JP2932719B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents

可変バルブタイミング装置

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JP2932719B2
JP2932719B2 JP2893591A JP2893591A JP2932719B2 JP 2932719 B2 JP2932719 B2 JP 2932719B2 JP 2893591 A JP2893591 A JP 2893591A JP 2893591 A JP2893591 A JP 2893591A JP 2932719 B2 JP2932719 B2 JP 2932719B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸・排気バルブの開閉時
期を内燃機関の運転状態に応じて制御する可変バルブタ
イミング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の可変バルブタイミング装
置として、例えば特開昭63−131808号公報に開
示されたものがある。この装置は図6に示すように、バ
ルブ駆動用カムシャフト51の前端部(図の左端部)に
固定されたスリーブ53と、同じくカムシャフト51の
前部に回動可能に外嵌されたプーリ52と、これらのプ
ーリ52及びスリーブ53間に介在された円筒状リング
ギヤ54とを備えている。プーリ52はタイミングベル
ト55を介しクランクシャフトに駆動連結されている。
また、リングギヤ54の内外周にはヘリカルスプライン
54a,54bが形成されており、前記プーリ52及び
スリーブ53のヘリカルスプライン52a,53aに噛
合している。
【0003】前記プーリ52及びスリーブ53によって
囲まれる空間において、リングギヤ54の前側が第1圧
力室56に、後側が第2圧力室57になっている。そし
て、各圧力室56,57に作動油が供給されて、リング
ギヤ54に対し前後両方向から油圧が加えられるように
なっている。すなわち、シリンダヘッド、カムシャフト
51等には第1油圧通路58及び第2油圧通路59が設
けられており、油圧ポンプによってオイルパンから汲み
上げられた作動油が両油圧通路58,59を通って各圧
力室56,57に供給される。各油圧通路58,59の
途中には油圧制御弁61,62が設けられており、その
開閉動作によりリングギヤ54に加わる油圧の大きさが
制御される。
【0004】前記従来の可変バルブタイミング装置にお
いてプーリ52が回転駆動されると、その回転はリング
ギヤ54を介してスリーブ53及びカムシャフト51に
伝達される。この際、各圧力室56,57に作動油を供
給しリングギヤ54に油圧を加えて前後方向へ移動させ
ると、ヘリカルスプライン52a,53a,54a,5
4bの作用により前記プーリ52及びカムシャフト51
が相対回動し、バルブの開閉時期が変えられる。また、
各油圧制御弁61,62を開閉制御することにより、リ
ングギヤ54に加わる油圧を適宜調整して、多数の位相
変化を行わせることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
可変バルブタイミング装置においては、リングギヤ54
の前後両端にそれぞれ油圧を加える構成のため、油圧経
路が複雑になるという問題がある。また、リングギヤ5
4が移動範囲内の中間部に位置するように両方の油圧制
御弁61,62を制御しているので、同制御が複雑化す
るという問題もあった。
【0006】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、リングギヤの両端に流体圧を加
えることなくその位置制御を行うことができるばかりで
なく、弁の開閉制御による複雑な油圧制御を行うことな
く、しかもリングギヤの位置、もしくはプーリとカムシ
ャフトとの相対位相等を検出することなく、リングギヤ
を移動範囲の中間位置に保持することができ、油圧経路
を簡略化することが可能な可変バルブタイミング装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトにプ
ーリを回動可能に外嵌し、これらのカムシャフトとプー
リとの間には、内外周面にスプラインを有し、かつ少な
くともその一方がヘリカルスプラインである円筒状リン
グギヤを介在させ、前記リングギヤの一端側の圧力室に
流体圧を加えるとともに、リングギヤの他端に付勢手段
による付勢力を加え、同リングギヤをカムシャフトの軸
方向へ移動させることにより、プーリの駆動力をヘリカ
ルスプラインにてカムシャフトに伝達し、同リングギヤ
とカムシャフトの回転位相を変化させてバルブの開閉時
期を調整するようにした可変バルブタイミング装置にお
いて、前記圧力室と前記流体の貯溜部とを連通可能な連
通路を形成するとともに、前記カムシャフトとリングギ
ヤとの間、及び同リングギヤとプーリとの間には、前記
圧力室内の流体が付勢手段側へ漏出するのを防止するた
めのシール部をそれぞれ設け、前記連通路の圧力室側端
部は、リングギヤの移動範囲の中間位置に対応する前記
シール部に面して開孔しており、さらに、前記連通路の
途中には、リングギヤの移動範囲のうち流体圧により最
大変位したとき連通路を閉じ、同移動範囲の中間部に位
置するとき同連通路を開く弁を設けている。
【0008】
【作用】リングギヤに流体圧が加わっており、弁を閉じ
ているときには、同リングギヤは流体圧により移動範囲
の端部まで最大変位する。すると、ヘリカルスプライン
の作用によりプーリとカムシャフトとの間に捩じり力が
付与される。その結果、これらのプーリ及びカムシャフ
トが相対回動して回転位相が変化し、バルブの開閉時期
が調整される。
【0009】また、前記リングギヤに流体圧が加わって
おり、弁を開いているときには、同リングギヤは流体圧
により移動するが、孔を過ぎると流体は同孔から流出し
流体圧が低下する。流体圧が低下すると、付勢手段によ
りリングギヤは押し戻され、孔を閉じる。孔を閉じると
前記のようにリングギヤが移動する。このサイクルを繰
り返して移動範囲の略中間位置にリングギヤが停止され
る。
【0010】前記リングギヤに流体圧が加わっていない
ときには、同リングギヤは付勢手段の付勢力により移動
範囲の端部に押し付けられている。このとき弁は開いて
いても閉じていても良いが、電力消費量低減の観点から
は非通電状態であることが好ましい。
【0011】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図5に従って説明する。図1に示すように、エンジンの
シリンダヘッド1には、前後(図の左右)方向へ延びる
吸気バルブ用のカムシャフト2が回転可能に支承されて
いる。このカムシャフト2の前端には、後面を開放した
略円筒状のケース3がボルト4により締付固定されてい
る。同じくカムシャフト2の前端部外周には、タイミン
グプーリ5が回転可能に外嵌されている。タイミングプ
ーリ5にはタイミングベルト8が掛装されており、クラ
ンクシャフト(図示しない) の回転が同タイミングベル
ト8を介してタイミングプーリ5に伝達される。
【0012】前記タイミングプーリ5のボス部6とケー
ス3とによって囲まれた空間内には円筒状をなすリング
ギヤ9が配設され、同リングギヤ9によりタイミングプ
ーリ5とケース3とが駆動連結されている。すなわち、
リングギヤ9の前端内周及び外周にはそれぞれヘリカル
スプライン9a,9bが形成され、前記ボス部6の前端
外周及びケース3の内周に形成されたヘリカルスプライ
ン6a,3bと噛み合っている。
【0013】前記リングギヤ9の前側は圧力室11とな
っており、図2に示すエンジンのオイルパン15内の流
体としての作動油がこの圧力室11に供給されて、リン
グギヤ9に流体圧としての油圧が作用するようになって
いる。また、リングギヤ9とタイミングプーリ5のスト
ッパ部7との間には、付勢手段としての復帰用コイルス
プリング13が圧縮状態で介在されており、リングギヤ
9を常に前方へ付勢している。
【0014】なお、前記リングギヤ9の後部内周面は前
記ボス部6の後部外周面に回動可能に密着するととも
に、同リングギヤ9の後部外周面はケース3の後部内周
面に回動可能に密着し、圧力室11内の作動油がリング
ギヤ9の後側へ漏出するのを防止している。本実施例で
は、前記両密着部分によってシール部が構成されてい
る。
【0015】次に、前記オイルパン15から圧力室11
へ作動油を供給する油圧経路、及び同圧力室11内の作
動油をオイルパン15へ戻すための油圧経路について説
明する。図1及び図2に示すように、前記ケース3前端
のストッパ部3a、カムシャフト2前部、シリンダヘッ
ド1等には作動油の供給通路16が形成されている。同
供給通路16の一端は前記圧力室11と連通し、他端は
オイルポンプ17を介しオイルパン15に接続されてい
る。そして、オイルパン15内の作動油はオイルポンプ
17にて汲み上げられ、供給通路16を通って圧力室1
1内へ圧送されるようになっている。
【0016】前記供給通路16とオイルポンプ17との
間には、3方向油圧制御用ソレノイドバルブよりなる第
1の油圧制御弁18が介在されている。この第1の油圧
制御弁18は、スリーブ19とスプール21とソレノイ
ド(図示しない)とを備えている。スリーブ19は3つ
のポート22,23,24を有し、入口側のポート22
がオイルポンプ17に、出口側のポート23,24が供
給通路16及びオイルパン15にそれぞれ接続されてい
る。スプール21は前記スリーブ19内に摺動可能に配
設されており、ソレノイドの励磁状態に応じて同スリー
ブ19内を往復動する。この往復動により、出口側のポ
ート23,24のいずれか一方が開かれる。ポート23
が開かれると、入口側のポート22からスリーブ19内
へ流入した作動油は、同ポート23を通って供給通路1
6へ導出される。ポート24が開かれると、入口側のポ
ート22からはスリーブ19により油圧が遮断され、圧
力室11へ供給された作動油はコイルスプリング13の
付勢力により供給通路16を通り、さらにポート23を
経てポート23を通ってオイルパン15へ導出される。
【0017】また、前記シール部を構成するボス部6の
外周面及び内周面には環状溝25が形成されている。両
環状溝25は、作動油リーク用の孔26によって相互に
連通されている。一方、カムシャフト2及びシリンダヘ
ッド1には連通路としてのリーク通路27が形成されて
おり、その一端は前記環状溝25と連通し、他端はオイ
ルパン15に接続されている。リーク通路27とオイル
パン15との間には、2方向油圧制御用ソレノイドバル
ブよりなる第2の油圧制御弁28が介在されている。第
2の油圧制御弁28は、前記第1の油圧制御弁18と同
様にスリーブ29とスプール31とソレノイド(図示し
ない)とを備えている。スリーブ29は2つのポート3
2,33を有し、入口側のポート32がリーク通路27
に接続され、出口側のポート33がオイルパン15に接
続されている。スプール31はスリーブ29内に摺動可
能に配設されており、ソレノイドの励磁状態に応じ同ス
リーブ29内を往復動してポート33を開閉する。この
ときポート33が開放されると、リークした作動油がオ
イルパン15に戻される。
【0018】ところで、前記第1及び第2の油圧制御弁
18,28のソレノイドは電子制御装置(ECU)34
によって制御される。すなわち、ECU34の入力側に
は、エンジン回転数を検出する回転数センサ35、エン
ジン負荷としてスロットル弁の開度を検出するスロット
ルセンサ36、冷却水温を検出する水温センサ37、吸
入空気量を検出するエアフロメータ38、及び車速を検
出する車速センサ39が接続されている。また、ECU
34の出力側には、前記第1及び第2の油圧制御弁1
8,28の各ソレノイドが接続されている。そして、E
CU34は前記各種センサからの検出信号に基づきその
ときのエンジンの状態を割出し、前記第1及び第2の油
圧制御弁18,28を駆動するための制御信号を出力す
るようになっている。
【0019】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を説明する。図3はエンジン通常運転時の
可変バルブタイミング装置の状態を示している。この状
態では、ECU34からの制御信号により、第1の油圧
制御弁18及び第2の油圧制御弁28のソレノイドが共
に非励磁状態にある。そのため、第1の油圧制御弁18
及び第2の油圧制御弁28の図示しないスプリングの付
勢力により、スプール21がスリーブ19のポート23
を塞ぐとともに、スプール31がスリーブ29のポート
32を塞いでいる。このため、第1の油圧制御弁18で
は、ポート22からの作動油はスリーブ19により遮断
されどこにも流入しない。また、第2の油圧制御弁28
では、リーク通路27内の作動油がポート32で遮断さ
れてスリーブ29内へ流入しない。従って、このときに
は圧力室11に油圧が加わらず、リングギヤ9はコイル
スプリング13により前方へ付勢されてケース3のスト
ッパ部3aに押し付けられている。
【0020】このときの吸気バルブの開閉タイミングは
図5の特性線L1で示すようになり、バルブオーバーラ
ップが僅かか、もしくはオーバーラップがない状態であ
る。このため、アイドル回転の安定性が良い。さらに吸
気バルブの閉じ時期が遅くポンピング損失が低減される
ので、低負荷時における燃料消費の低減を図ることがで
きる。ただし、この状態では吸気管負圧が十分でなく、
吸入負圧を利用したサーボブレーキシステムに影響があ
る場合には、閉弁時期のやや早いバルブタイミングの図
1の状態に切り換えることも可能である。
【0021】ECU34から出力される制御信号に基づ
き、第2の油圧制御弁28のソレノイドが非励磁状態の
ままで、第1の油圧制御弁18のソレノイドが励磁状態
に切替えられると、図4に示すように、スプール21が
後退してスリーブ19のポート23が開かれる。このた
め、スリーブ19内へ流入した作動油は、供給通路16
を通って圧力室11へ供給される。この供給された作動
油は、環状溝25、孔26、リーク通路27を通ってリ
ークしようとするが、前述のように第2の油圧制御弁2
8のポート32で遮断される。そのため、リングギヤ9
には後方への油圧が作用する。すると、ヘリカルスプラ
イン9a,6a,9b,3bの作用により、リングギヤ
9がコイルスプリング13の付勢力に抗して回転しなが
ら後方へ移動する。これにより、ケース3及びタイミン
グプーリ5に捩じり力が付与され、カムシャフト2とタ
イミングプーリ5とが相対回転する。この相対回転は、
リングギヤ9がタイミングプーリ5のストッパ部7に押
し付けられたところで停止される。このときの吸気バル
ブの開閉タイミングは図5の特性線L3で示すようにな
り、このタイミングでは吸気バルブの閉弁時期が早めら
れて、シリンダ内に吸い込まれた混合気が戻されにくく
なる。その結果、低中速回転域の吸気充填効率が高めら
れ、低中速域トルクの向上が得られる。
【0022】なお、図4の状態から図3の状態へ移行す
る際には前記と逆の動作が行われる。すなわち、第1の
油圧制御弁18のソレノイドを非励磁状態にし、スリー
ブ19のポート22がスプール21で塞がれ、ポート2
3とポート24が導通される。このため、リングギヤ9
がコイルスプリング13により前方へ付勢され、圧力室
11の作動油は供給通路16からポート23、ポート2
4を経てオイルパン15へ流入する。これにより、ケー
ス3及びタイミングプーリ5に捩じり力が付与され、カ
ムシャフト2とタイミングプーリ5とが相対回転し、元
の状態に復帰される。
【0023】ところで、本実施例では図3もしくは図4
の状態から図1及び図2の状態にしてタイミングプーリ
5とカムシャフト2との回転位相を中間の位相にするこ
とができる。この中間位相にするには、まず、第1の油
圧制御弁18のソレノイドを励磁状態に保持してスリー
ブ19のポート23を開放したままで、第2の油圧制御
弁28のソレノイドを励磁状態に切替える。すると、ス
プール31が後退してスリーブ29のポート32が開か
れるので、圧力室11内の作動油の一部はヘリカルスプ
ライン6a,9aの噛合部分、環状溝25、孔26、リ
ーク通路27を通り、ポート32からスリーブ19内へ
流入し、ポート33からオイルパン15へ戻される。こ
のリークにより圧力室11内の油圧が低下し、同油圧と
コイルスプリング13の付勢力とが釣り合うように、リ
ングギヤ9は図1に示す中間位置へ移動する。その結
果、ケース3及びタイミングプーリ5に捩じり力が付与
され、カムシャフト2とタイミングプーリ5とが相対回
転し、吸気バルブの開閉時期が変更される。
【0024】さらにリングギヤ9が前方へ移動し、その
後部内周面が前記ボス部6の環状溝25を塞ぐと、圧力
室11内の油圧の低下が止められる。このとき圧力室1
1への作動油の供給は続けられているので再び油圧が高
められ、その結果、リングギヤ9が後方へ移動しようと
する。このように、環状溝25及び孔26が開放された
り閉塞されたりすることで圧力室11内の油圧が調節さ
れるので、リングギヤ9は同油圧とコイルスプリング1
3の付勢力とが釣り合う中間位置に保持される。このと
きの吸気バルブの開閉タイミングは図5の特性線L2の
ようになり、このタイミングでは特性線L1のタイミン
グに比べるとバルブオーバーラップを大きくでき、さら
に、吸気慣性によって混合気をより多くシリンダ内へ取
り込むことが可能となり、高出力が得られる。
【0025】前述したように、本実施例によると、リー
ク通路27を閉じた状態で供給通路16を開閉すること
によってリングギヤ9を移動範囲の前後両端部に保持で
き、また供給通路16及びリーク通路27を共に開くこ
とによって、リングギヤ9を移動範囲の中間位置に保持
することができる。従って、第1及び第2の油圧制御弁
61,62を共に制御してリングギヤ54を中間位置に
保持するようにした従来技術に比べ、第1及び第2の油
圧制御弁18,28の制御が簡単になる。
【0026】また、本実施例ではリングギヤ9の前側に
油圧を作用させる構造のため、圧力室11は1つです
む。このため、リングギヤ54の前後に第1及び第2の
圧力室56,57を配した従来技術に比べ油圧経路を簡
略化できる。さらに、本実施例によると前記以外に次の
ような効果も奏する。従来技術においては、リングギヤ
54の両端部に加わる油圧を制御することによってカム
シャフト51とプーリ52の相対回転量を決定している
ので、両者を所定の角度に正確に保持することが難し
く、回転位相の精度が悪い。そのため、新たに回転位相
検出手段を設け、その検出信号に基づいて各油圧制御弁
61,62を制御する必要がある。ところが、本実施例
ではリングギヤ9を中間位置に保持するための制御が、
ボス部6の環状溝25及び孔26と、これらを開閉する
同リングギヤ9の内周面との相対位置関係によって決定
されるので、前記回転位相検出手段を用いなくてもカム
シャフト2及びタイミングプーリ5を所定の相対角度に
精度よく保持できる。
【0027】また、万が一、第1の油圧制御弁18が故
障して圧力室11に常に油圧が加わるような事態が起こ
った場合には、リングギヤ9が後方へ移動し、吸気バル
ブのバルブタイミングが図5の特性性L3で示すタイミ
ングに固定されてしまう。すると、アイドル運転時にお
けるエンジン回転数が変動して不安定になるという不具
合が生ずる。しかし、本実施例では第2の油圧制御弁2
8によって環状溝25及び孔26を開き、圧力室11内
の油圧を低下させることが可能なので、前記のような第
1の油圧制御弁18の故障時にも、図5の特性線L2で
示すルブタイミングを採ってアイドル安定性を向上でき
る。
【0028】さらに、一般的に前記第2の油圧制御弁2
8が不要と考えられる回転位相を2段階に切り換える場
合でも、リングギヤ9を図4の位置から図3の位置へ移
動させようとすると、圧力室11内の作動油を第1の油
圧制御弁18の制御のみでリークさせただけでは、回転
位相切り換え時のレスポンスが充分でないことも考えら
れる。しかし、本実施例ではリングギヤ9が図3から図
1の状態へ移行する間は、第2の油圧制御弁28によっ
て圧力室11内の作動油をリークできる。このため、回
転位相切り換え時のレスポンスを向上できる。
【0029】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)リングギヤ9の内外周のヘリカルスプライン9
a,9bのいずれか一方をスプラインに変更してもよ
い。 (2)本発明の可変バルブタイミング装置を排気バルブ
用カムシャフトに装着してもよく、このようにすれば排
気バルブの開閉タイミングを可変とすることができる。 (3)第1の油圧制御弁18及び第2の油圧制御弁28
のスプール21,31の励磁・非励磁の状態を前記実施
例と逆にしてもよい。 (4)リングギヤ9の中間位置は、シール部における環
状溝25及び孔26の位置を変更することによって任意
に設定することができる。 (5)リーク通路27等の第2の油圧制御弁28側の通
路の流路面積を、供給通路16等の第1の油圧制御弁1
8側の通路の流路面積と同等か、それ以上となるように
設定することが好ましい。このようにすれば、図4の位
置から図1の位置へのリングギヤ9の移動をスムーズに
行わせることができる。 (6)前記実施例におけるリングギヤ9の中間位置と
は、同リングギヤ9の移動範囲両端部の真ん中の位置を
示すものではなく、リングギヤ9が移動する部分の全て
を示すもので、各々の内燃機関の要求特性に添って特定
の位置に設定可能である。
【0030】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、圧
力室と内燃機関内とを連通可能な連通路を形成し、カム
シャフトとリングギヤとの間、及び同リングギヤとプー
リとの間にシール部を設け、前記連通路の圧力室側端部
を、リングギヤの移動範囲の中間位置に対応する前記シ
ール部に面して開孔させ、さらに、前記連通路の途中に
は、リングギヤの移動範囲のうち流体圧により最大変位
したとき連通路を閉じ、同移動範囲の中間部に位置する
とき同連通路を開く弁を設けたので、リングギヤの両端
に流体圧を加えることなくその位置制御を行うことがで
きるばかりでなく、弁の開閉制御による複雑な油圧制御
を行うことなく、しかもリングギヤの位置、もしくはプ
ーリとカムシャフトとの相対位相等を検出することな
く、リングギヤを移動範囲の中間位置に精度良く保持す
ることができ、油圧経路を簡略化することが可能になる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】リングギヤが移動範囲の中間位置に保持された
状態の可変バルブタイミング装置の部分断面図である。
【図2】可変バルブタイミング装置における油圧経路を
示す図である。
【図3】圧力室に油圧が加えられていない状態の可変バ
ルブタイミング装置の概略構成を示す図である。
【図4】圧力室に油圧が加えられた状態の可変バルブタ
イミング装置の概略構成を示す図である。
【図5】クランク角と吸気バルブ及び排気バルブのバル
ブリフト量との関係を示す図である。
【図6】従来の可変バルブタイミング装置の概略構成を
示す図である。
【符号の説明】
2…カムシャフト、3b,6a,9a,9b…ヘリカル
スプライン、5…タイミングプーリ、9…リングギヤ、
11…圧力室、13…付勢手段としてのコイルスプリン
グ、26…孔、27…連通路としてのリーク通路、28
…第2の油圧制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 1/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のバルブ駆動用カムシャフトに
    プーリを回動可能に外嵌し、これらのカムシャフトとプ
    ーリとの間には、内外周面にスプラインを有し、かつ少
    なくともその一方がヘリカルスプラインである円筒状リ
    ングギヤを介在させ、前記リングギヤの一端側の圧力室
    に流体圧を加えるとともに、リングギヤの他端に付勢手
    段による付勢力を加え、同リングギヤをカムシャフトの
    軸方向へ移動させることにより、プーリの駆動力をヘリ
    カルスプラインにてカムシャフトに伝達し、同リングギ
    ヤとカムシャフトの回転位相を変化させてバルブの開閉
    時期を調整するようにした可変バルブタイミング装置に
    おいて、 前記圧力室と前記流体の貯溜部とを連通可能な連通路を
    形成するとともに、前記カムシャフトとリングギヤとの
    間、及び同リングギヤとプーリとの間には、前記圧力室
    内の流体が付勢手段側へ漏出するのを防止するためのシ
    ール部をそれぞれ設け、前記連通路の圧力室側端部は、
    リングギヤの移動範囲の中間位置に対応する前記シール
    部に面して開孔しており、さらに、前記連通路の途中に
    は、リングギヤの移動範囲のうち流体圧により最大変位
    したとき連通路を閉じ、同移動範囲の中間部に位置する
    とき同連通路を開く弁を設けたことを特徴とする可変バ
    ルブタイミング装置。
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