JP4752247B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
このとき、現像ロールとして利用される弾性ロール(例えばゴムロール)又は剛性ロールは、その表面にトナーを担持し搬送する機能を果たすため、所定の表面粗さが必要とされている。
このように、現像ロールの表面粗さには、トナーの帯電性及び搬送性確保のために、所定の粗さが必要とされている。
すなわち、上述した方式では、現像終了後の現像ロール表面に残った残留トナーの現像履歴を消去してゴースト現象のない画像を得ようとするために、現像ロールに発泡体のトナー供給ロールを圧接させることで、現像ロール上の残留トナーを剥離しようとする方式となっている。しかしながら、現像ロールにトナー供給ロールを接触させてトナーを供給するには、現像ロール表面が所定の粗さを持って、供給されるトナーを現像ロール表面に保持する必要がある。そのことは却って、トナー供給ロールの圧接時に現像ロール表面から残留トナーを掻き取りきれないことになり、残留トナーの剥離性能が不十分でゴーストが解消されない。よって、表面粗さを小さくした現像ロールの実用化は困難であった。
特許文献4では、所定の表面粗さを有した非磁性のSUS(ステンレス)やアルミニウム等の金属材料からなる現像ロール(現像スリーブ)に、カーボンブラックを分散したシリコーンゴムの単泡性の発泡体からなるトナー供給ロールを20〜800μm離間させて、現像スリーブに現像バイアスとしてブランクパルス(交流電圧と直流電圧を重畳して印加する区間(振幅部)と、これに続いて直流電圧のみを印加する区間(ブランク部)の全体を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すバイアス)を印加する非接触現像方式が開示されている。そして、このときの現像ロールの表面は、十点平均粗さRzが3.0μm以上となっている。
更に、この文献においては、トナー供給ロールに上述したブランクパルスを現像バイアスとは周波数を変えて印加することで、トナー供給ロールから現像ロールへのトナー供給量が不足することのないようにしていることが記されている。
そして、現像装置の第二の態様としては、現像剤担持体1として筒状薄膜部材(可撓性チューブ)を用いた態様が挙げられる。すなわち、静電潜像が担持される像担持体に対向し、内部に摺動部材を固定的に設けると共にこの摺動部材によって形状が保持された状態で回転し、表面に現像剤を担持し且つ像担持体上の静電潜像を現像剤にて現像するように現像バイアスが印加されると共に鏡面仕上げされた算術平均粗さRaが0.7μm以下の筒状薄膜部材を有する現像剤担持体1と、この現像剤担持体1と離間配置され、現像剤担持体1との対向部位で前記筒状薄膜部材と異なる方向に回転し且つ現像剤担持体1への現像剤供給を促す供給バイアス3が印加された金属製の現像剤供給部材2と、現像剤供給部材2より現像剤担持体1の現像剤搬送方向下流側に配設され且つ現像剤担持体1上の現像剤の帯電制御を行う帯電部材5と、現像剤担持体1に対向配置され且つ当該現像剤担持体1上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材4と、を備え、前記摺動部材には帯電部材5に対向する位置にて前記筒状薄膜部材とは非接触になるように凹む凹部を設け、供給バイアス3は、現像剤担持体1に印加される前記現像バイアスに重畳され、その1周期中に、現像剤供給部材2と現像剤担持体1との間に電圧変動の大きな交流電圧のみを作用させて現像剤担持体1からの現像剤の飛翔を促す作用領域と、現像剤供給部材2と現像剤担持体1との間の電位差をゼロとする非作用領域と、を含むことを特徴とする。
更に、本発明においては、現像剤担持体1と現像剤供給部材2とは両者の対向部位で互いに同じ方向に移動する構成(With構成)であっても互いに反対方向に移動する構成(Against構成)であってもよいが、第一の態様では互いに同じ方向に移動する構成とし、第二の態様では互いに反対方向に移動する構成としている。
更にまた、現像剤回収部材4は、現像剤担持体1上の残留現像剤を回収できればよく、その形状はロール状、シート状等いずれでもよく、現像剤回収部材4は現像剤担持体1と離間していてもよいし、接触していてもよい。
更に、現像剤回収部材4に現像剤担持体1からの現像剤の回収を促す回収バイアスを印加するようにすれば、この場合、現像剤担持体1上の残留現像剤の回収を一層効果的に行うことができる。
そして、供給バイアス3として、作用領域では電圧変動の大きな交流電圧のみを作用させるため、現像剤薄層の均一性が良好となり、更に、現像剤供給部材2が現像剤回収部材4を兼用する態様において、現像剤担持体1上の残留現像剤が一層回収し易くなる。
(a)は、本発明のように、現像剤担持体1の表面の算術平均粗さRaが小さい状態を示し、(b)は、従来のように算術平均粗さRaが大きい場合を示している。すなわち、(a)のように算術平均粗さRaが小さい場合は、上述した現像剤の流動によって容易に残留現像剤が剥離されるのに対し、(b)のように算術平均粗さRaが大きい場合は、現像剤の流動による残留現像剤の剥離が困難となる。
(b)のようにRaが大きい場合には、現像剤担持体1の凹部に埋まっている現像剤(図中黒色で表す粒子)は、凹部に入り込んでいる分、現像剤の流動によるせん断力を受け難くなっており、現像剤担持体1から剥離し難い。更に、この凹部に残った現像剤(黒色)の上にある現像剤(図中白色で表す粒子)は、現像剤相互の凝集力やファンデルワールス力等によって、例えば現像剤担持体1上に直接付着した現像剤(図中灰色(斜線)で表す粒子)の付着力より大きいものと推測される。
本発明においては、現像剤担持体1表面の算術平均粗さRaを0.7μm以下としていることから、上述の効果を奏す。尚、具体的には実施例にて示す。
また、帯電部材5は、現像剤担持体1に接触、離間のいずれの態様であってもよいが、接触配置の場合は、現像剤担持体1上の現像剤量を安定させる観点から、帯電部材5は回転する態様が好ましく、この場合、現像剤担持体1とはWith方向に回転(両者の対向部位で互いの回転方向が同じ方向)するようにすることが好ましい。
この像担持体上の静電潜像を現像する現像装置として、上述の現像装置を備えるものが挙げられる。
そして、本発明に係る現像装置の代表的態様としては、現像剤回収部材は現像剤供給部材と同一なもので兼用されているものが挙げられ、この場合、低コスト化、小型化が一層向上した現像装置が可能になる。
このため、長期に亘って良好な画質を維持できる現像装置を提供することが可能になり、更に、これらの現像装置を用いることで、長期に亘って安定した画像が形成できる画像形成装置を容易に構築することができる。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された実施の形態1の画像形成装置を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21は帯電ロール等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この書き込まれた静電潜像は、感光体21の光の当たった部分の表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像装置30は、現像ハウジング31内に非磁性一成分現像剤であるトナーを収容し、現像剤担持体としての現像ロール32にトナーを担持させ、この現像ロール32にバイアス電源33から直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加することで、現像ロール32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。
また、転写装置26は、例えば感光体21に接触配置される転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって感光体21上で現像されたトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加することで、感光体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。
更に、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像が記録材28に定着されるようになっている。
本実施の形態での現像ロール32は、ステンレス(SUS)の表面を鏡面仕上げした金属ロールで構成され、算術平均粗さRaが0.145μm、最大高さRyが1.801μm、十点平均粗さRzが1.118μmとなっている。尚、表面粗さの測定は、JIS B0601−1994に準拠し、(株)東京精密製Surfcom1400Aにて、ロールの円周方向に沿って測定長1.5mm、カットオフ波長0.25mm、測定速度0.3mm/secの条件で測定した。
そして、本実施の形態では、トナー供給ロール34と現像ロール32との間にはバイアス電源35が接続され、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給を行う供給バイアスが印加されるようになっている。
また、このトナー供給ロール34の背後には、トナーを収容するトナーホッパ36が設けられ、例えば図示外のアジテータによってトナーが撹拌され、トナー供給ロール34側へトナーが搬送されるようになっている。尚、図中符号37は、トナー供給ロール34上のトナーを掻き落とすためのPET(ポリエステル)シート等の掻き取り部材である。
本実施の形態における帯電ロール41は、SUS等の金属製ロールに体積抵抗率1×1010Ω・cmの100μm厚のポリフッ化ビニリデン(PVDF)チューブを被覆したもので、現像ロール32に対し、ギャップが0〜50μmとなるように設けられている。このギャップが0〜50μmとは、各ロールの寸法公差と取り付け公差によって、帯電ロール41を1回転させた際に、この範囲で実際のギャップが変動することを示している。
更に、帯電ロール41の現像ロール32と略反対側には、帯電ロール41上の付着トナーを掻き取る、例えばPET(ポリエステル)シートからなる掻き取り部材44が設けられ、帯電ロール41表面のクリーニングによって常に安定した帯電バイアスが印加され、現像ロール32上のトナーへの安定した帯電制御が行われるようになっている。
図5は、本実施の形態における供給バイアスの電圧波形の一例を示すもので、台形波(矩形波)の大きな電圧変動がある作用時間(作用領域に相当)と、その後に続く電圧ゼロの非作用時間(非作用領域に相当)とで1周期をなす電圧波形となっている。そして、この電圧波形が加わるように、バイアス電源35が構成されている。尚、トナー供給ロール34には、現像ロール32へ印加される現像バイアスに重畳された波形として加えられる。
すなわち、本実施の形態では、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー飛翔を台形波の大きな変動がある作用時間に行い、1周期に占める作用時間の割合(デューティ比)を変えることで現像ロール32へ供給されるトナー量を制御できるようにしている。また、トナーが不要な帯電をすることもない。仮に、この作用時間を連続させると、供給されるトナー量が多くなりすぎて供給量を制御し難い。
同図において、トナーホッパ36内でアジテータによって撹拌されたトナーは、トナー供給ロール34へ供給される。トナー供給ロール34に供給されたトナーは、現像ロール32とトナー供給ロール34との間のバイアス電源35による供給バイアスによって、現像ロール32へ所定量のトナーが供給され、現像ロール32上にはトナー薄層が均一に形成される。
このとき、本実施の形態では、現像ロール32とトナー供給ロール34との間の供給バイアスとして、図5に示す電圧波形のバイアスが印加されている。このようなバイアスを印加するには、例えばCPU等を基にした波形発生回路を用い、現像バイアスとしては直流成分と交流成分を重畳したものをバイアス電源33に、更に、供給バイアスとしては図5のような波形を合成した後バイアス電源35に印加するようにすればよい。
ここで、現像ロール32上に均一に形成されたトナー薄層は、感光体21側の静電潜像に沿って現像され、トナー消費量が箇所毎に異なる。その結果、現像を終えた後の現像ロール32上には消費されなかったトナーが残留している。そして、この残留トナーは現像ロール32の回転に伴ってそのまま搬送され、トナー供給ロール34との対向部位に到達する。本実施の形態では、現像ロール32表面の粗さを小さくしていることから、現像ロール32とトナー供給ロール34とのギャップ間で飛翔するトナーによって、現像ロール32上の残留トナーは容易に剥離されるようになる。そして、この現像ロール32上に新たなトナーが供給され、トナー薄層が形成されるようになる。
一方、トナー供給ロール34上で現像ロール32側に供給されなかったトナーは、掻き取り部材37によって掻き取られ、トナー供給ロール34上に供給されるトナー量も常時安定する。そのため、現像ロール32へ供給されるトナー量の安定性が一層維持される。
トナー供給ロール34として、従来の発泡ロールを使用して現像ロール32に接触配置させた場合(接触タイプ)と、本実施の形態のごとく、鏡面仕上げをした現像ロール32とトナー供給ロール34とを使用し、両者を非接触配置した場合(非接触タイプ)の二種について、現像ロール32のトナー付着量に着目して実験を行った。尚、先ず初めの現像前の現像ロール32上のトナー付着量はいずれも5g/m2としている。
従来の接触タイプでは、現像領域(感光体21と現像ロール32との対向部位)での現像効率を80%とすると、画像部でのトナー残りは1g/m2となる。したがって、現像後の現像ロール32上には非画像部5g/m2と画像部(ベタ画像)1g/m2の付着量のトナーが、そのままトナー供給領域(現像ロール32とトナー供給ロール34との対向部位)に達する。ここで、一旦トナーは現像ロール32から除去されるが、表面粗さや接触圧等の影響により完全には除去されず、その上に新たに供給されるトナーによって、非画像部では40g/m2のトナー付着量となる。一方、画像部では、トナー粒子に覆われずに現像ロール32の表面が露出している部分が多く、現像ロール32表面に対する新たに供給されたトナー粒子の付着力は、残留トナーに対する付着力より相対的に小さいため、ベタ画像が現像された画像部では非画像部より少ない25g/m2のトナーが付着する。尚、この従来方式でのトナー層の状態は、非画像部、画像部共に非常に不均一であるが、これは発泡体表面の気泡そのものの大きな凹凸によるものであり、更に、気泡内に充填されたトナーの凝集作用に起因するものである。
そのため、続く現像領域にはトナー付着量が不均一な状態でトナー供給が行われるため、特に、ハーフトーン画像を描いたときに、1周前の画像部の履歴がそのまま現れ、周囲のハーフトーン画像より薄くなるというネガゴースト現象が発生する。
次に、トナー供給領域に達すると、現像ロール32とトナー供給ロール34とのギャップでのトナーの流れやトナー飛翔により、現像ロール32上の残留トナーは掻き落とされたり叩き落とされて現像ロール32から剥離される。このとき、現像ロール32の表面粗さが小さいため、非画像部、画像部共に現像ロール32からトナーが一旦完全に剥離される確率が非常に高く、非画像部と画像部の履歴がほぼ解消される。そのため、新たに供給されるトナーは、非画像部、画像部の区別なく、同様のトナー量の7g/m2が付着する。尚、トナー供給領域での供給バイアスによって、現像ロール32上の残留トナーを剥離し、更に、現像ロール32上に薄いトナー層を形成することが一層確実に実施されるようになる。
したがって、本実施の形態においては、現像前には均一なトナー薄層、均一な帯電量が確保されることとなり、安定した現像が行われ、良好な画質が長期に亘って維持される。
更に、帯電ロール41による現像ロール32上のトナーの層厚規制を積極的に行う必要もなく、トナー固着が生じないことから、白スジや黒スジ(固着したトナーが脱落することによるもの)が解消される。更にまた、現像装置30の駆動トルクが低減されることから、バンディング等の画像欠陥も抑えることができ、装置の小型化も可能になる。
本実施の形態では、現像ロール32とトナー供給ロール34との間に印加する供給バイアスを工夫することで、現像ロール32上に常時均一なトナー薄層を容易に形成することができ、現像特性を安定させることができる。
図7における波形は、作用時間では片側(本例ではマイナス電圧)にのみ三角波の電圧VLが印加され、非作用時間では、作用時間の三角波の面積に等しい面積を有する三角波の電圧VHが作用時間とは異なるプラス電圧側に形成されている。
今トナーホッパ36内の負帯電トナーは、殆ど帯電していないが、個々のトナー粒子では僅かにマイナスに帯電していたり、プラスに帯電したり、これらのトナー粒子が混在している。また、トナー供給ロール34に担持される段階で、トナー粒子同士が接触し、一方がマイナスに他方がプラスに帯電する。
このような各種の帯電量をもつトナー粒子が存在しているときに、現像ロール32とトナー供給ロール34との間に、図7の供給バイアスを印加する(トナー供給ロール34側にマイナス側のピークが大きい)と、マイナスに帯電したトナー粒子が現像ロール32側に強く引き付けられ、プラスに帯電したトナー粒子が現像ロール32側に向かう力を小さくすることができる。
図8は、本発明が適用された実施の形態2に係る現像装置30の概要を示す。同図において、本実施の形態は、実施の形態1における現像装置30と略同様に構成されるが、帯電部材の構成が実施の形態1と異なり、実施の形態1のように帯電ロールではなく、帯電シート42を用いている。尚、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態においても、帯電シート42と現像ロール32との接触圧は十分小さくなっていることから、帯電シート42へのトナー固着も発生せず、実施の形態1と同様の効果を奏する。
図9は、本発明が適用された実施の形態3に係る現像装置30が使用された画像形成装置の概要を示す。同図において、本実施の形態は、実施の形態1の画像形成装置(図4参照)と略同様に構成され、感光体21及び現像ロール32の回転方向が実施の形態1と異なる。そのため、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、ここでは、画像形成装置の詳細な説明は省略する。
同図において、現像装置30は、感光体21に向かって開口する現像ハウジング31を有し、この現像ハウジング31の開口に面し且つ感光体21と対向して接触する位置に、現像ロール32を回動自在に収容している。
本実施の形態における現像ロール32は、厚さ100μmのPVDFの可撓性チューブ61内に可撓性チューブ61の形状保持を行う摺動部材62を固定的に設け、更に、その可撓性チューブ61の両端部内部には、可撓性チューブ61を内面から押圧するリング状の支持部材63を設けた構造を採っている。このとき、可撓性チューブ61表面の算術平均粗さRaは0.172μmとなっている。
また、この現像ロール32と帯電ロール47との関係は、図12の断面図に示すようになっている。すなわち、帯電ロール47の軸47aに装着されたゴム等の弾性コロからなる押圧部材48に対し、現像ロール32の可撓性チューブ61を挟んで対向する位置に当該可撓性チューブ61を支持する支持部材63を設け、帯電ロール47の回転に伴い押圧部材48と可撓性チューブ61との摩擦力によって可撓性チューブ61が摺動部材62の周りを回転するようになっている。
トナーホッパ36内でアジテータ38によって撹拌されたトナーは、アジテータ38の羽根38bの回転によってトナー供給ロール34側に供給される。トナー供給ロール34上に担持されたトナーは、トナー供給ロール34の回転に伴い搬送され、現像ロール32との対向部位に到達する。この対向部位での現像ロール32とトナー供給ロール34との機械的な摺擦力や供給バイアスによる電界作用により、トナー供給ロール34上のトナーは現像ロール32側へ供給される。
このとき、現像ロール32とトナー供給ロール34とはAgainst方向(両者の対向部位で互いに反対方向)に回転しており、更に、適切なギャップが維持されていることから、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給量が安定する。尚、例えばWith方向の回転であれば、トナーの供給量が不安定になり易い。
そして、この現像ロール32上の十分コントロールされたトナー薄層が、現像ロール32と感光体21との対向部位の現像領域に搬送されることになる。
現像領域では、図示外の現像バイアスにより現像が行われ、感光体21上の静電潜像が顕像化される。また、現像ロール32上で現像されずに残った残留トナーは、現像ロール32上をそのまま搬送され、トナー回収ロール49にて回収される。
また、本実施の形態では、現像ロール32の可撓性チューブ61の駆動を帯電ロール47の駆動から行ったため、トナー供給ロール34と現像ロール32との回転方向をAgainst方向にすることができ、互いの周速も所定の速度にできるようになり、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給を安定して行うことができる。
更に、帯電ロール47の軸47aに固着した押圧部材48によって、現像ロール32の可撓性チューブ61を回転させるようにしたので、可撓性チューブ61の回転が安定すると共に、駆動伝達のための例えばギア等も不要にでき、コストアップを抑え、装置の小型化をも推進することができる。
また、可撓性チューブ61を押圧部材48で回転させることで、可撓性チューブ61とトナー供給ロール34との間では、可撓性チューブ61が摺動部材62側に押し付けられるため、両者間のギャップが安定する。このため、トナーに加わるストレスは、小さく、かつ、一定となり、安定した画質が長期に亘って維持される。
尚、本実施の形態では、トナー回収ロール49による残留トナーの回収を行う態様を示したが、例えばトナー回収ロール49を設けずに、現像ロール32とトナー供給ロール34とのギャップにて、残留トナーを回収除去することも可能であり、この場合も現像履歴を防ぐことが可能になる。
また、本実施の形態では、現像ロール32の可撓性チューブ61を帯電ロール47の駆動力によって行う態様を示したが、例えばトナー回収ロール49の駆動力を使用することも可能で、この場合も、帯電ロール47の駆動力を使用する場合と同様の効果があることは云うまでもない。
○実施例1
ステンレス(SUS)中実ロールで算術平均粗さRaが0.145μmのもの。実施の形態1に相当するもの。
○実施例2
SUSパイプ(厚み0.5mm)で算術平均粗さRaが0.223μmのもの。
○実施例3
SUSパイプに100μm厚、体積抵抗率1×1010Ω・cmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)チューブを被覆し、算術平均粗さRaが0.032μmのもの。
○実施例4
PA(ポリアミド)樹脂成形による中実ロールで算術平均粗さRaが0.674μmのもの。ロール中心軸両端に各500gの荷重を掛け、導体板の上に置いて中心軸にDC500Vを印加したときの絶縁抵抗値は1×107Ωであった。
○実施例5
SUSパイプに100μm厚、体積抵抗率1×108Ω・cmのポリアミド(PA)チューブ(厚み80μm)を被覆し、算術平均粗さRaが0.112μmのもの。
○実施例6
アルミニウムパイプ(厚み1mm)で算術平均粗さRaが0.124μmのもの。
○実施例7
体積抵抗率1×1010Ω・cm、厚み80μmの、ゴム成分を分散させたPVDFチューブで被覆したSUSパイプで算術平均粗さRaが0.033μmのもの。
○実施例8
実施の形態3のように、100μm厚、体積抵抗率1×1010Ω・cmのPVDFチューブを回転させるようにしたもので、算術平均粗さRaが0.172μmのもの。
○比較例1
半導電性のシリコーンゴムを用い、このゴムロール表面を研磨仕上げし、算術平均粗さRaが1.521μmのもの。硬度は、JIS−Aで40度であり、ロール中心軸両端に各500gの荷重を掛け、導体板の上に置いて中心軸にDC500Vを印加したときの絶縁抵抗値は1×106Ωであった。
○比較例2
ウレタンゴムに樹脂被覆層を施した半導電性ゴムロールを使用し、算術平均粗さRaが1.047μmのもの。
○比較例3
アルミニウムパイプをサンドブラスト処理し、表面の算術平均粗さRaを0.851μmとしたもの。
○比較例4
SUSパイプに100μm厚、体積抵抗率1×108Ω・cmのPAチューブを被覆し、算術平均粗さRaが0.847μmのもの。
○比較例5
アルミニウムパイプをサンドブラスト処理し、表面の算術平均粗さRaを1.129μmとしたもの。
本性能評価は、実施の形態1の構成(非接触タイプ)にて、上述した実施例1〜7及び比較例1〜5の現像ロールを使用して、また、実施の形態3の構成(チューブ現像ロール)にて実施例8の現像ロールを使用して、現像ロールの差異によるゴースト並びに現像ロール上のトナー層の状況を評価確認したものである。
使用したトナーは、粉砕法で作製した非磁性一成分トナーで、体積中心粒径7μmであった。実施の形態1(実施例1〜7、比較例1〜5)では、現像ロールは直径約30mmで周速を220mm/sec、トナー供給ロールは直径20mmのSUSロールで周速を440mm/sec、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを100μmとした。また、帯電ロールは直径14.9mmのSUSロールにPVDFチューブを被覆したもので周速を110mm/secとした。
そして、現像ロールとトナー供給ロールとの間へ印加する供給バイアスとしては、図5の電圧波形で、ピーク間電圧Vppが1.5kV、デューティ比が0.07、1周期が0.5msecとなるように調整した。また、帯電ロールには、帯電バイアスとして現像ロールの軸方向有効長8cm当たり−10μAとなるように、定電流を付加した(これにより、トナー帯電量は約−30μC/gとなった)。
更に、感光体と現像ロールとのギャップは250μm、現像ロールは感光体に対し、周速比が1.5になるように感光体の周速を調整した。また、現像バイアスとしては、直流成分Vdc=−200V、交流成分2kHzのVpp=1.5kVの重畳波形を印加した。
更にまた、潜像電位は、明部電位を−70〜80V、暗部電位を−400〜−600Vで調整した。
一方、実施の形態3(実施例8)では、現像ロール周速33mm/sec、感光体周速26mm/sec、トナー供給ロールは外径20mmのSUSロールで、表面粗さは算術平均粗さRaが0.22μm、最大高さRyが2.12μm、十点平均粗さRzが1.83μmであり、周速157mm/secで回転させた。帯電ロールは、外径14.5mmで、1×1010Ω・cm、厚み100μmのPVDFチューブを被覆したSUSロールで、現像ロールと同一周速で対向部にて同一方向に回転(With)させた。また、非画像部電位−700V、画像部電位−100V、現像バイアス−400Vとした。その他の条件は、実施の形態1と同じとした。実施例8のPVDFチューブ現像ロール上のトナー帯電量は約−15μC/gであった。
尚、現像ゴーストについては、記録紙(普通紙)に、太字の文字画像の直後(現像ロールの1回転ピッチ以内)にハーフトーン画像が形成されるパターンの画像を形成したとき、現像ゴーストが発生しているか否かを調べ、以下の基準で評価した。○:未発生又はかすかに発生、×:明瞭に発生。
また、比較例1〜5の場合には、非接触タイプ、接触タイプいずれにおいてもゴースト現象が確認された。尚、この場合、非接触タイプではトナーの薄層均一性がやや悪いものがあったが、接触タイプではいずれも薄層均一性は確保された。
更に、本性能評価では、各現像ロールの表面粗さについて、最大高さRy、十点平均粗さRzについても測定値を記載した。
本性能評価では、上述した結果に基づいて、更に、帯電部材をイオン伝導性物質が分散されたPAシート(実施の形態2に相当)に代えたり、表面が抵抗層をもつ現像ロール(実施例3〜5と8、比較例1,2,4)に対しては、帯電ロールとして、SUSロール(Ra=0.150μm)を使用して、評価確認したが、同様の結果が得られることが確認された。
本性能評価では、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを100μmとしたが、本発明者は、更に詳細に検討し、ギャップが50〜200μmの間で、本性能評価での評価結果と同様の結果が得られ、同様の効果があることを確認した。また、現像ロールに対するトナー供給ロールの周速比について、本発明者は、更に詳細に検討し、正逆双方にて1.5〜6の間で、本性能評価での評価結果と同様の結果が得られ、同様の効果があることを確認した。
以上のことから、本件発明の有効性が確認された。
本性能評価は、実施例1の現像ロールを使用し、実施の形態1の構成にて、デューティ比を変えたときの現像ロール上に供給されるトナー薄層のトナー供給量及びトナー層表面電位を測定したものである。
結果は、図14に示すように、トナー供給量はデューティ比に比例して増加する傾向が確認された。また、トナー層表面電位は、デューティ比0.6程度までは0〜5V程度であったが、それを超えると急激にトナー層の電位が増加する傾向が確認された。
本性能評価でのトナーは、供給時に積極的な摩擦力は加えておらず、トナーの帯電量はかなり小さいものと推測され、結果もそれを反映したものであった。
これらの結果から、現像ロールでのトナー付着量(トナー供給量に相当)を6〜14g/m2程度と薄層にした場合には、トナー層表面電位は0〜+5V程度と小さくなることから、このような薄層のトナー層を供給することで、供給されたトナーは殆ど帯電していないレベルと判断して差し支えないことが確認された。
したがって、このことから、本件では十分均一な帯電量制御が可能であることが理解された。
本性能評価は、実施例1の現像ロールを使用し、実施の形態1の構成にて、帯電ロールに印加する定電流値と、帯電ロールによって帯電制御された現像ロール上のトナー薄層の帯電量との関係を測定したものである。
結果は、図15に示すように、電流値に比例して帯電量が大きくなる(負帯電トナーを使用したことから帯電量の絶対値が大きくなる)ことが確認された。このことから、本性能評価によれば、帯電ロールの定電流値を変えることで0〜−60μC/gの帯電量制御が任意に可能になることが確認された。
以上のことから、本件における現像ロール上のトナー薄層の帯電制御が十分有効であることが確認された。
Claims (7)
- 静電潜像が担持される像担持体に対向し、回転可能で表面に現像剤を担持し且つ像担持体上の静電潜像を現像剤にて現像するように現像バイアスが印加されると共に鏡面仕上げされた算術平均粗さRaが0.7μm以下の表面を有する現像剤担持体と、
この現像剤担持体と離間配置され、当該現像剤担持体との対向部位で現像剤担持体と同方向に回転し且つ前記現像剤担持体への現像剤供給を促す供給バイアスが印加された金属製の現像剤供給部材と、
この現像剤供給部材より現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に配設され且つ前記現像剤担持体上の現像剤の帯電制御を行う帯電部材と、
現像剤担持体に対向配置され且つ当該現像剤担持体上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材と、を備え、
前記供給バイアスは、現像剤担持体に印加される前記現像バイアスに重畳され、その1周期中に、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間に電圧変動の大きな交流電圧のみを作用させて前記現像剤担持体からの現像剤の飛翔を促す作用領域と、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間の電位差をゼロとする非作用領域と、を含むことを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
前記現像剤回収部材は前記現像剤供給部材と同一なもので兼用されていることを特徴とする現像装置。 - 静電潜像が担持される像担持体に対向し、内部に摺動部材を固定的に設けると共にこの摺動部材によって形状が保持された状態で回転し、表面に現像剤を担持し且つ像担持体上の静電潜像を現像剤にて現像するように現像バイアスが印加されると共に鏡面仕上げされた算術平均粗さRaが0.7μm以下の筒状薄膜部材を有する現像剤担持体と、
この現像剤担持体と離間配置され、当該現像剤担持体との対向部位で前記筒状薄膜部材と異なる方向に回転し且つ前記現像剤担持体への現像剤供給を促す供給バイアスが印加された金属製の現像剤供給部材と、
この現像剤供給部材より現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に配設され且つ前記現像剤担持体上の現像剤の帯電制御を行う帯電部材と、
現像剤担持体に対向配置され且つ当該現像剤担持体上の残留現像剤を回収する現像剤回収部材と、を備え、
前記摺動部材には前記帯電部材に対向する位置にて前記筒状薄膜部材とは非接触になるように凹む凹部を設け、
前記供給バイアスは、現像剤担持体に印加される前記現像バイアスに重畳され、その1周期中に、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間に電圧変動の大きな交流電圧のみを作用させて前記現像剤担持体からの現像剤の飛翔を促す作用領域と、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間の電位差をゼロとする非作用領域と、を含むことを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は3に記載の現像装置において、
現像剤回収部材は、現像剤供給部材より現像剤担持体の現像剤搬送方向における上流側に配設されることを特徴とする現像装置。 - 請求項4記載の現像装置において、
現像剤回収部材は、現像剤担持体からの現像剤の回収を促す回収バイアスが印加されることを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は3に記載の現像装置において、
前記帯電部材と現像剤担持体との間に定電流制御される帯電バイアスが印加されることを特徴とする現像装置。 - 静電潜像を担持する像担持体と、
この像担持体上の静電潜像を現像する請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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