JP2005221751A - 光カットフィルタ、管球および照明器具 - Google Patents
光カットフィルタ、管球および照明器具 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005221751A JP2005221751A JP2004029328A JP2004029328A JP2005221751A JP 2005221751 A JP2005221751 A JP 2005221751A JP 2004029328 A JP2004029328 A JP 2004029328A JP 2004029328 A JP2004029328 A JP 2004029328A JP 2005221751 A JP2005221751 A JP 2005221751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- cut filter
- light cut
- fine particles
- filter according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Optical Filters (AREA)
- Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
Abstract
【課題】
耐久性、耐熱性に優れ、紫外線および青色の光吸収特性を容易に制御することが可能な光吸収膜を備えた光カットフィルタおよびこのフィルタを備えた管球ならびに照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】
光カットフィルタFは、銀(Ag)を主成分とする被膜が表面に形成された球状酸化物微粒子を主成分として形成されたものであり、主として可視光線を透過するとともに短波長側吸収ピークの透過率が波長450〜650nmの範囲内で50%となる。これにより、光吸収特性を制御することが容易となり、かつ耐久性を高くすることができる。
【選択図】 図1
耐久性、耐熱性に優れ、紫外線および青色の光吸収特性を容易に制御することが可能な光吸収膜を備えた光カットフィルタおよびこのフィルタを備えた管球ならびに照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】
光カットフィルタFは、銀(Ag)を主成分とする被膜が表面に形成された球状酸化物微粒子を主成分として形成されたものであり、主として可視光線を透過するとともに短波長側吸収ピークの透過率が波長450〜650nmの範囲内で50%となる。これにより、光吸収特性を制御することが容易となり、かつ耐久性を高くすることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、少なくとも紫外線、青色光および緑色光をカットし、黄色光ないしは赤色光を透過する光カットフィルタ、管球および照明器具に関する。
紫外線、青色光および緑色光を遮断(カット)する光カットフィルタを設け、黄色ないし橙色(オレンジ色)の光を放射するようにした照明用光源および照明器具が知られている。これら光源および照明器具は、紫外線および青色光を必要としない低誘虫用またはクリーンルーム用照明に主として利用されるものである。
従来の低誘虫用ランプとして、外管バルブの外表面に黄色光ないしは赤色光の着色顔料を分散させたフッ素樹脂からなる着色被膜を形成した高圧放電ランプなどが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、低誘虫用ランプまたは紫外線の放射を抑制したランプとして、酸化亜鉛(ZnO)からなる紫外線吸収作用を有する被膜をバルブ外表面に形成した光カットフィルタ付ランプが知られている(例えば特許文献2、3参照)。
特開平11−307054号公報
特開2001−143657号公報
特開2001−126661号公報
低誘虫用またはクリーンルーム用等の特殊照明は、その用途によって遮断したい波長が異なることが多いので、光カットフィルタはその用途毎に光吸収特性を制御する必要がある。しかし、着色顔料を分散させた光吸収膜では、顔料により遮断(カット)可能な光の波長が決まるため、光吸収特性を制御しにくく、また、耐久性、耐熱性等もあまり高くない。
また、酸化亜鉛(ZnO)からなる紫外線吸収作用を有する光吸収膜は、耐久性、耐熱性に優れているが、主として青色光しか吸収しないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、耐久性、耐熱性に優れ、紫外線および青色の光吸収特性を容易に制御することが可能な光吸収膜を備えた光カットフィルタおよびこのフィルタを備えた管球ならびに照明器具を提供することを目的とする。
請求項1の光カットフィルタは、銀(Ag)を主成分とする被膜が表面に形成された球状酸化物微粒子を混入して形成され、可視光線の短波長側吸収ピークの透過率が波長450〜650nmの範囲内で50%になることを特徴とする。
「短波長側吸収ピークの透過率」は、フィルタが形成される基体の透過率を考慮しないフィルタだけの透過率であって、可視光線の短波長側の領域である波長450〜650nmの範囲内の所定の波長が短波長側に近づくに従って透過率が減少するように変化しているときの透過率を意味する。
球状酸化物微粒子が混入されるフィルタの主成分は、光透過性を有するものであればその材質は特に制限されないが、紫外線吸収機能を有する金属酸化物を使用することが発明の性質上好ましく、特に紫外線吸収性能が高い酸化亜鉛を用いることが望ましい。
請求項2は、請求項1記載の光カットフィルタにおいて、球状酸化物微粒子の粒径が10〜30nmであることを特徴とする。
球状酸化物微粒子の粒径が10nm未満であると、光吸収作用が十分に発揮されず、また球状酸化物微粒子の粒径が30nmを超えると、吸収ピークが長波長側に移動して所定波長以下の光のみを効率よく遮断するという光学特性が得られないため望ましくない。
請求項3は、請求項1または2記載の光カットフィルタにおいて、銀(Ag)を主成分とする被膜の膜厚が2.0〜10nmであることを特徴とする。
銀(Ag)を主成分とする被膜の膜厚が2.0nm未満であると吸収ピークが不均一に発生するため吸収波長の制御が困難になる。被膜の膜厚が10nmを超えると、コストが高くなるので望ましくない。
このように、最適な光吸収(カット)被膜の構造は、膜厚や微粒子構造との関係を考慮して選択する必要があるが、上記請求項の範囲内であれば容易に設定することが可能となる。
請求項4は、請求項1ないし3いずれか一記載の光カットフィルタにおいて、球状酸化物微粒子が酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)および酸化ジルコニウム(ZrO2)のうち少なくとも一種を主成分とするものであることを特徴とする。
上記酸化物は、比較的安定した性質を有し、球状微粒子とすることが容易であるため、光カットフィルタの材料として最適である。
請求項5は、請求項1ないし4いずれか一記載の光カットフィルタにおいて、表面に誘電体または樹脂からなる保護層が形成されていることを特徴とする。
銀(Ag)被膜が光カットフィルタの中に完全に埋め込まれず、一部が表面に露出した場合、この銀(Ag)被膜が大気中のオゾンまたはイオウ化合物と反応して変質しやすいため、保護層を形成することによりこれら物質との反応による変質を抑制することができる。
請求項6の管球は、発光手段を内包する透光性バルブと;このバルブを前記基材として形成された請求項1ないし5いずれか一記載の光カットフィルタと;を具備していることを特徴とする。
管球とは、白熱電球、ハロゲン電球またはHIDランプや蛍光ランプなどの放電ランプを意味する。発光手段とは、白熱電球およびハロゲン電球の場合にはフィラメントを指し、放電ランプの場合には放電空間(蛍光体層を含む)を指す。
請求項7の照明器具は、器具本体と;この器具本体に配設された光源と;この光源を覆うように前記器具本体に配設された透光性カバーと;このカバーを前記基材として形成された請求項1ないし5いずれか一記載の光カットフィルタと;を具備していることを特徴とする。
照明器具は、天井直付け器具、ダウンライトや透光器等を含み、カバーには板状のカバーの他、グローブを含むものである。
請求項1の発明によれば、光の吸収波長を制御することが容易な銀(Ag)を主成分とする被膜を球状酸化物微粒子の表面に形成し、この球状酸化物微粒子を主成分として光カットフィルタを形成したので、球状誘電体と表面の銀(Ag)被膜の相互作用により可視域の吸収を広い範囲にわたって制御でき、短波長側吸収ピークの透過率が波長450〜650nmの範囲内で50%となるように光吸収特性を制御することが容易となり、かつ耐久性の高い光カットフィルタを提供することができる。
請求項2の発明によれば、球状酸化物微粒子の粒径を30〜80nmとしているので、光吸収膜として十分に機能し、所定波長以下の光を効率よく遮断するという光学特性を得ることができる。
請求項3の発明によれば、銀(Ag)を主成分とする被膜の膜厚を2.0〜30nmとしているので、光吸収膜として十分に機能し、所定波長以下の光を効率よく遮断するという光学特性を得ることができる。
請求項4の発明によれば、光カットフィルタとして最適な球状酸化物微粒子を使用することができる。
請求項5の発明によれば、光カットフィルタの表面に誘電体または樹脂からなる保護層が形成されているので、銀(Ag)被膜の一部が光カットフィルタの表面に露出した場合であっても大銀(Ag)被膜が気中に含まれる物質等との反応による変質を抑制して耐久性を改善することができる。
請求項6または7の発明によれば、請求項1ないし5の光カットフィルタの作用効果を備えた管球または照明器具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における光カットフィルタの概略断面図である。
図1(a)は光カットフィルタの概略断面図、図1(b)は球状酸化物微粒子の概略断面図、図2は波長と光透過率とを対比したグラフである。
光カットフィルタは、建造物や車両用の窓ガラスなどのフィルタ形成に適用できる。図1では光学用の光カットフィルタFを実施例として説明する。
1はパイレックス(登録商標)ガラスからなる透光性基体としての透明な基板である。この基板1の表裏両面(片面でもよい)には酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、これに平均粒径が約20nmの球状の酸化イットリウム(Y2O3)微粒子に銀(Ag)を平均2nmコートしたものを約15質量%添加して約0.8μmの膜厚で形成された光吸収膜(カット膜)2が設けられ光カットフィルタFを構成している。図1(b)に示すように、酸化イットリウム(Y2O3)からなる球状酸化物微粒子3の表面には銀(Ag)を主成分とする被膜4が膜厚約10nmで形成されている。
図2は、図1の光カットフィルタFの透過率分光分布を示すグラフである。このグラフで示す透過率は、基板1の透過率を除いた値で示しているため、実質的に光吸収膜2の透過率分光分布を示している。
図2の線aは上記実施形態の光吸収膜2の分光透過率を、線bは球状酸化物微粒子を添加する以外は上記実施形態と同様の構成で形成された酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする比較例の光吸収膜の分光透過率をそれぞれ示している。
図2で示す透過率分光分布からも理解できるように、上記実施形態の光吸収膜2は比較例に比べて可視光線の短波長側の光を遮断(カット)する機能を有しており、短波長側吸収ピークの透過率が50%となる波長は560nm付近である。これは、銀(Ag)を主成分とする被膜の膜厚、球状酸化物微粒子の添加量および光吸収膜2の膜厚を制御し所望の光吸収特性としたためである。これにより光カットフィルタFは紫外線−青色光を吸収して、その透過光は黄色ないし橙色(オレンジ色)となる。
コーティングは、たとえばコーティング溶液として酢酸亜鉛(Zn(CH3COO)2)等の亜鉛錯体、カルボン酸塩をエタノール等有機溶剤に5質量%程度溶解し、安定化材、その他所定の添加剤を添加したものを使用してコーティング溶液を調製する。さらにこの溶液に上記方法によって銀(Ag)被膜が形成された平均粒径が約40nmの酸化イットリウム球状微粒子を約15質量%分散させて添加する。こうして調整された容液を基板1の表面に塗付後、500℃で15分間焼成し、これを複数回繰り返すことにより所望の膜厚の光吸収膜2,2を得ることができる。
図3は、本発明の第2の実施形態である管球を示す概略正面図である。L2は管球としてのHIDランプであり、このHIDランプL2には発光管40を保護する外管バルブ11が設けられている。外管バルブ11には発光管40と導通する給電手段としてのE形口金3が取付けられている。
この外管バルブ11の外表面には、第1の実施形態の光吸収被膜2が形成されており、外管バルブ11と基体とする光カットフィルタFが構成されている。この光カットフィルタFにより、HIDランプL2の発光管40から放射される光のうち紫外線および青色光が吸収され、HIDランプL2の放射光は黄色ないし橙色(オレンジ色)となる。
1…基板、2…光吸収被膜、3…球状酸化物微粒子、4…銀被膜、F・・・光カットフィルタ、L2…管球としてのHIDランプ。
Claims (7)
- 銀(Ag)を主成分とする被膜が表面に形成された球状酸化物微粒子を混入して形成され、可視光線の短波長側吸収ピークの透過率が波長450〜650nmの範囲内で50%になることを特徴とする光カットフィルタ。
- 球状酸化物微粒子は、粒径が10〜30nmであることを特徴とする請求項1記載の光カットフィルタ。
- 銀(Ag)を主成分とする被膜の膜厚が2.0〜10nmであることを特徴とする請求項1または2記載の光カットフィルタ。
- 球状酸化物微粒子が酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イットリウム(Y2O3)および酸化ジルコニウム(ZrO2)のうち少なくとも一種を主成分とするものであることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の光カットフィルタ。
- 表面に誘電体または樹脂からなる保護層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載の光カットフィルタ。
- 発光手段を内包する透光性バルブと;
このバルブを前記基材として形成された請求項1ないし5いずれか一記載の光カットフィルタと;
を具備していることを特徴とする管球。 - 器具本体と;
この器具本体に配設された光源と;
この光源を覆うように前記器具本体に配設された透光性カバーと;
このカバーを前記基材として形成された請求項1ないし5いずれか一記載の光カットフィルタと;
を具備していることを特徴とする照明器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004029328A JP2005221751A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | 光カットフィルタ、管球および照明器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004029328A JP2005221751A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | 光カットフィルタ、管球および照明器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005221751A true JP2005221751A (ja) | 2005-08-18 |
Family
ID=34997432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004029328A Pending JP2005221751A (ja) | 2004-02-05 | 2004-02-05 | 光カットフィルタ、管球および照明器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005221751A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007299715A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Osram-Melco Ltd | 蛍光ランプ |
JP2009054989A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-03-12 | Sharp Corp | 発光装置、照明装置及び当該照明装置を備えたクリーンルーム |
JP2010170866A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | Led照明カバー用樹脂組成物 |
-
2004
- 2004-02-05 JP JP2004029328A patent/JP2005221751A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007299715A (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Osram-Melco Ltd | 蛍光ランプ |
JP2009054989A (ja) * | 2007-07-31 | 2009-03-12 | Sharp Corp | 発光装置、照明装置及び当該照明装置を備えたクリーンルーム |
JP2010170866A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Sumitomo Chemical Co Ltd | Led照明カバー用樹脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4809508B1 (ja) | Ledモジュール、ledランプおよび照明装置 | |
RU2624348C2 (ru) | Светоизлучающее устройство | |
KR20010080627A (ko) | 전기 램프 | |
WO2013118206A1 (ja) | Ledランプ用の透光性外郭部材 | |
JPWO2014104155A1 (ja) | 発光装置 | |
JP2005221750A (ja) | 光カットフィルタ、管球および照明器具 | |
JP2004503908A (ja) | 光吸収媒体を具えたランプ | |
CN101045550B (zh) | 紫外线截止材料、紫外线截止滤光片、放电灯及照明装置 | |
JP5928610B2 (ja) | 調整部品及び発光装置 | |
JP2005221751A (ja) | 光カットフィルタ、管球および照明器具 | |
JPH02253554A (ja) | 紫外線遮蔽ランプ及びその製法 | |
JP5045979B2 (ja) | 紫外線カットフィルタ、管球および照明器具 | |
JP2005019317A (ja) | 管形ヒータ | |
JP2008305748A (ja) | 電球形蛍光ランプ | |
JP2008112695A (ja) | 高圧放電ランプおよび照明器具 | |
JP2008034350A (ja) | 高圧放電ランプおよび照明器具 | |
JP2006332000A (ja) | 発光性紫外線カット材料、発光性紫外線カットフィルタ、ランプおよび照明器具 | |
JP2009152171A (ja) | 高圧放電ランプ及び照明器具 | |
JP2007291361A (ja) | 紫外線カット材料、紫外線カットフィルタ、管球および照明器具 | |
JP4370971B2 (ja) | 蛍光ランプおよび照明器具 | |
JP2007231092A (ja) | 紫外線および赤外線遮断材料、可視選択透過フィルタ、管球および照明器具 | |
JP2009105012A (ja) | 金属蒸気放電灯及び照明器具 | |
JP4783687B2 (ja) | 紫外線投光器 | |
JP2007521621A (ja) | 電球 | |
JP5157258B2 (ja) | 高圧放電ランプ及び照明器具 |