JP2005233176A - デコンプ装置及びそれを有する4サイクルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】 装置全体の小型化及び簡素化を図りつつ、エンジン回転数に応じてデコンプ作動及びデコンプ非作動を的確に行い、エンジン始動を容易にすることができるデコンプ装置及びそれを有する4サイクルエンジンを得ること。
【解決手段】 エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該カムシャフトの回転軸に対し略垂直方向に直進移動し、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること。
【選択図】 図12

Description

本発明は、デコンプ装置及びそれを有する4サイクルエンジンに関し、特にエンジン始動時に燃焼室の圧縮圧力を下げてエンジンの始動を容易にすることができる自動2輪車や自動4輪車等の4サイクルエンジンに好適なものである。
従来より、自動2輪車や自動4輪車等で採用されている4サイクルエンジンでは、エンジンを始動する場合に、燃焼室の圧縮圧力を抜くことで始動しやすくしたデコンプ(デコンプレッション)機構が用いられている。
一般にデコンプ装置は、動弁機構を駆動する動弁カム軸に設けられ、エンジン始動時のクランク軸の助走回転時に排気バルブに連動した排気カムのカムベース面上にデコンプピンを突出させ、排気バルブを僅かに開いて、圧縮工程において、燃焼室の圧縮圧力を抜いてエンジンの始動を容易にしている。
デコンプ装置として、クランク軸の回転速度に対応してカムシャフトが回転するとき、カムシャフトの回転によってカムシャフトに設けた部材(レバー)に生ずる遠心力を利用して、部材を揺動させ、該部材の変移によって排気バルブの開閉を駆動制御するようにしたデコンプ装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1では、動弁カム軸1に固定した動弁カムギア2の凹部に揺動可能なフライウエイト3を設け、動弁カム軸1にデコンプピン4をその基端部4aがフライウエイト3の揺動端部が当接するように設けている。
そして動弁カムギア2の回転に伴う遠心力で、フライウエイト3が揺動すると、動弁カム軸1に取り付けたデコンプピン4とフライウエイト3の揺動端部との当接が外れ、デコンプピン4が移動してデコンプを解除するエンジンを開示している。
デコンプ作動時から、デコンプ非作動時(デコンプ解除)に移動するとき又はその逆において、デコンプピンの移動に伴う作用力がフライウエイトが移動するときの作用力に影響を及ぼす構成となっている。
又、デコンプ装置としてカムシャフトが回転したときに部材に生ずる遠心力を利用してデコンプ作動、非作動としたデコンプ装置が知られている(特許文献2、3)。
特許文献2のデコンプ装置は、先端23aをテーパ状に尖らせて、側壁23bにテーパ穴23cとを形成した摺動ピン23をカムシャフト18の軸心方向に形成したシャフト側孔24に摺動可能に嵌挿し、
カムシャフト18に固設した動弁カム22に圧縮・排気行程部22b、22cを結ぶ方向でカムシャフト18と直交方向にカム側孔25を圧縮行程部22b側が開口するように形成し、
このカム側孔25にデコンプ用ピン26を摺動可能に嵌挿し、デコンプ用ピン26は側壁に摺動ピン23に対面するテーパ穴26aを有し、テーパ穴26aに摺動ピン23の先端23aが嵌合しているときに、デコンプ用ピン26の開口側端部26bが動弁カム22の開口からベース円よりも突出し(デコンプON状態)、
テーパ穴26aと先端23aの嵌合が解除されたときは、デコンプ用ピン26の開口側端部26bが動弁カム22の開口からベース円内に没入し(デコンプOFF状態)、
カムシャフト18の摺動ピン23を内蔵する外周位置にウエイト部27aを有する遠心ウエイト27を遊嵌しており、遠心ウエイト27の内周に先端28aが摺動ピン23の側壁に形成したテーパ穴23cに係合する係止ピン28と、係止ピン28をカムシャフト18の軸心方向に付勢する弾発部材29とを配設し、係止ピン28は、カムシャフト18の側壁に軸心に向けて形成した連通孔18aに摺動可能に嵌挿している。
エンジンの始動時には、遠心ウエイト27に配設した係止ピン28の先端28aが摺動ピン23のテ−パ穴23cに嵌合している為、摺動ピン23がデコンプ用ピン26側へ移動しており、先端部23aがデコンプ用ピン26のテーパ穴26aに嵌合し、デコンプ用ピン26の開口側端部26bが動弁カム22の開口からベース円よりも突出して、排気弁9を作動し、デコンプ状態とする。
エンジンが所定以上の回転数となると、遠心ウエイト27のウエイト部27aが遠心力によって弾発部材29の付勢力に抗して外側に移動し、それに応じて係止ピン28が外側へ移動し、摺動ピン23との嵌合が解除され、摺動ピン23が摺動し、摺動ピン23の先端部23aがデコンプ用ピン26のテーパ穴26aから外れる。
これによって、デコンプ用ピン26はカム側孔25内で摺動可能となり、デコンプ用ピン26の開口側端部26bが動弁カム22の開口からベース円内に没入し、デコンプ解除となる。
特許文献3のデコンプ装置は、カム軸4が所定の回転数以上になると、遠心ウエイト20が支持部材18に固設した枢支ピン19のまわりに揺動し、ピン駆動軸12に設けたピン穴14に挿入された係合ピン16を介してピン駆動軸12が回転する。
カム軸4に直径方向に設けたピン挿入孔9にデコンプピン10が摺動自在に挿嵌されている。デコンプピン10の内端がピン駆動軸12のカム部13に当接しているので、ピン駆動軸12が回転してピン駆動軸12のカム部13の平坦部13にデコンプピン10が当接すると、デコンプピン10はカム軸4内に引込み、リフター8はカム軸7のみによって規制され運動する。即ちデコンプ解除となる。
カム軸4の回転数が所定数以下だと、遠心ウエイト20はスプリング21の力によって内方位置に引込まれ、ピン駆動軸12はカム部13の円弧状の周面がデコンプピン10と係合し、デコンプピン10の共端は、カム7の基円よりも外側に突出し、リフター8に当接する。これよりリフター8は、デコンプピン10によって押し上げられ、デコンプ状態となる。
特開2001−90516号公報 実公平6−10107号公報 実用新案登録第2509668号
一般的にデコンプ装置には、
・ 簡易な構成でかつ精度良く作動して、エンジン始動時においてシリンダ内の圧縮圧力を減圧し、クランク軸の回転反力を小さくして、エンジンの始動時の外部動力の負荷を小さくして、エンジンの始動を容易にすること、
・ エンジンの回転速度が所定値以上となったときには、直ちにデコンプ装置を非作動とすること、
・ デコンプ装置をエンジンのシリンダー周辺に配置する必要から装置全体が小型であること、部品点数が少なく、簡易に装着されること、
等が要望されている。
デコンプ装置の1つとして、カムシャフトが回転したとき、カムシャフトに設けたレバー部材等から生ずる遠心力を利用して、排気バルブの動弁機構を駆動制限し、デコンプ作動とデコンプ非作動とする遠心力を利用したデコンプ装置においては、
・ エンジンの回転速度が高速になったときには、遠心力が部材に適切に作用し、デコンプ非作動とすること、
・ エンジンの回転速度が所定値以下のときは、該部材が変動せず、デコンプ作動となること、
・ エンジンの始動時には、部材が遠心力で移動する前のデコンプ作動時の位置に復帰していること、
等が要望される。
本発明は、装置全体の小型化及び簡素化を図りつつ、エンジン回転速度に応じてデコンプ作動及びデコンプ非作動を的確に行い、エンジン始動を容易にすることができるデコンプ装置及びそれを有する4サイクルエンジンの提供を目的とする。
又、エンジン始動時は、常にデコンプ作動の状態となっており、エンジン始動を容易に行うことができるデコンプ装置及びそれを有する4サイクルエンジンの提供を目的とする。
本発明のデコンプ装置は、
(A1)エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該カムシャフトの回転軸に対し略垂直方向に直進移動し、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられていることの構成の基で、
(A11)該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
(A12)該デコンプ制御部材は、該カムシャフトの回転速度が所定値を越えたときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力で該ウエイト部とともに移動するように構成されており、
該デコンプ部材は、自重でその一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸及びその反対側へ移動可能となっており、かつ該カムシャフトが回転したときは、自身に作用する遠心力でその一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側へ移動するように構成されており、
該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
を特徴としている。又、
(B1)エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられていることの構成の基で、
(B11)該デコンプ制御部材は、該カムシャフトの回転速度が所定値を越えたときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力で直線移動し、
該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対して該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
(B12)該デコンプ部材は、自重でその一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸及びその反対側へ移動可能となっており、
該デコンプ部材の一部が、該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
(B13)該デコンプ部材は、該カムシャフトが回転したときに、該デコンプ部材に作用する遠心力で、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側に位置するように移動可能となっており、
該デコンプ部材の一部が、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
を特徴としている。又、
(C1)エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該カムシャフトの回転軸に対し略垂直方向に直進往復移動し、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側と反対側に位置している場合であって、該デコンプ部材の一部が該バルブ側から反力を受けたとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられていることの構成の基で、
(C11)該デコンプ部材の一部が該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
を特徴としている。又、
(D1)エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側と反対側に位置している場合であって、該デコンプ部材の一部が該バルブ側から反力を受けたとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられていることの構成の基で、
(D11)該デコンプ制御部材は、該カムシャフトの回転速度が所定値を超えたときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力で直線移動し、
該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
(D12)該デコンプ部材は、該カムシャフトが回転したときに、該デコンプ部材に作用する遠心力で、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側に位置するように移動可能となっており、
該デコンプ部材の一部が、該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていること、
を特徴としている。
又、本発明の4サイクルエンジンは、前述したデコンプ装置のうちの1つのデコンプ装置を有し、エンジンの始動時又は/及びエンジンの回転速度が予め設定した値以下のときに、デコンプ作動を行うことを特徴としている。
本発明は、装置全体の小型化及び簡素化を図りつつ、エンジン回転速度に応じて、デコンプ作動及びデコンプ非作動を的確に行い、エンジン始動を容易にすることができる。
以下、本発明のデコンプ装置及びそれを用いた4サイクルエンジンの実施例について図面を用いて説明する。
図1、図2は、本実施例のデコンプ装置を有する4サイクルエンジンの全体を示す要部概略図である。このうち図1は、カバー部材を部分的に切り欠いたエンジン全体右側の側面図、図2は、一方(前側)の気筒のシリンダ軸線からクランク軸と変速装置の各軸と後輪駆動用の出力軸を通るようなエンジン全体の断面図である。図3は、実施例1の4サイクルエンジンが搭載された自動二輪車の左側の全体図である。
本実施例の4サイクルエンジン1は、OHV型式の4バルブエンジンであって、2つの気筒がV字状に配置されているV型2気筒で空冷式であり、各気筒毎に燃焼室の上方に吸気バルブと排気バルブがそれぞれ2個ずつ設けられ、図3に示すように、V字状に配置された2つの気筒の位置関係が車体の前後方向となるように搭載されている。
本実施例のV型2気筒の自動二輪車用の4サイクルエンジン1では、図1、図2に示すように、V字状に配置された各気筒の間にキャブレター2が配置されており、キャブレター2とは反対側に各気筒の排気管接続部3が開口されていて、各気筒に共通するクランク軸4を収納するクランクケース15に対して、その前方にオルタネーター5やエンジン始動用のスターターモーター6が配置されている。
クランク軸4の後方にギア式の変速装置7が配置されており、クランク軸4とギアで連係される変速装置7のメイン軸8には、その一端側にクラッチ9が設置され、変速装置7のカウンター軸10には、チェーン11を介して後輪駆動用出力軸12が連係されており、後輪駆動用出力軸12の一端側には、後輪をベルト駆動するためのドライブプーリー13が固着されている。
クランクケース15は、変速装置7を収納するミッションケース部分が一体的に形成されたミッションケース一体型より成る。クランクケース15に対して、ピストン16を摺動可能に収納するシリンダ孔を形成したシリンダ17が、各気筒毎に、下面に燃焼室が凹設されたシリンダヘッド本体19をその上に重ねた状態で、ヘッドボルト18によりシリンダヘッド本体19と共に一体的に連結されている。
図4は、シリンダヘッド本体19とヘッドカバーの部分を分解した概略図である。図5(A)は、シリンダヘッド本体19を上方から見た概略図であり、図5(B)は、ロッカーアーム31、32が取り付けられた状態のロッカーアーム取付部を上方から見た概略図である。
図4において、各気筒毎のシリンダヘッドのそれぞれは、シリンダヘッド本体19とその上方に連結されるロッカーアーム取付部材20の各部材により構成されている。また、シリンダヘッドの上方を覆うためのヘッドカバーは、ロッカーアーム取付部材20の上に配置される枠状の下方部材21と、下方部材21の上方開放部を覆うような蓋状の上方部材22の各部材によって構成されている。
シリンダヘッド本体19には、図5(A)に示すように、2個の吸気バルブ用の各バルブ挿着孔23と、2個の排気バルブ用の各バルブ挿着孔24がそれぞれ設けられている。また、各吸気バルブと各排気バルブの間で燃焼室の両側に設置される2個の点火プラグを挿着するための各プラグ挿着孔25が設けられている。シリンダヘッド本体19の一側面では、エンジン空冷用のフィンに対して、後述するロッカーアーム取付部材20のプッシュロッド案内部20cを嵌め込むための凹部26が形成されている。
シリンダヘッド本体19の上面に連結されるロッカーアーム取付部材20には、図4、図5(B)に示すように、吸気側のロッカーアーム31を揺動自在に支持するための一対のロッカーアーム支持部20aと、排気側のロッカーアーム32を揺動自在に支持するための一対のロッカーアーム支持部20bとがそれぞれ一体的に立設されていると共に、各ロッカーアーム31、32の端部にあるプッシュロッド当接用アーム部分31a、32aの位置に対応して、円筒状のプッシュロッド案内部20cが一体的に垂下形成されている。
吸気側と排気側の各ロッカーアーム31、32は、各軸27、28により各ロッカーアーム支持部20a、20bに対して揺動可能に取り付けられている。吸気側と排気側の各ロッカーアーム31、32のそれぞれには、ロッカーアーム取付部材20のプッシュロッド案内部20cと対応する位置に、それぞれプッシュロッド当接用アーム部分31a、32aが形成されていると共に、シリンダヘッド本体19の各バルブ挿着孔23、24と対応する位置に、バルブステム当接用の各アーム部分31b、31cおよび32b、32cがそれぞれ形成されている。
そして、吸気側と排気側の各ロッカーアーム31、32において、それぞれのバルブステム当接用アーム部分の一方31b、32bに対して、バルブステムへの当接状態を同じ側の他方のアーム部分31c、32cと一致するように調整するための調整用部材(アームの先端に螺合されバルブのステムヘッドに当接するネジ部材と、該ネジ部材の螺合を固定するためのナット)31d、32dがそれぞれ設けられている。
シリンダ17の上方に連結される各部材の組み付けについては、先ず、シリンダ17の上面にガスケット(図示せず)を介してシリンダヘッド本体19を重ねて、ヘッドボルト18によりシリンダブロック17とシリンダヘッド本体19をクランクケース15に対して共締めすることでそれらを一体的に連結する。
次いで、そのようにシリンダブロック17と連結されたシリンダヘッド本体19に対して、各ロッカーアーム31、32を取り付けた状態のロッカーアーム取付部材20を、ガスケット(図示せず)を介してシリンダヘッド本体19の上に重ねてから、更にその上にヘッドカバーの下方部材21をガスケット(図示せず)を介して重ねた後、ヘッドカバーの下方部材21とロッカーアーム取付部材20をシリンダヘッド本体19に対して複数のボルトで共締めしてそれらを仮止めする。
そして、各ロッカーアーム31、32の組立状態を調整した後で、ヘッドカバーの上方部材22をガスケット(図示せず)を介して下方部材21の上に重ねて、各ロッカーアーム31、32の上方を上方部材22により蓋してから、ヘッドカバーの上方部材22と下方部材21およびロッカーアーム取付部材20を多数のボルトでシリンダヘッド本体19に対して共締めすることでそれらを一体的に連結している。
図6は、図1に示す2気筒#1、#2のうちの1つ(後側)の気筒の上部におけるロッカーアーム31、32とプッシュロッドと吸・排気バルブの配置関係を示す概略図である。図7は、2気筒#1、#2の下部における各プッシュロッドと各カム軸(カムシャフト)の配置関係を示す概略図である。図8は、クランク室の外側でクランクケース15の壁部に一体的に形成されるカム室の部分の説明図である。図9(A)、(B)は、カム室の開放側を閉じるカム蓋部材外面側と裏面側の概略図である。図10は、1つ(後側)の気筒#1におけるクランク軸4から各プッシュロッド35、36に至る部分をカム軸107やクランク軸4の軸心に沿った断面図である。図11は、本実施例のデコンプ装置の一部のクランク軸4と各気筒#1、#2のカム軸107、207の連係関係を各軸の軸心を通る断面図である。図12(A)、(B)は、図11の1つの気筒#1のカム軸(カムシャフト)107の要部断面図、図13は本実施例のデコンプ装置の動作の説明図である。図14(A)、(B)は、図12(A)、(B)の一部分の斜視図である。
V字状に配置された各気筒#1、#2毎に、図6に示すように、ロッカーアーム取付部材20を介して吸気バルブ33と排気バルブ34の上方にそれぞれ配置される吸気側と排気側の各ロッカーアーム31、32は、吸気側と排気側の各プッシュロッド35、36の上端部がそれぞれ当接しており、各プッシュロッド35、36の下端部は、図10に示すように、タペットクリアランス(即ちバルブクリアランス)を自動的に調整することができるオイルタペット37、38を介して、各気筒#1、#2毎のカム軸107(207)の吸気用カム面107aおよび排気用カム面107bとそれぞれ連係されている。
それにより、各気筒#1、#2毎に、カム軸107(207)の回転により、該カム軸107(207)に形成されたそれぞれのカム面107a、107b(207a、207b)に応じて、それぞれのオイルタペット37、38を介して、各プッシュロッド35、36が上下動し、各プッシュロッド35、36の上下動に応じて各ロッカーアーム31、32が揺動し、各ロッカーアーム31、32の揺動に応じて吸気側と排気側の各バルブ33、34がそれぞれ異なったタイミングで上下方向に開閉駆動される。
図7に示すように、2つの気筒#1、#2のそれぞれに対して設けられる各カム軸107、207は、クランクケース15の壁部を貫通してクランク室の外側に突出したクランク軸4の端部に対して、各軸107、207の軸線方向が平行で各軸を結ぶ線がクランク軸4を下端とした逆三角形状となるように、クランク軸4の上方近傍に配置されている。
クランクケース15の壁部の外面側(クランク室とは反対側)には、図8に示すように、クランク軸4の軸受部44と各カム軸107、207の軸受部45A、45Bを囲むように、カム室47を画成するための突出壁部15aが一体的に形成されており、図9に示すような別体のカム室蓋部材48により、該カム室47が閉蓋されるようになっている。図11に示すように、各カム軸107、207は、各ギア部材52、53、54を介して、カム室47内でクランクケース15の壁部とカム室蓋部材48により回転自在に支持されている。49はカム室蓋部材を覆うカバー部材である。
クランク軸4と各カム軸107、207の連係構造については、図9(A)および図11に示すように、カム室蓋部材48の外面側(カム室47の外側)でクランク軸4と一方のカム軸107がギア部材51、52を介して連係されている。又、図9(B)および図11に示すように、カム室蓋部材48の外面側(カム室47の外側)で一方のカム軸107と他方のカム軸207がギア部材53、54を介して連係されていて、それにより、クランク軸4の回転に連動して一方のカム軸107と他方のカム軸207が逆方向に回転するようになっている。
互いに逆方向に回転する各カム軸107、207に対して、図8および図9(B)に示すように、各カム軸107、207のカム面107a、107b(207a、207b)にオイルを供給するためのオイル散布管55が、カム室47の内部で両方のカム軸107、207の間の上側に配置されている。
オイル散布管55は、各カム軸107、207の軸線と平行した状態で、クランクケース壁部15aとカム室蓋部材48に渡って配設されており、該オイル散布管55から散布されたオイルは、図7の先部に示すように、各カム軸107、207の逆方向の回転に連れて、両方のカム軸107、207のそれぞれのカム面107a、107b(207a、207b)のオイルタペット37、38との摺接部分に効率良く供給される。
クランク軸4の回転に連動する各カム軸107、207に対して、吸気側と排気側の各プッシュロッド35、36の下端部を受ける各オイルタペット37、38は、図7に示すように、各気筒#1、#2毎のタペット保持部材57によって保持されており、各気筒#1、#2毎のタペット保持部材57のそれぞれは、図10に示すように、クランクケース15の外面側に一体的に形成されたカム室47の上壁部(クランクケース15の突出壁部15a)にそれぞれ挿着された状態で、クランクケース15に対して着脱可能に固定されている。
そして、各気筒#1、#2毎のタペット保持部材57のそれぞれでは、各オイルタペット37、38が、吸気側のプッシュロッド35と排気側のプッシュロッド36のそれぞれの下端部を受けると共に、一本のカム軸107、207に形成された吸気用と排気用の各カム面107a、107b(207a、207b)にそれぞれのオイルタペット37、38の下端部が当接するように、カム軸107、207の軸線方向に沿って並んだ状態で、それぞれ別々に摺動自在なように保持されている。
なお、各オイルタペット37、38の保持については、上記のように別体のタペット保持部材57を設けることなく、図2に示すように、カム室47の上壁部(クランクケースの突出壁部15a)自体により各オイルタペット37、38を直接保持させても良い。
オイルタペット37、38の構造については、内部にコイルスプリングとチェックボールとオイルを収納した従来から一般的に知られたオートアジャスター構造のものであって、そのようなオイルタペット37、38により、プッシュロッド35、36が熱で膨張しても(閉じた状態の)各バルブ33、34と燃焼室開口部の間に隙間ができないように、しかも、プッシュロッド35、36が冷えて縮んでもプッシュロッド35、36がロッカーアーム31、32と常に接触して各バルブ33、34の開閉が確実に行なわれるように、プッシュロッド35、36とロッカーアーム31、32の間のバルブクリアランスが自動的に調整されている。
クランクケース15の外側に画成されたカム室47の上壁部に挿着される各タペット保持部材57のそれぞれには、シリンダヘッド側のロッカーアーム取付部材20に形成された円筒状のプッシュロッド案内部20cとによって挟持するように、円筒状のプッシュロッドカバー58が取り付けられており、各気筒#1、#2のプッシュロッドカバー58のそれぞれは、一つの気筒に対して設置された吸気側と排気側の2本のプッシュロッド35,36の両方を覆っている。
本実施例のエンジン1では、スターターモーター6によるエンジンの始動を効果的に行なうためのデコンプ機構(エンジンの始動時にだけ圧縮工程で排気バルブ又は吸気バルブを開いてシリンダ内の空気を抜くためのデコンプレッション機構)が設けられている。
次に本実施例のデコンプ装置の特徴を図10〜図15を用いて説明する。
本実施例は、4バルブOHVに適用した場合を示している。クランク軸4と連係しているカムシャフト107、207は、各気筒#1、#2毎に設けられ、その外周部には、オイルタペット(リフター)37、38と摺接する吸気用カム面107a、207aと排気用カム面107b、207bが設けられている。
ピンガイド孔108は、カムシャフト(カム軸)107の中心軸(回転軸)(軸線)107cを通り、中心軸107cに対して所定の角度θを有して(傾斜して)貫通して形成されている。
ピンガイド孔108は、カムシャフト107の排気バルブ34のプッシュロッド36に関連するリフター(オイルタペット)38に当接する排気用カム面107bの一部を欠切して形成している。
デコンプ部材(第2移動体)105は、円柱の一部を切り欠いた形状より成り、デコンプ制御部材101に形成されている大径部101aと小径部101bが選択的に係合する被ロック部としての溝部(凹部又はテーパ部を有する凹部)105aを有し、ピンガイド孔(デコンプ部材ガイド孔)108内で直進往復移動可能となるように挿嵌されている。
即ちカム面107bからカムシャフト107の回転軸107c側及びその反対側方向へ選択的に移動可能となっている。
以下、デコンプ部材105を「デコンプピン105」と称する。
デコンプピン105の先端部(デコンプピンの一部)105bは、デコンプON(デコンプ作動)のときにはカム面107bのカム山ベース円から突出している(デコンプON)。即ちカム面107bからカムシャフト107の回転軸107c側と反対側に位置している。
デコンプピン105は排気用カム面107bの側のオイルタペット38に対して、その先端部105bが進退するようにピンガイド孔108内を自重により摺動可能に挿着されており、先端部105bのカム面107cからの突出によるカム作用によって、圧縮工程で排気バルブが所定量開くようにしている。
デコンプピン105の後端部105c側にはカムシャフト107が回転したときに、デコンプピン105に矢印方向(図12(B))に遠心力を作用させる為に第1の錘(ウエイト)を備えている。この為、後端部105c側は先端部105b側に比べて重量が重くなっている。
デコンプピン105の第1の錘は後述するデコンプ制御部材(第1移動体)101のウエイト101c部より軽い。
デコンプピン105の後端側105c側には、カムシャフト107に設けた孔107dを通過し、ピン106が貫通する長孔105dが穿孔されている。
デコンプピン105は、ピン106によって、ピンガイド孔108より抜脱しないようにしている。又、デコンプピン105は、そこに設けたピン106の径よりも大きい径の孔(穴)105dの直径の範囲内で、ピンガイド孔108内を抜け落ちずに進退移動可能となっている。
ピン106は孔105dを通過し、カムシャフト107に固定されている。
デコンプ制御部材101は、図13のように、それにデコンプスプリング102とワッシャー103を挿入し、サークリップ104でワッシャー103を外れ止めして、カムシャフト107の回転軸107cを通り、回転軸107cに直交する方向に形成したデコンプ制御部材ガイド孔107e内を軸径方向(X方向)に直進往復移動可能となるように嵌入されている。
デコンプ制御部材101は、図中X方向へ順に、カムシャフト107が回動したときにX方向に遠心力を作用させる為の第2の錘としてのウエイト部101c、デコンプピン105を保持するロック部としての大径部101a、デコンプピン105の保持を解除する小径部101bを有している。
デコンプ制御部材101は、図13の(A)のように、デコンプスプリング102によって図中右側に付勢されている(デコンプON)。このとき、図12(A)、図13(A)、図14(A)に示すように、デコンプピン105のテーパ部を有する凹部105aにデコンプ制御部材101の大径部101aの一部が係合した状態となっている。
ピンガイド孔108に挿入されたデコンプピン105とデコンプ制御部材101は、カムシャフト107の中心軸107cを通り、中心軸107c方向視(XY断面)において、互いに交差している。
デコンプピン105の移動方向とデコンプ制御部材101の移動方向は互いに直交する方向であり、双方は異なっている。
具体的には、デコンプ制御部材101の進退方向が紙面内(図12(A)のXY断面内)にあるとすると、デコンプピン105の進退方向は紙面垂直面内(図12(A)のYZ断面内)になる。デコンプピン105とデコンプ制御部材101は、デコンプピン105の一部がカムシャフト107のカム面107bから突入する方向に移動するとき、デコンプ制御部材101を移動させる方向に力が作用しないように設けられている。
即ち、デコンプピン105の進退方向に加わる力は、デコンプ制御部材101を進退させる為の作用力には全く影響しない。これによって双方を全く独立に移動制御可能としている。
尚、双方は必ずしも直交する必要はなく、非平行であれば良い。
デコンプON状態において(図12(A)、図13(A)、図14(A))排気タペットとデコンプピン105の先端部105bが当接しているときや、カムシャフト107の回転によりデコンプピン105に遠心力が加わったときでも、デコンプピン105の進退方向に作用する力は、デコンプ制御部材101のデコンプ解除力とならない。
以上のように本実施例では、デコンプ制御部材101は、カムシャフト107の回転軸に対し、略垂直方向に直進往復移動し、デコンプ制御部材101の移動に対応して、該デコンプピン105の一部をカムシャフト107のカム面107bからの突出及び突入させることによって、即ちカム面107bに対し、カムシャフト107の回転軸107c側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態を制御している。
次に本実施例の作用について説明する。
エンジン始動時のエンジン回転速度が低い間は、カムシャフト107の回転速度も低いので、デコンプ制御部材101のウエイト部101cに作用する遠心力は所定の値(デコンプスプリング102の付勢値)以下となる。
この為、デコンプ制御部材101の大径部101aがデコンプピン105の溝部(凹部)105aを保持し、デコンプピン105の先端部105bがカム面107bより突出し、排気タペット(リフタ)(オイルタペット)38に当接し、排気タペット38を押し上げ、排気弁を強制的に開弁してピストンに圧縮上死点付近の圧縮ガスの反力がかからないように(デコンプON状態)している(図12(A)、図13(A)、図14(A))。
エンジン回転速度が上昇し、カムシャフト107の回転速度が高速回転になり、デコンプ制御部材101のウエイト部101cに所定値以上の遠心力が作用すると、デコンプスプリング102の付勢力に抗して、デコンプ制御部材101が径方向に移動し、デコンプ制御部材101の小径部101bがデコンプピン105の溝部105aに対向するようになる。
このとき、デコンプピン105はカムシャフト107の回転により、デコンプピン105の後端部105c方向の矢印方向に遠心力が作用し、ピンガイド孔108内を移動する。そうすると、デコンプピン105の先端部105bがカム面107b内に埋没し、デコンプ解除(デコンプOFF)となり、正常な動弁駆動が行われる(図12(B)、図13(B)、図14(b))。
ここで、エンジン回転に伴うデコンプ制御部材101のウエイト部材101cに作用する遠心力をF、デコンプスプリング102の付勢力をF、デコンプ制御部材101の質量をM、その鉛直方向の分力をFとすると、図15(A)の状態(デコンプピン105が排気タペットと接触を開始する状態)で、付勢力Fと合力(F+F)の大小関係により、デコンプ作動を制御できる。
ここで、鉛直方向分力Fは、カムシャフト107の回転位相角により、絶対値が質量M以下の範囲でその作用方向が反転する(例えば図15(B))。そのため、遠心力F
−M<F<F+M
のときは、デコンプ制御部材101は、カムシャフト107の回転に同期して往復直線移動を繰り返し、不安定な状態となるが、カムシャフト107の回転速度の上昇により、
+M<F
を満足したとき、デコンプ制御部材101の往復移動が全周にわたって止まり、安定した状態となる。
以上のように本実施例では、デコンプ制御部材101は、ウエイト部101cを有し、カムシャフト107の回転速度が所定値を超えたときに、ウエイト部101cは、それに作用する遠心力で直線移動する。
本実施例では、このときのエンジンの回転速度、デコンプ制御部材101のウエイト部101cそしてデコンプスプリング102の付勢力等を適切に設定し、良好に作動するデコンプ機構を構成している。
本実施例の構成においては、エンジン始動時には、常にデコンプONとなっている。例えば、エンジンが途中で停止し、カムシャフト107が任意の位置で停止したとき、デコンプピン105はピンガイド孔108内に埋没し、先端部105aはカム面107aより突出していない(デコンプ解除状態)。
このとき、デコンプピン105の先端部105bが、重力方向(下方向)に位置すると(図12(A)よりカムシャフト107が180度回転した状態)、デコンプピン105は自重でピンガイド孔108内を移動し、先端部105aがカム面107bより突出する。
このようにデコンプピン105は、自重でその一部が該カムシャフト107のカム面107bから突出及び突入するように移動可能となっている。
すると、デコンプ制御部材101の小径部101bとデコンプピン105の凹部105aには、ピンガイド108方向に余裕ができる為、デコンプ制御部材101は、デコンプスプリング102で付勢されて軸方向に移動し、図12(B)から図12(A)の位置にくる。これにより、デコンプ制御部材101の大径部101aがデコンプピン105の凹部105aに潜入し、双方はロック状態となる(デコンプON)。
尚、デコンプピン105は自重によりピンガイド孔108内を移動する為、デコンプ制御部材101等から駆動力を受けることなく、従ってデコンプピン105の凹部105a内のテーパ部は仕上げ加工が不要である。
以上より初期状態では、デコンプON状態となる。
本実施例において、ピンガイド孔108の中心軸とカムシャフト107の中心軸107cの垂線となる角度θは、
30°<θ<50°
の範囲になるようにしている。
これによって、カムシャフト107が回転したときのデコンプ制御部材101のウエイト部101cが排気タペット38と機械的に干渉するのを防止して、デコンプON、OFFを効果的に行っている。
尚、デコンプピン105は、デコンプ制御部材101でロック解除なった後は、カムシャフト107の回転による遠心力の作用によらず、リフター(オイルタペット)の押圧力でカム面107bから埋没させるようにしても良い。このとき、デコンプピン105は後端部105cに錘(ウエイト)を設けなくても良い。
図16(A)、(B)は本発明のデコンプ装置の実施例2の要部概略図である。
本実施例は、デコンプピン105とデコンプ制御部材101との他の形態として、デコンプピン105の凹部105aに代えて、デコンプピン105の軸線を含む中央領域に、デコンプ制御部材101の大径部101aが嵌入できる大きさの開口部105a´を設け、デコンプ制御部材101の小径部101bと大径部101aが選択的に嵌入できるようにしている。
このとき、デコンプ制御部材101の小径部101cの直径と開口部105a´の直径との差が、デコンプピン105の移動量とすれば良い。
上記のような本実施例のエンジンのデコンプ機構によれば、デコンプ機構のための各部材をコンパクトに纏めることができる。
図17、図18は本発明の実施例1、2で適用可能なデコンプピンの他の実施例の要部概略図である。図17の実施例のデコンプピン205は、それを図12に示すカムシャフト107のピンガイド孔108に挿入したとき、カムシャフト107の回転に伴ってデコンプピン205に生ずる遠心力でデコンプピン205の先端部205bがカム面107bの基円から突入する方向(矢印206方向)に移動する形状より成っている。
具体的には、図17に示すようにデコンプピン205をピンガイド孔108に挿入したとき、カムシャフト107の中心軸107cを境にオイルタペット38側の部分の重量をWa、重心位置205Waの中心軸107cからの距離をHWa、オイルタペット38と反対側の部分の重量をWb、重心位置205Wbの中心軸107cからの距離をHWbとするとき、
Wa×HWa<Wb×HWb
となるように形状又は/及び重さが特定されている。
尚、デコンプピン205の先端部205bの面205Rは球面より成り、その曲率中心205Raはデコンプピン205の軸205RXに位置している。
図18の実施例のデコンプピン305は、その先端部305bの面305Rは球面より成る。面305Rとオイルタペット38との接点305cから、面305Rにたてた法線305dは、カムシャフト107の中心軸107cに垂直となっている。そして面305Rの曲率中心305Raは法線305d上に位置する。
これによって、デコンプピン305の先端部305bとオイルタペット38との接当による押圧力がオイルタペット38に効率良く伝達され、デコンプ作動状態の位置関係を良好に維持している。
図19、20は各々本発明のデコンプ装置の実施例3のカムシャフト107の回転軸を含む断面図と回転軸と直交する要部断面概略図である。本実施例では実施例1と共通する部品、部材に同じ符号を付している。
本実施例では、前述のデコンプピン105に代えて、ある一定の角度θ内でのみ回動する回転タイプのデコンプ部材(第2移動体)(以下「デコンプカム」と称する)200を用い、デコンプOFFのときにこのデコンプカム200に設けた切り欠き部200aとデコンプ制御部材(第1移動体)101に設けた切り欠き部101dで係止するようにしている。
デコンプカム200は回動軸200cを中心に図21(A)、(C)で示す角度範囲(角度θ度)での回動が全く自由となっている。
デコンプカム200は円筒の筒方向に円周部の一部を削除した切り欠き面200dと回転軸200c方向に周上の一部を切り欠きした切り欠き部200aを形成している。
デコンプカム200は、弧状外周面の周方向(径方向)に形成した切り欠き部200aとデコンプ制御部材101の大径部101aの外周面の長手方向(軸方向)に形成した切り欠き部101dとが係止するように構成されている。
デコンプカム200の外周面には、回転軸200cの見込み角θ+αで凹溝200fを形成している。
凹溝200fの一端側にカムシャフト107の一部に固設した係止部材200gの一部が挿入し、デコンプカム200が回転軸200cを中心に回動するとき、凹溝200fの両側面に当接するようにしてデコンプカム200の回動範囲を規制している。この角度範囲(θ度)内でデコンプカム200が自由に回動するようにしている。
更にデコンプカム200の回転軸200cと切り欠き面200dとの間には、ウェイト部200eが埋入されており、カムシャフト107が回転したとき、遠心力でデコンプカム200が図21(A)の位置から回転軸200cを回転軸として反時計方向に一定の角度θ内で回動し、図21(C)に示すように切り欠き面200dがカムシャフト107に設けたカム面107b即ち回転軸107側に位置するようになる。
デコンプカム200は、カムシャフト107に設けた収納凹部107dに軸受201を介して、図21(A)、(C)で示す位置を往復する角度内において回動自在に配置されている。
軸受用の固定部材203は、カムシャフト107の収納凹部107d内で軸受201を固定保持するようにカムシャフト107に取り付けられる。
次に図21(A)、(B)、(C)を用いて本実施例のデコンプ装置の動作を説明する。
本実施例のデコンプ装置はカムシャフト107の回転速度が低いとき、デコンプ制御部材101は、デンコプスプリング102の付勢力で引っ張られて、デコンプカム200の切り欠き部200aとデコンプ制御部材101の切り欠き部101dは係止している。
このとき、図21(A)に示されるように、デコンプカム(第2移動体)200のカム部(図では弧状外周面と切り欠き平坦面間のエッジ部)200bがカムシャフト107のカム面107bから突出している(デコンプON)。即ちカム面107bからカムシャフト107の回転軸107c側と反射側に位置している。
そしてカムシャフト107の矢印300方向(反時計方向)の回転に伴ってデコンプカム200のカム部200bが図17に示される排気タペット38に当接するようになる(デコンプON)。
デコンプカム200のカム部200bは、排気タペット38側から反力を受けるが、カム部200bと排気タペット38との当接初期においては、この反力はデコンプカム200を矢印302方向(時計方向)に回動させる作用力となる。
しかしながら、デコンプカム200は、矢印302方向には図21(A)に示す位置が回転限度となるように係止部材200gによって回動が規制されている為、回動しない。
即ち、デコンプON状態が維持される。カムシャフト107が更に回動すると、今度は排気タペット38側からの反力が、デコンプカム200を矢印300方向(反時計方向)に回動させる作用力となる。デコンプカム200は、切り欠き部200aとデコンプ制御部材101の切り欠き部101dで係止されている。この為、デコンプカム200を回動させる作用力がデコンプスプリング102の付勢力よりも小さければ、回動が規制されてデコンプカム200は回動しない(即ちデコンプON状態となる)。
逆にデコンプカム200を回動させる作用力がデコンプスプリング102の付勢力よりも大きければ、デコンプカム200は回動する(デコンプOFF状態となる)。
しかしながら、カム部200bと排気タペット38との当接初期において、デコンプON状態が維持されているので、デコンプOFF状態となっても、初期の目的を達成することができ、全く問題がない。
以上のように本実施例では、デコンプON状態のとき(図21(A))、デコンプカム200のカム部200bが排気タペット38から反力を受けたとき、デコンプカム200が回転軸200cを中心に回動する作用力を受けるが、このときの作用力はカムシャフト107のある回転範囲内では、デコンプ制御部材101を移動させるように作用しない(準ロック機構)。そして、図21(A)の状態からカムシャフト107が回転して排気タペット38とデコンプカム200のカム面200bとが接当しなくなったときは、デコンプカム200の回動は、凹溝200fと係止部材200gとの係止により時計回りの回動が防止され、又デコンプカム200の切り欠き部200aとデコンプ制御部材101の切り欠き部101dとが当接して、反時計回りの回動が防止される。
図21(A)の状態において、カムシャフト107が矢印300に示す反時計方向に回転し、回転速度が所定値以上になり、デンコプ制御部材101のウエイト部101cに生ずる遠心力がデコンプスプリング102の付勢力以上になると、図21(B)に示すように実施例1と同様にデコンプ制御部材101は矢印301方向に直進移動する。
デコンプ制御部材101(第1移動体)の切り欠き部101dとデコンプカム200の切り欠き部200aとの係合が解かれる。
そうすると、カムシャフト107の回転により、デコンプカム200は、それに生ずる遠心力で回転軸200cを支点に反時計方向に回転して、図21(C)に示されるように凹溝200fの側面が係止部材200gに当接し、カム面200bがカムシャフト107のカム面107b内に突入するようになる。
即ちカム面107bからカムシャフト107の回転軸107c側に位置するようになる。
デコンプカム200の反時計方向の回動は、凹溝200fと係止部材200gで規制される。(尚、切り欠き部200aと切り欠き部101dは当接しなくて矢印301方向にある距離だけ離れていても良い。)
このとき、切り欠き部200aと切り欠き部101dが当接する位置でデコンプカム200は係止するようにしている。
これによってデコンプOFFとなる。
図21(C)の状態で、カムシャフト107の回転速度が低くなり、デコンプ制御部材101のウェイト部101cに作用する遠心力がデコンプスプリング102の付勢力よりも小さくなると、デコンプスプリング102の付勢力によってデコンプ制御部材101は矢印301と逆方向に引っ張られる。
このとき切り欠き部200aと切り欠き部101dとが係合するようになるのでデコンプカム200は矢印302方向に回動して、係止部材200gに当接する位置で停止する(図21(A)の位置となる)。即ちデコンプON状態となる。
本実施例は以上の構成により、デコンプ作動及びデコンプ解除を行っている。
以上のように本実施例では、デコンプ制御部材101のウエイト部101cに生ずる遠心力に対してデコンプスプリング102の付勢力を決定すれば良い。これによって、デコンプ装置全体の達成の簡素化を図っている。
以上、本発明のエンジンのデコンプ機構の一実施例について説明したが、本発明は、上記のような実施例に限られるものではなく、例えば、対象となるエンジンは上記の実施例に示したようなV型2気筒エンジンに限られるものではなく、また、各カム軸に共通して設置されるデコンプ機構については、適宜設計変更可能なものである。
以上説明したような本発明のエンジンのデコンプ機構によれば、デコンプ機構のための構造を簡単なものとすることができる。
本発明のデコンプ装置を用いたV2型気筒のOHVエンジンの側面概略図 図1のエンジンを有した自動2輪車の一方の気筒のシリンダ軸線からクランク軸と変速装置の各軸と後輪駆動用の出力軸を通るような断面説明図 図1のエンジンを搭載した自動2輪車の左側概略図 図1のエンジンのシリンダヘッドとヘッドカバーの部分の分解側面図 (A)は図4のシリンダヘッド本体の上面図、(B)は図4のロッカーアーム取付部材の上面図 図1のエンジンの1つの気筒におけるロッカーアームとプッシュロッドと吸・排気バルブの配置関係側面図 図1のエンジンの2つの気筒の各プッシュロッドと各カム軸の配置説明図 図1のエンジンにおけるクランクケースの壁部に一体的に形成されたカム室の一部分を示す側面図 (A)は図8のカム室の開放側を閉じるカム蓋部材の前面図、(B)は図8のカム室の開放側を閉じるカム蓋部材の後面図 図1のエンジンの1つの気筒における各プッシュロッドとカム軸の位置関係の要部断面図 図1のエンジンにおけるクランク軸と各カム軸と連携関係の要部断面図 図11の1つの気筒のカム軸の要部概略図 図12の部分拡大図 図12の一部分の斜視図 本発明のデコンプ装置の動作の説明図 本発明のデコンプ装置の実施例2の要部概略図 本発明に係るデコンプピンの説明図 本発明に係るデコンプピンの説明図 本発明のデコンプ装置の実施例3の要部断面概略図 本発明のデコンプ装置の実施例3の要部断面概略図 図20に示すデコンプ装置の動作の説明図
符号の説明
1 エンジン
4 クランク軸
107 カム軸
207 カム軸
107b (各カム軸の)排気バルブ駆動用カム面
101 デコンプ制御部材
102 デコンプスプリング
103 ワッシャー
104 サークリップ
105 デコンプピン
106 ピン
107 カム軸(カムシャフト)
107b 排気用カム面
108 ピンガイド孔

Claims (12)

  1. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該カムシャフトの回転軸に対し略垂直方向に直進移動し、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  2. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ制御部材は、該カムシャフトの回転速度が所定値を越えたときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力で直線移動し、
    該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対して該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  3. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ部材は、自重でその一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸及びその反対側へ移動可能となっており、
    該デコンプ部材の一部が、該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  4. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ部材は、該カムシャフトが回転したときに、該デコンプ部材に作用する遠心力で、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側に位置するように移動可能となっており、
    該デコンプ部材の一部が、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  5. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該カムシャフトの回転軸に対し略垂直方向に直進移動し、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側に移動するとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ制御部材は、該カムシャフトの回転速度が所定値を越えたときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力で該ウエイト部とともに移動するように構成されており、
    該デコンプ部材は、自重でその一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸及びその反対側へ移動可能となっており、かつ該カムシャフトが回転したときは、自身に作用する遠心力でその一部が該カムシャフトのカム面から該カムシャフトの回転軸側へ移動するように構成されており、
    該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対し、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  6. 前記カムシャフトには、前記デコンプ制御部材が直進往復移動する為のデコンプ制御部材ガイド孔と、前記デコンプ部材が直進往復移動する為のデコンプ部材ガイド孔とが交差して設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項のデコンプ装置。
  7. 前記デコンプ部材は、前記カムシャフトの回転速度が所定値以下のときは、前記デコンプ制御部材の係止部と係合し移動が規制されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項のデコンプ装置。
  8. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該カムシャフトの回転軸に対し略垂直方向に直進往復移動し、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側と反対側に位置している場合であって、該デコンプ部材の一部が該バルブ側から反力を受けたとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ部材の一部が該デコンプ制御部材の移動に対応して、該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  9. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側と反対側に位置している場合であって、該デコンプ部材の一部が該バルブ側から反力を受けたとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ制御部材は、該カムシャフトの回転速度が所定値を超えたときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力で直線移動し、
    該デコンプ部材の一部が、該デコンプ制御部材の移動に対応して該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  10. エンジンからの駆動力に応じて回転するカムシャフトに、該エンジンのバルブの駆動を制御するデコンプ部材と、該デコンプ部材の移動を規制するデコンプ制御部材とが、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸と反対側に位置している場合であって、該デコンプ部材の一部が該バルブ側から反力を受けたとき、該デコンプ制御部材を移動させる方向に力が作用しないように設けられており、
    該デコンプ部材は、該カムシャフトが回転したときに、該デコンプ部材に作用する遠心力で、該デコンプ部材の一部が該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側に位置するように移動可能となっており、
    該デコンプ部材の一部が、該カムシャフトのカム面に対して、該カムシャフトの回転軸側又はその反対側に選択的に位置することにより、デコンプ作動状態又はデコンプ非作動状態としていることを特徴とするデコンプ装置。
  11. 前記デコンプ制御部材は、前記カムシャフトの回転速度が所定値以下のときに、該デコンプ制御部材を構成するウエイト部に作用する遠心力と、該デコンプ制御部材の重力と、を加えた力よりも強い付勢力を有するデコンプスプリングに連結されて該カムシャフトの回転軸に略垂直方向に設けたデコンプ制御部材ガイド孔内に挿嵌されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項のデコンプ装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項のデコンプ装置を有し、エンジンの回転速度が予め設定した値以下のときに、デコンプ作動を行うことを特徴とする4サイクルエンジン。
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