JP4649928B2 - 現像装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような方式では、トナーは、通常、現像ロールと、現像ロールの上流側に配設され且つトナーを供給する弾性体状のトナー供給ロールとの当接部位で機械的に摺擦され、摩擦帯電を受けながら現像ロール上に付着される。その後、層厚規制部材にて層厚規制されたトナーは、更に帯電規制部材にて帯電される。そのため、トナー供給ロールと現像ロールとの摺擦や層厚規制部材の圧接によりトナーが溶融して固着する問題がある。また、層厚規制部材と帯電規制部材との併用は、装置の低価格化にとっても好ましいとは云い難い。
しかしながら、上述したこれらの方式では、現像ロールに接触する態様の帯電規制部材においては、何らその具体的態様は明らかにされていない。更に、特許文献3のごとく、帯電器の電極として導電性微粒子やイオン伝導性微粒子等を含む態様が示されてはいるが、特にこれらの添加物に対する評価については何ら記載されていないし、示唆さえもなされていないのが現状である。
特許文献4では、現像ロール上のトナーを均一に薄層化する時のストレスを低減するために、現像ロールに所定の低圧力で接触する弾性体からなる層厚規制部材を使用した態様が記されている。しかしながら、このような層厚規制部材であっても、長期に亘る使用を繰り返すと、トナー固着の問題が発生する懸念がある。
しかしながら、このように導電剤としてカーボンブラック等の導電性粒子を使用すると、帯電時のニップ域における一様な電界を維持することが困難であり、ニップ域のトナーの帯電量のばらつきが大きくなる。
しかしながら、この構成では、チューブの内部に弾性ロールを充填した状態となっているため、帯電規制部位での接触圧は必ずしも弱いものとはいえず、また、実施例で示されるチューブは、ポリアミド樹脂(ナイロン)にカーボンブラックを混合分散した構成となっており、イオン伝導性物質や電子伝導性物質に対する差異については何らの着眼もなされていない。
また、現像剤担持体1は現像剤を担持できるものであればロール状、ベルト状いずれでもよく、効果的に現像を行う観点からは現像剤担持体1が、当該現像剤担持体1に対向配置され静電潜像が担持される像担持体に接触配置される態様が効果的に現像を行う観点からは好ましいが、像担持体と非接触配置の態様であっても差し支えない。
また、この帯電規制部材2によって、現像剤担持体1上の現像剤の層厚規制を同時に行うことも可能であり、この場合、この帯電規制部材2の上流側では現像剤担持体1上の現像剤量が既に層厚規制されていてもよいし、特に層厚規制されていなくてもよい。
イオン伝導性物質4は電子伝導性物質6と異なり、樹脂に対する分散性において優れている(基本的に分子レベルでの分散となる)ため、樹脂5中に均一分散され易く、表面樹脂層3に電界が印加された場合、樹脂5中の電流経路は一様となり、特に弱いポイント等ができることがなく、表面樹脂層3全体に亘って一様な電流が流れるようになる。
したがって、表面樹脂層3を電界制御(電流制御)に使用する場合は、イオン伝導性物質4を樹脂5中に分散させた表面樹脂層3の方が安定した条件を維持できるようになる。
更に、表面樹脂層3の裏面側には、帯電規制部材2と現像剤担持体1との間で、現像剤へ帯電を付与する帯電バイアス5が印加可能となるように導電層が積層される態様であってもよく、この場合、帯電規制領域の現像剤に対し帯電バイアス5を更に一様に印加することが可能になる。この導電層との積層は、例えば薄い金属スリーブと表面樹脂層3の積層構成や、表面樹脂層3裏面へ物理めっき等の手段により導電層を形成する方法等で行えばよい。
更にまた、表面樹脂層3の裏面側の帯電規制領域近傍には、現像剤へ帯電を付与する帯電バイアス5が印加可能な導電部材を設けるようにすれば、例えば表面樹脂層3が導電層を積層しない態様にあっても、現像剤に有効に帯電バイアス5を印加することができる。
更に、この帯電バイアス5に交流電界を重畳するようにすれば、現像剤への帯電量を一層増加させることができるようになる。そして、この交流電界のピークツーピーク電圧を変えることで現像剤の帯電量を制御することも可能になる。
また、本発明は、上述された現像装置を含む画像形成装置をも対象とするものである。
更に、帯電規制部材の環境変化に応じて帯電バイアスを変化させるようにすれば、現像剤担持体と帯電規制部材間で行う現像剤の帯電規制に際し、環境条件に適した電界を全体に一様に印加することができ、現像剤への安定した帯電量規制を行うことが可能な現像装置を提供できる。
また、これらの現像装置を用いることで、現像特性の安定した画像形成装置を提供できる。
◎実施の形態1
図3は、本発明が適用された実施の形態1の画像形成装置を示す。
同図において、符号21は、矢印方向に回転する有機感光体からなる静電潜像を担持する感光体であり、この感光体21はスコロトロン等の帯電装置22によって帯電され、レーザ書込装置やLEDアレイを有する露光装置23によって静電潜像が書き込まれる。この書き込まれた静電潜像は、光の当たった感光体21表面電位が低下し、光の当たっていない高電位部分とのコントラストによる電位画像として形成される。
また、現像ロール32の背後には、現像ロール32と離間した位置にトナーを現像ロール32へ供給するトナー供給ロール34が配設されている。
また、感光体21上に残留したトナーは、例えばドクターブレード式のクリーニング装置29によって除去される。
そして、本実施の形態において、感光体21上のトナー像を転写された記録材28は、定着装置50に搬送され、この定着装置50によりトナー像は記録材28に定着される。 定着装置50は、例えばヒートロール方式で、加熱ロール51と加圧ロール52とを有し、この加熱ロール51と加圧ロール52との間に記録材28を通過させることによりトナー像を記録材28に定着するようになっている。
そして、本実施の形態における現像ロール32は、フッ素系樹脂やポリアミド系樹脂等に導電剤としてイオン伝導性物質が混合分散され、体積抵抗率を1010Ω・cmとした半導電性樹脂で構成され、回動可能なシームレスチューブ321と、その内部に固定配置され、シームレスチューブ321を支持し、バイアス電源33に接続された導電部材322を有している。また、現像ロール32のシームレスチューブ321が帯電ロール37や感光体21と接する部位では、導電部材322に凹部(A部,B部)を設け、シームレスチューブ321との圧接が十分行われるようになっている。
また、本実施の形態では、帯電ロール37及びトナー供給ロール34に夫々バイアス電源41,42が接続され、帯電ロール37と現像ロール32間及びトナー供給ロール34と現像ロール32間に所定のバイアスが印加されるようになっている。尚、符号39は、帯電ロール37上の付着トナーを清掃するクリーニングブレードである。
一方、帯電ロール37は、ステンレス等の金属ロール371にて構成され、この金属ロール371の両端部には、金属ロール371の回転軸372に固定された、ウレタン樹脂製のゴムロール373が設けられている。そして、このゴムロール373はシームレスチューブ321の支持部材323に対向する位置にあるため、帯電ロール37の回転によって現像ロール32のシームレスチューブ321が支持部材323と共に回転するようになる。また、シームレスチューブ321と帯電ロール37とは、所定の食い込み量dで圧接した状態に維持されているため、現像ロール32は帯電ロール37の回転に従動して安定した回転を行うようになっている。
同図において、トナーホッパ35内でアジテータ36によって撹拌されたトナーは、アジテータ36の羽根の回転によってトナー供給ロール34側に供給される。トナー供給ロール34上に担持されたトナーは、トナー供給ロール34の回転に伴い搬送され、現像ロール32との対向部位に到達する。このとき、この対向部位での現像ロール32とトナー供給ロール34との間の供給バイアス(バイアス電源33とバイアス電源42とで形成される)による電界作用により、トナー供給ロール34上のトナーは現像ロール32側へ供給され、現像ロール32上にはトナー量が略規制されたトナー層が形成される。
そして、このトナー薄層が現像ロール32と感光体21とのニップ域の現像領域に搬送され、現像領域では、バイアス電源33からの現像バイアスにより現像が行われ、感光体21上の静電潜像が顕像化される。また、現像領域の下流側では、現像ロール32上で現像されずに残った残留トナーは、掻き落とし部材38によって現像ロール32上から掻き取られる。本実施の形態では、現像領域では、感光体21と現像ロール32とは適切な接触圧で接触しているため、現像された感光体21上のトナー像の画質向上にも役立っている。
したがって、トナーの固着も起こり難く、長期に亘って使用しても安定した現像性能を維持することができる。
そのため、現像ロールが回転し、この現像ロールに圧接している帯電ロール61が従動回転するようになっている。尚、感光体と現像ロールとは離間配置される。
本例における帯電ロール61は、ステンレス等の金属軸613の両端部に、円形状の支持部613aを備え、表面にシームレスチューブを被せた構成を採っている。
そして、このシームレスチューブは、表層にイオン伝導性物質を導電剤とする表面樹脂層611を有し、裏面には導電層612を積層したもので構成されている。そのため、本例においては、シームレスチューブの内側には、特に表面樹脂層611を支持し、表面樹脂層611に通電するための導電部材を備える必要はなくなる。
このようにすれば、現像ロールと帯電ロール61との圧接状態が安定し、安定した帯電制御が可能になる。
図7は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態2に係る現像装置の帯電制御のフローチャートを示す。本実施の形態は、実施の形態1における現像装置30(図4参照)と略同様に構成されるが、帯電ロール37の近傍に、環境検知手段としての環境センサ(温湿度センサ)を備えている点が実施の形態1と異なる。尚、現像装置30の構成は実施の形態1と同様の構成のため、ここでは省略する。
先ず、画像形成装置のウォーミングアップ時に、環境センサからの信号によって、装置が記憶している直前の環境から変化があったかどうかを、内蔵のCPU等で判断する(ステップS1)。
環境変化がありと判断されると、その変化量に合わせた分だけバイアス電源41の定電流値を変化させ、帯電ロール37への印加電流値を上下させる(ステップS2)。
また、環境変化がないと判断された場合には、バイアス電源41の定電流値はそのままに維持し、帯電ロール37への印加電流値が変化しないようにする(ステップS3)。
また、環境センサからの信号入力を画像形成装置のウォーミングアップ時に行うのみならず、適宜行うようにすれば、更に現像特性を安定させることが可能になる。
本実施例は、実施の形態1と同様の構成にて、帯電ロールの軸方向長さを8cmとした実験機にて行ったもので、現像ロールのシームレスチューブとして、イオン伝導性物質を含んだポリフッ化ビニリデン(PVdF)を使用したときの、帯電ロールへ流す電流値とトナー帯電量との関係を評価したものである。
本実施例では、シームレスチューブは、厚さ100μmのPVdFで、体積抵抗率を次の4種のもの、すなわち、1×109、1×1010、1×1011、1×1012Ω・cmのものにて行った。また、電流値は、−5〜−40μAとした。
図8は、その評価結果であり、印加電流を上昇させるに従い、帯電量が比例して大きくなることが判明した。また、PVdFの体積抵抗率との関係については明確な結果が得られなかったが、例えば印加電流を−20μA以上にすれば、帯電量として−20μC/g以上の帯電量が得られることが判明した。
本実施例では、実施例1と同様に、印加電流と帯電量との関係を評価したものであるが、使用したシームレスチューブが実施例1と異なる。本実施例では、厚さが100μmで体積抵抗率が1×108Ω・cmのカーボンブラックを含むPVdFのシームレスチューブと、厚さが144μmで体積抵抗率が1×107Ω・cmのカーボンブラックを含むポリアミド(PA)樹脂のシームレスチューブを使用した。
図9は、その評価結果であり、いずれも帯電量は非常に低く、印加電流を増加させても帯電量は変化しなかった。
本実施例は、上述した実施例1及び実施例2にて評価したシームレスチューブを使い、実験機にて帯電ロールと現像ロールとの間のV−I特性(電圧−電流特性)を測定したものである。結果は、図10に示すように、107Ω・cmのPAや108Ω・cmのPVdFでは、印加電圧を上げると電流が急激に立ち上がり、また、印加電圧を−500Vとしたときに既に大きな電流が流れることから、帯電制御に使用できるものではないと判断した。
印加電圧が−500Vのときの夫々の電流値から、絶縁抵抗値を換算すると、107Ω・cmのPAが3.5×106Ω、108Ω・cmのPVdFが1.4×107Ω、109Ω・cmのPVdFが4.9×109Ω、1010Ω・cmのPVdFが1.7×1011Ω、1011Ω・cmのPVdFが1.5×1012Ω、1012Ω・cmのPVdFが4.5×1012Ωであった。
この結果から、体積抵抗率が高すぎても電流制御を行うための印加電圧を大きくする必要があり、109〜1010Ω・cm程度が実用的な体積抵抗率の範囲と想定される。
本実施例は、100μm厚、体積抵抗率1010Ω・cmのPVdFのシームレスチューブを使用し、食い込み量60〜70μmとした状態で、帯電ロールへ印加する定電流として、直流成分のみの場合と、交流成分を重畳した場合との帯電量の変化を評価したものである。
結果は、直流成分のみの場合を図11に、交流成分を重畳した場合を図12に示す。
直流成分のみでは、印加電流−30μA以上では帯電量は約−58μC/g程度と一定となり、これ以上の電流変化を行っても、帯電量の可変はできないことが判明した。
一方、図12のように、交流成分を重畳(直流成分は−150μAに固定し、f=2kHzの交流を重畳)すると、交流電圧(ピークツーピーク電圧Vpp)の大きさによって帯電量が変化することが判明した。
したがって、帯電量として、例えば−60〜−90μC/gに制御しようとすれば、帯電ロールに加えるバイアス電源として、直流の定電流−150μAに、周波数2kHzでピークツーピーク電圧を500〜1000Vとする交流を重畳するようにすればよく、このピークツーピーク電圧を可変させることで、所定の帯電量に制御することが可能になることが理解される。
Claims (10)
- 周面の少なくとも一部に凹部が形成された導電部材と、固定配置された前記導電部材を内包し且つ表面に導電剤としてイオン伝導性物質のみを含む表面樹脂層を有する回動自在な可撓性チューブと、を具備して現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記導電部材の前記凹部に対応して現像剤担持体の表面側に配置され、現像剤担持体に対し対向部位で同方向に回動自在に接触し且つ印加された帯電バイアスにて当該現像剤担持体上の現像剤の帯電規制を行う帯電規制部材とを備え、
前記表面樹脂層は、体積抵抗率が1×109Ω・cm以上であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1記載の現像装置において、
前記可撓性チューブ内には、少なくとも前記現像剤担持体と前記帯電規制部材とが接触する帯電規制領域以外の可撓性チューブ裏面側を支持部材にて接触支持するようにしたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2記載の現像装置において、
表面樹脂層の裏面側には、現像剤へ帯電を付与する帯電バイアスが印加可能な導電層が積層されることを特徴とする現像装置。 - 請求項1又は2記載の現像装置において、
表面樹脂層の裏面側にて現像剤が帯電規制される帯電規制領域の近傍には、現像剤へ帯電を付与する帯電バイアスが印加可能な導電部材が設けられることを特徴とする現像装置。 - 請求項3又は4記載の現像装置において、
現像剤担持体と帯電規制部材との間の帯電バイアスは、定電流制御された直流電界を含むものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項3又は4記載の現像装置において、
帯電バイアスは、交流電界を重畳したものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項6記載の現像装置において、
前記交流電界のピークツーピーク電圧を変えることで現像剤の帯電量を制御することを特徴とする現像装置。 - 請求項2記載の現像装置において、
前記帯電規制部材は、現像剤担持体上の現像剤の帯電規制を行うと共に現像剤の層厚規制をも行うものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至8のいずれかに記載の現像装置において、
前記帯電規制部材に印加する帯電バイアス条件を環境変化に応じて可変制御する帯電制御手段を更に備えることを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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