JP2005221631A - 現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び現像方法 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び現像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 現像剤/トナーへの機械的劣化を抑えて経時的にも高品位の画像を形成可能とする。
【解決手段】 現像装置(4)において、現像剤担持ローラ(402)と平行に延在し当該現像剤担持ローラに摺擦して現像剤を供給する現像剤供給ローラ(412)を備え、現像剤貯留スペース(43)から当該現像剤供給ローラへ現像剤を搬送するために現像剤移送部材(40)を設け、当該現像剤移送部材が、回転することにより軸方向に現像剤を移動させる雄ねじ型ロータ(41)と当該ロータを包み込むように配置され当該ロータのための回転偏心空間を有し当該ロータと接触係合する雌めじ型ステータ(42)とを有する一軸偏心スクリューポンプ手段と、当該スクリューポンプ手段によって移動する現像剤を拡散状態で流動させるための空気供給手段とを具備する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等に用いられる電子写真方式を用いた現像装置及び現像方法に関するものである。
特開2002−148937号公報 特許第3064829号公報 特開平7−219329号公報
1成分現像剤あるいは2成分現像剤を使用し、ホッパー内に収容された現像剤/トナーを攪拌部材(アジテータ)で攪拌・搬送しながら現像ローラに供給し、規制部材を当接させて均一な薄層を形成しながら摩擦帯電を行い、現像ローラを像担持体(感光体)に近接若しくは接触しながら回転して現像剤(トナー)を像担持体に付着させて像担持体上の潜像を可視像化することが、例えば特許文献1から知られている。ここで、現像剤(トナー)は薄層形成時だけでなく、攪拌部材の接触でも、あるいは搬送時点でも多大な機械的ストレス・ハザードを受ける。
トナーは一般的に母体樹脂にCCA若しくはCCRが混ぜ合わされており、部材と摩擦することで電荷を得ることができる。また流動性を得るために母体樹脂の周りには無機物の外添剤が付着され、他のトナーや部材との非静電的付着力を低減させている。この外添剤そのものも帯電する場合があり、トナー帯電に寄与することも多い。ところが、母体樹脂の硬度が金属等と比較すると極めて低く、プロセスを繰り返すうちに母体樹脂に埋没することが知られている。これは、上記ストレス・ハザードのために軟らかい母体樹脂に外添剤が埋没する現象であるといえる。これによりトナーは十分帯電していても、外添剤の埋没でトナー自体の流動性が低下してトナー同士が付着し易くなり、凝集することで現像ローラに対する非静電的付着力が増加し現像ローラ上のトナー付着力が増加したり、外添剤のトナー母体樹脂に対する被覆面積の減少によって帯電量が減少し、現像能力の低下等が起こり、地汚れ、濃度低下等の悪影響が経時的に現れる。これに伴って、現像装置の部材にトナーが付着し易くなったりして、部材や現像ユニットの交換が必要となり、廃棄部材が発生するという観点から環境負荷も増大する。
また、感光体に塗布される潤滑剤(ステアリン酸亜鉛、PTFE[ポリテトラフルオロエチレン]等の粉末)が現像ローラに付着した時に、トナーの外添剤が埋没していてトナー間付着力が増加していると、薄層形成時にトナー付着量が極めて少なくなるという現象も発生している。
特許文献2では、現像剤の現像剤担持体への十分な充填を目的とし、撹拌・搬送手段の回転数と1回転当たりの現像剤量の積が、現像剤溜り部の容積と供給部材上の容積の和と現像剤の充填率の積以下と規定して、現像剤供給を消費に追随させようとするものであり、現像剤へのハザードを最小限に抑えようとしたものであるが、撹拌部材によるトナー劣化を抑えることはできない。
一方、上記のような機械的攪拌・搬送手段を用いて、現像剤貯留部たるホッパーから現像ローラに現像剤/トナーを供給する様式においては、ホッパーや補給タンクが現像ローラの近傍に配置されており、そのために配置制約や現像ユニットしての大型化、装置構成の複雑化に伴う装置メンテナンス時の操作性低下といった様々な問題があった。そこで、現像装置の配置制約を緩和し、現像装置の小型化、メンテナンス性の向上を目指して、現像手段から離して配置可能なように当該現像手段と別体としてトナー貯留手段を構成し、このトナー貯留手段から現像手段の攪拌・搬送手段へトナーを供給するためのトナー移送手段としてスクリューポンプを採用することが特許文献3から知られている。このスクリューポンプは、ロータと当該ロータを包み込むように配置され当該ロータのための空間を有し当該ローラと接触係合するステータとを有するポンプユニットと、当該ポンプユニットに空気を供給する空気供給手段とを具備している。
このスクリューポンプを用いてトナーをトナー貯留手段から攪拌・搬送手段へトナーを供給するタイプの現像装置について、トナーへのストレス・ハザードの影響を調べたところ、在来型現像装置と同じく、トナー劣化を防ぎ切れていないことが分かった。
本発明は、以上のような従来技術に鑑み、現像剤/トナーへの機械的劣化を抑えて経時的にも高品位の画像を形成可能とすることを課題とする。
上記課題は、本発明により、現像装置において、現像剤担持ローラと平行に延在し当該現像剤担持ローラに摺擦して現像剤を供給する現像剤供給ローラを備え、現像剤貯留スペースから当該現像剤供給ローラへ現像剤を搬送するために現像剤移送部材を設け、当該現像剤移送部材が、回転することにより軸方向に現像剤を移動させる雄ねじ型ロータと当該ロータを包み込むように配置され当該ロータのための回転偏心空間を有し当該ロータと接触係合する雌めじ型ステータとを有する一軸偏心スクリューポンプ手段と、当該スクリューポンプ手段によって移動する現像剤を拡散状態で流動させるための空気供給手段とを具備することにより解決される。
現像剤貯留スペースにある現像剤を現像剤供給ローラに搬送し、当該現像剤供給ローラが現像剤担持ローラに摺擦することで現像剤を現像剤担持ローラに送り、当該現像剤担持ローラ上の現像剤を、像担持体上の静電潜像へ移して現像を行う方法において、現像剤貯留スペースから、雌ねじ型ステータと当該ステータ内に挿入され当該ステータと接触係合する雄ねじ型ロータとの空間内にポンピング作用を用いて現像剤を送り、更に現像剤供給ローラへポンピング作用を用いつつ拡散状態で現像剤を搬送すれば、方法的に上記課題が解決される。
また、現像剤貯留スペースにある現像剤を現像剤供給ローラに搬送し、当該現像剤供給ローラが現像剤担持ローラに摺擦することで現像剤を現像剤担持ローラに送り、当該現像剤担持ローラ上の現像剤を、像担持体上の静電潜像へ移して現像を行い、現像剤担持ローラ上に残った現像剤を回収して現像剤貯留スペース若しくは現像剤供給ローラに戻す現像方法において、現像剤担持ローラ上に残った現像剤を、ポンピング作用を用いて、雌ねじ型ステータと当該ステータ内に挿入され当該ステータと接触係合する雄ねじ型ロータとの空間内へ送り、更に現像剤貯留スペース若しくは現像剤供給ローラへポンピング作用を用いつつ拡散状態で現像剤を回収することも、方法的に上記課題が解決される。
本発明によれば、トナーへのストレス・ハザードの影響を極力抑え、トナー間付着力が増加する事態を回避して帯電能力を維持し、即ち、トナー劣化を抑え、経時的にも高品位の画像を形成できる。
本発明に係る装置を採用することで、(1)貯留トナーを現像装置駆動部から遠ざけることが可能になり、現像部の熱の影響低減と、(2)トナーへの機械的ストレスを少なくすることが可能で、トナーの劣化を低減でき、現像装置の部材へのトナー付着・フィルミングを低減できる。これによりユニットの寿命が大幅に延び、従来の課題であった部材もしくはユニットの交換の必要性が少なくなり、廃棄部品を低減できる。これは環境への負荷低減につながる。また、従来トナーホッパに隣接して配置されていたトナーカートリッジがレイアウトフリーになるので現像装置の容積が低減可能になって、画像形成装置の小型化を図ることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここで使用する一成分現像剤であるトナーは円形度の高い球形トナーで、その重量平均粒径は5.56μmであるが、平均粒径の範囲は3〜12μmであればよい。
図1は、本発明に係るプリンタの主要部の概略構成を示す。潜像担持体である感光体ドラム1の周辺には、感光体ドラム1の表面を一様帯電する帯電装置2、レーザー光線等を感光体ドラム1に照射する露光装置3、感光体ドラム1に形成された静電潜像に対し現像ローラ402上の帯電トナーを付着させることでトナー像を形成する一成分現像方式の現像装置4、感光体ドラム1上に形成されたトナー像を転写材たる転写紙20に転写する転写手段たる転写装置5、転写後に感光体ドラム1上に残ったトナーを除去するクリーニング装置6等が順に配設されている。更に、不図示の給紙トレイ等から転写紙を給紙・搬送する不図示の給紙搬送装置や、転写装置5で転写されたトナー像を転写紙20に定着する不図示の定着装置も備えられている。後述する現像剤移送部材を除いて現像装置4単独をカートリッジ式に交換可能とすることもできる(従来のトナーカートリッジ部分の分離)が、感光体ドラム1と現像装置4とでプロセスカートリッジユニットを構成してもよく、更に帯電装置、クリーニング装置、除電装置を備えてプロセスカートリッジを構成可能である。
上記構成において、矢印a方向に回転する感光体ドラム1の表面は、帯電装置2で所定の帯電電位(絶対値で300〜600Vの帯電電位)に一様帯電された後、画像情報に基づき変調された露光装置3からのレーザー光線を感光体軸方向にスキャンされ照射される。これにより、感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、現像領域A1において、現像装置4で帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。一方、転写紙20は不図示の給紙搬送装置で給紙・搬送され、レジストローラ7により所定のタイミングで感光体ドラム1と転写装置5とが対向する転写部に送出・搬送される。そして、転写装置5により、転写紙20に感光体ドラム1上のトナー像とは逆極性の電荷を付与することで、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写紙20に転写される。次いで、転写紙20は、感光体ドラム1から分離され、不図示の定着装置に送られ、定着装置でトナー像を定着された転写紙20が出力される。転写装置5でトナー像を転写された後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置6でクリーニングされ、感光体ドラム1上に残ったトナーが除去される。
上記現像装置4を図2で詳細に説明する。トナー担持体としての現像ローラ402上にトナー層を形成し、現像ローラ402上のトナー層を感光体ドラム1(図1)と接触させるように搬送することにより、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行う。ケーシング401内のトナーは、現像剤移送部材により、トナー供給部材としての供給ロ−ラ412に供給される。
供給ロ−ラ412は発泡ポリウレタン等で形成されていて、可撓性を有し、50〜500μm径のセルでトナ−を保持し易い構造となっている。また、硬度は10〜30゜(JIS−A)と比較的低く、現像ローラ402と均一に当接させることができる。供給ローラ412は現像ローラ402と同方向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。両ローラの線速比は0.5〜1.5が最適である。本例では現像ローラ402と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。なお供給ローラ412を現像ローラ402と逆方向、すなわち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させることもできる。供給ローラ412の現像ローラ402に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定しているが、これはトナ−の帯電特性、供給性に依存するので、更に広い範囲で最適条件を設定する必要がある。この喰い込み量は、最終的には現像を駆動するモータやギヤヘッドの特性にも依存するので、全ての駆動系を含めた上で検討を行うことが必要である。本例ではユニット有効幅が240mm(A4縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cm(1.5〜2.5[kgf・cm])である。
現像ローラ402の説明を行う。感光体がアルミ素管をベースとした剛体ドラムである場合、現像ローラ402はゴム材料が良好で、硬度は10〜70°(JIS−A)の範囲が良好である。現像ローラ402のゴム材料として使用できるものとしてシリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げることができる。所謂ベルト感光体を使用した場合には現像ローラ402の硬度は高くても問題がないので、金属ローラ等も使用可能である。また現像ローラ402の直径は10〜30mmが好適である。本例では直径16mmのものを用いた。また現像ローラ402の表面は適宜荒らして粗さRz(十点平均粗さ)を1〜4μmとした。この表面粗さRzの範囲は、トナーの体積平均粒径に対して13〜80%となり、現像ローラ402の表面に埋没することなくトナーを搬送できる範囲である。
上記現像ローラ402の表層コート材料は、好ましくは帯電極性がトナーと逆極性であるのが良い。表層コート材料としては、シリコン、アクリル、ポリウレタン等を含有する樹脂、ゴム材料を挙げることができる。これに導電性を得るために適宜カ−ボンブラック等の導電性材料を含有させることが多い。更に均一に現像ローラ402にコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることもある。電気抵抗に関してはコート層を含めてバルクの体積抵抗率を設定するもので、10〜10Ω・cmに設定できるようにベース層の抵抗と調整を行う。また材料に依存するが、単一層の現像ローラを選択することもできる。現像ローラは経時的に削られるが、トナーその他のものが付着して表面上に所謂トナーフィルミングが発生する場合がある。原因はトナーと現像ローラ表面の付着力の増加によるものが大きいがトナーの添加剤埋没による流動性低下も大きな要因となる。そこで現像システムとして現像ローラの磨耗を積極的に行い、現像ローラとしてはどの厚さであっても体積固有抵抗が同じになるように構成することで現像能力を安定化できる。材料としてはシリコン、ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等のゴム材料にカーボンブラック等の導電剤を分散させるものであるが、どれだけ削れても抵抗が変化しないようにするものである。
上記供給ローラ412上もしくはケーシング401内部に存在する所定極性(本例の場合は、負極性)のトナーは、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ402と挟まれることにより、摩擦帯電効果で帯電電荷を得て静電気力により、また現像ローラ402の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ402上に保持されるようになる。しかし、この時の現像ローラ402上のトナー層は均一ではなく、かなり過剰に付着している(1〜3[mg/cm])。そこで、規制ブレード413を現像ローラ402に当接させることにより、現像ローラ402上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成する。図示の例は規制ブレード413の先端が現像ローラ402に当接する所謂エッジ当接の状態であるが、所謂腹当て当接も可能である。材料はSUS304等の金属で、厚さは0.1〜0.15[mm]であるが、そのほか厚み1〜2[mm]のポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料を使用することも可能である。金属以外でもカーボンンブラック等を混ぜ込むことにより低抵抗化できるので、バイアス電源を接続して現像ローラ402との間に電界を形成することも可能である。更に規制部材として円筒状のものを当接させて薄層を形成することも可能である。
上記規制ブレード413の当接圧は0.049〜2.45[N/cm](5〜250[gf/cm])の範囲が良好で、現像能力に与える影響は、上限を越えると現像ローラ402上のトナ−付着量が減少し且つトナ−帯電量が増加し過ぎるので、現像量が減少して画像濃度が低くなる。下限を下回ると薄層が均一に形成されずにトナ−の固まりが規制ブレード413を通過することもあり、画像品質が著しく低下する。本例では、現像ローラ402の硬度をJIS−Aで30゜とし、規制ブレード413は厚み0.1mmのSUS板を使用して、その当接圧は60[gf/cm]に設定した。
規制ブレード413と現像ローラ402に挟まれたトナ−の薄層形成に不必要な分は、現像ローラ402から剥ぎ取られ、目標範囲である単位面積当たり0.4〜0.8[mg/cm]の均一な厚みを有した薄層が形成される。この時のトナ−帯電は最終的に本例では−10〜−30[μC/g]の範囲であり、感光体ドラム1上の潜像と対向して現像される。
供給ローラ412の上方に配された現像剤移送部材40は、主としてステータ42とロータ41からなる。この現像剤移送部材40は従来公知の通称「モーノポンプ」と称されるもので、雌ねじ型ステータ42内に挿入された雄ねじ型ロータ41を、不図示の駆動装置の駆動軸に連結したコネクティングロッドを介し偏心センタを中心に回転させ、ステータ42の横断面長円形孔(回転偏心空間)内をその長手方向軸方向に移動回転する横断面円形のロータ41によるポンピング作用によって、被移送物たるトナーをステータ内に吸い込み、ステータを通して吐出させ、その前後で圧縮空気を不図示の空気供給装置により供給することでトナーを拡散状態で流動させ、トナー搬送を実現する。トナーホッパ43中のトナーは現像剤移送部材40によって供給ローラ412と現像ローラ402の間に搬送され、供給される。
ここでステータ42の内面もしくはロータ41の表面に、即ち、現像材移送部材40の内壁に、トナーに対し表面エネルギーが低い材料(トナーと逆極性に帯電し易い材料)、例えばシリコン、ウレタン等の樹脂材料を1〜10μm程度の厚みで塗布したり、ポンプ内を立体的な繊維構造とし、その構造部分に上記易帯電材料を塗布することにより、供給ローラ412に達するまでにトナーが受ける機械的ストレスを非常に少なくすることができる一方で、接触摩擦帯電により現像ローラに達した時点で十分な帯電を実現でき、供給ローラと現像ローラの間の供給部で電界形成することにより或る帯電量以上のトナーを供給することができる。従来公知のモーノポンプではローラがクロロプレンゴムでできているが、その表面にウレタン樹脂をコートすると帯電し易くなり、図3に示すように、経時的な地汚れランクの低下(悪化)を抑えることができる。セル径が30μm以上でトナーの移動を妨げることなく、トナーが接触したときには摩擦により必要な帯電量を得られるので、供給時に既に帯電した状態となり、より均一な帯電電荷量を得る。
供給ローラ412上に供給されたトナーは、現像ローラ402に移るに際して、その長手方向に分布されなければならない。そのため、現像剤移送部材40と供給ローラ412の間に、固有のトナー分配手段が設けられていてもよい。このトナー分配手段は例えば現像ローラ402と平行に延在するスクリュー部材と、当該スクリュー部材を収容する内部空間がスクリュー部材の外径よりも広くとられたハウジングとを有して成っている(図7の如き構成)。
そして、上記のようにして供給ローラ412の長手方向に分配されたトナーは、当該供給ロータ412と現像ローラ402の摺擦領域で現像ローラ402に担持され、規制ブレード413と当接する部分まで搬送され、規制ブレード413と現像ローラ402に挟まれることでトナーと現像ローラ表面、規制ブレード表面が摩擦しトナーが帯電し、感光体上の潜像に対向し、現像が行われる。
なお本例では、感光体上に形成したトナー像を転写紙に直接転写する場合について説明したが、感光体上のトナー像を一旦中間転写体に転写し、その後に当該中間転写体上のトナー像を転写紙に転写する画像形成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるものである。例えば、一つの感光体上に各色ごとのトナー像を順次形成し、当該感光体上の各色トナー像を一次転写装置で中間転写体としての中間転写ベルトに重ね合わせて転写し、当該中間転写ベルト上の重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するカラー画像形成装置及び当該装置に用いる現像装置にも適用することができる。
また例えば、中間転写体たる中間転写ベルトの直線状移動経路部分に沿って感光体を含む画像形成ユニットを複数組並べて配置し、各画像形成ユニットの感光体上に互いに異なる色のトナー像を形成し、各感光体上のトナー像を一次転写装置で当該中間転写ベルト上に重ね合わせて転写し、当該中間転写ベルト上の重ねトナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するタンデム型のカラー画像形成装置及び当該装置に用いる現像装置にも適用することができる。
また本例では、プリンタ及びそれに用いる現像装置の場合について説明したが、複写機やFAXなど他の画像形成装置及びそれに用いる現像装置にも適用できるものである。
図2に示した構成の現像装置において、トナーの違いによる影響を調べた。好ましい新トナーと、現状一般に使用されているトナーを代表するもの(従来トナーという)を、次のように調製した。
従来トナーの調製:
下記原材料をヘンシェルミキサーで充分混合した後、小型二本ロールミルで、150℃、2時間混練した。
結着樹脂(スチレン−アクリル酸メチル共重合体) 100.0重量部
着色剤(カーボンブラック#44、三菱カーボン社製) 10.0重量部
荷電制御剤(ジターシャリーブチルサリチル酸亜鉛塩)
(オリエント化学製ボントロンE−84) 2.0重量部
カルナバワックス 5.0重量部
得られた混練物を2mmのスクリーンを装着したパルベライザーで粗粉砕した後、ラボジェットで粉砕し、100MZRで分級して4〜10μm径の着色粒子を得た。得られた着色粒子95重量部に対して、トナーの流動性や現像性、転写性、クリーニング性、帯電性を補助するための添加剤として3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子(両添加剤の平均粒径20nm)をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけてトナーを得た。これが従来トナーである。ここで、従来トナーの円形度をフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により計測したところ、0.93であった。また、その重量平均粒径は5.73μmであった。
新トナーの調製:
従来トナーの製造過程で得られた着色粒子を、日本ニューマチック製サーフュージョンシステムを用いて、熱処理温度250℃、熱風風量1000リットル/分、供給風量100リットル/分で2回処理し、4〜10μm径の新たな着色粒子を得た。得られた着色粒子95重量部に対して、トナーの流動性や現像性、転写性、クリーニング性、帯電性を補助するための添加剤として3重量部のシリカ、2重量部の酸化チタン粒子(両添加剤の平均粒径60nm)をヘンシェルミキサーで2分間混合し、篩にかけてトナーを得た。これが新トナーである。新トナーの円形度は0.96、その重量平均粒径は5.56μmであった。なお、本実施例では粉砕トナーへ熱処理を行うことにより、トナー円形度を高めたが、熱処理に代えて、例えば特開平9−85741号公報に記載されたターボミル(ターボ工業製)を用いた方法やクリプトロン(川崎工業製)、Q型ミキサー(三井鉱山製)を用いた方法等、機械的な処理を行うことでトナー円形度を高めても良い。その他には、懸濁重合法、分散重合法、溶解懸濁法等の湿式造粒による製法によって、このように円形度の高いトナーを作製しても良い。これら製法の場合はエネルギー効率の点で優れるといったメリットがある。
これらのトナーを使用して経時的変化を調べたところ、図4に示すように経時的な埋没ランクの低下に関して、新トナーは従来トナーに比べて小さくなっている。また図5に示すように球形トナーに大粒径添加剤を添加することで従来の粉砕トナーと比較し、現像ローラ上トナー付着量の増加を抑えることができ、画像品質を維持できる。
更に図2に示した構成の現像装置が、従来のスクリュー型攪拌・搬送装置を備えた現像装置と比較した場合、トナーに対するストレスの違いを現像ローラ上のトナー帯電量の状態として調べると図6のようになった。なお使用したトナーは、トナー母体を4〜10μm、添加剤の一次粒子の平均粒径50〜150nmである。トナー母体が4μmより小さいと、表面積が小さくなると共にトナー同士が付着する際の接触面積が小さくなり(曲率半径が小さいため)、圧力が増加し、粒子間距離が縮まることでファンデルワール力の影響で凝集し易くなる。それは現像ローラとも同じでどんどん付着して堆積していき、付着量が増加してフィルミングが発生したり、現像開始電圧が変化して地汚れの発生が予測される。また10μmを越えると例えば600dpiの潜像に対してエッジ部の現像付着ムラが目立ち易くなり、画像品質が低下する。また添加剤の一次粒子の平均粒径が50nmより小さいと現状のトナーと同様に母体樹脂への埋没が早まり、劣化し易く、150nmを越えると現像ローラと規制ブレードの間に挟まり易く、薄層が均一にできなくなり、画像では白スジになり易くなる。
供給ローラ412の上方に配された現像剤移送部材40と同タイプの現像剤移送ポンプを用いて現像残トナーを吸引し、トナーホッパ43に戻すようにすることもできる。いったん規制部材を通過し薄層形成されたトナーは機械的なハザードを受け、添加剤の埋没が進行している。そこで現像残トナーを次の供給前に掻き取り、ホッパに戻す手段が従来から提供されているが、多くの場合は掻き取り部材周辺に戻るようになっており、劣化の加速を行いかねない状況である。そこで本例では現像残トナーを現像剤移送ポンプによって吸い取り、トナーホッパ43の最奥に戻すようにする。戻されたトナーは再度現像剤移送部材40で供給ローラ412に供給される。
図2において、現像後、感光体ドラム1と接触した後の下流側に残トナー回収部材36を配設している。現像ローラ402と平行して延在する残トナー回収部材36は、図7に示すように、開口部37を複数有した円筒部材38と、当該円筒部材38内に収容されたスクリュー39を有している。そして、この残トナー回収部材36が、トナーホッパ43に接続する不図示の現像剤移送ポンプにつながり、当該現像剤移送ポンプによって回収部材36に回収された残りトナーが吸引されて、ホッパ内に戻される。スクリュー39を収容する円筒部材38の内部空間は、スクリュー39の外径よりも広くとられ、残トナーに無用のストレスを与えないように配慮されている。
なお以上については供給電位差をゼロとしているが、供給ローラ412と現像ローラ402の間に例えば最大200V程度の電位差をつけると、トナーを介して供給ローラの表面電位と現像ローラの表面電位によるリークが発生せず、それにより十分に帯電したトナーのみが現像ローラ402に供給されることになり、図8に示すように、現像開始電圧の経時的変化が供給電位差ゼロと比べて少なく画像品質の安定を図ることができる。供給電位差をつけるにあたり、供給ローラ412の抵抗が10Ω・cm以下、現像ローラ402の抵抗も10Ω・cm以下とかなり低抵抗のもので行っているので、電位差が200V程度になったが、電位差を大きくするほどトナー付着量を増加することができる。即ち、トナー供給量を増加させることができるということであり、スクリューポンプ手段の取り付け位置やトナー形状・サイズの特定に加えて、一段と画像品質の経時的安定性を増すことができる。
本発明に係る画像形成装置の概念構成図である。 本発明に係る現像装置の概略図である。 現像剤移送部材のロータにウレタン樹脂コートを施す場合と施さない場合の地汚れの経時的変化を示すグラフである。 トナー円形度の違いによる経時的なトナー母体に対する添加剤の埋没ランクの変化を示すグラフである。 トナー円形度の違いによる経時的な現像ローラ上でのトナー付着量変化を示すグラフである。 従来のスクリュー搬送と本発明に係るモーノポンプでの搬送の場合における現像ローラ上のトナー帯電量の経時的変化を示すグラフである。 残トナー回収部材の概略図である。 供給部材と現像剤担持体の間に電位差をつけることで経時的な現像開始電圧の影響を示すグラフである。
符号の説明
4 現像装置
36 残トナー回収部材
40 現像剤移送部材
41 ロータ
42 ステータ
43 トナーホッパ
401 ケーシング
402 現像ローラ
412 供給ローラ
413 規制ブレード

Claims (9)

  1. 現像剤担持ローラと現像剤貯留スペースとを有する現像装置において、
    現像剤担持ローラと平行に延在し当該現像剤担持ローラに摺擦して現像剤を供給する現像剤供給ローラを備え、上記現像剤貯留スペースから当該現像剤供給ローラへ現像剤を搬送するために現像剤移送部材を設け、当該現像剤移送部材は、回転することにより軸方向に現像剤を移動させる雄ねじ型ロータと当該ロータを包み込むように配置され当該ロータのための回転偏心空間を有し当該ロータと接触係合する雌めじ型ステータとを有する一軸偏心スクリューポンプ手段と、当該スクリューポンプ手段によって移動する現像剤を拡散状態で流動させるための空気供給手段とを具備することを特徴とする現像装置。
  2. 上記現像剤移送部材で移動した現像剤を現像剤担持ローラの長手方向に分配するための手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の現像装置。
  3. 現像剤担持ローラから現像剤貯留スペースへの現像剤移送を行うために、同構成の現像剤移送部材が更に設けられたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 上記現像剤の主たる成分であるトナーの円形度を0.96以上に設定したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像装置。
  5. 上記トナーの粒径範囲を4〜10μmとし、このトナーに付着させる無機微粒子の粒径範囲を50〜150nmに設定したことを特徴とする、請求項4に記載の現像装置。
  6. 上記請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像装置を有したプロセスカートリッジ。
  7. 上記請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像装置を有した画像形成装置。
  8. 現像剤貯留スペースにある現像剤を現像剤供給ローラに搬送し、当該現像剤供給ローラが現像剤担持ローラに摺擦することで現像剤を現像剤担持ローラに送り、当該現像剤担持ローラ上の現像剤を、像担持体上の静電潜像へ移して現像を行う方法において、
    現像剤貯留スペースから、雌ねじ型ステータと当該ステータ内に挿入され当該ステータと接触係合する雄ねじ型ロータとの空間内にポンピング作用を用いて現像剤を送り、更に現像剤供給ローラへポンピング作用を用いつつ拡散状態で現像剤を搬送することを特徴とする現像方法。
  9. 現像剤貯留スペースにある現像剤を現像剤供給ローラに搬送し、当該現像剤供給ローラが現像剤担持ローラに摺擦することで現像剤を現像剤担持ローラに送り、当該現像剤担持ローラ上の現像剤を、像担持体上の静電潜像へ移して現像を行い、現像剤担持ローラ上に残った現像剤を回収して現像剤貯留スペース若しくは現像剤供給ローラに戻す現像方法において、
    現像剤担持ローラ上に残った現像剤を、ポンピング作用を用いて、雌ねじ型ステータと当該ステータ内に挿入され当該ステータと接触係合する雄ねじ型ロータとの空間内へ送り、更に現像剤貯留スペース若しくは現像剤供給ローラへポンピング作用を用いつつ拡散状態で現像剤を回収することを特徴とする現像方法。
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