JP3793457B2 - 画像形成装置用の駆動機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体ドラム及び感光体ドラムの近傍に配設された回転体を駆動する画像形成装置用の駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図7に示すように、ドラムモータの駆動力によって、感光体ドラム4を駆動すると共に、残留トナー除去用の摺擦ローラ160や、感光体ドラム4表面からトナー像を用紙に転写するための転写ローラ11など、感光体ドラム4の近傍に配設された回転体までを回転駆動する構成の駆動機構200が知られている。この駆動機構200では、ドラムモータから感光体ドラム4への回転駆動力の伝達は、図外のドラムモータに直結する駆動ジョイント50´が、感光体ドラム4の回転軸41´のリア側端部41a´に結合され、回転軸41´が当該駆動ジョイント50´と共に回転することによって行われるようになっている。回転軸41´のリア側端部41a´は、径方向に突出した突起部41c´を有しており、駆動ジョイント50´は、この突起部41c´を含むリア側端部41a´を覆うようにして回転軸41´に結合されている。
【0003】
また、駆動機構200では、感光体ドラム4から摺擦ローラ160及び転写ローラ11への回転駆動力の伝達は、感光体ドラム4側部に設けられたドラムギヤ43が、摺擦ローラ160の側端部に設けられた摺擦ローラギヤ161、及び、転写ローラ11の側端部に設けられた転写ローラギヤ111に噛合され、感光体ドラム4の回転と共に摺擦ローラ160及び転写ローラ11が回転することによって行われている。さらに、回転軸41´と感光体ドラム4とは、断面D形状等とされた回転軸41´の側端部41b´を、感光体ドラム4の側部に形成された当該形状に対応する型の穴に嵌入することで結合されるようになっている。
【0004】
上記駆動機構200では、回転軸41´の感光体ドラム4への挿し込みは、突起部41c´が設けられていない側端部41b´を、画像形成装置のリア側から感光体ドラム4の回転中心部に挿し込むことによって行われ、突起部41c´を有するリア側端部41a´側が画像形成装置リア側の駆動ジョイント50側に配置される。そして、回転軸41´と感光体ドラム4とは、ドラムギヤ43が摺擦ローラギヤ161及び転写ローラギヤ111と噛合している画像形成装置フロント側で結合される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記駆動機構200は、回転軸41´(側端部41b´付近)と感光体ドラム4とが画像形成装置フロント側で結合されているため、ドラムモータの駆動力は、一旦、回転軸41´と駆動ジョイント50´との結合部である画像形成装置リア側のリア側端部41a´から、回転軸41´と感光体ドラム4との結合部である画像形成装置フロント側(回転軸41´の側端部41b´付近)まで伝達され、この画像形成装置のフロント側において摺動ローラ160及び転写ローラ11に伝達される。
【0006】
ドラムモータの回転駆動力は、上記のように感光体ドラム4の一端から他端まで伝達された後で転写ローラ11及び摺動ローラ160まで伝達されるため、回転軸41´が感光体ドラム4を回転させる時に要するトルク、及びドラムギヤ43が摺動ローラギヤ161及び転写ローラギヤ111を回転させる時に要するトルクによって、回転軸41´及び感光体ドラム4に捻じれが発生し、感光体ドラム4に回転ムラが生じやすい。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動源からの回転駆動力を、感光体を介して感光体近傍の回転体に伝達する場合に、感光体及びその回転軸の捻じれをなくし、感光体に回転ムラが発生することを防止できる画像形成装置用の駆動機構を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、感光体ドラム及び感光体ドラムの近傍に配設された回転体を駆動する画像形成装置用の駆動機構であって、
前記感光体ドラムを回転軸方向に貫通し、前記感光体ドラムの両側端部で軸受に軸支され、前記感光体ドラムの一側部で前記感光体ドラムに対して相対回転不能に結合された感光体回転軸と、
前記感光体ドラムの一側部から突出された前記感光体回転軸の一端部に結合し、前記感光体ドラムに回転駆動力を入力する回転駆動力入力手段と、
前記感光体ドラムの前記一側部に設けられた感光体ギヤと、
前記回転体の一側部に設けられ、前記感光体ギヤに噛合する回転体ギアとを備え、
前記感光体回転軸は、前記感光体ドラムの長さ方向において当該感光体ドラムの一方の内側壁から他方の内側壁に亘る当該感光体ドラム内部において、前記一端部よりも大径とされた均一な形状をなし、かつ、当該感光体回転軸自体の質量が、前記感光体ドラムの質量と同等以上とされると共に、
更に、前記感光体回転軸は、前記感光体ドラムの前記一側部との結合部分よりも前記感光体ドラム内部側となる部分の断面形状が、前記感光体ドラムの前記一側部と結合する前記一端部部分の断面形状よりも大きく形成され、当該断面形状が大きく形成された感光体回転軸部分は、その長さ方向における前記感光体ギヤ側の側端面部が、前記感光体ドラムの内側壁に当接しているものである。
【0009】
この構成によれば、感光体ドラムと感光体回転軸とが、感光体ギヤと回転体ギヤとが噛合している方であって、かつ、回転駆動力入力手段から感光体ドラムに回転駆動力が入力されている方の感光体ドラム側部で結合されるので、感光体ドラムから回転体に回転駆動力が出力されるまでに回転駆動力が伝達される経路が短い。従って、回転駆動力入力手段から入力された回転駆動力を回転体に出力するまでの回転駆動力伝達経路が従来の駆動機構よりも短くなり、感光体回転軸及び感光体ドラムの一端から他端まで回転駆動力を伝達させる構成を採る必要もないので、回転体への回転駆動力伝達時に感光体回転軸及び感光体ドラムに捻じれが生じることがなく、さらに、感光体回転軸の質量を感光体ドラムの質量よりも大きくしたことにより、感光体ドラムの回転ムラの発生を効果的に防止して良好な画像を形成することができる。
【0010】
また、感光体回転軸の一端部を感光体ドラムの上記一側部に結合させるときに、感光体回転軸の当該一端部のみが結合可能となり、断面形状が大きく形成された感光体回転軸部分の感光体ギヤ側の側端面部は結合されずに感光体ドラムの内側壁に当接するので、感光体ドラムの側部に対する感光体回転軸の軸方向における位置決めを容易に行うことができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置用の駆動機構であって、前記感光体回転軸の前記一端部には、当該一端部よりも断面形状が大きい結合部材が相対回転不能に装着され、
前記回転駆動力入力手段は当該結合部材に結合して、前記感光体回転軸に回転駆動力を伝達するように構成されているものである。
【0012】
この構成によれば、結合部材の断面形状が、上記感光体回転軸の一端部の断面形状よりも大きいので、回転駆動力入力手段からの回転駆動力が感光体回転軸に安定して伝達される。また、当該結合部材を感光体回転軸に装着することによって、回転駆動力入力手段から感光体回転軸に回転駆動力が伝達されるように構成されているので、感光体回転軸に結合部材を装着していない状態で、感光体ドラムに感光体回転軸を挿し込んで組み付けることも可能である。これにより、回転駆動力入力手段が配置されている側とは反対側、例えば、画像形成装置のフロント側から感光体ドラムに感光体回転軸を挿し込むことが可能となり、感光体回転軸の感光体ドラムへの組み付けを簡単にすることができる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置用の駆動機構であって、前記結合部材の前記回転駆動力入力手段に対向する対向部に嵌合部が形成されており、当該嵌合部が前記回転駆動力入力手段に形成された被嵌合部に嵌合することによって、前記回転駆動力入力手段の回転が前記結合部材に入力されるものである。
【0014】
この構成によれば、結合部材の嵌合部と、回転駆動力入力手段の被嵌合部との嵌合により、回転駆動力入力手段の回転駆動力が感光体回転軸に確実に伝達される。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置用の駆動機構であって、前記感光体回転軸の前記感光体ドラムの前記一側部との結合部分より前記一端部側部分の断面が円形断面の一部を切り欠いた形状とされ、
前記感光体ドラムの前記一側部及び前記結合部材には、それぞれ当該一端部側部分に対応する断面形状の穴部が形成され、
前記感光体回転軸の前記一端部側部分が、前記感光体ドラムの前記一側部及び前記結合部材に形成された穴部に嵌入されることによって、前記感光体ドラム及び結合部材と前記感光体回転軸との相対回転が阻止されるものである。
【0016】
この構成によれば、感光体回転軸の上記一端部が、感光体ドラムの一側部及び結合部材の穴に嵌入されることによって、感光体ドラム及び結合部材を感光体回転軸の回転に伴って確実に回転させることができる。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置用の駆動機構であって、前記感光体ドラムに対して相対回転不能に結合される感光体回転軸は、前記画像形成装置の機械手前側となる前記感光体ドラム側部から当該感光体ドラムに挿入されるものである。
【0018】
この構成によれば、画像形成装置の機械手前側から感光体回転軸が感光体ドラムに挿し込まれるので、感光体ドラムへの感光体回転軸の組み付けが簡単になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置用の駆動機構について図面を参照して説明する。図1は本発明の駆動機構が備えられた画像形成装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、本発明に係る画像形成装置の一例である複写機1では、複写機本体2内において、帯電装置3により図中のA方向に回転する感光体ドラム(感光体又は像担持体)4が一様に帯電され、原稿読取装置5で読み取られた原稿画像に基づく露光装置(レーザ走査ユニット等)6からのレーザビームにより感光体ドラム4上に静電潜像が形成され、現像装置(現像手段)7により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。この現像装置7へのトナーの供給は、トナーコンテナ8から行われる。
【0020】
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム4に向けて、給紙機構9から用紙が用紙搬送路10を経由して搬送され、転写ローラ11により感光体ドラム4表面のトナー像が用紙に転写される。そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム4から分離され、定着ローラ対を有する定着装置12に搬送されてトナー像が定着される。定着装置12を通過した用紙は、複数方向に分岐した用紙搬送路13に送られて、用紙搬送路13の分岐点で分岐部材によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、用紙搬送路17に送られて両面コピーされた後に)、上シートトレイ102a、下シートトレイ102b又はシートトレイ103の用紙排出部から排出される。
【0021】
16はクリーニング部であり、摺擦ローラ160により感光体ドラム4の表面を研磨してリフレッシュし、不図示のクリーニングブレード等により感光体ドラム4表面上の残留トナー等を掻き取るものである。また、給紙機構9は、複写機本体2に着脱自在に取り付けられ、用紙を収納する給紙カセット91,92と、その上方に設けられるスタックバイパス(バイパストレイ)93とを備えてなり、これらは用紙搬送路10によって感光体ドラム4及び現像装置7等からなる画像形成部に繋がっている。
【0022】
本発明は、上記複写機1における感光体ドラム4、転写ローラ11及びクリーニング部16の摺擦ローラ160を駆動する機構に係るものであり、図外のドラムモータからの回転駆動力を、感光体ドラム4を介して転写ローラ11及び摺動ローラに伝達する構成の駆動機構である。
【0023】
上記感光体ドラム4、転写ローラ11及び摺擦ローラ160の駆動機構について説明する。図2は当該駆動機構の概略構成を示す平面断面図である。なお、図2では、構成の明瞭化のために感光体ドラム4の回転軸を2点鎖線で示している。感光体ドラム4、転写ローラ11及び摺擦ローラ160の駆動機構100は、感光体ドラム4の回転軸41と、回転軸41に取り付けられる結合部材45と、この結合部材45を介して回転軸41に結合し、感光体ドラム4に回転駆動力を入力する駆動ジョイント(回転駆動力入力手段)50と、感光体ドラム4の側部に設けられたドラムギヤ(感光体ギヤ)43と、転写ローラ11の側端部に設けられた転写ローラギヤ111と、摺擦ローラ160の側端部に設けられた摺動ローラギア161とを備えている。
【0024】
上記駆動ジョイント50は図外のドラムモータに直結し、ドラムモータの回転駆動力を他に伝達するものであり、この駆動ジョイント50が、感光体ドラム4の回転軸41の端部に結合され、回転軸41が駆動ジョイント50と共に回転されることによって、感光体ドラム4がドラムモータによって回転駆動されるようになっている。感光体ドラム4のドラムギヤ43は、摺擦ローラギヤ161及び転写ローラギヤ111と噛合しており、感光体ドラム4の回転に伴って摺擦ローラ160及び転写ローラ11が回転駆動されるようになっている。
【0025】
感光体ドラム4の回転軸41は、感光体ドラム4の回転中心部分に挿入され、感光体ドラム4の内部に組み付けられる。回転軸41の両側端部は、感光体ドラム4両側の側部に形成された穴に挿入され(詳細は後述)、この穴から突出した回転軸41の両側端部41a,41bが、ドラムユニットの筐体61に取り付けられた軸受62に回転自在に軸支されるようになっている。回転軸41は図示するように、その質量を上げるために、図7に示す従来例の駆動機構の回転軸よりも大径としている。回転軸41の質量を変化させた場合の画像への影響を調べた結果を表1に示す。表1の結果より回転軸41の質量が感光体ドラム4と同等以上の質量で良好な画像が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】
複写機1のリア側において感光体ドラム4から突出した回転軸41のリア側端部41aには、回転軸41よりも断面形状が大きい結合部材45が装着される。上記駆動ジョイント50は当該結合部材45と結合して、ドラムモータの回転駆動力を回転軸41に伝達するようになっている。結合部材45は、回転軸41とは一体形成されておらず、回転軸41に取り付けられる構成である。回転軸41の感光体ドラム4への挿入・組付は、結合部材45を取り付けていない状態で行われる。回転軸41は複写機1のフロント側から感光体ドラム4に挿し込まれ、感光体ドラム4の側部から突出した回転軸41のリア側端部41aを軸受62に軸支された後、結合部材45が回転軸41に取り付けられる。
【0028】
また、回転軸41は、ドラムギヤ43が摺擦ローラギヤ161及び転写ローラギヤ111と噛合している方(複写機1のリア側)の感光体ドラム4側部において、リア側端部41aが感光体ドラム4に結合されるようになっている。また、図2に示すように、回転軸41は、感光体ドラム4側部と結合して軸受62に軸支されるリア側端部41aが、それ以外の部分よりも断面形状が小さく形成されている。例えば、リア側端部41aの断面形状が、回転軸41の円形断面の一部、例えば、円形断面の側部部分を切り欠いた形状とする。但し、軸受62による軸支が可能な形状とされる。これにより、回転軸41を感光体ドラム4に挿入して組み付ける時に、リア側端部41aのみが感光体ドラム4側部に形成された穴(後述)に嵌入し、それ以外の部分は感光体ドラム4の内壁に当接して嵌入されなくなるので、感光体ドラム4に対する回転軸41の軸方向における位置決めを容易に行うことができる。
【0029】
感光体ドラム4側端部と回転軸41の結合部分、及び結合部材45について詳細に説明する。図3は結合部材45を回転軸41の側端部に取り付けた状態を示す斜視図、図4は結合部材45を回転軸41の側端部に取り付けた状態を別角度から見た場合を示す斜視図である。なお、図3及び図4では、転写ローラ11の図示を省略している。
【0030】
感光体ドラム4側部に結合される回転軸41のリア側端部41aは、断面形状が非円形状とされる。例えば本実施形態では、図3及び図4に示すように、断面形状が円形とされた回転軸41の側部部分を切り欠き、略小判型に形成している。当該リア側端部41aが結合される感光体ドラム4側部には、リア側端部41aの形状に対応した形状の穴4aが設けられている。このリア側端部41aを穴4aに嵌入することにより、回転軸41が感光体ドラム4に対して相対的に回転不可能な状態で結合される。これにより、回転軸41が感光体ドラム4に結合された状態で回転すると、回転軸41と共に感光体ドラム4も確実に回転する。
【0031】
上記リア側端部41aの形状は、上述したように、軸受62によって回転可能に軸支され得る形状である。なお、リア側端部41aは、感光体ドラム4側部の穴4aとの結合部よりも駆動ジョイント50側の部分が、当該結合部よりも断面形状が小さく形成されていればよい(いわゆる先細り形状でもよい)。また、回転軸41のフロント側端部41bも軸受62に軸支され得る形状とされるが、このフロント側端部41bは回転可能でさえあればよいので、断面形状が円形であってもよい。
【0032】
回転軸41の感光体ドラム4への組み付けは、例えば、複写機1のフロント側の感光体ドラム4側部に形成されている穴(この穴は、断面形状が最も大きい回転軸41中央付近の挿入が可能な大きさに設定されている)から、感光体ドラム4に回転軸41を挿し込み、複写機1のリア側(ドラムギヤ43が摺擦ローラギヤ161及び転写ローラギヤ11に噛合している側)の感光体ドラム4側部の穴4aにリア側端部41aを嵌入するようにして行われる。
【0033】
感光体ドラム4への回転軸41の組み付け後、感光体ドラム4のリア側部から突出した回転軸41のリア側端部41aには、結合部材45が取り付けられる。結合部材45には、回転軸41のリア側端部41aの形状に対応した形状の穴45bが形成されている。この穴45bにリア側端部41aを嵌入することにより、回転軸41に結合部材45を取り付ける。回転軸41に結合部材45を取り付けた状態では、感光体ドラム4側部の穴4aに回転軸41のリア側端部41aが入らないため、回転軸41への結合部材45の取り付けは、回転軸41を感光体ドラム4に結合させた後で行われる。
【0034】
回転軸41に結合部材45を取り付けた後は、結合部材45が取り付けられている箇所よりも先端側のリア側端部41aに、止め輪46(取付容易性及び安定性の点から、図3及び図4に示すようなCリングが好ましい)が取り付けられる。この止め輪46は、リア側端部41aに取り付けられた状態では、止め輪46の一部が、リア側端部41aの切り欠き部よりも外側にはみ出すため(図4参照)、結合部材45が止め輪46によって係止され、結合部材45の回転軸41(リア側端部41a)からの脱落が防止される。
【0035】
よって、回転軸41のリア側端部41aは、感光体ドラム4及び結合部材45の両方に対する回転軸41の相対的な回転を抑止する機能を有している。これにより、回転軸41の回転に伴って感光体ドラム4及び結合部材45を確実に回転させることができる。
【0036】
結合部材45は、回転軸41よりも断面形状が大きく形成されており、回転軸41に駆動ジョイント50を直接結合させる場合よりも、駆動ジョイント50との結合部分の面積が大きくなるように設定されている。これにより、結合部材45と駆動ジョイント50との結合が安定し、効率良く回転駆動力の伝達を受けられるようになっている。また、結合部材45の側面部であって、駆動ジョイント50との結合面(駆動ジョイント50に対向する面)には、突出部45aが軸方向(駆動ジョイント50の方向)に突出するように設けられており、この突出部45aが駆動ジョイント50に設けられている凹部(後述)と嵌合するようになっている。この突出部45aと凹部との嵌合により、駆動ジョイント50の回転と共に結合部材45も確実に回転することとなり、回転駆動力がロスなく伝達される。
【0037】
なお、摺擦ローラ160は、感光体ドラム4の表面を一定の圧力で摺擦するために、押しバネ162によって感光体ドラム4側へ所定圧で押し付けられている。よって、摺擦ローラギヤ161はドラムギヤ43に所定圧が掛けられた状態で噛合している。
【0038】
図5はドラムユニットに感光体ドラム4を取り付けた状態を示す斜視図、図6はドラムユニットに感光体ドラム4を取り付け、結合部材45に駆動ジョイント50を結合した状態を示す斜視図である。ドラムユニット60の内部には、感光体ドラム4と、摺擦ローラ160を含むクリーニング部16と、転写ローラ11を含む転写装置等とが組み込まれ、ドラムユニット60の筐体61からは、回転軸41の側端部(図5及び図6ではリア側端部41a)が露出している。よって、このドラムユニット60に感光体ドラム4を取り付けた状態では、感光体ドラム4はドラムユニット60内に組み込まれ、感光体ドラム4の側部から突出した回転軸41のリア側端部41aのみが、ドラムユニット60から突出した状態となる。
【0039】
ドラムユニット60から突出したリア側端部41aは軸受62に軸支される。このとき結合部材45は、軸受62及び止め輪46によって回転軸41での軸方向における位置決めがなされる。そして、図6に示すように、軸受62から駆動ジョイント50側に露出した結合部材45の突出部45aに、駆動ジョイント50の凹部50aを嵌合させ、結合部材45に駆動ジョイント50を結合する。なお、軸受62は、図5及び図6に示すように、ドラムユニット60の筐体61にネジ65で取り付けて固定されている。
【0040】
このように、本実施形態の駆動機構100によれば、ドラムギヤ43が摺擦ローラギヤ161及び転写ローラギヤ111に噛合している方であって、かつ駆動ジョイント50が回転軸41と結合している感光体ドラム4のリア側部において、感光体ドラム4と回転軸41とが結合されているので、感光体ドラム4に駆動ジョイント50から回転駆動力が入力されてから、摺動ローラ160び転写ローラ11に出力されるまでの伝達経路が短くなる。これにより、従来のようにドラムモータから摺擦ローラ160及び転写ローラ11に回転駆動力を伝達するために、回転軸41及び感光体ドラム4の一端部から他端部まで回転駆動力を伝達させるような構成を採る必要がないので、回転駆動力伝達時に回転軸41及び感光体ドラム4に捻じれが生じることがなく、さらに、回転軸41の質量を感光体ドラム4の質量よりも大きくしたことにより、感光体ドラム4の回転ムラの発生を効果的に防止して良好な画像を形成することができる。
【0041】
また、結合部材45は回転軸41の端部41aよりも断面形状が大きく形成されているので、駆動ジョイント50からの回転駆動力が回転軸41(感光体ドラム4)に安定して伝達される。また、結合部材45は回転軸41に一体形成されているものではなく、回転軸41を感光体ドラム4に組み付けた後に取り付ける構成なので、回転軸41の感光体ドラム4を、複写機1のフロント側(機械手前側)の感光体ドラム4側部に設けられた穴(駆動ジョイント50とは反対側)から、駆動ジョイント50側に向けて挿入することが可能であり、回転軸41を複写機1のフロント側から感光体ドラム4に簡単に組み付けることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、回転軸41が感光体ドラム4の側部結合する部分は、断面視略小判型の形状とされているが、この形状には限定されず、回転軸41が感光体ドラム4に対して回転不可能となる形状であれば他の形状であっても構わない。例えば、回転軸41の断面形状をD型形状等としてもよい。
【0043】
また、リア側端部41aの形状は上記実施形態に示すものに限られず、回転軸41の他の部分よりも断面形状が小さければ、他の形状からなるものであってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、駆動機構100を、感光体ドラム4から摺擦ローラ160及び転写ローラ11に回転駆動力を伝達するものとして説明しているが、感光体ドラム4の近傍に配設される回転体に対して感光体ドラム4から回転駆動力を伝達する構成のものであれば、摺擦ローラ160及び転写ローラ11以外の回転体に回転駆動力を伝達するものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、感光体ドラムと感光体回転軸とが、感光体ギヤと回転体ギヤとが噛合している方であって、かつ、回転駆動力入力手段から感光体ドラムに回転駆動力が入力されている方の感光体ドラム側部で結合されるので、感光体ドラムから回転体に回転駆動力が出力されるまでに回転駆動力が伝達される経路が短い。従って、回転駆動力入力手段から入力された回転駆動力を回転体に出力するまでの回転駆動力伝達経路が従来の駆動機構よりも短くなり、感光体回転軸及び感光体ドラムの一端から他端まで回転駆動力を伝達させる構成を採る必要もないので、回転体への回転駆動力伝達時に感光体回転軸及び感光体ドラムに捻じれが生じることがなく、さらに、感光体回転軸の質量を感光体ドラムの質量よりも大きくしたことにより、感光体ドラムの回転ムラの発生を効果的に防止して良好な画像を形成することができる。
【0046】
また、感光体回転軸の一端部を感光体ドラムの上記一側部に結合させるときに、感光体回転軸の当該一端部のみが結合可能となり、断面形状が大きく形成された感光体回転軸部分の感光体ギヤ側の側端面部は結合されずに感光体ドラムの内側壁に当接するものとすれば、感光体ドラムの側部に対する感光体回転軸の軸方向における位置決めを容易に行うことができる。
【0047】
また、感光体回転軸の上記一端部には、当該一端部よりも断面形状が大きい結合部材が相対回転不能に装着され、回転駆動力入力手段は当該結合部材に結合して、感光体回転軸に回転駆動力を伝達するように構成すれば、回転駆動力入力手段からの回転駆動力が感光体回転軸に安定して伝達される。また、当該結合部材を感光体回転軸に装着することによって、回転駆動力入力手段から感光体回転軸に回転駆動力が伝達されるように構成されているので、感光体回転軸に結合部材を装着していない状態で、感光体ドラムに感光体回転軸を挿し込んで組み付けることも可能である。これにより、回転駆動力入力手段が配置されている側とは反対側、例えば、画像形成装置のフロント側から感光体ドラムに感光体回転軸を挿し込むことが可能となり、感光体回転軸の感光体ドラムへの組み付けを簡単にすることができる。
【0048】
また、結合部材の回転駆動力入力手段に対向する対向部に嵌合部を形成し、当該嵌合部が回転駆動力入力手段に形成された被嵌合部に嵌合することによって、回転駆動力入力手段の回転が結合部材に入力されるように構成すれば、回転駆動力入力手段の回転駆動力が感光体回転軸に確実に伝達される。
【0049】
また、感光体回転軸の感光体ドラムの上記一側部との結合部分から上記一端部側部分にかかる断面を円形断面の一部を切り欠いた形状とし、感光体ドラムの上記一側部及び結合部材には、それぞれ感光体回転軸の当該一端部側部分に対応する断面形状の穴部を形成し、感光体回転軸の上記一端部側の部分を、感光体ドラムの上記一側部及び結合部材に形成された穴部に嵌入することによって、感光体ドラム及び結合部材と感光体回転軸との相対回転を阻止するように構成すれば、感光体ドラム及び結合部材を感光体回転軸の回転に伴って確実に回転させることができる。
【0050】
また、感光体回転軸を画像形成装置の機械手前側に対応する前記感光体ドラムの一側部から挿入されるように構成することによって、感光体ドラムへの感光体回転軸の組み付けを簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の駆動機構が備えられた画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】 上記駆動機構の概略構成を示す平面断面図である。
【図3】 結合部材を感光体回転軸の側端部に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図4】 結合部材を感光体回転軸の側端部に取り付けた状態を、図3とは別角度から見た場合を示す斜視図である。
【図5】 ドラムユニットに感光体ドラムを取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】 ドラムユニットに感光体ドラムを取り付け、結合部材に駆動ジョイントを結合させた状態を示す斜視図である。
【図7】 従来の駆動機構の概略構成を示す平面断面図である。
【符号の説明】
1 複写機(画像形成装置)
4 感光体ドラム
41 回転軸
41a 側端部
41b 側端部
43 ドラムギヤ
4a 穴
11 転写ローラ
111 転写ローラギヤ
12 定着装置
16 クリーニング部
160 摺動ローラ
161 摺動ローラギヤ
45 結合部材
45a 突出部
45b 穴
46 止め輪
50 駆動ジョイント
50a 凹部
60 ドラムユニット
61 筐体
62 軸受
100 駆動機構
160 摺擦ローラ
161 摺擦ローラギヤ
Claims (5)
- 感光体ドラム及び感光体ドラムの近傍に配設された回転体を駆動する画像形成装置用の駆動機構であって、
前記感光体ドラムを回転軸方向に貫通し、前記感光体ドラムの両側端部で軸受に軸支され、前記感光体ドラムの一側部で前記感光体ドラムに対して相対回転不能に結合された感光体回転軸と、
前記感光体ドラムの一側部から突出された前記感光体回転軸の一端部に結合し、前記感光体ドラムに回転駆動力を入力する回転駆動力入力手段と、
前記感光体ドラムの前記一側部に設けられた感光体ギヤと、
前記回転体の一側部に設けられ、前記感光体ギヤに噛合する回転体ギアとを備え、
前記感光体回転軸は、前記感光体ドラムの長さ方向において当該感光体ドラムの一方の内側壁から他方の内側壁に亘る当該感光体ドラム内部において、前記一端部よりも大径とされた均一な形状をなし、かつ、当該感光体回転軸自体の質量が、前記感光体ドラムの質量と同等以上とされると共に、
更に、前記感光体回転軸は、前記感光体ドラムの前記一側部との結合部分よりも前記感光体ドラム内部側となる部分の断面形状が、前記感光体ドラムの前記一側部と結合する前記一端部部分の断面形状よりも大きく形成され、当該断面形状が大きく形成された感光体回転軸部分は、その長さ方向における前記感光体ギヤ側の側端面部が、前記感光体ドラムの内側壁に当接している画像形成装置用の駆動機構。 - 前記感光体回転軸の前記一端部には、当該一端部よりも断面形状が大きい結合部材が相対回転不能に装着され、
前記回転駆動力入力手段は当該結合部材に結合して、前記感光体回転軸に回転駆動力を伝達するように構成されている請求項1に記載の画像形成装置用の駆動機構。 - 前記結合部材の前記回転駆動力入力手段に対向する対向部に嵌合部が形成されており、当該嵌合部が前記回転駆動力入力手段に形成された被嵌合部に嵌合することによって、前記回転駆動力入力手段の回転が前記結合部材に入力される請求項2に記載の画像形成装置用の駆動機構。
- 前記感光体回転軸の前記感光体ドラムの前記一側部との結合部分より前記一端部側部分の断面が円形断面の一部を切り欠いた形状とされ、
前記感光体ドラムの前記一側部及び前記結合部材には、それぞれ当該一端部側部分に対応する断面形状の穴部が形成され、
前記感光体回転軸の前記一端部側部分が、前記感光体ドラムの前記一側部及び前記結合部材に形成された穴部に嵌入されることによって、前記感光体ドラム及び結合部材と前記感光体回転軸との相対回転が阻止される請求項3に記載の画像形成装置用の駆動機構。 - 前記感光体ドラムに対して相対回転不能に結合される感光体回転軸は、前記画像形成装置の機械手前側となる前記感光体ドラム側部から当該感光体ドラムに挿入される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置用の駆動機構。
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