JP2005263150A - 防水キャスター - Google Patents

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Abstract

【課題】
ヨーク旋回用ボールベアリングと走行車輪回転用ボールベアリングとの密封効果に富む防水キャスターを提供する。
【解決手段】
ヨーク(Y)の旋回支軸(2)と旋回用ボールベアリング(B1)へ、弾性材のボトムシールキャップ(10)を下方からかぶせ付け状態に密着一体化させる一方、走行車輪(W)のボス(17)とその左右一対の車輪回転用ボールベアリング(B2)へ、弾性材のサイドシールカバー(24)をかぶせ付け状態に密着一体化させると共に、上記車輪回転用ボールベアリング(B2)の長いインナーレース(20)と上記ヨーク(Y)の側面(5)との向かい合う相互間へ挟み付け固定された金属材のサイド化粧カバー(23)により、上記サイドシールカバー(24)を包囲した。
【選択図】 図2

Description

本発明は運搬台車やストレッチャー、その他の各種走行機器に装着使用される防水キャスターに関する。
降雨、塵埃、接地面から跳ね上げられる水や泥、薬液などが、車輪の回転軸受部分やヨークの旋回軸受部分に外部から浸入して、これらの軸受部分を早期に腐蝕させたり、逆にこれらの軸受部分から外部へグリースや鉄粉などが漏出したりすることを防ぐためのキャスターについては、例えば実開昭54−15876号や実公昭56−20242号、特開平6−143907号、特開2000−85308号、特許第3159668号などが提案されている。
これらのうち、特に特許第3159668号発明の場合、車輪(40)の回転用軸受(42)を図12のように被覆できるシール材(75)と、ヨーク(30)の旋回用軸受(32)を図3のように被覆できるキャップ(60)と、更にヨーク(30)と基台(20)との相互間隙を図11のように閉塞できるシール材(70)とが悉く記載されている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
実開昭54−15876号公報 実公昭56−20242号公報 特開平6−143907号公報 特開2000−85308号公報 特許第3159668号公報
ところが、先ず上記公知発明のシール材(75)について言えば、これは合成ゴムなどの可塑性材料から成り、車輪(40)のボス部(段部)(45)へ一体回転するように被着されているが、そのボス部(45)や軸受(42)の回転する外輪(42b)と、ヨーク(30)における車輪支持板(33)との向かい合う相互間に挟まれている関係上、仮令軸受(42)の固定状態にある内輪(42a)との摩擦抵抗を減少させるため、シール材(75)に凸条(76)を刻成したとしても、そのシール材(75)がヨーク(30)の車輪支持板(33)へ強く接触された場合、大きな摩擦抵抗によって、車輪(40)が軽く円滑に回転しないこととなり、他方弱く接触された場合には、そのシール材(75)と車輪支持板(33)との相互間隙や、上記摩擦抵抗が減少された凸条(76)と内輪(42a)との相互間隙を通じて、外部から軸受(42)へ水や泥、薬液などが浸入したり、逆にその軸受(42)からグリースや鉄粉などの漏出したりするおそれが大となる。その結果、上記シール材(75)の挟まれる強弱程度に高精度が要求され、常に安定な組立状態を確保することが困難である。
又、上記シール材(75)は車輪(40)の軸受(42)と、ヨーク(30)の車輪支持板(33)との向かい合う相互間に介挿されているため、その車輪支持板(33)を図2、3、7のような車輪(40)のリム径とほぼ同じ直径に大きく張り出し形成して、上記シール材(75)の完全な被覆作用に参与させる必要もあり、そうすると車輪(40)のスポークやその他の造形模様が隠蔽されてしまう結果、化粧効果の低下を招くことになる。
次に、ヨーク(30)の旋回用軸受(32)を被覆するキャップ(60)について言えば、これはヨーク(30)における軸受支持台(31)の開口面へ、下方から嵌め付け接着されるようになっている関係上、そのキャップ(60)をナイロンなどの合成樹脂材料から、図5(A)(B)のような先細りテーパー状に造形する必要があり、これを上記軸受支持台(31)へ嵌め付け一体化するための特別な接着剤も使用しなければならない。
そして、その軸受支持台(31)の開口面へ下方から嵌め付け接着したとしても、上記キャップ(60)はその全体的な弾力性を有さないため、使用中に振動や衝撃などを繰り返し受けた場合、これを吸収することができず、上記接着剤の老化に起因して脱落するおそれがあり、耐久性にも劣る。
更に、上記軸受支持台(31)と基台(20)との向かい合う相互間隙を閉塞するシール材(70)について言えば、これもナイロンなどの合成樹脂材料から成るが、図11のような断面倒立L字型をなしているため、仮令その平坦部(73)に凸条(71)を刻設したとしても、これが旋回用軸受(32)に作用する偏荷重を自づと吸収しつつ、その常時安定な密封状態を確保することは不可能である。
その偏荷重を受けてヨーク(30)が傾斜する如く、その軸受支持台(31)と上記基台(20)との平行度が失なわれたような場合、却ってその基台(20)との摩擦抵抗を減少させるために、上記シール材(70)の平坦部(73)に形成された凸条(71)を通じて、外部から軸受(32)へ水や泥、薬液などが浸入しやすくなる。
本発明はこのような諸問題の改良を目的としており、その目的を達成するための構成上、請求項1では運搬台車やその他の各種走行機器に対する取り付け用の台座と、
その台座の中心部へ貫通状態に固定一体化された垂直な旋回支軸と、
その旋回支軸へボールベアリングを介して、旋回自由に枢着されたほぼ倒立U字型のヨークと、
上記旋回支軸とヨーク旋回用ボールベアリングを下方から被覆するボトムシールキャップと、
上記ヨークを形作る左右一対の向かい合う側面の下端部に固定横架された水平な車軸と、
その車軸へ左右一対の並列するボールベアリングを介して、回転自由に枢支された走行車輪と、
上記走行車輪のボスとその車輪回転用ボールベアリングを被覆する左右一対のサイドシールカバーとを備えた防水キャスターにおいて、
上記ボトムシールキャップをゴムや軟質合成樹脂などの弾性材から断面ほぼU字型に造形して、それ自身の拡張操作に伴なう復元弾圧力のみにより、上記旋回支軸とヨーク旋回用ボールベアリングへ下方からかぶせ付け状態に密着一体化させる一方、
上記車輪回転用ボールベアリングのインナーレースを各々アウターレースよりも外向きに長く張り出し形成して、その長いインナーレースと上記ヨークの側面との相互間へ、上記走行車輪のボスよりも径大なほぼ円錐受皿型のサイド化粧カバーを各々挟み付け固定すると共に、
上記サイドシールカバーの各個もボトムシールキャップと同様な弾性材から、上記車輪回転用ボールベアリングのインナーレースよりも大きな開口径のインナーレース逃し入れ中心口を備えたほぼ椀型に造形して、
そのサイドシールカバーにおける断面ほぼコ字状の径大な内向き開口フランジを、上記走行車輪のボスへ各々かぶせ付け状態に密着一体化させて、上記サイド化粧カバーの対応的な内向き開口フランジにより包囲し、
同じくサイドシールカバーにおける断面ほほラッパ状の径小な外向き開脚座を、上記サイド化粧カバーの中途部へ弾力的に軽く接支させるにとどめたことを特徴とする。
その請求項1に従属する請求項2では、ボトムシールキャップの開口上縁部付近からリング状の補強リブを連続一体に張り出したことを特徴とする。
又、同じく請求項1に従属する請求項3では、耐熱性と平滑性に富むポリプロピレンやナイロンなどの硬質合成樹脂から成形されたほぼ円錐皿バネ型のシールワッシャによって、ヨークを形作る頂面と台座との相互間隙を、密封状態に閉塞したことを特徴とする。
更に、その請求項3に従属する請求項4では、シールワッシャをヨークの頂面に開口する旋回支軸逃し入れ口よりも大きな開口径のリング状取付凸座と、これから連続一体に張り出す径大な円錐状のスカートフランジとを備えた全体的なほぼ円錐皿バネ型として、
その取付凸座を台座の下面から陥没する凹溝内へ、位置決め状態に嵌め付け係止させる一方、
上記スカートフランジをヨークの頂面へ弾圧付勢状態に密着させたことを特徴とする。
請求項1に記載された本発明の構成では、ゴムや軟質合成樹脂などの弾性材から成る断面ほぼU字型のボトムシールキャップが、特別の接着剤を用いることなく、その拡張操作に伴なう復元弾圧力のみによって、ヨークの旋回支軸とその旋回用ボールベアリングへ下方から包囲状態にかぶせ付け密着一体化されているため、その組立作業性に著しく優れるばかりでなく、使用中の振動や衝撃などを繰り返し受けるも、不慮に脱落するおそれがなく、上記ヨーク旋回用ボールベアリングを耐久的に安定・確実な密封状態に保てる効果がある。
他方、走行車輪を車軸へ枢支する車輪回転用ボールベアリングの各個は、その走行車輪のボスへかぶせ付け状態に密着一体化されたサイドシールカバーの径大な内向き開口フランジと、これを包囲するサイド化粧カバーの対応的な内向き開口フランジとの二重構造として被覆されているため、しかもそのサイドシールカバーの径小な外向き開脚座が径大な上記内向き開口フランジとの付け根部から、連続的なラッパ状に折り返し屈曲されているため、上記車輪回転用ボールベアリングをやはり安定・確実な密封状態に保つことができ、そのサイド化粧カバーにより併せて走行車輪の外観化粧効果も向上し得るのである。
又、上記車輪回転用ボールベアリングのインナーレースがアウターレースよりも、特に外方へ長く張り出し形成されており、その長いインナーレースとヨークの側面との相互間において、上記サイド化粧カバーを安定良く挟み付け固定するようになっているほか、このようなサイド化粧カバーの中途部へ上記サイドシールカバーの径小な外向きラッパ状開脚座が、弾圧的に軽く接支されるにとどまる構成となっているため、これらの組立作業を誰でも容易に便利良く行なえ、常時安定な組立状態を確保することができる。
更に、上記サイドシールカバーのインナーレース逃し入れ中心口はその文字どおり、車輪回転用ボールベアリングにおけるインナーレースの直径よりも大きな開口径として、そのインナーレースと接触しないようになっている一方、上記サイド化粧カバーの内向き開口フランジがサイドシールカバーの対応的な内向き開口フランジを包囲する状態にあるとしても、その相互間には接触しない一定の空隙が確保されているため、走行車輪にいたづらな抵抗を与えず、その走行車輪の軽快・円滑な回転作用を得ることができる。
請求項2に記載の構成を採用するならば、上記ボトムシールキャップがその開口上縁部から早期に拡開したり、ヒビ割れしたりするおそれを、リンク状補強リブの張り出し厚肉化によって効果的に予防することができ、耐久性の向上に役立つ。
特に、請求項3の構成を採用するならば、台座とヨークとの向かい合う上下相互間隙を閉塞するシールワッシャが、耐熱性と平滑性に富む硬質な合成樹脂からほぼ円錐皿バネ型に成形されているため、そのヨークの旋回作用を受けるも摺り切れてしまうおそれがなく、又ヨークが偏荷重を受けて傾斜するも、その偏荷重を自づと吸収することができ、ヨーク旋回用ボールベアリングを常時安定な密封状態に保てる効果がある。
その場合、請求項4に構成を採用するならば、上記ほぼ円錐皿バネ型のシールワッシャを台座とヨークによって挟み付けるだけでも、その位置ズレのおそれを台座の凹溝に対するリング状取付凸座の嵌め付け係止によって、確実に予防することができる一方、同じくシールワッシャの円錐状スカートフランジは、偏荷重を受けたヨークの傾斜に際会するも、その頂面から決して浮上するおそれがなく、これに追従する弾性変形作用を発揮するため、上記ヨーク旋回用ボールベアリングの密封効果をますます昂めることができ、その安定性に著しく優れる。
以下、図面に基いて本発明の具体的構成を詳述すると、その本発明に係る防水キャスターの全体を示した図1〜4において、(T)は運搬台車やストレッチャー(救急担送車)、その他の各種走行機器(図示省略)に対する取り付け用台座であり、ほぼ正方形の厚肉なステンレス鋼板から成る。(1)はその取り付け用のボルト受け入れ孔であり、好ましくは楕円形として台座(T)の四隅部に開口分布されている。
(2)は上記台座(T)における円形凹段面(3)の中心部を貫通する垂直な旋回支軸であり、その径大な頭部(2a)が台座(T)の凹段面(3)へかしめ付け固定されている。(2b)は旋回支軸(2)の中途高さ位置に設けられたベアリング受け止め段部であり、後述のヨーク旋回用ボールベアリングを受け止め規制する。(2c)は同じく旋回支軸(2)の尾端部であり、ヨーク旋回用ボールベアリングへかしめ付け一体化されて、そのボールベアリングを脱落不能に保つ。
(Y)は厚肉なステンレス鋼板のヨークであって、水平な頂面(4)と左右対称に向かい合う一対の側面(5)とからほぼ倒立U字型に造形されており、その頂面(4)には旋回支軸逃し入れ口(6)が円形に開口している。そして、その頂面(4)の旋回支軸逃し入れ口(6)を通じて、ヨーク(Y)が上記旋回支軸(2)へ下方から差し込み套嵌されている。
(B1)はこのようなヨーク(Y)を旋回支軸(2)へ旋回自由に枢着する鋼鉄製のボールベアリングであって、やはり下方から旋回支軸(2)へ差し込み套嵌されており、その旋回支軸(2)における尾端部(2c)のかしめ付けにより固定されたインナーレース(7)に対し、アウターレース(8)とその包囲カバー(9)が上記ヨーク(Y)との一体的に回転作用する。
又、(10)は上記旋回支軸(2)の尾端部(2c)とヨーク旋回用ボールベアリング(B1)とを全体的に包囲するボトムシールキャップであって、ゴムや軟質な合成樹脂などの弾性材から断面ほぼU字型に成形されており、特に接着剤を用いることなく、それ自身の拡張操作に伴なう復元弾圧力のみによって、上記旋回支軸(2)の尾端部(2c)とヨーク旋回用ボールベアリング(B1)へ下方からかぶせ付け状態に密着一体化されている。
その場合、ボトムシールキャップ(10)の開口上縁部付近からはリング状の補強リブ(10a)が連続一体に張り出し厚肉化されているため、上記ヨーク旋回用ボールベアリング(B1)の周囲に対する喰い付き力を昂めることができ、使用中の衝撃や老化などによる剥落のおそれも防止し得る。
更に、(11)は上記台座(T)の円形凹段面(3)とヨーク(Y)の対応的な頂面(4)との向かい合う一定な相互間隙(C1)(例えば約2mm)を閉塞するためのシールワッシャであって、約80℃以上の耐熱性と平滑性に富むポリプロピレンやナイロンなどの硬質な合成樹脂から、図5のようなほぼ円錐皿バネ型に成形されている。
つまり、茲にシールワッシャ(11)は上記ヨーク(Y)における頂面(4)の旋回支軸逃し入れ口(6)よりも大きな開口径(d1)のリング状取付凸座(11a)と、これから連続一体に張り出す径大な円錐状のスカートフランジ(11b)とを備えており、その取付凸座(11a)が上記台座(T)における円形凹段面(3)の下面から若干上向きに陥没する凹溝(12)内へ、安定な位置決め状態に嵌め付け係止されている一方、上記スカートフランジ(11b)の就中張り出し周縁部がヨーク(Y)の頂面(4)へ、弾圧的に密着されている。
そのシールワッシャ(11)を上記台座(T)とヨーク(Y)との上下相互間へ弾圧的に挟み付けた付勢状態のもとで、上記旋回支軸(2)の頭部(2a)と尾端部(2c)とが台座(T)とヨーク旋回用ボールベアリング(B1)へ、各々かしめ付け一体化されているわけである。
その結果、シールワッシャ(11)の材質が滑り性能に優れ、全体的な円錐皿バネ型に造形されていることとも相俟って、上記ヨーク(Y)の旋回作用にいたづらな抵抗を与えず、万一ヨーク(Y)が偏荷重を受けて傾斜する如く、その頂面(4)と上記台座(T)との平行度が失なわれた場合にも、そのシールワッシャ(11)のスカートフランジ(11b)が追従的に弾性変形して、上記偏荷重を自づと吸収することができ、上記台座(T)とヨーク(Y)との向かい合う相互間隙(C1)を常時確実な密封状態に保てるのであり、ここから上記ボールベアリング(B1)の内部へ水や泥、塵埃、薬液などが浸入するおそれはない。
他方、上記ヨーク(Y)における向かい合う左右両側面(5)の下端部には、鋼鉄製の車軸(S)が水平に固定横架されている。これはヨーク(Y)の左右両側面(5)を貫通するボルト(13)と、その先端ネジ部(13a)に締結される固定ナット(14)とから成り、図1、3に示す如く、上記旋回支軸(2)から前方又は後方へ一定距離(L)だけ偏心した位置を、その旋回支軸(2)と直交する関係に延在していることは言うまでもない。
(15)はこのような車軸(S)に差し込み套嵌された鋼鉄製のスリーブであって、その貫通ボルト(13)に対する固定ナット(14)の締め付けにより、上記ヨーク(Y)における両側面(5)の左右相互間隔を一定に確保する。(B2)はそのスリーブ(15)へ同じく鋼鉄製のディスタンスカラー(16)を介して、更に差し込み套嵌された左右一対のボールベアリングであり、上記車軸(S)へ走行車輪(W)を回転自由に枢支している。(17)(18)(19)は走行車輪(W)のボスとリム並びにタイヤを各々示しており、そのボス(17)とリム(18)が鋼鉄又は硬質な合成樹脂から成るに比して、タイヤ(19)はゴムやナイロン、ウレタン、エラストマーなどから成る。
上記車輪回転用ボールベアリング(B2)の各個は鋼鉄製として、言うまでもなくその一対の左右対称形態をなしているが、特にその車軸(S)や上記スリーブ(15)との固定状態に拘束されるインナーレース(20)は、走行車輪(W)と一体回転し得るアウターレース(21)やその包囲カバー(22)よりも外向きに長く張り出し形成されている。
又、(23)はその車輪回転用ボールベアリング(B2)の長いインナーレース(20)と、上記ヨーク(Y)の側面(5)との相互間に挟み付け固定された左右一対の対称なサイド化粧カバーであって、薄肉なステンレス鋼板から向かい合うほぼ円錐受皿型に塑性加工されており、その内向き開口フランジ(23a)が上記走行車輪(W)のボス(17)よりも径大な円形として、そのボス(17)の周縁部を包囲する状態に臨んでいる。このようなサイド化粧カバー(23)の表面には図示省略してあるが、その補強リブを兼ねた各種凹凸模様も塑性加工されている。
更に、(24)は上記車輪回転用ボールベアリング(B2)を被覆する左右一対の対称なサイドシールカバーであって、上記ヨーク旋回用ボールベアリング(B1)のボトムシールキャップ(10)と同様なゴムや軟質の合成樹脂から、図6のような全体のほぼ椀型に成形されている。
つまり、そのサイドシールカバー(24)の各個は上記走行車輪(W)のボス(17)にフィットする断面ほぼコ字状の径大な内向き開口フランジ(24a)と、上記サイド化粧カバー(23)のフラットな中途部へ接支する断面ほぼラッパ状の径小な外向き開脚座(24b)とを備えた一体成形品であり、その同芯円形を呈する外向き開脚座(24b)と内向き開口フランジ(24a)との付け根部が、上記車輪回転用ボールベアリング(B2)のインナーレース逃し入れ中心口(24c)として、そのインナーレース(20)の直径(D)よりも若干大きな開口径(d2)に寸法化されている。
そして、このようなサイドシールカバー(24)の各個はそのインナーレース逃し入れ中心口(24c)を通じて、上記車輪回転用ボールベアリング(B2)のインナーレース(20)へ差し込み套嵌された状態のもとで、その径大な内向き開口フランジ(24a)が走行車輪(W)のボス(17)へかぶせ付け接着一体化される一方、残る径小な外向き開脚座(24b)が上記サイド化粧カバー(23)のフラットな中途部へ、弾力的に接支されているのである。
その場合、サイドシールカバー(24)の径大な内向き開口フランジ(24a)と、これを包囲する上記サイド化粧カバー(23)の対応的な内向き開口フランジ(24a)とは接触しておらず、その相互間には一定の空隙(C2)(例えば約3mm)が確保されている。その限りでは、上記サイドシールカバー(24)の内向き内向き開口フランジ(24a)を走行車輪(W)のボス(17)へ接着一体化せずに、その相互の凹凸嵌合状態としてかぶせ付け密着させるだけにとどめてもさしつかえない。
その結果、上記サイドシールカバー(24)の外向き開脚座(24b)が走行車輪(W)のサイド化粧カバー(23)へ、弾力的に軽く接支しているにとどまることとも相俟って、走行車輪(W)は大きな抵抗を受けることなく円滑に回転作用し、その外向き開脚座(24b)の摺り切れてしまうおそれがない。
しかも、そのサイドシールカバー(24)とこれを包囲するサイド化粧カバー(23)との二重構造により、殊更サイドシールカバー(24)の径大な内向き開口フランジ(24a)の付け根部から連続して、その径小な外向き開脚座(24b)がラッパ状に折り返し屈曲されていることにより、上記車輪回転用ボールベアリング(B2)を常時確実な密封状態に保つことができ、そのボールベアリング(B2)へ外部から水や泥、塵埃、薬液などが浸入したり、同じくボールベアリング(B2)の内部から逆にグリースや鉄粉などが漏出したりするおそれはない。
先の図1〜4に示した実施形態では、車輪回転用ボールベアリング(B2)と車軸(S)との相互間へ、鋼鉄製のスリーブ(15)を介挿セットしているが、そのスリーブ(15)の設置を省略して、図7の変形実施形態に示すような太い車軸(S)と、同じサイズの車輪回転用ボールベアリング(B2)とを使用することにより、比較的大きな走行車輪(W)を枢支させても良い。
上記スリーブ(15)の介挿設置を省略したとしても、車輪回転用ボールベアリング(B2)は長いインナーレース(20)を具備しているため、その並列する左右一対とディスタンスカラー(16)によって、上記ヨーク(Y)における両側面(5)の左右相互間隔を一定に正しく確保できるからである。尚、このような変形実施形態におけるその他の構成は、図1〜4の上記実施形態と実質的に同一であるため、その図7に図1〜4との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
本発明に係る防水キャスターの側面図である。 図1の2−2線に沿う拡大断面図である。 図2の3−3線に沿う断面図である。 図2の4−4線に沿う断面図である。 シールワッシャを抽出して示す斜面図である。 サイドシールカバーを抽出して示す斜面図である。 図2に対応する本発明の変形実施形態を示す断面図である。
符号の説明
(1)・ボルト受け入れ孔
(2)・旋回支軸
(2a)・頭部
(2b)・ベアリング受け止め段部
(2c)・尾端部
(3)・円形凹段面
(4)・頂面
(5)・側面
(6)・旋回支軸逃し入れ口
(7)・インナーレース
(8)・アウターレース
(9)・包囲カバー
(10)・ボトムシールキャップ
(10a)・補強リブ
(11)・シールワッシャ
(11a)・取付凸座
(11b)・スカートフランジ
(11)・凹溝
(13)・貫通ボルト
(13a)・先端ネジ部
(14)・固定ナット
(15)・スリーブ
(16)・ディスタンスカラー
(17)・ボス
(18)・リム
(19)・タイヤ
(20)・インナーレース
(21)・アウターレース
(22)・包囲カバー
(23)・サイド化粧カバー
(23a)・内向き開口フランジ
(24)・サイドシールカバー
(24a)・内向き開口フランジ
(24b)・外向き開脚座
(24c)インナーレース逃し入れ中心口
(B1)・ヨーク旋回用ボールベアリング
(B2)・車輪回転用ボールベアリング
(C1)・上下相互間隙
(C2)・空隙
(S)・車軸
(T)・台座
(Y)・ヨーク
(W)・走行車輪
(D)・直径
(d1)(d2)・開口径

Claims (4)

  1. 運搬台車やその他の各種走行機器に対する取り付け用の台座(T)と、
    その台座(T)の中心部へ貫通状態に固定一体化された垂直な旋回支軸(2)と、
    その旋回支軸(2)へボールベアリング(B1)を介して、旋回自由に枢着されたほぼ倒立U字型のヨーク(Y)と、
    上記旋回支軸(2)とヨーク旋回用ボールベアリング(B1)を下方から被覆するボトムシールキャップ(10)と、
    上記ヨーク(Y)を形作る左右一対の向かい合う側面(5)の下端部に固定横架された水平な車軸(S)と、
    その車軸(S)へ左右一対の並列するボールベアリング(B2)を介して、回転自由に枢支された走行車輪(W)と、
    上記走行車輪(W)のボス(17)とその車輪回転用ボールベアリング(B2)を被覆する左右一対のサイドシールカバー(24)とを備えた防水キャスターにおいて、
    上記ボトムシールキャップ(10)をゴムや軟質合成樹脂などの弾性材から断面ほぼU字型に造形して、それ自身の拡張操作に伴なう復元弾圧力のみにより、上記旋回支軸(2)とヨーク旋回用ボールベアリング(B1)へ下方からかぶせ付け状態に密着一体化させる一方、
    上記車輪回転用ボールベアリング(B2)のインナーレース(20)を各々アウターレース(21)よりも外向きに長く張り出し形成して、その長いインナーレース(20)と上記ヨーク(Y)の側面(5)との相互間へ、上記走行車輪(W)のボス(17)よりも径大なほぼ円錐受皿型のサイド化粧カバー(23)を各々挟み付け固定すると共に、
    上記サイドシールカバー(24)の各個もボトムシールキャップ(10)と同様な弾性材から、上記車輪回転用ボールベアリング(B2)のインナーレース(20)よりも大きな開口径(d2)のインナーレース逃し入れ中心口(24c)を備えたほぼ椀型に造形して、
    そのサイドシールカバー(24)における断面ほぼコ字状の径大な内向き開口フランジ(24a)を、上記走行車輪(W)のボス(17)へ各々かぶせ付け状態に密着一体化させて、上記サイド化粧カバー(23)の対応的な内向き開口フランジ(23a)により包囲し、
    同じくサイドシールカバー(24)における断面ほほラッパ状の径小な外向き開脚座(24b)を、上記サイド化粧カバー(23)の中途部へ弾力的に軽く接支させるにとどめたことを特徴とする防水キャスター。
  2. ボトムシールキャップ(10)の開口上縁部付近からリング状の補強リブ(10a)を連続一体に張り出したことを特徴とする請求項1記載の防水キャスター。
  3. 耐熱性と平滑性に富むポリプロピレンやナイロンなどの硬質合成樹脂から成形されたほぼ円錐皿バネ型のシールワッシャ(11)によって、ヨーク(Y)を形作る頂面(4)と台座(T)との相互間隙(C1)を、密封状態に閉塞したことを特徴とする請求項1記載の防水キャスター。
  4. シールワッシャ(11)を、ヨーク(Y)の頂面(4)に開口する旋回支軸逃し入れ口(6)よりも大きな開口径(d1)のリング状取付凸座(11a)と、これから連続一体に張り出す径大な円錐状のスカートフランジ(11b)とを備えた全体的なほぼ円錐皿バネ型として、
    その取付凸座(11a)を台座(T)の下面から陥没する凹溝(12)内へ、位置決め状態に嵌め付け係止させる一方、
    上記スカートフランジ(11b)をヨーク(Y)の頂面(4)へ弾圧付勢状態に密着させたことを特徴とする請求項3記載の防水キャスター。
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