JP2836427B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents

可変バルブタイミング装置

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JP2836427B2 JP7050193A JP7050193A JP2836427B2 JP 2836427 B2 JP2836427 B2 JP 2836427B2 JP 7050193 A JP7050193 A JP 7050193A JP 7050193 A JP7050193 A JP 7050193A JP 2836427 B2 JP2836427 B2 JP 2836427B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸・排気バルブの開閉時
期を内燃機関の運転状態に応じて調整する可変バルブタ
イミング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の運転状態に応じて
カムシャフトの回転位相を変化させて、吸気バルブの開
閉時期を早めたり遅らせたりする可変バルブタイミング
装置がある。その一つとして、本出願人が先に提案した
技術がある(特願平3−28935号)。
【0003】この技術では、図13に示すように、吸気
バルブ駆動用のカムシャフト71の外周にタイミングプ
ーリ72が回動可能に設けられている。カムシャフト7
1の前端(図の左端)に固定されたケース73とタイミ
ングプーリ72との間には、内外周面にヘリカルスプラ
イン74a,74bを有するリングギヤ74が介在され
ている。リングギヤ74の前端側の圧力室75とオイル
ポンプ76とは供給路77によって相互に連通されてお
り、オイルポンプ76から吐出された作動油78の油圧
がリングギヤ74に前側から加えられる。この油圧に対
向して、リングギヤ74には後側からコイルスプリング
79の付勢力が加えられる。
【0004】圧力室75への供給油量(油圧)を調整す
るために、供給路77の途中に電磁弁よりなる第1油圧
制御弁81が設けられている。第1油圧制御弁81の開
閉動作はコンピュータ(図示しない)によって制御され
る。前記開閉動作により油圧が調整されてリングギヤ7
4が前後方向へ移動され、タイミングプーリ72の回転
がヘリカルスプライン74a,74bを介してカムシャ
フト71に伝達される。その結果、タイミングプーリ7
2とカムシャフト71とが相対回動し、同タイミングプ
ーリ72に対するカムシャフト71の回転位相が変化
し、吸気バルブの開閉時期が調整される。
【0005】さらに、上記技術では、吸気バルブの開閉
時期調整時にリングギヤ74がケース73の内周面及び
タイミングプーリ72の外周面を摺動する。カムシャフ
ト71等には、圧力室75とオイルパン82とを連通さ
せる排出路83が形成されている。排出路83の圧力室
75側端部は、リングギヤ74の移動範囲の中間位置に
対応する前記摺動部分に開口している。
【0006】排出路83の途中には、電磁弁よりなる第
2油圧制御弁84が設けられている。第2油圧制御弁8
4の開閉動作は、コンピュータ(図示しない)によって
次のように制御される。リングギヤ74が油圧により最
大量移動して後端部に保持されるときには、排出路83
を閉じるための信号がコンピュータから第2油圧制御弁
84へ出力される。また、リングギヤ74が移動範囲の
中間位置へ移動するときには、排出路83を開くための
信号がコンピュータから第2油圧制御弁84へ出力され
る。コンピュータからの信号に応答して、第2油圧制御
弁84が開弁・閉弁する。
【0007】この技術によると、リングギヤ74の前端
に油圧が加えられないと、同リングギヤ74はコイルス
プリング79の付勢力により移動範囲の前端部に保持さ
れる。
【0008】前記リングギヤ74の前端に油圧が加えら
れ、かつ第2油圧制御弁84が開かれると、同リングギ
ヤ74は油圧により後方へ移動する。すると、ヘリカル
スプライン74a,74bの作用によりタイミングプー
リ72とカムシャフト71との間に捩じり力が付与され
る。その結果、タイミングプーリ72及びカムシャフト
71が相対回動して同カムシャフト71の回転位相が変
化する。
【0009】リングギヤ74が排出路83の開口部分を
過ぎると、作動油78は同開口部分から流出し油圧が低
下する。すると、コイルスプリング79によりリングギ
ヤ74は前方へ押し戻され、開口部分を閉じる。開口部
分を閉じると前記のようにリングギヤ74が後方へ移動
する。このサイクルを繰り返して移動範囲の中間位置に
リングギヤ74が保持される。
【0010】前記リングギヤ74の前端に油圧が加えら
れ、かつ第2油圧制御弁84が閉じられると、同リング
ギヤ74は油圧により移動範囲の後端部まで移動する。
このようにリングギヤ74が移動範囲の3つの位置に選
択的に保持され、カムシャフト71の回転位相が3段階
に切換えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記の技術では、リン
グギヤ74を移動範囲の中間位置に保持するために、圧
力室75とオイルパン82とを連通させる排出路83を
設け、リングギヤ74が油圧により最大量移動して後端
部に保持されるときに排出路83を閉塞し、リングギヤ
74が移動範囲の中間位置へ移動するときに排出路83
を開放するという構成を採っている。そして、この排出
路83の開閉のために、同排出路83の途中に第2油圧
制御弁84を設け、その開閉作動をコンピュータによっ
て制御している。
【0012】ところが、前記の第2油圧制御弁84とし
て用いられる電磁弁は一般に構造が複雑で重く、しかも
比較的大きい。また、第2油圧制御弁84はコンピュー
タからの信号を受けないと開閉動作しない。このため、
第2油圧制御弁84を追加したことにより、カムシャフ
ト71の中間の回転位相を得ることが可能となる反面、
可変バルブタイミング装置全体が複雑化及び大型化する
とともに、重量も増加する。また、コンピュータによる
可変バルブタイミング装置の制御も複雑となってしま
う。
【0013】さらに、前記従来技術では、リングギヤ7
4が中間位置に保持されるときに作動油78が多量に排
出される構成のため、リングギヤ74の中間位置保持が
多用された場合には油圧が低下しやすくなる。また、作
動油78の供給と排出のバランスによりリングギヤ74
が中間位置に保持され、カムシャフト71が中間回転位
相に保持されるため、回転位相の安定性に改善の余地が
ある。
【0014】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、油圧制御弁を使用することなく
簡単な構成でリングギヤを移動範囲の中間位置に保持さ
せて、カムシャフトの安定した中間回転位相を得ること
が可能な可変バルブタイミング装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトの外
周に設けられ、かつ同内燃機関の作動にともない回転駆
動されるプーリと、前記カムシャフト及びプーリ間に同
カムシャフトの軸線方向への往復動可能に設けられ、前
記カムシャフト及びプーリの各スプラインに噛み合うス
プラインを自身の内外周面に有し、かつ少なくともその
一方がヘリカルスプラインである円筒状リングギヤと、
前記リングギヤの一端側の圧力室へ加圧流体供給源から
の流体を導き、その流体圧を前記リングギヤに作用させ
るための供給路と、前記リングギヤの他端側の背圧室内
に配設され、同リングギヤを前記流体圧とは反対方向へ
付勢する付勢部材とを備え、前記加圧流体供給源からの
流体圧と、付勢部材の付勢力及び背圧室内の作動油の背
圧とにより、リングギヤをカムシャフトの軸線方向へ移
動させ、プーリの回転をヘリカルスプラインにてカムシ
ャフトに伝達し、同プーリに対するカムシャフトの回転
位相を変化させてバルブの開閉時期を調整するようにし
た可変バルブタイミング装置において、前記カムシャフ
トとリングギヤとの間、及びリングギヤとプーリとの間
に設けられ、バルブの開閉時期調整時に同リングギヤが
摺動する摺動部と、前記摺動部に面して開口する開口部
を有し、リングギヤが移動範囲の中間位置へ移動したと
きに、前記開口部がリングギヤにより閉塞される背圧逃
がし通路と、前記摺動部の少なくとも背圧逃がし通路の
開口部よりも背圧室底部寄りで開口する背圧調整通路
と、前記カムシャフトに一体回転可能に取付けられ、機
関回転数が所定値よりも低いときには弁体にて背圧調整
通路を開放し、かつ機関回転数が所定値以上のときに
は、カムシャフトの回転にともない発生する遠心力によ
り弁体を移動させて背圧調整通路を閉塞するガバナバル
ブとを設けている。
【0016】
【作用】加圧流体供給源によって加圧された流体が供給
路を介して圧力室に導かれず、リングギヤに流体圧が加
えられないときには、同リングギヤは付勢部材の付勢力
により移動範囲の一端部に保持される。
【0017】この状態で、加圧流体供給源による流体の
供給が開始されると、リングギヤに流体圧が加わる。圧
力室へ供給された流体の一部はリングギヤとカムシャフ
トとの間や、リングギヤとプーリとの間を通り背圧室内
へ入り込む。この作動油は、前記流体圧に対向する背圧
としてリングギヤに作用する。
【0018】このとき、機関回転数が所定値よりも低
く、ガバナバルブの弁体に作用する遠心力が小さいと、
背圧調整通路が同弁体によって開放される。また、リン
グギヤが移動範囲の一端部に保持されていることから、
背圧逃がし通路の開口部はリングギヤによって閉塞され
ず開放されている。これらの開放により、背圧室内の作
動油は背圧調整通路及び背圧逃がし通路から流出可能で
あるので、リングギヤに加わる背圧はわずかである。こ
のため、リングギヤはカムシャフトの軸線方向の一端部
から他端部へ向けて移動する。
【0019】前記移動によりリングギヤが移動範囲の中
間位置まで移動すると、そのリングギヤにより背圧逃が
し通路の開口部が閉塞され、背圧室内の作動油の背圧逃
がし通路からの流出が遮断される。このとき、機関回転
数が依然として所定値よりも低いと、背圧調整通路がガ
バナバルブによって開放されたままである。従って、背
圧室内の作動油が背圧調整通路から流出され続け、リン
グギヤは他端部まで移動する。
【0020】前記のようにリングギヤが移動すると、ヘ
リカルスプラインの作用によりプーリとカムシャフトと
の間に捩じり力が付与される。その結果、プーリ及びカ
ムシャフトが相対回動してプーリに対するカムシャフト
の回転位相が変化し、バルブの開閉時期が進角側あるい
は遅角側へ調整される。
【0021】リングギヤが前記一端部に保持された状態
で加圧流体供給源から圧力室に流体が供給され、しか
も、機関回転数が所定値以上となり、ガバナバルブの弁
体に作用する遠心力が大きくなると、背圧調整通路が同
弁体によって閉塞される。この閉塞により、背圧室内の
作動油の背圧調整通路からの流出が遮断される。
【0022】背圧逃がし通路からの作動油の流出に基づ
く背圧低下により、リングギヤが移動範囲の中間位置へ
移動し、このリングギヤによって背圧逃がし通路の開口
部が閉塞されると、同背圧逃がし通路からの作動油の流
出が遮断される。この遮断により背圧が上昇する。この
背圧と付勢部材の付勢力とによりリングギヤが一端部側
へ押し戻され、背圧逃がし通路の開口部を開放する。開
口部を開放すると前記のようにリングギヤが他端部側へ
移動する。このサイクルを繰り返して移動範囲の中間位
置にリングギヤが保持される。
【0023】リングギヤが一端部から中間位置へ移動す
ると、前記と同様にしてヘリカルスプラインの作用によ
りプーリとカムシャフトとの間に捩じり力が付与され
る。その結果、プーリ及びカムシャフトが相対回動して
同プーリに対するカムシャフトの回転位相が中間回転位
相へ変化する。この際の回転位相の変化量は、リングギ
ヤが一端部から他端部へ移動する場合の変化量よりも少
ない。このため、バルブの開閉時期は、リングギヤが一
端部に保持されるときの開閉時期と、他端部に保持され
るときの開閉時期との中間の時期となる。
【0024】前記リングギヤが移動範囲の他端部に保持
された状態から中間位置へ移動する場合、あるいは移動
範囲の一端部へ移動する場合には、前記と逆の動作が行
われる。
【0025】このように、本発明ではカムシャフトの回
転数の上昇に応じて増大する遠心力によってガバナバル
ブの弁体が受動的に移動し、その移動によって背圧調整
通路が開閉される。このため、背圧調整通路の途中に電
磁弁等からなる油圧制御弁を設け、この弁の開閉動作を
制御しなくても、加圧流体供給源から圧力室への供給通
路の開閉を制御するだけで、カムシャフトの中間回転位
相が得られる。また、背圧調整通路を開閉するための構
成が少ない部品点数で得られる。
【0026】さらに、リングギヤが中間位置に保持され
る際には、作動油の供給と排出のバランスが利用され
ず、背圧室内での背圧の有無が利用されている。この背
圧は、圧力室から背圧室へ漏れ出た作動油によるもので
ある。このため、リングギヤの中間位置保持のために背
圧逃がし通路から流出する作動油の量は、作動油の供給
と排出のバランスを利用した場合に排出路から排出され
る作動油の量に比較して少ない。従って、カムシャフト
の中間回転位相が多用されても油圧の低下が起こりにく
く、安定した中間回転位相の保持が可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図8に従って説明する。図2に示すように、内燃機関と
してのガソリンエンジンのシリンダヘッド1には、前後
(図の左右)方向へ延びるカムシャフト本体2が設けら
れている。カムシャフト本体2の外周にはジャーナル部
2aが形成され、このジャーナル部2aにおいてカムシ
ャフト本体2が、シリンダヘッド1とベアリングキャッ
プ3とによって回転可能に支承されている。カムシャフ
ト本体2の外周において、ジャーナル部2aの後側には
吸気バルブ駆動用のカム2bが形成されている。カムシ
ャフト本体2の前端には、後面を開放した略円筒状のケ
ース4がボルト5で締付固定されている。本実施例で
は、これらのカムシャフト本体2、ケース4及びボルト
5により吸気側のカムシャフトCが構成されている。カ
ムシャフト本体2の前端部外周には、タイミングプーリ
6が回転可能に設けられている。タイミングプーリ6に
はタイミングベルト8が掛装され、エンジンのクランク
シャフト(図示しない) の回転がタイミングベルト8を
介してタイミングプーリ6に伝達される。
【0028】前記タイミングプーリ6のボス部7とケー
ス4とによって環状空間9が形成されている。環状空間
9内には、ほぼ円筒状をなすリングギヤ11が配設され
ている。このリングギヤ11によりタイミングプーリ6
とケース4とが駆動連結されている。すなわち、リング
ギヤ11の前端内周及び外周にはそれぞれヘリカルスプ
ライン11a,11bが形成されている。一方、前記ボ
ス部7の前端外周及びケース4の内周にはヘリカルスプ
ライン7a,4bが形成されている。そして、ヘリカル
スプライン11a,7aが相互に噛み合い、ヘリカルス
プライン11b,4bが相互に噛み合っている。
【0029】従って、クランクシャフトの回転がタイミ
ングベルト8を介してタイミングプーリ6に伝達される
と、その回転はリングギヤ11を介してケース4に伝達
される。この伝達により、カムシャフト本体2がケース
4と一体回転して吸気バルブを開閉駆動する。
【0030】前記環状空間9におけるリングギヤ11の
前側は圧力室12となっている。この圧力室12には流
体としての作動油10が供給される。すなわち、カムシ
ャフト本体2の前端部、シリンダヘッド1等には作動油
10の供給路13が形成されている。供給路13の一端
は前記圧力室12と連通し、他端は加圧流体供給源とし
てのオイルポンプ14を介しオイルパン15に接続され
ている。オイルポンプ14はクランクシャフトに駆動連
結されており、エンジンの作動に連動してオイルパン1
5内の作動油10を汲み上げ、吐出する。吐出された作
動油10は供給路13を通って圧力室12内へ供給され
る。この供給により、リングギヤ11に流体圧としての
油圧が作用する。
【0031】一方、前記環状空間9におけるリングギヤ
11の後側は背圧室16となっており、この背圧室16
には、付勢部材としてのコイルスプリング17が圧縮状
態で収容されている。コイルスプリング17は前記リン
グギヤ11を常に前方へ付勢している。そして、前記リ
ングギヤ11の前側から作用する油圧と、後側から作用
する背圧及び付勢力とが釣り合うように、同リングギヤ
11が回転をともないながら前後方向へ往復動する。
【0032】ケース4において圧力室12の前端に相当
する箇所は、リングギヤ11が最も前進したときに、そ
れ以上の前進を阻止するための前部ストッパ18となっ
ている。また、タイミングプーリ6において背圧室16
の後端に相当する箇所は、リングギヤ11が最も後退し
たときに、それ以上の後退を阻止するための後部ストッ
パ19となっている。
【0033】前記リングギヤ11の後部内周面は、前記
ボス部7の後部外周面に摺動可能に密接している。リン
グギヤ11の後端外周面は、ケース4の後部内周面に摺
動可能に密接している。両密接部分によって摺動部が構
成され、圧力室12内の作動油10が背圧室16へ漏出
するのが抑制されている。
【0034】前記供給路13とオイルポンプ14との間
には油圧制御弁21が設けられている。この油圧制御弁
21は、供給路13を開閉してリングギヤ11の保持位
置を切り換えるためのものである。ここでの保持位置と
は、リングギヤ11が前部ストッパ18に当接してカム
シャフトCの回転位相が最も遅くなる遅角位置(図5参
照)、リングギヤ11が後部ストッパ19に当接してカ
ムシャフトCの回転位相が最も早められる進角位置(図
7参照)、両者間にリングギヤ11が保持されてカムシ
ャフトCの回転位相が中間の回転位相となる第1中間位
置(図1,2参照)及び第2中間位置(図6参照)の四
つの位置である。
【0035】前記油圧制御弁21は、スプリングリター
ン形の3ポート2位置電磁切換弁である。油圧制御弁2
1のポート22はオイルポンプ14に接続され、ポート
23は供給路13に接続され、ポート24はオイルパン
15に接続されている。この油圧制御弁21は、ソレノ
イドが消磁されたとき図5で示す第1切換え位置21a
を採り、ポート23,24間を連通させる。また、油圧
制御弁21は、ソレノイドが励磁されたとき図1で示す
第2切換え位置21bを採り、ポート22,23間を連
通させる。
【0036】図1に示すように、前記タイミングプーリ
6のボス部7、カムシャフト本体2内、シリンダヘッド
1等には、背圧逃がし通路25が設けられている。背圧
逃がし通路25の一端部(背圧室16側端部)は、ボス
部7の外周面において、リングギヤ11の移動範囲の中
間位置に対応する箇所に開口している。また、背圧逃が
し通路25の他端部はオイルパン15に接続されてい
る。そして、ボス部7の外周面に開口する背圧逃がし通
路25の開口部25aは、リングギヤ11が移動範囲の
うちの遅角位置と第1中間位置近傍との間にあるとき開
放される。この開放時には、背圧室16内の作動油10
が開口部25aから背圧逃がし通路25内へ流入し、オ
イルパン15へ戻される。この作動油10の流れによ
り、リングギヤ11に加わる背圧が低下する。また、前
記開口部25aは、リングギヤ11が移動範囲のうちの
第1中間位置と進角位置との間にあるとき、同リングギ
ヤ11によって閉塞される。この閉塞時には、背圧室1
6内の作動油10の背圧逃がし通路25内への流入が阻
止され、背圧の低下がない。
【0037】前記タイミングプーリ6のボス部7、カム
シャフト本体2等には、第1背圧調整通路26が設けら
れている。第1背圧調整通路26の一端部(背圧室16
側端部)は、ボス部7の外周面において、背圧室16の
底部16aと対応する箇所に開口している。また、第1
背圧調整通路26の他端部はオイルパン15に接続され
ている。そして、第1背圧調整通路26の開放時には、
背圧室16内の作動油10が開口部26aから第1背圧
調整通路26内へ流入し、オイルパン15へ戻されるよ
うになっている。
【0038】カムシャフト本体2におけるジャーナル部
2a後方には第1ガバナバルブ27が取付けられてい
る。図3に示すように、カムシャフト本体2の外周であ
って、前記ジャーナル部2aとカム2bとの間にはバル
ブ取付穴28が穿設されている。バルブ取付穴28の内
周面には第1背圧調整通路26の途中箇所が開口してお
り、背圧室16内の作動油10が第1背圧調整通路26
を通ってバルブ取付穴28内へ流入可能である。
【0039】前記バルブ取付穴28内には、有底円筒状
をなすバルブホルダ29が螺合により締付固定されてい
る。バルブホルダ29の周壁29a及び底壁29bに
は、同バルブホルダ29の内外を連通する孔31,32
がそれぞれ透設されている。これらのバルブ取付穴2
8、孔31、32は第1背圧調整通路26の一部を構成
している。
【0040】バルブホルダ29内には弁体33がカムシ
ャフト本体2の半径方向への往復動可能に収容されてい
る。弁体33の往復動は、バルブホルダ29に係止され
たスナップリング34と、同バルブホルダ29に形成さ
れた段差部29cとの間で行われる。バルブホルダ29
内には、コイルスプリング35が圧縮状態で配設されて
いる。このコイルスプリング35は、孔31を開放する
方向(この場合、半径方向内方)へ常に弁体33を付勢
している。
【0041】上記構成の第1ガバナバルブ27は、カム
シャフトCの回転数に応じて受動的に第1背圧調整通路
26を開閉する。すなわち、エンジンの作動にともなっ
てカムシャフト本体2が回転すると、前記弁体33に作
用する遠心力により、同弁体33がバルブホルダ29に
沿って半径方向外方(図3の上方)へ移動しようとす
る。この際の遠心力とコイルスプリング35の付勢力と
が釣り合う位置まで、弁体33が移動する。本実施例で
は、エンジン回転数NEが第1設定回転数(NE)aよ
りも低いときには、弁体33によって孔31が開かれ、
エンジン回転数NEが前記第1設定回転数(NE)a以
上のときには、弁体33によって孔31が閉じられるよ
うに、第1ガバナバルブ27の各構成部材の形状、大き
さ、質量等が設定されている。
【0042】さらに、図1に示すように、前記タイミン
グプーリ6のボス部7、カムシャフト本体2等には、第
2背圧調整通路36が設けられている。第2背圧調整通
路36の一端部(背圧室16側端部)は、ボス部7の外
周面において、背圧逃がし通路25の開口部25aと、
第1背圧調整通路26の開口部26aとの間で開口して
いる。また、第1背圧調整通路26の他端部はオイルパ
ン15に接続されている。そして、第2背圧調整通路3
6の開放時には、背圧室16内の作動油10が開口部3
6aから第2背圧調整通路36内へ流入し、オイルパン
15へ戻されるようになっている。
【0043】カムシャフト本体2におけるジャーナル部
2a後方には、前記第1ガバナバルブ27と対向して第
2ガバナバルブ37が取付けられている。第2ガバナバ
ルブ37はバルブホルダ38、弁体39、コイルスプリ
ング41等を備えている。これらの第2ガバナバルブ3
7の各構成部材は、前記第1ガバナバルブ27の各構成
部材とほぼ同一であるので、ここでは説明を省略する。
ただし、第2ガバナバルブ37では、エンジン回転数N
Eが第2設定回転数(NE)bよりも低いときには、弁
体39によって第2背圧調整通路36が開かれ、エンジ
ン回転数NEが前記第2設定回転数(NE)b以上のと
きには、弁体39によって第2背圧調整通路36が閉じ
られるように、第2ガバナバルブ37の各構成部材の形
状、大きさ、質量等が設定されている。ただし、第2設
定回転数(NE)bは第1設定回転数(NE)aよりも
低い値である。
【0044】なお、前記タイミングプーリ6に対しカム
シャフト本体2が回動する際には、リングギヤ11にバ
ックラッシが生じるが、そのバックラッシに基づくガタ
ツキはビスカスカップリング42の作用により緩衝され
て異音の発生が抑えられる。このビスカスカップリング
42は、前記タイミングプーリ6に圧入固定されたアウ
タプレート43と、ケース4の外周に形成されたインナ
プレート44とからなり、両者43,44の間に高粘度
の粘性流体が封入されている。
【0045】前記油圧制御弁21の作動を制御するため
に電子制御装置(ECU)45が設けられている。EC
U45の入力側には、エンジン回転数NEを検出する回
転数センサ46が接続されるとともに、吸気通路を通じ
てエンジンへ吸入される空気の量(吸入空気量Q)を検
出するエアフロメータ47が接続されている。また、E
CU45の出力側には前記油圧制御弁21が接続されて
いる。ECU45は前記回転数センサ46及びエアフロ
メータ47からの各検出信号に基づき、そのときのエン
ジン負荷Q/Nを算出し、その算出値が所定値(Q/
N)a 未満のときには油圧制御弁21のソレノイドを消
磁し、所定値(Q/N)a 以上のときには前記ソレノイ
ドを励磁するための信号をそれぞれ出力するようになっ
ている(図4参照)。
【0046】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を説明する。図5は、エンジン負荷Q/N
が所定値(Q/N)a 未満であるとき(図4の第1領域
Z1のとき)の可変バルブタイミング装置の状態を示し
ている。この状態では、ECU45からの信号により、
ソレノイドが消磁されて油圧制御弁21が第1切換え位
置21aを採っている。オイルポンプ14からの作動油
10は供給路13を介して圧力室12側へは供給され
ず、圧力室12内の作動油10が供給路13、油圧制御
弁21を通ってオイルパン15へ流出可能である。従っ
て、リングギヤ11には作動油10の油圧がほとんど加
わらず、リングギヤ11はコイルスプリング17によっ
て前方へ付勢されてケース4の前部ストッパ18に押し
付けられている(遅角位置)。
【0047】この際の吸気バルブの開閉タイミングは図
8の特性線L1で示すようになり、バルブオーバラップ
がない。このため、アイドル回転の安定性が良い。さら
に吸気バルブの閉じ時期が遅くポンピング損失が低減さ
れるので、低負荷時における燃料消費の低減を図ること
ができる。
【0048】なお、このときにはエンジン回転数NEの
高低に応じて、第1ガバナバルブ27の弁体33が移動
して第1背圧調整通路26を開閉するとともに、第2ガ
バナバルブ37の弁体39が移動して第2背圧調整通路
36を開閉する。しかし、背圧逃がし通路25の開口部
25aがリングギヤ11によって開放されており、ここ
から背圧室16内の作動油10の流出が可能であるの
で、リングギヤ11に加わる背圧はわずかである。この
ため、両ガバナバルブ27,37による背圧調整通路2
6,36の開閉は吸気バルブの開閉タイミングに影響を
及ぼさない。従って、エンジン回転数NEの高低にかか
わらず、エンジン負荷Q/Nのみによって吸気バルブの
開閉タイミングが決定される。
【0049】図5の低負荷状態からエンジンの作動状態
が変化し、エンジン負荷Q/Nが所定値(Q/N)a 以
上で、かつエンジン回転数NEが第1設定回転数(N
E)a未満の第2領域Z2(図4参照)へ移行した場
合、つまり、低回転高負荷状態となった場合、可変バル
ブタイミング装置は次のように作動する。
【0050】ECU45は油圧制御弁21のソレノイド
を励磁させるための信号を出力する。この信号により、
油圧制御弁21の状態が第1切換え位置21aから第2
切換え位置21bに切り換わる(図7参照)。このた
め、オイルポンプ14から吐出された作動油10は、供
給路13を介して圧力室12へ供給される。供給された
作動油10の一部は圧力室12から漏れ出て、リングギ
ヤ11のヘリカルスプライン11aとボス部7のヘリカ
ルスプライン7aとの噛み合い部分を通り、リングギヤ
11とボス部7との間の摺動部を通り、背圧室16内へ
入り込む。また、圧力室12から漏れ出した作動油10
は、リングギヤ11のヘリカルスプライン11bとケー
ス4のヘリカルスプライン4bとの噛み合い部分を通
り、リングギヤ11とケース4と間の摺動部を通り、背
圧室16内へ入り込む。この作動油10は油圧に対向す
る背圧としてリングギヤ11に作用する。
【0051】このときにはエンジン回転数NEが低いこ
とから、カムシャフトCの回転数も低く、両ガバナバル
ブ27,37の各弁体33,39に作用する遠心力が小
さい。そして、この遠心力がコイルスプリング35,4
1の付勢力を下回っていると、弁体33,39が両背圧
調整通路26,36を開放する。背圧逃がし通路25の
開口部25aは依然として開放されている。このため、
背圧室16内の作動油10は背圧逃がし通路25、第1
背圧調整通路26、第2背圧調整通路36から流出可能
であり、リングギヤ11には背圧がほとんど加わらな
い。
【0052】前記圧力室12への作動油10供給によ
り、リングギヤ11に加わる油圧がコイルスプリング1
7の付勢力及び背圧に打ち勝つと、ヘリカルスプライン
11a,7a,11b,4bの作用により、リングギヤ
11が回転しながら後方へ移動する。この後方への移動
の途中で、リングギヤ11の後部内周面は、背圧逃がし
通路25の開口部25a、第2背圧調整通路36の開口
部36aを順に閉塞する。また、前記の回転をともなう
リングギヤ11の移動により、ケース4及びタイミング
プーリ6に捩じり力が付与され、カムシャフト本体2と
タイミングプーリ6とが相対回転する。この相対回転
は、図7に示すようにリングギヤ11がタイミングプー
リ6の後部ストッパ19に押し付けられたところで停止
される。
【0053】このときの吸気バルブの開閉タイミングは
図8の特性線L4で示される。このタイミングでは吸気
バルブの閉弁時期が早められて、低回転域でシリンダ内
に吸い込まれた混合気が戻されにくくなる。その結果、
低回転域の吸気充填効率が高められ、低速域でのトルク
の向上が得られる。
【0054】エンジンが、図5の状態(図4の第1領域
Z1)で作動していて、エンジン負荷Q/Nが所定値
(Q/N)a 以上であり、エンジン回転数NEが第1設
定回転数(NE)a以上かつ第2設定回転数(NE)b
未満である状態(図4の第3領域Z3)へ移行した場
合、つまり、中回転高負荷状態となった場合、可変バル
ブタイミング装置は図6に示すように作動する。
【0055】この場合、ソレノイドの励磁により、油圧
制御弁21が第1切換え位置21aから第2切換え位置
21bに切り換わるので、オイルポンプ14からの作動
油10が圧力室12へ供給される。また、エンジン回転
数NEが高くなっていることから、両ガバナバルブ2
7,37の各弁体33,39に作用する遠心力が大きく
なっている。そして、弁体33に作用する遠心力がコイ
ルスプリング35の付勢力を上回ると、同弁体33が半
径方向外方へ移動し、それまで開放していた孔31(第
1背圧調整通路26)を閉塞する。また、弁体39に作
用する遠心力がコイルスプリング41の付勢力を下回っ
ていると、弁体39は依然として第2背圧調整通路36
を開放し続ける。
【0056】すると、作動油10の供給によりリングギ
ヤ11が後方へ移動するが、その途中で、リングギヤ1
1は開放していた背圧逃がし通路25の開口部25aを
閉塞する。開口部25aが閉塞されても、開口部36a
が開放され、しかも第2ガバナバルブ37が開弁状態と
なっているので、背圧室16内の作動油10は第2背圧
調整通路36からオイルパン15へ流出可能である。こ
のため、開口部25aの閉塞後もリングギヤ11が後方
へ移動する。そして、この移動によりリングギヤ11が
開口部36aを閉塞すると、背圧室16が閉空間とな
り、それまで許容されていた第2背圧調整通路36から
の作動油10の流出が遮断される。つまり、背圧室16
内の作動油10の背圧が低下から上昇へ転ずる。背圧の
上昇により、リングギヤ11が前方へ戻されると開口部
36aが開放される。このような開口部36aの開閉に
より背圧室16内での背圧が調整され、リングギヤ11
が第2中間位置に保持される。このときの吸気バルブの
開閉タイミングは図8の特性線L3で示される。
【0057】エンジンが、図5の状態(図4の第1領域
Z1)で作動していて、エンジン負荷Q/Nが所定値
(Q/N)a 以上であり、エンジン回転数NEが第2設
定回転数(NE)b以上である状態(図4の第4領域Z
4)へ移行した場合、つまり、高回転高負荷状態となっ
た場合、可変バルブタイミング装置は図1,2に示すよ
うに作動する。
【0058】この場合、ソレノイドの励磁により、油圧
制御弁21が第1切換え位置21aから第2切換え位置
21bに切り換わるので、オイルポンプ14からの作動
油10が圧力室12へ供給される。また、エンジン回転
数NEが高くなっていることから、両ガバナバルブ2
7,37の各弁体33,39に作用する遠心力が大きく
なっている。そして、弁体33,39に作用する遠心力
がコイルスプリング35,41の付勢力を上回ると、弁
体33,39が半径方向外方へ移動し、それまで開放し
ていた第1背圧調整通路26,36を閉塞する。
【0059】すると、作動油10の供給によりリングギ
ヤ11が後方へ移動するが、その途中で、リングギヤ1
1は背圧逃がし通路25の開口部25aを閉塞する。こ
の閉塞により背圧室16が閉空間となり、それまで許容
されていた背圧逃がし通路25からの作動油10の流出
が遮断される。つまり、背圧室16内の作動油10の背
圧が低下から上昇へ転ずる。背圧の上昇により、リング
ギヤ11が前方へ移動すると開口部25aが開放され
る。このような開口部25aの開閉により背圧室16内
での背圧が調整され、リングギヤ11が第1中間位置に
保持される。このときの吸気バルブの開閉タイミングは
図8の特性線L2で示される。このタイミングでは、特
性線L1のタイミングに比べるとバルブオーバラップを
大きくでき、さらに、吸気慣性によって混合気をより多
くシリンダ内へ取り込むことが可能となり、高出力が得
られる。
【0060】エンジンの作動状態が第2領域Z2、第3
領域Z3、第4領域Z4のいずれかから第1領域Z1へ
移行する際には、ソレノイドの消磁により油圧制御弁2
1が第2切換え位置21bから第1切換え位置21aへ
切り換わり、圧力室12側への作動油10の供給が停止
される。すると、圧力室12内の作動油10が油圧制御
弁21を通ってオイルパン15に戻されて、リングギヤ
11に加わっていた作動油10の油圧が急激に小さくな
る。油圧低下によりリングギヤ11が回転しながら前方
へ移動する。リングギヤ11が前部ストッパ18に当接
したところで、図5の状態に復帰する。
【0061】エンジンの作動状態が、図4の第2領域Z
2から第4領域Z4へ向けて変化した場合、つまり、高
負荷状態のままエンジン回転数NEが上昇した場合、可
変バルブタイミング装置は次のように作動する。
【0062】油圧制御弁21は第2切換え位置21bを
採り続け、圧力室12へ作動油10が供給され続ける。
また、第1ガバナバルブ27の弁体33は、第2領域Z
2では第1背圧調整通路26を開放し、第3領域Z3及
び第4領域Z4では第1背圧調整通路26を閉塞する。
第2ガバナバルブ37の弁体39は、第2領域Z2及び
第3領域Z3では第2背圧調整通路36を開放し、第4
領域Z4では第2背圧調整通路36を閉塞する。
【0063】このため、背圧室16内の作動油10が流
出可能な通路は、第2領域Z2では背圧逃がし通路2
5、第1背圧調整通路26及び第2背圧調整通路36で
あり、第3領域Z3では背圧逃がし通路25及び第1背
圧調整通路26であり、第4領域Z4では背圧逃がし通
路25のみである。従って、第2領域Z2→第3領域Z
3→第4領域Z4の順に移行するのに従い、背圧室16
内の作動油10の流出可能な通路の数が減少する。これ
にともない背圧が上昇する。このため、背圧が極めて小
さな第1領域Z1ではリングギヤ11は後部ストッパ1
9に当接する進角位置(図7)に保持される。第3領域
Z3では、リングギヤ11は開口部36aが開閉される
第2中間位置(図6)に保持される。第4領域Z4で
は、リングギヤ11は開口部25aが開閉される第1中
間位置に保持される。
【0064】一方、エンジンの作動状態が、図4の第4
領域Z4から第2領域Z2へ向けて変化した場合、つま
り、高負荷状態のままエンジン回転数NEが低下した場
合、第4領域Z4→第3領域Z3→第2領域Z2の順に
移行するのに従い、背圧室16内の作動油10の流出可
能な通路の数が減少する。これにともない背圧が低下
し、リングギヤ11は第1領域Z1では進角位置(図
7)に保持され、第3領域Z3では第2中間位置(図
6)に保持され、第4領域Z4では第1中間位置に保持
される。
【0065】このように本実施例では、リングギヤ11
が移動範囲の中間位置へ移動したときに、背圧逃がし通
路25の開口部25aがリングギヤ11によって閉塞さ
れるようにしている。また、少なくとも背圧逃がし通路
25の開口部25aよりも背圧室16の底部16a寄り
で開口する第1背圧調整通路26を設けている。そし
て、カムシャフト本体2に第1ガバナバルブ27を一体
回転可能に取付け、エンジン回転数NEが第1設定回転
数(NE)aよりも低いときには弁体33にて第1背圧
調整通路26を開放し、エンジン回転数NEが第1設定
回転数(NE)a以上のときには、カムシャフト本体2
の回転にともない発生する遠心力により弁体33を移動
させて第1背圧調整通路26を閉じるようにしている。
【0066】このため、排出路83の途中に電磁弁等か
らなる第2油圧制御弁84を設け、この弁の開閉動作を
コンピュータにより制御するようにした従来技術とは異
なり、ECU45によってオイルポンプ14から圧力室
12への供給路13の開閉を制御するだけで、アイドル
安定性や運転領域全体にわたる出力向上に相応したカム
シャフトCの複数(この場合4つ)の回転位相を得るこ
とができる。これにともない、第2油圧制御弁84の使
用及びその開閉動作のための制御がともに不要となり、
その分、ECU45による制御を簡略化できる。さら
に、リングギヤ11が第1中間位置に保持される際に
は、作動油10の供給と排出のバランスが利用されず、
背圧室16内での背圧の有無が利用されている。この背
圧は、圧力室12から背圧室16へ漏れ出た作動油10
によるものである。このため、リングギヤ11の第1中
間位置保持のために背圧逃がし通路25から流出する作
動油10の量は、作動油78の供給と排出のバランスを
利用した場合(従来技術に相当)に排出路83から排出
される作動油78の量に比較して少ない。従って、カム
シャフトCの中間回転位相が多用されても油圧の低下が
起こりにくく、安定した中間回転位相の保持が可能とな
る。
【0067】また、本実施例では第1背圧調整通路26
を開閉するために、バルブホルダ29、弁体33、スナ
ップリング34、コイルスプリング35等の少ない数の
部品からなる第1ガバナバルブ27を用いているだけな
ので、従来の第2油圧制御弁84を用いた場合に比べ軽
量化及び構造の簡略化を図ることができる。また、部品
点数が少ないことから製造コストも低く抑えることがで
きる。
【0068】さらに、本実施例ではカムシャフト本体2
の外周部にバルブ取付穴28を設け、ここに第1ガバナ
バルブ27を取付けているので、これらの部品を設置す
るスペースを新たに確保する必要がない。そのため、第
2油圧制御弁84を用いた場合に比べ、可変バルブタイ
ミング装置をコンパクトにすることができる。
【0069】加えて、カムシャフト本体2の回転にとも
ない発生する遠心力を利用して第1ガバナバルブ27の
弁体33を作動させているので、他の駆動源、例えばオ
イルポンプ14による油圧を用いた場合に比べ作動遅れ
が少なく、第1背圧調整通路26の開閉時の応答性がよ
い。
【0070】また、バルブホルダ38内に弁体33、ス
ナップリング34及びコイルスプリング35が収容され
て、これらが一つのアッセンブリとして構成されてい
る。このため、カムシャフト本体2への第1ガバナバル
ブ27の着脱が容易であり、組付け作業性がよい。バル
ブ取付穴28からバルブホルダ29を取り外して保守点
検を行うことができ、整備性に優れるという効果も奏す
る。
【0071】併せて、本実施例ではボス部7の外周面に
おいて、背圧逃がし通路25の開口部25aと、第1背
圧調整通路26の開口部26aとの間で開口する第2背
圧調整通路36を設け、その途中に第2ガバナバルブ3
7を配設している。このため、リングギヤ11を移動範
囲の2つの中間位置に保持して、カムシャフト本体2の
2つの中間回転位相を得ることができる。
【0072】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)本発明を、1つの中間回転位相を得るタイプの可
変バルブタイミング装置に具体化してもよい。この場合
には、例えば図11に示すように、前記実施例における
第2背圧調整通路36及び第2ガバナバルブ37を省略
する。第1ガバナバルブ27において、第1背圧調整通
路26を弁体33が閉塞する際の第3設定回転数(N
E)cを、図9に示すように、前記実施例での第1設定
回転数(NE)aと第2設定回転数(NE)bとの中間
の値とする。そして、可変バルブタイミング装置の作動
領域として、エンジン負荷Q/Nが所定値(Q/N)a
未満である第5領域Z5と、エンジン負荷Q/Nが所定
値(Q/N)a以上であり、かつエンジン回転数NEが
第3設定回転数(NE)c未満である第6領域Z6と、
エンジン負荷Q/Nが所定値(Q/N)a以上であり、
かつエンジン回転数NEが第3設定回転数(NE)c以
上である第7領域Z7とを設定する。さらに、図10に
示すように、第5領域Z5では特性線L5(図8での特
性線L1に相当)で示される開閉タイミングを設定し、
第7領域Z7では特性線L7(図8の特性線L4に相
当)で示される開閉タイミングを設定し、第6領域Z6
では特性線L6(図8の特性線L2と特性線L3の中
間)で示される開閉タイミングを設定する。
【0073】(2)カムシャフト本体2内部での背圧逃
がし通路25としては、前記実施例のものに限らず、種
々変更してもよい。例えば、図11に示すように、カム
シャフト本体2の外周面とタイミングプーリ6のボス部
7との間に隙間Gを設け、この隙間Gを背圧逃がし通路
25の一部としてもよい。また、図12において破線で
示すように、カムシャフト本体2の略半径方向へ延び、
両端が同カムシャフト本体2の外周面に開口する孔48
を設け、この孔48を背圧逃がし通路25の一部として
もよい。
【0074】(3)本発明を、3つ以上の中間回転位相
を得るタイプの可変バルブタイミング装置に具体化して
もよい。この場合には、中間回転位相の数に応じて背圧
調整通路及びガバナバルブを追加する必要がある。
【0075】(4)前記実施例ではQ/N(エンジン1
回転当たりの吸入空気量)をエンジン負荷とし、その大
きさのみによって油圧制御弁21のソレノイドの励磁・
消磁の切換えを制御するようにしたが、このエンジン負
荷Q/Nにエンジン回転数NEを加えた領域(Q/N−
NE)、すなわち、エンジン回転数NEとエンジン負荷
Q/Nとによって定められる領域で、前記ソレノイドの
励磁・消磁の切換えを制御するようにしてもよい。ま
た、スロットルバルブの開度をエンジン負荷として用
い、そのスロットル開度の大きさによってソレノイドの
励磁・消磁の切換えを制御するようにしてもよい。
【0076】(5)前記実施例において、リングギヤ1
1の内外周のヘリカルスプライン11a,11bのいず
れか一方をカムシャフト本体2の軸線と平行なスプライ
ンに変更してもよい。
【0077】(6)本発明の可変バルブタイミング装置
を排気バルブ用カムシャフトに装着してもよく、このよ
うにすれば排気バルブの開閉タイミングを可変とするこ
とができる。
【0078】(7)ECU45による油圧制御弁21の
ソレノイドの励磁・消磁の状態を前記実施例と逆にして
もよい。 (8)前記実施例におけるリングギヤ11の中間位置
は、摺動部における背圧逃がし通路25の開口部25a
の位置や第2背圧調整通路36の開口部36aの位置を
変更することによって任意に設定することができる。
【0079】(9)前記実施例でのガバナバルブ27,
37の各弁体33,39がそれぞれ背圧調整通路26,
36を閉塞する際のエンジンの設定回転数(NE)a ,
(NE)b は、コイルスプリング35,41のばね荷重
や、弁体33,39の質量や、カムシャフト本体2に対
するガバナバルブ27,37の取付位置を変更すること
によって適宜に調整可能である。
【0080】(10)前記実施例におけるリングギヤ1
1の中間位置とは、同リングギヤ11が移動する部分の
全てを示すもので、各々のエンジンの要求特性に添って
特定の位置に設定可能である。
【0081】(11)各実施例において、供給路13の
途中に圧力センサ又は流量センサを設置し、これらのセ
ンサの検出信号に基づいて油圧制御弁21をフィードバ
ック制御するようにしてもよい。
【0082】(12)前記実施例でのカムシャフト本体
2の回転位相としては、アイドル安定性の向上、ポンピ
ングロスの低減、出力性能向上のほか、排出ガス(NO
x、CO2 等)の低減も考慮して、4つの回転位相の中
から最適な位相を選択してもよい。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、リ
ングギヤが移動範囲の中間位置へ移動したときに開口部
がリングギヤにより閉じられる背圧逃がし通路を設ける
とともに、摺動部の少なくとも背圧逃がし通路の開口部
よりも背圧室底部寄りで開口し、遠心力で開弁するガバ
ナバルブを途中に有する背圧調整通路を設けている。こ
のため、油圧制御弁を用いることなく簡単な構成で背圧
調整通路を開閉し、リングギヤを移動範囲の中間位置に
保持させて、カムシャフトの中間回転位相を得ることが
可能になる。また、カムシャフトの回転数の高低に応じ
て背圧のリリーフの有無が受動的に調整されるので、圧
力室への作動油の供給の制御を行うだけで、カムシャフ
トの中間回転位相を含めたバルブタイミングの調整が可
能となる。また、中間回転位相を得る際には、背圧逃が
し通路の開口部がリングギヤで閉塞されて、作動油の流
出が抑制されるので、その中間回転位相が多用された場
合にも油圧の低下が起こりにくく、安定した中間回転位
相の保持が実現できる。さらには、背圧調整通路及びガ
バナバルブを複数組設けることにより、2つ以上の中間
回転位相の設定も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例において、リング
ギヤが移動範囲の第1中間位置に保持された状態を示す
可変バルブタイミング装置の部分断面図である。
【図2】一実施例において、図1の状態からカムシャフ
ト及び可変バルブタイミング装置が若干回転した状態を
示す部分断面図である。
【図3】一実施例における第1ガバナバルブの拡大断面
図である。
【図4】一実施例の可変バルブタイミング装置の作動領
域を説明する特性図である。
【図5】一実施例において、リングギヤが移動範囲の遅
角位置に保持された状態を示す可変バルブタイミング装
置の部分断面図である。
【図6】一実施例において、リングギヤが移動範囲の第
2中間位置に保持された状態を示す可変バルブタイミン
グ装置の部分断面図である。
【図7】一実施例において、リングギヤが移動範囲の進
角位置に保持された状態を示す可変バルブタイミング装
置の部分断面図である。
【図8】一実施例において、クランク角と吸気バルブの
バルブリフト量との関係、及びクランク角と排気バルブ
のバルブリフト量との関係を示す特性図である。
【図9】第2背圧調整通路及び第2ガバナバルブを省略
した別例の可変バルブタイミング装置の作動領域を説明
する特性図である。
【図10】第2背圧調整通路及び第2ガバナバルブを省
略した別例を示し、クランク角と吸気バルブのバルブリ
フト量との関係、及びクランク角と排気バルブのバルブ
リフト量との関係を示す特性図である。
【図11】第2背圧調整通路及び第2ガバナバルブを省
略した別例の可変バルブタイミング装置の部分断面図で
ある。
【図12】背圧逃がし通路の別例を示す可変バルブタイ
ミング装置の部分断面図である。
【図13】従来の可変バルブタイミング装置の部分断面
図である。
【符号の説明】
4b,7a,11a,11b…ヘリカルスプライン、6
…タイミングプーリ、10…流体としての作動油、11
…リングギヤ、12…圧力室、13…供給路、14…加
圧流体供給源としてのオイルポンプ、16…背圧室、1
6a…底部、17…付勢部材としてのコイルスプリン
グ、25…背圧逃がし通路、25a,26a…開口部、
26…第1背圧調整通路、27…第1ガバナバルブ、3
3…弁体、C…カムシャフト、NE…機関回転数として
のエンジン回転数、(NE)a…所定値としての第1設
定回転数

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトの
    外周に設けられ、かつ同内燃機関の作動にともない回転
    駆動されるプーリと、 前記カムシャフト及びプーリ間に同カムシャフトの軸線
    方向への往復動可能に設けられ、前記カムシャフト及び
    プーリの各スプラインに噛み合うスプラインを自身の内
    外周面に有し、かつ少なくともその一方がヘリカルスプ
    ラインである円筒状リングギヤと、 前記リングギヤの一端側の圧力室へ加圧流体供給源から
    の流体を導き、その流体圧を前記リングギヤに作用させ
    るための供給路と、 前記リングギヤの他端側の背圧室内に配設され、同リン
    グギヤを前記流体圧とは反対方向へ付勢する付勢部材と
    を備え、前記加圧流体供給源からの流体圧と、付勢部材
    の付勢力及び背圧室内の作動油の背圧とにより、リング
    ギヤをカムシャフトの軸線方向へ移動させ、プーリの回
    転をヘリカルスプラインにてカムシャフトに伝達し、同
    プーリに対するカムシャフトの回転位相を変化させてバ
    ルブの開閉時期を調整するようにした可変バルブタイミ
    ング装置において、 前記カムシャフトとリングギヤとの間、及びリングギヤ
    とプーリとの間に設けられ、バルブの開閉時期調整時に
    同リングギヤが摺動する摺動部と、 前記摺動部に面して開口する開口部を有し、リングギヤ
    が移動範囲の中間位置へ移動したときに、前記開口部が
    リングギヤにより閉塞される背圧逃がし通路と、 前記摺動部の少なくとも背圧逃がし通路の開口部よりも
    背圧室底部寄りで開口する背圧調整通路と、 前記カムシャフトに一体回転可能に取付けられ、機関回
    転数が所定値よりも低いときには弁体にて背圧調整通路
    を開放し、かつ機関回転数が所定値以上のときには、カ
    ムシャフトの回転にともない発生する遠心力により弁体
    を移動させて背圧調整通路を閉塞するガバナバルブとを
    設けたことを特徴とする可変バルブタイミング装置。
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