JP2006298749A - 紫外線カット材料、紫外線カットフィルタ、管球および照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性、耐熱性に優れ、紫外線および青色の光吸収特性を容易に制御することが可能な紫外線カットフィルタ等を提供する。
【解決手段】紫外線カットフィルタは、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子1にインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとも一種の金属がドープされていて、このドープ金属の濃度が当該微粒子の表面から中心に向かうに従って低下するように構成された材料から形成されている。また、微粒子1の表面にはインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとも一種の酸化物を主体とする被膜2が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも紫外線をカットし、黄色光ないしは赤色光を透過する紫外線カットフィルタを形成する紫外線カット材料またはこの紫外線カット材料を使用した紫外線カットフィルタ、管球および照明器具に関する。
紫外線および青色光を遮断(カット)する光カットフィルタを設け、黄色ないし橙色(オレンジ色)の光を放射するようにした照明用光源および照明器具が知られている。これら光源および照明器具は、紫外線および青色光を必要としない低誘虫用またはクリーンルーム用照明に主として利用されるものである。
従来の低誘虫用のランプまたは照明器具として、透光性材料の表面に酸化チタン(TiO)や酸化セシウム(CeO)等の紫外線吸収剤を添加したポリエチレンテレフタレート(PET)やアクリル(PMMA)等の樹脂製フィルタを被着した構成が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
また、紫外線の放射を抑制したランプとして、耐久性およびコスト面に優れた酸化亜鉛(ZnO)微粒子を主成分とする紫外線吸収被膜をバルブ外表面に形成した紫外線カットフィルタ付ランプが知られている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−21714号公報 特開2004−247156号公報 特開2001−143657号公報
特許文献1および2の紫外線カットフィルタは、波長約410nm前後の光をカットすることが可能であるが、樹脂製フィルタであるため耐熱温度は約100℃以下であり、また耐久性にも問題がある。
また、特許文献3のような紫外線カットフィルタは、無機酸化物である酸化亜鉛(ZnO)微粒子を主成分としているので耐熱性、耐久性に優れているが、カット波長は約380nm以下であり、より長波長側の光をカットすることが困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、耐久性、耐熱性に優れ、紫外線および青色の光吸収特性を容易に制御することが可能な紫外線カットフィルタ等を提供することを目的とする。
請求項1の紫外線カット材料は、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子にインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の金属がドープされていて、このドープ金属の濃度が当該微粒子の表面から中心に向かうに従って低下するように構成されていることを特徴とする。
酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子にインジウム(In)等をドープすると導電性半導体微粒子となり、その導電性の付与によって本来約380nm以下であったカット波長が長波長側にシフトする。このドープ金属の濃度が微粒子部中心へ向かうに従って低下するように構成することによって、微粒子全体に均一な濃度でドープされている場合に比べて波長約410nm前後の光を良好にカットすることが可能となった。
このドープ金属の微粒子全体に対する濃度は質量比率で2〜30質量%、好ましくは10〜20質量%であり、微粒子表面側での濃度は質量比率で50〜100質量%となっているのが好ましい。
上記微粒子は、ドープ金属の濃度が中心領域で0質量%になっているものを含む。濃度の低下率は紫外線カットの特性によって調整することが可能であるが、少なくとも粒径の10%の深さまでほぼ連続的な割合で減少しているものが最適である。
請求項2は、請求項1記載の紫外線カット材料において、ドープ金属のドープ量が前記微粒子の酸化亜鉛(ZnO)に対して3〜20質量%であることを特徴とする。
このドープ量が3質量%未満であると、410nmの前後の光をほとんどカットできなくなるため不可である。ドープ量が20質量%を超えても410nmの前後の光をカットする効果がほとんど変わらず、返って380nm以下の光のカット率が低下するため、好ましくない。
請求項3は、請求項1または2記載の紫外線カット材料において、前記微粒子の表面にインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の酸化物を主体とする被膜が形成されていることを特徴とする。
酸化亜鉛(ZnO)は両性化合物であり、酸アルカリ等に溶解する等、化学的安定性に劣るという欠点がある。特に、金属をドープして半導体とした場合には、空気中のCO,SOx,NOx等と反応することによって光学的特性に影響しやすい。
そこで、微粒子の表面にインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の酸化物を主体とする層を形成する。これら金属酸化物は、化学的安定性が高く、光学的特性も変化し難いものであるため、紫外線カット材料の耐久性を改善することが可能となる。金属酸化物層の使用材料として、ドープ金属と同一の金属の酸化物を使用すると製造上、特性上の面で有利である。
この金属酸化物の層の厚さは、1.0〜30nm、好ましくは3.0〜10nmの範囲とするのが望ましい。層の厚さが1.0nm未満だと耐久性の改善効果が十分に得られず、30nmを超えると紫外線のカット効果が損なわれるので好ましくない。
請求項4は、請求項1ないし3いずれか一記載の紫外線カット材料において、前記微粒子の最外表面上に酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)または酸化イットリウム(Y)のうち少なくとも一種を主成分とする層が形成されていることを特徴とする。
酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)または酸化イットリウム(Y)は、化学的安定性に優れた材料であり、かつ被膜形成も比較的容易なので、前記微粒子の最外表面に層状に形成することによって紫外線カットの性能を大きく損なうことなく耐久性を一層改善することができる。
この金属酸化物の層の厚さは、1.0〜30nm、好ましくは3.0〜10nmの範囲とするのが望ましい。層の厚さが1.0nm未満だと耐久性の改善効果が十分に得られず、30nmを超えると紫外線のカット効果が損なわれるので好ましくない。
請求項5は、請求項1ないし4いずれか一記載の紫外線カット材料において、前記微粒子に塩素(Cl)、臭素(Br)またはフッ素(F)のうち少なくとも一種がさらにドープされていることを特徴とする。
インジウム(In)等をドープすることにより短波長吸収端側の透過率50%波長を400〜430nmとすることが可能であるが、波長405〜430nmの光を効果的にカットすることは困難である。このあたりの光が若干でも放射されると、昆虫誘引の原因となる等、用途によっては望ましくない場合もある。
そこで、インジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の金属に加えて、塩素(Cl)、臭素(Br)またはフッ素(F)のうち少なくとも一種をさらにドープすると波長400〜430nmのカット率を高くすることが可能となった。波長400〜430nmのカット率が高くなる原因については明らかにはなっていないが、塩素(Cl)、臭素(Br)またはフッ素(F)をさらにドープすることによって導電性半導体微粒子の特定の物質が置換されることによってカット波長の特性が変化するためと考えられる。
請求項6は、請求項1ないし4いずれか一記載の紫外線カット材料において、前記微粒子に銅(Cu)、銀(Au)またはコバルト(Co)のうち少なくとも一種がさらにドープされていることを特徴とする。
インジウム(In)等をドープすることにより短波長吸収端側の透過率50%波長を400〜430nmとすることが可能であるが、波長405〜430nmの光を効果的にカットすることは困難である。このあたりの光が若干でも放射されると、昆虫誘引の原因となる等、用途によっては望ましくない場合もある。
そこで、インジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の金属に加えて、銅(Cu)、銀(Au)またはコバルト(Co)のうち少なくとも一種をさらにドープすると波長400〜430nmのカット率を高くすることが可能となった。波長400〜430nmのカット率が高くなる原因については明らかにはなっていないが、銅(Cu)、銀(Au)またはコバルト(Co)をドープすることによって導電性半導体微粒子の導電性が変化することによってカット波長の特性が変化するためと考えられる。
請求項7の紫外線カットフィルタは、透光性基材表面に請求項1ないし6いずれか一記載の紫外線カット材料によって0.05〜10μmの膜厚で形成されていることを特徴とする。
基材は可視光を透過する光学特性を備えたものであり、材質としてはガラス、樹脂などが挙げられる。
紫外線カットフィルタは、所定の紫外線カット機能を備えていれば、その構成は特に制約されないが、所望の光をカットしつつカットする波長以外の光を良好に透過させるため、その膜厚は1.0〜5.0μmの範囲内とするのが好ましい。
請求項8は、請求項7記載の紫外線カットフィルタにおいて、短波長吸収端側の透過率50%波長が400〜430nmとなるように構成されていることを特徴とする。
「短波長側吸収ピークの透過率」は、フィルタが形成される基体の透過率を考慮しないフィルタだけの透過率であって、可視光線の短波長側の領域である波長400〜650nmの範囲内の所定の波長が短波長側に近づくに従って透過率が減少するように変化しているときの透過率を意味する。
請求項9の管球は、発光手段を内包する透光性バルブと;請求項1ないし6いずれか一記載の紫外線カット材料によって上記バルブ表面に形成された紫外線カットフィルタと;を具備していることを特徴とする。
管球とは、白熱電球、ハロゲン電球またはHIDランプや蛍光ランプなどの放電ランプを意味する。発光手段とは、白熱電球およびハロゲン電球の場合にはフィラメントを指し、放電ランプの場合には放電空間(蛍光体層を含む)を指す。
請求項10の照明器具は、器具本体と;この器具本体に配設された光源と;この光源を覆うように前記器具本体に配設された透光性カバーと;請求項1ないし6いずれか一記載の紫外線カット材料によって上記カバー表面に形成された紫外線カットフィルタと;を具備していることを特徴とする。
照明器具は、天井直付け器具、ダウンライトや透光器等を含み、カバーには板状のカバーの他、グローブを含むものである。
本発明によれば、酸化亜鉛(ZnO)を主体とする微粒子にインジウム(In)等をドープ濃度が微粒子部中心へ向かうに従って低下するようにドープすることによって、導電性が付与され、本来約380nm以下であったカット波長が長波長側にシフトし、波長約410nm前後の光を良好にカットすることが可能な紫外線カット材料とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における紫外線カット材料を構成する酸化亜鉛(ZnO)微粒子の概略断面図である。
酸化亜鉛(ZnO)微粒子1は、図1に示すように略球形状であって粒径10〜100nm、例えば約70nmの微粒子である。微粒子1の表面には、酸化インジウム(In)からなる被覆層2が形成されている。被覆層2は、酸化ビスマス(Bi)、酸化鉄(Fe)から形成されていてもよい。
酸化亜鉛(ZnO)微粒子1の内部にドープ金属Mとしてインジウム(In)が存在している。存在量(濃度)は、微粒子1の中心へ向かうに従って減少するように分布している。このドープ金属Mは、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)であってもよいが、後述するドープ処理との関係上、被覆層2を構成する金属酸化物を還元した金属と同一のものが望ましい。
酸化亜鉛(ZnO)微粒子1に添加されるドープ金属Mの量は、インジウム(In)の場合には微粒子1の質量に対して酸化物(In)換算で10〜30質量%である。表面は被覆層2によってほぼ酸化インジウム(In)リッチな濃度となっており、微粒子1の中心部ではほぼ0質量%である。
次に、紫外線カット材料の製造方法について説明する。まず、図1(a)に示すような粒径約70nmの酸化亜鉛(ZnO)微粒子1が20質量%分散されたエタノール分散液に塩化インジウムを酸化亜鉛(ZnO)微粒子1に対し12質量%溶解させる。そして、この分散液を攪拌しながら、還元材として例えば、ホルムアルデヒド、ヒドロキノン等を所定量添加し、微粒子1の外表面に図1(b)に示すようなインジウム(In)からなる層を形成する。次に、分散液をパイレックス(商品名)ガラスからなる板状の透光性基材表面にフローコート等で塗布し、300〜500℃の大気中雰囲気で所定時間熱処理する。この熱処理によって、図1(c)に示すようにインジウム(In)が微粒子1の内部に熱拡散するとともに、微粒子1の外表面に酸化インジウム(In)からなる被覆層2が形成される。また、基材表面には厚さ約0.5μmの紫外線カットフィルタが形成される。そして、微粒子1の内部にドープ金属Mとしてインジウム(In)が微粒子1の中心へ向かうに従って濃度が減少するようにドープされる。
なお、必要に応じて微粒子1の最外層として酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)または酸化イットリウム(Y)のうち少なくとも一種を主成分とする層を形成してもよい。酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)または酸化イットリウム(Y)は、化学的安定性に優れた材料であり、かつ被膜形成も比較的容易なので、前記微粒子の最外表面に層状に形成することによって紫外線カットの性能を大きく損なうことなく耐久性を一層改善することが可能となる。
図2は、上記製造方法で製作された紫外線カットフィルタの透過率分光分布を示すグラフである。このグラフで示す透過率は、基材の透過率を除いた値で示しているため、実質的に紫外線カットフィルタの透過率分光分布を示している。この分光分布によれば、波長390nmまでの光(紫外線)はほぼ100%カットし、405nmの透過率は30%以下となっている。短波長吸収端側の透過率50%波長は波長約430nmである。なお、波長480〜780nmの平均透過率は96%である。
図2で示す透過率分光分布からも理解できるように、本実施形態の紫外線カットフィルタは可視光線の短波長側の光を効果的に遮断(カット)する機能を有している。
次に、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態のドープ金属Mに加えて他のドープ金属(例えば銀(Ag))を同時に微粒子1へドープしたものである。具体的には、微粒子1の質量に対して酸化物(In)換算で10〜30質量%のインジウム(In)と、同じく酸化物(AgO)換算で0.001〜0.1質量%の銀(Ag)がドープされている。製造方法は、例えば酸化亜鉛(ZnO)微粒子または酢酸亜鉛(Zn(CH3COO)2)などの亜鉛化合物と硝酸インジウムの水溶液に硝酸銀を適量添加した溶液を板状の透光性基材表面にフローコート等で塗布し、500〜1000℃の大気雰囲気中で熱分解することで紫外線カットフィルタを製膜することが可能である。また、酸化亜鉛(ZnO)微粒子と硝酸銀の水溶液を適量添加した溶液を板状の透光性基材表面にフローコート等で塗布し、同様に熱分解処理を行うことで直接堆積させた紫外線カットフィルタを形成することが可能である。
このように、ドープ金属Mとしてのインジウム(In)に加えて銀(Ag)が共存することによって、短波長吸収端側の透過率50%波長を長波長側にシフトすることが可能となり、波長400〜430nmの光のカット効果が大きく改善される。
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、第1の実施形態のドープ金属Mに加えて他のハロゲン元素(例えば塩素(Cl))を同時に微粒子1へドープしたものである。具体的には、微粒子1の質量に対して酸化物(In)換算で10〜30質量%のインジウム(In)と、0.1〜4.0質量%の塩素(Cl)がドープされている。製造方法は、例えば酸化亜鉛(ZnO)微粒子または酢酸亜鉛(Zn(CH3COO)2)などの亜鉛化合物と硝酸インジウムの水溶液に所定濃度の塩酸(HCl)を適量添加した溶液を板状の透光性基材表面にフローコート等で塗布し、500〜1000℃の大気雰囲気中で熱分解することで紫外線カットフィルタを製膜することが可能である。また、酸化亜鉛(ZnO)微粒子と所定濃度の塩酸(HCl)の水溶液を適量添加した溶液を板状の透光性基材表面にフローコート等で塗布し、同様に熱分解処理を行うことで直接堆積させた紫外線カットフィルタを形成することが可能である。なお、塩素(Cl)は単独では酸化亜鉛(ZnO)微粒子にドープすることが困難であるが、インジウム(In)等とともにドープすることによって塩素(Cl)等のハロゲン元素もドープが可能となる。
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態は、酸化亜鉛(ZnO)微粒子の内部にドープ金属を熱拡散させる工程を溶液の熱処理によって行うことを特徴とするものである。まず、平均粒径約70nmの酸化亜鉛(ZnO)微粒子が20質量%分散されたエタノール分散液にインジウム化合物として塩化インジウム(InCl)を酸化亜鉛(ZnO)に対し12質量%溶解させる。この溶液を攪拌させながら例えば、ホルムアルデヒド、ヒドロキノン等の還元剤を所定量添加し、酸化亜鉛(ZnO)微粒子の外表面にIn層を形成する。そして、この溶液を耐熱耐圧性の容器内に密封した後に100〜200℃の温度で加熱する。この加熱処理によって、溶液に分散された状態でIn層からインジウム成分が酸化亜鉛(ZnO)微粒子の内部へ拡散していき、ドープ量が微粒子部中心に向うにしたがって減少した微粒子となる。本実施形態では、ドープ金属の化合物として塩化インジウムを使用したが、微粒子外表面に金属層を形成することが可能であれば他の化合物を使用してもよい。また、インジウム化合物に代えて、ビスマス化合物や鉄化合物を使用してビスマスまたは鉄をドープ金属とした層を形成し、溶液中で熱処理を行ってもよい。
次に、第5の実施形態について説明する。本実施形態は、酸化亜鉛(ZnO)微粒子の内部にドープ金属を熱拡散させる工程を溶液の熱処理によって行うことを特徴とするものである。まず、平均粒径約70nmの酸化亜鉛(ZnO)微粒子1が20質量%分散されたエタノール分散液に平均粒径3〜70nmのインジウム微粒子を酸化亜鉛(ZnO)微粒子に対し15質量%分散させ、酸化亜鉛(ZnO)微粒子の外表面にインジウム微粒子を付着させてIn層を形成する。そして、この溶液を耐熱耐圧性の容器内に密封した後に100〜200℃の温度で加熱する。この加熱処理によって、溶液に分散された状態でIn層からインジウム成分が酸化亜鉛(ZnO)微粒子の内部へ拡散していき、ドープ量が微粒子部中心に向うにしたがって減少した微粒子となる。本実施形態では、インジウム微粒子を使用したが、酸化亜鉛(ZnO)微粒子の外表面に付着させる微粒子としては、ビスマス微粒子や鉄微粒子であってもよい。
また、第4および第5の実施形態では、溶液の加熱処理によって、分散された微粒子の最外層に酸化インジウム(In)からなる被覆層を形成することができる。この被覆層により、微粒子の耐久性を改善することができる。
さらに、第4および第5の実施形態で調整された微粒子分散溶液をパイレックス(商品名)ガラスからなる板状の透光性基材表面にフローコート等で塗布し、300〜500℃の大気中雰囲気で所定時間熱処理することによって、基材表面に膜厚が1.0〜10μmであり、基材を除いたフィルタのみの平均透過率が80%以上となる紫外線カットフィルタを形成することができる。
上記第1〜5実施形態の紫外線カット材料または紫外線カットフィルタは、建造物や車両用の窓ガラスなどのフィルタ形成に適用できる。
図3は、本発明の第5の実施形態である管球を示す概略正面図である。L2は管球としてのHIDランプであり、このHIDランプL2には発光管40を保護する外管バルブ11が設けられている。外管バルブ11には発光管40と導通する給電手段としてのE形口金3が取付けられている。
この外管バルブ11の外表面には、第1の実施形態の紫外線カットフィルタFが形成されている。この紫外線カットフィルタFにより、HIDランプL2の発光管40から放射される光のうち紫外線および波長400〜430nmの光が吸収され、効果的にカットされる。
なお、紫外線カットフィルタFが形成されるのは、HIDランプL2以外に蛍光ランプのバルブ内面またはバルブ外面であってもよい。蛍光ランプのバルブ内面に形成する場合には、蛍光体膜が形成される前のガラスバルブ内面に紫外線カットフィルタFを上記方法で形成し、その後蛍光体膜を形成すればよい。
本発明の第1の実施形態における光カットフィルタの概略断面図。 図1の光カットフィルタの透過率分光分布を示すグラフ。 本発明の第5の実施形態である管球を示す概略正面図。
符号の説明
1…基板、2…光吸収被膜、3…球状酸化物微粒子、4…銀被膜、F・・・光カットフィルタ、L2…管球としてのHIDランプ。

Claims (10)

  1. 酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子にインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の金属がドープされていて、このドープ金属の濃度が前記微粒子の表面から中心に向かうに従って低下するように構成されていることを特徴とする紫外線カット材料。
  2. 前記ドープ金属のドープ量が前記微粒子の酸化亜鉛(ZnO)に対して3〜20質量%であることを特徴とする請求項1記載の紫外線カット材料。
  3. 前記微粒子の表面にインジウム(In)、ビスマス(Bi)および鉄(Fe)のうち少なくとの一種の酸化物を主体とする被膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の紫外線カット材料。
  4. 前記微粒子の最外表面上に酸化珪素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)または酸化イットリウム(Y)のうち少なくとも一種を主成分とする層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の紫外線カット材料。
  5. 前記微粒子に塩素(Cl)、臭素(Br)またはフッ素(F)のうち少なくとも一種がさらにドープされていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の紫外線カット材料。
  6. 前記微粒子に銅(Cu)、銀(Au)またはコバルト(Co)のうち少なくとも一種がさらにドープされていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の紫外線カット材料。
  7. 透光性基材表面に請求項1ないし6いずれか一記載の紫外線カット材料によって1.0〜10μmの膜厚で形成されていることを特徴とする紫外線カットフィルタ。
  8. 短波長吸収端側の透過率50%波長が400〜430nmとなるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の紫外線カットフィルタ。
  9. 発光手段を内包する透光性バルブと;
    請求項1ないし6いずれか一記載の紫外線カット材料によって上記バルブ表面に形成された紫外線カットフィルタと;
    を具備していることを特徴とする管球。
  10. 器具本体と;
    この器具本体に配設された光源と;
    この光源を覆うように前記器具本体に配設された透光性カバーと;
    請求項1ないし6いずれか一記載の紫外線カット材料によって上記カバー表面に形成された紫外線カットフィルタと;
    を具備していることを特徴とする照明器具。
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