JP4670330B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような方式では、トナー供給ロールを現像ロールに圧接し、その接触部では互いに反対方向に移動させているため、トナーに過大なストレスが付与され、トナー表面の外添剤粒子が剥離したり、あるいは内部に埋め込まれたりして、結果的にトナー粒子の流動性、凝集性、帯電特性等が初期とは変化するようにもなり、画質が劣化する。
また、現像装置の駆動トルクが大きくなり、画像のバンディングの原因にもなる。更には、トナー供給ロールの発泡体内部にトナー粒子が入り込んで、発泡体の硬さが変化して、トナー供給能力が低下したり、この供給能力の低下による画像濃度の低下等を来す。また、現像ロール上の残留トナー(現像後に現像ロール上に残るトナー)の剥離能力が低下し、ゴースト現象が起こるという問題もある。
特許文献1には、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを現像ロール上のトナー層厚より大きくすることが記されている。また、特許文献2には、現像ロールとトナー供給ロールを離間配置させ、このトナー供給ロールに正多角柱形状のロールを用いた例が示されている。更に、特許文献3には、現像バイアスとして交流のピーク条件を規定することで、地肌かぶりを解消しようとする方式が示されている。更にまた、特許文献4では、現像ロール上の残留トナーはトナー供給ロールによって剥ぎ取らずに、層厚規制する弾性ブレードにて調整することでトナーでのストレスの発生を防止し、かぶりを防ぐことができることが示されている。また、このとき、弾性ブレードと現像ロール間に交流バイアスを印加することで、両者の微小間隙にて現像ロール上のトナーを飛翔、撹拌させるようにしている。そのため、この特許文献では、所謂球形トナーの形状係数を規定し、滑り性がよいトナーが望ましいとしている。
この種の技術的課題は、現像ロールとトナー供給ロールとの間のギャップに充填されるトナーの流動性に起因するものと推測される。
すなわち、トナーの流動性が良すぎると、両ロール間のギャップに充填されたトナーが下方に流れ易く、現像ロール側にトナーが旨く供給されず、現像ロール上には薄く不均一なトナー層が形成される可能性が高い。
一方、流動性が悪すぎると、ギャップでのトナーのパッキングを起こし易くなり、現像ロールには、このある程度パッキングされたトナーがランダムに供給されるようになり、不均一なトナー層となる。
そのため、従来は、トナー供給量を多くして、現像ロール上には多くのトナーを供給し、不均一で厚いトナー層を形成した後、例えば層規制ブレード等によって均一な薄層にするという手法が採用されている。
そのため、トナー粒子に過大なストレスが与えられ、トナー表面の外添剤粒子が剥離したり、トナーに埋め込まれることで、トナーの流動特性、帯電特性が変化し、画質が劣化するという問題は完全には解消されない。また、層厚規制部材へトナーが固着し、画像に白スジ(固着物によるトナー層の掻き取りによるトナー不足が原因)や黒スジ(固着物が剥がれることで画像上に付着することや、あるいは固着物が弾性現像ロール表面を削り、その凹溝にトナーが埋まることなどが原因)が発生するという問題も解消されない。
また、現像剤供給部材3は、現像剤担持体2とのギャップを安定に保つ観点から剛体が好ましいが、特にこれに限定されず、現像剤Gを担持搬送できるものであればよい。
仮に、現像剤Gの圧縮度が35%未満であると、現像剤担持体2と現像剤供給部材3とのギャップに流入した現像剤Gは瞬く間にこのギャップから流出(噴出)してしまい、現像剤Gの粒子相互が圧縮されず、現像剤Gを現像剤担持体2側へ適度に押し付ける力が作用できなくなり、現像剤担持体2への現像剤Gの付着を阻害するようになる。そのため、現像剤担持体2上には現像剤Gの薄層が全く形成されないか、あるいは極薄い層(例えば1層未満)程度しか形成されないようになる。
すなわち、特許文献5には、二成分現像剤におけるトナーとして、体積平均粒径が6.0〜11.0μm、5μm以下の微粉を22〜90%の範囲で含有し、圧縮度が30%以下であればよいと記されている。また、特許文献6には、トナー供給ロールへの目詰まりを防ぐ観点から、平均粒径3〜20μmで圧縮度35%以下のトナーが好ましいと記されている。更に、特許文献7には、平均粒径4〜12μmで圧縮度が5〜40%のトナーが好ましいと記されている。
したがって、特許文献5〜7では、現像ロールとトナー供給ロールとを離間配置させた非接触トナー供給方式に関するものではなく、トナー供給ロールと現像ロールとのギャップでのトナーの流動性に着目したものとはいえず、本件とは課題が全く異なるものであるから、本件とは無関係である。
更に、1周期に占める作用領域の時間の割合(デューティ比)を、0.07以下とすることが一層好ましく、この場合、現像剤担持体2への現像剤供給量を7g/m2以下にすることができ、所望の現像剤薄層が容易に形成できる。
特許文献8には、現像剤担持体上の現像後の残留現像剤を除去し、ゴーストを防止する目的で、現像剤担持体に現像バイアスとしてブランクパルス(交流電圧と直流電圧を重畳して印加する区間(振幅部)と、これに続いて直流電圧のみを印加する区間(ブランク部)の全体を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すバイアス)を印加する非接触現像方式が開示されている。そして、このとき、現像剤供給部材には一定電圧を印加するか、上述のブランクパルスを印加するようになっている。
しかしながら、この場合、現像剤供給部材から現像剤担持体に供給される現像剤量が不足することに対しては、現像剤供給部材と現像剤担持体との間の電界作用によって防止することしか記されておらず、現像剤担持体へ供給される現像剤量を必要以上に多くならないように規制し、かつ、均一な薄層にするために必要な現像剤及び供給バイアスに要求される特性については何ら示されていない。また、現像剤担持体と現像剤供給部材とのギャップでの現像剤の流動性に着目したものでもない。よって、本件とは異なるものである。
また、帯電バイアス6は、定電流制御によって構成されることが好ましく、このことにより、現像剤Gへの帯電制御が一層安定し、現像特性の安定性を一層向上させることができる。
更にまた、本発明による画像形成装置の態様としては、静電潜像が担持される像担持体1と、この像担持体1上の静電潜像を現像する現像装置として、上述の現像装置を備えたことを特徴とする。
このため、長期に亘って良好な画質を維持できる現像装置を提供することが可能になり、更に、これらの現像装置を用いることで、長期に亘って安定した画像が形成できる画像形成装置を容易に構築することができる。
◎実施の形態1
図2は、本発明が適用された実施の形態1の画像形成装置を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21は帯電ロール等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書き込み装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この書き込まれた静電潜像は、光の当たった感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像装置30は、現像ハウジング31内に一成分現像剤であるトナーを収容し、現像剤担持体としての現像ロール32にトナーを担持させ、この現像ロール32にバイアス電源33から直流電圧に交流電圧が重畳された現像バイアスを印加することで、現像ロール32を静電潜像の高電位部と低電位部との中間電位に保持し、静電潜像の画像部を帯電されたトナーにて現像するようにしたものである。
また、転写装置26は、例えば感光体21に接触配置された転写ロールにて構成され、バイアス電源27によって感光体21上で現像されたトナー像が引き付けられる方向の転写バイアスを印加されることで、感光体21上のトナー像を記録材28に転写させるようにしたものである。
更に、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像が記録材28に定着されるようになっている。
本実施の形態での現像ロール32は、例えばステンレス(SUS)の表面を鏡面仕上げした金属ロールで構成され、表面粗さは、算術平均粗さRaが0.145μm、最大高さRyが1.801μm、十点平均粗さRzが1.118μmとなっている。尚、表面粗さの測定は、JIS B0601−1994に準拠し、(株)東京精密製Surfcom1400Aにて、ロールの円周方向に沿って測定長1.5mm、カットオフ波長0.25mm、測定速度0.3mm/secの条件で測定した。
そして、本実施の形態では、トナー供給ロール34と現像ロール32との間にはバイアス電源35が接続され、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給を行う供給バイアスが印加されるようになっている。
また、このトナー供給ロール34の背後には、トナーを収容するトナーホッパ36が設けられ、例えば図示外のアジテータによってトナーが撹拌され、トナー供給ロール34側へトナーが搬送されるようになっている。尚、図中符号37は、トナー供給ロール34上のトナーを掻き落とすためのPET(ポリエステル)シート等の掻き落とし部材であり、トナー供給ロール34に付着したトナーを掻き落とし、トナー供給ロール34上のトナー量が安定に維持されるようになっている。
本実施の形態における帯電ロール41は、SUS等の金属製ロールに体積抵抗率1×1010Ω・cmの100μm厚のポリフッ化ビニリデン(PVDF)チューブを被覆したもので、現像ロール32に対し、ギャップが0〜50μmとなるように設けられている。このギャップが0〜50μmとは、各ロールの寸法公差と取り付け公差によって、帯電ロール41を1回転させた際に、この範囲で実際のギャップが変動することを示している。
更に、帯電ロール41の現像ロール32と略反対側には、帯電ロール41上の付着トナーを掻き取る、例えばPET(ポリエステル)シートからなる掻き取り部材44が設けられ、帯電ロール41表面をクリーニングすることで常に安定した帯電バイアスが印加され、現像ロール32上のトナーへの安定した帯電制御が行われるようになっている。
図4は、本実施の形態における供給バイアスの電圧波形の一例を示すもので、台形波(矩形波)の大きな電圧変動がある作用時間(作用領域に相当)と、その後に続く電圧ゼロの非作用時間(非作用領域に相当)とで1周期をなす電圧波形となっている。そして、この電圧波形が加わるように、バイアス電源35が構成されている。尚、トナー供給ロール34には、現像ロール32へ印加される現像バイアスに重畳された波形として加えられる。
すなわち、本実施の形態では、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー飛翔を台形波の大きな変動がある作用時間に行い、1周期に占める作用時間の割合(デューティ比)を変えることで現像ロール32へ供給されるトナー量を制御できるようにしている。また、トナーが不要な帯電をすることもない。仮に、この作用時間を連続させると、供給されるトナー量が多くなりすぎて所定の供給量に制御することが困難となる。
トナーの圧縮度は、パウダーテスターP−100(ホソカワミクロン社製)を使用し、ゆるみ見かけ比重Aと、固め見かけ比重Pとを測定し、次式で求めた。
圧縮度(%)=100(P−A)/P
ここで、ゆるみ見かけ比重Aと固め見かけ比重Pとは、次の方法によって測定した。
(1)ゆるみ見かけ比重A
直径5cm、高さ5.2cm、内容量100mLのカップにトナーが山盛りになるまでの時間が、おおよそ20〜30秒くらいになるように流出速度を調整しながら、測定用トナーを上部シュートから流出させてカップに山盛りに盛る。すばやく金属ブレードでカップ表面をすり切って電子天秤で秤量する。このとき、「カップ内のトナー質量÷100」がゆるみ見かけ比重Aとなる。
(2)固め見かけ比重P
ゆるみ見かけ比重で使用した測定用カップに、付属のキャップを継ぎ足す。トナーをキャップの上部まで静かに入れ、カップを180回タップさせる。タッピングが終了した時点でキャップを外し、カップに山盛りになっている余分なトナーを金属ブレードですり切って電子天秤で秤量する。このとき、「カップ内のトナー質量÷100」が固め見かけ比重Pとなる。
同図において、トナーホッパ36内でアジテータ(図示せず)によって撹拌されたトナーは、トナー供給ロール34へ供給される。このとき、トナー供給ロール34上には厚みむらや付着むらがあり、トナー量も大量の、おおよそ50〜100g/m2の付着量である。尚、付着量は雰囲気の温湿度、トナーホッパ36内のトナー量等に応じて変動する。
そして、トナー供給ロール34と現像ロール32との対向ギャップに達すると、トナー供給ロール34に付着したトナーは、バイアス電源35による供給バイアスによりギャップ内で往復振動する。この往復振動は、トナーのうち、ごく僅かに帯電している粒子に作用する静電力によって生じているものと考えられる。尚、この対向ギャップに至るまで、トナーには積極的な帯電(摩擦帯電)は施されていないことから、このごく僅かの帯電は、トナーホッパ36の内壁やアジテータとトナー粒子との摺擦、トナー粒子間での摩擦等によってごく小さい摩擦帯電電荷を帯びているものと推定される。
このとき、供給バイアスの交番電界により、トナー粒子がギャップ間で往復振動を行う結果、現像ロール32上に付着したトナーは均一な層を構成する。仮に、供給バイアスとして直流電界のみを印加すると、現像ロール32上に形成されるトナー層は厚みむらの大きな不均一な層が形成されることになる。
また、本実施の形態では、供給バイアスとして、図4に示す波形を使用していることから、トナー供給ロール34から現像ロール32へ供給されるトナー量をコントロールすることができ、現像ロール32上には、トナーの薄層が形成される。
このとき、本実施の形態では、供給バイアスとして、図4に示す電圧波形のバイアスが印加されているが、このようなバイアスを印加するには、例えばCPU等を基にした波形発生回路を用い、現像バイアスとしては直流成分と交流成分を重畳したものをバイアス電源33に、更に、供給バイアスとしては図4のような波形を合成した後バイアス電源35に印加するようにすればよい。
更に、トナー供給ロール34上で現像ロール32側に供給されなかったトナーは、掻き落とし部材37によって掻き取られ、トナー供給ロール34上に供給されるトナー量も常時安定する。そのため、現像ロール32へ供給されるトナー量の安定性が一層維持されることとなる。
図5における波形は、作用時間では片側(本例ではマイナス電圧)にのみ三角波の電圧VLが印加され、非作用時間では、作用時間の三角波の面積に等しい面積を有する三角波の電圧VHが作用時間とは異なるプラス電圧側に形成されている。
今トナーホッパ36内の負帯電トナーは、殆ど帯電していないが、個々のトナー粒子では僅かにマイナスに帯電していたり、プラスに帯電したり、これらのトナー粒子が混在している。また、トナー供給ロール34に担持される段階で、トナー粒子同士が接触し、一方がマイナスに他方がプラスに帯電する。
このような各種の帯電量をもつトナー粒子が存在しているときに、現像ロール32とトナー供給ロール34との間に、図5の供給バイアスを印加する(トナー供給ロール34側にマイナス側のピークが大きい)と、マイナスに帯電したトナー粒子が現像ロール32側に強く引き付けられ、プラスに帯電したトナー粒子が現像ロール32側に向かう力を小さくすることができる。
この帯電シート42は、イオン伝導性物質で抵抗値を調整し、体積抵抗率1×108Ω・cm、弾性率1.2×109Pa、厚み100μmのPAシート(ポリアミド:具体的には66ナイロン)のシート片42bの一端を導電性支持部材42aに固定し、他端を現像ロール32に軽く接触するように配置したもので、接触圧としては2gf/cm以下となっている。
本実施の形態においても、帯電シート42と現像ロール32との接触圧は十分小さくなっていることから、帯電シート42へのトナー固着も発生せず、帯電ロール41(実施の形態1参照)を使用したときと同様の効果を奏する。
また、本実施の形態の構成にて、現像ロール32の表面粗さを変えて確認したところ、算術平均粗さRaが0.7μm以下であれば、現像履歴が解消されることが確認された。
図7は、本発明が適用された実施の形態2に係る現像装置30が使用された画像形成装置の概要を示す。同図において、本実施の形態は、実施の形態1の画像形成装置(図2参照)と略同様に構成され、感光体21及び現像ロール32の回転方向が実施の形態1と異なる。そのため、実施の形態1と同様な構成要素には同様の符号を付し、ここでは、画像形成装置の詳細な説明は省略する。
本実施の形態における現像ロール32は、厚さ100μmのPVDFの可撓性チューブ61内に可撓性チューブ61の形状保持を行う摺動部材62を固定的に設け、更に、その可撓性チューブ61の両端部内部には、可撓性チューブ61を内面から押圧するリング状の支持部材63を設けた構造を採っている。このとき、可撓性チューブ61表面の算術平均粗さRaは0.172μmとなっている。
また、このトナー供給ロール34の背後には、トナーを収容するトナーホッパ36が設けられ、アジテータ38の回転によってトナーが撹拌されるようになっている。このアジテータ38は、プラスチック製のシャフト38aにポリエステルフィルム等の樹脂フィルムの羽根38bを装着した構成をしており、現像動作時にシャフト38aの回転によって羽根38bが回転することで、トナーホッパ36内のトナーを撹拌すると共に、トナー供給ロール34側へトナーを供給するようになっている。
尚、符号31aは、現像ハウジング31の一部に設けられ、トナーホッパ36内のトナーが現像ロール32へ直接触れるのを防ぐ仕切壁であり、この仕切壁31aによって、現像ロール32上へ供給されたトナー層へ余分なトナーが降りかからないようになっている。
また、この現像ロール32と帯電ロール47との関係は、図10の断面図に示すようになっている。すなわち、帯電ロール47の軸47aに装着されたゴム等の弾性コロからなる押圧部材48に対し、現像ロール32の可撓性チューブ61を挟んで対向する位置に当該可撓性チューブ61を支持する支持部材63を設け、帯電ロール47の回転に伴い押圧部材48と可撓性チューブ61との摩擦力によって可撓性チューブ61が摺動部材62の周りを回転するようになっている。
更に、本実施の形態では、図8に示すように、現像ロール32と感光体21との対向部位より現像ロール32の回転方向下流側で、現像ロール32とトナー供給ロール34との対向部位より上流側には、現像ロール32上のトナーを回収するトナー回収ロール49が設けられ残留トナーを回収できるようになっている。
トナーホッパ36内でアジテータ38によって撹拌されたトナーは、アジテータ38の羽根38bの回転によってトナー供給ロール34側に供給される。トナー供給ロール34上に担持されたトナーは、トナー供給ロール34の回転に伴い搬送され、現像ロール32との対向部位に到達する。この対向部位での現像ロール32とトナー供給ロール34との機械的な摺擦力や供給バイアスによる電界作用により、トナー供給ロール34上のトナーは現像ロール32側へ供給される。
このとき、現像ロール32とトナー供給ロール34とはAgainst方向(両者の対向部位で互いに反対方向)に回転しており、更に、適切なギャップが維持されていることから、トナー供給ロール34から現像ロール32へのトナー供給量が安定する。尚、例えばWith方向の回転であれば、トナーの供給量が不安定になり易い。
そして、この現像ロール32上の十分コントロールされたトナー薄層が、現像ロール32と感光体21との対向部位の現像領域に搬送されることになる。
現像領域では、図示外の現像バイアスにより接触現像が行われ、感光体21上の静電潜像が顕像化される。また、現像ロール32上で現像されずに残った残留トナーは、現像ロール32上をそのまま搬送され、トナー回収ロール49にて容易に回収される。
以上のように、本実施の形態においても、トナーの圧縮度を35〜50%としていることから、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、トナーの体積中心粒径は、コールターカウンタ(コールター社製)にて測定した値であり、形状係数は、光学顕微鏡(ミクロフォトFXA:ニコン社製)で撮影した拡大写真をイメージアナライザLUZEX3(NIRECO社製)により画像解析を行い、次の式にて算出したものである。
形状係数={(トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積}×(π/4)×100
ここで、形状係数は、トナーの投影面積と、それに外接する円の面積の比で表され、真球の場合100となり、真球の形状が崩れるにつれ増加するようになる。尚、求める形状係数は、トナー粒子複数個に対する平均値を代表値としている。
所謂重合トナーで、体積中心粒径(D50)が6.5μm、形状係数が123のトナーであり、圧縮度が42.3%のもの。
○実施例2
重合トナーで、体積中心粒径が6.7μm、形状係数が138のトナーであり、圧縮度が46.4%のもの。
○実施例3
所謂粉砕トナーで、体積中心粒径が8.9μmの不定形トナーであり、圧縮度が47.0%のもの。
○実施例4
重合トナーで、体積中心粒径が5.8μm、形状係数が132のトナーであり、圧縮度が43.6%のもの。
○実施例5
重合トナーで、体積中心粒径が6.9μm、形状係数が119のトナーであり、圧縮度が35.5%のもの。
○比較例1
粉砕トナーで、体積中心粒径が7.9μmの不定形トナーであり、圧縮度が51.4%のもの。
○比較例2
重合トナーで、体積中心粒径が6.9μm、形状係数が119のトナーであり、圧縮度が23.0%のもの。
本性能評価は、実施の形態1の現像装置の構成にて、上述した実施例1〜5及び比較例1,2の7種のトナーを使用したときに、現像ロール上に形成されるトナー層の状態を評価確認したものである。
評価は、トナー供給ロールから現像ロールに供給されたトナーの状況を目視確認し、現像ロール上のトナー薄層の薄層均一性について行った。
結果は、図11に示すように、重合トナー及び粉砕トナーの区別なく、トナーの圧縮度のみに依存し、実施例1〜5では均一性に優れ、比較例1,2では厚すぎてひだ状スジが発生したり、薄すぎて斑状になったりする結果しか得られなかった。
このことからすれば、トナーの圧縮度が35%以上で50%未満であれば、現像ロール上では均一なトナー薄層が形成されることが理解される。
尚、体積中心粒径や形状係数が略同様で、圧縮度が異なるトナーについて、同様の評価を行ったところ、同様な傾向が見られた。
現像ロールとしては、算術平均粗さRaが0.7μmのアルミニウムパイプ及び算術平均粗さRaが0.112μmのPA(ポリアミド)チューブをSUSパイプに被覆したものとした。
結果は、いずれの組み合わせにおいても、上述同様、薄層均一性は優れたものであった。
本性能評価は、実施の形態1の構成にて、供給バイアスのデューティ比を変えたときの現像ロール上に供給されるトナー薄層のトナー供給量及びトナー層表面電位を測定したものである。
使用したトナーは、実施例1のトナーとした。
また、現像ロールは直径30mmのSUSロールで周速を220mm/sec、トナー供給ロールは直径20mmのSUSロールで周速を440mm/sec、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを100μmとした。また、帯電ロールは直径14.9mmのSUSロールにPVDFチューブを被覆したもので周速を110mm/secとした。
そして、現像ロールとトナー供給ロールとの間へ印加する供給バイアスとしては、図4の電圧波形で、ピーク間電圧Vppが1.5kV、1周期が0.5msecとなるように調整した。また、帯電ロールには、帯電バイアスとして現像ロールの軸方向有効長8cm当たり−10μAとなるように、定電流を付加した(これにより、トナー帯電量は約−30μC/gとなった)。
本性能評価でのトナーは、供給時に積極的な摩擦力は加えておらず、トナーの帯電量はかなり小さいものと推測され、結果もそれを反映したものであった。
これらの結果から、現像ロールでのトナー付着量(トナー供給量に相当)を6〜14g/m2程度と薄層にした場合には、トナー層表面電位は0〜+5V程度と小さくなることから、このような薄層のトナー層を供給することで、供給されたトナーは殆ど帯電していないレベルと判断して差し支えないことが確認された。
その後、更に、現像ロールとトナー供給ロールとのギャップを50〜400μmとして、上記と同様の評価を行ったところ、同様の効果が得られることが確認された。
したがって、このことから、本件では十分均一な帯電量制御が可能であることが理解された。
本性能評価は、実施の形態1の構成にて、帯電ロールに印加する定電流値と、帯電ロールによって帯電制御された現像ロール上のトナー薄層の帯電量との関係を測定したものである。このとき、使用したトナーとしては、実施例3の、粉砕トナー、体積中心粒径8.9μm、不定形、圧縮度47.0%のものとした。
結果は、図13に示すように、電流値に比例して帯電量が大きくなる(負帯電トナーを使用したことから帯電量の絶対値が大きくなる)ことが確認された。このことから、本性能評価によれば、帯電ロールの定電流値を変えることで0〜−60μC/gの帯電量制御が任意に可能になることが確認された。
以上のことから、本件における現像ロール上のトナー薄層の帯電制御が十分有効であることが確認された。
Claims (9)
- 静電潜像が担持される像担持体に対向し回転可能で表面に一成分現像剤を担持する現像剤担持体と、
この現像剤担持体に離間配置されると共に当該現像剤担持体との間に現像剤担持体への現像剤供給を促す供給バイアスが印加され且つ表面に担持された現像剤を前記現像剤担持体に供給する回転可能なロール状の現像剤供給部材とを備え、
前記現像剤担持体と前記現像剤供給部材とのギャップが50μm乃至400μmであり、
前記供給バイアスは、現像剤担持体に印加される現像バイアスに重畳され、その1周期中に、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間で現像剤の移動が促され且つ電圧変動の大きな交流電圧のみを作用させる作用領域と、前記現像剤供給部材と前記現像剤担持体との間で現像剤の移動が抑えられ且つ交流電圧及び直流電圧のかかっていない非作用領域と、を含み、更に、前記作用領域の前記1周期に占める時間の割合が0.3以下のものであり、
前記現像剤供給部材から前記現像剤担持体に供給される現像剤の当該現像剤担持体上の現像剤付着量が10g/m 2 以下であり、
現像剤の圧縮度が35%以上且つ50%未満であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
前記供給バイアスは、前記1周期に占める前記作用領域の時間の割合が、0.07以下であることを特徴とする現像装置。 - 請求項2記載の現像装置において、
現像剤供給部材上での現像剤付着量が50乃至100g/m2であり、現像剤担持体上での現像剤付着量が7g/m2以下であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
更に、前記現像剤供給部材より現像剤担持体の現像剤搬送方向下流側に配設されると共に現像剤担持体との間に現像剤を帯電制御する帯電バイアスが印加され且つ現像剤担持体上の現像剤の帯電制御を行う帯電部材を備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項4記載の現像装置において、
帯電部材は、現像剤担持体との圧接力が略ゼロとなるように配設されることを特徴とする現像装置。 - 請求項5記載の現像装置において、
現像剤担持体上の現像剤量は、前記帯電部材との対向部位を通過しても70%以上の現像剤量が確保されることを特徴とする現像装置。 - 請求項4記載の現像装置において、
帯電バイアスは、定電流制御によって構成されることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置において、
現像剤担持体の表面は、算術平均粗さRaを0.7μm以下とするものであることを特徴とする現像装置。 - 静電潜像が担持される像担持体と、
この像担持体上の静電潜像を現像する請求項1乃至8のいずれかに記載の現像装置とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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