JP2006170117A - バルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジン装置および車両 - Google Patents

バルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジン装置および車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 製造が容易でかつ小型化および低コスト化を実現できるバルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジンおよび車両を提供する。
【解決手段】 エンジンの回転数が低い場合、ばねによる低速ロックピン217を低速ピン導入孔233dへ挿入する方向に付勢する力が、ウエイト216に働く遠心力よりも大きくなる。それにより、低速ロックピン217が低速ピン導入孔233dに挿入され、排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相が固定される。エンジンの回転数が高い場合、ウエイト213に働く遠心力による高速ロックピン214を高速ピン導入孔233cへ挿入する方向に付勢する力が、ばねS1による高速ロックピン214を高速ピン導入孔233cから引き抜く方向に付勢する力よりも大きくなる。それにより、高速ロックピン214が高速ピン導入孔233cに挿入され、排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相が固定される。
【選択図】 図10

Description

本発明は、エンジンのバルブタイミングを可変制御するバルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジン装置および車両に関する。
従来より、燃費の向上、排気ガス中の有害物質の低減および目的とする回転域での高出力化を目的として吸気バルブまたは排気バルブの開閉タイミングを制御する種々の可変バルブタイミング機構(VVT:Variable Valve Timing)が開発されている。
可変バルブタイミング機構には、例えば油圧シリンダまたは電気モータ等のアクチュエータを用いたものがある。しかしながら、これらのアクチュエータは高価である。また、このようなアクチュエータを用いると、可変バルブタイミング機構が大型化する。
一般に、自動二輪車におけるエンジンの占有スペースは四輪の自動車等に比べて小さい。また、自動二輪車の低コスト化も求められている。これにより、自動二輪車では、より安価でかつ小型化された可変バルブタイミング機構が要求されている。したがって、上記のようなアクチュエータを用いた可変バルブタイミング機構を自動二輪車に用いることは困難であった。
そこで、小型化が可能な可変バルブタイミング機構として、回転位相発生装置が提案されている(特許文献1参照)。
この回転位相発生装置においては、エンジンの回転に伴って2つの中間部材を備える入力部材が回転される。2つの中間部材のウエイト部に働く遠心力が2つの中間部材を連結するコイルスプリングの付勢力よりも大きくなると、入力部材とカムシャフトに連結された出力部材との回転位相が変化してバルブタイミングが変化する。
このような回転位相発生装置は、機械的な構造によりバルブタイミングが制御されるので、低コスト化が実現されるとともに、小型化が可能となる。
しかしながら、この回転位相発生装置では次のような課題が指摘されてきた。
特許文献1の回転位相発生装置においては、バルブタイミングの変化時に、エンジンのある回転数領域でウエイト部に働く遠心力とコイルスプリングの付勢力とが釣り合う状態が発生する。エンジンの回転がこの回転数領域で継続すると、バルブタイミングの変化が不安定となり、バルブの挙動が不安定となるハンチングと呼ばれる現象が発生する。
このようなハンチングは、騒音の発生および構成部品の耐久性低下の要因となる。特に、ハンチングによりカムプロフィールが変化すると、エンジンの性能および耐久性が低下する場合がある。
これに対して、ハンチングが低減されたバルブタイミング制御装置がある(特許文献2参照)。このバルブタイミング制御装置では、ハンチングを低減するために、回転トルク変動の切り替わりの前後でカムシャフトとドリブンスプロケットとの位置関係を固定する機構(ワンウェイクラッチ機構)が採用されている。
特開平9−324614号公報 実開平5−21104号公報
しかしながら、ワンウェイクラッチ機構を実現するためにはその機構の構成部材に高い加工精度が要求される。したがって、ワンウェイクラッチ機構は製造が容易ではない。
さらに、このワンウェイクラッチ機構はドリブンスプロケット本体の内周面と上記構成部材との間に働く摩擦力により実現されている。この場合、その構成部材は摩擦により劣化しやすいので、耐磨耗性の高い材料を用いる必要がある。その結果、低コスト化が困難となる。
本発明の目的は、製造が容易でかつ小型化および低コスト化を実現できるバルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジン装置および車両を提供することである。
第1の発明に係るバルブタイミング制御装置は、エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御装置であって、エンジンの回転に連動して回転可能に設けられた回転部材と、第1のバルブに当接するように設けられ、回転部材とともに回転することにより第1のバルブを開閉する第1のカムシャフトと、第2のバルブに当接するとともに第1のカムシャフトに対して相対的に回転可能に設けられ、回転部材とともに回転することにより第2のバルブを開閉する第2のカムシャフトと、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相を第1の位相と第2の位相とに変更する位相変更機構とを備える。
位相変更機構は、第1のカムシャフトに対して第2のカムシャフトが第1の位相を有する状態で第2のカムシャフトを係止する第1の係止機構と、第1のカムシャフトに対して第2のカムシャフトが第2の位相を有する状態で第2のカムシャフトを係止する第2の係止機構とを含む。第1の係止機構は、第2のカムシャフトを係止する方向に付勢されるとともに、遠心力により第2のカムシャフトの係止を解除する方向に移動可能に設けられ、第2の係止機構は、第2のカムシャフトの係止を解除する方向に付勢されるとともに、遠心力により第2のカムシャフトを係止する方向に移動可能に設けられる。
その発明に係るバルブタイミング制御装置においては、エンジンの回転に連動して回転部材が回転し、回転部材の回転とともに第1のカムシャフトおよび第2のカムシャフトが回転する。それにより、第1のカムシャフトに当接する第1のバルブおよび第2のカムシャフトに当接する第2のバルブが開閉する。ここで、第2のカムシャフトは第1のカムシャフトに対して相対的に回転可能である。
位相変更機構においては、第1の係止機構が第2のカムシャフトを係止する方向に付勢され、第2の係止機構が第2のカムシャフトの係止を解除する方向に付勢されている。
回転部材が回転することにより第1の係止機構および第2の係止機構にそれぞれ遠心力が働く。遠心力は、第1の係止機構が第2のカムシャフトの係止を解除するように働き、第2の係止機構が第2のカムシャフトを係止するように働く。
エンジンの回転数が低い場合には、第1の係止機構において、第2のカムシャフトを係止する方向の付勢力が、第2のカムシャフトの係止を解除するように働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2のカムシャフトが第1の係止機構により係止される。このとき、第2の係止機構において、第2のカムシャフトの係止を解除する方向の付勢力が、第2のカムシャフトを係止する方向に働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されない。この結果、第2のカムシャフトは第1の係止機構により第1のカムシャフトに対して第1の位相を有する状態で係止される。
エンジンの回転数が高い場合には、第1の係止機構において、第2のカムシャフトを係止する方向の付勢力が、第2のカムシャフトの係止を解除するように働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第2のカムシャフトが第1の係止機構に係止されない。このとき、第2の係止機構において、第2のカムシャフトの係止を解除する方向の付勢力が、第2のカムシャフトを係止する方向に働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止される。この結果、第2のカムシャフトは第2の係止機構により第1のカムシャフトに対して第2の位相を有する状態で係止される。
このようにして、エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数、または高い回転数から低い回転数へと変化することにより、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相が第1の位相と第2の位相とで変更される。それにより、エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングが制御される。
また、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相の切替が、構成部材間の摩擦力を用いることなく第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作に基づいて行われる。それにより、構成部品の磨耗による劣化がほとんど生じない。その結果、耐磨耗性の構成部材を使用することなくバルブタイミング制御装置の長寿命化が実現されるとともに、低コスト化が実現される。
さらに、高い加工精度が要求されることなく第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作が機械的な構造のみで実現されるので、製造が容易となる。また、第1および第2の係止機構の移動動作を制御するための油圧回路、電気回路およびソフトウェア等により構成される制御系が必要ないので、バルブタイミング制御装置の小型化が可能となる。
第1の係止機構は、第2のカムシャフトに設けられた第1の係止部と、第1の係止部に係止される状態および第1の係止部から外れる状態に移動可能に設けられた第1の被係止部材と、第1の被係止部材を第1の係止部材に係止される方向に付勢する第1の付勢手段と、遠心力により第1の被係止部材を第1の係止部材から外れる方向に移動させる第1の重りとを含み、第2の係止機構は、第2のカムシャフトに設けられた第2の係止部と、第2の係止部に係止される状態および第2の係止部から外れる状態に移動可能に設けられた第2の被係止部材と、第2の被係止部材を第2の係止部から外れる方向に付勢する第2の付勢手段と、遠心力により第2の被係止部材を第2の係止部に係止される方向に移動させる第2の重りとを含み、第2のカムシャフトは、第1の被係止部材が第1の係止部から外れかつ第2の被係止部材が第2の係止部から外れた状態で第1のカムシャフトに対して第1の位相と第2の位相との間で相対的に回転可能に設けられてもよい。
エンジンの回転数が低い場合には、第1の係止機構において、第1の付勢手段の力が、第1の重りに働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第1の被係止部材が第1の係止部に係止され、第2のカムシャフトが第1の係止機構により係止される。このとき、第2の係止機構において、第2の付勢手段の力が、第2の重りに働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2の被係止部材が第2の係止部から外れ、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されない。この結果、第2のカムシャフトは第1の係止機構により第1のカムシャフトに対して第1の位相を有する状態で係止される。
エンジンの回転数が高い場合には、第1の係止機構において、第1の付勢手段の力が、第1の重りに働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第1の被係止部材が第1の係止部から外れ、第2のカムシャフトが第1の係止機構により係止されない。このとき、第2の係止機構において、第2の付勢手段の力が、第2の重りに働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第2の被係止部材が第2の係止部に挿入され、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止される。この結果、第2のカムシャフトは第2の係止機構により第1のカムシャフトに対して第2の位相を有する状態で係止される。
エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数に変化する場合には、第1の係止機構において、第1の付勢手段の力が、第1の重りに働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第1の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが、第1の係止機構により係止されなくなる。これにより、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第1の位相から第2の位相へと回転する。
エンジンの回転数が高い回転数から低い回転数に変化する場合には、第2の係止機構において、第2の付勢手段の力が、第2の重りに働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されなくなる。これにより、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第2の位相から第1の位相へ回転する。
このようにして、第1および第2の係止部、第1および第2の被係止部材、第1および第2の付勢手段ならびに第1および第2の重りにより、簡単な構成で、第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作が実現される。
第1の係止部は、第2のカムシャフトに設けられた第1の孔部であり、第1の被係止部材は、第1の孔部に挿入される状態および第1の孔部から引き抜かれた状態に移動可能に設けられた第1のピン部材であり、第2の係止部は、第2のカムシャフトに設けられた第2の孔部であり、第2の被係止部材は、第2の孔部に挿入される状態および第2の孔部から外れる状態に移動可能に設けられた第2のピン部材であってもよい。
エンジンの回転数が低い場合には、第1の係止機構において、第1の付勢手段の力が、第1の重りに働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第1のピン部材が第1の孔部に挿入され、第2のカムシャフトが第1の係止機構により係止される。このとき、第2の係止機構において、第2の付勢手段の力が、第2の重りに働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2のピン部材が第2の孔部から引き抜かれ、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されない。この結果、第2のカムシャフトは第1の係止機構により第1のカムシャフトに対して第1の位相を有する状態で係止される。
エンジンの回転数が高い場合には、第1の係止機構において、第1の付勢手段の力が、第1の重りに働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第1のピン部材が第1の孔部から外れ、第2のカムシャフトが第1の係止機構により係止されない。このとき、第2の係止機構において、第2の付勢手段の力が、第2の重りに働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第2のピン部材が第2の孔部に挿入され、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止される。この結果、第2のカムシャフトは第2の係止機構により第1のカムシャフトに対して第2の位相を有する状態で係止される。
エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数に変化する場合には、第1の係止機構において、第1の付勢手段の力が、第1の重りに働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第1の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが、第1の係止機構により係止されなくなる。これにより、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第1の位相から第2の位相へと回転する。
エンジンの回転数が高い回転数から低い回転数に変化する場合には、第2の係止機構において、第2の付勢手段の力が、第2の重りに働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されなくなる。これにより、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第2の位相から第1の位相へ回転する。
このようにして、第1および第2の孔部、第1および第2のピン部材、第1および第2の付勢手段ならびに第1および第2の重りにより、簡単な構成で、第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作が実現される。
位相変更機構は、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転動作を第1の位相と第2の位相との間の範囲に規制する規制手段をさらに含んでもよい。
エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数に変化する場合には、第1の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが、第1の係止機構により係止されなくなる。これにより、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第1の位相から第2の位相へと回転する。
ここで、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転動作は、規制手段により第1の位相と第2の位相との間の範囲に規制されるので、第2のカムシャフトの回転が第2の位相において確実に停止される。この状態で、第1の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止される。
エンジンの回転数が高い回転数から低い回転数に変化する場合には、第2の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されなくなる。これにより、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第2の位相から第1の位相へと回転する。
ここで、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転動作は、規制手段により第1の位相と第2の位相との間の範囲に規制されるので、第2のカムシャフトの回転が第1の位相において確実に停止される。この状態で、第2の係止機構により係止されていた第2のカムシャフトが、第1の係止機構により係止される。
規制手段は、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相が第1の位相から第2の位相に変化したときに第2のカムシャフトの回転を阻止し、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相が第2の位相から第1の位相に変化したときに第2のカムシャフトの回転を阻止する阻止機構を含んでもよい。
エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数に変化する場合には、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第1の位相から第2の位相へと回転する。ここで、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転が、阻止機構により第2の位相において確実に停止される。
エンジンの回転数が高い回転数から低い回転数に変化する場合には、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第2の位相から第1の位相へと回転する。ここで、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転が、阻止機構により第1の位相において確実に停止される。
これにより、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相の第1および第2の位相間での変更が容易かつ確実に行われる。
阻止機構は、第2のカムシャフトに円周方向に沿って設けられた溝部と、回転部材に固定され、溝部内で移動可能かつ溝部内の両端面に当接可能に設けられた当接部材とを含んでもよい。
エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数に変化する場合には、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第1の位相から第2の位相へと回転する。ここで、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転が、当接部材が溝部内の一端に当接することにより、第2の位相において確実に停止される。
エンジンの回転数が高い回転数から低い回転数に変化する場合には、第2のカムシャフトが第1のカムシャフトに対して第2の位相から第1の位相へと回転する。ここで、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの回転が、当接部材が溝部内の他端に当接することにより、第1の位相において確実に停止される。
これにより、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相の第1および第2の位相間での変更が容易かつ確実に行われる。
第2の発明に係るエンジン装置においては、第1および第2のバルブを有するエンジンと、エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御装置とを備え、バルブタイミング制御装置は、エンジンの回転に連動して回転可能に設けられた回転部材と、第1のバルブに当接するように設けられ、回転部材とともに回転することにより第1のバルブを開閉する第1のカムシャフトと、第2のバルブに当接するとともに第1のカムシャフトに対して相対的に回転可能に設けられ、回転部材とともに回転することにより第2のバルブを開閉する第2のカムシャフトと、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相を第1の位相と第2の位相とに変更する位相変更機構とを備え、位相変更機構は、第1のカムシャフトに対して第2のカムシャフトが第1の位相を有する状態で第2のカムシャフトを係止する第1の係止機構と、第1のカムシャフトに対して第2のカムシャフトが第2の位相を有する状態で第2のカムシャフトを係止する第2の係止機構とを含み、第1の係止機構は、第2のカムシャフトを係止する方向に付勢されるとともに、遠心力により第2のカムシャフトの係止を解除する方向に移動可能に設けられ、第2の係止機構は、第2のカムシャフトの係止を解除する方向に付勢されるとともに、遠心力により第2のカムシャフトを係止する方向に移動可能に設けられたものである。
その発明に係るエンジン装置においては、バルブタイミング制御装置により、エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングが制御される。
そのバルブタイミング制御装置においては、エンジンの回転に連動して回転部材が回転し、回転部材の回転とともに第1のカムシャフトおよび第2のカムシャフトが回転する。それにより、第1のカムシャフトに当接する第1のバルブおよび第2のカムシャフトに当接する第2のバルブが開閉する。ここで、第2のカムシャフトは第1のカムシャフトに対して相対的に回転可能である。
位相変更機構においては、第1の係止機構が第2のカムシャフトを係止する方向に付勢され、第2の係止機構が第2のカムシャフトの係止を解除する方向に付勢されている。
回転部材が回転することにより第1の係止機構および第2の係止機構にそれぞれ遠心力が働く。遠心力は、第1の係止機構が第2のカムシャフトの係止を解除するように働き、第2の係止機構が第2のカムシャフトを係止するように働く。
エンジンの回転数が低い場合には、第1の係止機構において、第2のカムシャフトを係止する方向の付勢力が、第2のカムシャフトの係止を解除するように働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2のカムシャフトが第1の係止機構により係止される。このとき、第2の係止機構において、第2のカムシャフトの係止を解除する方向の付勢力が、第2のカムシャフトを係止する方向に働く遠心力よりも大きくなる。それにより、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止されない。この結果、第2のカムシャフトは第1の係止機構により第1のカムシャフトに対して第1の位相を有する状態で係止される。
エンジンの回転数が高い場合には、第1の係止機構において、第2のカムシャフトを係止する方向の付勢力が、第2のカムシャフトの係止を解除するように働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第2のカムシャフトが第1の係止機構に係止されない。このとき、第2の係止機構において、第2のカムシャフトの係止を解除する方向の付勢力が、第2のカムシャフトを係止する方向に働く遠心力よりも小さくなる。それにより、第2のカムシャフトが第2の係止機構により係止される。この結果、第2のカムシャフトは第2の係止機構により第1のカムシャフトに対して第2の位相を有する状態で係止される。
このようにして、エンジンの回転数が低い回転数から高い回転数、または高い回転数から低い回転数へと変化することにより、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相が第1の位相と第2の位相とで変更される。それにより、エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングが制御される。
また、第1のカムシャフトに対する第2のカムシャフトの位相の切替が、構成部材間の摩擦力を用いることなく第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作に基づいて行われる。それにより、構成部品の磨耗による劣化がほとんど生じない。その結果、耐磨耗性の構成部材を使用することなくバルブタイミング制御装置の長寿命化が実現されるとともに、低コスト化が実現される。
さらに、高い加工精度が要求されることなく第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作が機械的な構造のみで実現されるので、製造が容易となる。したがって、高性能かつ高耐久性のエンジン装置が実現される。また、第1および第2の係止機構の移動動作を制御するための油圧回路、電気回路およびソフトウェア等により構成される制御系が必要ないので、バルブタイミング制御装置の小型化が可能となり、エンジン装置の小型化も可能となる。
第3の発明に係る車両は、第2の発明に係るエンジン装置と、駆動輪と、エンジン装置により発生される動力を駆動輪に伝達する伝達機構とを備えたものである。
その発明に係る車両においては、第2の発明に係るエンジン装置により発生される動力が、伝達機構により駆動輪に伝達され、駆動輪が駆動される。ここで、エンジン装置においては、バルブタイミング制御装置により、エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングが制御される。
この場合、第2の発明に係るエンジン装置のバルブタイミング制御装置においては、構成部品の磨耗による劣化がほとんど生じない。その結果、耐磨耗性の構成部材を使用することなくバルブタイミング制御装置の長寿命化が実現されるとともに、低コスト化が実現される。
さらに、高い加工精度が要求されることなく第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作が機械的な構造のみで実現されるので、製造が容易となる。したがって、高性能かつ高耐久性の車両が実現される。また、第1および第2の係止機構の移動動作を制御するための油圧回路、電気回路およびソフトウェア等により構成される制御系が必要ないので、バルブタイミング制御装置およびエンジン装置の小型化が可能となり、車両の小型化も可能となる。
本発明に係るバルブタイミング制御装置においては、構成部品の磨耗による劣化がほとんど生じない。その結果、耐磨耗性の構成部材を使用することなくバルブタイミング制御装置の長寿命化が実現されるとともに、低コスト化が実現される。さらに、高い加工精度が要求されることなく第1および第2の係止機構の互いに相補的な移動動作が機械的な構造のみで実現されるので、製造が容易となる。したがって、高性能かつ高耐久性のバルブタイミング制御装置、エンジン装置および車両が実現される。また、第1および第2の係止機構の移動動作を制御するための油圧回路、電気回路およびソフトウェア等により構成される制御系が必要ないので、バルブタイミング制御装置の小型化が可能となり、エンジン装置および車両の小型化も可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係るバルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジン装置および車両について説明する。なお、本実施の形態においては、車両として排気量約250cc以下の小型の自動二輪車を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の模式図である。
この自動二輪車100においては、本体フレーム6の前端にヘッドパイプ3が設けられている。ヘッドパイプ3にフロントフォーク2が左右方向に揺動可能に設けられている。フロントフォーク2の下端に前輪1が回転可能に支持されている。ヘッドパイプ3の上端にはハンドル4が取り付けられている。
本体フレーム6の中央部にはエンジン7が保持されている。エンジン7の上部には燃料タンク8が設けられ、燃料タンク8の後方にはシート9が設けられている。
エンジン7の後方に延びるように、本体フレーム6にリアアーム10が接続されている。リアアーム10は、後輪11および後輪ドリブンスプロケット12を回転可能に保持する。エンジン7の排気ポートには排気管13が接続されている。排気管13の後端にマフラー14が取り付けられている。
エンジン7のドライブシャフト26に後輪ドライブスプロケット15が取り付けられている。後輪ドライブスプロケット15は、チェーン16を介して後輪11の後輪ドリブンスプロケット12に連結されている。
エンジン7はバルブタイミング制御装置を備える。以下、本実施の形態に係るバルブタイミング制御装置について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態に係るバルブタイミング制御装置の概要を説明するための図である。図2(a)にエンジン7内部に設けられるバルブタイミング制御装置の模式的上面図が示され、図2(b)にエンジン7内部に設けられるバルブタイミング制御装置の模式的側面図が示されている。
図2に示すように、バルブタイミング制御装置200はシリンダヘッド7Sに設けられる。バルブタイミング制御装置200は、カム用ドリブンスプロケット220、吸気カム231および排気カム241を備える。
ピストン21がシリンダ20内で往復動作することによりクランクシャフト23が回転し、クランクシャフト23に設けられたカム用ドライブスプロケット24が回転する。
カム用ドライブスプロケット24の回転力は、チェーン25を介してバルブタイミング制御装置200のカム用ドリブンスプロケット220に伝達される。これにより、バルブタイミング制御装置200が回転する。
バルブタイミング制御装置200においては、エンジン7の回転数および回転数の変化(回転数の上昇および下降)に応じて吸気カム231および排気カム241の位相関係が変化する。それにより、バルブタイミングが変化する。
バルブタイミング制御装置200の構成および動作の詳細について説明する。図3〜図5は、バルブタイミング制御装置200の構造を説明するための組立て斜視図である。図3〜図5においては、矢印X,Y,Zで示すように、互いに直交する3方向をX方向、Y方向およびZ方向と定義する。
バルブタイミング制御装置200は、大きく分けてロックピン保持機構210(図3参照)、カム用ドリブンスプロケット220(図4参照)、吸気カムシャフト230(図5参照)および排気カムシャフト240(図5参照)から構成されている。
図3に、ロックピン保持機構210の組立て斜視図が示されている。図3に示すように、Z方向に長手形状を有する2つの支持部材211,212がX方向に所定の間隔をおいて配置される。
支持部材211はXZ平面と平行でかつZ方向に長手形状を有する略円弧形状の板状部211Aを有する。板状部211AのZ方向に沿う一辺が円弧状に形成され、他辺が直線状に形成されている。板状部211Aの上端部および下端部近傍には、それぞれ貫通孔211aが形成されている。
板状部211AのZ方向に沿う一辺の上端部および下端部からY方向に延びるように突起片211B,211Dが形成されている。また、板状部211AのZ方向に沿う一辺の中央下部からX方向に延びるとともにY方向に曲折したばね保持片211Cが形成されている。
突起片211B,211Dおよびばね保持片211Cには、それぞれ貫通孔211b,211d,211cが形成されている。Y方向における突起片211B,211Dおよびばね保持片211Cの長さは、突起片211B、ばね保持片211C、突起片211Dの順に短い。それにより、Y方向において貫通孔211b,211c,211dは、この順で板状部211Aに近づく。
支持部材212は、支持部材211とXZ平面を基準としてほぼ対称となる構造を有する。板状部212AのZ方向に沿う一辺の上端部および下端部からY方向に延びるように突起片212B,212Dが形成されている。
板状部212Aの上端部および下端部近傍には、それぞれ貫通孔212aが形成されている。また、板状部212AのZ方向に沿う一辺の中央上部からX方向に延びるとともにY方向に曲折したばね保持片212Cが形成されている。突起片212B,212Dおよびばね保持片212Cには、それぞれ貫通孔212b,212d,212cが形成されている。
なお、Y方向における支持部材212の突起片212B,212Dの長さは、Y方向における支持部材211の突起片211B,211Dの長さに等しい。また、Y方向における支持部材212のばね保持片212Cの長さは、Y方向における支持部材211のばね保持片211Cの長さと異なる。
ウエイト213は、ウエイト本体213a、板状の延長部213d、2つの筒状部213eおよび2つのフック部213fを有する。ウエイト本体213aはX方向に延びる略直方体形状を有する。ウエイト本体213aのXY平面に平行な一面(下面)にはY方向に沿う溝部213bおよびZ方向に突出する突出部213cが形成されている。突出部213cにはX方向に延びる貫通孔が形成されている。
延長部213dは、ウエイト本体213aのXY平面に平行な他面(上面)からY方向に延びるように形成されている。2つの筒状部213eは、X方向における延長部213dの両端部にそれぞれX方向に沿うように形成されている。
2つのフック部213fは、X方向における延長部213dの中央部から延長部213dの下側へ傾斜するように延びている。2つのフック部213fの先端はフック状に湾曲している。
2つのフック部213fにはY方向に延びる高速ロックピン214が取り付けられる。高速ロックピン214の一端部にはX方向に延びる支持ピン214tが形成されている。フック部213fに支持ピン214tが取り付けられることにより、高速ロックピン214はウエイト213に回動可能に保持される。高速ロックピン214の一部は溝部213bに当接可能となる。
ウエイト213の筒状部213eに回動軸215が挿入される。これにより、回動軸215はウエイト213を回動可能に保持する。この状態で、回動軸215の両端が支持部材211,212の貫通孔211b,212bに挿入される。それにより、ウエイト213は、支持部材211,212間で回動可能に保持される。
ウエイト216は、ウエイト213と同じ構造を有する。ただし、ロックピン保持機構210の組立て時において、ウエイト216は、X方向と平行な軸を基準としてウエイト213と対称となるように配置される。
図3において、ウエイト216のウエイト本体216a、延長部216d、2つの筒状部216eおよび2つのフック部216fは、ウエイト213のウエイト本体213a、延長部213d、2つの筒状部213eおよび2つのフック部213fに相当する。
また、ウエイト216の溝部216bおよび突出部216cは、ウエイト213の溝部213bおよび突出部213cに相当する。
2つのフック部216fにはY方向に延びる低速ロックピン217が取り付けられる。この低速ロックピン217は、高速ロックピン214よりも短い。低速ロックピン217の一端部にはX方向に延びる支持ピン217tが形成されている。フック部216fに支持ピン217tが取り付けられることにより、低速ロックピン217はウエイト216に回動可能に保持される。低速ロックピン217は、後述するように回動可能な範囲が制限されている。それにより、低速ロックピン217は溝部216bに当接しない。
ウエイト216の筒状部216eに回動軸218が挿入される。これにより、回動軸218はウエイト216を回動可能に保持する。この状態で、回動軸218の両端が支持部材211,212の貫通孔211d,212dに挿入される。それにより、ウエイト216は、支持部材211,212間で回動可能に保持される。
上記構成により、ウエイト213,216はZ方向において互いに対向するように配置される。
支持部材211の2つの貫通孔211aおよび支持部材212の2つの貫通孔212aには、それぞれねじ219が挿入される。
図4に、ロックピン保持機構210とカム用ドリブンスプロケット220との組立て斜視図が示されている。ロックピン保持機構210とカム用ドリブンスプロケット220との組立て時において、カム用ドリブンスプロケット220はXZ平面と平行となるように配置される。
なお、図4では、ロックピン保持機構210において、ウエイト213の突出部213cに設けられた貫通孔およびばね保持片211Cの貫通孔211cにばねS1の両端が取り付けられている。また、ロックピン保持機構210において、ウエイト216の突出部216cに設けられた貫通孔およびばね保持片212Cの貫通孔212cにばねS2の両端が取り付けられている。
図4に示すように、カム用ドリブンスプロケット220は、複数の貫通孔220a〜220fを有する。カム用ドリブンスプロケット220の中心に他の貫通孔よりも最も大きい径の貫通孔220aが形成されている。
カム用ドリブンスプロケット220の貫通孔220aを中心とする1つの円上に4つの貫通孔220b,220c,220e,220fが等角度間隔で形成されている。カム用ドリブンスプロケット220の貫通孔220aを中心とするその他の円上に4つの貫通孔220dが等角度間隔で形成されている。4つの貫通孔220dはそれぞれねじ切り加工されている。
さらに、カム用ドリブンスプロケット220の一面220Aにおいて、貫通孔220cの近傍には突起部220Tが形成されている。
カム用ドリブンスプロケット220の4つの貫通孔220dに、それぞれロックピン保持機構210のねじ219が螺合される。これにより、カム用ドリブンスプロケット220の一面220A側にロックピン保持機構210が固定される。
また、カム用ドリブンスプロケット220へのロックピン保持機構210の固定時には、高速ロックピン214が貫通孔220bに挿入され、低速ロックピン217が貫通孔220cに挿入される。図3で説明した構造により、高速ロックピン214はカム用ドリブンスプロケット220の他面220B側に突出せず、低速ロックピン217はカム用ドリブンスプロケット220の他面220B側から所定の長さ突出する。
カム用ドリブンスプロケット220の他面220B側においては、Y方向に延びる2つの固定ピン230A,230Bの一端が、それぞれ貫通孔220e,220fに挿入され、固定される。
図5に、図4に示すように組立てられた構造物(以下、組立て構造物と呼ぶ。)と吸気カムシャフト230および排気カムシャフト240との組立て斜視図が示されている。なお、吸気カムシャフト230および排気カムシャフト240は、ともにその軸心JがY方向と平行になるように配置されている。
図5に示すように、吸気カムシャフト230は吸気カム231、段差部232および回動シャフト233から形成されている。
Y方向における吸気カムシャフト230は、Y方向において、一端側に円筒状の回動シャフト233を有し、中央部に回動シャフト233の径よりもやや大きい径を有する段差部232を有し、他端側に吸気カム231を有する。
回動シャフト233の端面中央から吸気カム231の端面中央までY方向に延びる回動貫通孔230Hが形成されている。すなわち、Y方向における吸気カムシャフト230の一端から他端にかけて回動貫通孔230Hが形成されている。
回動シャフト233の端面には、軸心Jを中心とする円上に高速ピン導入孔233c、低速ピン導入孔233dおよび2つのピン遊動溝233a,233bが形成されている。
高速ピン導入孔233cおよび低速ピン導入孔233dは、互いに回動貫通孔230Hを介してほぼ対向するように形成されている。ただし、高速ピン導入孔233cおよび低速ピン導入孔233dは、互いを結ぶ直線が軸心Jを通らないように配置されている。
ピン遊動溝233a,233bは、軸心Jを中心とした円周方向に沿って延び、かつ互いに回動貫通孔230Hを介して対向するように形成されている。
排気カムシャフト240は排気カム241、段差部242、カム固定軸243および突出軸244を有する。
排気カムシャフト240は、Y方向において、一端側にY方向に延びるカム固定軸243を有し、中央部に段差部242および排気カム241を有し、他端側にY方向に延びる突出軸244を有する。カム固定軸243の端部にはスプロケット用ねじ孔240Hが形成されている。
組立て構造物と、吸気カムシャフト230と、排気カムシャフト240との組立て時においては、カム用ドリブンスプロケット220の他面220B側に吸気カムシャフト230および排気カムシャフト240が取り付けられる。
すなわち、排気カムシャフト240のカム固定軸243が吸気カムシャフト230の回動貫通孔230Hに挿入される。これにより、排気カムシャフト240は吸気カムシャフト230を回転可能に保持する。さらに、排気カムシャフト240のカム固定軸243の一端がカム用ドリブンスプロケット220の他面220B側から貫通孔220aに挿入される。
この状態で、カム用ドリブンスプロケット220の一面220A側からカム固定軸243のスプロケット用ねじ孔240Hにスプロケット用ねじ250が螺合される。これにより、カム用ドリブンスプロケット220に排気カムシャフト240が固定される。
なお、排気カムシャフト240の排気カム241、段差部242、カム固定軸243および突出軸244は一体的に形成されてもよく、あるいはそれぞれ個別に形成されていてもよい。また、吸気カムシャフト230の吸気カム231、段差部232および回動シャフト233は一体的に形成されてもよく、あるいはそれぞれ個別に形成されていてもよい。
さらに、図5では図示しないが、カム固定軸243と貫通孔220aとの接続部には、カム用ドリブンスプロケット220に対する排気カムシャフト240の回転を制限する固定機構が設けられてもよい。
この固定機構は、例えば排気カムシャフト240のカム固定軸243の先端部に突起部を設け、カム用ドリブンスプロケット220の貫通孔220aにカム固定軸243の突起部と嵌合可能な溝部を設けることにより実現されてもよい。
一方、上記の組立て時において、吸気カムシャフト230は排気カムシャフト240に保持された状態で次のように位置決めされる。
ここで、カム用ドリブンスプロケット220の他面220B側からは、Y方向に固定ピン230A,230Bおよび低速ロックピン217の一部が突出している。吸気カムシャフト230は、固定ピン230Aがピン遊動溝233aに挿入され、固定ピン230Bがピン遊動溝233bに挿入され、低速ロックピン217の一部が低速ピン導入孔233dに挿入されるように位置決めされる。
それにより、上記の組立て完了時には、吸気カムシャフト230の回動が、低速ロックピン217および低速ピン導入孔233dにより制限される。その結果、吸気カムシャフト230は排気カムシャフト240とともにカム用ドリブンスプロケット220に回動不能に固定される。
上記構成を有するバルブタイミング制御装置200のエンジン7への取り付け状態について説明する。
図6は、図2(b)のP−P線におけるシリンダヘッド7Sの詳細な断面図である。図6においては、矢印X,Y,Zで示すように、互いに直交する3方向をX方向、Y方向およびZ方向と定義する。なお、後述の図7および図8においても同様にX方向、Y方向およびZ方向を定義する。
図6に示すように、シリンダヘッド7Sの中央部にはバルブタイミング制御装置200を取り付けるためのスペースが設けられている。
シリンダヘッド7Sへのバルブタイミング制御装置200の取り付け時においては、バルブタイミング制御装置200の回動シャフト233および突出軸244にそれぞれベアリングB1,B2が取り付けられる。
シリンダヘッド7S内部においては、ベアリングB1のY方向の軸に垂直な一端面がシリンダヘッド7Sの内部当接面BH1に当接する。また、ベアリングB2のY方向の軸に垂直な一端面がシリンダヘッド7Sの内部当接面BH2に当接する。
バルブタイミング制御装置200がシリンダヘッド7Sの内部に収容された状態で、ベアリングB1のY方向の軸に垂直な他端面の一部がシリンダヘッド7Sに接続された固定板BH3に当接する。これにより、バルブタイミング制御装置200がシリンダヘッド7S内部で回転可能に固定される。
バルブタイミング制御装置200の上部に2つのローラーロッカーアーム330,340が設けられる。吸気カムシャフト230の上部にローラーロッカーアーム330が設けられており、アーム330Rに取り付けられたローラー330Tが吸気カムシャフト230に当接している。
また、排気カムシャフト240の上部にローラーロッカーアーム340が設けられており、アーム340Rに取り付けられたローラー340Tが排気カムシャフト240に当接している。バルブタイミング制御装置200のロックピン保持機構210側を覆うように、シリンダヘッド7SにサイドカバーSCが取り付けられている。
図7に、図6のサイドカバーSCが取り外されたシリンダヘッド7Sの外観側面図が示されている。図7に示すように、カム用ドリブンスプロケット220にはチェーン25が架けられている。図7において、バルブタイミング制御装置200は矢印Q1の方向に回転する。
図8は、図6のシリンダヘッド7SのR−R線における一部切り欠き断面図および吸気カム231および排気カム241の位相関係を説明するための図である。
図8(a)に、図6のシリンダヘッド7SのR−R線における一部切り欠き断面図が示されている。図8(a)では、理解を容易にするため吸気バルブおよび排気バルブ周辺の断面が切り欠いて図示されている。
図8(a)に示すように、吸気カム231の上部に設けられるローラーロッカーアーム330は、ローラー330T、アーム330R、シャフト331、アジャスタ332およびナット333から構成されている。
X方向に延びるアーム330Rは、その中央部でシャフト331により回動可能に保持されている。X方向におけるアーム330Rの一端にローラー330Tが取り付けられ、他端にアジャスタ332がナット333により取り付けられている。
吸気カム231の回転動作に伴って、ローラー330Tが上下動作する。これにより、アーム330Rがシャフト331を中心として回動する。それにより、アーム330Rの他端のアジャスタ332が上下動作する。
アジャスタ332の下端部には吸気バルブ334の上端部が位置している。吸気バルブ334にはバルブスプリング335が設けられており、バルブスプリング335は吸気バルブ334の上端部を上方向に付勢している。
この状態でアジャスタ332が上下動作すると、吸気バルブ334も上下動作する。これにより、吸気バルブ334の開閉動作が行われる。
このように、吸気バルブ334には吸気カム231の回転力がローラーロッカーアーム330を介して伝達される。一方では、バルブスプリング335の弾性力がローラーロッカーアーム330を介して吸気カム231に伝達されている。
排気カム241の上部に設けられるローラーロッカーアーム340もローラーロッカーアーム330と同様の構成を有し、同様の動作を行う。ローラーロッカーアーム340のローラー340T、アーム340R、シャフト341、アジャスタ342およびナット343は、それぞれローラーロッカーアーム330のローラー330T、アーム330R、シャフト331、アジャスタ332およびナット333に相当する。排気バルブ344にはバルブスプリング345が設けられている。
なお、図8において、バルブタイミング制御装置200は矢印Q2の方向に回転する。
本実施の形態では、上述のバルブタイミング制御装置200の構成により排気カム241の位相に対する吸気カム231の位相が変化する。
図8(b)に、吸気カム231および排気カム241の位相関係を説明するための図が示されている。理解を容易にするため、図8(b)では排気カム241を太い実線で示している。また、吸気カム231を細い実線および二点鎖線で示している。
図8(b)の実線で示すように、エンジン7が低い回転数で回転している場合、吸気カム231のカムノーズの先端部は位置T1にある。この状態から、エンジン7の回転数が上昇して所定の回転数を超えると、吸気カム231のカムノーズの先端部は位置T2へ移動する。以下、回転数が低い値から上昇するときの所定の回転数を第1の回転数と呼ぶ。
一方、図8(b)の二点鎖線で示すように、エンジン7が高い回転数で回転している場合、吸気カム231のカムノーズの先端部は位置T2にある。この状態から、エンジン7の回転数が下降して所定の回転数より低くなると、吸気カム231のカムノーズの先端部は位置T1へ移動する。以下、回転数が高い値から下降するときの所定の回転数を第2の回転数と呼ぶ。
このように、本実施の形態においては、エンジン7の回転数および回転数の変化(回転数の上昇および下降)に応じて排気カム241に対する吸気カム231の位相が変化する。図8(b)では、吸気カム231の位相の変化量が角度θで表されている。
上記のように、エンジン7が低い回転数で回転している場合と、高い回転数で回転している場合とでバルブタイミングが異なる。エンジン7の低回転時には、吸気バルブの開いている期間と、排気バルブの開いている期間とのオーバーラップが小さくなるので、排気ガス中の有害物質が低減され、燃費が向上する。また、エンジン7の高回転時には、吸気バルブの開いている期間と、排気バルブの開いている期間とのオーバーラップが大きくなるので高い出力を効率よく得ることができる。
排気カム241に対して吸気カム231の位相が変化することによるオーバーラップの変化について、図9に基づき説明する。図9は、図2のクランクシャフト23に対する排気カム241および吸気カム231の位相と、クランクシャフト23が回転することによる排気バルブ344および吸気バルブ334のリフト量との関係を説明するための図である。
図9においては、横軸がクランク角(クランクシャフト23の回転角度)を示し、縦軸が排気バルブ344および吸気バルブ334のリフト量(排気バルブ344および吸気バルブ334の上下方向の変位量)を示す。
図9では、排気バルブ344および吸気バルブ334は、リフト量が0よりも大きいときに開いており、リフト量が0であるときに閉じている。
クランク角は−360°から+360°に渡って示されている。クランク角が0°、360°および−360°の場合にピストン21がシリンダ20内の上死点TDCに位置し、クランク角が180°および−180°の場合にピストン21がシリンダ20内の下死点BDCに位置する。
図9の太線241Lは、排気カム241が回転することによる排気バルブ344のリフト量の変化を示す。太線241Lによれば、排気バルブ344のリフト量はクランク角が約−240°から約−110°にかけて増加し、クランク角が約−110°から約20°にかけて減少している。
図9の実線TL1は、エンジン7の低回転時に吸気カム231が回転することによる吸気バルブ334のリフト量の変化を示す。実線TL1によれば、吸気バルブ334のリフト量はクランク角が約40°から約170°にかけて増加し、クランク角が約170°から約300°にかけて減少している。
このように、エンジン7の低回転時には、吸気バルブ334が開いている期間と、排気バルブ344が開いている期間とのオーバーラップの量が小さくなる。図9の例では、オーバーラップの量は0となっている。
一方、図9の二点鎖線TL2は、エンジン7の高回転時に吸気カム231が回転することによる吸気バルブ334のリフト量の変化を示す。二点鎖線TL2によれば、吸気バルブ334のリフト量はクランク角が約−30°から約100°にかけて増加し、クランク角が約100°から約230°にかけて減少している。
このように、エンジン7の高回転時には、吸気バルブ334が開いている期間と、排気バルブ344が開いている期間とのオーバーラップの量が大きくなる。
このように、エンジン7の低回転時と高回転時とで、吸気カム231の位相が排気カム241に対して角度θ分変化することにより、排気バルブ344が開いている期間と吸気バルブ334が開いている期間とのオーバーラップの量が変化し、上述の効果を得ることが可能となっている。
なお、本実施の形態に係るバルブタイミング制御装置200おいては、図6に示すように、ロックピン保持機構210のY方向における長さが比較的小さい。それにより、このバルブタイミング制御装置200は取り付けの自由度(レイアウトの自由度)が大きく、優れた汎用性を有する。したがって、バルブタイミング制御装置200は上記以外の構成を有するエンジンにも有効に利用可能である。
図10〜図14は、バルブタイミング制御装置200の動作を説明するための切り欠き斜視図である。図10〜図14においては、バルブタイミング制御装置200のうち、ロックピン保持機構210、カム用ドリブンスプロケット220および吸気カムシャフト230の一部が切り欠かれた状態で示されている。
また、図10〜図14においては、矢印Zで示す方向をZ方向と定義する。なお、Z方向において矢印が向かう方向を+方向、その反対の方向を−方向とする。さらに、図中の一点鎖線はバルブタイミング制御装置200の軸心Jを示す。
図10にバルブタイミング制御装置200の組立て完了時の状態が示されている。図10においては、ロックピン保持機構210およびカム用ドリブンスプロケット220が中央からZ方向に沿って切り欠かれている。固定ピン230Bは、上記のように実際には、カム用ドリブンスプロケット220に接続されている。
図10に示すように、バルブタイミング制御装置200の組立て完了時においては、ウエイト213のウエイト本体213aがばねS1により−Z方向に付勢されている。ここで、ウエイト213はカム用ドリブンスプロケット220の貫通孔220bに挿入された高速ロックピン214を保持する。それにより、回動軸215を中心とするウエイト213の回転動作が制限される。なお、この状態でウエイト213の溝部213bに高速ロックピン214の一部が当接する。
一方、ウエイト216のウエイト本体216aは図示しないばねS2(図4参照)により+Z方向に付勢されている。ここで、ウエイト216はカム用ドリブンスプロケット220の貫通孔220cに挿入された低速ロックピン217を保持する。それにより、回動軸218を中心とするウエイト216の回転動作が制限される。
また、図10においては、カム用ドリブンスプロケット220に挿入された高速ロックピン214の一端が吸気カムシャフト230の軸心Jに垂直な接触面230Mにほぼ当接している。
一方、低速ロックピン217は吸気カムシャフト230の低速ピン導入孔233dに挿入されている。低速ピン導入孔233dに挿入された低速ロックピン217の一端が低速ピン導入孔233dの底面にほぼ当接している。
上述のように、ピン遊動溝233bは軸心Jを中心とする円周方向に沿って延びている。ここで、ピン遊動溝233bの円周方向における一端を低速溝端部LPと呼び、ピン遊動溝233bの円周方向における他端を高速溝端部HPと呼ぶ。
図10においては、ピン遊動溝233bに挿入された固定ピン230Bが低速溝端部LPに位置する。固定ピン230Bはカム用ドリブンスプロケット220に固定されているので、吸気カムシャフト230はカム用ドリブンスプロケット220および排気カムシャフト240に対する矢印M1の方向への回転が制限されている。
ただし、図10の状態では、低速ロックピン217が低速ピン導入孔233dに挿入されているので、吸気カムシャフト230はカム用ドリブンスプロケット220および排気カムシャフト240に対して矢印M1および矢印M2の方向のいずれにも回転することができない。
図11に低回転時におけるバルブタイミング制御装置200の状態が示されている。バルブタイミング制御装置200の低回転時においては、ウエイト213,216に弱い遠心力が働く。それにより、太矢印M3に示すようにウエイト本体213aを回動軸215を中心として回転させようとする力が発生する。また、太矢印M4に示すようにウエイト本体216aを回動軸218を中心として回転させようとする力が発生する。
ここで、ウエイト本体216aが太矢印M4の方向へ回転すると、ウエイト216が保持する低速ロックピン217を吸気カムシャフト230の低速ピン導入孔233dから引き抜こうとする力が発生する(矢印M6参照)。
ここで、低回転時においては、図示しないばねS2(図4参照)がウエイト本体216aを+Z方向に付勢するので、ばねS2の弾性力と太矢印M4の方向に働く力とが釣り合う。その結果、低速ロックピン217が低速ピン導入孔233dから完全に抜け出すことはない。
一方、ウエイト本体213aに太矢印M3の方向への力が発生すると、ウエイト213が保持する高速ロックピン214を吸気カムシャフト230に近づく方向の力が発生する(矢印M5参照)。しかしながら、低速ロックピン217の一端は接触面230Mに当接しているので、高速ロックピン214は軸心Jの方向に動作しない。それにより、ウエイト本体213aも回転しない。
図12および図13に、エンジン7の回転数が上昇することによりエンジン7が第1の回転数で回転している場合のバルブタイミング制御装置200の状態が示されている。
上述のように、バルブタイミング制御装置200の回転時にはウエイト213,216に遠心力が働く。ここで、エンジン7の回転数が低い値から高い値へと上昇すると、ウエイト213,216により大きな遠心力が働く。
それにより、ウエイト本体216aに発生する太矢印M4の方向の力が、図4のばねS2の弾性力よりも大きくなると、低速ロックピン217を低速ピン導入孔233dから引き抜こうとする矢印M6の方向の力もより大きくなる。
その結果、図12に示すように、回転数が第1の回転数になるとともに低速ロックピン217が低速ピン導入孔233dから引き抜かれる。この状態で、高速ロックピン214には矢印M5の方向にウエイト213の遠心力による力が発生している。
上記のように、低速ロックピン217が低速ピン導入孔233dから引き抜かれると、吸気カムシャフト230はカム用ドリブンスプロケット220および排気カムシャフト240に対する回転が許容される。
しかしながら、ピン遊動溝233bに挿入された固定ピン230Bが低速溝端部LPに位置する。したがって、吸気カムシャフト230は矢印M2の方向にのみ回転動作が許容される。
ここで、図8を用いて説明したように、吸気カムシャフト230の吸気カム231には、バルブスプリング335の弾性力がローラーロッカーアーム330を介して伝達されている。
それにより、吸気カムシャフト230には、カム用ドリブンスプロケット220および排気カムシャフト240に対して矢印M1または矢印M2の方向へと回転させる力が発生する。図12の状態においては、吸気カムシャフト230に矢印M2の方向へ回転させる力が加わることにより、吸気カムシャフト230はカム用ドリブンスプロケット220および排気カムシャフト240に対して矢印M2の方向に回転する。
図13に示すように、吸気カムシャフト230が矢印M2の方向に回転することにより、固定ピン230Bの挿入されたピン遊動溝233bも軸心Jを中心として回転する。ここで、上述のようにピン遊動溝233bは低速溝端部LPおよび高速溝端部HPを有する。したがって、ピン遊動溝233bの矢印M2の方向への回転は高速溝端部HPにより制限される。
それにより、吸気カムシャフト230は、固定ピン230Bがピン遊動溝233bの高速溝端部HPに位置することにより矢印M2の方向への回転動作が制限される。
このように、固定ピン230Bがピン遊動溝233bの高速溝端部HPに位置する際には、高速ピン導入孔233cがカム用ドリブンスプロケット220の貫通孔220bと連通する。その結果、接触面230Mに当接していた高速ロックピン214の一端が、ウエイト213に作用する遠心力により高速ピン導入孔233cに挿入される(図14参照)。
上記のように吸気カムシャフト230が回転することにより、排気カム241に対する吸気カム231の位相が角度θ分変化する。これにより、エンジン7のバルブタイミングがバルブスプリング335,345の弾性力の影響を受けることなく安定して変化する。
なお、図10〜図14において図示しないピン遊動溝233a(図4参照)の働きについて説明していないが、ピン遊動溝233aの働きはピン遊動溝233bと同様である。
また、図13では、図3の突起部220Tが破線により示されている。この突起部220Tは回動軸218を中心とするウエイト本体216aの回転動作を制限するために設けられている。例えば、ウエイト本体216aが所定量回転すると、ウエイト本体216aの一面が突起部220Tに当接する。それにより、ウエイト本体216aが矢印M4の方向へ大きく回転して低速ロックピン217が貫通孔220cから抜け出ることが防止される。
図14に、第1の回転数によりエンジン7のバルブタイミングが変化した後のバルブタイミング制御装置200の状態が示されている。
上述のように、第1の回転数でのエンジン7のバルブタイミングの変化後には高速ロックピン214の一端が高速ピン導入孔233cに挿入されている。これにより、吸気カムシャフト230は矢印M1および矢印M2の方向のいずれにも回転することができない。それにより、高回転時には、吸気カム231および排気カム241の位相関係が低回転時と異なる位相関係で固定される。
一方、エンジン7の回転数が高い値から下降することにより、エンジン7が第2の回転数で回転する場合には上記と逆の動作が行われる。
すなわち、図14において、エンジン7の回転数が高い値から下降して第2の回転数になると、ウエイト本体213aがばねS1の弾性力により太矢印M3と逆の方向に回転する。その結果、高速ロックピン214が吸気カムシャフト230の高速ピン導入孔233cから引き抜かれる。
また、図14において、ウエイト本体216aが図示しないばねS2(図4参照)の弾性力により太矢印M4と逆の方向に回転する。その結果、低速ロックピン217の一端が吸気カムシャフト230の接触面230Mに押し付けられる。
そして、吸気カム231に働くバルブスプリング335の弾性力により、吸気カムシャフト230が矢印M1の方向に回転する。そこで、吸気カムシャフト230の低速ピン導入孔233dに低速ロックピン217が挿入されることにより吸気カムシャフト230が固定される。これにより、エンジン7のバルブタイミングがバルブスプリング335,345の弾性力の影響を受けることなく安定して変化する。
ところで、上述のように、本実施の形態では、エンジン7の回転数の上昇時と、回転数の下降時とでバルブタイミングの変化する回転数が異なる。すなわち、第1の回転数と第2の回転数とが異なる。
ここで、第1の回転数および第2の回転数は、バルブタイミング制御装置200の構成部材の設定により実現される。例えば、ばねS1およびばねS2の弾性力を互いに異なるように設定する。この場合、ウエイト213の保持する高速ロックピン214に働く力と、ウエイト216が保持する低速ロックピン217に働く力とが異なる。
その結果、高速ロックピン214が高速ピン導入孔233cから抜き出される回転数(第2の回転数)と、低速ロックピン217が低速ピン導入孔233dから抜き出される回転数(第1の回転数)とが相違する。
このように、エンジン7の回転数の上昇時と回転数の下降時とでバルブタイミングの変化する回転数が異なる。したがって、バルブタイミングの変化時にバルブスプリング335,345の弾性力の影響により、バルブの挙動が不安定となるハンチングが十分に防止される。その結果、ハンチングによるカムプロフィールの変化が防止され、エンジンの性能および耐久性の低下が防止される。
上記のように、本実施の形態では、エンジン7の回転数が低い回転数から高い回転数、または高い回転数から低い回転数へと変化することにより、排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相が変化する。それにより、エンジン7の回転数に応じて排気バルブ344および吸気バルブ334のバルブタイミングが制御される。
また、本実施の形態では排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相の切替が、構成部材間の摩擦力を用いることなく低速ロックピン217および低速ピン導入孔233dならびに高速ロックピン214および高速ピン導入孔233cの互いに相補的な移動動作に基づいて行われる。それにより、構成部品の磨耗による劣化がほとんど生じない。その結果、耐磨耗性の構成部材を使用することなくバルブタイミング制御装置200の長寿命化が実現されるとともに、低コスト化が実現される。
さらに、高い加工精度が要求されることなく低速ロックピン217および低速ピン導入孔233dならびに高速ロックピン214および高速ピン導入孔233cの互いに相補的な移動動作が機械的な構造のみで実現されるので、製造が容易となる。
また、低速ロックピン217および低速ピン導入孔233dならびに高速ロックピン214および高速ピン導入孔233cの移動動作を制御するための油圧回路、電気回路およびソフトウェア等により構成される制御系が必要ないので、バルブタイミング制御装置200の小型化が実現される。
その上、本実施の形態においては、エンジン7の回転数の上昇時においては、第1の回転数で排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相がロックピン保持機構210によりに変更される。この状態で、排気バルブ344および吸気バルブ334の開閉タイミングが制御される。
エンジン7の回転数の下降時においては、第1の回転数よりも低い第2の回転数で排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相がロックピン保持機構210により変更される。この状態で、排気バルブ344および吸気バルブ334の開閉タイミングが制御される。
このように、エンジン7の上昇時における第1の回転数とエンジン7の下降時における第2の回転数とが異なることにより、エンジン7の回転数が第1または第2の回転数の領域で継続された場合に、排気カムシャフト240に対する吸気カムシャフト230の位相が繰り返し変化することがない。それにより、排気バルブ344および吸気バルブ334の挙動が不安定となるハンチングが十分に防止される。
(他の構成例)
本実施の形態において、バルブタイミング制御装置200はSOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト)構造のエンジン7に設けられているが、バルブタイミング制御装置200が設けられるエンジン7はカムシャフトが設けられる構成であれば限定されない。
例えば、エンジン7はSV(サイドバルブ)構造のエンジン、OHV(オーバーヘッドバルブ)構造のエンジン、DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)構造のエンジンであってもよい。
また、図8を用いて説明したように、上記では、バルブタイミング制御装置200はローラーロッカーアーム330,340を備えるエンジン7に設けられているが、バルブタイミング制御装置200は直打式のエンジンに設けられてもよい。
図10〜図14で説明したように、バルブタイミング制御装置200には、ウエイト本体213a,216aを所定の方向に付勢するために、ばねS1,S2が用いられている。しかしながら、ウエイト本体213a,216aを所定の方向に付勢する弾性体であれば、ばねS1,S2に代えてゴム等が用いられてもよい。
さらに、本実施の形態では、車両として自動二輪車について説明したが、これに限らず、バルブタイミング制御装置200はトラクターおよびカート等の低排気量の小型車両ならびに小型船舶のエンジンにも設けることができる。
以上、本実施の形態においては、エンジン7がエンジンに相当し、排気バルブ344が第1のバルブに相当し、吸気バルブ334が第2のバルブに相当し、バルブタイミング制御装置200がバルブタイミング制御装置に相当し、カム用ドリブンスプロケット220が回転部材に相当し、排気カムシャフト240が第1のカムシャフトに相当し、吸気カムシャフト230が第2のカムシャフトに相当し、ロックピン保持機構210が位相変更機構に相当し、低速ロックピン217および低速ピン導入孔233dが第1の係止機構に相当し、高速ロックピン214および高速ピン導入孔233cが第2の係止機構に相当する。
また、低速ピン導入孔233dが第1の係止部に相当し、低速ロックピン217が第1の被係止部材に相当し、ばねS2が第1の付勢手段に相当し、ウエイト本体216aが第1の重りに相当し、高速ピン導入孔233cが第2の係止部に相当し、高速ロックピン214が第2の被係止部材に相当し、ばねS1が第2の付勢手段に相当し、ウエイト本体213aが第2の重りに相当する。
さらに、低速ピン導入孔233dが第1の孔部に相当し、低速ロックピン217が第1のピン部材に相当し、高速ピン導入孔233cが第2の孔部に相当し、高速ロックピン214が第2のピン部材に相当し、固定ピン230A,230Bおよびピン遊動溝233a,233bが規制手段または阻止機構に相当する。
さらに、ピン遊動溝233a,233bが溝部に相当し、低速溝端部LPおよび高速溝端部HPが溝部内の両端面に相当し、固定ピン230A,230Bが当接部材に相当し、エンジン7がエンジン装置に相当し、自動二輪車100が車両に相当する。
また、図8(b)において、排気カム241に対して実線で示す吸気カム231の位相が第1の位相に相当し、排気カム241に対して二点鎖線で示す吸気カム231の位相が第2の位相に相当する。
本発明は、自動二輪車、四輪の自動車等のエンジンを備える種々の車両および船舶等に利用することができる。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の模式図である。 本発明の一実施の形態に係るバルブタイミング制御装置の概要を説明するための図である。 バルブタイミング制御装置の構造を説明するための組立て斜視図である。 バルブタイミング制御装置の構造を説明するための組立て斜視図である。 バルブタイミング制御装置の構造を説明するための組立て斜視図である。 図2(b)のP−P線におけるシリンダヘッドの詳細な断面図である。 図6のサイドカバーが取り外されたシリンダヘッドの外観側面図である。 図6のシリンダヘッドのR−R線における一部切り欠き断面図および吸気カムおよび排気カムの位相関係を説明するための図である。 図2のクランクシャフトに対する排気カムおよび吸気カムの位相と、クランクシャフトが回転することによる排気バルブおよび吸気バルブのリフト量との関係を説明するための図である。 バルブタイミング制御装置の動作を説明するための切り欠き斜視図である。 バルブタイミング制御装置の動作を説明するための切り欠き斜視図である。 バルブタイミング制御装置の動作を説明するための切り欠き斜視図である。 バルブタイミング制御装置の動作を説明するための切り欠き斜視図である。 バルブタイミング制御装置の動作を説明するための切り欠き斜視図である。
符号の説明
7 エンジン
200 バルブタイミング制御装置
210 ロックピン保持機構
214 高速ロックピン
216a ウエイト本体
217 低速ロックピン
220 カム用ドリブンスプロケット
230 吸気カムシャフト
230A,230B 固定ピン
233a,233b ピン遊動溝
233c 高速ピン導入孔
233d 低速ピン導入孔
240 排気カムシャフト
334 吸気バルブ
344 排気バルブ
HP 高速溝端部
LP 低速溝端部
S1,S2 ばね

Claims (8)

  1. エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御装置であって、
    前記エンジンの回転に連動して回転可能に設けられた回転部材と、
    前記第1のバルブに当接するように設けられ、前記回転部材とともに回転することにより前記第1のバルブを開閉する第1のカムシャフトと、
    前記第2のバルブに当接するとともに前記第1のカムシャフトに対して相対的に回転可能に設けられ、前記回転部材とともに回転することにより前記第2のバルブを開閉する第2のカムシャフトと、
    前記第1のカムシャフトに対する前記第2のカムシャフトの位相を第1の位相と第2の位相とに変更する位相変更機構とを備え、
    前記位相変更機構は、
    前記第1のカムシャフトに対して前記第2のカムシャフトが前記第1の位相を有する状態で前記第2のカムシャフトを係止する第1の係止機構と、
    前記第1のカムシャフトに対して前記第2のカムシャフトが前記第2の位相を有する状態で前記第2のカムシャフトを係止する第2の係止機構とを含み、
    前記第1の係止機構は、前記第2のカムシャフトを係止する方向に付勢されるとともに、遠心力により前記第2のカムシャフトの係止を解除する方向に移動可能に設けられ、
    前記第2の係止機構は、前記第2のカムシャフトの係止を解除する方向に付勢されるとともに、遠心力により前記第2のカムシャフトを係止する方向に移動可能に設けられたことを特徴とするバルブタイミング制御装置。
  2. 前記第1の係止機構は、
    前記第2のカムシャフトに設けられた第1の係止部と、
    前記第1の係止部に係止される状態および前記第1の係止部から外れる状態に移動可能に設けられた第1の被係止部材と、
    前記第1の被係止部材を前記第1の係止部材に係止される方向に付勢する第1の付勢手段と、
    遠心力により前記第1の被係止部材を前記第1の係止部材から外れる方向に移動させる第1の重りとを含み、
    前記第2の係止機構は、
    前記第2のカムシャフトに設けられた第2の係止部と、
    前記第2の係止部に係止される状態および前記第2の係止部から外れる状態に移動可能に設けられた第2の被係止部材と、
    前記第2の被係止部材を前記第2の係止部から外れる方向に付勢する第2の付勢手段と、
    遠心力により前記第2の被係止部材を前記第2の係止部に係止される方向に移動させる第2の重りとを含み、
    前記第2のカムシャフトは、
    前記第1の被係止部材が前記第1の係止部から外れかつ前記第2の被係止部材が前記第2の係止部から外れた状態で前記第1のカムシャフトに対して前記第1の位相と前記第2の位相との間で相対的に回転可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング制御装置。
  3. 前記第1の係止部は、前記第2のカムシャフトに設けられた第1の孔部であり、
    第1の被係止部材は、前記第1の孔部に挿入される状態および前記第1の孔部から引き抜かれた状態に移動可能に設けられた第1のピン部材であり、
    前記第2の係止部は、前記第2のカムシャフトに設けられた第2の孔部であり、
    前記第2の被係止部材は、前記第2の孔部に挿入される状態および前記第2の孔部から外れる状態に移動可能に設けられた第2のピン部材であることを特徴とする請求項2記載のバルブタイミング制御装置。
  4. 前記位相変更機構は、
    前記第1のカムシャフトに対する前記第2のカムシャフトの回転動作を前記第1の位相と前記第2の位相との間の範囲に規制する規制手段をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載のバルブタイミング制御装置。
  5. 前記規制手段は、
    前記第1のカムシャフトに対する前記第2のカムシャフトの位相が前記第1の位相から前記第2の位相に変化したときに前記第2のカムシャフトの回転を阻止し、前記第1のカムシャフトに対する前記第2のカムシャフトの位相が前記第2の位相から前記第1の位相に変化したときに前記第2のカムシャフトの回転を阻止する阻止機構を含むことを特徴とする請求項4記載のバルブタイミング制御装置。
  6. 前記阻止機構は、
    前記第2のカムシャフトに円周方向に沿って設けられた溝部と、
    前記回転部材に固定され、前記溝部内で移動可能かつ前記溝部内の両端面に当接可能に設けられた当接部材とを含むことを特徴とする請求項5記載のバルブタイミング制御装置。
  7. 第1および第2のバルブを有するエンジンと、
    前記エンジンの回転数に応じて第1および第2のバルブの開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御装置とを備え、
    前記バルブタイミング制御装置は、
    前記エンジンの回転に連動して回転可能に設けられた回転部材と、
    前記第1のバルブに当接するように設けられ、前記回転部材とともに回転することにより前記第1のバルブを開閉する第1のカムシャフトと、
    前記第2のバルブに当接するとともに前記第1のカムシャフトに対して相対的に回転可能に設けられ、前記回転部材とともに回転することにより前記第2のバルブを開閉する第2のカムシャフトと、
    前記第1のカムシャフトに対する前記第2のカムシャフトの位相を第1の位相と第2の位相とに変更する位相変更機構とを備え、
    前記位相変更機構は、
    前記第1のカムシャフトに対して前記第2のカムシャフトが前記第1の位相を有する状態で前記第2のカムシャフトを係止する第1の係止機構と、
    前記第1のカムシャフトに対して前記第2のカムシャフトが前記第2の位相を有する状態で前記第2のカムシャフトを係止する第2の係止機構とを含み、
    前記第1の係止機構は、前記第2のカムシャフトを係止する方向に付勢されるとともに、遠心力により前記第2のカムシャフトの係止を解除する方向に移動可能に設けられ、
    前記第2の係止機構は、前記第2のカムシャフトの係止を解除する方向に付勢されるとともに、遠心力により前記第2のカムシャフトを係止する方向に移動可能に設けられたことを特徴とするエンジン装置。
  8. 請求項7記載のエンジン装置と、
    駆動輪と、
    前記エンジン装置により発生される動力を前記駆動輪に伝達する伝達機構とを備えることを特徴とする車両。
JP2004365549A 2004-12-17 2004-12-17 バルブタイミング制御装置ならびにそれを備えるエンジン装置および車両 Withdrawn JP2006170117A (ja)

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