JP4014194B2 - 粉体ポンプ及び該ポンプを有する画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貫通孔が形成されたステータと、該ステータの貫通孔に配置されて回転駆動されるロータと、該ロータを回転駆動する駆動軸とを有し、該駆動軸は、前記ロータに第1のユニバーサルジョイントを介して連結された第1の軸部と、該第1の軸部に第2のユニバーサルジョイントを介して連結された第2の軸部とを有している粉体ポンプ、及び該粉体ポンプを有する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の粉体を移送する目的で上記形式の粉体ポンプを用いることは従来より周知である。例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される画像形成装置においては、トナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤、或いはそのキャリアを含まない一成分系現像剤を移送する目的で上述の粉体ポンプが採用されている(例えば、特開平11−84873号公報参照)。かかる粉体ポンプは、例えば、一軸偏心スクリューポンプ又は一般にモーノポンプとも称せられているポンプとして構成される。
【0003】
この種の粉体ポンプは、そのロータが自転運動と公転運動を行うので、当該ロータを回転駆動する駆動軸を、第1の軸部と第2の軸部とにより構成し、その第1の軸部とロータとを第1のユニバーサルジョイントを介して連結し、しかも第1の軸部と第2の軸部も第2のユニバーサルジョイントを介して連結し、ロータが上述の自転運動と公転運動を行えるようにしている。
【0004】
ところが、本発明者による検討の結果、ロータと第1の軸部との連結部と、第1及び第2の軸部の連結部とに粉体が入り込み、ここでその粉体にストレスが加えられ、その粉体が劣化するおそれのあることが判明した。例えば、移送される粉体が、画像形成装置の現像装置において使用される粉体状のトナーである場合、そのトナーが上述の連結部に侵入し、再びその連結部から排出されるが、このときそのトナーに大きなストレスが加えられ、当該トナーが凝集して小さな塊状の凝集体となることがある。このような凝集体を含むトナーによって潜像を可視像化すれば、その画質が劣化する欠点を免れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した新規な認識に基づきなされたものであって、その第1の目的は、連結部に粉体が侵入することを防止できる冒頭に記載した形式の粉体ポンプを提供することにある。
【0006】
また、本発明の第2の目的は、上述の粉体ポンプを有する画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の第1の目的を達成するため、冒頭に記載した形式の粉体ポンプにおいて、前記ロータと前記第1の軸部とが連結された第1の連結部と、第1の軸部と第2の軸部とが連結された第2の連結部とに粉体が侵入することを阻止する粉体侵入阻止手段を有し、該粉体侵入阻止手段は、前記第1の連結部を覆う可撓性のチューブを具備し、前記第1のユニバーサルジョイントはジョイントピンより成り、前記ロータと第1の軸部のうちの一方の軸方向端部には、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、前記ロータと第1の軸部のうちの他方の軸方向端部は前記凹部内に遊びをもって入り込み、前記ジョイントピンは、前記凹部内に入り込んだ前記端部に対し、その半径方向に貫通した状態で固定され、かつ該ジョイントピンの長手方向各端部は、前記凹部を区画する周壁に形成された孔にそれぞれ遊びをもって嵌合し、前記可撓性のチューブは、前記ロータと第1の軸部との間の隙間と、前記孔とを覆った状態で該ロータと第1の軸部の外周面に密着して装着されていることを特徴とする粉体ポンプを提案する(請求項1)。
【0010】
さらに、上記請求項1に記載の粉体ポンプにおいて、前記粉体侵入阻止手段は、前記第2の連結部を覆う可撓性のチューブを具備していると有利である(請求項2)。
【0011】
また、上記請求項2に記載の粉体ポンプにおいて、前記第2のユニバーサルジョイントはジョイントピンより成り、前記第1の軸部と第2の軸部のうちの一方の軸方向端部には、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、前記第1の軸部と第2の軸部のうちの他方の軸方向端部は前記凹部内に遊びをもって入り込み、前記ジョイントピンは、前記凹部内に入り込んだ前記端部に対し、その半径方向に貫通した状態で固定され、かつ該ジョイントピンの長手方向各端部は、前記凹部を区画する周壁に形成された孔にそれぞれ遊びをもって嵌合し、前記可撓性のチューブは、前記第1の軸部と第2の軸部との間の隙間と、前記孔とを覆った状態で該第1の軸部と第2の軸部の外周面に装着されていると有利である(請求項3)。
【0012】
さらに、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体ポンプにおいて、前記可撓性のチューブは、熱を加えられて収縮した熱収縮性チューブより成ると有利である(請求項4)。
【0015】
また、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の粉体ポンプが画像形成装置の現像装置において使用される粉体状の現像剤を移送するポンプであると有利である(請求項5)。
【0016】
さらに、本発明は、上記第2の目的を達成するため、請求項1乃至5のいずれかに記載の粉体ポンプを具備する画像形成装置を提案する(請求項6)。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0018】
図1は、図示していない画像形成装置本体内に配置された粉体ポンプの縦断面図であり、この例では、この粉体ポンプ5が粉体状のトナーTを後述するように移送し、その粉体状のトナーTを現像装置3の現像容器4に供給するように構成されている。現像装置3の現像容器4内には、例えばトナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤(図示せず)が収容され、その現像剤中のトナーによって、同じく図示していない感光体に形成された静電潜像がトナー像として可視像化される。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される。
【0019】
ここに示した粉体ポンプ5は、貫通孔6が形成されたステータ7と、そのステータ7の貫通孔6に配置されて後述するように回転駆動されるロータ8と、そのロータ8を回転駆動する駆動軸11を有しているほか、ステータ7を収容したステータ用のケース9と、そのステータ用のケース9に隣接して設けられたケーシング14とを有している。ケース9はケーシング14に連結され、ステータ7はケース9とケーシング14とによって保持されている。上述した各要素は適宜な材料によって構成できるが、本例の粉体ポンプ5においては、ステータ7が例えばゴムなどの弾性材料より成り、ロータ8が硬質樹脂や金属などの剛性材料によって構成されている。
【0020】
駆動軸11は、例えば金属などの剛体により構成された第1の軸部12と第2の軸部13より成り、これらの軸部12,13とロータ8は、後述する作動が可能なように、ほぼこれらの軸方向に配列されている。図2は、ロータ8と各軸部12,13同士の連結部の部分も断面で示した拡大断面図であり、図3は図2のIII−III線断面図であるが、これらの図から判るように、第1の軸部12は、第1のユニバーサルジョイントの一例であるジョイントピン15を介してロータ8に連結され、第1の軸部12と第2の軸部13も、第2のユニバーサルジョイントの一例であるジョイントピン16を介して互いに連結されている。必要に応じて、前者のジョイントピン15を第1のジョイントピンと称し、後者のジョイントピン16を第2のジョイントピンと称することにする。同様に、ロータ8と第1の軸部12とが第1のユニバーサルジョイントを介して連結された連結部を第1の連結部、第1の軸部12と第2の軸部13とが第2のユニバーサルジョイントを介して連結された連結部を第2の連結部と称することにする。第1の連結部と第2の連結部は共に前述のケーシング14の内部に位置している。
【0021】
上述のように、駆動軸11は、ロータ8に第1のユニバーサルジョイントを介して連結された第1の軸部12と、その第1の軸部12に第2のユニバーサルジョイントを介して連結された第2の軸部13とを有していて、その連結の態様は適宜構成できるが、図1乃至図3に示した例では次のように構成されている。
【0022】
後述するように、トナーTは貫通孔6の入口開口20の側から出口開口21の側に移送されるが、図2に示すように、この出口開口21の側のロータ8の端部には、その軸方向に窪んだ凹部17が形成され、この凹部17に第1の軸部12の軸方向一端側が、その半径方向に遊びをもって入り込んでいる。このように凹部17に入り込んだ第1の軸部12の端部18に、第1のユニバーサルジョイントを構成する第1のジョイントピン15が、当該端部に対し、その半径方向に貫通し、かつ当該端部18に固定されている。この例では、第1のジョイントピン15がスプリングピンより成り、かかる第1のジョイントピン15が、端部18に形成された貫通孔19に挿入され、該ピン15がその弾性によって貫通孔19の内周面に圧接して当該端部18に固定されている。この構成に代え、第1のジョイントピン15を例えば接着剤又は溶接などによって端部18に固定することもできる。また、第1のジョイントピン15の長手方向各端部は、凹部17を区画するロータ8の周壁22に形成された各孔23,24に、該孔の半径方向に遊びをもって嵌合している。また、ロータ8と第1の軸部12は、これらの間に隙間25が存在するように配置されている。
【0023】
上述した構成により、ロータ8は、第1の軸部12に対して、第1のジョイントピン15の軸線まわりに相対的に揺動可能であると共に、これに対して直交する向き(矢印A方向)にも相対的に揺動可能にその第1の軸部12に連結される。
【0024】
図1及び図2に示した例では、ロータ8の端部に凹部17が形成され、ここに第1の軸部12の端部18が遊嵌しているが、逆に第1の軸部12の端部に凹部を形成し、ここにロータ8の端部を遊びをもって嵌合するように構成してもよく、これによっても上述の作用を奏することができる。要は、ロータ8と第1の軸部12のうちの一方の軸方向端部に、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、ロータ8と第1の軸部12のうちの他方の軸方向端部が、該凹部内に、その端部の半径方向に遊びをもって入り込み、第1のユニバーサルジョイントを構成するジョイントピン15が、上記凹部内に入り込んだ上記端部に対し、その半径方向に貫通した状態で固定され、かつそのジョイントピン15の長手方向各端部が、凹部を区画する周壁に形成された孔に、当該孔の半径方向にそれぞれ遊びをもって嵌合しているのである。
【0025】
また、図2及び図3に示すように、第2のユニバーサルジョイントを構成する第2のジョイントピン16は、第1のジョイントピン15に対して直交する向きに延びている。そして、この場合も、第1の軸部12の軸方向端部に凹部26が形成され、この凹部26に第2の軸部13の軸方向端部27が、その端部の半径方向に遊びをもって嵌合し、第2のジョイントピン16が該端部27に対してその半径方向に貫通し、かつ当該端部27に固定されている。その固定方法は、第1のジョイントピン15を端部18に固定する方法と同様である。また、この場合も第2のジョイントピン16の長手方向各端部が、凹部26を区画する第1の軸部12の周壁28に形成された各孔29,30に、その半径方向に遊びをもって嵌合している。第1の軸部12と第2の軸部13は、これらの間に隙間31が存在するように配置されている。
【0026】
上述した構成により、第1の軸部12は、第2の軸部13に対して、第2のジョイントピン16の軸線まわりに相対的に矢印Bで示す方向に揺動可能に、かつこれに対して直交する向きにも相対的に揺動可能に第2の軸部13に連結される。
【0027】
この場合も、第2の軸部13の端部に凹部を形成し、ここに第1の軸部12の端部を遊嵌させてもよく、これによっても上記作用を奏することができる。要は、第1の軸部12と第2の軸部13のうちの一方の軸方向端部に、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、第1の軸部12と第2の軸部13のうちの他方の軸方向端部が、該凹部内に、その端部の半径方向に遊びをもって入り込み、第2のユニバーサルジョイントを構成するジョイントピン16は、上記凹部内に入り込んだ端部に対し、その半径方向に貫通した状態で固定され、かつそのジョイントピン16の長手方向各端部は、上記凹部を区画する周壁に形成された孔に、当該孔の半径方向にそれぞれ遊びをもって嵌合しているのである。
【0028】
第2の軸部13は、図1に示すように、軸受10を介して、下部に開口2を有する前述のケーシング14に回転自在に支持されていると共に、ケーシング14の外部に突出した第2の軸部13の部分が、他の軸受1を介して画像形成装置本体に対して回転自在に支持されている。またケーシング外の第2の軸部13の部分には、ギア32が固定され、このギア32に図示していない相手ギアが噛み合い、同じく図示していない駆動モータの回転が、これらのギアを介して第2の軸部13に伝えられ、その回転が第2のジョイントピン16を介して第1の軸部12に、さらにその回転が第1のジョイントピン15を介してロータ8に伝えられ、該ロータ8が回転駆動されるように構成されている。第2の軸部13に図示していないクラッチを付設し、そのクラッチのオンにより第2の軸部13を回転させ、そのクラッチのオフにより第2の軸部13の回転を停止させるように構成することもできる。
【0029】
また、図1に示すように、第1の軸部12が位置する側と反対側のケース9の端部側に形成された粉体入口36には、粉体移送管37が接続され、その粉体移送管37の他端は、図示していないトナー貯留タンクに接続されている。
【0030】
図4は、ステータ7の貫通孔6にロータ8が挿入されていない状態でのステータ7の横断面図であり、図5はロータ単体の横断面図である。また、図6及び図7は、ステータ7の貫通孔6内にロータ8が配置された状態での横断面図であり、これらの図における鎖線は、ステータ7がロータ8により加圧されて弾性変形する前の状態を示している。
【0031】
ステータ7の貫通孔6は、図4に示すように、当該貫通孔6の中心軸線C1のまわりに螺旋状に延びる円弧状断面の2条の溝33,34により形成されている。その際、貫通孔6の横断面形状は、同一半径の2つの円弧状断面の溝33,34が連なり、両溝33,34の境界部がくびれた状態となっていて、当該境界部を区画するステータ部分35は、丸みを持った形状に形成されていることが好ましいが、この形態に限定されるものではない。例えば、両溝33,34の境界部がくびれておらず、貫通孔の横断面形状が長円形となっていてもよい。
【0032】
またロータ8は、図1及び図5に示すように、そのロータ8の外周面とステータ7の貫通孔内周面との間に粉体移送用の空隙Gが形成されるように、その中心軸線C2のまわりに螺旋状に延びている。本例のロータ8は、そのいずれの横断面も円形をなし、その円形横断面の中心C3が、ロータ8の中心軸線C2に対して偏心してその中心軸線C2のまわりに螺旋状に延びている。ステータ7は、図1に示すように螺旋構造のロータ8を包み含むようにして、該ロータ8と接触係合し、ケース9に保持されている。かかるロータ8とステータ7を有する粉体ポンプが、一軸偏心スクリューポンプ或いはモーノポンプとも称せられているポンプであって、従来より公知のものである。
【0033】
図1に示した現像装置3の現像容器4内の現像剤のトナー濃度低下が、図示していないトナー濃度センサにより検知されると、前述の駆動モータによって駆動軸11、すなわちその第1の軸部12と第2の軸部13が回転駆動され、これによってロータ8が、その円形横断面の中心C3(図5及び図6)のまわりを自転すると共に、該ロータ8の中心軸線C2がステータ7の貫通孔中心軸線C1のまわりに円状の軌跡を描きながら公転する。ロータ8は、その各円形断面が自転しながら、図6及び図7に示すようにステータ7の貫通孔6を区画する2条の溝33,34の間を往復運動する。このように、ロータ8は自転運動と公転運動を行うが、前述のようにロータ8は第1のジョイントピン15を介して第1の軸部12に連結され、かつ第1の軸部12が第2のジョイントピン16を介して第2の軸部13に連結されているので、これらの軸部12,13の回転によって、ロータ8は上述の2つの運動を行うことができる。
【0034】
このようなロータ8の回転により、ステータ7の貫通孔内周面とロータ8の外周面との間に形成された空隙Gが図1における左方へ移動し、これにより、貫通孔6の入口開口20の側、すなわち粉体ポンプ5のトナー吸い込み側に吸引圧力が発生し、粉体移送管37を介して、トナー貯留タンク内のトナーが、貫通孔6の入口開口20から空隙Gに送り込まれて図1における左方へ移送され、次いでこのトナーは貫通孔6の出口開口21から、ケーシング14内に排出される。ステータ7の貫通孔6から排出されたトナーTは、ケーシング14の下部の開口2を通して現像容器4内の二成分系現像剤中に供給されて混合撹拌される。所定時間を経過すると、ロータ8の回転が停止する。このようなトナー供給が行われることにより、現像容器4内の現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に保たれ、所定濃度のトナー像を感光体上に形成することができる。
【0035】
ところで、従来のこの種の粉体ポンプにおいては、図2に鎖線矢印P1で示すように、第1のジョイントピン15と、これが遊びをもって嵌合、すなわち遊嵌した孔23,24との間の隙間や、ロータ8と第1の軸部12の間の隙間25に粉体状のトナーTが侵入し、矢印P2で示すようにそのトナーが再び外部に排出されていた。同様に図2に鎖線矢印P3,P4で示すように第2のジョイントピン16と孔29,30の間の隙間と、第1及び第2の軸部12,13の間の隙間31にトナーが入り込み、これが再び排出されていた。このように、ロータ8と第1及び第2の軸部12,13の各連結部にトナーが入り込むと、トナーはここで激しいストレスを受け、これが小さな塊状の凝集体となり、かかるトナーにより静電潜像を可視像化すれば、その画質が劣化する。
【0036】
そこで、本例の粉体ポンプ5においては、ロータ8と第1の軸部12とが連結された第1の連結部と、第1の軸部12と第2の軸部13とが連結された第2の連結部とに粉体、この例ではトナーが侵入することを阻止する粉体侵入阻止手段が設けられている。
【0037】
図1乃至図3に示した例においては、上記粉体侵入阻止手段が、第1の連結部を外部から覆う可撓性のチューブ38(以下、これを必要に応じて第1のチューブという)を具備すると共に、第2の連結部を外部から覆う可撓性のチューブ39(同様に、これを第2のチューブという)を具備している。
【0038】
第1のチューブ38は、図1、図2及び図8に示すように、ロータ8と第1の軸部12との間の隙間25と、第1のジョイントピン15の各端部が嵌合した孔23,24を共に覆った状態で、ロータ8と第1の軸部12の外周面に密着して装着されている。
【0039】
同様に、第2のチューブ39は、図1乃至図3及び図8から判るように、第1の軸部12と第2の軸部13との間の隙間31と、第2のジョイントピン16の各端部が嵌合した孔29,39とを覆った状態で、第1の軸部12と第2の軸部13の外周面に密着して装着されている。
【0040】
上述のように、各隙間25,31の全周と、各孔23,24,29,30とが、第1のチューブ38と第2のチューブ39とによって、その外部から覆われているので、その内部にトナーが侵入することを阻止できる。これによって、トナーが塊状の凝集体となることを防止でき、凝集体のないトナーによって感光体上に高品質なトナー像を形成することができる。図示した例では、2つのチューブ38,39を用いたが、1つのチューブによって、上記の隙間と孔を全て覆うように構成することもできる。或いは3つ以上のチューブを用いて隙間と孔をそれぞれ覆うこともできる。
【0041】
ロータ8と第1の軸部12、及び第1の軸部12と第2の軸部13は、その各連結部の領域で相対的に運動するが、各チューブ38,39は可撓性を有しているので、これらのチューブ38,39を装着しても、上述の相対運動が阻害されることはない。
【0042】
可撓性のチューブ38,39として、例えばゴムなどの弾性材より成る筒状の部材を用いることもできるが、そのチューブとして、熱を加えられて収縮した熱収縮性チューブを用いると有利である。かかる熱収縮性チューブを用いれば、収縮前の大径のチューブをロータ8と第1の軸部12のまわりと、第1及び第2の軸部12,13のまわりとに嵌合した後、これに例えば加熱されたエアを吹きかけて収縮させることにより、当該チューブをロータと軸部のまわりに容易に密着させることができる。
【0043】
図9に示した例においては、ロータ8の凹部17に嵌合した第1の軸部12の端部18に形成された貫通孔19に、第1のジョイントピン15が遊びをもって嵌合すると共に、その第1のジョイントピン15の各端部が、ロータ8の周壁22に形成された各孔23,24に固定状態で嵌合している。例えば第1のジョイントピン15としてスプリングピンを用い、その各端部を弾性によって各孔23,24の内周面に圧着させるのである。このようにすれば、各孔23,24と第1のジョイントピン15との間に実質的に隙間ができないので、ここからトナーが侵入することはない。従って、ロータ8と第1の軸部12の間の隙間25に例えばゴムや軟質樹脂より成る弾性リング40を挿入すれば、第1の連結部の内部にトナーが侵入することを阻止できる。この例の場合には、このリング40が粉体侵入阻止手段を構成する。
【0044】
上述した構成も、第1の軸部12の方に凹部を形成し、その凹部にロータの端部を遊びをもって嵌合させたときにも適用できる。
【0045】
要は、第1のユニバーサルジョイントがジョイントピン15より成り、ロータ8と第1の軸部12のうちの一方の軸方向端部に、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、ロータ8と第1の軸部12のうちの他方の軸方向端部は、上記凹部に、その端部の半径方向に遊びをもって入り込み、ジョイントピン15は、上記凹部に入り込んだ端部に対し遊びをもってその半径方向に貫通し、かつジョイントピン15の長手方向各端部は、凹部を区画する周壁に対して固定され、粉体侵入阻止手段は、ロータ8と第1の軸部12の間の隙間25に挿入された弾性体より成るリング40を具備しているのである。
【0046】
上述した構成は、図9及び図10に示すように、第2のジョイントピン16の側にも適用できる。すなわち、第1の軸部12に形成された凹部26に、第2の軸部13の端部27が遊びをもって嵌合し、その端部27に形成された貫通孔42に第2のジョイントピン16が遊びをもって嵌合し、該第2のジョイントピン16の各端部が、凹部26を区画する周壁28に固定され、隙間31にリング41が挿入されるのである。この場合も凹部26が第2の軸部13の方に形成されていてもよい。
【0047】
要は、第2のユニバーサルジョイントもジョイントピン16より成り、第1の軸部12と第2の軸部13のうちの一方の軸方向端部に、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、第1の軸部12と第2の軸部13のうちの他方の軸方向端部は上記凹部に、その端部の半径方向に遊びをもって入り込み、ジョイントピン16は、凹部に入り込んだ端部に対し遊びをもってその半径方向に貫通し、かつジョイントピン16の長手方向各端部は、凹部を区画する周壁に対して固定され、粉体侵入阻止手段は、第1の軸部12と第2の軸部13の間の隙間31に挿入された弾性体より成るリング41を具備しているのである。
【0048】
隙間25,31に弾性体より成るリング40,41を単に挟み込むだけでもよいが、当該リング40をロータ8と第1の軸部12の少なくとも一方に、例えば接着剤によって固定し、同様にリング41を第1及び第2の軸部12,13の少なくとも一方に、接着剤などによって固定するようにしてもよい。
【0049】
図9及び図10に示した粉体ポンプの他の構成は、図1乃至図8に示した粉体ポンプと変りはない。また、以上説明した粉体ポンプにおいては、粉体を、駆動軸11とは反対の側からステータ7の貫通孔6へ送り込むように構成されているが、これとは逆に、粉体を駆動軸11の側からステータ7の貫通孔6に送り込み、これをロータ8の回転によって、図1に示した例とは逆の方向に移送するように構成することもできる。
【0050】
以上、現像装置において使用される粉体状の現像剤の一例であるトナーを移送する粉体ポンプについて説明したが、当該粉体ポンプによって例えば粉体状の二成分系現像剤を移送することもできる。また、感光体上のトナー像を転写材に転写した後、感光体上に付着する転写残トナーをクリーニング装置によって除去し、その除去した粉体状のトナーを現像装置に搬送し、当該トナーをその現像装置において、トナー像の形成のために再利用することは従来より周知であるが、クリーニング装置から現像装置にトナーを搬送する目的で、粉体ポンプを用いることもできる。
【0051】
また、粉体ポンプ5を有する画像形成装置について説明したが、本発明に係る粉体ポンプは、画像形成装置以外の各種装置にも利用でき、現像剤以外の粉体を移送するためにも用いることができる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1乃至4に係る発明によれば、粉体が劣化する不具合を効果的に抑えることができる。
【0053】
請求項5に係る発明によれば、現像剤の劣化を抑え、かかる現像剤によって高品質な画像を形成することができる。
【0054】
請求項6に係る発明によれば、上記効果を奏する画像形成装置を供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体ポンプの縦断面図である。
【図2】連結部も断面で表わした粉体ポンプの部分拡大断面図である。
【図3】図2のIII−III線拡大断面図である。
【図4】ステータの横断面図である。
【図5】ロータの横断面図である。
【図6】ステータの貫通孔にロータが配置された状態の横断面図である。
【図7】ステータの貫通孔にロータが配置された状態の横断面図である。
【図8】ステータ、第1の軸部、第2の軸部及びこれらに装着されたチューブを示す斜視図である。
【図9】粉体ポンプの他の例を示す、図2と同様な断面図である。
【図10】図9のX−X線拡大断面図である。
【符号の説明】
3 現像装置
5 粉体ポンプ
6 貫通孔
7 ステータ
8 ロータ
11 駆動軸
12 第1の軸部
13 第2の軸部
15 ジョイントピン
16 ジョイントピン
17 凹部
18 端部
22 周壁
23 孔
24 孔
25 隙間
26 凹部
27 端部
28 周壁
29 孔
30 孔
31 隙間
38 チューブ
39 チューブ
Claims (6)
- 貫通孔が形成されたステータと、該ステータの貫通孔に配置されて回転駆動されるロータと、該ロータを回転駆動する駆動軸とを有し、該駆動軸は、前記ロータに第1のユニバーサルジョイントを介して連結された第1の軸部と、該第1の軸部に第2のユニバーサルジョイントを介して連結された第2の軸部とを有している粉体ポンプにおいて、
前記ロータと前記第1の軸部とが連結された第1の連結部と、第1の軸部と第2の軸部とが連結された第2の連結部とに粉体が侵入することを阻止する粉体侵入阻止手段を有し、該粉体侵入阻止手段は、前記第1の連結部を覆う可撓性のチューブを具備し、前記第1のユニバーサルジョイントはジョイントピンより成り、前記ロータと第1の軸部のうちの一方の軸方向端部には、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、前記ロータと第1の軸部のうちの他方の軸方向端部は前記凹部内に遊びをもって入り込み、前記ジョイントピンは、前記凹部内に入り込んだ前記端部に対し、その半径方向に貫通した状態で固定され、かつ該ジョイントピンの長手方向各端部は、前記凹部を区画する周壁に形成された孔にそれぞれ遊びをもって嵌合し、前記可撓性のチューブは、前記ロータと第1の軸部との間の隙間と、前記孔とを覆った状態で該ロータと第1の軸部の外周面に密着して装着されていることを特徴とする粉体ポンプ。 - 前記粉体侵入阻止手段は、前記第2の連結部を覆う可撓性のチューブを具備する請求項1に記載の粉体ポンプ。
- 前記第2のユニバーサルジョイントはジョイントピンより成り、前記第1の軸部と第2の軸部のうちの一方の軸方向端部には、その軸方向に窪んだ凹部が形成され、前記第1の軸部と第2の軸部のうちの他方の軸方向端部は前記凹部内に遊びをもって入り込み、前記ジョイントピンは、前記凹部内に入り込んだ前記端部に対し、その半径方向に貫通した状態で固定され、かつ該ジョイントピンの長手方向各端部は、前記凹部を区画する周壁に形成された孔にそれぞれ遊びをもって嵌合し、前記可撓性のチューブは、前記第1の軸部と第2の軸部との間の隙間と、前記孔とを覆った状態で該第1の軸部と第2の軸部の外周面に装着されている請求項2に記載の粉体ポンプ。
- 前記可撓性のチューブは、熱を加えられて収縮した熱収縮性チューブより成る請求項1乃至3のいずれかに記載の粉体ポンプ。
- 画像形成装置の現像装置において使用される粉体状の現像剤を移送する請求項1乃至4のいずれかに記載の粉体ポンプ。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の粉体ポンプを具備する画像形成装置。
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