JP2006332000A - 発光性紫外線カット材料、発光性紫外線カットフィルタ、ランプおよび照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不所望な紫外線のカット(遮断)特性を有しつつ、かつ、カット吸収された紫外線を外部に光として再利用し、可視光領域における効率が高められる発光性紫外線カット材料およびこの発光性紫外線カット材料を用いた発光性紫外線カットフィルタ、ランプならびに照明器具を提供することを目的としたものである。
【解決手段】 酸化亜鉛を主成分とし、これにタングステン、マンガン、ユーロピウムのうちの少なくとも一種がドープされ、紫外線により450〜550nmにピークを有する発光性の微粒子からなる発光性紫外線カット材料1およびこの発光性紫外線カット材料1を用いたフィルタF、ランプLならびに照明器具Dである。
【選択図】 図5
【解決手段】 酸化亜鉛を主成分とし、これにタングステン、マンガン、ユーロピウムのうちの少なくとも一種がドープされ、紫外線により450〜550nmにピークを有する発光性の微粒子からなる発光性紫外線カット材料1およびこの発光性紫外線カット材料1を用いたフィルタF、ランプLならびに照明器具Dである。
【選択図】 図5
Description
本発明は太陽光等の自然光や蛍光ランプ等を用いた照明器具から発生する有害な紫外線をカット(遮断)したり、飛来昆虫を誘引する紫外線をカット(遮断)する紫外線カット材料およびこの紫外線カット材料を用いた被膜等を形成したフィルタ、ランプ、照明器具に関する。
紫外線および青色光をカット(遮断)する光カットフィルタを設け、黄色ないし橙色の光を放射するようにした照明用ランプ(光源)や照明器具が知られている。これら照明用ランプ(光源)や照明器具は、紫外線および青色光を必要としない低誘虫用やクリーンルーム用の照明に主として利用されている。
従来の低誘虫用やクリーンルーム用のランプ(光源)や照明器具における紫外線および青色光のカット(遮断)手段としては、ガラスバルブや透光性カバー等の透光性部材の外表面に耐久性およびコスト面に優れた酸化亜鉛(ZnO)微粒子を主成分とする紫外線吸収被膜を形成することが行われている。(例えば特許文献1)
しかし、この特許文献1に記載された紫外線吸収被膜は、無機酸化物からなる酸化亜鉛(ZnO)微粒子を主成分としているので、耐熱性や耐久性に優れているが、カット波長は約380nm以下であり、より長波長領域でのカット(遮断)には不足で、照明分野等では被照射物の紫外線劣化防止には不十分であった。
しかし、この特許文献1に記載された紫外線吸収被膜は、無機酸化物からなる酸化亜鉛(ZnO)微粒子を主成分としているので、耐熱性や耐久性に優れているが、カット波長は約380nm以下であり、より長波長領域でのカット(遮断)には不足で、照明分野等では被照射物の紫外線劣化防止には不十分であった。
そこで、この対策として酸化亜鉛(ZnO)微粒子にインジウム(In)、ビスマス(Bi)または鉄(Fe)のうちから選ばれた少なくとも一種の金属がドープされていて、このドープ金属の濃度が当該微粒子の表面から中心に向かうにしたがって低下するよう構成された材料で紫外線吸収被膜を形成することが本発明者等で検討されている。
この紫外線吸収被膜は、例えば酸化亜鉛(ZnO)微粒子にインジウム(In)をドープすると導電性半導体微粒子となり、その導電性の付与によって本来約360〜380nmであったカット波長が長波長領域側にシフトする。そして、このドープ金属の濃度が微粒子部中心へ向かうにしたがい低下するよう構成したことにより、微粒子全体に均一な濃度でドープされている場合に比べて波長約380〜410nm前後の光を良好にカットすることが可能となった。
特開2001−143657号公報
上記特許文献1や2等に記載された酸化亜鉛(ZnO)系の材料で形成した紫外線吸収被膜の場合、所定波長領域での不所望な紫外線のカット(遮断)が行われるが、カット吸収された光は最終的には熱となって消費され有効に利用されていない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、不所望な紫外線のカット(遮断)特性を有しつつ、かつ、カット吸収された紫外線をエネルギーとして有効に利用し、可視光領域における効率が高められる発光性紫外線カット材料およびこの発光性紫外線カット材料を用いた発光性紫外線カットフィルタ、ランプならびに照明器具を提供することを目的としたものである。
本発明の請求項1に記載の発光性紫外線カット材料は、酸化亜鉛を主成分とし、これにタングステン、マンガン、ユーロピウムのうちの少なくとも一種がドープされ、紫外線の吸収により450〜550nmの範囲内に主発光ピークを有する発光性の微粒子であることを特徴とする。
酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子にタングステン(W)、マンガン(Mn)、ユーロピウム(Eu)のうちから選ばれた少なくとも一種の金属を適切にドープすると254nmの紫外線で励起され波長450〜550nm付近の可視光領域で発光する特性が得られる。そして、この微粒子は360〜380nmの紫外線をカット吸収し、それを450〜550nmにピークを有する発光をなさしめる。
また、本発明の請求項2に記載の発光性紫外線カット材料は、短波長吸収端側の透過率50%波長が360〜380nmの範囲内となるように構成されていることを特徴とする。
この発光性紫外線カット材料の、短波長吸収端側の透過率50%波長が360〜380nmであり、酸化亜鉛(ZnO)を用いたものとほぼ同等の紫外線カット特性をもちつつ、さらにエネルギーを発光に寄与させることができる。
また、本発明の請求項3に記載の発光性紫外線カット材料は、酸化亜鉛を主成分とし、これにタングステン、マンガン、ユーロピウムのうちの少なくとも一種と、インジウム、ビスマス、鉄のうちの少なくとも一種とがドープされ、紫外線により波長450〜550nmの範囲内に主発光ピークを有する発光性の微粒子であることを特徴とする。
酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子にタングステン(W)、マンガン(Mn)、ユーロピウム(Eu)のうちから選ばれた少なくとも一種の金属およびインジウム(In)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)のうちの少なくとも一種を適切にドープし、さらにインジウム(In)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)のうちの少なくとも一種の金属をドープすることにより254nmの紫外線で励起され450〜550nm付近の可視光領域での発光が得られる。そして、この微粒子は380〜450nmを含む紫外線をカット吸収し、それを450〜550nmにピークを有する発光をなさしめる。
また、本発明の請求項4に記載の発光性紫外線カット材料は、インジウム(In)等の追加ドープの効果により、短波長吸収端側の透過率50%波長が380〜450nmとなるように構成されていることを特徴とする。
この発光性紫外線カット材料の短波長吸収端側の透過率50%波長が380〜450nmであり、酸化亜鉛(ZnO)を用いたものとほぼ同等の紫外線カット特性をもちつつ、さらにエネルギーを発光に寄与させることができる。
また、本発明の請求項5に記載の発光性紫外線カット材料は、微粒子の最外表面上に酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムのうちの少なくとも一種を主成分とする層が形成されていることを特徴とする。
酸化ケイ素(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化イットリウム(Y2 O3 )からなる金属酸化物層は、化学的安定性に優れた材料であり、かつ、被膜形成も比較的容易なので、上記微粒子の最外表面に層状に形成することによって、紫外線カットおよび発光性を大きく損なうことなく耐久性を一層改善することができる。
この金属酸化物層の厚さは、1.0〜30nm、好ましくは3.0〜10nmの範囲が望ましい。この層の厚さが1.0nm未満であると耐久性の改善効果が十分に得られず、また、30nmを超えると紫外線のカットおよび発光性能の効果が損なわれるので好ましくない。
また、本発明の請求項6に記載の発光性紫外線カットフィルタは、透光性基板表面と、この基板表面に上記請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料を主成分として形成された発光性紫外線カット被膜とを具備していること特徴とする。
基板は可視光を透過する光学特性を備えたもので、材質としてはガラスや樹脂等が用いられる。
紫外線カットフィルタは、所定の紫外線カット機能を備えていれば、その構成は特に制約されないが、カットする波長以外の光を良好に透過させるため、その被膜厚さは0.05〜1.0μmの範囲内とするのが好ましい。
また、本発明の請求項7に記載のランプは、密封されたガラスバルブと、このバルブ内に封装された発光構体と、上記バルブの内外両表面のうちの少なくとも一方の面に上記請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料を主成分として形成された発光性紫外線カット被膜とを具備していることを特徴とする。
酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子に上記のタングステン(W)等やタングステン(W)とインジウム(In)等の金属をドープすることによって、380〜400nmの長波長領域の紫外線を多くカットするとともに450〜550nmにピークを有する可視光発光の作用を奏する。
また、発光構体とは、蛍光ランプや高圧放電ランプ等の場合は放電電極を指し、電球の場合はフィラメントを指している。
さらに、本発明の請求項8に記載の照明器具は、器具本体と、この器具本体に配設された光源と、この光源を覆うように上記器具本体に配設された透光性カバーと、このカバー表面に請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料を主成分として形成された発光性紫外線カット被膜とを具備していることを特徴とする。
散光板や保護板等の透光性カバー表面に発光性紫外線カット被膜を形成することにより、ランプから発した光線のうちカバー外に向う紫外線をカットして所望波長領域の可視光線のみを照射させることができる作用を奏する。
本発明の請求項1ないし4に記載の構成によれば、波長360〜380nmの紫外線をカット吸収し、それを波長450〜550nmにピークを有する発光エネルギーとして有効に再利用して、発光特性の向上がはかれる発光性紫外線カット材料を提供することができる。
また、請求項5に記載の構成によれば、微粒子の最外表面に形成した酸化ケイ素等からなる金属酸化物層は、化学的安定性に優れた材料であり、かつ、被膜形成も比較的容易なので、紫外線カットおよび発光性を大きく損なうことなく耐久性を一層改善した、発光性紫外線カット材料を提供することができる。
また、請求項6に記載の構成によれば、上記請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料の効果を奏する発光性紫外線カットフィルタを提供することができる。
また、請求項7に記載の構成によれば、上記請求項1ないし6いずれか一記載の発光性紫外線カット材料およびフィルタの効果を奏するランプ(光源)を提供することができる。
さらに、請求項8に記載の構成によれば、上記請求項1ないし7いずれか一記載の発光性紫外線カット材料、フィルタおよびランプの効果を奏する照明器具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の第1の実施の形態を示す発光性紫外線カット材料を構成する酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子1の概略一部断面正面図で、微粒子1は粒径が30〜1000nm、例えば約100nmの略球形状をしている。
この微粒子1の内部にはドープ金属としてタングステン(W)、マンガン(Mn)、ユーロピウム(Eu)の少なくとも一種が存在している。この微粒子1内のドープ金属の存在量(濃度)は、微粒子1全体に対する質量に対し約30質量%である。
この発光性紫外線カット材料の製造方法について説明する。例えば約50nmの酸化亜鉛(ZnO)と約50nmの酸化タングステン(WO3 )とを混合し、500〜1000℃で熱処理形成後、所定の大きさに粉砕して微粒子状の紫外線カット材料を得ることができる。
次に、この発光性紫外線カット材料を用い形成した光学用フィルタFの実施の形態について説明する。なお、この紫外線カットフィルタとしての対象物は光学用フィルタFのほか、建造物や車両用の窓ガラス等へのフィルタの形成に適用できる。
図2は本発明の第2の実施の形態を示す光学用フィルタFで、図2(a)は正面図、図2(b)は図1(a)中の矢視A−A線に沿って切断して部分の側面断面図、図2(c)は図2(b)の要部の拡大断面図、図3は図2に示す紫外線カットフィルタの波長と光透過率とを対比したグラフ、図4は図2に示す紫外線カットフィルタの被膜発光スペクトルと発光強度とを対比して示すグラフである。なお、上記図面および以下の図面において基板やガラスバルブ等と、これらに形成される被膜の厚さとは説明上のものであって比例する寸法関係にはない。
図中2はパイレックス(登録商標)ガラスからなる透明基板で、この基板2の表裏両面に紫外線カット被膜3(以下、UVカット被膜と称する。)が形成されている。このUVカット被膜3の形成は、例えば約50nmの酸化亜鉛(ZnO)と約50nmの酸化タングステン(WO3 )とを混合分散した溶液に分散剤、バインダー等を入れ調整した溶液を、透明基板2に塗布後、500〜1000℃で熱処理したり、または上記微粒子状の発光性紫外線カット材料を分散した溶液を透明基板2に塗布し、熱処理することにより得られたUVカット被膜3は図(c)に示すように微粒子1,…が混在した状態にある。
このUVカット被膜3の光透過特性は図3に示す通りであった。図3は横軸に波長(nm)を、縦軸に光透過率(%)が対比してある。図3に示すように、本発明の実施の形態に示すUVカット被膜3(点線)は、従来の酸化亜鉛(ZnO)からなる被膜(実線)に比べ長波長側にシフトして、長波長紫外線領域での照射量の低減ができるとともに450〜550nmの可視光領域における透過率を高めることができた。
また、図4は横軸に被膜の発光スペクトルλ(nm)を、縦軸に発光強度(相対値)が対比してある。
なお、この紫外線の長波長領域での透過率および450〜550nmの可視光領域での透過率はタングステン(W)のドープ比率により変り、これらドープ金属の微粒子全体に対する濃度(質量比率)が高くなると発光が大となり、カット波長が短波長側に少しずつシフトする。
このタングステン(W)のドープ量は、酸化亜鉛(ZnO)に対し10〜50質量%の範囲が実用上よかった。
なお、本発明者の実験では酸化亜鉛(ZnO)にタングステン(W)をドープしたが、このタングステン(W)のほか、マンガン(Mn)、ユーロピウム(Eu)あるいはこれら金属の少なくとも一種を含む混合物であっても上記ドープ比率であればよい結果が得られた。
また、上記では酸化亜鉛(ZnO)に対しタングステン(W)、マンガン(Mn)、ユーロピウム(Eu)のうちの少なくとも一種の金属をドープしたが、これら金属にさらにインジウム(In)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)のうちの少なくとも一種の金属をドープしてもよい。
そして、これらインジウム(In)等を追加ドープさせることにより、短波長吸収端側の透過率50%波長が380〜450nmとなり、酸化亜鉛(ZnO)を用いたものとほぼ同等の紫外線カット特性をもちつつ、さらにエネルギーを発光に寄与させることができる。
この場合のタングステン(W)、マンガン(Mn)、ユーロピウム(Eu)からなるドープ金属の酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする微粒子全体に対する濃度(質量比率)範囲は10〜50質量%、また、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)からなるドープ金属の微粒子全体に対する濃度(質量比率)はドープ金属により異なるが5〜20質量%がよかった。
なお、図1(a)に示す酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする上記微粒子1の最外表面上に必要に応じて酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする上記微粒子酸化ケイ素(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2 O3 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、酸化イットリウム(Y2 O3 )のうちの少なくとも一種を主成分とする金属酸化物からなる層4を形成してもよい。
これら金属酸化物層4は、化学的安定性に優れた材料であり、かつ、被層形成も比較的容易なので、上記微粒子1の最外表面に層状に形成することによって、紫外線カットおよび発光性能を大きく損なうことなく耐久性を一層改善することが可能となる。
図5は本発明の第3の実施の形態を示す例えば低誘虫用やクリーンルーム用の直管形蛍光ランプLの一部切欠断面正面図である。
図中、5はソーダライムガラス等からなる直管状をなし両端がステム(図示しない。)等で気密に封止されたガラスバルブで、このバルブ5の内外両面のうち少なくとも一方の表面、たとえば外表面上には上記実施の形態で説明したものと同じ構成のUVカット被膜3が形成されている。また、図示しないがバルブ1の両端封止部内にはステムに植設けられたリード線間に発光構体をなすコイル状のフィラメントが継線されている。また、バルブ1内には蛍光体被膜6が形成されているとともにバルブ1内にはアルゴン(Ar)等の不活性ガスが所定圧力封入してある。
また、7はバルブ5端部の封止部を覆って接合された口金で、この口金7の端子には上記封止部から導出した外部リード線が接続されている。
このような構成とした蛍光ランプLは、口金7,7がソケットに装着され点灯回路装置を介し点灯される。この点灯による蛍光ランプLのバルブ5からの紫外線の透過はUVカット被膜3で吸収カットされるが、450〜550nmにピークを有する発光性のUVカット被膜3であるので可視光領域での光放射が増して、発光特性の向上がはかれた蛍光ランプLを提供できる。
図6は本発明の第4の実施の形態を示す蛍光ランプ用の照明器具Dの一部切欠正面図で、器具本体を兼ねる基台91にアルミニウム等で反射面を形成した反射体92とソケット93,93(一方は図示していない。)が設けられていて、このソケット93,93に直管形の蛍光ランプL(UVカット被膜3なしのランプ)が装着され、器具本体91の前面側にはガラス製や樹脂製の透光性カバー94が取付けられている。そして、この透光性カバー94の内外表面の少なくとも一方の面、例えば内表面には上述した酸化亜鉛(ZnO)にタングステン(W)をドープした発光性UVカット被膜3が塗布形成されている。
このような構成の照明器具Dも、蛍光ランプL1からの放射光中に約400nm以下の紫外線が含まれていても、透光性カバー94の内表面に形成された発光性UVカット被膜3で吸収してカットされるが、450〜550nmにピークを有する発光性のUVカット被膜3であるので透光性カバー94からは可視光領域での光放射が増して、発光特性の向上がはかれた照明器具Dを提供できる。
なお、本発明は上記実施の形態に記述したものに限るものではない。例えば上記発光性紫外線カットフィルタは、光学用フィルタに限らず、建造物や車両用の窓ガラス等へのフィルタの形成にも適用できる。
また、照明用の光源(ランプ)として直管形蛍光ランプについて述べたが、ガラスバルブ形状がU字形、環形やスパイラル形等の屈曲形、平板形または電球形等の蛍光ランプあるいはメタルハライドランプや水銀ランプ等の高圧放電ランプであってもよい。また、放電ランプに限らずハロゲン電球や反射形電球等の電球でもよく、要するに紫外線の照射が嫌われる低誘虫用、クリーンルーム用、美術館、博物館、デパート、衣料品店等における美術品や陳列品等の展示物照明用として紫外線照射に起因する脆化や退色等の劣化を防ぐ用途の照明用に適用できるものである。
また、ランプの発光性紫外線カット被膜はガラスバルブの内外両表面の少なくとも一方の面に形成してあればよく、また、光干渉膜等他の被膜が形成されるランプの場合は、同一面側に重層しても夫々異なる面側に形成しても、また、特に光学的や熱処理温度等に支障がなければ下層であっても上層であっても被膜の形成は差支えない。
さらに、照明器具は、ガラスバルブに発光性紫外線カット被膜が形成されていないランプが装着して使用されるのが原則であるが、発光性紫外線カット被膜が形成されているランプであっても差し支えない。さらにまた、投光用器具に限らず各種の照明器具や光・熱反射膜やダイクロイック膜等の可視光反射赤外線透過膜が形成された反射鏡付き器具、灯具等であっても差支えない。
F:紫外線カットフィルタ
L:直管形蛍光ランプ
D:照明器具
1:発光性紫外線カット微粒子
2:透明基体
3:発光性紫外線カット被膜
4:金属酸化物層
5:ガラスバルブ
91:器具本体
94:透光性カバー
L:直管形蛍光ランプ
D:照明器具
1:発光性紫外線カット微粒子
2:透明基体
3:発光性紫外線カット被膜
4:金属酸化物層
5:ガラスバルブ
91:器具本体
94:透光性カバー
Claims (8)
- 酸化亜鉛を主成分とし、これにタングステン、マンガン、ユーロピウムのうちの少なくとも一種がドープされ、紫外線の吸収により450〜550nmの範囲内に主発光ピークを有する発光性の微粒子であることを特徴とする発光性紫外線カット材料。
- 短波長吸収端側の透過率50%波長が360〜380nmの範囲内となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光性紫外線カット材料。
- 酸化亜鉛を主成分とし、これにタングステン、マンガン、ユーロピウムのうちの少なくとも一種と、インジウム、ビスマス、鉄のうちの少なくとも一種とがドープされ、紫外線により波長450〜550nmの範囲内に主発光ピークを有する発光性の微粒子であることを特徴とする発光性紫外線カット材料。
- 短波長吸収端側の透過率50%波長が380〜450nmとなるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の発光性紫外線カット材料。
- 微粒子の最外表面上に酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムのうちの少なくとも一種を主成分とする層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の発光性紫外線カット材料。
- 透光性基板表面と;
この基板表面に上記請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料を主成分として形成された発光性紫外線カット被膜と;
とを具備していること特徴とする発光性紫外線カットフィルタ。 - 密封されたガラスバルブと;
このバルブ内に封装された発光構体と;
上記バルブの内外両表面のうちの少なくとも一方の面に上記請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料を主成分として形成された発光性紫外線カット被膜と;
を具備していることを特徴とするランプ。 - 器具本体と;
この器具本体に配設された光源と;
この光源を覆うように上記器具本体に配設された透光性カバーと;
このカバー表面に請求項1ないし5いずれか一記載の発光性紫外線カット材料を主成分として形成された発光性紫外線カット被膜と;
を具備していることを特徴とする照明器具。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009054989A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-03-12 | Sharp Corp | 発光装置、照明装置及び当該照明装置を備えたクリーンルーム |
WO2018097704A1 (es) | 2016-11-24 | 2018-05-31 | Optical Saver Technologies, S.A.P.I. De C.V. | Dispositivo óptico que aumenta la emisión de fuentes de luz electro-luminiscentes con ayuda de un filtro dicroico que comprende nanohilos de óxido de zinc |
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WO2018097704A1 (es) | 2016-11-24 | 2018-05-31 | Optical Saver Technologies, S.A.P.I. De C.V. | Dispositivo óptico que aumenta la emisión de fuentes de luz electro-luminiscentes con ayuda de un filtro dicroico que comprende nanohilos de óxido de zinc |
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