超微粒子と、結晶子径18nmのAg超微粒子とを含有するものであった。前述した評価方法(4)における透過型電子顕微鏡のXMA分析法と同様の方法で元素マッピングを行った結果から、偏析したAg超微粒子の含有量は、酸化亜鉛超微粒子に対して個数比で約1%であった。
反応液(51)を用いて、実施例1−1と同様にして、粒子濃度20wt%の1−ブタノール分散体を得た。得られた分散体について実施例1−9と同様に評価した。その結果、成膜評価による透明性はヘイズが0.9%であり、色相は黄色であった。粒子分散状態(微粒子濃度0.1wt%)での紫外線透過率は、380nmで2%、420nmで1%であり、可視光透過率は65%であった。
〔実施例5−2〕
実施例2−14で得られた粒子濃度30wt%のトルエン分散体(214)1000部に、別法で調製した結晶子径8nmのAgナノ粒子粉末6部を添加混合し、ホモジナイザーを用いて分散処理することにより、Sn、Alを含有する酸化亜鉛超微粒子が30wt%、Ag超微粒子が0.6wt%分散含有された分散体を得た。
得られた分散体について実施例1−9と同様に評価した。その結果、成膜評価による透明性はヘイズが2%であり、色相は黄色であった。粒子分散状態での紫外線透過率は、380nmで5%、420nmで8%であり、可視光透過率は60%であった。
得られた分散体をトルエンで希釈し、粒子濃度を0.1〜0.01wt%まで変化させて分光特性を評価した結果、420nmにおける吸収は、添加したAg超微粒子の約430nmを吸収極大にもつ吸収によるものであることが確認された。
〔実施例5−3〕
実施例1−1と同様の反応器において、酢酸酸化ビスマス粉末と1−プロパノールの混合物を200℃で加熱することにより、結晶子径20nmの酸化ビスマス(Bi)超微粒子が2wt%で分散含有された反応液を得、該反応液を用いて実施例1−1と同様にして、微粒子濃度20wt%の1−ブタノール分散体を得た。
得られた分散体100部と、実施例2−10で得られたジプロピレングリコール分散体1000部とを混合し、ホモジナイザーを用いて分散処理することにより、Cu、Ceを含有する酸化亜鉛超微粒子が18wt%、Bi超微粒子が1.8wt%分散含有された分散体を得た。
得られた分散体について実施例1−9と同様に評価した。その結果、成膜評価による透明性はヘイズが0.9%であり、色相は黄色であった。粒子分散状態での紫外線透過率は、380nmで2%、420nmで20%であり、可視光透過率は80%であった。
〔実施例5−4〕
実施例1−1と同様の反応器において、水酸化酢酸鉄(III)粉末と1−プロパノールの混合物を160℃で加熱することにより、結晶子径15nmでエタノイル基が鉄に対して5モル%の割合で結合した、α−酸化第二鉄(α−Fe)超微粒子が2wt%で分散含有された反応液を得、該反応液を用いて実施例1−1と同様にして、微粒子濃度20wt%の1−ブタノール分散体を得た。
得られた分散体50部と、実施例2−10で得られたジプロピレングリコール分散体1000部とを混合し、ホモジナイザーを用いて分散処理することにより、Cu、Ceを含有する酸化亜鉛超微粒子が19wt%、α−Fe超微粒子が0.95wt%分散含有された分散体を得た。
得られた分散体について実施例1−9と同様に評価した。その結果、成膜評価による透明性はヘイズが0.9%であり、色相は黄色であった。粒子分散状態(微粒子濃度0.1wt%)での紫外線透過率は、380nmで2%、420nmで24%であり、可視光透過率は77%であった。
本発明の膜は、例えば、建物用窓ガラス、自動車および電車等の車両用窓ガラス、飛行機およびヘリコプター等の空輸機用窓ガラス、農業用フィルム、各種包装用フィルムなどに好適であるが、用途はこれらに限定されず、各種機能性フィルムへの紫外線遮機能の付与のほか、耐光性や耐候性を付与する目的でも、各種用途に好適に用いることができる。
本発明の膜形成用組成物は、例えば、紫外線遮断膜形成用の塗布液や紫外線カット塗料として好適であるほか、上記本発明の膜の形成材料として好適である。
本発明の金属酸化物粒子は、例えば、膜やフィルム、塗料、化粧料等の各種用途において、紫外線遮蔽性を付与するための成分として好適であるほか、上記本発明の膜および上記本発明の組成物の構成成分として好適である。
実施例1−1および比較例1−1において得られた各反応液中の金属酸化物粒子に関する評価において得られた、分散膜付きガラスの分光透過率曲線である。 実施例1−2および比較例1−2において得られた各反応液中の金属酸化物粒子に関する評価において得られた、分散膜付きガラスの分光透過率曲線である。 実施例3−1において得られた、分散膜付きガラス(ウエット膜厚の違いに基づく乾燥膜厚の異なる3種)の分光透過率曲線である。

Claims (11)

  1. 金属元素(M)の酸化物からなる粒子内に該金属元素(M)以外の金属元素(M’)に由来する成分が含有されている金属酸化物粒子において、
    前記金属元素(M)はZn、Ti、Ce、In、Sn、AlおよびSiからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記金属元素(M’)は前記金属元素(M)と異なる金属元素であってCo、Cu、Fe、Bi、In、Al、Ga、Ti、Sn、Ag、Mn、NiおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも2種である、
    ことを特徴とする、金属酸化物粒子。
  2. 前記金属元素(M’)はCo、CuおよびFeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、Bi、In、Al、Ga、Ti、SnおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を必須とする、請求項1に記載の金属酸化物粒子。
  3. 前記金属元素(M’)はCo、Cu、Fe、Ag、Mn、NiおよびBiからなる群より選ばれる1種を必須とする、請求項1または2に記載の金属酸化物粒子。
  4. 前記金属元素(M’)がFe、CoおよびNiのいずれかである場合にはその少なくとも一部は2価である、請求項1から3までのいずれかに記載の金属酸化物粒子。
  5. 前記金属元素(M)の酸化物からなる粒子内に金属元素(M)に対するモル比で0.1〜14モル%のアシル基が含有されている、請求項1から4までのいずれかに記載の金属酸化物粒子。
  6. 前記金属元素(M)の酸化物は酸化亜鉛結晶であり、X線回折測定による結晶子径のうち、格子面(002)に垂直方向の結晶子径が30nm以下、格子面(110)に垂直方向の結晶子径が10nm以上である、請求項1から5までのいずれかに記載の金属酸化物粒子。
  7. 金属酸化物粒子と分散溶媒および/またはバインダーとを必須構成成分とし、前記金属酸化物粒子が請求項1から6までのいずれかに記載の金属酸化物粒子を必須とする、膜形成用組成物。
  8. 前記必須構成成分である金属酸化物粒子が、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属酸化物粒子、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子をも含む、請求項7に記載の膜形成用組成物。
  9. 金属酸化物を必須構成成分としてなり、前記金属酸化物が、請求項1から6までのいずれかに記載の金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶を必須とする、膜。
  10. 前記必須構成成分である金属酸化物が、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶をも含む、請求項9に記載の膜。
  11. 金属酸化物粒子および/または該粒子に由来する金属酸化物結晶を含む物品であって、前記金属酸化物粒子が、請求項1から6までのいずれかに記載の金属酸化物粒子と、Cu、Fe、AgおよびBiからなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属酸化物粒子、および/または、Cu、Ag、Au、および白金族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を金属元素とする金属超微粒子との組み合わせを必須とする、金属酸化物含有物品。
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