JP3705321B2 - 帯電装置及び画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、 静電記録、 イオノグラフィー、 磁気潜像等を応用した複写機、 プリンター等の画像形成装置であって、感光体の表面を一様に帯電させる帯電装置及びこの帯電装置を備える画像形成装置に係り、特に帯電電極を感光体表面に接触するように配置して微小空隙で放電を起こさせる帯電装置及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンターなどの画像形成装置では、電荷受容体である感光体を帯電装置により帯電させ、像光の照射により表面に静電潜像を形成し、現像剤の付着によりこの静電潜像を可視化する。このような画像形成装置で用いられる帯電装置としては、従来よりコロナ放電を利用したものと、帯電ローラなどを用いた接触帯電方式によるものが知られている。
【0003】
コロナ放電を利用した帯電装置は、シールドケース内に電荷受容体の表面と近接・離間させてワイヤーを張架し、これに高電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、電荷受容体に所定の電荷を付与するものである。このような帯電装置は均一な帯電には優れているものの、オゾンなどの放電生成物が大量に生成するため、この放電生成物が感光体表面に付着して感光体を劣化させ、 画質トラブルを発生するという欠点がある。また、オゾンなどの環境衛生上好ましくないガスを処理するための付加装置が必要となり、 装置の複雑化、高コスト化を招きやすい。
【0004】
そのため、最近では、電荷受容体に帯電電極を直接接触させて帯電する接触帯電方式を利用した帯電装置が用いられている。この帯電装置は、電荷受容体に接触させて導電性の弾性ローラやブラシを配置し、この導電性の部材に帯電電圧を印加して、接触部近傍の微小間隙で放電を起こさせることにより帯電を行うものである。この他、特開昭1−93760号公報、特開平3−203754号公報に開示されるように、電荷受容体に押圧されるブレード状の帯電電極を用い、電荷受容体表面の残留トナーを除去するクリーニングブレードと兼用させるようにした装置も知られている。さらに特開平4−249270号公報に開示されるように、帯電電極として可撓性を有するフィルム状部材を用い、その先端部を電荷受容体表面に接触させるように配置した帯電装置も知られている。このような帯電装置では、コロナ放電を利用しないためオゾンなどの放電生成物の発生量が極めて少なく、導電性部材を電荷受容体に接触するように配置するため装置の小型・簡素化、低コスト化に適しているという利点がある。
【0005】
しかし、 上記接触方式の帯電装置のうち導電性のローラを用いるものでは、均一な帯電を行うためには、帯電電極と電荷受容体との密着性を良くして安定した微小空隙を形成する必要があり、ゴム硬度を低くするなど対策が必要となる。そのため、ゴム中に多量のオイルを含有させる必要があり、このオイルが電荷受容体に転移して画質に悪影響を及ぼし易いという欠点がある。一方、このような欠点を解消するためにローラの外形精度を上げる方法があるが、ゴム等の外形精度を上げることは非常に難しく、歩留まりの低下等によりコストアップにつながる。
【0006】
また、上記帯電装置のうち導電ブラシを用いるものでは、上記弾性ローラに比べて接触を均一化することは容易であるものの、ブラシの制作に手間がかかる上、ブラシの掃き目が帯電ムラとなり、画質を低下させるという欠点がある。
【0007】
また、ブレード状の帯電電極をクリーニングブレードと兼用する方式では、良好なクリーニング性と、均一帯電に必要な微小の空隙設定との両立が非常に困難な上に、トナー等の汚れにより帯電が不均一になり、画質を低下させるという欠点がある。
【0008】
一方、フィルム状の帯電電極を用いるものでは、他の導電性部材に比べて簡単な構成で、安定した接触が得やすく、部品の製造コストも安価であるという利点がある。しかし、フィルム状部材の先端部と電荷受容体とが接触するため、摩擦帯電によって帯電電極に振動が起こり、放電を行う空隙が変動して、帯電電位が不安定になり易い。また、電荷受容体との接触部にトナーや外添剤などの異物が詰まってしまうため、縦筋状の帯電不良が発生し、画質を低下させてしまうという欠点もある。このような欠点を改善するための手段として、フィルム状部材に直流と交流とを重畳した帯電電圧を印加する方法もあるが、フィルム状部材に交流の周波数に応じた振動が起こり、帯電音が発生するという欠点がある。
【0009】
そこで、上記欠点を回避するために、特開平4−268584号公報、特開平5−72869号公報等に開示される帯電装置が提案されている。この帯電装置は、可撓性を有するフィルム状部材を円筒状に形成した帯電電極を用い、支持ローラを該帯電電極を介して電荷受容体に押し付けることにより、帯電電極を電荷受容体に接触させ、 接触部近傍に微小空隙の放電空間を形成するようにしたものである。
【0010】
また、特開平4−232977号公報、特開平5−188733号公報、特開平8−220836号公報、特開平8−240964号公報等には、支持ロールと電荷受容体とを離間した状態で配置するとともに、可撓性のフィルム状部材からなる円筒状の帯電電極を該支持ロールの周面に当接させるように支持し、帯電電極を撓ませた状態で電荷受容体に接触させるようにした帯電装置が提案されている。このような帯電装置では、支持ローラが回転駆動することにより、もしくは電荷受容体との従動により帯電電極が周回移動するようになっており、その移動方向が電荷受容体との接触部で同方向になるように設定されている。また、周回移動する帯電電極を支持ロールの周面に安定して当接させるため、帯電電極の外周面にガイド部材やガイドロール等を接触させる場合もある。
【0011】
この他、特開平8−240963号公報、特開平9−6090号公報においては、上記回転型のフィルム状の帯電電極を用いる方式とほぼ同様な構成であるが、帯電電極を電荷受容体との静電気力により回転させるようにした帯電装置が提案されている。
【0012】
上記のような円筒状のフィルム状部材からなる帯電電極を用いる帯電装置では、帯電電極と電荷受容体との摩擦帯電による振動が防止され、また放電部近傍でのトナーや外添剤などの異物の滞留が少なくなることにより、帯電不良が減少するという利点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような回転型のフィルム状帯電電極を用いる帯電装置では以下に示すような問題点がある。
上記のような帯電装置において、支持ローラを回転駆動させる方式では、支持ローラに偏心があると帯電電極がばたつき、また静電気力で回転させる方式では、帯電電極の成型精度(真直度、両端部内周径の寸法差など)が悪いと帯電電極のばたつきが発生する。この帯電電極のばたつきにより放電部の微小空隙が変動し、帯電が不均一になってしまう。
【0014】
また、 帯電電極を支持ローラで押し付けることにより電荷受容体に接触させ、電荷受容体の回転に従動して周回移動させる方式では、電荷受容体に対して大きな圧力が生じるため、トナー等の異物が接触部に進入すると、電荷受容体や帯電電極に傷が付き、画質欠陥が発生してしまう。
【0015】
さらに、上記の支持ローラ回転駆動型、接触従動型、静電気力回転型のいずれの帯電装置でも、長期間使用しているうちに円筒状フィルムからなる帯電電極が軸方向にウォークし、 帯電電極の縁部に力が加わリ、よれ、ねじれなどの変形を生じたりして、 帯電電極を損傷させてしまう。この大きな原因は、帯電電極の成型精度( 真直度、両縁部内周径の寸法差など) によるものであるが、可撓性の円筒状フィルムの成型精度を向上させるには製造上困難を伴う。
【0016】
また、帯電電極のウォークは、 電荷受容体と帯電電極の摩擦力及び静電吸着力が大きい場合に起こるが、逆に摩擦力及び静電吸着力が小さい場合の問題点として、接触従動型、静電気力回転型の帯電装置では、帯電電極の回転スリップが生じてしまう。この回転スリップは、クリーニング不良トナーやクリナーレスプロセスなどのような転写残留トナーが電荷受容体上に多量に存在する場合に発生し、画像上に縦筋状の欠陥を発生させてしまう。
【0017】
次に、回転型の円筒状フィルムを用いる帯電装置に限らず、前述した接触式の帯電装置の共通の問題点として、帯電装置の汚れによる画質欠陥がある。 これらの欠点を解決するために、特開平4−157483号公報、特開平4−303861号公報、特開平4−311972号公報、特開平6−266206号公報、特開平7−49605号公報、特公平7−99442号公報等では、 帯電装置の表面層を非粘着材料で形成または被覆したり、層状固体潤滑剤で形成するなどして、帯電装置表面にトナー等の異物が付着するのを防止している。更には、 帯電電極の表面の摩擦係数を低減するため、帯電電極表面に粉末を塗布するものがある。
【0018】
しかしながら、上記のような帯電装置は、クリナーレスプロセスに適用させた場合に、長期間の使用に対して、またはジャム時の転写未了トナー等による突発的な汚れに対して極めて不十分であり、 帯電電極の汚れを回避できず、 画質欠陥を発生させてしまう。 さらに、汚れが十分に防止できないことから、可撓性の円筒状フィルムを回転させる帯電装置に適用しても、前述のような摩擦力低下により帯電電極の回転スリップが発生してしまう。
【0019】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、長期間に渡り、可撓性フィルムからなる円筒状の帯電電極の回転を安定させ、放電部である微小空隙の空隙距離の変動、帯電電極の軸方向へのウォーク、帯電電極の変形・損傷を防止するとともに、帯電電極表面の汚れが少なく、高信頼性および帯電均一性に優れるオゾンレスの帯電装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、 可撓性を有する円筒状のフィルム状部材からなり、周面が周回移動する電荷受容体と接触して無端移動可能に支持される帯電電極と、この帯電電極に帯電用の電圧を印加する電源とを備え、 前記電荷受容体と前記帯電電極との接触部分の近傍における微小間隙で放電を生じさせて前記電荷受容体を帯電する帯電装置において、 前記帯電電極の内側の、前記電荷受容体と近接する位置に支持され、前記帯電電極の内周長よりも短い外周長を有する支持部材と、 該支持部材と近接・離隔して配置され、前記帯電電極の外周面を押圧する押圧手段とを有し、 前記帯電電極は、前記支持部材の設けられた位置より前記電荷受容体の周回方向下流側において前記支持部材との間に空間部を形成し、電荷受容体との間の静電吸着力により、電荷受容体の周回移動に従って回転駆動力が付与されるものであり、 前記押圧手段は、前記空間部と対向する位置で前記帯電電極の外周面に当接され、該空間部が凹状となって該帯電電極が前記電荷受容体側に押圧されるように配置されているものとする。
【0021】
このような帯電装置では、例えば図11に示されるように、可撓性の円筒状フイルムからなる帯電電極の内側に、 帯電電極の内周長よりも径が小さい支持部材を挿入してあり、帯電電極が電荷受容体との静電吸着力により、電荷受容体の回転方向に引かれるため帯電電極のプレニップ部が支持部材の外周に沿うように回転する。その際、 プレニップ部の帯電電極と電荷受容体との間に形成される微小空隙放電部の空隙距離を微小に保つように、支持部材を電荷受容体に極力近接する。
【0022】
上記支持部材と電荷受容体との距離は非常に重要であり、 支持部材を電荷受容体に近接・配置することにより帯電電極のばたつきは飛躍的に減少し、均一な帯電が可能となる。また、電荷受容体に大きな圧力がかからないように、支持部材と電荷受容体との距離は200μm〜1 mm、好ましくは500μm以下に設定する。このとき、帯電電極の厚みは、30〜200μm、好ましくは約50μmのものを用いることが望ましい。
【0023】
なお、上記帯電電極の材料としては、 半導電性の材料で、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、 ETFE、CTFE等の樹脂、 もしくはシリコーンゴム、 エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末等の導電性の微粉末を混入したものを用いることができる。好ましい体積抵抗率としては、102 Ω・cm以下では火花放電を起こしやすく、 1011Ω・cm以上ではドット状の放電不良を起こしやすいため、103 〜1010Ω・cmの範囲になるように導電性の微粉末の混入量で体積抵抗率を調整することが好ましい。
【0024】
次に、帯電電極の外周面への押圧手段は、帯電電極に大きな圧力がかかり、傷などの損傷を防止するため、支持部材に当接しないように設置するとともに、支持部材上部と帯電電極との間の空間及び電荷受容体の回転方向下流側の支持部材と帯電電極との間の空間が形成されるように、帯電電極を前記押圧手段と電荷受容体とが挟み込むように空間部を押圧して配置してある。このような方式であれば、電荷受容体に帯電電極を十分にニップさせることができ、帯電電極の回転スリップを軽減できる。また、電荷受容体の回転方向下流側の空間で帯電電極が挟み込まれるため、帯電電極のプレニップ部の放電領域では、帯電電極が支持部材に沿うように、可撓性の帯電電極の弾性により適当なテンションがかかり、帯電電極の成型精度が悪くても、帯電電極のばたつきが減少し、帯電均一性が向上する。
【0025】
上記押圧手段の形状は、ロール状、ブラシ状、ベルト状、チューブ状、パイプ状、帯電電極の外周面を囲むハウジング等のいずれの部材を用いてもよく、押圧可能なものであれば、適宜に変更して差し支えない。
【0026】
また上記押圧手段は、請求項5に記載の発明のように、帯電電極の外周面と接触しながら回転し、該帯電電極の周回移動を補助する回転補助手段とすることができる。
【0027】
このような構成では、帯電電極は支持部材に支持されながら、回転補助手段と電荷受容体との間に挟み込まれた状態で、回転補助手段及び電荷受容体の回転にともなって周回移動する。これにより、 帯電電極を電荷受容体に十分にニップさせることができる。 また、上記回転補助手段が帯電電極と接触しながら回転駆動されることにより、帯電電極の回転を安定化させることができる。このため、例えば、低帯電電位のプロセスに適用したときに静電吸着力が減少したり、或いはクリーニング不良トナーやクリーナレスプロセスで転写残留トナーが電荷受容体上に多量に存在する場合でも、摩擦力減少による帯電電極の回転スリップは発生しない。このほか、回転スリップによる電荷受容体と帯電電極とのこすれも同時に防止できるため、電荷受容体および帯電電極の機械的なダメージも低減できる。このときの回転補助手段の周速は、 電荷受容体の周速に対して、0.5〜1.5倍、好ましくは1.0倍がよい。帯電電極が電荷受容体とほぼ等速に回転することにより、回転スリップが発生することがない。
【0028】
また、上記構成では、支持部材を非回転にすることが望ましい。これにより支持部材の偏心による帯電電極のばたつきがなくなり、 プレニップ部の帯電電極と電荷受容体との間に形成される微小空隙放電部の距離がほぼ一定に保たれる。このため、放電が常に安定化し、均一な帯電が可能となる。さらに、支持部材の偏心精度を考えなくてすむので、支持部材を電荷受容体に極力近接して配置することができる。
【0029】
また、上記支持部材の形状は、円形、楕円形、半円形等のロールやパイプ等のいずれを用いてもよく、帯電電極の回転を妨げないものであれば、適宜変更して差し支えない。支持部材の材質に関しては、支持部材と電荷受容体とが微小空隙距離で保持されるため、電荷受容体に対してピンホールリークしにくいように、 摩擦帯電しにくい絶縁体、もしくは半導電性で帯電電極の抵抗率よりも低い抵抗体を用い、強度を持たせるために、金属に前記材質を被覆し、電気的にフロートにしておくことが好ましい。さらに、テフロン、ジュラコン等のように帯電電極との摺動摩擦が少ない材質を用いることが望ましい。但し、これらは支持部材の形状及び材質を何ら制限するものではなく、 上記の機能を有していれば、適宜変更して差し支えない。
【0030】
次に、 帯電電圧の給電方法は、帯電電極の外周面より行うことが望ましい。 これにより、先に説明した絶縁性もしくは半導電性の支持部材と合わせて電荷受容体へのピンホールリークが格段に減少する。実際の給電方法としては、 導電性の押圧手段を用いて帯電電圧を印加する構成の他、別途、導電性のロール状、ブラシ状、ベルト状、チューブ状、 パイプ状等の給電部材を用いて帯電電圧を印加する構成、又は上記両者を組み合わせて帯電電圧を印加する構成等、いずれの方法で行ってもよい。この給電方法も、上記の機能を有していれば、何らの制限はなく、 適宜変更しても差し支えない。
【0031】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の帯電装置において、 前記押圧手段は、帯電電極に印加される電圧と同電位であるものとする。
【0032】
押圧手段が、帯電電極に印加される電位と等しくない場合は、帯電電極に対して不要な静電吸着力が生じるため、帯電電極の回転が不安定になったり、帯電電極の回転が停止したりする現象が起こる。例えば、図11に示される構成で、帯電電極の外周面に絶縁性の部材を用い、帯電電極の回転補助手段を有しない場合では、帯電電位ムラが生じるとともに、経時で帯電電極が時々停止することがあった。その原因は接触時の摩擦帯電である。そこで、帯電電極と同電位にしておくことで上記問題は回避される。また、導電性の部材を帯電電極に当接させる場合は、帯電電極の給電と兼用しても構わない。
【0033】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の帯電装置において、 前記押圧手段は、導電性または半導電性の部材からなり、電気的にフロートとなっているものとする。
【0034】
帯電電極の外周面より帯電電圧を給電する場合は、押圧手段及び支持部材等の帯電電極内周面に当接する部材を導電性または半導電性とし、電気的にフロートにしておくことで、前記給電された電圧は、前記各部材では同電位となるとともに摩擦帯電を生じず、帯電電極に対して不要な静電吸着力が発生しない。その結果、帯電電極の回転は極めてスムーズになり、帯電均一性が向上する。また、ピンホールリークに関しては、帯電電極の外周面から給電されるため、一旦、帯電電極を経由して電流が支持部材に流れるため、支持部材を電荷受容体と微小空隙距離で保持しても、ピンホールリークは発生しない。さらに、給電する部材や支持部材を半導電性にしておくことで、より確実なものとなる。半導電性部材の抵抗率は、帯電均一性に影響を及ぼさないように、帯電電極の抵抗よりも小さくしておくことが好ましい。
【0035】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の帯電装置において、 前記押圧手段は、前記帯電電極と当接する位置が、プロセス方向における前記帯電電極の下流側最端部より上流側に設けられているものとする。
【0036】
上記押圧手段は、図11に示されるように、プロセス方向の下流側最端部より上流側で帯電電極周面を押圧することにより、帯電電極がプロセス方向上流側に押し出されるのを防止している。図中のプロセス方向上流側に位置する帯電電圧付与手段を強い押圧力により帯電電極に当接させておくことで、上記問題は軽減されるものの、帯電電極の回転に対して抵抗力が生じ、帯電電極の回転のスムーズさを欠いてしまうといった2次障害が起こる。したがって、先に述べた位置に押圧手段を設置することで、2次障害なしに帯電電極の押し出しを回避することが可能となる。
【0037】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の帯電装置において、 前記電荷受容体がドラム状の部材であり、その中心と前記支持部材の中心とを結ぶ直線と、前記押圧手段の中心と前記支持部材の中心とを結ぶ直線とが形成する角度をθ(°)としたとき、
100°≦θ≦130°
を満足するように設定されているものとする。
【0038】
このような帯電装置では、押圧手段の位置を適切に設定することにより、押圧手段の押圧力によって帯電電極に適度なテンションをかけることができ、帯電電極のばたつきが減少し、帯電均一性が向上する。実験によれば、上記角度が90°より小さい時は、帯電電極との摩擦が強くなり、帯電電極の回転は悪くなる。また、上記角度が180°より大きい場合は、逆に摩擦力が下がり、帯電電極はプレニップ部で支持部材に沿って張られずに弛むため、帯電電極にテンションがかからなくなり、ばたつきは増加する。従って、90°<θ<180°の範囲に設定することにより、帯電電極がプレニップの放電領域で張られ、安定して回転するため、帯電均一性を向上させることが可能となる。
【0039】
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれかに記載の帯電装置において、 前記支持部材の直径をd1 、前記帯電電極の直径をd2 としたときに、これらの比が、d1 /d2 ≦0.8の関係を満足するように設定されているものとする。
【0040】
支持部材の直径d1 と帯電電極の直径d2 との比は、帯電均一性及び帯電電極の回転安定性について、本発明者らが実験的に鋭意検討し、導き出したものである。これらの比d1 /d2 は、0.8以下にすることで、帯電均一性及び帯電電極の回転安定性の両者を改善することができる。一方、d1 /d2 が0.8を越えると、支持部材と帯電電極の内周面との接触面積が増加すると同時に、押圧手段で帯電電極を電荷受容体に十分にニップさせることができなくなり、帯電電極の停止が発生し、回転が不安定になる。
【0041】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の帯電装置において、 前記電荷受容体は、表面上に静電電位の差による潜像が形成され、該潜像を可視化するためにトナーが転移されるものであり、 前記帯電電極の表面上に、 前記トナーより小粒径で、体積抵抗率が1012Ω・cm以下の半導電性の微粒子がほぼ一様に付着されているものとする。
【0042】
これにより、トナーは該微粒子を介して帯電電極に付着するため、トナーとのvan der Waals力が減少し、トナーは帯電電極表面に付着しにくくなる。このため、帯電電極の汚れによる帯電不良の発生が防止される。なお、微粒子の体積抵抗率を1012Ω・cm以下としたのは、これより大きな体積抵抗率のものを使用すると、図8に示すように、 帯電電極表面の微粒子が帯電し、異常放電を起こしやすくなり、帯電電位が増加したり、帯電均一性が不安定になるためである。
【0043】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の帯電装置において、 前記微粒子は、 扁平な形状であり、長軸方向の寸法を1、 厚さをtとしたときに、1/tがほぼ2以上となる形状を有しているものとする。
【0044】
このような微粒子として、例えば図9に示すような扁平状(薄片状)の微粒子を用いることができる。この微粒子の長軸方向の寸法は、0.01〜1μm、好ましくは0.1μm以下で、厚さは長軸方向の寸法の1/2以下であり、10平方μm中に少なくとも1個、好ましくは2個以上存在するようにする。通常使用されるトナーの粒径は、5〜10μm程度であり、微粒子をほぼ一様に付与することにより、図10に示すように、トナーと帯電電極表面との間に微粒子の厚み分のスペースを空けることができる。これにより、トナーのvan der Waals力が減少するため、トナーは帯電電極に付着しにくくなり、帯電電極の汚れによる帯電不良の発生を防止できる。
【0045】
さらに、帯電電極に対する微粒子のvan der Waals力は増加し、微粒子は帯電電極から剥がれることが少なく、帯電電極の汚れ防止の維持性が向上する。さらに、扁平状の微粒子であるため、球形状の微粒子のように転がりが少なく、しかも、電荷受容体に対して点で接触することがないため、帯電電極のスリップがなくなる。これにより、帯電電極の回転スリップによる画質欠陥や、電荷受容体及び帯電電極の損傷を確実に防止できる。
【0046】
なお、扁平状かつ体積抵抗率が1012Ω・cm以下の微粒子としては、例えば、酸化チタンにメタノールウェッタビリティが80vol.%以下になるように疎水化処理することにより得ることができる。また、 微粒子の材料及び体積抵抗率の調整等は、何らこれに限定されるものではなく、上記条件を満たしていれば適宜変更して差し支えない。
【0047】
この他、紡錘状、針状等の他の微粒子においても、上記寸法を満たしていれば、ほぼ同等の効果が得れるため、何らこれに限定されるものではなく、適宜変更して差し支えない。
【0048】
請求項10に記載の発明は、周回移動する表面に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、この像担持体にトナーを選択的に転移して前記潜像を可視化する現像装置とを備え、 請求項5から請求項9までのいずれかに記載の帯電装置が、前記像担持体を電荷受容体とするように設けられた画像形成装置であって、 画像形成のための帯電を行う前、又は一枚もしくは複数枚の画像形成のための帯電を行った後、前記帯電電極の回転を補助するように前記押圧手段の回転を継続するとともに、帯電電圧の印加を一旦OFF状態とする時間を設けるように設定されているものとする。
【0049】
このような画像形成装置は、画像形成のための帯電を行う前、又は一枚もしくは複数枚の画像形成のための帯電を行った後、帯電電圧をOFF状態とする時間を設けることで、帯電電極と電荷受容体との間の静電吸着力を解除しようとするものである。一般に、帯電電極のウォークによるトラブルは、主に帯電電極の成型精度( 真直度、両縁部内周径の寸法差) が一次原因となり、長期間使用しているうちに、可撓性の円筒状フィルムからなる帯電電極が強い静電吸着力に引かれながら軸方向外側に移動することにより起こる。つまり、帯電電極の移動により偏りが生じるため、帯電電極の縁部に力が加わリ、 よれ、ねじれなどの変形を生じ、 帯電電極の損傷に至る。そこで、上記のように静電吸着力を間欠的に解除することにより、連続的に帯電電極縁部に力がかかるのを回避するとともに、帯電電極の軸方向における偏りを修正する。すなわち、帯電電極と電荷受容体との間の静電吸着力を解除したときに、帯電電極の回転を継続することにより、フィルム自身の弾性によって帯電電極の偏りを規制または修正することができる。
【0050】
また、静電吸着力が解除された時に、回転補助手段である押圧手段の回転を停止しないことにより、静電吸着力がなくても帯電電極を確実に周回移動させることができるため、帯電電極の回転スリップは発生しない。このため、電荷受容体及び帯電電極を傷つけることなく帯電電極のウォークを修正できる。
【0051】
請求項11に記載の発明は、周回移動する表面に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、この像担持体にトナーを選択的に転移して前記潜像を可視化する現像装置とを備え、 請求項1から請求項9までのいずれかに記載の帯電装置が、前記像担持体を電荷受容体とするように設けられた画像形成装置であって、 前記像担持体の表面に、トナーより小粒径の微粒子がほぼ一様に塗布されており、 前記トナーは、現像時に前記微粒子の上に転移されるものであり、前記像担持体上のトナー像が転写された後は、前記像担持体上に残留する微粒子を、該像担持体上に維持したまま次の潜像の形成及びトナー像の形成を行うようになっており、 前記像担持体の表面に塗布される微粒子の一部は、電界または前記帯電電極との接触時の圧力により、前記帯電電極の表面にほぼ一様に供給されるものとする。
【0052】
このような画像形成装置は、請求項1から請求項9までのいずれかに記載した帯電装置を、像担持体の表面に予めトナーより小粒径な微粒子を付着することにより、クリーナレスの画像形成装置の帯電装置として使用するものである。帯電電極のトナー汚れを防止するため、帯電電極表面に予め請求項8又は請求項9に記載される微粒子が付与されるが、長期間に渡って使用すると、若干づつであるが、帯電電極表面の微粒子が減少し、汚れの防止効果が低下してくる。そこで、像担持体に塗布された微粒子の一部を、帯電時の電界または帯電電極との接触時の圧力の少なくとも一方を用いて、帯電電極上に転移させながら、供給するようにしている。本発明者らの実験によれば、放電時の電界強度において、微粒子は極性にかかわらず飛翔または転移する現象があることを見出した。さらに、可撓性の帯電電極は像担持体に密着して回転するため、微粒子は帯電電極に極めて均一に塗布されると共に、像担持体上の微粒子も十分にならされ、微粒子がしっかりと付着する。これにより、新たに帯電電極へ微粒子を付与する微粒子付与手段を設ける必要がなくなる。さらに、像担持体上の微粒子を介してトナー像が形成されるため、ほぼ100%に近い転写効率を達成することができるとともに、転写効率の維持性も同時に向上させることができる。
【0053】
請求項12に記載の発明は、周回移動する表面に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、この像担持体にトナーを選択的に転移して前記潜像を可視化する現像装置とを備え、 請求項8又は請求項9に記載の帯電装置が、前記像担持体を電荷受容体とするように設けられた画像形成装置であって、 前記像担持体の表面に、トナーより小粒径の微粒子がほぼ一様に塗布されており、 前記トナーは、現像時に前記微粒子の上に転移されるものであり、 前記像担持体上のトナー像が転写された後は、前記像担持体上に残留する微粒子を、該像担持体上に維持したまま次の潜像の形成及びトナー像の形成を行うようになっており、 前記帯電電極の表面に塗布される微粒子の一部は、電界または前記像担持体との接触時の圧力により、前記像担持体の表面にほぼ一様に供給されるものとする。
【0054】
このような画像形成装置では、帯電電極の表面に予め請求項8又は請求項9に記載の微粒子が付着されているが、帯電電極に付着される微粒子の一部を、帯電時の電界または像担持体との接触時の圧力のどちらか一方により、像担持体の表面に転移させようとするものである。これにより、像担持体へ微粒子を付与する微粒子付与手段を新たに設ける必要がなくなり、クリーナレスの画像形成装置の低コスト化を実現できる。さらに、請求項11に記載の発明と同様の作用により、帯電電極上の微粒子が均されるとともに、微粒子が像担持体表面にしっかりと付着するため、帯電電極の汚れ防止と高転写効率とを長期間に渡って維持することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図であり、図2は、この帯電装置を示す側面図の一例である。
【0056】
この帯電装置は、図1に示す矢印方向に移動可能なOPC感光体1との対向位置に支持されており、半導電性のフィルム状部材を無端移動可能な周面を有するように、円筒状に形成した帯電電極2と、この帯電電極2の内側に挿入され、帯電電極2をOPC感光体1と接触させるように支持する円筒状の支持部材3とを有している。この帯電電極2の内周長は、支持部材3の外周長よりも長くなるように形成されており、該支持部材3と離隔して対向する位置には、帯電電極2の外周面と接触しながら回転するローラ状の回転補助部材(押圧手段)4を備えている。また、帯電電極2の上方部には、導電性ブラシからなる帯電電圧付与部材6が帯電電極2の外周面と当接するように支持されており、該帯電電圧付与部材6及び回転補助部材4には直流電源5が接続されている。
【0057】
上記支持部材3は、OPC感光体1と近接する位置に非回転状態で支持されており、表面が絶縁性材料で形成されている。本実施形態では、支持部材3とOPC感光体1との対向面の距離は250μmに設定されており、支持部材3の材料として、SUS304にジュラコン(ポリアセタール)を被覆した円筒状のシャフトが用いられている。
【0058】
上記回転補助部材4は、帯電電極2の外周面を押圧することによって、図1に示すように、支持部材3の上部と帯電電極2との間の空間部7aが凸状になるとともに、OPC感光体1の回転方向下流側の支持部材3と帯電電極2との間の空間部7bが凹状になるように配置されている。そして、空間部7bの下側で帯電電極2がOPC感光体1と接触するようになっている。この回転補助部材4は、図示しないモータによってOPC感光体1と等速に回転しており、この回転補助部材4が帯電電極2の外周面を押圧力を付与しながら回転することにより、帯電電極2は空間部7a,7bを挟み込むようにして周回移動するようになっている。
【0059】
また、回転補助部材4は、 帯電電極2に適度なテンションがかかるように、支持部材3の中心と回転補助部材4の中心を結ぶ直線と、支持部材3の中心とOPC感光体1の中心を結ぶ直線とのなす角度θが、120゜になるように設定されている。この回転補助部材4と帯電電極2とが当接する位置は、プロセス方向における帯電電極2の下流側最端部より上流側となっている。この回転補助部材4は、図2に示すように、シャフト4aの周囲にゴム等からなる導電性の弾性部材4bが軸方向に輪切り状に配列されたものであり、この輪切り状の弾性部材4bの周面が帯電電極2の外周面に接触するように配置されている。本実施形態では、回転補助部材4として、SUS304の円筒状のシャフトに、カーボンブラックを混入したEPDMゴムを取り付けたものが用いられている。また、前記EPDMゴムなしのSUS304の円筒状シャフトだけでもよい。この時、帯電電極2への給電は、直流電源5が接続されたブラシ状の帯電電圧付与手段6及び導電性の回転補助部材4により行われるようになっている。
【0060】
上記OPC感光体1は、導体基体1 a上に電荷発生層1bが積層され、さらにその上に、電荷輸送層1cを有する積層型の感光体であり、導体基体1 aは電気的に接地されている。そして、帯電電極2とOPC感光体1とが接触するプレニップ近傍の微小空隙8で放電が生じることによって、OPC感光体1の表面が帯電されるようになっている。
【0061】
上記帯電電極2を構成するフィルム部材としては、ポリフッ化ビニリデンにカーボンブラックを分散させ、体積抵抗率を106 Ω・cmとした、厚さ50μmのものを用いている。さらに、帯電電極2の表面には、扁平状の微粒子として酸化チタンを予めほぼ一様に塗布している。この微粒子は、長軸方向の寸法が約0.1μm、 厚さが約0.05μm以下、体積抵抗率が1012Ω・cmとなっている。なお、微粒子の塗布方法は、上記微粒子を綿性のポーチ内に入れ、帯電電極2を軽く押し付けた後、凝集した微粒子を除くため、写真用のハンディタイプのブロワで飛ばすようにして行った。
【0062】
また、図2に示すように、帯電電極2の軸方向両端には、帯電電極2のウォークを修正するウォーク修正手段9が設けられている。このウォーク修正手段9は、帯電電極2の縁部と対向するように配置された板状部材9aからなり、該板状部材9aは外側からバネ9bで付勢されている。これにより、帯電電極2のウォークによって帯電電極2の縁部が板状部材9aに当接しても、該板状部材9aの押圧力により帯電電極2を中央部へ向かって押し戻すことができる。また、前記SUS304からなる円筒状シャフトの半導電性EPDMゴムの弾性力も併せて帯電電極を押し戻すように作用する。
【0063】
このような帯電装置では、帯電電極2は、電源5から印加された帯電電圧とOPC感光体1の電位差によって生ずる静電吸着力と、図示しないモータによってOPC感光体1と等速に回転する回転補助部材4とにより、OPC感光体1の移動方向に引っ張られ、OPC感光体1と等速に回転を始める。そして、帯電電極2は、支持部材3の上部と帯電電極2との間に空間部7aが形成され、感光体1の回転方向下流側の支持部材3と帯電電極2との間に空間部7bが形成された状態で、支持部材3のプレニップ側の外周面に沿うように周回移動する。
【0064】
このような帯電装置では、支持部材3が非回転状態で感光体1と近接して配置されているので、支持部材3の偏心による帯電電極2のばたつきがなくなり、帯電電位の変動を防止することができる。また、回転補助部材4が支持部材2と間隔をおいて、帯電電極2の周回移動を補助するように回転するとともに、感光体1と支持部材2の中心とを結ぶ直線と、回転補助部材4と支持部材2との中心とを結ぶ直線とが形成する角度θが120°に設定されている。この回転補助部材4により帯電電極2は適度に押圧されるようになり、帯電電極2の周回移動をより安定化させることができる。さらに、帯電電極2の回転スリップを防止することができ、均一な帯電電位を得ることができる。
【0065】
また、帯電電極2の表面に扁平状の微粒子が塗布されているので、トナーとの付着力が減少し、帯電電極の汚れを防止できる。また、扁平状の微粒子を用いることにより、微粒子と帯電電極2との接触面積が大きくなり、球状の微粒子と比較して、帯電電極2とのファンデルワールス力及び静電気力が増加する。このため、扁平状微粒子を長期にわたり帯電電極2上に付着させておくことが可能となり、長期にわたり帯電電極の汚れを防止できる。
【0066】
さらに、帯電電極2の軸方向両端に板状部材9aが設けられており、その板状部材9aを介して帯電電極2を軸方向中心部に向かって押すようにしている。これにより、帯電電極2が一時的にウォークしても、バネ9bの縮みで帯電電極2の縁部にかかる力を吸収するとともに、バネ9bの反発力で、帯電電極2を軸方向中心部に向かって押し戻することができる。さらに、図2に示すように、回転補助部材4をゴム等の弾性部材4bが軸方向に輪切り状に配列された構造にすることで、帯電電極2が周回移動する際に各輪切り状の弾性部材4bの弾性力によって、帯電電極のウォークを規制または修正することができる。
【0067】
次に、感光体1と支持部材3の中心を結ぶ直線と、回転補助部材4と支持部材3の中心を結ぶ直線とが形成する角度θを変えて、帯電電極のばたつき、帯電均一性を評価した結果について説明する。
表1は上記角度を段階的に変化させたときの帯電電極のばたつき、回転スリップ、及び帯電ムラの発生状態を示したものである。
【0068】
【表1】
Figure 0003705321
【0069】
表1に示すように、上記角度が90°より小さいときは、帯電電極との摩擦が強くなり、帯電電極の回転は悪くなる。また、180°より大きい場合は、逆に摩擦力が下がり、帯電電極はプレニップ部で支持部材に沿って張られずに弛むため、帯電電極にテンションがかからなくなり、ばたつきは増加する。したがって、上記角度を90°から180°の範囲内に設定することによって、帯電電極がプレニップの放電領域で張られて安定に回転し、帯電均一性が向上することが分かる。
【0070】
図11は、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項7に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置では、図1に示す帯電装置で用いられる回転補助部材4に代えて、帯電電極202を押圧するための湾曲した周面を有する固定型の押圧部材204が設けられている。この押圧部材204は、帯電電極202の外周面と当接する位置が、プロセス方向における帯電電極の下流側最端部より上流側となるように設置されている。本実施形態の押圧部材204は、体積抵抗率が103 Ω・cmの半導電性のジュラコンを用いている。また支持部材203は、φ5のSUSのシャフトに、押圧部材と同様の半導電性のジュラコンを肉厚1mmで被覆して、φ6の支持部材としている。なお、この帯電装置の他の構成は、図1に示す帯電装置と同じである。
【0071】
このような帯電装置では、電源205から印加された帯電電圧と感光体201の電位差によって生ずる静電吸着力により、帯電電極202は感光体201の移動方向に引っ張られ、感光体210と等速に周回移動する。このとき押圧部材204の位置を上記のように設定することにより、帯電電極202の外周面が適度に押圧され、帯電電極の周回移動が安定化する。
【0072】
次に、図1および図11に示す帯電装置を用い、支持部材の直径d1 と帯電電極の直径d2 との比を変化させて、帯電電極の回転安定性及び帯電均一性について評価した実験について説明する。下記に、これらの実験条件を示す。
(1)帯電電極の直径d2 :φ12.5(膜厚50μm)
φ10(膜厚30μm)
(2)帯電電極の材料:PVdFにカーボンを分散
(3)帯電電極の抵抗:106 Ω・cm
(4)給電電圧/帯電電圧:−1.3kV/−650V
(5)感光体と支持部材の距離:250μm
(6)プロセス速度:160mm/s
(7)感光体ドラム:OPC(φ84)
(8)ランモード:帯電・除電の繰り返しを1kCycleラン
【0073】
これらの実験の結果を表2〜表4に示す。
【表2】
Figure 0003705321
【0074】
【表3】
Figure 0003705321
【0075】
【表4】
Figure 0003705321
【0076】
上記表に示すように、支持部材の直径と帯電電極の直径との比d1 /d2 が0.8以下の関係になるように設定することで、帯電均一性及び帯電電極の回転安定性の両者を改善できることが分かった。また、支持部材が絶縁性でも帯電電極の停止が起こりにくいのは、支持部材が感光体と帯電電極との間で発生する大きな静電吸着力が作用するニップ部の近傍に位置し、帯電電極を静電吸着力によりプロセス方向下流側に引くことで、帯電電極の回転が安定して行われるためである。但し、d1 /d2 が0.8を超えると、支持部材と帯電電極の内周面との接触面積が増加すると同時に、押圧部材で帯電電極を感光体に十分にラップさせることができなくなり、帯電電極の停止が発生し、回転が不安定になる。
【0077】
図3は、請求項10又は請求項11に記載される発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、 OPC感光体11の表面にトナーより小粒径の微粒子を予め塗布し、帯電電極2にOPC感光体11上に予め塗布された微粒子の一部を電界または圧力により一様に供給するクリーナレス方式の画像形成装置である。以下、画像形成装置の構成を図8に基づいて具体的に説明する。
【0078】
この画像形成装置は、一様帯電後に像光を照射することにより表面に静電潜像が形成されるOPC感光体11と、この感光体11の周囲に、感光体11の表面を一様に帯電する帯電装置12と、一様帯電した後の感光体11に微粒子をほぼ一様に付着させる微粒子付着装置13と、画像データに基づき感光体11に像光を照射して潜像を形成する像書き込み装置14と、前記潜像にトナーを選択的に転移して可視化する現像装置15と、ペーパーガイド19より供給される記録用紙に感光体表面のトナー像を転写する転写帯電器16と、転写された用紙を感光体11から剥離する剥離用帯電器17と、剥離された用紙を搬送する搬送ベルト20と、感光体11を除電する除電露光装置18とを有している。なお、この画像形成装置はクリーナレス方式であり、クリーニング装置は設けられていない。
【0079】
上記帯電装置12は、図1に示す帯電装置と同じものであり、帯電電極2の表面には予め扁平状の微粒子が一様に塗布されている。この微粒子も図1に示す帯電装置と同じく、体積抵抗率が1012Ω・cmの酸化チタンが用いられている。
【0080】
上記現像装置15は、図4に示すように、現像剤を収容するハウジング26内に、感光体1と近接して対向するように配置された現像ロール21と、該現像ロール21上に現像剤を供給するパドル24と、現像ロール21上の現像剤量を規制する現像剤規制部材25とを備えている。さらに、パドル24の後方には、第1の攪拌室28aおよび第2の攪拌室29aが配置され、各攪拌室内には、それぞれ現像剤を攪拌しながら現像ロールの軸線方向に搬送する第1のオーガー28および第2のオーガー29が備えられている。
【0081】
上記現像ロール21は、周方向に7極の磁極を有するマグネットロール22と、この周囲で回転可能に支持された非磁性の中空円筒状のスリーブ23とからなるものであり、スリーブ23の周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送することができるようになっている。
【0082】
この現像装置15で用いられる現像剤は磁性キャリアとトナーとを混合したものである。また、外添剤を加えたものであってもよい。この現像剤については後で詳述する。
【0083】
このような現像装置15では、ハウジング26内の現像剤は、パドル24によりミキシングされて帯電されるとともに、スリーブ23の周面に供給される。スリーブ23上では、マグネットロール22の磁力によって現像剤が穂状に連なった磁気ブラシが形成され、現像剤規制部材25により均されて所定の厚みの現像剤層が形成される。この現像剤層は感光体11との対向領域に搬送され、現像に供されるようになっている。
【0084】
上記微粒子付着装置13は、上記現像装置15と同じ構成を有するものである。ただし、この装置は上記現像剤に代えて、磁性キャリアと光透過性の微粒子とを混合した微粒子供給剤が収容されており、感光体1と対向して回転する微粒子供給剤担持ロール27により、感光体11の表面に微粒子を供給するようになっている。この微粒子については後で詳述する。
【0085】
上記画像形成装置では、画像形成プロセスで帯電・露光・現像による印字がなされる前もしくは後、又は、次の像の印字がなされるまでの間に、感光体11が約半回転するインターイメージ間があり、図3に示すように、このインターイメージ間では、帯電電圧の印加を一旦OFFにするように設定している。また、画像形成プロセスの印字開始前および停止前も同様に帯電電圧の印加をOFFにする。回転補助部材4は、感光体11が回転している間は、 図示しないモータにより回転駆動されており、帯電電圧のオン・オフにかかわらず、帯電電極2の回転を継続させるようになっている。そして、感光体11の停止と同時にモータをオフにし、帯電電極2の回転を停止させる。
【0086】
このような画像形成装置の主要部材のデータおよび設定は次のとおりである。感光ドラム: OPC(φ84)
ROS: 半導体レーザ(400dpi)
プロセス速度: 160mm/s
潜像電位: 背景部=−650V、画像部=−150V
帯電装置: 接触式回転フィルム(静電吸着力&外周駆動により回転)
給電電圧=DC−1.3kV(定電圧)
感光体流入電流=−1.2μA/cm
フィルム外径=φ12.5
回転補助部材の回転速度=160mm/s
感光体と支持部材の対向面の距離= 250μm
支持部材の直径=φ6
現像ロール及び微粒子供給剤担持ロール:
マグネット固定、スリーブ回転式
マグネット磁束密度=500G(スリーブ上)
スリーブ外径=φ25
感光体とスリーブの対向面の距離= 500μm
現像バイアスおよび微粒子供給剤担持ロールに印加するバイアス:
DC−500V、AC1.5kVp−p(8kHz)
転写条件: コロトロン転写(ワイヤ径=85μm)
【0087】
次に、図4に示す現像装置15で用いられる現像剤について説明する。
〈トナー〉
トナーは、例えば次のようにして作成したものを用いることができる。
ポリエステル(数平均分子量:4300、重量平均分子量:9800、Tg=58゜C)94wt%、シアニンブルー4938(大日精化)6wt%を混練粉砕し、平均粒径7μmの着色粒子を得る。この着色粒子に対し、OPC感光体11及び帯電電極2に塗布した微粒子と同じ酸化チタン微粒子(平均粒径0.075μm)をトナー表面積に対する被覆率30%の割合で外添してサイアントナーとする。このトナーの帯電極性は負極性であり、平均粒径は、コールターカウンタ( コ―ルター社) で測定した値である。
【0088】
なお、被覆率f(%)は、トナー平均粒径をdt(m)、酸化チタン微粒子の平均粒径(長軸方向寸法と短軸方向寸法の平均)をda(m)、トナーの比重をρt(=1.0)、 酸化チタン微粒子の比重をρa(=4.5)、トナー重量をWt(kg)、酸化チタン微粒子の重量をWa(kg)とすると、次式で与えられる。
【数1】
Figure 0003705321
【0089】
〈キャリア〉
キャリアは、例えば次のようなものである。
スチレン−アクリル共重合体(数平均分子量:23000、重量平均分子量:98000、Tg=78゜C)30wt%、カーボンブラック(塩基性カーボンブラック:pH=8.5)3wt%、粒状マグネタイト( 最大磁化80emu/g、粒径0.5μm) 67wt%を混練、粉砕、分級して平均粒径を45μmとしたものである。このキャリアの帯電極性は正極性で、電気抵抗値は1012Ω・cmであり、比重は2.2である。なお、平均粒径は、マイクロトラック(日機装社製)で測定した値である。
【0090】
〈現像剤〉
上記トナーとキャリアとを混合した現像剤としては、例えば、現像剤中のトナー濃度(TC:Toner Concentration)を15wt%、現像剤中のトナーの帯電量の値を−15〜−20μC/gとしたものを用いることができる。ここでTCは次式で示される。
【数2】
Figure 0003705321
【0091】
〈微粒子供給剤〉
次に、微粒子付着装置13で用いられる微粒子供給剤について説明する。
この微粒子供給剤は、上記トナーより粒径の小さい微粒子と上記現像剤に用いられているものと同じキャリアとを混合したものである。感光体11に付着させる微粒子としては、帯電電極2に予め塗布する微粒子と同じく、長軸方向の寸法が約0.1μm、 厚さが約0.05μm以下、体積抵抗率が1012Ω・cmの扁平状の酸化チタン微粒子が用いられている。このとき、酸化チタン微粒子の被覆率は、100%になるように調製している。
【0092】
なお、被覆率f(%)は、キャリア平均粒径をD(m)、酸化チタン微粒子の平均粒径(長軸方向寸法と短軸方向寸法の平均)をd(m)、キャリア比重をρc(=2.2)、 酸化チタン微粒子の比重をρt(=4.5)、キャリア重量をWc(kg)、酸化チタン微粒子の重量をWt(kg)とすると、次式で求められる。
【数3】
Figure 0003705321
【0093】
次に、上記のような構成の画像形成装置の動作について説明する。
OPC感光体11は回転駆動され、帯電装置12によって一様に帯電された感光体11の表面が微粒子付着装置13との対向位置に移動する。微粒子付着装置13が有する微粒子供給剤担持ロール27の表面にはマグネットロールの磁力によってキャリアの磁気ブラシが形成されており、このキャリアに酸化チタン微粒子が付着している。そして、磁気ブラシが感光体11に接触することにより、微粒子が擦り付けられ、感光体1の表面にほぼ一様に微粒子が塗布される。その際、微粒子と感光体11とが接触したときにその接触面で鏡像力やファンデルワールス力等の付着力が作用し、この力によって微粒子が付着する。
【0094】
像書き込み装置14との対向位置では、像担持体上の微粒子の上から像光が照射されるが、使用している微粒子は光を透過するものであり、感光体11の電荷輸送層の電荷は露光によって低減され、静電電位の差による潜像が形成される。
【0095】
この潜像は現像装置15と対向する位置に移動し、現像ロール21から転移されるトナーが微粒子の上に重ねて付着され、潜像が可視化される。このようにして形成されたトナー像は、転写帯電器16によって記録用紙に転写される。このとき、トナーは微粒子を介して感光体11上に付着しており、ファンデルワールス力等の非電気的な付着力が小さくなっているので、転写帯電器16による電界で容易に脱離し、記録用紙に転写される。
【0096】
上記のようにして記録用紙にトナー像が転写された後、感光体11上には微粒子が残る。この画像形成装置ではクリーニング装置は設けられておらず、微粒子が感光体11上に維持されたまま次の画像形成工程に入り、感光体11の表面及びその上の微粒子が帯電装置12との対向位置を通過する。このとき、感光体11上の微粒子と帯電電極2とが接触するとともに、感光体11と帯電電極2との間に電界が作用しており、これにより感光体11上の微粒子の一部が帯電電極2上に転移される。この現象は本願発明者らの実験により見出されており、帯電電極2の放電時の電界強度において、微粒子は極性にかかわらず飛翔又は転移することが確認されている。さらに、帯電電極2は、感光体11に密着して周回移動するため、微粒子は帯電電極2に極めて均一に塗布されるとともに、感光体11上の微粒子も十分に均され、微粒子がしっかりと付着する。これにより、帯電電極2との対向位置に新たな微粒子付着装置を設ける必要がなくなる。
【0097】
また、扁平状の微粒子を用いることにより、微粒子と感光体11との接触面積が大きくなり、球状の微粒子と比較して、感光体11とのファンデルワールス力及び静電気力が増加する。このため、扁平状の微粒子を長期にわたり感光体11上に付着させておくことが可能となり、トナー像の転写効率を良好に維持することができる。これとともに、帯電電極2上の微粒子が脱離するのを抑止することが可能となり、長期にわたり帯電電極2の汚れを防止できる。このため、クリーナレス方式の画像形成プロセスにおいても、画質劣化等のトラブルを防止することができる。
【0098】
また、画像形成プロセスにおいて、印字と印字の間のインターイメージ間に、回転補助部材4の回転を継続したまま、帯電電極2への電圧の印加を停止しており、帯電電極2と感光体11との静電吸着力を間欠的に解除するようにしている。これにより、帯電電極2の縁部に連続的に力がかかるのを回避するとともに、帯電電極2の軸方向へのウォークを修正することができる。すなわち、上記帯電装置12では、帯電電極2の軸方向両端に板状部材9aが設けられており、その板状部材がバネ9bによって外側から付勢されているので、帯電電極2が一時的にウォークしても、バネ9bの縮みで帯電電極2の縁部にかかる力を吸収することができる。さらに、インターイメージ間に、帯電電極2と感光体11との静電吸着力が解除されると、バネ9bの反発力で、帯電電極2が軸方向中心部に向かって押し戻される。これにより、帯電電極2のウォークを修正することができる。
【0099】
さらに、図2に示すように、回転補助部材4は、軸方向に導電性もしくは半導電性のゴム等の弾性部材4bが輪切り状に配列されているので、帯電電極2が周回移動するときに、各輪切り状の弾性部材の弾性力によって帯電電極2のウォークを規制または修正することができる。
【0100】
また、帯電電圧をOFFにしたときにも、回転補助部材4の回転が停止されないので、帯電電極2と感光体11との静電吸着力がなくても、帯電電極2は確実に周回移動するため、帯電電極2の回転スリップは発生しない。このため、感光体11及び帯電電極2を傷つけることなく帯電電極2のウォークを修正できる。
【0101】
なお、上記画像形成装置では、図1に示す帯電装置12が用いられているが、図12に示すように、これに代えて図11に示す帯電装置212を用いることもできる。
図12に示す画像形成装置は、帯電電極202の外周面が固定型の押圧部材204により押圧されているが、押圧部材204の形状及び位置を適切に設定することによって、帯電電極202の周回移動が安定化する。このため、図3に示す画像形成装置と同様に、帯電ムラの発生を防止することができ、良好な画像を得ることができる。
【0102】
図6は、請求項12に記載の発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、 図3に示す画像形成装置とは逆に、微粒子付与手段47により帯電電極42に微粒子を塗布した後、帯電電極42上の微粒子の一部を電界または圧力によりOPC感光体31の表面に供給するクリーナレス方式の画像形成装置を示したものである。図3に示す画像形成装置との構成の違いは、図6に示すように、帯電電極42へ微粒子を付与する微粒子付与手段47を有している事と、OPC感光体31へ微粒子を付与する微粒子付着装置がないところである。その他の構成は、同一条件に設定してある。
【0103】
なお、 帯電電極42の初期状態は、図3に示す画像形成装置と同様な方法で予め微粒子を塗布した状態からスタートする。また、OPC感光体31の初期状態も同様に予め微粒子を塗布した状態からスタートする。
【0104】
上記微粒子付着手段47は、帯電電極42の外周面と対向するように配置されたマグネット47aからなり、図3に示す微粒子付与装置13で用いた微粒子供給剤をマグネット47aの表面に吸着させて磁気ブラシを形成したものである。そして、磁気ブラシを帯電電極42に接触させることにより、微粒子を供給するようになっている。また、 磁気ブラシの接触を確実なものとするため、帯電電極42の内側に上記マグネット47aと対向するようにもう一つのマグネット47bを設置している。これにより、帯電電極42の表面に安定して微粒子を供給することができる。
【0105】
このような画像形成装置では、帯電電極42が周回移動するとともに、帯電電極42がマグネット47aに形成された磁気ブラシと接触し、磁気ブラシ中の微粒子が帯電電極42の表面にほぼ一様に供給される。帯電電極42の表面に供給された微粒子は、OPC感光体31と接触したときの圧力や放電時の電界の作用により、その一部がOPC感光体31の表面に供給される。このような画像形成装置では、帯電電極42の表面に微粒子がほぼ均一に塗布されるとともに、図3に示す微粒子付着装置を用いなくても、帯電電極42から感光体31の表面に微粒子を供給することができ、感光体31上の微粒子が減少するのを防止できる。このため、帯電電極42の汚れによる帯電不良の発生を防止できるとともに、感光体31上のトナー像の転写効率を向上することができ、維持性の良好な画像形成装置を実現できる。
なお、本実施形態では、上記マグネット47a,47bからなる微粒子付着手段47を採用したが、安定して供給できるものであれば、適宜変更して差し支えない。
【0106】
次に、本願発明の効果を確認するため、図3に示す画像形成装置、図6に示す画像形成装置、及び図12に示す画像形成装置を用いて、6万枚( A3縦) の連続ランテストを実施した結果を示す。この実験における環境条件は、22゜C/55%RH,28゜C/85%RH,10゜C/33%RHとし、各環境にて2万枚づつ画像形成を行った。評価は以下の5項目について実施した。
(1)帯電電位均一性、(2)帯電電極の回転スリップによる画質欠陥(縦筋)、(3)帯電電極の汚れよる帯電電位変動及び画質欠陥、(4)ウォークによる帯電電極縁部の損傷、(5)転写率
【0107】
なお、転写率は下式によって算出した。
【数4】
Figure 0003705321
このとき、転写率はソリッドパッチ1.6の反射濃度の原稿を用いて求めた。
【0108】
上記の条件にて、図3に示す画像形成装置、図6に示す画像形成装置、及び図12に示す画像形成装置について評価を行った結果を表2に示す。また比較のため、図7に示されるように、帯電電極に微粒子が付与されない従来の回転型の帯電装置を、クリーナレス方式の画像形成装置に適用した場合にも同様の評価も行った。図7に示される画像形成装置は、OPC感光体101の表面に微粒子を塗布しておらず、感光体101と離隔して配置される支持ロール113により、円筒状の帯電電極112を感光体101と接触させるように支持したものである。そして、支持ロール113を介して帯電電極112へ帯電電圧を印加するようになっている。また、帯電電極112を支持ロール113の周面に当接させるとともに、帯電電極112の回転にともなって従動するロール114が配置されている。これにより、帯電電極112は感光体101との静電気力により感光体101の移動方向に引っ張られ、感光体101の回転に従動して周回移動するようになっている。
【0109】
【表5】
Figure 0003705321
【0110】
表5の結果より、図3に示す画像形成装置、図6に示す画像形成装置、及び図12に示す画像形成装置のいずれも、 従来の画像形成装置に比べて(1)から(5)の全ての点で優れており、良好な画像が得られることが確認された。これにより、本願発明に係る帯電装置および画像形成装置の効果が実証された。
【0111】
なお、本願発明に係る画像形成装置は、コロトロン転写を用いた電子写真方法を例にとり、説明してきたが、中間転写体を用いても同様な効果が得られる。また、電子写真に限らず、イオノグラフィ、磁気記録等を応用した複写機、プリンター等に適用できるものであり、何ら制限するものではない。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、 長期間に渡り、可撓性の円筒状フィルムからなる帯電電極の回転を安定させることが可能であり、放電部である微小空隙距離の変動、帯電電極の軸方向へのウォーク、帯電電極の変形・損傷を防止することができる。さらに、帯電電極の表面の汚れを防止することができ、帯電電位がほぼ均一で信頼性に優れるオゾンレスの帯電装置を実現できる。また、該帯電装置をクリーナレス方式の画像形成装置に適用しても、長期間に渡り、高転写効率を維持することが可能であり、トナー汚れによる画質欠陥の発生を防止して良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す帯電装置の側面図である。
【図3】請求項8、請求項9、請求項10又は請求項11に記載の発明の一実施形態であって、図1に示す帯電装置が用いられる画像形成装置を示す概略構成図である。
【図4】上記画像形成装置で用いられる現像装置を示す概略構成図である。
【図5】上記画像形成装置における帯電電圧を印加するタイミングおよび回転補助部材の駆動状態を示す図である。
【図6】請求項10又は請求項12に記載の発明の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図である。
【図7】比較例である従来の画像形成装置を示す概略構成図である。
【図8】微粒子の体積抵抗率による帯電性の違いを説明する図である。
【図9】本願発明の画像形成装置で用いられる微粒子の形状を説明する図である。
【図10】感光体上に微粒子を介してトナーを付着させた時の、感光体、微粒子、トナー相互間の付着状態を示す図である。
【図11】請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項7に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図12】図11に示す帯電装置が用いられる画像形成装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 OPC感光体
1a 導体基体
1b 電荷発生層
1c 電荷輸送層
2 帯電電極
3 支持部材
4 回転補助部材
5 直流電源
6 帯電電圧付与部材
7a、7b 空間部
8 微小空隙(放電領域)
9 ウォーク修正手段
9a 板状部材
9b バネ
11、31、211 OPC感光体
12、32、212 帯電装置
13、213 微粒子付着装置
14、34、214 像書き込み装置
15、35、215 現像装置
16、36、216 転写帯電器
17、37、217 剥離用帯電器
18、38、218 除電ランプ
19、39、219 用紙搬送路
20、40、220 用紙搬送ベルト
21 現像ロール
22 マグネットロール
23 現像スリーブ
24 パドル
25 現像剤規制部材
26 ハウジング
27 微粒子供給剤担持ロール
28 第1のオーガー
29 第2のオーガー
201 感光体
202 帯電電極
203 支持部材
204 押圧部材
205 直流電源
206 帯電電圧付与部材
208 微小空隙(放電領域)

Claims (12)

  1. 可撓性を有する円筒状のフィルム状部材からなり、周面が周回移動する電荷受容体と接触して無端移動可能に支持される帯電電極と、この帯電電極に帯電用の電圧を印加する電源とを備え、
    前記電荷受容体と前記帯電電極との接触部分の近傍における微小間隙で放電を生じさせて前記電荷受容体を帯電する帯電装置において、
    前記帯電電極の内側の、前記電荷受容体と近接する位置に支持され、前記帯電電極の内周長よりも短い外周長を有する支持部材と、
    該支持部材と近接・離隔して配置され、前記帯電電極の外周面を押圧する押圧手段とを有し、
    前記帯電電極は、前記支持部材の設けられた位置より前記電荷受容体の周回方向下流側において前記支持部材との間に空間部を形成し、電荷受容体との間の静電吸着力により、電荷受容体の周回移動に従って回転駆動力が付与されるものであり、
    前記押圧手段は、前記空間部と対向する位置で前記帯電電極の外周面に当接され、該空間部が凹状となって該帯電電極が前記電荷受容体側に押圧されるように配置されていること特徴とする帯電装置。
  2. 請求項1に記載の帯電装置において、
    前記押圧手段は、帯電電極に印加される電圧と同電位であることを特徴とする帯電装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の帯電装置において、
    前記押圧手段は、導電性または半導電性の部材からなり、電気的にフロートとなっていることを特徴とする帯電装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記押圧手段は、前記帯電電極と当接する位置が、プロセス方向における前記帯電電極の下流側最端部より上流側に設けられていることを特徴とする帯電装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記支持部材は、非回転状態で支持されており、
    前記押圧手段は、前記帯電電極の外周面と接触しながら回転し、該帯電電極の周回移動を補助する回転補助手段であることを特徴とする帯電装置。
  6. 請求項5に記載の帯電装置において、
    前記電荷受容体がドラム状の部材であり、その中心と前記支持部材の中心とを結ぶ直線と、前記押圧手段の中心と前記支持部材の中心とを結ぶ直線とが形成する角度をθ(°)としたとき
    100°≦θ≦130°
    を満足するように設定されていることを特徴とする帯電装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記支持部材の直径をd1 、前記帯電電極の直径をd2 としたときに、これらの比が、
    d1 /d2 ≦0.8
    の関係を満足するように設定されていることを特徴とする帯電装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載の帯電装置において、
    前記電荷受容体は、表面上に静電電位の差による潜像が形成され、該潜像を可視化するためにトナーが転移されるものであり、
    前記帯電電極の表面上に、 前記トナーより小粒径で、体積抵抗率が1012Ω・cm以下の半導電性の微粒子がほぼ一様に付着されていることを特徴とする帯電装置。
  9. 請求項8に記載の帯電装置において、
    前記微粒子は、 扁平な形状であり、長軸方向の寸法を1、 厚さをtとしたときに、1/tがほぼ2以上となる形状を有していることを特徴とする帯電装置。
  10. 周回移動する表面に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、この像担持体にトナーを選択的に転移して前記潜像を可視化する現像装置とを備え、
    請求項5から請求項9までのいずれかに記載の帯電装置が、前記像担持体を電荷受容体とするように設けられた画像形成装置であって、
    画像形成のための帯電を行う前、又は一枚もしくは複数枚の画像形成のための帯電を行った後、前記帯電電極の回転を補助するように前記押圧手段の回転を継続するとともに、帯電電圧の印加を一旦OFF状態とする時間を設けるように設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  11. 周回移動する表面に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、この像担持体にトナーを選択的に転移して前記潜像を可視化する現像装置とを備え、
    請求項1から請求項9までのいずれかに記載の帯電装置が、前記像担持体を電荷受容体とするように設けられた画像形成装置であって、
    前記像担持体の表面に、トナーより小粒径の微粒子がほぼ一様に塗布されており、
    前記トナーは、現像時に前記微粒子の上に転移されるものであり、
    前記像担持体上のトナー像が転写された後は、前記像担持体上に残留する微粒子を、該像担持体上に維持したまま次の潜像の形成及びトナー像の形成を行うようになっており、
    前記像担持体の表面に塗布される微粒子の一部は、電界または前記帯電電極との接触時の圧力により、前記帯電電極の表面にほぼ一様に供給されるものであることを特徴とする画像形成装置。
  12. 周回移動する表面に静電電位の差による潜像が形成される像担持体と、この像担持体にトナーを選択的に転移して前記潜像を可視化する現像装置とを備え、
    請求項8又は請求項9に記載の帯電装置が、前記像担持体を電荷受容体とするように設けられた画像形成装置であって、
    前記像担持体の表面に、トナーより小粒径の微粒子がほぼ一様に塗布されており、
    前記トナーは、現像時に前記微粒子の上に転移されるものであり、
    前記像担持体上のトナー像が転写された後は、前記像担持体上に残留する微粒子を、該像担持体上に維持したまま次の潜像の形成及びトナー像の形成を行うようになっており、
    前記帯電電極の表面に塗布される微粒子の一部は、電界または前記像担持体との接触時の圧力により、前記像担持体の表面にほぼ一様に供給されるものであることを特徴とする画像形成装置。
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