JP2007299715A - 蛍光ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】夜間の睡眠を促す作用などがあるメラトニンの分泌を阻害しにくい蛍光ランプを実現する。
【解決手段】放電を内部に維持するように形成されたガラス管1と、このガラス管1の内面に形成され、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体とを少なくとも含み、さらに、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体がないか、もしくは、その発光エネルギーが点灯中、直管形蛍光ランプ10からの可視放射全体のエネルギーの1%以下となる量のみ含むように構成される蛍光面と、蛍光面より外側に設けられ、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、490nmにおいて80%以上の吸収膜4とを備え、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2000K以上となるように赤色蛍光体と緑色蛍光体の比率を調整したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、人間に有益な作用をするメラトニン分泌抑制を小さくした特に家庭用の蛍光ランプに関する。メラトニンとは、脳にある松果体から分泌されるホルモンであり、夜間の入眠前から睡眠前半にかけて多く分泌され、体温の低下や入眠促進をうながすと考えられている。
従来、家庭で用いられる光源は、省エネの観点などから蛍光ランプが主流で、かつ、相関色温度が5000K(ケルビン)あるいは6700K、さらにそれより高い相関色温度のものが主に用いられている。このように日本で、高い色温度が好まれる理由は、欧米に比較し気温が高いので涼しく感じる高い相関色温度が好まれることなどで説明されるが、文化的、歴史的経緯なども絡み、厳密には明確になっていない。一方で、後述するように、このような、高い相関色温度の照明は、従来から、夜の入眠を妨げることが知られ、落ち着いた雰囲気をもたらすという心理的な理由もあり、相関色温度の低い白熱電球や電球色の蛍光ランプも用いられる場合がある。
このような家庭用の蛍光ランプの主流は3波長形となってきている。この3波長形蛍光ランプは530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体と、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体との比較的幅の狭い3群の蛍光体を用い、要求された光色をその混合比率を変えて実現するものである。
メラトニンは、夜、円滑な睡眠をもたらす作用の他、最近は抗腫瘍作用、活性酸素除去など、ヒトの体内において重要な役割を担っていると推定されてきており、光によりその分泌が過剰に抑制されることが課題とされている(例えば、非特許文献1参照)。
人間の体内のメラトニン分泌への光による抑制作用に着目し、光源の光を放射する側に、410nm〜505nmの光をカットするフィルターを設ける技術などが提案されている(特許文献1参照)。
また、光がメラトニン分泌抑制に働く、分光作用関数が提案されており、この分光作用関数を使って、メラトニン分泌抑制効果を評価することが可能になってきている。この分光作用関数を図4に示す。図4によると、メラトニン分泌抑制感度がピークとなる波長は464nmであり、ピーク波長464nmから505nmまでの範囲で、とくに分泌抑制感度が高くなることが分かる(例えば、非特許文献2参照)。
石堂 正美:「メラトニンの作用機構と機構」、第14回JCIEセミナー試料、2006年、pp1−4 Brainard,G.C., et.al :"Action Spectrum for Melatonin Regulation in Humans:Evidence for a Novel Circadian Photoreceptor", The Journal of Neuroscience,August 15, 2001, 21(16):6406−6412 特開2005−230171号公報
このようにメラトニン分泌の抑制作用を低減するため、例えば、特許文献1においては、ランプの前面にメラトニン分泌抑制を最小限にするために設けたフィルタにより、410nm〜505nmの青色系の発光を抑制する技術が開示されている。しかしながら、通常のランプにこのようなフィルタをかけると、光色がずれ、特にDuvが大きくずれて不快な印象の照明となる。相関色温度とDuvについては、JIS Z 8725「光源の分布温度及び色温度・相関色温度測定方法」にuv色度座標上で定義されている。Duvは黒体放射の光色の軌跡と、注目している光色のuv座標上の点との距離を1000倍し、この点が黒体放射の軌跡のvが大きい側であればプラス、小さい側であればマイナスとしたものである。光色の相関色温度の値を表示するに際しては、黒体放射軌跡からの偏差duv又はDuv(=1000duv)を併記するのが望ましいとされている。
また、フィルタを用いないで、3波長形蛍光ランプの蛍光体の混合比率を変えても、メラトニン分泌抑制作用を押さえるには限界がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、光色を不快な領域とせず、メラトニン分泌の抑制作用を最小限にした蛍光ランプを提供することを目的とする。
この発明に係る蛍光ランプは、放電を内部に維持するように形成されたガラス管と、このガラス管の内面に形成され、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体とを少なくとも含み、さらに、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体がないか、もしくは、その発光エネルギーが点灯中、当該蛍光ランプからの可視放射全体のエネルギーの1%以下となる量のみ含むように構成される蛍光面と、蛍光面より外側に設けられ、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、490nmにおいて80%以上の吸収層とを備え、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2000K以上となるように赤色蛍光体と緑色蛍光体の比率を調整したことを特徴とする。
また、この発明に係る蛍光ランプは、Duvの範囲を−10から2の範囲としたことを特徴とする。
また、この発明に係る蛍光ランプは、Duvの範囲を5から10の範囲としたことを特徴とする。
また、この発明に係る蛍光ランプは、放電を内部に維持するように形成されたガラス管と、このガラス管の内面に形成され、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体と、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体とを少なくとも含む蛍光面と、蛍光面より外側に設けられ、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、435nmにおいて70%以上の吸収層とを備え、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2500K以上3000K以下となるように赤色蛍光体と緑色蛍光体の比率を調整したことを特徴とする。
この発明に係る蛍光ランプは、ガラス管の内面に形成される蛍光面を、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体とを少なくとも含み、さらに、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体がないか、もしくは、その発光エネルギーが点灯中、当該蛍光ランプからの可視放射全体のエネルギーの1%以下となる量のみ含むように構成し、蛍光面より外側に、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、490nmにおいて80%以上の吸収層を設け、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2000K以上となるように赤色蛍光体と緑色蛍光体の比率を調整したことにより、光色を不快な領域とせず、かつ、メラトニン分泌の抑制作用を小さくした蛍光ランプが実現される。
また、この発明に係る蛍光ランプは、Duvの範囲を−10から2の範囲とすることにより、紫が強くもなく、また緑味が増すこともなく、十分な快適性が得られる。
また、この発明に係る蛍光ランプは、Duvの範囲を5から10の範囲とすることにより、メラトニン分泌抑制作用を小さくする効果を大きくできる。
また、この発明に係る蛍光ランプは、ガラス管の内面に形成される蛍光面は、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体と、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体とを少なくとも含み、蛍光面より外側に、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、435nmにおいて70%以上の吸収層を設け、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2500K以上3000K以下となるように赤色蛍光体と緑色蛍光体の比率を調整することにより、同じ光色で比較して、メラトニン分泌抑制作用を減じることができる。
実施の形態1.
図1乃至図3は実施の形態1を示す図で、図1は一部を断面で示す直管形蛍光ランプ10(蛍光ランプの一例)の平面図、図2は蛍光面3付近の拡大断面図、図3は直管形蛍光ランプ10の分光分布を示す図である。
図1に示すように、直管形蛍光ランプ10は、ガラス管1の内部の両端に電子放射物質を備えたフィラメント2a、フィラメント2b(図示せず)が電極として設けられ、さらに希ガスと水銀を封入して密封されている。
また、図2に示すように、ガラス管1の内面には、蛍光面3が形成されている。この蛍光面3は、3群の蛍光体、すなわち530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体と、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体の混合体を主成分とし、このうち第3の青色蛍光体成分はないか、もしくは点灯中その発光エネルギーがランプからの全発光エネルギーの1%以下となる量を含有する。
さらに、この蛍光面3の外側、図2の例では、ガラス管1の外面には透過率が415nm以下の各波長において20%以下、490nmにおいて80%以上である吸収層の一例の吸収膜4を備えている。
この直管形蛍光ランプ10は次のように動作する。適当な点灯装置からフィラメント2a、フィラメント2bに電流が流され、予備加熱した後、両端に電圧が印加されると放電が開始し、水銀放電が形成される。その水銀放電から放射される253.7nmの紫外線を蛍光面3を形成する蛍光体が可視光に変換し、その可視光は吸収膜4を透過することによって、一部の波長の放射を吸収した後、外部に放射され、照明に利用されるようになっている。
この発光は、Duvが−10〜+10の間、相関色温度は2000K以上であるが、図3は、この分光分布の一例を示しており、2220K、Duvがほぼ0、後述するメラトニン光束比の基準に対する比(相対メラトニン光束比)が76である。
この例では、吸収膜4の透過率が、415nm付近で10%、ここから上昇し、445nmで90%、485nmでほぼ100%となっており、青色蛍光体の発光エネルギーは直管形蛍光ランプ10から放射される可視放射全体のエネルギーの約0.3%である。なお、図3には、この吸収膜4をはずした場合の分光分布を破線で示している。
(快適な光色範囲)
後述するように、メラトニン分泌作用抑制を低減するためには、相関色温度を小さくし、Duvを大きくすると良いが、次のような制約がある。Duvは快適性の観点から−10〜2程度がよい。−10より小さくなると、紫が強くなり、不快な感じになる。一方、2を越えて大きくなると、緑味が増し、若干、快適性が十分でなくなる傾向があり、さらに10を越えると明確に不快感を感じ始める。すなわち、ある程度快適性で我慢できる範囲としてはDuvが10より小さい範囲である必要がある。
相関色温度については、その環境の目的に合わせることとか、好みが重要になってくる。概して、くつろぎの雰囲気や睡眠前の雰囲気としては、3000K以下の相関色温度が好まれる傾向がある。しかしながら、2000Kを割ると、オレンジの感じが強くなり、実際の照明環境としては好まれなくなる。これらの条件で、メラトニン分泌抑制作用を低減することが目標になる。
(メラトニン光束の定義)
次にメラトニン分泌抑制作用の評価について説明する。図4に示すメラトニン分泌に対する分光作用関数をM(λ)とし、問題とするランプあるいは照明器具の全出力の分光エネルギー分布をI(λ)とすると、メラトニンへの作用量Mは、次式となる。
M=k∫M(λ)I(λ)dλ (1)
ただし、kは任意に定める定数、λは波長である。光束は上記分光エネルギー分布I(λ)に視感度V(λ)の積分値に定数をかけたものであるから、ランプあるいは照明器具から出力する光束Φに対するこのメラトニンへの作用量Mの比が、適当な光束を得ることを前提にした場合のメラトニン分泌抑制の程度を比較できる量となる。この量をメラトニン光束比Sとする。すなわち、
S=M/Φ (2)
なお、ここではk=1とおく。このSは同じ光量をとったときのメラトニン分泌抑制の作用量を表すので、照明器具のメラトニン分泌抑制作用をこのSの大小で評価することができる。
(光色の調整方法、相対メラトニン光束比の定義)
比較的任意に光色を作ることのできる3波長形蛍光ランプを用いて、メラトニン光束比と光色との関係を調べた。その結果、相関色温度が小さくなるほど、メラトニン光束比が小さくなることが確認され、さらにDuvが大きくなるほど、ほぼメラトニン光束比が小さくなることが分かった。上述のように、メラトニン光束比を下げるのにDuvを上げるという手段には限界がある。このため、まず、黒体輻射と同じDuv=0を条件として、相関色温度を下げてゆく検討を行う。具体的には青色蛍光体の比率を減少させながら、赤色蛍光体と緑色蛍光体の混合比率のバランスをとって、Duvを合わせるという作業になる。その結果、2500K弱で、青色蛍光体が0となり、相関色温度を下げることができなくなる。この2500K、Duv=0の点に調整した直管形蛍光ランプ10のメラトニン光束比を基準の100として、その比で比較する(以降、その比を相対メラトニン光束比と呼ぶ)。この相対メラトニン光束比100がDuv=0という条件での吸収膜4等を用いない3波長形蛍光ランプの下限値ということができ、Duv=0において、100以下に下げるのが目標ということになる。
(Duv=0一定の場合の例)
Duvは前述したようにその照明環境の快適性や不快感と特にプラスの大きい側での影響が大きいので、少なくともDuvを固定して直管形蛍光ランプ10の発光を比較する必要がある。この2500K、Duv=0という発光の直管形蛍光ランプ10に対して、Duvを一定のまま、相関色温度は2000K以上であれば、動かしても良いという条件で、メラトニン分泌抑制作用を低減するためにフィルタすなわち、吸収膜4を利用することとした。このねらいは、直管形蛍光ランプ10の青の領域にある水銀の発光輝線を押さえ、これによるメラトニン分泌抑制作用を押さえるというものであり、特に、通常の視覚としての感度がより小さい、400nmに近いものを押さえるというものである。400nmから500nmにかけて、3カ所のピーク、すなわち405nmから410nm(1番目のピーク)、430nmから440nm(2番目のピーク)、480nmから510nm(3番目のピーク、これは緑色蛍光体の副ピークによる)がある。吸収膜4によりこの1番目のピークをとると、相対メラトニン光束は91、相関色温度が2470Kとなる。さらに2番目のピークを40%強になるまでとると、2000Kとなり相対メラトニン光束は61となる。Duv=0という条件では相関色温度の下限である2000K以下となるため、これ以上、吸収することができない。
(Duv=10一定の場合の例)
一方、Duvを10までなら、若干の快適性の犠牲ですむため、Duv=10という上限でメラトニン分泌抑制作用を低減する検討を行った。上記、3カ所のピークのうち、1番目のピークを吸収させると、相関色温度3000K、相対メラトニン光束比が97となり、小さいが効果はあり、さらに2番目のピークを吸収させると、2270K、相対メラトニン光束が52で、効果が見られる。また、さらに3番目のピークをほぼ半分にすると、2000Kとなり、相対メラトニン光束比が17まで低減される。この3番目のピークをさらに低下させると、さらに相対メラトニン光束比は低下するが、快適性からの限界である、2000Kを割る。この3番目のピークを半減以上低下させない現実的な条件として、490 nmにおいて80%以上の透過率があればよいので、このDuv=10という条件では、2000K以上という条件と一致している。この2000Kという条件を満たす吸収膜4の吸収波長は、これより低いDuvに対して、短波長側となる。
(Duv=5一定の場合の例)
また、Duv=5の場合も同様に、1番目のピークを吸収させると、相関色温度2740K、相対メラトニン光束が94、2番目のピークを90%吸収させると、2030K、相対メラトニン光束が50となる。これ以上吸収させると、2000Kを割ることになる。すなわち、Duvが5〜10という若干、快適性のレベルの低い領域では、Duvが0の場合に比較すると、吸収膜4によってより大きく相対メラトニン光束比を減少させることができる。
(吸収膜4の条件)
ここまでの検討結果等をまとめるとDuvの−10〜10の範囲について、少なくとも吸収膜4の透過率が、415nmで20%以下であれば、メラトニン分泌抑制作用の低減作用はある。一方、490nmにおいて、80%以上の透過率が必要で、これは、Duvが−10〜10かつ2000K以上という条件を満たすために必要である。
(青色蛍光体の効果)
3波長蛍光ランプにおいては、所定の光色を実現するためには赤、緑、青の3カテゴリーの蛍光体の比率を調整して実現する。このうち、青の蛍光体のピーク波長は、440nmから490nmにあり、図4に示すメラトニン分泌抑制作用の分光作用関数の値の大きい位置にある。従って、青の蛍光体はできるだけ少ない方がよく、まったく用いないというのがもっとも効果がある。この場合、赤色蛍光体と緑色蛍光体の2種類の蛍光体を使用することになり、その実現できる光色の範囲はその比率というひとつのパラメータとなり、例えば、xy色度座標上では、1本の線で表され、同様に任意の相関色温度に対してひとつのDuvのみ実現できるという関係(相関色温度−Duv平面を想定すると、その平面上の1本の線)になる。また、このようにして決めた光色に対して、青色蛍光体を少し加えると、上記の線分と交わる方向に光色が変化し、色度平面上で、より広がった面積を持つ範囲で光色が実現できるようになる。
(青色蛍光体の発光比率1)
一方、各蛍光体の製造ばらつきによって、その光色が変化し、赤色蛍光体と緑色蛍光体の2種類のみを使用した場合、その実現できる光色が変化するので、ばらつきに対応した光色の調整が難しいという課題があるが、これに青色蛍光体を若干加えておくと、この青色蛍光体の比率も光色の調整に使えるため、面の範囲で光色が実現でき、任意の位置に光色を調整できるという利点がある。このため、ばらつきでずれることが想定される範囲の青色蛍光体を混合しておけばよい。これに必要な青色蛍光体は、その発光エネルギーの、ランプからの可視放射全体のエネルギーに対する比率で表して、1%以下で十分である。この1%の発光比率に対応する青色蛍光体を追加することによる相対メラトニン光束比の変化は10%程度である。この青色蛍光体の比率は光色のばらつきの許容範囲によるので、種々のパラメータを変化させて、メラトニン光束比などの比較をする場合は一定値にして行うのが妥当である。なお、可視放射の範囲はJIS Z 8113によると確定しておらず、ここでは380nmから780nmの間の放射とする。
以上をまとめると、この実施の形態1は、視環境の快適性の観点から、Duvを−10から10の範囲、相関色温度を2000K以上とし、次に、メラトニン分泌抑制作用を減じるという観点から、Duvを一定にして、相関色温度を低下させてゆく方向で、青色蛍光体を問題がない範囲で減少させ、適当な条件の吸収膜4をつけたものである。
さらに好適な範囲として、Duvを5〜10にした場合、若干、視環境では劣ることになるが、メラトニン分泌抑制作用を小さくする効果が大きく、Duvを−10〜2にした場合、視環境の快適性からはほとんど問題はないが、メラトニン分泌抑制作用が若干、Duv5〜10に比較すると劣る範囲となる。
(吸収膜4)
吸収膜4の一例としては、ポリエチレンテレフタラート(PET)に、適当な光吸収材料を混合して、チューブにし、それをランプに被せて加熱し、収縮させ密着させる。光吸収材料として微粉末のプラセオジム(Pr)、あるいは、酸化チタンなどを用いることができ、この他、有機の種々の材料を利用することができる。さらに、図1等の例では吸収膜4をガラス管1外面に密着させたPETとしたが、もちろんこれと異なる材料でもよく、基本的に記載の条件で規定する透過条件を満たせば効果があり、さらにガラス管1の内面の蛍光面3との間に、無機物の吸収面を設けても、また、ガラス自身の透過率を、その成分を換えることによっても同じように効果がある。また、外部に吸収膜4を設ける場合でも、ここまではガラス管1に密着するタイプで説明したが、必ずしも密着していなくても、同様な効果がある。
実施の形態2.
実施の形態2においては、実施の形態1と同様、図1あるいは図2に示される仕様は同様で、蛍光面3に、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体と、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体とにより、蛍光面3を形成し、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、435nmにおいて70%以上の吸収膜4を備える。これにより、405nmから410nmまでの1番目のピークをほぼ吸収することになる。さらに、上記3種類の蛍光体の比率を調整し、点灯時の光色を、Duvを−10から10の範囲、相関色温度を2500K以上、3000K以下とした。これ以外は実施の形態1と同様である。
メラトニン分泌の抑制を特に防がなくてはならない、夕方以降、就寝までに過ごす場としては、「くつろぎ」と、「就寝前」の比率が高く、その照明としては、心理テストの結果2500Kから3000Kが好まれることがわかった。光色として、この相関色温度で、かつ大きな不快感をもたらさない、Duvが−10から10の範囲がその条件となる。この中で適当な相関色温度と、Duvを、その想定する用途に合わせて設定した後、その条件内で、メラトニン分泌の抑制作用が小さい条件、すなわち相対メラトニン光束が小さい範囲を探した。その結果、透過率が415nm以下の各波長において、20%以下、435nmにおいて70%以上の透過率を持つ吸収膜4を設ければ、いずれの場合も、吸収膜4を持たない、まったく同じ光色の直管形蛍光ランプ10より、相対メラトニン光束比が小さくなることがわかった。これより、吸収率が上昇する波長が短い、あるいは同じ波長で、吸収率が高いと、ほとんど効果が見られなくなる。また、これより、吸収率が上昇する波長が長い、あるいは同じ波長で、吸収率が低いと、逆に相対メラトニン光束比が大きくなる。後者の原因は435nm近辺以上の発光をとると、光色を一定にするために、カットした波長より長い波長で、青色蛍光体を増やさなくてはならなくなってこの発光により逆に相対メラトニン光束比が増加することになる。すなわち、光色を固定するという条件で構成されたこの実施の形態2においては、この条件のために相対メラトニン光束比を小さくするのが、実施の形態1より難しいといえる。
一例としては、2500K、Duvを0とし、1番目のピークを吸収した場合、相対メラトニン光束比が100から93へと、7%低下する。また、3000K、Duvを0とし、同じく1番目のピークを吸収した場合、相対メラトニン光束が138から131へと、約5%低下する。
実施の形態1、実施の形態2では、直管形蛍光ランプ10を用いて説明したが、環形あるいはコンパクト型、あるいは電球形等でも同様な効果があるのはもちろんであり、また、電極としてフィラメントを用い、外部からリード線を介して、電力を供給するタイプで説明したが、フィラメントを用いない、自己加熱あるいは冷陰極でもよく、さらに高周波を用い、内部に電極のない、例えば、外部電極タイプ、あるいは電磁界で電力を供給するタイプなどでも同様な効果がある。
実施の形態1,2を示す図で、一部を断面で示す直管形蛍光ランプ10の平面図である。 実施の形態1,2を示す図で、蛍光面3付近の拡大断面図である。 実施の形態1を示す図で、直管形蛍光ランプ10の分光分布を示す図である。 Brainardらの報告によるメラトニン分泌抑制作用分光特性図である。
符号の説明
1 ガラス管、2a フィラメント、2b フィラメント、3 蛍光面、4 吸収膜。

Claims (4)

  1. 放電を内部に維持するように形成されたガラス管と、
    このガラス管の内面に形成され、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体とを少なくとも含み、さらに、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体がないか、もしくは、その発光エネルギーが点灯中、当該蛍光ランプからの可視放射全体のエネルギーの1%以下となる量のみ含むように構成される蛍光面と、
    前記蛍光面より外側に設けられ、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、490nmにおいて80%以上の吸収層とを備え、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2000K以上となるように前記赤色蛍光体と前記緑色蛍光体の比率を調整することを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記Duvの範囲を−10から2の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 前記Duvの範囲を5から10の範囲とすることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  4. 放電を内部に維持するように形成されたガラス管と、
    このガラス管の内面に形成され、530nmから550nmにピークのある緑色蛍光体と、600nmから650nmにピークのある赤色蛍光体と、440nmから490nmにピークのある青色蛍光体とを少なくとも含む蛍光面と、
    前記蛍光面より外側に設けられ、透過率が415nm以下の各波長において20%以下、435nmにおいて70%以上の吸収層とを備え、点灯時の光色が、Duvを−10以上10以下、相関色温度を2500K以上3000K以下となるように前記赤色蛍光体と前記緑色蛍光体の比率を調整することを特徴とする蛍光ランプ。
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